JP2020132488A - 活性炭の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同じ活性炭製造装置を用いて活性炭の製造量を増加させる場合において、材料の炭化材の量を増加させても、その増加前と同程度の品質の活性炭を得ることができる活性炭の製法を提供する。【解決手段】炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する工程を備えた活性炭の製法であって、上記アルカリ賦活剤の一部を固体、残部を液体にし、上記液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にし、上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下において、上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にする活性炭の製法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する工程を備えた活性炭の製法に関するものである。
従来、活性炭は、キャパシタ用電極材料,吸着材,ろ過材,触媒担持体等として用いられている。このような活性炭の製法として、活性炭製造装置を用い、炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する製法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記活性炭の製法を簡単に説明すると、まず、上記活性炭製造装置に備えられている反応容器に、石炭等の炭化材と、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなるアルカリ賦活剤とを入れる。ついで、それらを600〜800℃程度に加熱することにより、賦活処理する。その後、必要に応じて、冷却,洗浄,脱水等の処理を経ることで、良質の活性炭を得るようになっている。
近年、より活性炭の製造量を増加させることが求められるようになっている。しかし、単に、上記反応容器に入れる材料の上記炭化材および上記アルカリ賦活剤の量を増加させるだけでは、賦活処理に必要な熱容量が増加し、その熱容量が上記反応容器の熱容量の限度を超えると、良質の活性炭を得ることができないという問題が生じる。すなわち、そのようにして得られた活性炭では、賦活斑(賦活が斑になった状態)が生じ、比表面積の低下や細孔径の増大等が発生し、品質低下がみられる。そこで、同じ活性炭製造装置を用いても、得られる活性炭の品質を低下させることなく、その製造量を増加させる方法の確立が強く望まれている。この点で、従来の上記活性炭の製法は、改善の余地がある。
一方、炭化材とアルカリ賦活剤との反応を効率よく進行させることにより、アルカリ賦活剤の使用比率をできるだけ低減させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。よって、この方法を上記活性炭の製法に応用すれば、得られる活性炭の品質を低下させることなく、製造量を増加させることができるように思われる。
しかしながら、この方法では、予め炭化材の粒度調整することが必要であったり、炭化材とアルカリ賦活剤とを混合させた後であっても、その混合物の粒度分布における300μm以上の分布値を5%以下にすることが必要であったりする等、煩雑な工程が必要であるため、上記活性炭の製法にこの方法を応用すると、活性炭の製造コストが上昇するという問題がある。
特許第3276981号公報 特開2011−207722号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、従来使用している活性炭製造装置を用いて活性炭の製造量を増加させる場合において、材料の炭化材の量を増加させても、その増加前と同程度の品質の活性炭を得ることができる活性炭の製法の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の[1]〜[3]を要旨とする。
[1]炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する工程を備えた活性炭の製法であって、上記アルカリ賦活剤の一部を固体、残部を液体にし、上記液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にし、上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下において、上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にする活性炭の製法。
[2]上記炭化材が、フェノール樹脂炭化材である、[1]に記載の活性炭の製法。
[3]上記炭化材が、粒状である、[1]または[2]記載の活性炭の製法。
すなわち、本発明者等は、従来使用しているものと同じ活性炭製造装置を用いて活性炭の製造量を増加させる場合において、材料の炭化材の量を増加させても、その増加前と同程度の品質の活性炭を得ることができるようにすべく、活性炭の原料である炭化材およびアルカリ賦活剤の状態について研究を重ねた。その研究の過程で、上記アルカリ賦活剤として、従来は、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液(液体)のみを用いていたが、そのアルカリ賦活剤の一部を固体に置き換えることにより、上記炭化材の量を増加させることができ、それに応じて上記アルカリ賦活剤の量を増加させても、活性炭の品質の低下を抑制できることを突き止めた。このことは、上記のように同じ活性炭製造装置を用いることから、その活性炭製造装置の熱容量に限度があり、この熱容量の条件下で、アルカリ賦活剤として、アルカリ水溶液の量を減らし、固体を増やすことにより、水の蒸発潜熱の影響を小さくし、上記活性炭製造装置の熱容量の限度内で賦活処理できるようにしていることに起因していると推察される。
そして、本発明者等がさらに研究を重ねた結果、活性炭の製造条件として、炭化材への溶融したアルカリ賦活剤(以下「アルカリ賦活剤溶融塩」とすることがある)の浸漬率が82%以上となることが重要であることを突き止めた。
すなわち、炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を高くすると、反応容器内における炭化材およびアルカリ賦活剤溶融塩からなるスラリーの粘度が低下する。スラリー粘度が低くなると、スラリーは流動しやすくなるため、アルカリ賦活剤溶融塩と炭化材の濃度分布が小さくなり、均質に賦活が進行すると推察される。
これにより、同じ活性炭製造装置を用いても、活性炭の品質を低下させることなく、その活性炭の製造量を増加させることができることを見出し、本発明に到達した。
本発明の活性炭の製法は、炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する際に、上記アルカリ賦活剤の一部を固体、残部を液体とし、その液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にし、上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下において、上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にしている。
これにより、アルカリ賦活剤における水の蒸発潜熱の影響を小さくし、賦活処理に必要な熱容量を小さくすることができ、用いる活性炭製造装置の熱容量の限度内での賦活処理を可能としている。そして、以上の条件が相俟って、同じ活性炭製造装置を用い、材料の炭化材の量を増加させても、品質が低下することなく、活性炭の製造量を増加させることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様である活性炭の製法は、炭化材を、一部が固体、残部が液体のアルカリ賦活剤で賦活処理する工程を備えている。そして、上記液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にし、上記賦活処理工程において、上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下での上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にするものである。
まず、本発明の一態様である活性炭の製法に用いる材料である上記炭化材および上記アルカリ賦活剤について、説明する。
〔炭化材の種類〕
上記炭化材は、原料を炭化したものである。上記炭化材の種類としては、例えば、フェノール樹脂炭化材,フラン樹脂炭化材,ポリ塩化ビニリデン炭化材,ヤシ殻チャー,セルロース炭化材,紙基材フェノール樹脂積層板炭化材,石油コークス,石炭コークス等があげられる。なかでも、特に品質の優れた活性炭を生産することができる点から、上記炭化材がフェノール樹脂炭化材であることが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
上記活性炭の形状としては、例えば、粒状、粉末状、繊維状等があげられるが、粒状のものが好ましく用いられる。なかでも、従来用いていた炭化材よりも粒径の小さいかつ粒度分布がブロードである方が好ましい。具体的には、上記炭化材の粒度分布において、粒径0.25mm以下の粒度分布を5質量%以上にすることが好ましく、より好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。粒径の小さいかつ炭化材の粒度分布がブロードであると、炭化材全体のアルカリ賦活剤との接触しやすくなるため、上記炭化材と上記アルカリ賦活剤との反応効率が高まると考えられる。
上記炭化材のかさ密度は、特に限定されるものではないが、炭化材全体の表面積を適性化し、より安定した品質で活性炭の製造量を増加する点から、上記炭化材のかさ密度は、0.5g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは、0.55g/cm3以上、さらに好ましくは0.57g/cm3以上である。なお、上記かさ密度に達していない炭化材に対しては、例えば、その炭化材を圧密機により圧密処理して造粒・高密度化することにより、かさ密度を0.5g/cm3以上にして用いてもよい。
上記圧密機としては、例えば、ロールミル,ロールグラニュレータ,ローラーコンパクタ,ローラープレス,ジョークラッシャ,ジャイレトリクラッシャ,コーンクラッシャ,円盤ミル,エッジミル,ハンマーミル等があげられ、なかでも、上記かさ密度のものを形成しやすい観点から、ロールミルが好ましい。上記圧密機による圧密処理は、通常、上記炭化材に対して加熱も冷却もすることなく、雰囲気温度60℃以下で行われる。
〔アルカリ賦活剤〕
上記炭化材の賦活処理に用いるアルカリ賦活剤は、固体および液体(アルカリ水溶液)の双方を用いる。上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分としては、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物(苛性アルカリ)、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸リチウム等のアルカリ金属の炭酸塩等があげられる。なかでも、水酸化カリウム,水酸化ナトリウムが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
なお、上記固体のアルカリ賦活剤としては、通常、アルカリ純度が80質量%以上のものが用いられる。また、上記液体(アルカリ水溶液)としては、通常、アルカリ濃度が10〜50質量%のものが用いられ、好ましくは40〜50質量%の範囲内である。
本発明の一実施の形態で用いるアルカリ賦活剤は、一部が固体であり、残部が液体(アルカリ水溶液)である。そして、その液体のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にしている。このように、従来、アルカリ賦活剤として、液体(アルカリ水溶液)のみを用いていたところ、アルカリ賦活剤として固体のものを用い、しかも、そのアルカリ成分の質量の比(a2/a1)を0.1以上にしたことも、本発明の大きな特徴的構成の一つである。
すなわち、本発明では、上記アルカリ賦活剤の一部を固体とすることにより、アルカリ水溶液の量を減らすことができ、水の蒸発潜熱の影響を小さくすることができる。これにより、活性炭製造装置(反応容器)の熱容量に余裕ができ、賦活処理対象の炭化材の増加、すなわち活性炭の製造量の増加に対応できるようになっている。そして、より安定した品質で活性炭の製造量を増加させる観点から、上記液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上とするが、0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.8以上である。
また、上記固体のアルカリ賦活剤は、取り扱い性に優れる観点から、板状であることが好ましく、炭化材と高密度に混合する観点から、粒状ないし粉状であることが好ましい。本発明の一実施の形態において、その板状のものは、取り扱い性の観点から、厚みが0.1〜30mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜10mmの範囲内であることがより好ましい。また、その外径(最長部の長さ)が0.1〜500mmの範囲内であることが好ましく、0.1〜100mmの範囲内であることがより好ましい。
上記炭化材と上記アルカリ賦活剤との割合は、上記炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1+a2)の比が、1〜5の範囲内に設定されることが好ましい。また、品質を担保する観点から、炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率は82%以上になるように比率を設定することが必要であり、好ましくは90%以上で、更に好ましくは100%以上である。
〔賦活処理〕
つぎに、本発明の一実施の形態である活性炭の製法の手順について、より詳しく説明する。
まず、粒状の炭化材および上記アルカリ賦活剤(固体とアルカリ水溶液の両方)と、反応容器と加熱手段とを備えた活性炭製造装置を準備する。
そして、上記反応容器に、室温(20℃程度)で、粒状の炭化材とアルカリ賦活剤とを入れる。なお、上記アルカリ賦活剤は、固体とアルカリ水溶液の両方を、同時に、上記反応容器に入れてもよいし、一方を先に入れた後に他方を入れてもよいが、固体を先に入れる方が好ましい。その理由は、アルカリ水溶液を注入した際に、その注入により、反応容器内の固体のアルカリ賦活剤と炭化材とが流動し、それら炭化材とアルカリ賦活剤(固体とアルカリ水溶液の両方)とがよく混合されるからである。
ついで、上記活性炭製造装置において、上記反応容器内の上記炭化材および上記アルカリ賦活剤を加熱することにより、上記炭化材を上記アルカリ賦活剤で賦活処理する。この賦活処理工程は、通常、400〜1000℃程度の加熱下で行われる。
本発明の一実施の形態においては、上記賦活処理工程において、アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下での上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率が82%以上となるように、炭化材とアルカリ賦活剤の種類や量等を設定することが重要である。
なお、上記「アルカリ賦活剤の融点」は、アルカリ賦活剤を2種類以上用いる場合には、その中で最も高い融点をいう。また、「炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率」は、以下のとおり算出することができる。
〔炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率〕
炭化材の全空隙(粒子間・粒子内空隙)に、アルカリ賦活剤溶融塩がどれだけ浸漬されるかを検討するため、炭化材におけるアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率(%)を以下の式(1)に基づき算出した。なお、アルカリ賦活剤を2種類以上用いる場合には、配合量に応じてそれぞれ以下の式(1)に基づき算出する。
アルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率(%)
=アルカリ賦活剤溶融塩の体積(cm3)/炭化材の全空隙(cm3)×100・・・(1)
※アルカリ賦活剤溶融塩の体積(cm3
=正味のアルカリ賦活剤溶融塩質量(g)/アルカリ賦活剤溶融塩の密度(g/cm3
※炭化材の全空隙(cm3
=[炭化材質量(g)/炭化材のかさ密度(g/cm3)]−[炭化材質量(g)/炭化材の真密度(g/cm3)]
なお、上記炭化材のかさ密度は、炭化材を充分に乾燥させた後、その炭化材を所定量メスシリンダーに入れ、タッピング式粉体減少度測定器(筒井理化学器械社製、TPM−3P形)により、メニスカスが一定になるまでタッピングを行い、上記炭化材の体積を測定した。そして、上記炭化材の質量をその測定した体積で除することにより算出した値である。
上記炭化材の真密度は、125μm以下に粉砕した炭化材を試料とし、その試料をウルトラピクノメーター1000(Quantachrome社製)により、He真密度を測定して得られた値である。
また、上記アルカリ賦活剤溶融塩の密度は、文献値であり、KOHであれば2.04g/cm3である。
〔後処理〕
そして、上記反応物を上記反応容器から排出し、必要に応じて、アルカリ洗浄工程,酸洗浄工程,脱水工程等を経て、活性炭を得る。
このように、本発明の一実施の形態である活性炭の製法では、活性炭の製造に用いる炭化材およびアルカリ賦活剤の状態を、特定な状態としている。すなわち、上記アルカリ賦活剤の一部を固体、残部をアルカリ水溶液(液体)とし、そのアルカリ水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にするとともに、上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下において、上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にしている。そのため、同じ活性炭製造装置を用いても、品質を低下させることなく、活性炭の製造量を増加させることができる。
〔活性炭の物性〕
すなわち、上記のようにして製造された活性炭は、比表面積も平均細孔径も、製造量を増加させる前と比較して、殆ど変わらない高品質を保っている。例えば、比表面積は、2000〜2500m2/gの範囲内であり、平均細孔径は、1.37〜1.45nmの範囲内である。
そして、上記のようにして製造された活性炭は、例えば、キャパシタ用電極材料,吸着材,ろ過材,触媒担持体等として用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
そして、下記加熱温度および加熱時間、ならびに冷却温度および冷却時間は、本発明の形態の一例であり、用いる上記炭化材および上記アルカリ賦活剤の種類や量等により、適宜調整される。また、活性炭製造装置における反応容器内の雰囲気は、熱電対により制御されている。
〔実施例1〕
<粒状の炭化材>
炭化済みの炭化材として市販の粒状のフェノール樹脂炭化材(かさ密度0.41g/cm3)を準備した。そして、圧密機(浅野鐵工所社製、ロールミル:RM−16WV型)のロール間隙(クリアランス)を0.25mm、供給量100kg/hに設定し、この圧密機で上記炭化材を圧密処理して造粒・高密度化し、その炭化材のかさ密度を0.66g/cm3に上げた。
<アルカリ賦活剤>
固体のアルカリ賦活剤として、市販の純度95%の水酸化カリウム(KOH)からなる板状のもの(KOHフレーク)を準備した。また、液体のアルカリ賦活剤(アルカリ水溶液)として、市販の濃度48.5質量%のKOH水溶液を準備した。
<活性炭の製造>
金属製の反応容器に、上記圧密処理した炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.27質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.62質量部(仕込量)入れた。
すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(以下、この比を「a2/a1」という)を1.0に設定し、上記炭化材の質量(C)に対する、上記固体および液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の合計質量(a1+a2)の比(以下、この比を「KOH/C」という)を2.2に設定した。これらの計算式を以下に示す。
・アルカリ賦活剤(液体)のアルカリ成分質量(a1)=4.62質量部×0.485=2.24質量部
・アルカリ賦活剤(固体)のアルカリ成分質量(a2)=2.27質量部×0.95=2.16質量部
・アルカリ賦活剤のアルカリ成分質量(a1+a2)=2.24質量部+2.16質量部=4.4質量部
・KOH/C=4.4質量部/2.0質量部=2.2
ついで、活性炭製造装置により、上記反応容器の雰囲気を480℃まで徐々に昇温させ、つづいて、800℃まで徐々に昇温させることにより、炭化材の賦活処理を行った。なお、KOHの融点は360℃である。また、溶融KOHの密度は2.04g/cm3、上記炭化材の真密度が1.7g/cm3であることから、上記賦活処理工程における炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩(溶融KOH)の浸漬率は127%である。
その後、上記反応容器内に注水し、炭化材の失活処理および洗浄を行った。このようにして、活性炭を得た。
〔実施例2〕
上記実施例1において、圧密機のロール間隙(クリアランス)を0.30mm、供給量を50kg/hに変えて炭化材を圧密処理し、炭化材のかさ密度を0.58g/cm3にした(粒度分布が実施例1とは異なる)。その炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.99質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.02質量部(仕込量)、を反応容器に入れた。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を1.5に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記実施例1と同様にして活性炭を得た。
〔実施例3〕
上記実施例1において、圧密機のロール間の間隙を0.35mmに変えて、圧密処理し、炭化材のかさ密度を0.52g/cm3にした(粒度分布が実施例2とは異なる)。その炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.99質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.02質量部(仕込量)、を反応容器に入れた。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を1.5に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記実施例1と同様にして活性炭を得た。
〔実施例4〕
上記実施例1において、圧密機をロールグラニュレータ(日本グラニュレータ社製、GRN−1541)変えて、圧密処理した。その際、その圧密機の3段ロール(ロールピッチ1.2mm,0.6mm,スムース)の各段のロール間隙を0.27mm,0.19mm,0.11mmに設定し、炭化材のかさ密度を0.57g/cm3にした(粒度分布が実施例1とは異なる)。その炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.99質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.02質量部(仕込量)、を反応容器に入れた。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を1.5に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記実施例1と同様にして活性炭を得た。
〔比較例1〕
上記実施例1記載の圧密処理前の粒状のフェノール樹脂炭化材を原料(かさ密度0.41g/cm3)として用いた。その炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.99質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.02質量部(仕込量)、を反応容器に入れた。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を1.5に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記実施例1と同様にして活性炭を得た。
〔比較例2〕
上記比較例1において、圧密機のロール間の間隙を0.40mmに変えて、粒状の炭化材のかさ密度を0.49g/cm3にした(粒度分布が比較例1と異なる)。その炭化材を2.0質量部(仕込量)、上記KOHフレークを2.99質量部(仕込量)、上記KOH水溶液を4.02質量部(仕込量)、を反応容器に入れた。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を1.5に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記比較例1と同様にして活性炭を得た。
〔比較例3〕
上記比較例1において、用いるアルカリ賦活剤を、KOHフレーク2.15質量部(仕込量)、上記KOH水溶液5.67質量部(仕込量)とした。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.7に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記比較例1と同様にして活性炭を得た。
〔比較例4〕
上記比較例1において、用いるアルカリ賦活剤を、KOHフレーク3.64質量部(仕込量)、上記KOH水溶液2.74質量部(仕込量)とした。すなわち、KOH水溶液のアルカリ成分の質量(a1)に対する、KOHフレークのアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を2.6に設定し、炭化材の質量に対する、上記アルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量の比(KOH/C)を2.4に設定し、上記比較例1と同様にして活性炭を得た。
〔かさ密度の算出〕
なお、上記実施例1〜4,比較例1〜4の各例における炭化材のかさ密度は、つぎのようにして算出した。すなわち、上記炭化材を充分に乾燥させた後、その炭化材30gを150cm3のメスシリンダーに入れ、タッピング式粉体減少度測定器(筒井理化学器械社製、TPM−3P形)により、メニスカスが一定になるまでタッピングを行い、上記炭化材の体積を測定した。そして、上記炭化材の質量(30g)をその測定した体積で除することにより算出した。その結果を後記の表1に示した。
〔粒度分布の測定〕
また、上記各例における炭化材の粒度分布は、つぎのようにして測定した。すなわち、上記炭化材100gをロータップ型ふるい振とう機(飯田製作所社製)により10分間振とうさせ、篩分けした。そして、各フラクション(JIS規格円形篩:篩目0.25mm、1mm)の篩分け質量から、粒度分布を算出した。その結果を後記の表1に示した。
〔炭化材への溶融KOHの浸漬率の算出〕
上記実施の一形態における[炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率]の算出法に準じ、炭化材への溶融KOHの浸漬率を算出した。その結果を後記の表1に示した。
〔比表面積の算出〕
上記実施例1〜4,比較例1〜4の各例において、得られた活性炭のうちの0.2gを250℃にて真空加熱した後、窒素吸着装置(マイクロメリティック社製、ASAP−2420)を用いて窒素吸着等温線を求め、BET法により比表面積(m2/g)を算出した。その結果を後記の表1に示した。
〔平均細孔径の算出〕
BJH法により得られた、細孔径1〜30nmの範囲における細孔容積と、比表面積とから平均細孔径を算出した。その結果を下記の表1に示した。
Figure 2020132488
実施例1〜4と比較例1〜4とを比較すると、いずれも炭化材の仕込量が同じであり、しかも、アルカリ賦活剤としてKOHフレークとKOH水溶液の両方を用いていることも同じであるものの、活性炭の品質は、実施例1〜4の方が良好である。その理由は、実施例1〜4は、アルカリ賦活剤として、液体と固体とを所定の割合で用いており、しかも、炭化材の賦活工程における炭化材への溶融KOHの浸漬率が82%を超えているためであることがわかる
本発明の活性炭の製法は、同じ活性炭製造装置を用いて活性炭の製造量を増加させる場合に利用可能である。

Claims (3)

  1. 炭化材をアルカリ賦活剤で賦活処理する工程を備えた活性炭の製法であって、
    上記アルカリ賦活剤の一部を固体、残部を液体にし、
    上記液体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a1)に対する、上記固体のアルカリ賦活剤のアルカリ成分の質量(a2)の比(a2/a1)を0.1以上にし、
    上記アルカリ賦活剤の融点以上の雰囲気下において、上記炭化材へのアルカリ賦活剤溶融塩の浸漬率を82%以上にすることを特徴とする活性炭の製法。
  2. 上記炭化材が、フェノール樹脂炭化材である請求項1記載の活性炭の製法。
  3. 上記炭化材が、粒状である請求項1または2記載の活性炭の製法。
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