[第1の実施形態]
以下、本発明の一実施形態である経路提供装置について図面を用いて説明する。
(経路作成システム)
図1に示されるように、本実施形態の経路作成システム80は、3台の経路提供装置10と、1台の自動運転装置50と、スマートフォン70とを含んで構成されている。なお、経路提供装置10及び自動運転装置50の台数はこれに限らない。経路提供装置10は、走行車線T(図5(A)参照)において駐停車した際に障害物となり得る車両である自車両12、及び、走行車線Tに存在することで障害物となり得る路上物13に搭載されている。自車両12及び路上物13は対象物に相当する。
また、経路提供装置10は、走行車線Tにおいて自車両12の前方に存在する先行車両16にも搭載されている。先行車両16は他の対象物に相当する。
一方、本実施形態の自動運転装置50は、走行車線Tにおいて自車両12の後方に存在する後続車両14に搭載されている。後続車両14は自動運転車両に相当する。
自車両12、路上物13及び先行車両16は、経路提供装置10に電源を供給するためのバッテリ36を備えている。このバッテリ36は、例えば電気自動車である車両を駆動するための駆動源となるバッテリでもよいし、経路提供装置10の専用のバッテリであってもよい。また、自車両12及び先行車両16は、乗員に対して種々の情報を提供するための報知装置30を備えている。図2に示されるように、報知装置30は、液晶ディスプレイであるモニタ32、スピーカ34を含んで構成されている。報知装置30は報知部に相当する。
図1に示されるように、自車両12又は路上物13に搭載された経路提供装置10は、ネットワークN1を介して先行車両16の経路提供装置10と接続されている。また、自車両12又は路上物13に搭載された経路提供装置10は、ネットワークN2を介して後続車両14の自動運転装置50と接続されている。ネットワークN1、N2としては、いわゆる車車間通信を構成する無線回線が適用される。
スマートフォン70は、自車両12の乗員が所持する端末である。自車両12に搭載された経路提供装置10は、ネットワークN3を介してスマートフォン70と接続されている。ネットワークN3としては、例えば、インターネットや、WAN(Wide Area Network)等が適用される。なお、スマートフォン70は、路上物13の管理者が所持する端末であってもよい。この場合、路上物13は、ネットワークN3を介してスマートフォン70と接続されている。
(経路提供装置)
図2に自車両12に搭載される経路提供装置10の構成を示す。なお、路上物13及び先行車両16に搭載される経路提供装置10の構成も自車両12に搭載される経路提供装置10と同様である。
図2に示されるように、本実施形態に係る経路提供装置10は、制御装置20と、GPS(Global Positioning System)装置22と、センサ24と、通信装置26と、を含んで構成されている。経路提供装置10はバッテリ36から電源が供給されている。なお、本実施形態の自車両12は電気自動車であって、バッテリ36は自車両12の走行用の駆動源を兼ねている。
GPS装置22は、経路提供装置10が搭載された自車両12の位置情報を取得する。GPS装置22は位置取得部に相当する。
センサ24は、後述する回避経路P(図5参照)を作成するために自車両12の周囲の環境情報を検知する装置群である。このセンサ24は、自車両12の車外の所定範囲を撮像するカメラ24Aと、車外の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ24Bと、車外の所定範囲をスキャンするLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)24Cと、を含んでいる。センサ24に検知される環境情報としては、歩行者、自転車、車両(自動二輪車を含む)、道路上の落下物、縁石、交通標識、信号機等が含まれる。センサ24は周辺環境検知部に相当する。
通信装置26は、他の経路提供装置10及び自動運転装置50との車車間通信、並びにスマートフォン70との通信を行うための無線装置である。通信装置26は送信部に相当する。通信装置26により、自車両12の経路提供装置10は、先行車両16の経路提供装置10及び後続車両14の自動運転装置50との通信を可能としている。また、通信装置26により、自車両12の経路提供装置10は、スマートフォン70との通信を可能としている。
制御装置20は、ハードウェアであるプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、ストレージ20D、入出力インターフェイス(I/O)20Eを備えている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D及びI/O20Eは、バス20Fを介して相互に接続されている。
CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。本実施形態では、ROM20Bに実行プログラムが記憶されている。CPU20Aは、実行プログラムを実行することで、図3に示す、経路作成部100、状態取得部102、出力部104、通知部106、実績取得部108、情報生成部110、起動部112、情報依頼部120、位置算出部130及び判定部140として機能する。
ROM20Bは、各種処理をCPU20Aに実行させるための実行プログラムを記憶している。RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
記憶部としてのストレージ20Dは、一例として、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成される。ストレージ20Dは、地図(Data Base)DB200を記憶している。また、ストレージ20Dは、CPU20Aにより作成された回避経路Pに係るデータを記憶することができる。
I/O20Eには、報知装置30のモニタ32及びスピーカ34が接続されている。なお、自車両12において、I/O20Eと報知装置30の各機器とは、各種ECU(Electronic Control Unit)を介して接続されていてもよい。
図3に示されるように、本実施形態のCPU20Aは機能構成として、経路作成部100、状態取得部102、出力部104、通知部106、実績取得部108、情報生成部110、起動部112、情報依頼部120、位置算出部130、及び判定部140を有する。各機能構成は、CPU20AがROM20Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって実現される。
経路作成部100は、自車両12を回避するための経路である回避経路Pを作成する機能を有している。この回避経路Pは、自動運転装置50が読み取り可能な経路に係る情報である。自動運転車両である後続車両14は、回避経路Pを利用して自車両12を回避しながら走行する。本実施形態の経路作成部100は、少なくとも自車両12の位置情報と周囲の環境情報とを基に、自車両12に接近する後続車両14が利用する回避経路Pを作成する。
また、経路作成部100は、自車両12が走行車線T上に駐停車したことにより後続車両14が走行車線Tと対向する対向車線Uに回避する必要がある場合、対向車線Uを経て走行車線Tに復帰する回避経路Pを作成する。
また、経路作成部100は、自車両12だけでなく先行車両16を含めた回避経路Pを作成することができる。本実施形態の経路提供装置10は、先行車両16の経路提供装置10において作成される補完経路Qを取得することができる。この補完経路Qは、少なくとも先行車両16を回避する経路であって、回避経路Pを補完する経路である。経路作成部100は、先行車両16の経路提供装置10から補完経路Qを取得した場合、自車両12を回避する回避経路Pと補完経路Qとを接続して新たな回避経路NPを作成する(図14参照)。なお、経路作成部100は、先行車両16の経路提供装置10から取得した環境情報に基づいて自車両12及び先行車両16を回避する補完経路Qを作成してもよい。補完経路Qは他の経路に相当し、新たな回避経路NPは新たな経路に相当する。
状態取得部102は、車両の走行状態を取得する機能を有している。本実施形態の状態取得部102は、経路提供装置10が搭載された自車両12の走行状態として、「駐停車準備状態」、「駐停車状態」、「走行開始状態」、「走行中状態」のいずれかを取得する。
例えば、走行中の自車両12が減速を開始して車速が20km/h以下になった場合に、状態取得部102は、「駐停車準備状態」の走行状態を取得する。また例えば、自車両12の走行レンジが「P(パーキングレンジ)」の場合、サイドブレーキが作動している場合、又は自車両12を始動するパワースイッチがOFFの場合に、状態取得部102は、「駐停車状態」の走行状態を取得する。また例えば、自車両12の走行レンジが「D(ドライブ)」の場合、サイドブレーキが解除されている場合、自動運転車両においては自動走行中の場合に、状態取得部102は、「走行中状態」の走行状態を取得する。また例えば、自車両12の走行レンジが「P」から「D」に切り替わり、ブレーキペダルが解除さるまでの間、自動運転車においては自動運転を開始した直後に、状態取得部102は、「走行開始状態」の走行状態を取得する。
出力部104は、自車両12の報知装置30に対して乗員に向けての情報を出力する機能を有している。出力部104は、報知出力部及び位置出力部に相当する。
本実施形態の出力部104は、経路作成部100が回避経路Pを作成できず、かつ走行状態が走行状態から駐停車状態に移行する場合に、駐停車が不可能であることを示す情報を自車両12の報知装置30に出力する。また、出力部104は、経路作成部100が回避経路Pを作成できず、かつ走行状態が駐停車状態である場合に、移動を促すことを示す情報を自車両12の報知装置30に出力する。出力される「駐停車が不可能であることを示す情報」や、「移動を促すことを示す情報」は、モニタ32に表示させる画像情報、スピーカ34に出力させる音声情報等を含む。
また、本実施形態の出力部104は、自車両12の駐停車を可能とする駐停車位置が算出された場合に、当該算出された駐停車位置を自車両12の報知装置30に出力する。出力される「駐停車位置」に係る情報は、モニタ32に表示させる画像情報、スピーカ34に出力させる音声情報等を含む。
通知部106は、自車両12の乗員のスマートフォン70に対して乗員に向けての情報を通知する機能を有している。通知部106が通知する情報は、乗員が有する端末であるスマートフォン70の他、報知装置30に対して出力してもよい。スマートフォン70に通知する場合、通知する情報は、メールや専用のアプリケーションを通じて通知してもよい。通知部106は、不能通知部及び時間通知部に相当する。
本実施形態の通知部106は、駐停車状態において経路作成部100が回避経路Pを作成できなくなった場合、回避経路Pの自動運転装置50への送信が中断した場合に、自車両12の乗員に対して自車両12の移動を促す旨を通知する。つまり、自車両12の移動を促すことを示す情報が通信装置66を介して乗員のスマートフォン70に向けて出力される。通知される「自車両12の移動を促すことを示す情報」は、スマートフォン70の画面に表示される画像情報、スマートフォン70のスピーカに出力させる音声情報等を含む。
また、通知部106は、走行状態が駐停車状態の場合に、バッテリ36の残量に基づいて経路提供装置10が動作可能な時間であって、自車両12の駐停車の継続が可能な時間を自車両12の乗員に対して通知する。つまり、経路提供装置10からスマートフォン70に向けて駐停車の継続が可能な時間に係る情報が出力される。通知される「駐停車の継続が可能な時間」に係る情報は、スマートフォン70の画面に表示される画像情報、スマートフォン70のスピーカに出力させる音声情報等を含む。
実績取得部108は、回避経路Pに沿って自動運転車両が走行した場合、その走行した記録を実績として取得する機能を有している。本実施形態において、実績取得部108は、経路作成部100において作成された回避経路Pと、センサ24の情報に基づいて取得された後続車両14の実際の走行経路とを対比し、一致又は近似している場合に実績として取得する。具体的に実績取得部108は、自動運転車両の走行回数を示す実績値を加算することにより、実績を取得する。
情報生成部110は、後続車両14に対して送信する情報を生成する機能を有している。情報生成部110は、後述する判定部140が対向車線Uを走行する対向車両18と後続車両14とが衝突する可能性があると判定した場合に、後続車両14の停車を促す情報を生成する。「後続車両14の停車を促す情報」は、後続車両14の乗員に対して、「停車してください」等、直接的に停車を促す旨の画像情報や音声情報であってもよい。また、「後続車両14の停車を促す情報」は、後続車両14の乗員に対して「安全な回避経路Pが作成できません」等、間接的に停車を促す旨の画像情報や音声情報であってもよい。さらに、「後続車両14の停車を促す情報」は、後続車両14が完全自動運転車両である場合は、自動運転装置50のみが認識可能な情報であってもよい。これらの情報は、通信装置66を介して後続車両14の自動運転装置50に送信される。
起動部112は、経路提供装置を構成する各部を起動状態としたり、待機状態としたりする機能を有している。本実施形態では、起動状態においては全ての装置が起動しているが、待機状態においては通信装置26、及び制御装置20におけるCPU20Aを含む一部の機器が起動し、他の装置や機器の電源は停止又は省電力モードとなるように形成されている。そして、本実施形態の起動部112は、自車両12に対して後続車両14が所定の距離以内に接近した場合に、待機状態から起動状態に移行させる。また、起動部112は、後続車両14が所定の距離以内に存在せず、かつ所定の時間が経過した場合に、起動状態から待機状態に移行させる。
情報依頼部120は、先行車両16の経路提供装置10に向けて当該先行車両16を回避する補完経路Qの提供を依頼する機能を有している。本実施形態の情報依頼部120は、自車両12のセンサ24が先行車両16の存在により環境情報を検知できない場合に、先行車両16の経路提供装置10に向けて補完経路Qの提供を依頼する。当該依頼に関する要求は、通信装置66を介して先行車両16の経路提供装置10に向けて送信される。
位置算出部130は、経路作成部100が回避経路Pを作成できない場合に、回避経路Pを作成可能な駐停車位置を算出する機能を有している。この駐停車位置は、走行車線Tにおいて、自車両12が駐停車可能な範囲である。位置算出部130は、他の障害物の影響で後続車両14が安全に走行可能な回避経路Pを作成できない場合、走行車線T上に自車両12の仮想位置Aを設定し、仮想位置Aをシフト距離L0ずつ調整しながら後続車両14が安全に走行可能な回避経路Pを作成する(図18(B)参照)。仮想位置Aは駐停車位置に相当する。
判定部140は、対向車線Uを走行する対向車両18と後続車両14とが回避経路Pにおいて衝突する可能性があるか否かを判定する機能を有している。本実施形態の判定部140は、対向車両18が対向車線U上の回避経路Pに到達する時刻と、回避経路Pを走行する後続車両14が対向車線Uを脱する時刻と、を比較して衝突の可能性を判定することができる(図21参照)。
(自動運転装置)
図4に示されるように、本実施形態に係る自動運転装置50は、制御装置60と、GPS装置62と、センサ64と、通信装置66と、を含んで構成されている。制御装置60、GPS装置62、センサ64及び通信装置66については、経路提供装置10の制御装置20、GPS装置22、センサ24及び通信装置26と同じ構造の装置である。センサ64が有するカメラ64A、ミリ波レーダ64B及びLIDAR64Cについても、経路提供装置10のカメラ24A、ミリ波レーダ24B及びLIDAR24Cと同じ構造の装置である。
制御装置60は、ハードウェアであるプロセッサの一例であるCPU60A、ROM60B、RAM60C、ストレージ60D及びI/O60Eを備えている。CPU60A、ROM60B、RAM60C、ストレージ60D及びI/O60Eは、バス60Fを介して相互に接続されている。CPU60A、ROM60B、RAM60C、ストレージ60D及びI/O60Eの構造は、上述した経路提供装置10のCPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D及びI/O20Eと同じである。
本実施形態の制御装置60では、I/O60Eにアクチュエータ68が接続されている。アクチュエータ68は後続車両14の自動運転を行う駆動装置であって、アクチュエータ68は、加速制御を行うスロットルアクチュエータ、減速制御を行うブレーキアクチュエータ、及び操舵制御を行うステアリングアクチュエータを少なくとも含んでいる。
本実施形態では、CPU60Aが、ROM60Bからプログラムを読み出し、RAM60Cを作業領域としてプログラムを実行することで、予め作成された経路に沿って後続車両14の自動運転を制御する。また、本実施形態の自動運転装置50は、経路提供装置10において作成された回避経路Pに基づいて、自車両12を回避しながら後続車両14を走行させる。
(作用)
本実施形態の経路作成システム80による作用について以下に説明する。図5(A)に示されるように、本実施形態では、走行車線Tに自車両12が存在している場合に、走行車線Tにおいて自車両12の後方を走行する後続車両14が自車両12を回避するケースに適用される。
(1)基本的な処理
以下、後続車両14が自車両12に接近してから回避するまでの基本的な処理の流れについて図6〜図8を用いて説明する。
まず、自車両12の経路提供装置10において実行される経路提供処理の流れについて、図6を用いて説明する。
図6に示されるように、ステップS100において、CPU20Aは通信装置26経由で通信情報を取得する。そして、ステップS101に進む。
ステップS101において、CPU20Aは後続車両14が周囲に存在するか否かの判定を行う。具体的に、CPU20Aは通信情報に自動運転装置50のパケットを含む場合に、後続車両14が存在していると判定する。CPU20Aは後続車両14が周囲に存在すると判定した場合、ステップS102に進む。一方、CPU20Aは後続車両14が周囲に存在しないと判定した場合、ステップS100に戻る。
ステップS102において、CPU20Aは経路作成処理を実行する。経路作成処理の詳細については、後述する。そして、ステップS103に進む。
ステップS103において、CPU20Aは作成された回避経路Pがあるか否かの判定を行う。当該判定は、後述する回避経路NGフラグの状態を取得することで実行することができる。すなわち、回避経路NGフラグがOFFの場合は回避経路Pがあると判定でき、回避経路NGフラグがONの場合は回避経路Pがないと判定できる。CPU20Aは回避経路Pがあると判定した場合、ステップS104に進む。一方、CPU20Aは回避経路Pがないと判定した場合、ステップS105に進む。
ステップS104において、CPU20Aは後続車両14の自動運転装置50に向けて回避経路Pを送信する。そして、ステップS109に進む。
ステップS105において、CPU20Aは自車両12が駐停車の準備をしているか否かの判定を行う。駐停車の準備とは、自車両12の走行状態が駐停車準備状態の場合である。CPU20Aは駐停車の準備をしていると判定した場合、ステップS106に進む。一方、CPU20Aは駐停車の準備をしていないと判定した場合、ステップS107に進む。
ステップS106において、CPU20Aは報知装置30に駐停車が不可である旨を通知する。具体的に、CPU20Aは報知装置30に向けて駐停車が不可であることを示す情報を出力する。そして、ステップS109に進む。
ステップS107において、CPU20Aは自車両12が駐停車済みか否かの判定を行う。駐停車済みとは、自車両12の走行状態が駐停車状態の場合である。CPU20Aは駐停車済みであると判定した場合、ステップS108に進む。一方、CPU20Aは駐停車済みではないと判定した場合、ステップS109に進む。すなわち、この場合は自車両12が障害物とならずに後続車両14が走行車線Tを走行できている場合となる。
ステップS108において、CPU20Aは報知装置30に自車両12の移動を促す旨を通知する。具体的に、CPU20Aは報知装置30に向けて移動を促すことを示す情報を出力する。また、乗員が車外に居る場合は、乗員のスマートフォン70に向けて移動を促すことを示す情報を送信する。そして、ステップS109に進む。
ステップS109において、CPU20Aは経路提供処理を終了させるか否かの判定を行う。終了させる場合とは、例えば、自車両12が車庫に入り自車両12のパワースイッチをOFFにした場合が該当する。CPU20Aは経路提供処理を終了させると判定した場合、経路提供処理を終了させる。一方、CPU20Aは経路提供処理を終了させないと判定した場合、ステップS100に戻る。
次に、自車両12の経路提供装置10において実行されるステップS102の経路作成処理の流れについて、図7を用いて説明する。
図7に示されるように、ステップS150において、CPU20AはGPS装置22から位置情報を取得する。そして、ステップS151に進む。
ステップS151において、CPU20Aはセンサ24から環境情報を取得する。そして、ステップS152に進む。
ステップS152において、CPU20Aは回避経路Pの作成に十分な情報があるか否かの判定を行う。すなわち、回避経路Pの作成に必要な位置情報、環境情報、通信情報等が欠落していないか否かを判定する。例えば、機器の異常、西日の影響、大雨等によりセンサ24の感度が低下している場合、環境情報が欠落していることになる。また例えば、無線通信環境の悪化により後続車両14の自動運転装置50と通信が成立しない場合、通信情報が欠落していることになる。CPU20Aは回避経路Pの作成に十分な情報があると判定した場合、ステップS154に進む。一方、CPU20Aは回避経路Pの作成に十分な情報がないと判定した場合、ステップS153に進む。
ステップS153において、CPU20Aは回避経路Pが作成できないことを示す回避経路NGフラグをONにする。そして、CPU20Aは経路作成処理を終了させる。
ステップS154において、CPU20Aは自車両12が走行車線Tを塞いでいるか否かの判定を行う。ここで、走行車線Tを塞いでいる場合とは、他の車両が走行車線Tを走行できない態様で自車両12が駐停車している場合を指す。走行車線Tの端に自車両12が駐停車しており、すり抜けが可能である場合や、走行車線Tが複数あり、車線変更を可能とする場合、CPU20Aは走行車線Tを塞いでいないと判定する。CPU20Aは自車両12が走行車線Tを塞いでいると判定した場合、ステップS155に進む。一方、CPU20Aは自車両12が走行車線Tを塞いでいないと判定した場合。ステップS156に進む。
ステップS155において、CPU20Aは対向車線Uを使用した回避経路Pを作成する。そして、ステップS157に進む。
ステップS156において、CPU20Aは走行車線Tのみで回避経路Pを作成する。そして、ステップS157に進む。
ステップS157において、CPU20Aは回避経路Pが作成できたか否かの判定を行う。CPU20Aは回避経路Pが作成できたと判定した場合、ステップS158に進む。CPU20Aは回避経路Pが作成できていないと判定した場合、ステップS153に進む。
ステップS158において、CPU20Aは回避経路Pが作成できないことを示す回避経路NGフラグをOFFにする。そして、CPU20Aは経路作成処理を終了させる。
次に、後続車両14の自動運転装置50において実行される回避制御処理の流れについて、図8を用いて説明する。
図8に示されるように、ステップS200において、CPU60Aはセンサ64が後続車両14の前方に障害物を検知したか否かの判定を行う。CPU60Aは前方に障害物を検知したと判定した場合、ステップS202に進む。一方、CPU60Aは前方に障害物を検知していないと判定した場合、ステップS201に進む。
ステップS201において、CPU60Aは自動運転を継続する。すなわち、後続車両14は走行車線Tの走行を継続する。そして、CPU60Aは回避制御処理を終了させる。
ステップS202において、CPU60Aは自車両12の経路提供装置10から回避経路Pを受信する。そして、ステップS203に進む。
ステップS203において、CPU60Aはセンサ64において検知された障害物が回避経路Pにおける回避の対象物であるか否かの判定を行う。本実施形態において、後続車両14の回避の対象物は自車両12であって、CPU60Aは回避経路Pにおいて回避する自車両12の情報とセンサ64において検知された障害物の情報とが一致した場合、障害物が回避経路Pにおける回避の対象物であると判定する。CPU60Aは検知された障害物が回避経路Pにおける回避の対象物であると判定した場合、ステップS205に進む。一方、CPU60Aは検知された障害物が回避経路Pにおける回避の対象物ではないと判定した場合、ステップS204に進む。
ステップS204において、CPU60Aはアクチュエータ68を介して後続車両14を停車させる。これにより後続車両14は障害物の手前で停車する。そして、CPU60Aは回避制御処理を終了させる。
ステップS205において、CPU60Aは受信した回避経路Pが走行車線Tに戻るまでの経路か否かの判定を行う。CPU60Aは受信した回避経路Pが走行車線Tに戻るまでの経路であると判定した場合、ステップS206に進む。一方、CPU60Aは受信した回避経路Pが走行車線Tに戻るまでの経路ではない、例えば、対向車線Uを走行し続ける経路であると判定した場合、ステップS204に進む。
ステップS206において、CPU60Aはアクチュエータ68を介して後続車両14について回避経路Pを走行させる。これにより後続車両14は障害物としての自車両12を回避して走行する。そして、CPU60Aは回避制御処理を終了させる。
以上のように、本実施形態の経路提供装置10は、走行車線T上の障害物となる自車両12に対して設けられている。この経路提供装置10は、少なくとも自車両12の位置情報と周囲の環境情報とを基に、自車両12を回避する回避経路Pを作成し、作成された回避経路Pを後続車両14に送信する。一方、本実施形態の後続車両14は自動運転車両であって、後続車両14が搭載する自動運転装置50が回避経路Pを取得することで、後続車両14は回避経路Pに沿って自車両12を回避しながら走行する。
後続車両14が自動運転装置50のみによる制御によって自車両12を回避する場合、自車両12の存在によりセンサ64の視界が遮られていれば、自動運転装置50は自車両12を回避する制御ができない。これに対して本実施形態では、後続車両14のセンサ64の視界が自車両12により遮られていても、自車両12に搭載された経路提供装置10が後続車両14用の回避経路Pを作成する。これにより、自動運転車両が走行する走行車線T上において自車両12の駐停車が許容される。
また、本実施形態の経路提供装置10は、自車両12が走行車線Tを塞ぐことで後続車両14が対向車線Uを走行する必要がある場合、対向車線Uを経て走行車線Tに復帰する回避経路Pを作成する。本実施形態によれば、自動運転車両が駐停車車両を避けるために対向車線Uにはみ出して走行する場合において、自動運転車両が対向車線U上に駐停車することなく、障害物を回避した後に自動運転車両を安全に走行車線Tに復帰させることができる。
また、本実施形態の経路提供装置10は、位置情報や環境情報を取得できずに回避経路Pを作成できない状態で自車両12が駐停車する場合、自車両12の駐停車が不可能である旨を自車両12の報知装置30に出力する。したがって、本実施形態によれば、自動運転車両が回避可能な経路がないことを自車両12の乗員に気付かせることで、駐停車を断念させることができ、自動運転車両の走行を妨げる要因をなくすことができる。
また、本実施形態の経路提供装置10は、自車両12が駐停車した後、回避経路Pを作成できなくなった場合に、自車両12の乗員に対して自車両12の移動を促す旨を通知する。本実施形態によれば、駐停車後に回避経路Pを作成できなくなった場合、自車両12の乗員に対して自車両12の移動を促すことができ、自動運転車両の走行を妨げる要因をなくすことができる。特に本実施形態では、乗員が自車両12に乗車中の場合は報知装置30を介して乗員に通知することができ、乗員が自車両12から離れている場合は、乗員が所持するスマートフォン70を介して通知することができる。
(2)駐停車監視処理
自車両12の経路提供装置10において実行される駐停車監視処理の流れについて図9を用いて説明する。
図9に示されるように、ステップS300において、CPU20Aは自車両12が駐停車しているか否かの判定を行う。すなわち、自車両12の走行状態が駐停車状態か否かを判定する。CPU20Aは自車両12が駐停車していると判定した場合、ステップS301に進む。一方、CPU20Aは自車両12が駐停車していないと判定した場合、ステップS302に進む。
ステップS301において、CPU20Aは駐停車中フラグをONに設定する。そして、ステップS303に進む。なお、駐停車中フラグがONの場合、自車両12の経路提供装置10から自動運転装置50に駐停車中フラグの情報を送信することで、自動運転装置50は環境情報を取得できなくとも自車両12が駐停車状態であることを検知することができる。
ステップS302において、CPU20Aは駐停車中フラグをOFFに設定する。そして、CPU20Aは駐停車監視処理を終了させる。
ステップS303において、CPU20Aはバッテリ36の残量から自車両12の駐停車が継続可能な時間、換言すると、経路提供装置10が動作可能な時間を計算する。そして、ステップS304に進む。
ステップS304において、CPU20Aはバッテリ36の残量が規定値以上であるか否かの判定を行う。ここで、規定値とは、経路提供装置10の動作に必要なバッテリ36の残量である。CPU20Aはバッテリ36の残量が規定値以上であると判定した場合、駐停車監視処理を終了させる。一方、CPU20Aはバッテリ36の残量が規定値以上ではない、すなわち規定値よりも低いと判定した場合、ステップS305に進む。
ステップS305において、CPU20Aはスマートフォン70に駐停車が継続可能な時間を通知する。すなわち、自車両12の乗員のスマートフォン70に向けて、駐停車が継続可能な時間に係る情報を送信する。そして、CPU20Aは駐停車監視処理を終了させる。
以上のように本実施形態の駐停車監視処理では、自車両12が駐停車状態の場合にバッテリ36の残量に基づいて自車両12の駐停車が継続可能な時間を自車両12の乗員に対して通知する。本実施形態では、乗員が自車両12に乗車中の場合は報知装置30を介して乗員に通知することができ、乗員が自車両12から離れている場合は、乗員が所持するスマートフォン70を介して通知することができる。
本実施形態によれば、経路提供装置10が動作可能な時間を自車両12の駐停車が継続可能な時間として自車両12の乗員に通知することで、経路提供装置10が動作不能となる前に乗員に自車両12の移動を促すことができる。これにより、自動運転車両の走行を妨げる要因をなくすことができる。
(3)走行開始時の処理
自車両12が駐停車しており後続車両14の自動運転装置50に対して回避経路Pを送信している場合に、自車両12が走行再開する場合の処理の流れについて図10及び図11を用いて説明する。
まず、自車両12の経路提供装置10において実行される走行再開処理の流れについて、図10を用いて説明する。
図10に示されるように、ステップS400において、CPU20Aは自車両12が走行を開始するか否かの判定を行う。すなわち、走行状態が走行開始状態であるか否かの判定を行う。CPU20Aは自車両12が走行を開始すると判定した場合、ステップS401に進む。一方、CPU20Aは自車両12が走行を開始しないと判定した場合、ステップS402に進む。
ステップS401において、CPU20Aは走行開始フラグをONに設定する。そして、ステップS403に進む。
ステップS402において、CPU20Aは走行開始フラグをOFFに設定する。そして、ステップS407に進む。
ステップS403において、CPU20Aは駐停車中フラグをOFFに設定する。そして、ステップS404に進む。
ステップS404において、CPU20Aは自動運転装置50に対する回避経路Pの送信を中止する。そして、ステップS405に進む。
ステップS405において、CPU20Aは自車両12が走行中であるか否かの判定を行う。すなわち、走行状態が走行開始状態から走行中状態に移行したか否かの判定を行う。CPU20Aは自車両12が走行中であると判定した場合、ステップS406に進む。一方、CPU20Aは自車両12が走行中ではないと判定した場合、ステップS407に進む。
ステップS406において、CPU20Aは走行開始フラグをOFFに設定する。そして、ステップS407に進む。
ステップS407において、CPU20Aは走行開始フラグの情報を後続車両14の自動運転装置50に送信する。そして、CPU20Aは走行再開処理を終了させる。
次に、後続車両14の自動運転装置50において実行される走行制御処理の流れについて、図11を用いて説明する。
図11に示されるように、ステップS500において、CPU60Aは自車両12から情報を取得する。ここで、取得される情報は、走行開始フラグに係る情報、及び回避経路Pの情報を含む。そして、ステップS501に進む。
ステップS501において、CPU60Aは自車両12の走行開始フラグがONであるか否かの判定を行う。CPU60Aは走行開始フラグがONであると判定した場合、ステップS503に進む。一方、CPU60Aは走行開始フラグがONではない、すなわちOFFであると判定した場合、ステップS502に進む。
ステップS502において、CPU60Aは、取得した情報に回避経路Pがないか否かの判定を行う。CPU60Aは回避経路Pがないと判定した場合、ステップS503に進む。一方、CPU60Aは回避経路Pがあると判定した場合、ステップS504に進む。
ステップS503において、CPU60Aはアクチュエータ68を介して後続車両14を自車両12の手前で停車させる。そして、CPU60Aは走行制御処理を終了させる。
ステップS504において、CPU60Aはアクチュエータ68を介して後続車両14について回避経路Pを走行させる。これにより、後続車両14は自車両12を回避して走行する。そして、CPU60Aは走行制御処理を終了させる。
以上、本実施形態の経路提供装置10では、駐停車中の自車両12が走行を開始する場合に、後続車両14の自動運転装置50に対する回避経路Pの送信を中止すると共に走行開始フラグをONにする。これにより、自動運転装置50は後続車両14を停車させることができ、自車両12が走行を開始又は再開する場合の接触事故を抑制することができる。
(4)実績管理処理
自車両12の経路提供装置10において実行される実績管理処理の流れについて図12を用いて説明する。
図12に示されるように、ステップS600において、CPU20Aはセンサ24から環境情報を取得する。そして、ステップS601に進む。
ステップS601において、CPU20Aは環境情報における後続車両14の情報から後続車両14の走行経路を取得する。そして、ステップS602に進む。
ステップS602において、CPU20Aは取得された後続車両14の走行経路と、自動運転装置50に送信した回避経路Pとが一致又は近似しているか否かの判定を行う。ここで、当該判定では、回避経路Pにおける許容誤差範囲内に後続車両14の走行経路がある場合に「近似」と判定することができる。CPU20Aは走行経路と回避経路Pとが一致又は近似していると判定した場合、ステップS603に進む。一方、CPU20Aは走行経路と回避経路Pとが一致又は近似していないと判定した場合、ステップS604に進む。
ステップS603において、CPU20Aは現在の実績値に1を加算する。そして、ステップS604に進む。
ステップS604において、CPU20Aは後続車両14の自動運転装置50に向けて実績値に係る情報を送信する。そして、CPU20Aは実績管理処理を終了させる。
以上のように、本実施形態の経路提供装置10では、後続車両14が回避経路Pに沿って走行した場合に実績値を加算することで、走行の実績を取得する。そして、回避経路Pと共に実績値を後続する他の自動運転車両の自動運転装置50に送信することで、他の自動運転車両は、受信した回避経路Pが安全に走行できる経路であるか否かを判断することができる。
これにより、例えば、自動運転装置50において、回避経路Pに所定の閾値以上の実績値が付された場合のみ、回避経路Pに対して後続車両14を走行させることができる。また例えば、自動運転装置50が、実績値の異なる複数の回避経路Pを受信した場合、より実績値の高い回避経路Pにおいて後続車両14を走行させることができる。
なお、自車両12を通過した後続車両14の特徴毎に実績値をカウントしてもよい。ここで、特徴とは車格や車速等である。後続車両14の特徴毎に実績値をカウントすることにより、実績値の低い場合には回避経路Pを送信せずに、最初から自車両12の手前で停車させる制御を行うことができる。
(5)電源状態処理
自車両12の経路提供装置10において実行される電源状態処理の流れについて図13を用いて説明する。
図13に示されるように、ステップS700において、CPU20Aは通信装置26における通信情報を取得する。そして、ステップS701に進む。
ステップS701において、CPU20Aは後続車両14が自車両12から所定の距離以内に存在するか否かの判定を行う。本実施形態では、自動運転装置50から受信される通信情報の強度や、通信装置26に接続された複数のアンテナを用いて、自車両12と後続車両14との距離を求める。CPU20Aは後続車両14が所定の距離以内に存在すると判定した場合、ステップS702に進む。一方、CPU20Aは後続車両14が所定の距離以内に存在しないと判定した場合、ステップS704に進む。
ステップS702において、CPU20Aは経路提供装置10が待機状態か否かの判定を行う。CPU20Aは経路提供装置10が待機状態であると判定した場合、ステップS703に進む。一方、CPU20Aは経路提供装置10が待機状態ではないと判定した場合、ステップS706に進む。
ステップS703において、CPU20Aは自車両12の経路提供装置10を待機状態から起動状態に移行させる。そして、ステップS706に進む。
ステップS704において、CPU20Aは、起動状態が所定時間を経過している否かの判定を行う。CPU20Aは起動状態が所定時間を経過していると判定した場合、ステップS705に進む。一方、CPU20Aは起動状態が所定時間を経過していないと判定した場合、ステップS706に進む。
ステップS705において、CPU20Aは自車両12の経路提供装置10を起動状態から待機状態に移行させる。そして、ステップS706に進む。
ステップS706において、CPU20Aは電源状態処理を終了させるか否かの判定を行う。終了させる場合とは、ステップS109に説示のとおりである。CPU20Aは電源状態処理を終了させると判定した場合、電源状態処理を終了させる。一方、CPU20Aは電源状態処理を終了させないと判定した場合、ステップS700に戻る。
以上のように、本実施形態の経路提供装置10では、後続車両14が所定の距離以内に接近するまで待機状態とし、所定の距離以内に接近した場合に起動状態とすることで、駐停車中のバッテリ36の消費を抑制することができる。
本実施形態の経路提供装置10では、通信装置26により自車両12と後続車両14との距離を取得している。この場合、待機状態においては通信装置26及びCPU20A等の一部の機器が起動し、他の装置や機器の電源は停止又は省電力モードとなるように形成されている。一方、本実施形態では、装置及び機器毎に起動に要する時間が異なることを考慮して待機状態から起動状態に移行させるタイミングを変えてもよい。例えば、起動に時間を要する装置の場合は、起動に時間を要しない装置よりも後続車両14が遠方に居る時から起動させることにより、後続車両14が所定の距離に達した際、全ての装置及び機器の起動を同じタイミングで完了させることができる。
なお、本実施形態のように通信装置26により自車両12と後続車両14との距離を取得する場合に限らず、センサ24を使用して距離を取得してもよい。この場合、待機状態においてはセンサ24及びCPU20A等の一部の機器が起動し、他の装置や機器の電源は停止又は省電力モードとなるように形成される。
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態では、車両である自車両12に対して経路提供装置10を搭載したが、第1の実施形態の変形例では、図5(B)に示されるように、路上物13に対して経路提供装置10が設置されている。
本変形例では、走行車線T上に障害物として路上物13が存在する場合、路上物13に対して事後的に経路提供装置10が設置することができる。路上物13は、略三角錐状のコーン(別名、パイロン)、仮設ガードレール、バリケード、道路用防護柵、落石、倒木、走行車両からの落下物、放置車両(二輪車、自転車を含む)等が含まれる。
例えば、走行車線T上のマンホールにおいて、作業が行われている場合、当該マンホールの手前に略三角錐状のコーンである路上物13を置いて、当該コーンに対してさらに経路提供装置10が設置されることで、後続車両14が作業現場を回避することができる。
また例えば、走行車線Tに落石が転がり込んだ場合、落石である路上物13に対して経路提供装置10が設置されることで、後続車両14が落石を回避することができる。
以上、本変形例によれば、自動運転車両が走行する走行車線T上の障害物の存在を許容することができる。その他、乗員に対して情報を提供する以外の機能につき、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、路上物13の管理者がスマートフォン70を所持している場合、経路提供装置10は、スマートフォン70に対してバッテリ36の残量の低下を通知することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図14に示されるように、自車両12の前方に経路提供装置10を搭載した先行車両16が駐停車している場合において、先行車両16の経路提供装置10から補完経路Qの提供を受けるものである。なお、第2の実施形態の各部の構成については、第1の実施形態と同様につき、説明を割愛する。
本実施形態では、走行車線Tに自車両12が駐停車し、自車両12の前方に先行車両16が駐停車している状況を前提とする。自車両12においては先行車両16の存在により死角Dが存在するため、自車両12のセンサ24は死角Dにおける環境情報を検知することができない。したがって、自車両12の経路提供装置10は、対向車線Uに車線変更して自車両12を回避するまでの回避経路Pを作成することはできても、自車両12を回避した後、走行車線Tに復帰するまでの回避経路Pを作成することはできない。
そこで、本実施形態では、先行車両16の経路提供装置10が自車両12の死角Dに含まれる補完経路Qを作成するように形成されている。
(作用)
以下、後続車両14が自車両12及び先行車両16を回避する場合の処理の流れについて図15〜図17を用いて説明する。
まず、自車両12の経路提供装置10において実行される経路提供処理の流れについて図15を用いて説明する。
図15に示されるように、ステップS800において、CPU20Aは自車両12の前方に先行車両16を検出したか否かの判定を行う。CPU20Aは自車両12の前方に先行車両16を検出した場合、ステップS801に進む。一方、CPU20Aは自車両12の前方に先行車両16を検出しない場合、CPU20Aは経路提供処理を終了させる。
ステップS801において、CPU20Aは先行車両16の経路提供装置10に対して補完経路Qの提供を依頼する。そして、ステップS802に進む。
ステップS802において、CPU20Aは先行車両16の経路提供装置10から補完経路Qを受信したか否かの判定を行う。CPU20Aは補完経路Qを受信したと判定した場合、ステップS803に進む。一方、CPU20Aは補完経路Qを受信していないと判定した場合、ステップS804に進む。
ステップS803において、CPU20Aは経路接続処理を実行する。これにより、回避経路Pと補完経路Qとが接続されて新たな回避経路NPが作成される。経路接続処理の詳細は後述する。そして、ステップS805に進む。
ステップS804において、CPU20Aは自車両12の移動を促す旨を通知する。具体的に、CPU20Aは報知装置30に向けて移動を促すことを示す情報を出力する。そして、CPU20Aは経路提供処理を終了させる。
ステップS805において、CPU20Aは後続車両14の自動運転装置50に向けて新たな回避経路NPを送信する。そして、CPU20Aは経路提供処理を終了させる。
次に、自車両12の経路提供装置10において実行されるステップS803の経路接続処理の流れについて、図16を用いて説明する。
図16に示されるように、ステップS850において、CPU20AはGPS装置22から位置情報を取得する。そして、ステップS851に進む。
ステップS851において、CPU20Aはセンサ24から環境情報を取得する。そして、ステップS852に進む。
ステップS852において、CPU20Aは自車両12のセンサ24において取得できた環境情報の範囲で回避経路Pを作成する。そして、ステップS853に進む。
ステップS853において、CPU20Aは先行車両16の経路提供装置10から受信した補完経路Qと上記ステップで作成した回避経路Pとを接続し、新たな回避経路NPを作成する。そして、CPU20Aは経路接続処理を終了させる。
次に、先行車両16の経路提供装置10における実行される経路応答処理の流れについて、図17を用いて説明する。
図17に示されるように、ステップS900において、CPU20Aは自車両12の経路提供装置10から補完経路Qの提供依頼を受けた否かの判定を行う。CPU20Aは補完経路Qの提供依頼を受けたと判定した場合、ステップS901に進む。一方、CPU20Aは補完経路Qの提供依頼を受けていないと判定した場合、経路応答処理を終了させる。
ステップS901において、CPU20Aは経路作成処理を実行する。処理の内容については、図7の各ステップのとおりであり、説明は割愛する。これにより、CPU20Aは、自車両12の死角Dにおいて自車両12及び先行車両16を回避するための補完経路Qを作成する。そして、ステップS902に進む。
ステップS902において、CPU20Aは補完経路Qを自車両12の経路提供装置10に向けて送信する。そして、CPU20Aは経路応答処理を終了させる。
以上、本実施形態では、自車両12の経路提供装置10において先行車両16の存在により自車両12において前方の環境情報を検知できない場合に、先行車両16の経路提供装置10に対して先行車両16を回避する補完経路Qの提供を依頼する。そして、自車両12の経路提供装置10では、取得した補完経路Qに基づいて自車両12及び先行車両16を回避する新たな回避経路NPを作成する。本実施形態の経路提供装置10によれば、自車両12の他に駐停車する先行車両16がある場合でも自車両12及び先行車両16を回避可能な経路を作成することができるため、走行車線T上に駐停車できる機会を増やすことができる。
また、本実施形態では、先行車両16の経路提供装置10から補完経路Qを取得した場合に、回避経路Pと補完経路Qとを接続して新たな回避経路NPを作成する。ここで、先行車両16の経路提供装置10は、自車両12の影響で後方の環境情報を取得できない場合であっても、先行車両16を回避するための補完経路Qを作成すれば足りる。すなわち、本実施形態によれば、複数の経路提供装置10が環境情報を取得できない範囲を補完し合うことで複数の障害物を回避する経路を作成することができる。
なお、本実施形態では2台の車両を回避する場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、走行車線Tにおいて経路提供装置10を搭載した3台以上の車両が連続して駐停車している場合が想定される。この場合、前方の駐停車車両の経路提供装置10から後方の駐停車車両の経路提供装置10に向けて回避経路P(補完経路Q)を順に接続することで新たな回避経路NPを作成することができる。
また、本実施形態では、回避経路Pと補完経路Qとを接続して新たな回避経路NPを作成しているが、これに限らない。例えば、自車両12の経路提供装置10は、先行車両16の経路提供装置10から先行車両16における環境情報を受信して自車両12の環境情報と組み合わせて自車両12及び先行車両16を回避する新たな回避経路NPを作成してもよい。
また、先行車両16が全高の高いバンであって、先行車両16の経路提供装置10が自車両12の後方の環境情報を取得できる場合、自車両12の経路提供装置10は、受信した補完経路Qをそのまま新たな回避経路NPとすることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、対向車線Uに駐停車している対向車両18の近くに自車両12が駐停車している場合において、後続車両14を停車させたり、自車両12を移動させたりする制御に関する。なお、第3の実施形態の各部の構成については、第1の実施形態と同様につき、説明を割愛する。
(作用)
(1)後続車両を停車させる処理
図18(A)に示されるように、対向車両18と自車両12とが接近しており、後続車両14が安全に走行できない場合において、自車両12の経路提供装置10により実行される安全確認処理の流れについて図19を用いて説明する。
図19に示されるように、ステップS1000において、CPU20Aはカメラ24A及びLIDAR24Cの撮像画面、又は地図DB200の地図上に周辺の障害物(例えば、対向車両18)との境界線Bを作成する(図18(A)参照)。そして、ステップS1001に進む。
ステップS1001において、CPU20Aは経路作成処理(図7参照)において自車両12と安全な距離をとって走行できる回避経路Pを作成する。ここで、本ステップにおける回避経路Pの作成に際しては、障害物である対向車両18を考慮せず、自車両12に基づいて作成する。そして、ステップS1002に進む。
ステップS1002において、CPU20Aは境界線Bと回避経路Pとの最短距離S(図18(A)参照)が限界距離Dminより大きいか否かの判定を行う。ここで、限界距離Dminは、回避経路Pを走行する後続車両14が対向車両18に接触しないで安全に走行するために必要とされる最低限の距離である。CPU20Aは境界線Bと回避経路Pとの最短距離Sが限界距離Dminより大きいと判定した場合、ステップS1003に進む。一方、CPU20Aは境界線Bと回避経路Pとの最短距離Sが限界距離Dminより大きくない、すなわち最短距離Sが限界距離Dmin以下であると判定した場合、ステップS1004に進む。
ステップS1003において、CPU20Aは後続車両14の自動運転装置50に向けて回避経路Pを送信する。そして、CPU20Aは安全確認処理を終了させる。
ステップS1004において、CPU20Aは後続車両14の自動運転装置50に向けて安全な回避経路Pがない旨の通知を行う。つまり、安全な回避経路Pがないことを示す情報を送信する。そして、CPU20Aは安全確認処理を終了させる。
安全に走行可能な回避経路Pを受信した自動運転装置50では、回避経路Pに基づいて後続車両14を制御する。すなわち、自動運転装置50は回避経路Pに沿って後続車両14を走行させる制御を行う。一方、安全な回避経路Pがないことを示す情報を取得した場合、自動運転装置50は対向車線Uにはみ出さず、走行車線T上で自車両12の直前で停車するように後続車両14の制御を行う。
以上、本実施形態の安全確認処理では、対向車両18の近くに自車両12が駐停車している場合、自車両12の回避経路Pと対向車両18に対応する境界線Bとの最短距離Sが限界距離Dminより大きい場合に後続車両14を対向車線Uに走行させることができる。本実施形態のように、対向車線Uに対向車両18が駐停車している場合であっても、後続車両14が安全に走行可能な回避経路Pを提供することができる。
なお、自車両12の回避経路Pを作成後に対向車両18が対向車線Uに駐停車した場合、自車両12の経路提供装置10が自動運転装置50への回避経路Pの送信を中止することで、後続車両14を停車させることができる。この場合、自車両12の乗員に対して自車両12の移動を促す旨を通知することにより、走行車線T上において、自動運転車両の走行を妨げる要因をなくすことができる。
(2)自車両を移動させる処理
本実施形態では、図18(A)に示されるように、後続車両14が安全に走行できない場合において、図18(B)に示されるように、後続車両14が安全に走行できるような回避経路Pを作成するよう、自車両12を移動させることを可能としている。以下、自車両12の経路提供装置10により実行され、自車両12を移動させるための処理である位置算出処理の流れについて図20を用いて説明する。
図20に示されるように、ステップS1050において、CPU20Aは回避経路NGフラグがONであるか否かの判定を行う。つまり、自車両12及び対向車両18を回避可能な回避経路Pが作成されないか否かの判定が行われる。CPU20Aは回避経路NGフラグがONであると判定した場合、ステップS1051に進む。一方、CPU20Aは回避経路NGフラグがONではない、すなわちOFFであると判定した場合、位置算出処理を終了させる。
ステップS1051において、CPU20Aは変数Xに0を代入する。すなわち、変数Xを初期化する。変数Xは、走行車線T上に設けられた仮想位置Aを設定する際に必要となる基準位置A0からの距離Lを調整するために使用するものである(図18(B)参照)。そして、ステップS1052に進む。
ステップS1052において、CPU20Aは変数Xに1を加算すると共に、シフト距離L0に変数Xを乗じて距離Lを算出する。ここで、シフト距離L0は、回避経路Pを1回作成する毎に仮想位置Aを前方に移動させる移動量である。そして、ステップS1053に進む。
ステップS1053において、CPU20Aは距離Lが最大距離Lmaxより小さいか否かの判定を行う。ここで、最大距離Lmaxは、センサ24が環境情報を検知する限界となる距離である。CPU20Aは距離Lが最大距離Lmaxより小さいと判定した場合、ステップS1054に進む。一方、CPU20Aは距離Lが最大距離Lmaxより小さくない、すなわち距離Lが最大距離Lmax以上であると判定した場合、ステップS1057に進む。
ステップS1054において、CPU20Aは経路作成処理(図7参照)において自車両12を距離Lだけ前方に移動させた際の回避経路Pを作成する。すなわち、新たな仮想位置Aに自車両12が駐停車した場合を想定した回避経路Pを作成する。そして、ステップS1055に進む。
ステップS1055において、CPU20Aは回避経路NGフラグがOFFであるか否かの判定を行う。つまり、自車両12及び対向車両18を回避可能な回避経路Pが作成されたか否かの判定が行われる。CPU20Aは回避経路NGフラグがOFFであると判定した場合、ステップS1056に進む。一方、CPU20Aは回避経路NGフラグがOFFではない、すなわちONであると判定した場合、ステップS1052に戻る。
ステップS1056において、CPU20Aは報知装置30に自車両12を距離L前方にある仮想位置Aに移動させる旨を通知する。具体的に、CPU20Aは報知装置30に向けて仮想位置Aに係る情報を出力する。そして、CPU20Aは位置算出処理を終了させる。報知装置30により自車両12の移動を促された乗員(又は自動運転装置)が自車両12を距離L前方の仮想位置Aに移動させることで、後続車両14は回避経路Pに沿って、対向車両18及び自車両12を回避することができる。
ステップS1057において、CPU20Aは報知装置30に駐停車スペースがない旨を通知する。具体的に、CPU20Aは報知装置30に向けて駐停車スペースがないことを示す情報を出力する。そして、CPU20Aは位置算出処理を終了させる。
以上、本実施形態の位置算出処理では、対向車両18の近くに自車両12が駐停車していることにより回避経路Pを作成できない場合に、基準位置A0からの距離Lに基づいて回避経路Pを作成可能な仮想位置Aを算出する。本実施形態によれば、安全に駐停車可能な場所を把握することができる。そして、自車両12が自動運転車両である場合、算出された仮想位置Aに自車両12を移動させることで、後続車両14が安全に走行可能な回避経路Pを作成することができる。
また、本実施形態の経路提供装置10では、算出された仮想位置Aを自車両12の報知装置30に報知することができる。本実施形態によれば、自車両12が手動運転の場合であっても、自車両12の乗員に対して仮想位置Aを知らせることができ、かつ仮想位置Aへの移動を促すことができる。以上、本実施形態によれば、走行車線T上の渋滞を回避することができる。走行車線Tを活用する際の利便性を向上させることができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、図21に示されるように、走行する対向車両18を考慮して後続車両14を停車させたり、移動させたりする制御に関する。なお、第4の実施形態の各部の構成については、第1の実施形態と同様につき、説明を割愛する。
(作用)
以下、自車両12の経路提供装置10において実行される衝突回避処理の流れについて図22を用いて説明する。
図22に示されるように、ステップS1100において、CPU20Aは対向車両18が対向車線U上の回避経路Pに到達する(図21参照)時刻T1を計算する。そして、ステップS1101に進む。
ステップS1101において、CPU20Aは後続車両14が対向車線Uを通過完了する(図21の点線参照)時刻T2を計算する。そして、ステップS1102に進む。
ステップS1102において、CPU20Aは時刻T1から時刻T2を引いた時間が安全時間T3より大きいか否かの判定を行う。ここで、安全時間T3は、対向車両18が向かって走行する場合において、後続車両14が回避経路Pを安全に走行するために設定された時間である。CPU20Aは時刻T1から時刻T2を引いた時間が安全時間T3より大きいと判定した場合、ステップS1103に進む。一方、CPU20Aは時刻T1から時刻T2を引いた時間が安全時間T3より大きくない、すなわち時刻T1から時刻T2を引いた時間が安全時間T3以下であると判定した場合、ステップS1104に進む。
ステップS1103において、CPU20Aは後続車両14に走行許可を通知する。すなわち、後続車両14の自動運転装置50に向けて、走行許可に係る情報を送信する。そして、CPU20Aは衝突回避処理を終了させる。
ステップS1104において、CPU20Aは後続車両14に停車指示を通知する。すなわち、後続車両14の自動運転装置50に向けて、停車指示に係る情報を送信する。そして、CPU20Aは衝突回避処理を終了させる。
以上、本実施形態では、対向車両18が対向車線U上の回避経路Pに到達する時刻T1と後続車両14が対向車線Uを通過完了する時刻T2との時間差を求め、当該時間差が安全時間T3より大きくない場合に回避経路Pにおいて衝突する可能性があると判定する。そして、本実施形態では、対向車両18と後続車両14とが衝突する可能性があると判定された場合に後続車両14に向けて停車を促す情報を送信する。本実施形態によれば、後続車両14が自車両12を回避するために対向車線Uを走行する場合において、自動運転装置50において対向車両18を検知できない場合であっても、回避経路Pを安全に走行することができる。
[備考]
各実施形態の経路提供装置10では、自車両12の走行状態が駐停車状態又は駐停車準備状態である場合(すなわち停車寸前の低速走行時、例えば20km/h程度)に自車両12を回避する回避経路Pを作成するが、自車両12が走行中状態の場合において回避経路Pを作成してもよい。すなわち、自車両12が走行中で、かつ自車両12に追従走行する後続車両14が存在する場合、自車両12の経路提供装置10は、少なくとも周辺環境に係る環境情報を取得し、自車両12の走行経路を踏まえて算出した自車両12の予測車速を算出する。そして、自車両12の経路提供装置10は、後続車両14の自動運転装置50に向けて、自車両12の予測車速を重畳させた回避経路Pを送信することで、後続車両14は走行する自車両12を回避する、すなわち追い越すことができる。
以上、自車両12の回避経路Pと予測車速を自動運転装置50に提供することで、自車両12を追い越す自動運転車両は急減速や急旋回をせずに安定した走行を行うことができる。このように、自車両12の走行中の追い越しを可能とする形態は、特に、急減速を避けさせたい自動運転のバス、トラック等に対して有効である。
各実施形態の経路提供装置10では、GPS装置22により取得された位置情報と、センサ24が検知した環境情報に基づいて、制御装置20(詳しくは、CPU20A)が回避経路Pを作成したが、この限りではない。例えば、自車両12から外部の処理サーバに位置情報及び環境情報を送信し、当該処理サーバにおいて回避経路Pを作成してもよい。この場合、作成された回避経路Pは、当該処理サーバから後続車両14の自動運転装置50に対して直接送信してもよいし、自車両12を経由して送信してもよい。
以上のように、外部の処理サーバを利用して経路を作成する場合の経路提供方法は、以下のとおりとなる。
すなわち、本形態の経路提供方法は、
自車両12又は路上物13である対象物の位置情報を取得する第一ステップと、
前記対象物の周囲の環境情報を取得する第二ステップと、
少なくとも前記位置情報と前記環境情報とを基に、前記対象物に接近する後続車両14が利用する前記対象物を回避する回避経路Pを作成する第三ステップと、
作成された回避経路Pを後続車両14に送信する第四ステップと、
を含んでいる。
また、自車両12が走行車線Tを塞いでいる場合に自車両12を回避すべく、上記経路提供方法において、
前記対象物である自車両12の走行状態を取得する第五ステップをさらに含み、
前記第三ステップでは、前記対象物である自車両12が走行車線T上に駐停車したことにより後続車両14が対向車線Uに回避する必要がある場合、対向車線Uを経て走行車線Tに復帰する回避経路Pを作成する。
上記各実施形態は、経路提供装置10の各々が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体の形態としてもよい。
また、上記各実施形態の経路提供装置10では、ROM20Bに記憶された実行プログラムを実行することにより、各実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。各実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
また、上記各実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
上記各実施形態の自車両12は、電気自動車であるがこれに限らず、内燃機関を搭載したエンジン車、ハイブリッド車、燃料電池車等、何れの駆動源を搭載した車両であってもよい。後続車両14及び先行車両16についても同様に、何れの駆動源を搭載した車両であってもよい。
その他、上記各実施形態で説明した経路提供装置10及び自動運転装置50の各々の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。