JP2020126049A - 粒子センサおよび該粒子センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性のあるコンパクトな(カーボンブラック)粒子センサの構造を実現し、その際にコストの利点ももたらす。【解決手段】流動流体中の粒子を帯電させる粒子帯電装置110と、流動流体中の荷電粒子に関する情報を検出するセンサ電極120とを備えた粒子センサ100であって、この粒子センサは、粒子帯電装置および/またはセンサ電極の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素130を有し、この支持体要素は、複数の電気絶縁層から成る層構造を有する。【選択図】図1
Description
本開示は、流動流体中の粒子を帯電させる粒子帯電装置を備えた粒子センサに関する。
本開示はさらに、かかる粒子センサの製造方法に関する。
発明の開示
好ましい実施形態は、流動流体中の粒子を帯電させる粒子帯電装置と、流動流体中の荷電粒子に関する情報を検出するセンサ電極とを備えた粒子センサに関する。その際にこの粒子センサは、粒子帯電装置および/またはセンサ電極の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素を有し、この支持体要素は、複数の電気絶縁層から成る層構造を有する。
好ましい実施形態は、流動流体中の粒子を帯電させる粒子帯電装置と、流動流体中の荷電粒子に関する情報を検出するセンサ電極とを備えた粒子センサに関する。その際にこの粒子センサは、粒子帯電装置および/またはセンサ電極の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素を有し、この支持体要素は、複数の電気絶縁層から成る層構造を有する。
たとえば流動流体を、内燃機関の排気ガス流とすることができる。たとえば粒子を、内燃機関による燃料の燃焼という状況で発生するようなカーボンブラック粒子とすることができる。これらの実施形態による原理を、固体として形成された粒子(たとえば内燃機関の排気ガス中に含まれているようなカーボンブラック粒子)をセンシングするためにも、たとえば液体粒子(たとえばエアロゾル)をセンシングするためにも、使用することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素は少なくとも1つのセラミック射出成形部材(CIM, ceramic injection moulding)を有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素は、少なくとも1つの単層または多層のセラミックフィルム積層体を有し、もしくは単層または多層のセラミックフィルム積層体として構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、電気絶縁層のうちの少なくとも1つは、(高い)電気絶縁性のセラミック材料、特に酸化アルミニウムAl2O3、を有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素は1つまたは複数の機能層を有するように構成されており、この機能層は、以下の部材すなわち、a)導電層もしくは導電性コーティング、b)1つまたは複数の電極および/または電極用リード線、のうち少なくとも1つの部材を有する。
さらなる好ましい実施形態によれば、導電層もしくは導電性コーティングに、予め設定可能な電位を、特にたとえばアース電位のような基準電位を、印加可能であるように、もしくは印加されるように、構成されており、これによってたとえば、粒子センサの構成部品同士の電気的遮蔽を提供する遮蔽構造を作り出すことができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、粒子センサの動作量に応じた電位を導電層もしくは導電性コーティングに印加可能であるように、もしくは印加されるように、構成されており、これによってアクティブな電気的遮蔽を提供するアクティブ遮蔽構造(「ガード電極」)を作り出すことができる。たとえば動作量として、着目対象の電極たとえばセンサ電極の電位を用いることができ、導電層もしくは導電性コーティングが、たとえば演算増幅器を用いることで、動作量に応じた電位によってアクティブに制御される。これによって、アクティブに遮蔽される電極たとえばセンサ電極からの/この電極への、不所望な(漏れ)電流を、なおいっそう効果的に阻止することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、機能層のうちの少なくとも1つ、および/または少なくとも1つの電極は、スクリーン印刷法を用いて製造されているように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、機能層のうちの少なくとも1つおよび/または少なくとも1つの電極が、白金および/または白金サーメットを有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの遮蔽電極が設けられており、この遮蔽電極によって、センサ電極が少なくとも一部の領域で取り囲まれるように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、粒子センサの構成部品を電気的に接触接続するために、支持体要素の少なくとも1つの外側表面上に、少なくとも1つのコンタクト部材が配置されているように構成されており、これによって効果的な接触接続がもたらされる。
さらなる好ましい実施形態によれば、以下のように構成されている。すなわち、支持体要素を少なくとも1つのケーブルと接続する接続部材が設けられており、その際にこの接続部材は、ケーシングおよびこのケーシングと接続された電気絶縁性保持部材を有し、ケーシングは、少なくとも一部の領域で導電性表面を有し、かつ/またはケーシングは、少なくとも一部の領域で導電性材料、特に金属、から成る。
さらなる好ましい実施形態によれば、接続部材は、少なくとも2つの互いに電気的に遮蔽されたチャンバを有するように構成されており、これらのチャンバはそれぞれ、ケーブルの終端を収容するように、かつ/または案内するように、形成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、接続部材は、支持体要素の少なくとも1つのコンタクト部材を接触接続するために、1つまたは複数の導電性コンタクト、特にばね接点、を有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態は、流動流体中の粒子を帯電させる粒子帯電装置と、流動流体中の荷電粒子に関する情報を検出するセンサ電極とを備えた、粒子センサの製造方法に関する。その際に粒子センサは、粒子帯電装置および/またはセンサ電極の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素を有し、この方法は、複数の電気絶縁層から成る層構造を備えた支持体要素を準備するステップと、粒子帯電装置および/またはセンサ電極の少なくとも1つの構成部品を支持体要素に配置するステップとを有する。
本発明のさらなる特徴、実施態様および利点は、図面に描かれている本発明の実施例に関する以下の説明から明らかにされる。なお、ここで説明または図示されるすべての特徴は、それら自体が単独で、または任意の組み合わせで、本発明の対象を成すものであり、このことは、各請求項に要約されたそれらの特徴の記載内容または各請求項の従属関係に左右されるものではなく、また、明細書もしくは図面におけるそれらの特徴の表現もしくは描き方に左右されるものではない。
図1には、好ましい実施形態による粒子センサ100を側面から見た様子が概略的に示されている。粒子センサ100は、流動流体A1中の粒子Pを電気的に帯電させる粒子帯電装置110を有し、これによって荷電粒子P’が得られる。さらなる好ましい実施形態によればこのことは、コロナ放電113を生成する目的で、粒子帯電装置110のコロナ電極112に制御信号たとえば制御電圧を印加することによって実現される。その際に流動流体A1中にイオンが発生し、それによって粒子Pを電気的に帯電させることができる。任意選択的に粒子センサ100は、コロナ電極112に対する対向電極112’を有する。
粒子センサ100はさらに、流動流体A1中の荷電粒子P’に関する情報を検出するために、センサ電極120を有する。この検出をたとえば、誘導方式によって行うことができる。荷電粒子P’はセンサ電極120を通過するときに、センサ電極120に誘導作用を及ぼし、したがってたとえば、センサ電極120における電荷測定によって、粒子P’の電荷に関する情報を求めることができる。
場合によってはコロナ放電113によって生成されたイオン(特に、コロナ放電によって生成され、たとえば粒子の粒子表面には蓄積されていない過剰のイオン)が、センサ電極120によって(も)検出されないようにする目的で(センサ信号の妨害)、任意選択的なトラップ電極140を設けることができ、この電極は、流動流体A1の流れ方向xに関してセンサ電極120の上流に配置されており、それらのイオンがセンサ電極120を通過しないように好ましくはそれらの向きを変える。
粒子センサ100はさらに、粒子帯電装置110および/またはセンサ電極120の少なくとも1つの構成部品112、112’を収容する支持体要素130を有し、この場合に支持体要素130は、複数の電気絶縁層から成る層構造を有する。さらなる好ましい実施形態による層構造の配置形態(Konfiguration)についての詳細は、たとえば図3を参照しながらあとで説明する。
支持体要素130の既述の層構造によって、有利には、粒子センサ100の種々の構成部品間に1つまたは複数の遮蔽層および/またはその他の遮蔽構造を製造するための自由度がもたらされる。たとえばさらなる好ましい実施形態によれば、構成部品110、112、112’、120、140自体は、支持体要素130の第1の表面130a上に配置されており、これによって特に安価な配置形態がもたらされ、対応するリード線(図1には示されていない)を少なくとも一部の領域では、層構造130の「いっそう深い」層に配置することができ、つまりたとえばそのまま表面130a上には配置されないようにすることができる。
たとえば流動流体A1を、内燃機関の排気ガス流とすることができる。たとえば粒子Pを、内燃機関による燃料の燃焼という状況で発生するようなカーボンブラック粒子とすることができる。これらの実施形態による原理を、固体として形成された粒子(たとえば内燃機関の排気ガス中に含まれているようなカーボンブラック粒子)をセンシングするためにも、たとえば液体粒子(たとえばエアロゾル)をセンシングするためにも、使用することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素130を少なくとも1つのケーブル(図1には示されていない)と接続するために、任意選択的な接続部材160を設けることができ、その際にこのケーブルはたとえば、電極112、112’、120、140を接触接続する導体を有する。
図2には、図1による粒子センサ100をターゲットシステムZに配置した様子が概略的に示されており、ターゲットシステムZはここでは、たとえば自動車の内燃機関の排気管である。排気ガス流には、ここでは参照符号A2が付されている。互いに同心に配置された2つの管R1、R2から成る保護管装置1000も描かれており、この場合、支持体要素130(図1)の第1の表面130aが内管R1の長手軸線LAに対し実質的に平行に延在するように、粒子センサ100が内管R1の中に配置されている。管R1、R2の長さおよび配置が互いに相対的にそれぞれ異なることに起因して、さらなる好ましい実施形態によれば、ベンチュリ効果によって吸引力が発生し、その際に排気ガス流A2によって、内管R1から出て図2において垂直方向で上に向かう流動流体P1もしくはA1が引き起こされる。さらなる矢印P2、P3、P4によって示唆されているのは、ベンチュリ効果によって引き起こされるこの流動流体は、両方の管R1、R2の間の中間スペースを通り抜けて保護管装置1000の周囲へと向かって継続する、ということである。全体として図2に描かれた装置によって、粒子センサ100上に、もしくは流動流体P1に沿って配向されたその第1の表面130aの上に注がれる比較的均一な流れが(特に層流を意図して)引き起こされ、このことによって流動流体A1、P1中に存在する粒子の効果的な検出が実現される。しかも粒子センサ100が、主排気ガス流2にじかに接触しないように保護される。
参照符号R2’によって示唆されているのは、外管R2および/または内管R1と、たとえばアース電位などの基準電位との任意選択的な電気接続であり、このようにすれば該当する管もしくは両方の管を、有利にはその流体案内機能と同時に、たとえばコロナ電極112(図1)および/または任意選択的なトラップ電極140に対する対向電極として、(たとえば図1の任意選択的な対向電極112’の代わりに)使用することができる。
図2の太矢印P5によって、任意選択的な新鮮ガス供給、特に外気供給、がシンボリックに表されており、これは相当数の実施形態において望ましいとされる可能性があるけれども、さらなる好ましい実施形態によればこれは設けられていない。
図3には、さらなる好ましい実施形態による支持体要素1300を側面から見た様子が概略的に示されている。たとえば、図1による粒子センサ100の支持体要素130は、図3による配置形態1300を有することができる。図3による支持体要素1300は、全部で3つの電気絶縁層1302、1304、1306を有する。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素1300は少なくとも1つのセラミック射出成形部材(CIM, ceramic injection moulding)を有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素1300は、少なくとも1つの単層または多層のセラミックフィルム積層体を有し、もしくは単層または多層のセラミックフィルム積層体として構成されている。たとえば、図3に描かれている電気絶縁層1302、1304、1306のいずれも、セラミックフィルムを有することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、電気絶縁層1302、1304、1306のうちの少なくとも1つは、(高い)電気絶縁性のセラミック材料、特に酸化アルミニウムAl2O3、を有するように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素1300は、1つまたは複数の機能層1301、1303、1305を有するように構成されており、この機能層は、以下の部材のうちの少なくとも1つを有する。すなわち、a)導電層もしくは導電性コーティング、b)1つまたは複数の電極および/または電極用リード線、c)たとえば加熱機能を有する1つまたは複数の導電層(たとえば保護加熱および/または燃焼除去加熱および/または始動加熱のため、かつ/または露点終端に到達させるため)。
さらなる好ましい実施形態によれば、支持体要素は独自に絶縁を行うフィルムセラミックまたはCIMセラミック(ceramic injection moulding)として構成されており、この場合、1つまたは複数の電極および/または導体路および/またはいわゆるバイパスコンタクトが、フィルム上に形成されており、さらにたとえば白金Pt、および/またはたとえばPtRh、Ptlr、Pt...などの白金合金、ならびに白金サーメット等のような高温材料から成るフィルムによって、形成されており、好ましくはスクリーン印刷においてスクリーン印刷ペーストとして被着させられる。このことはさらなる好ましい実施形態によれば、たとえば支持体要素のセラミックフィルム上にじかに行われ、またはたとえばCIM方法の場合には、支持体フィルム、いわゆる剥離フィルム、の上にも行われる。
さらなる態様によれば、電気的遮蔽構造を備えコロナ放電をベースとする粒子センサを実現するために、プリント配線板(PCB, printed circuit board)を使用することも可能である。
ここで図3を参照すると、機能層1301、1305はたとえば、それぞれ遮蔽層もしくは遮蔽電極として構成されており、これらに予め設定可能な電位を、特にたとえばアース電位などの基準電位を、印加することができる。遮蔽層1301、1305の間に配置されているさらなる機能層1303は、センサ電極120(図1)用のリード線を成している。既述の構造によって、特にさらなる機能層1303を遮蔽層1301、1305の間に埋め込むことによって、リード線1303の効果的な電気的遮蔽がもたらされ、したがってリード線が特に、たとえば粒子帯電装置110の1つの構成部品を成す部材110’による妨害から保護されており、しかも下側(表面1302b)の領域における妨害からも保護されている。特に、かかる装置によって、種々の機能層間もしくはこれらの層によって実現された構成部品間の漏れ電流も低減することができる。
たとえば、図3による絶縁層1302、1304、1306によって、図1による支持体要素130を形成することができる。このケースでは、図3による支持体要素1300の第1の表面1306aは、図1による第1の表面130aに対応し、図3による支持体要素1300の第2の表面1302bは、図1の支持体要素130の下面に対応する。
一般的には、さらなる好ましい実施形態によれば、たとえば遮蔽すべきリード線を、層構造1300の「いっそう深い」層1303に組み込むことができ、層構造の少なくとも一方の側から、好ましくは両方の側から、遮蔽構造もしくは電極によって取り囲むことができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、粒子センサ100(図1)の動作量に応じた電位を導電層1301、1305に印加可能であるように、もしくは印加されるように、構成されており、これによってアクティブな電気的遮蔽を提供するアクティブ遮蔽構造(「ガード電極」)を作り出すことができる。たとえば動作量として、着目対象の電極たとえばセンサ電極120(図1)の電位を用いることができ、導電層1301、1305が、たとえば演算増幅器(図示せず)を用いることで、動作量に応じた電位によってアクティブに制御される。これによって、アクティブに遮蔽される電極たとえばセンサ電極120からの/この電極への、不所望な(漏れ)電流を、なおいっそう効果的に阻止することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、機能層1301、1303、1305のうちの少なくとも1つ、および/または少なくとも1つの電極112、112’、120、140は、スクリーン印刷法を用いて製造されているように構成されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、機能層のうちの少なくとも1つおよび/または少なくとも1つの電極が、白金および/または少なくとも1つの白金合金および/または白金サーメットを有するように構成されている。
図4には、さらなる好ましい実施形態による方法の簡略化されたフローチャートが概略的に示されている。ステップ200において、既述の層構造を備えた支持体要素130、1300が準備され、ステップ202において、粒子帯電装置110および/またはセンサ電極120の少なくとも1つの構成部品、もしくはセンサ電極120自体が、支持体要素130、1300に配置される。
図5には、さらなる好ましい実施形態による粒子センサ100aを側面から見た様子が部分的な断面で概略的に示されている。粒子センサ100aは支持体要素130を有する。支持体要素130は、たとえばそれぞれセラミックフィルムとして形成された3つの電気絶縁層1302、1304、1306から成る層構造を有し、したがって層1302、1304、1306の間と、外側の層1302、1306の外面上とに、全部で4つの平面が準備され、これらの平面は、たとえば電極等のような機能部材もしくは機能層を有することができる。支持体要素130の第1の表面130a上にセンサ電極120が配置されており、さらに任意選択的なトラップ電極140、同様にコロナ電極112が配置されている。任意選択的に、さらなる好ましい実施形態によれば、コロナ電極112および/またはトラップ電極140に対する対向電極(図示せず)も、表面130a上に設けることができる。この対向電極を、さらなる好ましい実施形態によれば、場合によっては管R1(図2)によって形成することも可能である。
これに加えて、粒子センサ100aはさらに遮蔽電極121を有し、この遮蔽電極121は、センサ電極120をたとえば実質的にリング状に取り囲み、特に表面130aに沿って、漏れ電流から保護する。遮蔽電極121を、予め設定可能な基準電位(たとえばアース電位)と静的に接続することができ、またはアクティブ遮蔽電極(「ガード電極」)として形成することができる。
さらなる好ましい実施形態によれば、センサ電極120および遮蔽電極121は、図5には示されていない(絶縁された)スルーホール部材(「ビア」)によって、層構造130の他の機能層と接続されている。このことは、さらなる好ましい実施形態によれば、任意選択的なトラップ電極140についても場合によっては当てはまる。
電極112、120、121、140用のリード線は、さらなる好ましい実施形態によれば、上述の記載において図3を参照しながら説明した導電性機能層によって少なくとも部分的に実現されている。たとえば、遮蔽電極121用のリード線121b’、121e’は、層1304、1306の間および支持体要素130の下面1302b上を案内されている。センサ電極120のリード線120’は、層1302、1304の間を案内されている。個々のリード線と、層構造130の通常は別の層もしくは平面に配置された電極との電気接続は、既述のスルーホール部材を介して行われる。
図5による層構造についてのさらなる詳細は、以下で説明する図6A〜図6Dから明らかにされる。図6A〜図6Dにはそれぞれ、図5による支持体要素1300の層を上から見た様子が概略的に示されている。
図6Aには、層1306を上から見た様子が示されている。この図には、コロナ電極112がこの電極に対応づけられたリード線112aと共に示されている。さらなる好ましい実施形態によれば、コロナ電極112および/またはこの電極に対応づけられたリード線112aは、好ましくはアース電位を有する任意選択的な遮蔽電極112bによって取り囲まれている。
同様に図6Aには、実質的にリング状に形成された遮蔽電極121により取り囲まれたセンサ電極120も示されている。さらに図6Aには、任意選択的なトラップ電極140が示されている。
センサ電極120にはスルーホール部材(「ビア」)120aが対応づけられており、これはセンサ電極120のリード線を、支持体要素130において垂直方向で絶縁層1304、1306(図5)を通って案内する。
遮蔽電極121には、同様に少なくとも1つのスルーホール部材121aが対応づけられており、これは遮蔽電極121のリード線を、支持体要素130において垂直方向で表面130aから層構造130のいっそう深い層へと案内する。同様に、任意選択的なトラップ電極140にも、スルーホール部材140aが対応づけられている。
図6Bには、層1304を上から見た様子が示されている。この図には、2つの遮蔽電極領域121b、121cが、対応するリード線121b’、121c’と共に示されている。図6B右側の遮蔽電極領域121bは、センサ電極120もしくはそのリード線120’(図6C)を上に向かって遮蔽し、特にコロナ部材112、112aから遮蔽する。図6B左側の任意選択的な遮蔽電極領域121cは、任意選択的なトラップ電極140およびそのリード線に対する遮蔽電極を成している。
図6Cには、層1302を上から見た様子が示されている。層1302の表面1302a上には、遮蔽電極領域121dが対応づけられたリード線121d’と共に示されており、このリード線121d’は同時に、層1302の表面1302a上でセンサ電極120のリード線120’を取り囲んでいる。図6Cには、センサ電極120もしくはそのリード線120’に対応づけられたスルーホール部材120aも示されており、さらに同様に遮蔽電極領域121dに対応づけられたスルーホール部材121aも示されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、層1302の表面1302a上に、任意選択的なトラップ電極140(図6A)用のリード線140’も設けられており、同様に対応するスルーホール部材140aも設けられている。さらなる好ましい実施形態によれば、トラップ電極140用のリード線140’も、表面1302a上に配置されたさらなる遮蔽電極構造141によって取り囲まれている。
図6Dには、層構造130の第4の機能層を成す層1302の下面1302bを上から見た様子が示されている。この図において、(たとえばセンサ電極120のために、センサ電極120を「下から」遮蔽する)さらなる遮蔽電極構造121eが、対応するリード線121e’と共に配置されており、さらに同様に任意選択的な加熱装置Hが対応するリード線と共に配置されている。加熱装置Hはたとえば、カーボンブラック燃焼の目的で、かつ/または保護加熱機能を実現(基板温度を高めてカーボンブラック蓄積を低減)するために、かつ/または粒子センサにおける湿度低減のために(たとえば露点終端に到達させるために)いわゆる始動加熱機能の目的で、設けられており、有利には支持体要素130(図5)に組み込まれており、これによって小型構造の配置形態がもたらされる。さらなる好ましい実施形態によれば、加熱装置Hは、たとえばこれに対応づけられた電気コンタクト端子150g、150h(図8参照)を除き、電気的な保護のために好ましくは周囲を巡って平面的に絶縁されて覆われている。
遮蔽電極構造121e、121e’と同様に、さらなる好ましい実施形態によれば、任意選択的なトラップ電極140に対する同等の遮蔽電極構造(図示せず)を、下面1302b上に設けることができる。
図7には、さらなる好ましい実施形態による支持体要素1300aを側面から見た様子が概略的に示されている。支持体要素1300aは、電気絶縁層1302、1304、1306、1308を有する。層1304、1306の間に、有利には遮蔽電極1301’が設けられており、この電極はたとえばアース電位を有する。粒子センサの構成部品を電気的に接触接続するために、支持体要素1300aの第1の外側表面1308a上に、少なくとも1つのコンタクト部材150aが配置されている。粒子センサの構成部品を電気的に接触接続するために、支持体要素1300aの第2の外側表面1302a上に、少なくとも1つのコンタクト部材150bが配置されている。コンタクト部材150aは、たとえばさらなる部材(図示せず)を接触接続するために用いられ、この部材は、たとえばとしてコロナ電極112(図1)を制御するために使用できるような、比較的大きい電位を有する。コンタクト部材150bはたとえば、さらなる部材(図示せず)を接触接続するために用いられ、この部材は、センサ電極120の電気信号を評価し、もしくは評価装置(図示せず)へ供給する。好ましくは、図7に示されている層構造によって、コンタクト部材150a、150bが効果的に互いに電気的に遮蔽され、その結果、相互間で妨害が発生せず、特に「高電圧」部分150aからセンサコンタクト150bへのクロストークが阻止される。
ここで例示的に図7に基づき説明した配置形態によって有利には、センサ電極用のコンタクト部材領域B3を様々な妨害源から効果的に保護することもできる。そのような妨害源としてたとえば、漏れ電流および電磁的なクロストークが挙げられる。
図8A〜図8Cにはそれぞれ、さらなる好ましい実施形態による支持体要素1300bの1つの層を上から見た様子が概略的に示されている。図8Aには、電気絶縁層1314を上から見た様子が示されており、この層は、コロナ電極112(もしくはコロナ電極112に対するリード線)を接触接続するコンタクト部材150cと、任意選択的なトラップ電極(もしくは任意選択的なトラップ電極140に対するリード線)を接触接続するコンタクト部材150dとを有する。図8Bには、電気絶縁層1312を上から見た様子が示されており、この層は、たとえばアース電位と接続可能な遮蔽電極1303’を有する。図8Cには、電気絶縁層1310を上から見た様子が示されており、この層の上に、さらなるコンタクト部材150e、150f、150g、150hが設けられている。コンタクト部材150eはたとえばセンサ電極120に対応づけられており、コンタクト部材150fはたとえば(アクティブ)遮蔽電極121に対応づけられており、コンタクト部材150gはたとえば任意選択的な加熱装置H(図6Dも参照)に対応づけられており、コンタクト部材150hはたとえばアース電位(および場合によっては任意選択的な加熱装置H)に対応づけられている。
さらなる好ましい実施形態によれば(これについては図9による部分的な断面における側面図を参照されたい)、支持体要素1300aを少なくとも1つのケーブル300、302と、もしくはケーブル300、302を有するハーネスと、接続する接続部材1600が設けられており、その際に接続部材1600は、ケーシング1610と、このケーシング1610と接続された電気絶縁性保持部材1620(たとえばセラミック構成部材)とを有する。この場合、ケーシング1610は、少なくとも一部の領域で導電性表面1610a、1610bを有し、かつ/または少なくとも一部の領域で導電性材料、特に金属、から成る。
さらなる好ましい実施形態によれば、接続部材1600は、少なくとも2つの互いに電気的に遮蔽されたチャンバ1612、1614を有するように構成されており、これらのチャンバ1612、1614はそれぞれ、ケーブル300、302の終端300a,302aを収容するように、かつ/または案内するように、形成されている。好ましくは、個々のケーブル300、302の電気的遮蔽部(図示せず)が個々のチャンバ1612、1614と導電接続されている。
さらなる好ましい実施形態によれば、接続部材1600は、支持体要素1300aの少なくとも1つのコンタクト部材150a、150bを接触接続するために、1つまたは複数の導電性コンタクト、特にばね接点1622、6142、を有する。ここではばね接点1622、1624は、保持部材1620に配置されている。好ましくはケーブル300、302の個々の導体300a’、302a’は、対応するばね接点1622、1624と接続されている。
接続部材1600によって、センサ電極120およびそのリード線120’の電気的遮蔽を、粒子センサの領域において全長にわたって(つまり支持体要素130上のセンサ電極120、リード線120’、ケーブル302へのコンタクト部材150bの接続部の間で)、保証することができる。
図10には、さらなる好ましい実施形態による支持体要素1300cを側面から見た様子が部分的な断面で概略的に示されている。支持体要素1300cはここでは、実質的に回転対称のセラミック構成部材として、特にセラミック射出成形部材として、形成されており、実質的に中空円筒状の基本形状を有する。この支持体要素1300cの半径方向の内側表面に、センサ電極120およびさらなる電極170、たとえばコロナ電極、が配置されている。コロナ電極170のリード線170’は実質的に内側表面上に配置されていて、図10では右側に向かってコンタクト部材150iまで延在しているのに対し、センサ電極120のリード線120’は、領域B1において半径方向で外側に向かい、支持体要素1300cの壁を貫通してコンタクト部材150bまで案内されている。同様に内側表面上に配置された遮蔽電極1305’によって、領域B2内のリード線120’が、たとえば電極等のような他の部材に対し電気的に遮蔽される。任意選択的に、さらなる支持体要素1300dが半径方向で支持体要素1300cの内部に設けられており、これは支持体要素1300cに対したとえば同軸に配置されている。任意選択的なさらなる支持体要素1300dを、さらなる好ましい実施形態によれば、たとえば丸くまたは角張って、特に長細く、形成することができ、少なくとも1つのさらなる電極171aおよび場合によっては対応づけられたコンタクト部材171dを有することができる。その際に遮蔽電極1305’は、領域B2におけるセンサ電極120のリード線120’を、さらなる構成部品171a、171bの電界からも効果的に遮蔽する。
支持体要素1300cもしくは1300dのコンタクト部材150b、150i、171bを、たとえば上述の記載ですでに図9を参照しながら説明した接続部材1600を用いて、有利にはさらなるシステムを接触接続するために使用することができ、この場合、接続部材1600のジオメトリを、支持体要素1300cの回転対称の基本形状に整合させることができる。
これらの実施形態による粒子センサを特に有利にはたとえば、自己着火式および外部着火式の内燃機関用のパティキュレートフィルタの診断(たとえばOBD, on board diagnosis)に使用することができる。
これらの実施形態による粒子センサによって、たとえばセンサ電極120およびそのリード線120’を、たとえば漏れ電流および電磁的なクロストークのような様々な妨害源から信頼性を伴って遮蔽することができる。このようにして特に信頼性のあるコンパクトな(カーボンブラック)粒子センサの構造が実現され、その際にコストの利点ももたらすことができる。
さらなる好ましい実施形態によれば有利には、以下の不都合な局面を低減もしくは阻止することができる。すなわち、「高電圧」部分からセンサ電極への漏れ電流により高められる故障のリスク、粒子センサ用の制御装置(SCU)の、粒子線作用のハーネスの、およびたとえばアース電極および仮想アース電極を設けることになどよる、粒子センサ自体の高い複雑性、妨害電磁界もしくは誘導された信号によるセンサ機能の故障。
以下では、少なくとも相当数の好ましい実施形態により達成可能な利点を挙げておく。すなわち、粒子センサの耐用期間が長く信頼性が高い(漏れ電流が少なくなる)、プレーナ技術による低コストの大量生産が可能、測定信号(たとえばセンサ電極120の信号)に及ぼされる妨害が少なくなる、SNR(信号対雑音比)が高まる、感度が高まる、構造(SCU、ケーブル、センサ)が簡単になる、コスト効率が高められる。
さらなる好ましい実施形態によれば有利には、コンタクト領域(図1の参照符号160参照)もしくは支持体要素130のコンタクト部材150a、150b(図7)においても、効果的な遮蔽が実現され、したがってこのコンタクト領域においても、たとえばコロナ電極112のリード線からセンサ電極120のリード線へのクロストークが発生せず、このことによって信号品質が高められ、高いSNRが実現される。
Claims (11)
- 流動流体(A1)中の粒子(P)を帯電させる粒子帯電装置(110)と、前記流動流体(A1)中の荷電粒子(P’)に関する情報を検出するセンサ電極(120)とを備えた粒子センサ(100;100a)であって、
前記粒子センサ(100;100a)は、前記粒子帯電装置(110)および/または前記センサ電極(120)の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)を有し、
前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)は、複数の電気絶縁層(1302、1304、1306)から成る層構造を有する、
粒子センサ(100;100a)。 - 前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)は、少なくとも1つのセラミック射出成形部材を有し、かつ/または単層または多層のセラミックフィルム積層体を有し、
特に、前記電気絶縁層(1302、1304、1306)のうちの少なくとも1つは、電気絶縁性セラミック材料、特に酸化アルミニウムAl2O3、を有する、
請求項1記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)は、1つまたは複数の機能層(1301、1303、1305)を有し、該機能層(1301、1303、1305)は、
a)導電層もしくは導電性コーティング、
b)1つまたは複数の電極および/または電極用リード線、
c)加熱機能を有する1つまたは複数の導電層、
のうち少なくとも1つの要素を有する、
請求項1から2までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記機能層(1301、1303、1305)のうちの少なくとも1つ、および/または少なくとも1つの電極(120)は、スクリーン印刷法を用いて製造されている、
請求項3記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記機能層(1301、1303、1305)のうちの少なくとも1つ、および/または少なくとも1つの電極(120)は、白金および/または少なくとも1つの白金合金および/または白金サーメットを有する、
請求項3から4までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 少なくとも1つの遮蔽電極(121)が設けられており、該遮蔽電極(121)は、前記センサ電極(120)を少なくとも一部の領域で取り囲む、
請求項1から5までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記粒子センサ(100;100a)の構成部品を電気的に接触接続するために、前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)の少なくとも1つの外側表面(130a;1308a;1302a)上に、少なくとも1つのコンタクト部材(150a,150b)が配置されている、
請求項1から6までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)を少なくとも1つのケーブル(300、302)と接続する接続部材(160;1600)が設けられており、
前記接続部材(160;1600)はケーシング(1610)および該ケーシング(1610)と接続された電気絶縁性保持部材(1620)を有し、前記ケーシング(1610)は、少なくとも一部の領域で導電性表面(1610a,1610b)を有し、かつ/または前記ケーシング(1610)は、少なくとも一部の領域で導電性材料、特に金属、から成る、
請求項1から7までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記接続部材(160;1600)は、少なくとも2つの互いに電気的に遮蔽されたチャンバ(1612、1614)を有し、該チャンバ(1612、1614)はそれぞれ、ケーブル(300、302)の終端(300a,302a)を収容するように、かつ/または案内するように、形成されている。
請求項8記載の粒子センサ(100;100a)。 - 前記接続部材(160;1600)は、前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)の少なくとも1つのコンタクト部材(150a,150b)を接触接続するために、1つまたは複数の導電性ばね接点(1622、1624)を有する、
請求項8から9までの少なくとも1項記載の粒子センサ(100;100a)。 - 流動流体(A1)中の粒子(P)を帯電させる粒子帯電装置(110)と、前記流動流体(A1)中の荷電粒子(P’)に関する情報を検出するセンサ電極(120)とを備えた、粒子センサ(100;100a)の製造方法であって、
前記粒子センサ(100;100a)は、前記粒子帯電装置(110)および/または前記センサ電極(120)の少なくとも1つの構成部品を収容する支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)を有し、
前記方法は、
複数の電気絶縁層(1302、1304、1306)から成る層構造を備えた前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)を準備するステップ(200)と、
前記粒子帯電装置(110)および/または前記センサ電極(120)の前記少なくとも1つの構成部品を、前記支持体要素(130;1300;1300a;1300b;1300c)に配置するステップ(202)と、
を有する、粒子センサ(100;100a)の製造方法。
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