JP2013224361A - タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジエン系ゴム(A)100質量部と、
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、を含有し、
前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、イミノ結合、ケトン結合およびエステル結合からなる群から選択される共有結合を介して結合される反応性官能基を1分子あたり少なくとも1個有するポリエーテル系の重合体または共重合体であり、
前記反応性官能基が、水酸基、シラン官能基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択されるいずれかの官能基であるタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、本出願人により、「(A)天然ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴムおよびブチルゴムから選ばれる少なくとも一種のゴム100重量部に対して、(B)カーボンブラックおよび/またはシリカ30〜80重量部、および(C)主鎖がポリイソブチレン系でアルコキシシリル基を少なくとも一つ有する化合物および/または主鎖が式−R1−O−(式中、R1は、炭素数が1〜8である2価の炭化水素基)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテル系でアルコキシシリル基を少なくとも一つ有する化合物3〜50重量部を配合してなるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物。」が提案されている。
そして、本発明者らが、特許文献1に記載のゴム組成物について検討を行なったところ、氷上性能の向上が不十分であり、また、ウェット性能および転がり抵抗が劣る場合があることを明らかにした。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、を含有し、
上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、イミノ結合、ケトン結合およびエステル結合からなる群から選択される共有結合を介して結合される反応性官能基を1分子あたり少なくとも1個有するポリエーテル系の重合体または共重合体であり、
上記反応性官能基が、水酸基、シラン官能基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択されるいずれかの官能基であるタイヤ用ゴム組成物。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A)100質量部と、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、を含有し、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が後述する共有結合を介して結合される後述する反応性官能基を1分子あたり少なくとも1個有するポリエーテル系の重合体または共重合体であるタイヤ用のゴム組成物である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有するジエン系ゴム(A)は、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記ジエン系ゴム(A)は、上述した各ゴムの末端や側鎖がアミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基等で変成(変性)された誘導体であってもよい。
これらのうち、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、NR、BR、SBRを用いるのが好ましく、NRおよびBRを併用するのがより好ましい。
ここで、ガラス転移温度は、デュポン社製の示差熱分析計(DSC)を用い、ASTM D3418−82に従い、昇温速度10℃/minで測定した値である。
また、平均ガラス転移温度は、ガラス転移温度の平均値であり、ジエン系ゴムを1種のみ用いる場合は、そのジエン系ゴムのガラス転移温度をいうが、ジエン系ゴムを2種以上併用する場合は、ジエン系ゴム全体(各ジエン系ゴムの混合物)のガラス転移温度をいい、各ジエン系ゴムのガラス転移温度と各ジエン系ゴムの配合割合から平均値として算出することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)を含有する。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPE、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記カーボンブラックは、ゴム組成物の混合時の加工性やタイヤの補強性等の観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が10〜300m2/gであるのが好ましく、20〜200m2/gであるのがより好ましく、タイヤのウェット性能および氷上性能がより良好となる理由から、50〜150m2/gであるのが好ましく、70〜130m2/gであるのがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
上記白色充填剤としては、具体的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、シリカが好ましい。
これらのうち、タイヤの氷上性能が更に良好となり、耐摩耗性もより向上する理由から、湿式シリカが好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面への臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
また、上記カーボンブラックおよび上記白色充填剤を併用する場合、上記白色充填剤の含有量は、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、5〜85質量部であるのが好ましく、15〜75質量部であるのがより好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有する架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)は、共有結合を介して結合される反応性官能基を1分子あたり少なくとも1個有するポリエーテル系の重合体または共重合体である。
これらのうち、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)の主鎖が、アルキレンオキシド単量体単位を含むものが好ましく、この単量体単位の割合が50質量%を超えるのがより好ましく、70質量%以上であるのが更に好ましい。
これらのうち、タイヤの氷上性能、ウェット性能および転がり抵抗のバランスが良好となる理由から、プロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位であるのが好ましい。
ここで、上記シラン官能基は、いわゆる架橋性シリル基とも呼ばれ、その具体例としては、加水分解性シリル基;シラノール基;シラノール基をアセトキシ基誘導体、エノキシ基誘導体、オキシム基誘導体、アミン誘導体などで置換した官能基;等が挙げられる。
これらの官能基のうち、ゴムの加工時に上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が適度に架橋され、タイヤの氷上性能が更に良好となり、耐摩耗性もより良好となる理由から、シラン官能基またはイソシアネート基を有しているのが好ましく、中でも加水分解性シリル基またはイソシアネート基を有しているのがより好ましい。
これらのうち、加水分解性と貯蔵安定性のバランスが良好となる理由から、アルコキシシリル基であるのが好ましく、具体的には、下記式(1)で表されるアルコキシシリル基であるのがより好ましく、メトキシシリル基、エトキシシリル基であるのが更に好ましい。
なお、上記ポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)などの脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
ここで、「共有結合を介して結合」とは、例えば、主鎖を構成する上記アルキレンオキシド単量体単位(例えば、プロピレンオキシド)の末端の酸素原子と上記加水分解性シリル基のケイ素原子や上記イソシアネート基の窒素原子とが、ウレタン結合等を含む共有結合により結合している状態をいう。
これらの共有結合のうち、氷上性能および転がり抵抗がより良好となる理由から、ウレタン結合であるのが好ましい。
ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
ここで、氷上性能およびウェット性能が優れる理由は、上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、上記反応性官能基の存在によって加水分解や湿気により分子間等で反応し、ゲル化することにより、上記ジエン系ゴム(A)のマトリックス中に上記有機重合体(ゲル)のドメインが形成されたためであると考えられる。
また、転がり抵抗が優れる理由は、上記共有結合と後述する充填剤(特にシリカ)の粒子表面に存在するシラノール基との相互作用により、ゴム組成物の粘度上昇が抑制されたためであると考えられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述した白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、タイヤの補強性能を向上させる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を配合する場合の含有量は、上記白色充填剤100質量部に対して、0.1〜20質量部であるのが好ましく、4〜12質量部であるのがより好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの氷上性能がより良好となる理由から、熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱可塑性樹脂粒子からなる熱膨張性マイクロカプセルを含有するのが好ましい。
ここで、上記熱膨張性マイクロカプセルは、上記物質の気化または膨張開始温度以上の温度(例えば、140〜190℃、好ましくは150〜180℃)で加熱することにより、上記熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体が封入されたマイクロカプセルとなる。
また、上記熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は特に限定されないが、膨張前において、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
このような熱膨張性マイクロカプセルは、例えば、スウェーデンのEXPANCEL社製の商品名「エクスパンセル091DU−80」や「エクスパンセル092DU−120」、松本油脂製薬社製の商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」や「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
これらのうち、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリルであるのが好ましい。
また、ニトリル系単量体(I)の共重合比は、35〜95質量%であるのが好ましく、45〜90重量%であるのがより好ましい。
単量体(II)の共重合比は、4〜60質量%であるのが好ましく、10〜50重質量%であるのがより好ましい。単量体(II)の共重合比が4重量%以上であると、高温領域においても膨張性を十分に維持することができる。
単量体(III)の共重合比は、0.05〜5質量%であるのが好ましく、0.2〜3質量%であるのがより好ましい。単量体(III)の共重合比がこの範囲であると、高温領域においても膨張性を十分に維持することができる。
単量体(IV)は任意成分であり、これを添加するときは、共重合比は、0.05〜20質量%であるのが好ましく、1〜15重量%であるのがより好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記ジエン系ゴム(A)、上記カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)ならびに上記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)以外に、炭酸カルシウムなどのフィラー;硫黄等の加硫剤;スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チオウレア系、チウラム系などの加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫促進助剤;ワックス;アロマオイル;老化防止剤;可塑剤;等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えば、ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、硫黄は0.5〜5質量部、加硫促進剤は0.1〜5質量部、加硫促進助剤は0.1〜10質量部、老化防止剤は0.5〜5質量部、ワックスは1〜10質量部、アロマオイルは5〜30質量部、それぞれ配合してもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ(以下、単に「本発明のタイヤ」ともいう。)は、上述した本発明のタイヤ用ゴム組成物を、タイヤトレッドに用いたスタッドレスタイヤである。
図1に、本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に、得られたゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
作製した各加硫ゴムシートを偏平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−1.5℃とし、荷重5.5g/cm3、ドラム回転速度25km/hとした。
氷上摩擦係数指数は、比較例1の測定値を100とする指数で表し、下記第1表に示した。この指数が大きいものほど氷上摩擦力が大きく、氷上性能が良好であることを意味する。
作製した各加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率0.5±2%、周波数20Hz、温度−10℃の条件におけるtanδを測定した。
得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表し、下記第1表に示した。この指数が大きいほどtanδが大きく、ウェット性能が優れることを意味する。
作製した各加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準拠し、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hz、温度60℃の条件におけるtanδを測定した。
得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表し、下記第1表に示した。この指数が小さいほどtanδが小さく、転がり抵抗が優れる(小さい)ことを意味する。
・天然ゴム:STR20(ガラス転移温度:−72℃、BON BUNDIT社製)
・ブタジエンゴム:Nipol BR 1220(ガラス転移温度:−110℃、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(窒素吸着比表面積:88m2/g、キャボットジャパン社製)
・シリカ:ULTRASIL VN−3(CTAB吸着比表面積:155m2/g、エボニックデグッサ社製)
・シランカップリング剤:Si69(エボニックデグッサ社製)
・有機重合体2:MSポリマー S810〔主鎖:プロピレンオキシド単量体単位、反応性官能基:ジメトキシシリル基(両末端)、共有結合:なし、カネカ社製〕
・架橋性ポリマー2:2官能ポリプロピレングリコール(プレミノールS4012、数平均分子量:10,000、水酸基価:11.2、旭硝子社製)500gと3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(Y−5187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)20.5gとを三口フラスコに投入し、80℃で8時間撹拌して得られた反応生成物〔主鎖:プロピレンオキシド重合体、反応性官能基:トリメトキシシリル基(約2個)、共有結合:あり(ウレタン結合)〕
・架橋性ポリマー3:3官能ポリプロピレングリコール(エクセノール5030、数平均分子量:5100、旭硝子社製)510gとトルエンジイソシアネート(TDI−100、三井武田ケミカル社製)52.3gとを三口フラスコに投入し、室温下で2時間、80℃で3時間反応させた反応生成物〔主鎖:プロピレンオキシド単量体単位、反応性官能基:イソシアネート基(3個)、共有結合:あり(ウレタン結合)〕
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(サントフレックス6PPD、フレキシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製)
・オイル:エクストラクト4号S(昭和シェル社製)
・硫黄:油処理イオウ(細化学製)
・加硫促進剤(CBS):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(サンセラーCM−G、三新化学社製)
・加硫促進剤(DPG):ジフェニルグアニジン(PERKACIT DPG GRS、FLEXSYS社製)
また、有機重合体として共有結合を介さずに反応性官能基を有するポリプロピレングリコールを用いた比較例3のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物よりも氷上性能および転がり抵抗は若干向上するが、ウェット性能が若干劣ることが分かった。
一方、共有結合(ウレタン結合)を介してイソシアネート基を3個導入した架橋性ポリマーを用いた場合であっても、その配合量によっては、氷上性能および転がり抵抗の向上効果が殆ど見られず、却ってウェット性能が劣る場合があることが分かった(比較例4および5)。
特に、熱膨張マイクロカプセルを配合して調製した実施例4のゴム組成物は、同じ組成の実施例1と比較しても、氷上性能がより向上していることが分かった。
また、実施例1、3および5で調製したゴム組成物の結果から、シラン官能基が反応性官能基として好ましいことが分かった。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (9)
- ジエン系ゴム(A)100質量部と、
カーボンブラックおよび/または白色充填剤(B)30〜100質量部と、
架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)0.3〜30質量部と、を含有し、
前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、イミノ結合、ケトン結合およびエステル結合からなる群から選択される共有結合を介して結合される反応性官能基を1分子あたり少なくとも1個有するポリエーテル系の重合体または共重合体であり、
前記反応性官能基が、水酸基、シラン官能基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、カルボキシ基、酸無水物基およびエポキシ基からなる群から選択されるいずれかの官能基であるタイヤ用ゴム組成物。 - 前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、主鎖にアルキレンオキシド単量体単位を含む請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記共有結合が、ウレタン結合である請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記反応性官能基が、シラン官能基またはイソシアネート基である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記架橋性オリゴマーまたはポリマー(C)が、主鎖にプロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位を含む請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が50〜150m2/gであり、前記白色充填剤のCTAB吸着比表面積が50〜300m2/gである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 更に、前記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、熱によって気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱可塑性樹脂粒子からなる熱膨張性マイクロカプセルを1〜15質量部含有する請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度が、−50℃以下である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッド部に用いたスタッドレスタイヤ。
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