JP2020124873A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エステル系エラストマー発泡粒子の融着不良や、発泡不良による外観不良を抑制できる、エステル系エラストマー発泡成形体の製造方法の提供。【解決手段】蒸気導入口が設けられた第1の型と第2の型とを合わせた1対の型にて形成されるキャビティ9にエステル系エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を充填し、加熱媒体で型及び発泡粒子を加熱することにより発泡成形体を製造する方法であって、前記発泡粒子は、その粒子中に0〜2質量%の無機系ガスを含み、前記発泡粒子は、前記第1の型と第2の型の間のクラッキング率が3〜85%で充填され、前記型及び前記発泡粒子は、前記発泡粒子の融点Tmより30℃低い温度以上Tm以下の温度の加熱媒体で5秒〜60秒間加熱される、方法。【選択図】図1

Description

本発明は、エステル系エラストマーの発泡成形体の製造方法に関する。
従来、緩衝材や梱包材として、ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡粒子を複数個融着させた発泡成形体が汎用されている。発泡粒子を複数個融着させた発泡成形体は、押出発泡による発泡成形体に比べて、複雑な形状を形成可能であるという利点を有している。ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡成形体は、高い反発弾性が求められる用途では使用し難いという課題があった。そのため、高い反発弾性を実現できる発泡成形体が求められていた。
熱可塑性エラストマーは反発弾性に優れており、また、機械的強度も高いため、エンジニアリングエラストマーとして位置付けられ、生活用品、電化製品部品、スポーツ用品、自動車用部品、建築土木部材等の様々な用途での使用が検討されている。この熱可塑性エラストマーを発泡させた成形体は、軽量且つエラストマーの本来有する高い反発弾性を有することが期待されるため、エラストマー樹脂から調製された発泡粒子を型内で融着及び発泡させて成形する方法等が報告されている(例えば特許文献1)。
特開2018−075753号公報
エステル系エラストマー発泡粒子は、ポリスチレン等の汎用樹脂の発泡粒子と比べて型内成形時の発泡の制御が難しく、発泡成形体の長期寸法が不安定となる現象の一因となりえる融着不良、つまり粒子同士の融着が不十分、を引き起こすことや、発泡不良による外観不良が発生することがあった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、成形時の蒸気圧やクラッキング率等の成形条件を調整しつつ、付与される内圧の程度が制御された発泡粒子を型内成形に供することによって、融着不良又は外観不良を抑制できることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものであり、代表的な本発明は以下の通りである。
項1.
蒸気導入口が設けられた第1の型と第2の型とを合わせた1対の型にて形成されるキャビティにエステル系エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を充填し、加熱媒体で型及び発泡粒子を加熱することにより発泡成形体を製造する方法であって、
前記発泡粒子は、その粒子中に0〜2質量%の無機系ガスを含み、
前記発泡粒子は、前記第1の型と第2の型の間のクラッキング率が3〜85%で充填され、
前記型及び前記発泡粒子は、前記発泡粒子の融点Tmより30℃低い温度以上Tm以下の温度の加熱媒体で5秒〜60秒間加熱される、
方法。
項2.
キャビティに充填される発泡粒子が、
0.2〜2質量%の無機系ガスを含む発泡粒子(A)、又は
前記発泡粒子(A)と無機系ガスを含まない発泡粒子(B)との混合物であって、
発泡粒子(A)及び(B)の総質量に対する発泡粒子(A)の質量が30〜100質量%である、
請求項1に記載の方法。
項3.
前記クラッキング率が10〜85%である項1又は2に記載の方法。
項4.
前記加熱時間が10秒〜60秒間である項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.
前記加熱温度がTmより25℃低い温度以上Tmより5℃低い温度以下である項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6.
前記無機系ガスが不活性ガス及び空気からなる群より選択される少なくとも1種である項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.
前記発泡成形体の空隙率が7%以下である項1〜6のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、融着不良又は外観不良の抑制された、エステル系エラストマー発泡成形体を製造できる。
本発明の方法を実施するために好適な成形装置の一例を示す構成図である。
以下、図面を参照して本発明の代表的な製造方法を説明する。
図1は、本発明の製造方法を実施するために好適な成形装置の一例を示す構成図である。
この成形装置1は、第1の型である凹型2と、第2の型である凸型3とを備え、これらの型が接近及び離間することで型閉め及び型開きが可能な成形型4を有している。凹型2は、多数の蒸気孔が設けられた凹型本体5とそれを支持しているフレーム6とを備え、また凸型3も多数の蒸気孔が設けられた凸型本体7とそれを支持しているフレーム8とを備えている。図1に示す型閉め状態において、凹型本体5と凸型本体7との間には、製造しようとする発泡成形体の外径に合致したキャビティ9が形成される。凹型本体5とフレーム6との間には、蒸気室10が設けられ、また凸型本体7とフレーム8との間にも蒸気室11が設けられている。凹型2側の蒸気室10の容積は、凹型本体5とフレーム6で囲まれた空間の容積である。また、凸型3側の蒸気室11の容積は、凸型本体7とフレーム8で囲まれた空間の容積である。
凹型2側の蒸気室10には、凹型側調圧蒸気弁12を介して蒸気供給管路が接続され、その対向位置には凹型側ドレン弁13を介してドレン管路が接続され、このドレン管路には、真空弁14を介して真空排気管路が接続されている。また凹型2側の蒸気室10には、冷却水弁15を介して冷却水供給管路が挿入され、さらに適所には圧力計16が接続されている。
同様に、凸型3側の蒸気室11には、凸型側調圧蒸気弁17を介して蒸気供給管路が接続され、その対向位置には凸型側ドレン弁18を介してドレン管路が接続され、このドレン管路には、真空弁19を介して真空排気管路が接続されている。また凸型3側の蒸気室11には、冷却水弁20を介して冷却水供給管路が挿入され、さらに適所には圧力計21が接続されている。なお、図示していないが、この成形型4の適所には、キャビティ9内に発泡粒子を充填するための供給管路が接続した発泡粒子供給口が設けられている。
前述したように構成された成形装置を用い、エステル系エラストマー発泡成形体を製造するには、凹型2と凸型3とを接近させて成形型4を閉じ、そのキャビティ9内に発泡粒子を充填し、次いで成形型4を蒸気加熱して発泡させながら発泡粒子同士を融着させて型内発泡成形し、次いで成形型4を冷却し、次いで成形型4を開き、発泡成形体を離型して取り出すことにより行われる。
本発明の製造方法において用いる発泡粒子は、エステル系エラストマーを基材樹脂として含む。
(1)エステル系エラストマー
エステル系エラストマーは特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のエラストマーが挙げられる。好適には、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。ジカルボン酸成分と、ジカルボン酸成分及びジオール成分との2成分から構成されていてもよい。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
ポリエステルタイプのソフトセグメントとしては、ジカルボン酸類(アジピン酸のような脂肪族C4−12ジカルボン酸)とジオール類(1,4−ブタンジオールのようなC2−10アルキレングリコール、エチレングリコールのような(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール)との重縮合体、オキシカルボン酸の重縮合体やラクトン(ε−カプロラクトンのようなC3−12ラクトン)の開環重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリエステルタイプのソフトセグメントは、非晶性であってもよい。ソフトセグメントとしてのポリエステルの具体例としては、カプロラクトン重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のC2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸とのポリエステルが挙げられる。このポリエステルの数平均分子量は、200〜15000の範囲であってもよく、200〜10000の範囲であってもよく、300〜8000の範囲であってもよい。
ポリエーテルタイプのソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール)のような脂肪族ポリエーテルに由来するセグメントが挙げられる。ポリエーテルの数平均分子量は、200〜10000の範囲であってもよく、200〜6000の範囲であってもよく、300〜5000の範囲であってもよい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜90:10であってもよく、30:70〜80:20であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、40:60〜75:25であってもよい。
また、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分とそれ以外のジカルボン酸成分である場合、エステル系エラストマーが、ハードセグメントを30〜80質量%の割合で含み、かつテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分を5〜30質量%の割合で含んでいてもよい。テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分の割合は5〜25質量%であってもよく、5〜20質量%でもよく、10〜20質量%でもよい。なお、ジカルボン酸成分の割合は、樹脂のNMRスペクトルを定量評価することにより入手できる。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分が、イソフタル酸成分であることが好ましい。イソフタル酸成分を含むことで、エラストマーの結晶化度が下がる傾向があり、発泡成形性が向上してより低密度の発泡成形体を得ることができる。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPLENE)シリーズやバイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
(2)基材樹脂(エステル系エラストマー)の物性
基材樹脂は、100℃〜200℃の融点を有し得る。融点が200℃以下であると、発泡時に軟化が容易になり、低密度の発泡成形体を得やすい。融点が100℃以上であると、予備発泡工程後に収縮が起こり難く、成形が容易になる。樹脂の融点は、120℃〜200℃であってもよく、120℃〜190℃であってもよい。
基材樹脂は、0〜30mJ/mgの結晶化熱量を有し得る。結晶化熱量が30mJ/mg以下であると、発泡成形性が向上して、低密度の発泡成形体を得やすい。結晶化熱量は、3〜30mJ/mgであってもよく、6〜30mJ/mgであってもよく、9〜30mJ/mgであってもよい。
基材樹脂は、65以下のD硬度を有し得る。D硬度が65以下であると、発泡時の軟化が容易になり、低密度の発泡成形体を得やすい。D硬度は20〜60であってもよく、25〜60であってもよく、30〜60であってもよい。
基材樹脂はビカット軟化温度が60〜180℃であることが好ましい。ビカット軟化温度が60℃以上であると、発泡後に常温に晒された時点で収縮し難い。ビカット軟化温度が180℃以下であると所望の発泡倍数への発泡がしやすい。ビカット軟化温度は80℃〜150℃であることがより好ましい。
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、エステル系エラストマー以外に、他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
基材樹脂は、他に、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、展着剤、可塑剤、難燃助剤、架橋剤、充填剤、滑剤等を含んでいてもよい。
難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー等の有機顔料、金属粉、パール等の特殊顔料、染料等が挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
(3)発泡成形体の製造方法
発泡成形体は、蒸気導入口が設けられた第1の型と第2の型とを合わせた1対の型にて形成されるキャビティにエステル系エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を充填し、加熱媒体で型及び発泡粒子を加熱して得られる。例えば、多数の小孔を有する閉鎖型内に発泡粒子を充填し、加圧水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。
発泡粒子の充填の際に、例えば、第1の型と第2の型の間のクラッキング率を調節することにより発泡粒子の充填量を調整する等して、発泡成形体の密度を調整できる。クラッキング率は、例えば3〜85%であり、5〜85%が好ましく、10〜80%がより好ましい。クラッキング率をこの範囲内とすると、外観の美麗度合いを調整することができる。なお、クラッキング率の特定方法は実施例に記載したとおりである。
加熱成形は、発泡粒子の融点Tmより30℃低い温度以上当該融点Tm以下の温度の加熱媒体(例えば、水蒸気)を用いて型を加熱することにより行われることが好ましい。なお、発泡粒子の融点とは、無機系ガスにより内圧付与された発泡粒子については、内圧付与前の発泡粒子の融点をいう。加熱媒体の温度は、Tmより25℃低い温度以上Tmより5℃低い温度以下であることがより好ましい。加熱媒体の圧力は、加熱媒体の温度が所望の温度となるよう調整すればよい。加熱時間は、例えば5秒〜60秒間であり、15秒〜60秒間がより好ましい。加熱媒体の温度、圧力及び加熱時間をこれら範囲内とすることで、成形性の良好な発泡成形体を得ることができる。なお、発泡粒子の融点Tmの特定方法は実施例に記載したとおりである。
加熱成形は、更に、発泡粒子に無機系ガスを含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい(内圧付与工程)。発泡力を向上させることにより、加熱発泡時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた機械的強度や長期寸法安定性を有する。無機系ガスは、例えば不活性ガス又は空気である。不活性ガスは、例えば二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等である。好ましい無機系ガスは空気、窒素又は二酸化炭素である。
発泡粒子に含まれる無機系ガスの量は、無機系ガスを含んだ発泡粒子の質量に対し、例えば0〜2質量%であり、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.3質量%がより好ましい。無機系ガスの量をこの範囲内とすると、融着率が高く、外観が良好となり、生産性がよくなる。なお、発泡粒子に含まれる無機系ガスの量は、内圧付与前の発泡粒子の質量W1(g)と、内圧付与後の不活性ガス等を含む発泡粒子の質量W2(g)とから、次式により算出される。
発泡粒子が含むガス量(質量%)=((W2−W1)/W2)×100
発泡粒子に無機系ガスを含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する無機系ガスの雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に無機系ガスを含浸させる方法が挙げられ、0.01〜2.0MPaの無機系ガス雰囲気中に発泡粒子を1分〜24時間に亘って放置することが好ましく、5分〜24時間がより好ましく、20分〜18時間が特に好ましい。また、発泡粒子は、型内に充填する前に無機系ガスが含浸されることが好ましいが、発泡粒子を型内に充填した後に型ごと無機系ガスの雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。
発泡粒子に無機系ガスを含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。
発泡成形体は、0.015〜0.5g/cmの密度を有するのが好ましく、0.05〜0.4g/cmがより好ましく、0.08〜0.3g/cmが特に好ましい。この範囲であれば、圧縮永久歪と機械的物性とを良好なバランスで両立できる。
また、発泡成形体は、その空隙率が7%以下であることが好ましい。空隙率が低いと発泡成形体が長期寸法が安定したものとなる。なお、空隙率は次のようにして求められる値である。
<空隙率(体積%)>
発泡成形体から、表皮なしで一部分を切り出し、切り出し片の外形寸法を測定して見掛け体積(H)を求める。次いで、その切り出し片を23℃のエタノールに沈め、振動等を加えて切り出し片中の空気を除去した後に、エタノール液面上昇量から切り出し片の真の体積(I)を求める。次式により算出された値を空隙率(体積%)とする。
空隙率(体積%)=((H−I)/H)×100
発泡成形体は、例えば、工業分野、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等に用いることができる。特に圧縮永久歪の向上が求められる用途に用いることができる。
(4)発泡粒子の製造方法
型に充填される発泡粒子は、基材樹脂の粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)、発泡性粒子を発泡させる発泡工程、さらには必要に応じて発泡粒子に無機系ガスを含有させる内圧付与工程を経て得ることができる。
(4−1)含浸工程
(a)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.8〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dがこの範囲にあると、金型内への充填性が良好である。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜1.5mmが好ましい。平均径Dが0.5mm以上であると、発泡剤の保持性が向上し発泡性粒子の発泡性が向上しやすい。平均径Dが1.5mm以下であると、型内への発泡粒子の充填性が向上すると共に、板状の発泡成形体を製造する場合に発泡成形体の厚みを大きくしやすくなる。
樹脂粒子には、気泡調整剤が含まれていてもよい。
気泡調整剤としては、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂粒子は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
(b)発泡性粒子
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気;窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の不活性ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、空気、不活性ガス又は脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、樹脂粒子100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部以上であると、発泡力が低くならず、高い発泡倍率でも、良好に発泡させやすい。発泡剤の含有量が15質量部以下であると、気泡膜の破れが抑えられ、可塑化効果が大きくなりすぎないために、発泡時の粘度の過度の低下が抑えられ、かつ収縮が抑えられる。より好ましい発泡剤の量は2〜12質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡させることができる。
樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
<発泡剤の含有量(含浸量)>
樹脂粒子を圧力容器に入れる前の重量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の重量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、10℃〜120℃が好ましく、20℃〜110℃がより好ましい。発泡剤の含浸温度がこの範囲内にあると、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くならず生産効率が低下し難く、また、樹脂粒子同士が融着し難く結合粒の発生が抑制される。発泡剤には発泡助剤(可塑剤)を併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
発泡性粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
発泡性粒子の平均径Dは0.5〜1.5mmが好ましい。平均径Dが0.5mm以上であると、発泡剤の保持性が向上し発泡性粒子の発泡性が向上しやすい。平均径Dが1.5mm以下であると、型内への発泡粒子の充填性が向上すると共に、板状の発泡成形体を製造する場合に発泡成形体の厚みを大きくしやすくなる。
(4−2)発泡工程
(c)発泡粒子
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダーや界面活性剤等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
発泡粒子は、2〜70倍の範囲の嵩倍数を有することが好ましい。嵩倍数が70倍以下であると、得られる発泡成形体に収縮が発生し難く外観が良好になりかつ発泡成形体の機械的強度が低下し難い。嵩倍数が2倍以上であると、発泡成形体の軽量性が低下し難い。より好ましい嵩倍数は、5〜30倍である。
発泡粒子は、20〜320μmの平均気泡径を有することが好ましい。平均気泡径が20μm未満の場合、発泡成形体が収縮することがある。平均気泡径がこの範囲にあると、成形体の外観や融着が良好となりやすい。平均気泡径は20〜200μmであることがより好ましく、40〜150μmであることが更に好ましい。
発泡粒子は、1.5〜5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm以上であると、成形時の2次発泡性が低下し難い。平均粒子径が5mm以下であると、加熱発泡により発泡成形体を作製する際に型への充填性が低下し難い。平均粒子径は、2〜5mmであることがより好ましい。なお、発泡粒子の平均粒子径の特定方法は実施例に記載したとおりである。
発泡粒子は、無機系ガスを0〜2質量%含有してもよく、好ましくは無機系ガスを0.2〜2質量%含有する。0.2〜2質量%の無機系ガスを含有する発泡粒子(A)と無機系ガスを含まない発泡粒子(B)とを混合することがさらに好ましい。発泡粒子(A)及び(B)の混合割合は、融着率及び外観の点で、発泡粒子(A)及び(B)の総質量に対する発泡粒子(A)の質量が30〜100質量%が好ましく、40〜85質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましい。
充填粒子は、0〜2質量%の無機系ガスを含有する発泡粒子(発泡粒子(A)及び(B)の混合物を含む)のみとすることが、融着率及び外観の点で好ましいが、他の発泡粒子、例えば無機系ガスを2質量%超含有する発泡粒子が少量であれば含まれていてもよい。充填粒子に他の発泡粒子が含まれる場合、他の発泡粒子の量は、発泡粒子(A)及び(B)の総質量に対して、例えば10質量部以下、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
以下、実施例等を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに示された態様に限定されない。
[発泡粒子の無機系ガス量(圧縮空気含有量)]
密閉容器の体積の70体積%を満たす発泡粒子を計量し、これを密閉容器内に投入し容器を密閉した後、ゲージ圧0.01〜2MPaの無機系ガスで任意の時間加圧する。加圧後に無機系ガスを密閉容器内が大気圧になるまでパージし、発泡粒子を取り出して重量を計る。無機系ガス量は次式によって算出する。
無機系ガス量(質量%)=((b−a)/b)×100
a:無機系ガスで加圧前の発泡粒子の重量(g)
b:無機系ガスで加圧後の発泡粒子の重量(g)
[クラッキング率]
一対の型を完全に閉じた状態の型内体積(a)と任意のクラッキングを取った型内体積(b)とから次式によって算出する。
クラッキング率(%)=((b−a)/a)×100
[発泡粒子の融点Tm]
JIS K7121:1987、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。試料をアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう5.5±0.5mg充てん後、アルミニウム製の蓋をした。次いで日立ハイテクサイエンス社製「DSC7000X、AS−3」示差走査熱量計を用い、窒素ガス流量20mL/minのもと、30℃から−70℃まで降温した後10分間保持し、−70℃から220℃まで昇温(1回目昇温)、10分間保持後220℃から−70℃まで降温(冷却)、10分間保持後−70℃から220℃まで昇温(2回目昇温)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/minで行い、基準物質としてアルミナを用いた。融解温度(融点)は、装置付属の解析ソフトを用いて、2回目昇温過程にみられる最も大きな融解ピークのトップの温度を読みとった値とした。
[ビカット軟化温度]
ビカット軟化温度はISO306:2004に準拠し、A50法で測定する。試験片に荷重10Nをかけ、伝熱媒体を昇温速度50℃/時で加熱し、針状圧子が試験片の表面から1mm進入したときの伝熱媒体の温度をビカット軟化温度とする。
[発泡粒子の嵩密度と嵩倍数]
まず、内圧付与前の発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cmを一定にし、その重量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出する。なお、嵩倍数は、嵩密度の逆数である。
嵩密度(g/cm)=測定試料の重量(W)/測定試料の体積(V)
[発泡粒子の平均粒子径]
発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm、0.180mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料重量を測定し、その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
[発泡成形体の融着率]
発泡成形体(400mm×300mm×厚み20mm)の表面に、一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形体を2分割した。この2分割された発泡成形体の破断面の発泡粒子について、50個以上の発泡粒子を含む任意の範囲を設定し、この範囲内において発泡粒子内で破断している発泡粒子数(a)と、発泡粒子同士の界面で破断している発泡粒子数(b)を数え、下記式により融着率F(%)を算出した。
F(%)=(a/(a+b))×100
[発泡成形体の外観評価]
発泡成形体の表面において、粒子がすき間なく詰まっておらずくぼみとなっている部分(粒子間の間隙)を観察した。発泡成形体の表面の100mm×100mmの範囲において、間隙の最大の長さが2mm以上のものの数を測定し、6個以上であれば外観不良と判断し、表1中では「×」として表し、5個以下であれば外観良好と判断し「○」として表した。
なお、間隙の最大の長さとは、くぼみの上面における任意の2点をとった場合に、2点間の直線距離が最も長くなる場合の当該距離である。
[発泡成形体の空隙率(体積%)]
得られた発泡成形体から、表皮皮無しの直方体(85mm×25mm×12.5mm)を4つ切り出し、サンプルとした。それぞれのサンプルの正確な寸法をノギスなどを使用して測定して合計し、見掛け体積(H)を測定した。
次いで、ガラス製メスシリンダー(内容積200mL)中のエタノール(120mL;23℃)中に、各サンプルを、金網等を使用して沈めた。ここに、軽い振動等を与えることにより発泡後の粒子間に存在している空気を除いた。エタノール中の金網等の道具の体積を考慮して、エタノールの液面上昇分より、サンプルの体積を測定した。4つのサンプルの真の体積を合計し、真の体積(I)を求めた。見掛け体積(H)と真の体積(I)とから次式により算出された値を空隙率(体積%)とした。
空隙率(体積%)=((H−I)/H)×100
<発泡性粒子の調製>
発泡粒子の基材となるエステル系エラストマー(「ペルプレンP−75M」、東洋紡社製のポリブチレンテレフタレート系エラストマー、ビカット軟化温度110℃)100質量部及び気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミドを0.3質量部を押出機に投入して、口径1.0mmの金型から溶融状態で押出し、押出された直後にカッターでカットして平均粒子径1.3mmのペレットを得た。
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、得られたペレット2000g、蒸留水2000g及び界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液:純分25%品)3gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3(容量比))450mLを圧入した。次に、オートクレーブ内を100℃まで昇温させた後、2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。発泡性粒子における発泡剤の含浸量は7質量%であった。
<発泡粒子の調製>
得られた発泡性粒子1.5kgを、内容積45Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌しながら0.11〜0.15MPaの水蒸気で加熱して発泡(予備発泡)させ、発泡粒子を得た。この発泡粒子の嵩密度は0.130g/cm、融点は152℃、平均粒子径は2.3mmであった。
<発泡粒子への内圧付与>
発泡粒子を密閉容器内にいれ、この密閉容器内に無機系ガスとして圧縮空気を圧入し、常温にて12時間以上保持して、発泡粒子内に圧縮空気を含浸(内圧付与)させた。圧入の圧力は、0.01〜2.0MPaの範囲で、発泡粒子の圧縮空気含有量が表1の量となるよう調整した。
一方、このようにして内圧付与された発泡粒子とは別に、内圧付与以外は同様にして、内圧付与されていない発泡粒子も得た。
<発泡成形体の製造>
成形装置は、DABO社製「DB−7459PP」を使用した。
圧縮空気を含有した発泡粒子と内圧付与されておらず圧縮空気を含有していない発泡粒子とを表1に示した割合で混合した充填粒子を、凹型の金型と凸型の金型からなる一対の金型(400mm×300mm×厚み20mm)に、表1に示したクラッキング率で充填した。充填完了後、型締めし、表1に示した加熱条件で加熱成形し、真空放冷により金型及び発泡成形体を十分に冷却してから型を開いて発泡成形体を取り出した。取り出した発泡成形体を50〜70℃のオーブン内に4時間以上静置して乾燥させ、内部水分などを逸散させた。
オーブンから取り出し常温で3時間以上静置した発泡成形体について、融着率の測定及び外観の評価を実施し、その結果を表1に示した。また、実施例1については発泡成形体の空隙率も測定した結果、6%だった。
なお、表1中、圧縮空気含有量は、圧縮空気を含有した発泡粒子の圧縮空気含有量を示す。また、圧縮空気を含有した発泡粒子量と内圧付与されていない発泡粒子量は、両量の合計質量を100とした場合の各量の質量割合(質量%)を示す。
Figure 2020124873
比較例では、クラッキング率を90%以上、つまり充填粒子を多量に型内に押し込んで加熱成形しており、外観評価は良好であったが、融着率は低いものであった。一方、実施例では、発泡粒子の無機系ガス含有量、クラッキング率等を所定範囲とすることによって、融着率50%以上かつ外観良好な発泡成形体が得られた。特に、無機系ガスを含有した発泡粒子とこれを含有しない発泡粒子を併用した場合(実施例5〜7)は外見良好且つ融着率が70%以上と非常に高い発泡成形体が得られた。また、実施例1の成形体の空隙率は6%と低く、長期寸法が安定した。
1…成形装置、2…凹型、3…凸型、4…成形型、5…凹型本体、6…フレーム、7…凸型本体、8…フレーム、9…キャビティ、10,11…蒸気室、12…凹型側調圧蒸気弁、13…凹型側ドレン弁、14,19…真空弁、15,20…冷却水弁、16,21…圧力計、17…凸型側調圧蒸気弁、18…凸型側ドレン弁。

Claims (7)

  1. 蒸気導入口が設けられた第1の型と第2の型とを合わせた1対の型にて形成されるキャビティにエステル系エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を充填し、加熱媒体で型及び発泡粒子を加熱することにより発泡成形体を製造する方法であって、
    前記発泡粒子は、その粒子中に0〜2質量%の無機系ガスを含み、
    前記発泡粒子は、前記第1の型と第2の型の間のクラッキング率が3〜85%で充填され、
    前記型及び前記発泡粒子は、前記発泡粒子の融点Tmより30℃低い温度以上Tm以下の温度の加熱媒体で5秒〜60秒間加熱される、
    方法。
  2. キャビティに充填される発泡粒子が、
    0.2〜2質量%の無機系ガスを含む発泡粒子(A)、又は
    前記発泡粒子(A)と無機系ガスを含まない発泡粒子(B)との混合物であって、
    発泡粒子(A)及び(B)の総質量に対する発泡粒子(A)の質量が30〜100質量%である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記クラッキング率が10〜85%である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記加熱時間が10秒〜60秒間である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記加熱温度がTmより25℃低い温度以上Tmより5℃低い温度以下である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記無機系ガスが不活性ガス及び空気からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記発泡成形体の空隙率が7%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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