JP2020125855A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿度戻りを抑制できる空気調和機を提案する。【解決手段】空気調和機は、圧縮機(21)、室外熱交換器(23)、膨張機構(24)、室内熱交換器(11)および上記室内熱交換器(11)の冷媒経路の途中に設けられた制御弁(13)を有する冷媒回路(RC1)と、冷媒回路(RC1,RC2,RC3)を制御する制御装置と、室内熱交換器(11)の冷媒経路の途中に設けられた制御弁(13)とを備え、室内熱交換器(11)の一部を蒸発域にする一方、室内熱交換器(11)の残りの部分を過熱域にする第1除湿運転と、室内熱交換器(11)において制御弁(13)よりも上流側を凝縮域とする一方、室内熱交換器(11)において制御弁(13)よりも下流側を蒸発域とする第2除湿運転を行う。空気調和機は、第2除湿運転時に室内熱交換器(11)の制御弁(13)よりも下流側部分の少なくとも一部が、第1除湿運転時の蒸発域となる。【選択図】図1
Description
本開示は、空気調和機に関する。
従来、空気調和機としては、冷房運転モードとして過絞り冷房モードと冷房時再熱ドライモードとを行うものがある(例えば、特開2004−108618号公報(特許文献1)参照)。
上記空気調和機では、第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間に膨張弁が設けられており、冷房運転モードにおいて、膨張弁を開いた状態で冷房サイクル運転をして、室外熱交換器を凝縮器とすると共に、第1の室内熱交換器を蒸発器として第2の室内熱交換器をガス領域とする。また、上記空気調和機では、冷房時再熱ドライモードにおいて、膨張弁を絞った状態で冷房サイクル運転をして、室外熱交換器および第1の室内熱交換器を凝縮器とすると共に、第2の室内熱交換器を蒸発域とする。
上記従来の空気調和機は、冷房運転モードから冷房時再熱ドライモードに切り替えると、冷房運転モードで水滴が付着した第1の室内熱交換器を、次の冷房時再熱ドライモードで凝縮域となるため、第1の室内熱交換器の付着水が蒸発して室内に戻り、室内湿度が上昇するいわゆる湿度戻りが生じるという問題がある。
本開示では、湿度戻りを抑制できる空気調和機を提案する。
本開示の空気調和機は、
圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器および上記室内熱交換器の冷媒経路の途中に設けられた制御弁を有する冷媒回路と、上記冷媒回路を制御する制御装置とを備え、上記室内熱交換器の一部を蒸発域にする一方、上記室内熱交換器の残りの部分を過熱域にする第1除湿運転と、上記室内熱交換器において上記制御弁よりも上流側を凝縮域とする一方、上記室内熱交換器において上記制御弁よりも下流側を蒸発域とする第2除湿運転を行う空気調和機であって、
上記第2除湿運転時に上記室内熱交換器の上記制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が、上記第1除湿運転時の蒸発域となることを特徴とする。
圧縮機、室外熱交換器、膨張機構、室内熱交換器および上記室内熱交換器の冷媒経路の途中に設けられた制御弁を有する冷媒回路と、上記冷媒回路を制御する制御装置とを備え、上記室内熱交換器の一部を蒸発域にする一方、上記室内熱交換器の残りの部分を過熱域にする第1除湿運転と、上記室内熱交換器において上記制御弁よりも上流側を凝縮域とする一方、上記室内熱交換器において上記制御弁よりも下流側を蒸発域とする第2除湿運転を行う空気調和機であって、
上記第2除湿運転時に上記室内熱交換器の上記制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が、上記第1除湿運転時の蒸発域となることを特徴とする。
本開示によれば、第1除湿運転から第2除湿運転に切り替わっても、室内熱交換器の制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が、第1除湿運転時の蒸発域となるので、第1除湿運転で室内熱交換器の蒸発域に付着した水滴が、次の第2除湿運転で蒸発して室内に戻るのを抑え、湿度戻りを抑制することができる。
また、本開示の1つの態様に係る空気調和機では、
上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器内の冷媒流れを逆方向に切り換える冷媒切換部を備える。
上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器内の冷媒流れを逆方向に切り換える冷媒切換部を備える。
本開示によれば、冷媒切換部により、第1除湿運転時における室内熱交換器内の冷媒流れに対して、第2除湿運転時の室内熱交換器内の冷媒流れを逆方向に切り換えることによって、第2除湿運転時に室内熱交換器の制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が、第1除湿運転時の蒸発域となるようにできる。
また、本開示の1つの態様に係る空気調和機では、
上記第1除湿運転時および上記第2除湿運転時において、上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環すると共に、
上記室内熱交換器は、上記第1除湿運転において冷媒が流入する第1ポートと、上記第1除湿運転において上記室内熱交換器から冷媒が流出する第2ポートとを有し、
上記冷媒切換部は、上記第2除湿運転において上記室内熱交換器の上記第2ポートから冷媒が流入して上記室内熱交換器の上記第1ポートに冷媒が流出するように、上記室内熱交換器の上記第1,第2ポートに対する冷媒流れの方向を切り換える。
上記第1除湿運転時および上記第2除湿運転時において、上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環すると共に、
上記室内熱交換器は、上記第1除湿運転において冷媒が流入する第1ポートと、上記第1除湿運転において上記室内熱交換器から冷媒が流出する第2ポートとを有し、
上記冷媒切換部は、上記第2除湿運転において上記室内熱交換器の上記第2ポートから冷媒が流入して上記室内熱交換器の上記第1ポートに冷媒が流出するように、上記室内熱交換器の上記第1,第2ポートに対する冷媒流れの方向を切り換える。
本開示によれば、第1除湿運転において室内熱交換器の第1ポートから冷媒が流入して第2ポートに冷媒が流出するか、または、第2除湿運転において室内熱交換器の第2ポートから冷媒が流入して第1ポートに冷媒が流出するかを、冷媒切換部によって切り換えるので、第1除湿運転および第2除湿運転のいずれにおいても、上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環する冷房サイクルの運転で、第2除湿運転時に室内熱交換器の制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が第1除湿運転時の蒸発域となるようにできる。
また、本開示の1つの態様に係る空気調和機では、
上記冷媒切換部は、上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環するかまたは上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環するかを切り換え、
上記制御装置は、上記冷媒切換部を制御して、上記第1除湿運転時に上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環するようにする一方、上記第2除湿運転時に上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環するようにして、上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器内の冷媒流れを逆方向にする。
上記冷媒切換部は、上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環するかまたは上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環するかを切り換え、
上記制御装置は、上記冷媒切換部を制御して、上記第1除湿運転時に上記圧縮機、上記室外熱交換器、上記膨張機構および上記室内熱交換器の順に冷媒が循環するようにする一方、上記第2除湿運転時に上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環するようにして、上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器内の冷媒流れを逆方向にする。
本開示によれば、制御装置により冷媒切換部にて、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構および室内熱交換器の順に冷媒が循環する冷房サイクルによる第1除湿運転を行うか、または、圧縮機、室内熱交換器、膨張機構および室外熱交換器の順に冷媒が循環する暖房サイクルによる第2除湿運転を行うかを切り換えるので、冷房サイクルと暖房サイクルの切り換えにより、第2除湿運転時に室内熱交換器の制御弁よりも下流側部分の少なくとも一部が第1除湿運転時の蒸発域となるようにできる。
また、本開示の1つの態様に係る空気調和機では、
上記冷媒回路は、上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環する上記第2除湿運転において余剰冷媒を貯めるレシーバーを有する。
上記冷媒回路は、上記圧縮機、上記室内熱交換器、上記膨張機構および上記室外熱交換器の順に冷媒が循環する上記第2除湿運転において余剰冷媒を貯めるレシーバーを有する。
本開示によれば、圧縮機、室内熱交換器、膨張機構および室外熱交換器の順に冷媒が循環する暖房サイクルによる第2除湿運転においてレシーバーにより余剰冷媒を貯めるので、冷媒回路内の冷媒流れを阻害することなく循環冷媒量を少なくできる。
以下、実施形態を説明する。なお、図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の図面上の寸法は、図面の明瞭化と簡略化のために実際の尺度から適宜変更されており、実際の相対寸法を表してはいない。
〔第1実施形態〕
図1は、本開示の第1実施形態の空気調和機が備える冷媒回路RC1の回路図である。
図1は、本開示の第1実施形態の空気調和機が備える冷媒回路RC1の回路図である。
第1実施形態の空気調和機は、図1に示すように、空調対象である室内に設置される室内機1と、室外に設置される室外機2とを備える。
<室内機1の構成>
上記空気調和機の室内機1は、例えば、室内の壁面に取り付けられる壁掛け式の室内ユニットである。この室内機1は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
上記空気調和機の室内機1は、例えば、室内の壁面に取り付けられる壁掛け式の室内ユニットである。この室内機1は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
室内熱交換器11は、室内ファン12による空気流に関して、室内ファン12よりも上流側に位置している。この室内熱交換器11は、室内ファン12からの空気と冷媒との熱交換を行うために、室内側に位置する第1熱交換部11aと、室内側とは反対側に位置する第2熱交換部11bと、制御弁の一例としての電磁弁13とを有する。
第1熱交換部11aの一端(第1ポートP1)に冷媒配管L5(連絡配管)の一端が接続されている。第1熱交換部11aの他端に冷媒配管L6を介して第2熱交換部11bの一端が接続されている。冷媒配管L6に電磁弁13を配設している。第2熱交換部11bの他端(第2ポートP2)に冷媒配管L7(連絡配管)の一端が接続されている。
室内ファン12としては、例えば、クロスフローファンが採用される。このクロスフローファンは、室内熱交換器11で温度などが調整された空気を室内に向けて吹き出す。
制御弁としての電磁弁13は、室内熱交換器11の冷媒経路の途中に設けられている。より詳しく説明すると、電磁弁13は、第1熱交換部11a側と第2熱交換部11b側との間に差圧を設定するための弁である。電磁弁13は、大開度および小開度の2位置のみを取ることが可能なオンオフ弁であり、必要時(例えば、後述する再熱除湿運転時)にオンされ、大開度の位置から小開度の位置に切り替えられる。
<室外機2の構成>
上記空気調和機の室外機2は、圧縮機21と、第1の四路切換弁22と、室外熱交換器23と、膨張機構の一例としての膨張弁24と、第2の四路切換弁25と、アキュムレータ26と、室外ファン27とを有する。第2の四路切換弁25は、冷媒切換部の一例である。
上記空気調和機の室外機2は、圧縮機21と、第1の四路切換弁22と、室外熱交換器23と、膨張機構の一例としての膨張弁24と、第2の四路切換弁25と、アキュムレータ26と、室外ファン27とを有する。第2の四路切換弁25は、冷媒切換部の一例である。
上記圧縮機21の吐出側が冷媒配管L1を介して第1の四路切換弁22の第1ポート22aに接続されている。第1の四路切換弁22の第2ポート22bが冷媒配管L2を介して室外熱交換器23の一端に接続されている。室外熱交換器23の他端が冷媒配管L3を介して膨張弁24の一端に接続され、膨張弁24の他端が冷媒配管L4を介して第2の四路切換弁25の第1ポート25aに接続されている。第2の四路切換弁25の第2ポート25bに冷媒配管L5(連絡配管)の一端が接続されている。第2の四路切換弁25の第3ポート25cに冷媒配管L7(連絡配管)の一端が接続されている。第2の四路切換弁25の第4ポート25dに第1の四路切換弁22の第3ポート22cが接続されている。第1の四路切換弁22の第4ポート22dに、冷媒配管L9,アキュムレータ26,冷媒配管L10を介して圧縮機21の吸入側が接続されている。
さらに、室外機2は、室外熱交換器23の温度を検出する室外熱交換器温度センサ54と、外気温度を検出する外気温度センサ55と、膨張弁24で減圧された冷媒の温度(蒸発温度)を検出する冷媒温度センサ56とを有する。
室外熱交換器23は、室外ファン27による空気流に関して、室外ファン27よりも上流側に位置している。室外熱交換器23内を流れる冷媒は、室外ファン27からの空気と熱交換する。
膨張弁24は、互いに異なる3以上の開度に調整可能な例えば電動弁であって、制御装置100(図2に示す)からの信号に応じて開度が変化する。
<冷媒回路RC1の構成>
また、上記空気調和機の冷媒回路RC1は、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L10から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L10によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC1が構成されている。このような冷媒回路RC1において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
また、上記空気調和機の冷媒回路RC1は、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L10から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L10によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC1が構成されている。このような冷媒回路RC1において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
また、図示しないが、上記空気調和機は、リモートコントローラ(以下、「リモコン」と言う。)を備える。ユーザーは、リモコンを操作して、自動運転、冷房運転、暖房運転、除湿運転などを開始させたり、停止させたりすることができる。
図2は、上記空気調和機の制御ブロック図である。
上記空気調和機は、図2に示すように、冷媒回路RC1を制御する制御装置100を備える。より詳しく説明すると、制御装置100は、マイクロコンピュータや入出力回路などからなる。この制御装置100が、室内熱交換器温度センサ51、室内温度センサ52、室内湿度センサ53、室外熱交換器温度センサ54、外気温度センサ55、冷媒温度センサ56などからの信号に基づいて、圧縮機21、第1の四路切換弁22、膨張弁24、第2の四路切換弁25、室外ファン27、室内ファン12および電磁弁13などを制御する。
制御装置100は、室内熱交換器11の実質的に全部を蒸発域となる冷房運転を制御する冷房運転制御部100aと、室内熱交換器11の一部を蒸発域にする一方、室内熱交換器11の残りの部分を過熱域にする除湿運転を制御する除湿運転制御部100bと、室内熱交換器11の一部を凝縮域とする一方、室内熱交換器11の残りの部分を蒸発域とする再熱除湿運転を制御する再熱除湿運転制御部100cとを有する。この冷房運転制御部100a、除湿運転制御部100bおよび再熱除湿運転制御部100cは、それぞれ、ソフトウェアにより構成されている。なお、上記除湿運転は、第1除湿運転の一例であり、再熱除湿運転は、第2除湿運転の一例である。
上記冷房運転、除湿運転(第1除湿運転)、再熱除湿運転(第2除湿運転)は、室内熱交換器11の蒸発域の面積が異なる除湿モードの運転である。
[冷房運転]
冷房運転は、図1に示すように、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
冷房運転は、図1に示すように、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
この冷房運転中、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が第1の四路切換弁22を介して室外熱交換器23に流入する。そして、室外熱交換器23で凝縮した冷媒は、膨張弁24で減圧された後、第2の四路切換弁25を介して室内熱交換器11の第1ポートP1に冷媒が流入し、第1熱交換部11aと第2熱交換部11bの順に冷媒が流れて第2ポートP2から流出する。この第1熱交換部11aと第2熱交換部11bで蒸発した冷媒が第1,第2の四路切換弁22,25およびアキュムレータ26を介して圧縮機21の吸入側に戻る。
このように、冷媒が冷媒回路RC1を循環するとき、冷房運転制御部100aが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整すると共に、電磁弁13をオフ(大開度)にすることで、図3に示すように、室内熱交換器11の全部を実質的に蒸発域(図3に示す斜線のハッチングを付した領域)とする。これにより、冷房運転は、室内温度を変化させるための能力である顕熱能力が高くなる。
ここで、室内熱交換器11の全部を実質的に蒸発域にするとは、室内熱交換器11の全部を蒸発域にするときだけでなく、所定条件下で室内熱交換器11において一部を除いた部分だけを蒸発域にするときも含む。この一部(例えば、室内熱交換器11の全容積の1/3以下の部分)だけが蒸発域とならない所定条件としては、例えば、室内環境などによって、室内熱交換器11の冷媒出口近傍の部分が過熱域となるときなどがある。
[除湿運転(第1除湿運転)]
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。このとき、除湿運転制御部100bが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整することで、室内熱交換器11の上流側の一部を蒸発域とする一方、室内熱交換器11の残りの部分を過熱域とする。例えば、除湿運転制御部100bは、図4に示すように、室内熱交換器11の第1熱交換部11aを蒸発域(図4に示す斜線のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第2熱交換部11bを過熱域(図4に示す点のハッチングを付した領域)にする。これにより、除湿運転(第1除湿運転)は、冷房運転よりも顕熱能力が低くなるので、室内の熱負荷が高くも低くもないとき、室温の低下を抑制しつつ、室内の除湿を行える。図4では、第1熱交換部11aの全部が蒸発域となるように描かれているが、第1熱交換部11aの一部だけを蒸発域にすることも可能である。
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。このとき、除湿運転制御部100bが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整することで、室内熱交換器11の上流側の一部を蒸発域とする一方、室内熱交換器11の残りの部分を過熱域とする。例えば、除湿運転制御部100bは、図4に示すように、室内熱交換器11の第1熱交換部11aを蒸発域(図4に示す斜線のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第2熱交換部11bを過熱域(図4に示す点のハッチングを付した領域)にする。これにより、除湿運転(第1除湿運転)は、冷房運転よりも顕熱能力が低くなるので、室内の熱負荷が高くも低くもないとき、室温の低下を抑制しつつ、室内の除湿を行える。図4では、第1熱交換部11aの全部が蒸発域となるように描かれているが、第1熱交換部11aの一部だけを蒸発域にすることも可能である。
また、上記圧縮機21および膨張弁24は、除湿運転(第1除湿運転)中、蒸発域の容積が負荷に応じて変化するように制御される。例えば、除湿運転制御部100bは、除湿運転(第1除湿運転)中、蒸発域が所定容積(例えば、室内熱交換器11の全容積の2/3)以下となるように、圧縮機21および膨張弁24を制御する。
[再熱除湿運転(第2除湿運転)]
再熱除湿運転時は、図5に示すように、第2の四路切換弁25を切り換える。詳しくは、第2の四路切換弁25の第1ポート25aと第3ポート25cとを連通し、第2の四路切換弁25の第2ポート25bと第4ポート25dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを冷房運転,除湿運転(第1除湿運転)とは逆の方向に切り換える。言い換えると、室内熱交換器11の第2ポートP2に冷媒が流入し、第1ポートP1から冷媒が流出する。
再熱除湿運転時は、図5に示すように、第2の四路切換弁25を切り換える。詳しくは、第2の四路切換弁25の第1ポート25aと第3ポート25cとを連通し、第2の四路切換弁25の第2ポート25bと第4ポート25dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを冷房運転,除湿運転(第1除湿運転)とは逆の方向に切り換える。言い換えると、室内熱交換器11の第2ポートP2に冷媒が流入し、第1ポートP1から冷媒が流出する。
このとき、再熱除湿運転制御部100cによって、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整すると共に、電磁弁13をオンして、電磁弁13を小開度に切り替える。これによって、室内熱交換器11において電磁弁13よりも上流側の少なくとも一部を凝縮域にする一方、室内熱交換器11において電磁弁13より下流側の少なくとも一部を蒸発域とする。詳しくは、図6に示すように、室内熱交換器11の第2熱交換部11bを凝縮域(図6に示す格子のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第1熱交換部11aを蒸発域(図6に示す斜線のハッチングを付した領域)にする。
これにより、再熱除湿運転(第2除湿運転)は、除湿運転(第1除湿運転)よりも顕熱能力が低くなるので、室内の熱負荷が低いとき、室温の低下を抑制しつつ、室内の除湿を行える。
上記空気調和機において、リモコンの除湿運転のボタンの押下に応じて、冷房運転、除湿運転(第1除湿運転)または再熱除湿運転(第2除湿運転)を開始するようになっている。より詳しく説明すると、除湿運転のボタンが押下されると、制御装置100は、室内温度や室内湿度などの環境条件に基づいて、冷房運転、除湿運転(第1除湿運転)および再熱除湿運転(第2除湿運転)のうちの1つの除湿モードの運転が選択されて開始する。その後、環境条件の変化に応じて、他の除湿モードの運転に切り替える。
上記構成の空気調和機によれば、除湿運転(第1除湿運転)から再熱除湿運転(第2除湿運転)に切り替わっても、室内熱交換器11の電磁弁13(制御弁)よりも下流側部分の少なくとも一部が、除湿運転(第1除湿運転)時の蒸発域となるので、除湿運転(第1除湿運転)で室内熱交換器11の蒸発域に付着した水滴が、次の再熱除湿運転(第2除湿運転)で蒸発して室内に戻るのを抑え、湿度戻りを抑制することができる。
また、第2の四路切換弁25(冷媒切換部)により、除湿運転(第1除湿運転)時における室内熱交換器11内の冷媒流れに対して、再熱除湿運転(第2除湿運転)時の室内熱交換器11内の冷媒流れを逆方向に切り換えることによって、再熱除湿運転(第2除湿運転)時に室内熱交換器11の電磁弁13(制御弁)よりも下流側部分の少なくとも一部が、除湿運転(第1除湿運転)時の蒸発域となるようにできる。
また、上記除湿運転(第1除湿運転)および再熱除湿運転(第2除湿運転)において、冷媒回路RC1内の冷媒の循環方向が、圧縮機21、室外熱交換器23、膨張弁24および室内熱交換器11の順に冷媒が循環する冷房サイクルであると共に、除湿運転(第1除湿運転)において室内熱交換器11の第1ポートP1から冷媒が流入して第2ポートP2に冷媒が流出するか、または、再熱除湿運転(第2除湿運転)において室内熱交換器11の第2ポートP2から冷媒が流入して第1ポートP1に冷媒が流出するかを、第2の四路切換弁25(冷媒切換部)によって切り換える。これによって、除湿運転(第1除湿運転)および再熱除湿運転(第2除湿運転)のいずれにおいても冷房サイクルの運転で、再熱除湿運転(第2除湿運転)時に室内熱交換器11の電磁弁13(制御弁)よりも下流側部分の少なくとも一部が除湿運転(第1除湿運転)時の蒸発域となるようにできる。
〔第2実施形態〕
図7は、本開示の第2実施形態の空気調和機の冷媒回路RC2の回路図である。この第2実施形態の空気調和機の室外機202は、第2の四路切換弁25がない点を除いて第1実施形態の空気調和機の室外機2と同一の構成をしている。
図7は、本開示の第2実施形態の空気調和機の冷媒回路RC2の回路図である。この第2実施形態の空気調和機の室外機202は、第2の四路切換弁25がない点を除いて第1実施形態の空気調和機の室外機2と同一の構成をしている。
<室内機201の構成>
上記空気調和機の室内機201は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、制御弁の一例としての電磁弁13と、電磁弁14と、レシーバー15と、電磁弁16と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
上記空気調和機の室内機201は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、制御弁の一例としての電磁弁13と、電磁弁14と、レシーバー15と、電磁弁16と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
室内熱交換器11は、室内ファン12による空気流に関して、室内ファン12よりも上流側に位置している。この室内熱交換器11は、室内ファン12からの空気と冷媒との熱交換を行うために、室内側に位置する第1熱交換部11aと、室内側とは反対側に位置する第2熱交換部11bとを有する。
第1熱交換部11aの一端(第1ポートP1)に冷媒配管L4(連絡配管)の一端が接続されている。第1熱交換部11aの他端に冷媒配管L11を介して第2熱交換部11bの一端が接続されている。第2熱交換部11bの他端(第2ポートP2)に冷媒配管L8(連絡配管)の一端が接続されている。電磁弁13は、冷媒配管L11に配設されている。電磁弁14は、冷媒配管L11の電磁弁13よりも第2熱交換部11b側に配設されている。冷媒配管L11の電磁弁13と電磁弁14との間に、冷媒配管L12を介してレシーバー15の一端が接続されている。レシーバー15の他端を、冷媒配管L13を介して冷媒配管L11の電磁弁14と第2熱交換部11bとの間に接続している。
制御弁としての電磁弁13は、室内熱交換器11の冷媒経路の途中に設けられている。より詳しく説明すると、電磁弁13は、第1熱交換部11a側と第2熱交換部11b側との間に差圧を設定するための弁である。電磁弁13は、大開度および小開度の2位置のみを取ることが可能なオンオフ弁であり、必要時(例えば、後述する再熱除湿運転時)にオンされ、大開度の位置から小開度の位置に切り替えられる。
<室外機202の構成>
上記空気調和機の室外機202は、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、膨張機構の一例としての膨張弁24と、アキュムレータ26と、室外ファン27とを有する。四路切換弁22は、冷媒切換部の一例である。
上記空気調和機の室外機202は、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、膨張機構の一例としての膨張弁24と、アキュムレータ26と、室外ファン27とを有する。四路切換弁22は、冷媒切換部の一例である。
上記圧縮機21の吐出側が四路切換弁22の第1ポート22aに接続されている。四路切換弁22の第2ポート22bが冷媒配管L2を介して室外熱交換器23の一端に接続されている。室外熱交換器23の他端が冷媒配管L3を介して膨張弁24の一端に接続され、膨張弁24の他端が冷媒配管L4(連絡配管)の一端に接続されている。四路切換弁22の第3ポート22cに冷媒配管L8(連絡配管)の一端が接続されている。四路切換弁22の第4ポート22dに、冷媒配管L9,アキュムレータ26,冷媒配管L10を介して圧縮機21の吸入側が接続されている。
さらに、室外機202は、室外熱交換器23の温度を検出する室外熱交換器温度センサ54と、外気温度を検出する外気温度センサ55と、膨張弁24で減圧された冷媒の温度(蒸発温度)を検出する冷媒温度センサ56とを有する。
<冷媒回路RC2の構成>
また、上記空気調和機の冷媒回路RC2は、室内熱交換器11、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L4,L8〜L13から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L4,L8〜L13によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC2が構成されている。このような冷媒回路RC2において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
また、上記空気調和機の冷媒回路RC2は、室内熱交換器11、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L4,L8〜L13から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L4,L8〜L13によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC2が構成されている。このような冷媒回路RC2において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
[冷房運転]
冷房運転は、図7に示すように、四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)し、電磁弁14をオフ(開)、電磁弁16をオン(閉)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
冷房運転は、図7に示すように、四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)し、電磁弁14をオフ(開)、電磁弁16をオン(閉)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
この冷房運転中、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が第1の四路切換弁22を介して室外熱交換器23に流入する。そして、室外熱交換器23で凝縮した冷媒は、膨張弁24で減圧された後、第2の四路切換弁25を介して室内熱交換器11の第1ポートP1に冷媒が流入し、第1熱交換部11aと第2熱交換部11bの順に冷媒が流れて第2ポートP2から流出する。この第1熱交換部11aと第2熱交換部11bで蒸発した冷媒が第1の四路切換弁22およびアキュムレータ26を介して圧縮機21の吸入側に戻る。
[除湿運転(第1除湿運転)]
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)し、電磁弁14をオフ(開)し、電磁弁16をオン(閉)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)し、電磁弁14をオフ(開)し、電磁弁16をオン(閉)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。
このとき、除湿運転制御部100bが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整することで、室内熱交換器11の上流側の一部を蒸発域とする一方、室内熱交換器11の残りの部分を過熱域とする。例えば、除湿運転制御部100bは、図4と同様、室内熱交換器11の第1熱交換部11aを蒸発域(図4に示す斜線のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第2熱交換部11bを過熱域(図4に示す点のハッチングを付した領域)にする。
[再熱除湿運転(第2除湿運転)]
再熱除湿運転時は、図8に示すように、四路切換弁22を切り換えると共に、電磁弁13をオン(小開度)し、電磁弁14をオン(閉)し、電磁弁16をオフ(開)して、冷房運転のときと逆の方向に冷媒を流す(圧縮機21、室内熱交換器11、膨張弁24および室外熱交換器23の順に冷媒が循環する暖房サイクル)。詳しくは、四路切換弁22の第1ポート22aと第3ポート22cとを連通し、四路切換弁22の第2ポート22bと第4ポート22dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを逆方向に切り換える。
再熱除湿運転時は、図8に示すように、四路切換弁22を切り換えると共に、電磁弁13をオン(小開度)し、電磁弁14をオン(閉)し、電磁弁16をオフ(開)して、冷房運転のときと逆の方向に冷媒を流す(圧縮機21、室内熱交換器11、膨張弁24および室外熱交換器23の順に冷媒が循環する暖房サイクル)。詳しくは、四路切換弁22の第1ポート22aと第3ポート22cとを連通し、四路切換弁22の第2ポート22bと第4ポート22dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを逆方向に切り換える。
このとき、再熱除湿運転制御部100cによって、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整することによって、室内熱交換器11において電磁弁13よりも上流側の少なくとも一部を凝縮域にする一方、室内熱交換器11において電磁弁13より下流側の少なくとも一部を蒸発域とする。詳しくは、図6と同様、室内熱交換器11の第2熱交換部11bを凝縮域(図6に示す格子のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第1熱交換部11aを蒸発域(図6に示す斜線のハッチングを付した領域)にする。
上記構成の空気調和機によれば、除湿運転(第1除湿運転)から再熱除湿運転(第2除湿運転)に切り替わっても、室内熱交換器11の電磁弁13(制御弁)よりも下流側部分の少なくとも一部が、除湿運転(第1除湿運転)時の蒸発域となるので、除湿運転(第1除湿運転)で室内熱交換器11の蒸発域に付着した水滴が、次の再熱除湿運転(第2除湿運転)で蒸発して室内に戻るのを抑え、湿度戻りを抑制することができる。
また、四路切換弁22(冷媒切換部)は、冷媒回路RC2内の冷媒の循環方向について冷房サイクルとするかまたは暖房サイクルとするかを切り換え、制御装置100によって、冷房サイクルによる除湿運転(第1除湿運転)を行うか、または、暖房サイクルによる再熱除湿運転(第2除湿運転)を行うかを、四路切換弁22(冷媒切換部)により切り換える。この冷房サイクルと暖房サイクルの切り換えにより、再熱除湿運転(第2除湿運転)時に室内熱交換器11の電磁弁13(制御弁)よりも下流側部分の少なくとも一部が除湿運転(第1除湿運転)時の蒸発域となるようにできる。
また、暖房サイクルによる再熱除湿運転(第2除湿運転)においてレシーバー15により余剰冷媒を貯めるので、冷媒回路RC2内の冷媒流れを阻害することなく循環冷媒量を少なくできる。
〔第3実施形態〕
図9は、本開示の第3実施形態の空気調和機の冷媒回路RC3の回路図である。この第2実施形態の空気調和機は、室内機301を除いて第1実施形態の空気調和機と同一の構成をしており、室外機2の構成については説明を省略する。
図9は、本開示の第3実施形態の空気調和機の冷媒回路RC3の回路図である。この第2実施形態の空気調和機は、室内機301を除いて第1実施形態の空気調和機と同一の構成をしており、室外機2の構成については説明を省略する。
<室内機301の構成>
上記空気調和機の室内機301は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、制御弁の一例としての電磁弁13と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
上記空気調和機の室内機301は、室内熱交換器11と、この室内熱交換器11に空気を送る室内ファン12と、制御弁の一例としての電磁弁13と、室内熱交換器11の温度を検出する室内熱交換器温度センサ51と、室内温度を検出する室内温度センサ52と、室内湿度を検出する室内湿度センサ53とを有する。
室内熱交換器11は、室内ファン12による空気流に関して、室内ファン12よりも上流側に位置している。この室内熱交換器11は、室内ファン12からの空気と冷媒との熱交換を行うために、室内側に位置する第1熱交換部11aと、室内側とは反対側に位置する第2熱交換部11bと、第1熱交換部11aよりも室内側に位置する補助熱交換部11cとを有する。
補助熱交換部11cは、第1熱交換部11aよりも容積が小さい。また、補助熱交換部11cの一端(第1ポートP1)に冷媒配管L5(連絡配管)が接続され、補助熱交換部11cの他端に、冷媒配管L21を介して第1熱交換部11aの一端が接続されている。電磁弁13は、冷媒配管L21に配設されている。第1熱交換部11aの他端に冷媒配管L22を介して第2熱交換部11bの一端が接続されている。第2熱交換部11bの他端(第2ポートP2)に冷媒配管L7(連絡配管)の一端が接続されている。
制御弁としての電磁弁13は、室内熱交換器11の冷媒経路の途中に設けられている。より詳しく説明すると、電磁弁13は、補助熱交換部11c側と第1,第2熱交換部11a,11b側との間に差圧を設定するための弁である。電磁弁13は、大開度および小開度の2位置のみを取ることが可能なオンオフ弁であり、必要時(例えば、後述する再熱除湿運転時)にオンされ、大開度の位置から小開度の位置に切り替えられる。
<冷媒回路RC3の構成>
また、上記空気調和機の冷媒回路RC3は、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L5,L7〜L10,L21,L22から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L5,L7〜L10,L21,L22によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC3が構成されている。このような冷媒回路RC3において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
また、上記空気調和機の冷媒回路RC3は、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25、アキュムレータ26および冷媒配管L1〜L5,L7〜L10,L21,L22から成っている。より詳しく説明すると、室内熱交換器11、圧縮機21、第1の四路切換弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、第2の四路切換弁25およびアキュムレータ26が、冷媒配管L1〜L5,L7〜L10,L21,L22によって流体的に接続されている。これにより、環状の冷媒回路RC3が構成されている。このような冷媒回路RC3において、圧縮機21を駆動することにより冷媒が循環する。
[冷房運転]
冷房運転は、図9に示すように、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
冷房運転は、図9に示すように、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、開始される。
この冷房運転中、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が第1の四路切換弁22を介して室外熱交換器23に流入する。そして、室外熱交換器23で凝縮した冷媒は、膨張弁24で減圧された後、第2の四路切換弁25を介して室内熱交換器11の第1ポートP1に冷媒が流入し、補助熱交換部11cと第1熱交換部11aと第2熱交換部11bの順に冷媒が流れて第2ポートP2から流出する。この第1熱交換部11aと第2熱交換部11bおよび補助熱交換部11cで蒸発した冷媒が第1,第2の四路切換弁22,25およびアキュムレータ26を介して圧縮機21の吸入側に戻る。
このように、冷媒が冷媒回路RC3を循環するとき、冷房運転制御部100aが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整すると共に、電磁弁13をオフ(大開度)にすることで、図3と同様、室内熱交換器11の全部を実質的に蒸発域(図3に示す斜線のハッチングを付した領域)とする。これにより、冷房運転は、室内温度を変化させるための能力である顕熱能力が高くなる。
[除湿運転(第1除湿運転)]
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。
除湿運転(第1除湿運転)は、第1の四路切換弁22を実線の切換え位置に切り換えると共に、電磁弁13をオフ(大開度)して、圧縮機21を起動することで、冷房運転のときと同じ方向に冷媒を流す。
このとき、除湿運転制御部100bが、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整することで、室内熱交換器11の上流側の一部を蒸発域とする一方、室内熱交換器11の残りの部分を過熱域とする。例えば、除湿運転制御部100bは、図10に示すように、室内熱交換器11の補助熱交換部11cを蒸発域(図10に示す斜線のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の第1熱交換部11aと第2熱交換部11bを過熱域(図10に示す点のハッチングを付した領域)にする。これにより、除湿運転(第1除湿運転)は、冷房運転よりも顕熱能力が低くなるので、室内の熱負荷が高くも低くもないとき、室温の低下を抑制しつつ、室内の除湿を行える。図10では、補助熱交換部11cの全部が蒸発域となるように描かれているが、補助熱交換部11cの一部だけを蒸発域にすることも可能である。
[再熱除湿運転(第2除湿運転)]
再熱除湿運転時は、図11に示すように、第2の四路切換弁25を切り換える。詳しくは、第2の四路切換弁25の第1ポート25aと第3ポート25cとを連通し、第2の四路切換弁25の第2ポート25bと第4ポート25dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを冷房運転,除湿運転(第1除湿運転)とは逆の方向に切り換える。言い換えると、室内熱交換器11の第2ポートP2に冷媒が流入し、第1ポートP1から冷媒が流出する。
再熱除湿運転時は、図11に示すように、第2の四路切換弁25を切り換える。詳しくは、第2の四路切換弁25の第1ポート25aと第3ポート25cとを連通し、第2の四路切換弁25の第2ポート25bと第4ポート25dとを連通する。再熱除湿運転(第2除湿運転)では、室内熱交換器11内の冷媒流れを冷房運転,除湿運転(第1除湿運転)とは逆の方向に切り換える。言い換えると、室内熱交換器11の第2ポートP2に冷媒が流入し、第1ポートP1から冷媒が流出する。
このとき、再熱除湿運転制御部100cによって、圧縮機21の周波数と膨張弁24の開度とを調整すると共に、電磁弁13をオンして、電磁弁13を小開度に切り替える。これにより、室内熱交換器11において電磁弁13よりも上流側の少なくとも一部を凝縮域にする一方、室内熱交換器11において電磁弁13より下流側の少なくとも一部を蒸発域とする。詳しくは、図12に示すように、室内熱交換器11の第1熱交換部11aと第2熱交換部11bを凝縮域(図6に示す格子のハッチングを付した領域)にする一方、室内熱交換器11の補助熱交換部11cを蒸発域(図6に示す斜線のハッチングを付した領域)にする。
これにより、再熱除湿運転(第2除湿運転)は、除湿運転(第1除湿運転)よりも顕熱能力が低くなるので、室内の熱負荷が低いとき、室温の低下を抑制しつつ、室内の除湿を行える。
上記第3実施形態の空気調和機は、第1実施形態の空気調和機と同様の効果を有する。
上記第1〜第3実施形態では、室内機が1つの空気調和機について説明したが、2以上の室内機を備えたマルチ型空気調和機にこの発明を適用してもよい。
上記第1〜第3実施形態では、壁掛け式の室内機1,201,301を備えた空気調和機について説明したが、天井埋込型などの室内機を備えた空気調和機にこの発明を適用してもよい。
上記第1〜第3実施形態では、制御弁として電磁弁13を用いたが、制御弁はこれに限らず、例えば膨張弁などを用いてもよい。
上記第1〜第3実施形態では、冷媒切換部として第1の四路切換弁22および第2の四路切換弁25を用いたが、冷媒切換部はこれに限らず、例えば電磁弁などを組み合わせて冷媒切換部を構成してもよい。
本開示の具体的な実施の形態について説明したが、本開示は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々変更して実施することができる。
1,201,301…室内機
2,202…室外機
11…室内熱交換器
11a…第1熱交換部
11b…第2熱交換部
11c…補助熱交換部
12…室内ファン
13…電磁弁(制御弁)
21…圧縮機
22…第1の四路切換弁(冷媒切換部)
23…室外熱交換器
24…膨張弁(膨張機構)
25…第2の四路切換弁(冷媒切換部)
26…アキュムレータ
27…室外ファン
51…室内熱交換器温度センサ
52…室内温度センサ
53…室内湿度センサ
54…室外熱交換器温度センサ
55…外気温度センサ
56…冷媒温度センサ
100…制御装置
100a…冷房運転制御部
100b…除湿運転制御部
100c…再熱除湿運転制御部
L1〜L13,L21,L22…冷媒配管
P1…第1ポート
P2…第2ポート
RC1,RC2,RC3…冷媒回路
2,202…室外機
11…室内熱交換器
11a…第1熱交換部
11b…第2熱交換部
11c…補助熱交換部
12…室内ファン
13…電磁弁(制御弁)
21…圧縮機
22…第1の四路切換弁(冷媒切換部)
23…室外熱交換器
24…膨張弁(膨張機構)
25…第2の四路切換弁(冷媒切換部)
26…アキュムレータ
27…室外ファン
51…室内熱交換器温度センサ
52…室内温度センサ
53…室内湿度センサ
54…室外熱交換器温度センサ
55…外気温度センサ
56…冷媒温度センサ
100…制御装置
100a…冷房運転制御部
100b…除湿運転制御部
100c…再熱除湿運転制御部
L1〜L13,L21,L22…冷媒配管
P1…第1ポート
P2…第2ポート
RC1,RC2,RC3…冷媒回路
Claims (5)
- 圧縮機(21)、室外熱交換器(23)、膨張機構(24)、室内熱交換器(11)および上記室内熱交換器(11)の冷媒経路の途中に設けられた制御弁(13)を有する冷媒回路(RC1,RC2,RC3)と、上記冷媒回路(RC1,RC2,RC3)を制御する制御装置(100)とを備え、上記室内熱交換器(11)の一部を蒸発域にする一方、上記室内熱交換器(11)の残りの部分を過熱域にする第1除湿運転と、上記室内熱交換器(11)において上記制御弁(13)よりも上流側を凝縮域とする一方、上記室内熱交換器(11)において上記制御弁(13)よりも下流側を蒸発域とする第2除湿運転を行う空気調和機であって、
上記第2除湿運転時に上記室内熱交換器(11)の上記制御弁(13)よりも下流側部分の少なくとも一部が、上記第1除湿運転時の蒸発域となることを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、
上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器(11)内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器(11)内の冷媒流れを逆方向に切り換える冷媒切換部(22,25)を備えることを特徴とする空気調和機。 - 請求項2に記載の空気調和機において、
上記第1除湿運転時および上記第2除湿運転時において、上記圧縮機(21)、上記室外熱交換器(23)、上記膨張機構(24)および上記室内熱交換器(11)の順に冷媒が循環すると共に、
上記室内熱交換器(11)は、上記第1除湿運転において冷媒が流入する第1ポート(P1)と、上記第1除湿運転において上記室内熱交換器(11)から冷媒が流出する第2ポート(P2)とを有し、
上記冷媒切換部(25)は、上記第2除湿運転において上記室内熱交換器(11)の上記第2ポート(P2)から冷媒が流入して上記室内熱交換器(11)の上記第1ポート(P1)に冷媒が流出するように、上記室内熱交換器(11)の上記第1,第2ポート(P1,P2)に対する冷媒流れの方向を切り換えることを特徴とする空気調和機。 - 請求項2に記載の空気調和機において、
上記冷媒切換部(22)は、上記圧縮機(21)、上記室外熱交換器(23)、上記膨張機構(24)および上記室内熱交換器(11)の順に冷媒が循環するかまたは上記圧縮機(21)、上記室内熱交換器(11)、上記膨張機構(24)および上記室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環するかを切り換え、
上記制御装置(100)は、上記冷媒切換部(22)を制御して、上記第1除湿運転時に上記圧縮機(21)、上記室外熱交換器(23)、上記膨張機構(24)および上記室内熱交換器(11)の順に冷媒が循環するようにする一方、上記第2除湿運転時に上記圧縮機(21)、上記室内熱交換器(11)、上記膨張機構(24)および上記室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環するようにして、上記第1除湿運転時における上記室内熱交換器(11)内の冷媒流れに対して、上記第2除湿運転時の上記室内熱交換器(11)内の冷媒流れを逆方向にすることを特徴とする空気調和機。 - 請求項4に記載の空気調和機において、
上記冷媒回路(RC2)は、上記圧縮機(21)、上記室内熱交換器(11)、上記膨張機構(24)および上記室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環する上記第2除湿運転において余剰冷媒を貯めるレシーバー(15)を有することを特徴とする空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019016862A JP2020125855A (ja) | 2019-02-01 | 2019-02-01 | 空気調和機 |
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JP2019016862A JP2020125855A (ja) | 2019-02-01 | 2019-02-01 | 空気調和機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022215204A1 (ja) | 2021-04-07 | 2022-10-13 | 三菱電機株式会社 | 空気調和機 |
CN115523642A (zh) * | 2022-09-19 | 2022-12-27 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调的控制方法、装置及系统 |
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-
2019
- 2019-02-01 JP JP2019016862A patent/JP2020125855A/ja active Pending
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JP7450807B2 (ja) | 2021-04-07 | 2024-03-15 | 三菱電機株式会社 | 空気調和機 |
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CN115523642B (zh) * | 2022-09-19 | 2023-10-27 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调的控制方法、装置及系统 |
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