JP2020131828A - 自動車用バンパービーム - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス成形が容易でエネルギー吸収性に優れる自動車用バンパービームの提供。【解決手段】2層以上の炭素繊維強化樹脂層(A)からなる炭素繊維強化部と1層以上のガラス繊維強化樹脂層(B)からなるガラス繊維強化部との積層体からなる自動車用バンパービームであって、層(A)のそれぞれは熱可塑性樹脂と一方向に配向性を有する連続炭素繊維からなり、層(A)のうちの少なくとも1層の配向角がαであり、残りの層(A)のうちの少なくとも1層の配向角が−αであり(30°≦α≦90°)、層(B)は熱可塑性樹脂と不連続ガラス繊維とからなり、積層体の積層方向における2つの表面のうちの一方の表面がガラス繊維強化部によって形成され、他方の表面が別のガラス繊維強化部によって形成され、全ての層(A)の配向角が−90°以上−15°未満または15°を超え90°以下の範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用バンパービームに関する。
自動車の軽量化のために有効な、繊維強化樹脂製のバンパービームが知られている。特許文献1には、不連続繊維が一方向に配向された繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートからなるバンパービームが開示される。当該不連続繊維は、バンパー長手方向に配向している。
特許文献2には、ハット形の熱可塑性樹脂成形品の天面および底部に、連続強化繊維を一方向に並行に配置した一方向繊維強化樹脂シートを貼り付け、当該成形品のハット形の側面には当該シートを貼り付けない、バンパービームが開示されている。
特許文献3には、断面がΘ形状のバンパービームであって、強化繊維が織り込まれたクロス材を全面に使用し、連続強化繊維が一方向に引き揃えられた一方向材を車体側の底面に使用したバンパービームが開示されている。
特開平6−155495号公報 特開2013−184630号公報 国際公開第2014/136858号
特許文献1のバンパービームは、強化繊維が不連続繊維であるため、大きな荷重がかかった際に破断してしまう可能性がある。すなわち、このバンパービームでは、優れたエネルギー吸収性が得られない可能性がある。
特許文献2のバンパービームに対してセンターポール衝突試験を行った場合、強化されていない立ち面(ハット形状の側面)が開き、また長手方向に延伸されることでバンパービームが破断し、優れたエネルギー吸収性が得られない可能性がある。
特許文献3では、立ち面のクロス材を積極的に圧縮破壊させることでエネルギー吸収性を向上させようとしている。しかしながらクロス材はプレス成形が難しく、特許文献3のように複雑な形状の全面をクロス材で覆って成形することは非常に難しい。またクロス材は一方向に配向性を有する連続繊維材(UD材)と比較して機械強度が小さく、この小さい圧縮強度を利用したエネルギー吸収性は高くない。
本発明の目的は、プレス成形が容易であり、かつエネルギー吸収性に優れる、繊維強化樹脂製の自動車用バンパービームを提供することにある。
本発明の要旨は、以下の(1)〜(6)に存する。
(1)少なくとも2層の炭素繊維強化樹脂層(A)からなる炭素繊維強化部と、少なくとも1層のガラス繊維強化樹脂層(B)からなるガラス繊維強化部と、の積層体からなる自動車用バンパービームであって、
前記炭素繊維強化樹脂層(A)のそれぞれは、熱可塑性樹脂と、一方向に配向性を有する連続炭素繊維からなり、
前記炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1層が、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)であり、残りの炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1層が、配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)であり、ここで、配向角はバンパービームの長手方向に対して前記連続炭素繊維の配向方向がなす角度であり、30°≦α≦90°であり、
前記ガラス繊維強化樹脂層(B)は、熱可塑性樹脂と、不連続ガラス繊維とからなり、
前記積層体の積層方向における2つの表面のうちの一方の表面が前記ガラス繊維強化部によって形成され、他方の表面が別の前記ガラス繊維強化部によって形成されており、
全ての前記炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角が、−90°以上、−15°未満の範囲または15°を超え、90°以下の範囲にある、
自動車用バンパービーム。
(2)全ての前記炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角が、αまたは−αである、上記(1)に記載の自動車用バンパービーム。
(3)前記炭素繊維強化部が、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)と配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)とが1層ずつ隣り合って配置された少なくとも1つの対からなる、上記(2)に記載の自動車用バンパービーム。
(4)前記炭素繊維強化部が、n個の前記対からなる第一の部分と、別のn個の前記対からなる第二の部分とからなり、ここでnは正の整数を表し、
前記積層方向において、前記第一の部分における積層構成と前記第二の部分における積層構成とが対称である、上記(3)に記載の自動車用バンパービーム。
(5)前記炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂と、前記ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する前記熱可塑性樹脂がそれぞれポリアミド、ポリカーボネート、及び変性されていてもよいポリプロピレンから選ばれる、上記(1)から(4)のいずれかに記載の自動車用バンパービーム。
(6)前記炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂と、前記ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する前記熱可塑性樹脂とが、同一系の樹脂である、上記(5)に記載の自動車用バンパービーム。
本発明によれば、プレス成形が容易であり、かつエネルギー吸収性に優れる、繊維強化樹脂製の自動車用バンパービームを提供することができる。
バンパービームの例を示す断面模式図である。 炭素繊維強化部の例を示す断面模式図である。 配向角を説明するための模式図である。 実施例でシミュレーションに用いたモデルを示す模式図であり、同図(a)はモデル全体の正面図、同図(b)は試験部材の側面図である。 実施例で得られた変位−荷重曲線を示すグラフである。
本発明者らは、機械的強度の高い一方向に配向性を有する連続炭素繊維層と成形が容易である不連続繊維層を積層することが、プレス成形が容易でありかつエネルギー吸収性に優れる繊維強化樹脂製の自動車用バンパービームを得るために有効であることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明に係る自動車用バンパービームは、少なくとも2層の炭素繊維強化樹脂層(A)からなる炭素繊維強化部と、少なくとも1層のガラス繊維強化樹脂層(B)からなるガラス繊維強化部との積層体からなる。すなわち、炭素繊維強化部では、少なくとも2層の炭素繊維強化樹脂層(A)が積層されている。また、ガラス繊維強化部が、2層以上のガラス繊維強化樹脂層(B)からなる場合、それらガラス繊維強化樹脂層(B)が積層されている。
・炭素繊維強化樹脂層(A)
それぞれの炭素繊維強化樹脂層(A)は、熱可塑性樹脂と、一方向に配向性を有する連続炭素繊維からなる。すなわち、それぞれの炭素繊維強化樹脂層(A)は、連続炭素繊維が一方向に配向した一方向材によって形成される。
炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1つが、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)であり、残りの炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1つが、配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)である。ここで、配向角は、それぞれの炭素繊維強化樹脂層(A)において、バンパービームの長手方向に対して前記連続炭素繊維の配向方向がなす角度である。そして、30°≦α≦90°である。以下、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)を「Aα層」といい、また、配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)を「A−α層」ということがある。Aα層が複数存在する場合、全てのAα層の配向角は、同じ値(α)である。A−α層が複数存在する場合、全てのA−α層の配向角は、同じ値(−α)である。
・ガラス繊維強化樹脂層(B)
ガラス繊維強化樹脂層(B)は、熱可塑性樹脂と、不連続ガラス繊維とからなる。不連続ガラス繊維の平均繊維長は、例えば、5mm以上、100mm以下である。
ガラス繊維強化樹脂層(B)のガラス繊維は、配向性を有さなくてよい。すなわち、ガラス繊維強化樹脂層(B)において、ガラス繊維はランダムな方向に配されていてよい。あるいは、ガラス繊維は、配向性を有していてもよい。その場合、異方性を軽減する観点から、全てのガラス繊維強化樹脂層(B)の配向角が実質的に0°もしくは90°であることが好ましい。ガラス繊維強化樹脂層(B)についての配向角は、バンパービームの長手方向に対して、ガラス繊維がなす角度である。
・積層構造
本明細書において、バンパービームが車体に取り付けられた際に、車体側を向く方向を「後方」、後方とは反対を向く方向を「前方」、上に向かう方向を「上方」、下に向かう方向を「下方」、車体右側を向く方向を「右方」、車体左側を向く方向を「左方」という。
バンパービームを構成する積層体の積層方向における2つの表面のうちの一方の表面がガラス繊維強化部によって形成され、他方の表面が別のガラス繊維強化部によって形成されている。
図1に、バンパービームの一例の断面(バンパービームの長手方向に直交する断面)を模式的に示す。バンパービームを構成する積層体1は、ハット形状の断面を有する。積層方向は、ハット形の天面(最も前方に位置する面)をなす部分において車体の前後方向である。炭素繊維強化部10を挟んで、後方側と前方側の両方にそれぞれガラス繊維強化部20が配置されている。
炭素繊維強化部10の積層構成例を、図2を用いて説明する。この炭素繊維強化部10では、2層の炭素繊維強化樹脂層(A)が車体の前後方向に積層されている。例えば、炭素繊維強化部10において、Aα層11が後方側に、A−α層12が前方側に配置される。
図3(a)及び(b)は、それぞれAα層11及びA−α層12のハット形の天面をなす部分を、後方側から前方側に向かって見た模式図である。バンパービームの長手方向に延在し且つ車体の上下方向に延在する平面内で、炭素繊維が配向角αもしくは−α方向に配向している。
積層体1が、配向角がαでも−αでもない炭素繊維強化樹脂層を含むことができる。ただし、バンパービームのエネルギー吸収性の観点から、積層体1に含まれる全ての炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角が、−90°以上、−15°未満の範囲または15°を超え、90°以下の範囲にある。なお、配向角が90°の場合と、配向角が−90°の場合とで、配向性は同じである。また、全ての炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角がαまたは−αであることが、さらに好ましい。
バンパービームのエネルギー吸収性の観点から、炭素繊維強化部10が、Aα層11とA−α層12とが1層ずつ隣り合って配置された少なくとも1つの対からなることが好ましい。
炭素繊維強化部10が、n個の前記対(1層のAα層と1層のA−α層との対)からなる第一の部分と、別のn個の前記対からなる第二の部分とからなることが好ましい(nは正の整数を表す)。この場合、積層体1の積層方向において、前記第一の部分における積層構成と前記第二の部分における積層構成とが対称であることが、より好ましい。
例えば、後述する実施例1では、α=30°であって、第3、第5、第8及び第10層がAα層であり、第4、第6、第7及び第9層がA−α層である。第3層と第4層との対、第5層と第6層との対、第8層と第7層との対、及び第10層と第9層との対が存在する。実施例1では、n=4であり、第3層〜第6層が第一の部分を形成し、第7層〜第10層が第二の部分を形成している。そして、第6層と第7層との間の境界面を基準として、第一の部分の積層構成と第二の部分の積層構成とが積層方向に対称である。なお、第1及び第2層がガラス繊維強化部20を形成し、第11及び第12層が別のガラス繊維強化部20を形成する。
また、後述する実施例5では第3〜第10層の配向角が全て90°である。しかし、配向角90°と配向角−90°とは同じ配向性を意味するので、第4、第6、第7及び第9層をA−α層(配向角が−90°である層)とみなすことができる。したがって、実施例5においても、第3層と第4層との対、第5層と第6層との対、第8層と第7層との対、第10層と第9層との対が存在する。また、n=4であり、第3層〜第6層が第一の部分を形成し、第7層〜第10層が第二の部分を形成している。そして、第6層と第7層との間の境界面を基準として、第一の部分の積層構成と第二の部分の積層構成とが積層方向に対称である。
なお、ガラス繊維強化部20は、1層もしくは複数層のガラス繊維強化樹脂層(B)からなる。
・熱可塑性樹脂
炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂及びガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂はそれぞれ、特に限定されないが、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等のポリアミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(酸等により変性されていてもよい);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリアミドイミド;ポリフェニレンオキシド;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリスチレン;ABS樹脂;ポリフェニレンサルファイド;液晶ポリエステル;アクリロニトリルとスチレンの共重合体;ナイロン6とナイロン66の共重合体等の樹脂を用いることができる。変性ポリオレフィンは、例えば、マレイン酸等の酸によりポリオレフィンを変性した酸変性ポリオレフィンである。炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂及びガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂はそれぞれ、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
バンパービームのエネルギー吸収性とプレス成形性の観点から、炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂と、ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂が、それぞれポリプロピレン(酸等により変性されていてもよい)、ポリアミド及びポリカーボネートから選ばれることが好ましい。
さらに、接着性の観点から、炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂と、ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂とが、同一系の樹脂であることが好ましい。複数の樹脂が同一系であるとは、それらの樹脂の主成分が共通するモノマー単位を有すること、もしくは樹脂の主成分のモノマー同士が同一の官能基で結合されていることを意味する。例えば、炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂及び繊維強化樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂がそれぞれ、ポリプロピレン(一方もしくは両方が酸等により変性されていてもよい)であることが好ましい。また、これらの樹脂がそれぞれ、ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる1種であることが好ましい。
・バンパービームの製造方法
炭素繊維強化樹脂層(A)を形成するために、炭素繊維強化樹脂シートを用いることができる。ガラス繊維強化樹脂層(B)を形成するために、ガラス繊維強化樹脂シートを用いることができる。例えば、炭素繊維強化樹脂シート及びガラス繊維強化樹脂シートを適宜積み重ね、加熱加圧成形することによって、積層体1を得ることができる。得られた積層体を自動車用バンパービームとして用いることができる。炭素繊維強化部が、複数の同じ炭素繊維強化樹脂シートからなることができる。ガラス繊維強化部が、複数の同じガラス繊維強化樹脂シートからなることができる。炭素繊維強化樹脂シートとして一方向材を用い、Aα層を形成するために当該一方向材を配向角がαとなるように配置し、A−α層を形成するために当該一方向材を配向角が−αとなるように配置することができる。
本発明に係る自動車用バンパービームは、クロス材を使用しないので、加熱加圧成形によって容易に作製することができる。
・バンパービームの形状
バンパービームの形状については特に限定されない。例えばバンパービームの断面がハット形であってもよく、ハット形のフランジ同士を張り合わせた形状でもよく、またΘ状であってもよい。
〔実施例1〕
シミュレーションソフト(商品名:LS−DYNA。LSTC社製)を使用して、シミュレーションによって積層体からなるバンパービームを評価した。
シミュレーションにおいては、3点曲げ試験を模擬したモデルを作成した(図4参照)。3点曲げ試験の圧子31はR(角丸の半径)75mmを有し、2つの支持部32はR 15mmを有し、支点間距離は350mmとした。
試験部材は、長さ400mmのハットチャンネル(積層体1)とした。そのハット形状は次のとおりとした(図4(b)参照)。
幅:72mm、
高さ:25mm、
厚さ:2mm、
ハット形状側面のテーパー:93°、
角部のR:4mm、
ハット形状の天面(平坦部)の幅:40mm。
圧子31と支持部32は剛体と設定し、ハットチャンネル(積層体1)は繊維強化樹脂複合材料として設定した。この繊維強化樹脂材料は、異方性積層体を対象とした材料物性データベース「材料58(*MAT_LAMINATED_COMPOSITE_FABRIC)」を用いて炭素繊維強化樹脂層(A)とガラス繊維強化樹脂層(B)の積層体であるように定義した。
ガラス繊維強化樹脂層(B)は、実在の不連続ガラス繊維を用いた複合材料(商品名:ユニシートP4038、クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン製。熱可塑性樹脂:ポリプロピレン)を想定して、繊維方向の弾性率が6,400MPa、繊維直交方向の弾性率が6,400MPaである等方性材料(表において「GMT」と示す)として設定し、破壊は生じないものとした。
炭素繊維強化樹脂層(A)は、実在の一方向連続繊維複合材料(後述する製造例1によって製造したもの。熱可塑性樹脂:酸変性ポリプロピレン)を想定して、繊維方向の弾性率が101,000MPa、繊維直交方向の弾性率が4,600MPaである異方性材料(表において「CFUD」と示す)として設定した。また繊維方向において圧縮強度は460MPa、引張強度は1570MPa、繊維直交方向において圧縮強度は70MPa、引張強度は21MPa、せん断強度は207MPaとして設定した。シミュレーションにおいては各要素において上記の強度を超える応力が発生した場合、要素が除去されるよう設定した。
また、シミュレーションでは、圧子31とハットチャンネル(積層体1)との接触、及び支持部32とハットチャンネルとの接触は、拘束のない接触と定義した。さらに、圧子が一定の速度100mm/sで積層方向(前方から後方に向かう方向)に40mm移動するように設定した。シミュレーションの結果として、圧子の移動量と、圧子が受ける反力を読み込み、同時刻における移動量と反力をグラフ化することにより、3点曲げ試験時に確認されるような変位と荷重の関係を再現した(図5参照)。
バンパービームのエネルギー吸収性を表す指標として、このようにして得られた変位−荷重曲線における、最大変位(40mm)のときの荷重を評価した。最大変位(40mm)における荷重が大きいほど、エネルギー吸収性が良いと言える。
ハットチャンネルの積層構成は、支持部32側から圧子31側に向かって、下表に示すとおりとした。なお、第1層が支持部32に最も近く(最も後方側)、第12層が圧子31に最も近い(最も前方側)。全ての炭素繊維強化樹脂層(A)は、同一の材料からなる(配向角以外は同一である)。また全てのガラス繊維強化樹脂層(B)は、同一の材料からなる(配向角以外は同一である)。なお、それぞれ厚さが0.25mmである複数のガラス繊維強化樹脂層(B)を重ねている部分があるが、これは単にシミュレーションの都合による。例えば第1及び第2層は、実際には、厚さ0.5mmの1つのガラス繊維強化樹脂層(B)層であってもよい。他の例についても同様である。
最大変位での荷重は1240Nであった。
・製造例1
ここで炭素繊維強化樹脂層(A)として想定した一方向連続繊維複合材料は、次のようにして製造した。炭素繊維(商品名:パイロフィルTR 50S、三菱ケミカル製、炭素繊維直径7μm)を一方向に、かつ平面状に引き揃えて、目付が72g/mである繊維シートとした。酸変性ポリプロピレン樹脂(商品名:モディックP958V、三菱ケミカル製)からなる目付が36g/mのフィルムによって、該繊維シートを両面から挟んだ。これらをカレンダロールに複数回通して加熱と加圧を行い、樹脂を繊維シートに含浸させ、繊維体積含有率(Vf)が33体積%、厚み125μmの一方向連続繊維複合材料を作製した。
Figure 2020131828
〔実施例2〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1290Nであった。
Figure 2020131828
〔実施例3〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1450Nであった。
Figure 2020131828
〔実施例4〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1540Nであった。
Figure 2020131828
〔実施例5〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1590Nであった。
Figure 2020131828
〔比較例1〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は930Nであった。
Figure 2020131828
〔比較例2〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は610Nであった。
Figure 2020131828
〔比較例3〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は840Nであった。
Figure 2020131828
〔比較例4〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1190Nであった。
Figure 2020131828
〔比較例5〕
下表のとおりの積層構成とした以外は、実施例1と同様の評価を行った。最大変位での荷重は1090Nであった。
Figure 2020131828
以上の結果を下表にまとめる。これらの表において、慣用される表記法を用いて積層構成を略記するが、各例の積層構成は、上に詳述される。なお、当該略記における「s」は、「対称」を意味する。
Figure 2020131828
図5に、いくつかの実施例及び比較例において得られた変位−荷重曲線を示す。前述の最大変位(40mm)における荷重は、このような曲線から読み取ったものである。
1 バンパービームを構成する積層体
10 炭素繊維強化部
11 配向角がαである炭素繊維強化樹脂層
12 配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層
20 繊維強化部

Claims (6)

  1. 少なくとも2層の炭素繊維強化樹脂層(A)からなる炭素繊維強化部と、少なくとも1層のガラス繊維強化樹脂層(B)からなるガラス繊維強化部と、の積層体からなる自動車用バンパービームであって、
    前記炭素繊維強化樹脂層(A)のそれぞれは、熱可塑性樹脂と、一方向に配向性を有する連続炭素繊維からなり、
    前記炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1層が、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)であり、残りの炭素繊維強化樹脂層(A)のうちの少なくとも1層が、配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)であり、ここで、配向角はバンパービームの長手方向に対して前記連続炭素繊維の配向方向がなす角度であり、30°≦α≦90°であり、
    前記ガラス繊維強化樹脂層(B)は、熱可塑性樹脂と、不連続ガラス繊維とからなり、
    前記積層体の積層方向における2つの表面のうちの一方の表面が前記ガラス繊維強化部によって形成され、他方の表面が別の前記ガラス繊維強化部によって形成されており、
    全ての前記炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角が、−90°以上、−15°未満の範囲または15°を超え、90°以下の範囲にある、
    自動車用バンパービーム。
  2. 全ての前記炭素繊維強化樹脂層(A)の配向角が、αまたは−αである、請求項1に記載の自動車用バンパービーム。
  3. 前記炭素繊維強化部が、配向角がαである炭素繊維強化樹脂層(Aα)と配向角が−αである炭素繊維強化樹脂層(A−α)とが1層ずつ隣り合って配置された少なくとも1つの対からなる、請求項2に記載の自動車用バンパービーム。
  4. 前記炭素繊維強化部が、n個の前記対からなる第一の部分と、別のn個の前記対からなる第二の部分とからなり、ここでnは正の整数を表し、
    前記積層方向において、前記第一の部分における積層構成と前記第二の部分における積層構成とが対称である、請求項3に記載の自動車用バンパービーム。
  5. 前記炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂と、前記ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する前記熱可塑性樹脂がそれぞれポリアミド、ポリカーボネート、及び変性されていてもよいポリプロピレンから選ばれる、請求項1から4のいずれかに記載の自動車用バンパービーム。
  6. 前記炭素繊維強化樹脂層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂と、前記ガラス繊維強化樹脂層(B)を構成する前記熱可塑性樹脂とが、同一系の樹脂である、請求項5に記載の自動車用バンパービーム。
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