JP2020124273A - 血液浄化カラム - Google Patents

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Abstract

【課題】血液における除去対象物質の分離を担う中空糸膜カラムと、吸着を担う吸着カラムの両方の機能を備えた血液浄化カラムを提供する。【解決手段】筒と、ヘッダーと、隔壁と、中空糸膜束と、吸着剤とを有する血液浄化カラムであって、前記ヘッダーが、被処理液の導入口または導出口を有しており、前記筒の両端の開口部にそれぞれ取り付けられ、前記隔壁が、前記ヘッダーが取り付けられた筒の内部に設けられ、前記中空糸膜束が、前記筒内部に収納され、かつ前記隔壁の端面において開口端を有するものであり、さらに、前記吸着剤が前記隔壁を隔てたヘッダー側の少なくとも一方の内部に充填されることを特徴とする血液浄化カラム。【選択図】図1

Description

本発明は、中空糸束と、吸着材を有する血液浄化カラムに関する。
血液等の処理液を体外に取り出し、処理液中の病因物質などを血液浄化カラムによって除去し、浄化してから戻す治療としては、人工透析や、アフェレシスと呼ばれる浄化療法が存在する。これまで、血液を中空糸膜により処理し分子量等の大きさによる分画をした後に、吸着材等により成分除去を行う際や、細胞や酵素と接触させ成分変換を行う際には、別々の中空糸膜カラムと吸着カラムを連結し血液浄化を行ってきた。
Abifadelら,Nature Genetics,2003年6月,第34巻,第2号,154−156頁
しかしながら、カラムを二つに分けることは連結部や連結チューブの使用を要するため、余剰の体積が必要となる。被処理液が血液である場合には、患者の体外に持ち出す血液の容量が上記連結部分の体積分増大することになるので、患者の負担も増大する。場合によっては、血圧低下や貧血などの有害事象を引き起こす虞がある。カラムの本数が増加すると、両者の脱着の手間や、後述する医療機器の事前洗浄が煩雑になる。
例えば、中空糸膜カラムと他の血液浄化器との接続には軟性樹脂製チューブを有する血液回路を使用する。セッティング時には、まず、2つの血液浄化器をそれぞれ専用のクランプ器具で固定し、次に両者を、上記血液回路を介して接続する。そのため、従来は1つで足りていた専用のクランプ器具が2つ必要になる。セッティングにも時間を要し、かつ、両者を接続する上記血液回路の配管スペースを考慮する等、作業が煩雑となる。
また、透析治療前に血液浄化器内のエアーや充填液を生理食塩水で置換するプライミングと呼ばれる事前洗浄を行う必要があるが、このプライミング作業では、上記置換を促進させるために血液浄化器を上下反転させることがある。反転動作は、まず、専用のクランプ器具から各血液浄化器を取り外し、次いで反転、取り付け直しと両手での作業が必要であり、非常に作業性が悪く、血液浄化器が複数接続された場合には1人での作業は困難であった。
そこで、本発明は、血液における除去対象物質の分離を担う中空糸膜カラムと、吸着を担う吸着カラムの両方の機能を備えた血液浄化カラムを提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
筒と、ヘッダーと、隔壁と、中空糸膜束と、吸着剤とを有する血液浄化カラムであって、
前記ヘッダーが、被処理液の導入口または導出口を有しており、
前記筒の両端の開口部にそれぞれ取り付けられ、
前記隔壁が、前記ヘッダーが取り付けられた筒の内部に設けられ、
前記中空糸膜束が、前記筒内部に収納され、かつ前記隔壁の端面において開口端を有するものであり、さらに、
前記吸着剤が前記隔壁を隔てたヘッダー側の少なくとも一方の内部に充填されることを特徴とする血液浄化カラムである。
本発明によれば、体外へ持ち出される血液容量の極小化を可能とし、また、複数の血液浄化器の接続作業、プライミング作業を簡易化することが可能となる血液浄化カラムを得ることができる。
本発明の一実施形態を示す、血液浄化カラムの側面断面図である。
本発明の血液浄化カラムは、筒と、ヘッダーと、隔壁と、中空糸膜束と、吸着材とを有する血液浄化カラムであって、
前記ヘッダーが、被処理液の導入口または導出口を有しており、前記筒の両端の開口部にそれぞれ取り付けられ、
前記隔壁が、前記ヘッダーが取り付けられた筒の内部に設けられ、
前記中空糸膜束が、前記筒内部に収納され、かつ前記隔壁の端面において開口端を有するものであり、さらに、前記吸着材が前記隔壁を隔てたヘッダー側の少なくとも一方の内部に充填されてなる。
本発明における血液浄化とは、浄化機能体の特性を利用し、ろ過、拡散、吸着などにより、血液中から目的の病因物質を除去することを目的としたものをいう。
また、本発明の血液浄化カラムに用いられる中空糸膜束と吸着材は、互いに、血液から主に除去対象とする物質が異なることが好ましい。除去対象とする物質が異なる場合とは、例えば、中空糸膜束と吸着材がAという物質を共通に除去するとしても、中空糸膜束と吸着材の一方のみがBという別の物質を除去する場合や、また、A,Bという物質を共通に除去するとしても物質Aの除去率と物質Bの除去率との間に有意と言える差がある場合が挙げられる。すなわち、複数の性質の異なる材料(浄化機能体)が収容された血液浄化カラム1つを用いることにより、異なる「血液浄化」を1度に行うことができる。例えば、血液浄化カラムの1つである血液透析カラムと、β2ミクログロブリン(β2MG)吸着カラム、エンドトキシン吸着カラム、サイトカイン吸着カラム、または白血球除去カラム等を組み合わせて用いることが挙げられる。
次に、図を用いて本発明の好適な実施形態を説明する。以下の説明はあくまで例示であり、本発明はそれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態を示す血液浄化カラムの側面断面積である。図1における血液浄化カラムは、その長手方向の一方の端部の近くに処理液の導入口1aを備え、他方の端部の近くに処理液の導出口1bを備えた筒2と、この筒2に内挿された多数の中空糸膜を一方向に引き揃えてなる中空糸膜束3、およびこの中空糸膜束3を各端部において本体ケースの内壁に固定されている隔壁4を有する。この隔壁4は高分子接着剤などを遠心成形(ポッティング)することにより製造することができる。また、筒2の両端部には、被処理液の導入口5aと被処理液の導出口5bを備えたヘッダー6aとヘッダー6bが筒2の両端部にそれぞれ取り付けられている。
図1においては、隔壁4を隔てたヘッダー6aおよび6bに覆われた内部のそれぞれに吸着材7がそれぞれ充填されている。しかしながら、本発明の血液浄化カラムは、前記吸着材が前記隔壁を隔てたヘッダー側の少なくとも一方の内部に充填されてなるものであり、必ずしもヘッダーにおおわれた部分の内部に前記吸着材が充填されていなくとも、前記隔壁を隔ててヘッダー側において吸着材が存在していてもよい。すなわち、図1において、筒2のみで示される区画内に、隔壁と隔てた状態で吸着材が充填され存在していても構わない。このような形態においては、ヘッダー6aや6bの寸法を必要最小限あるいは、現存する人工腎臓(ダイアライザー)で使用される同サイズのヘッダーを用いることも可能である。ただし、この場合、中空糸膜束3が存在する区画内において、処理液の導入口1aと処理液の導出口1bが存在しなければならないことはいうまでもない。
前記筒、前記ヘッダーの材質は、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、あるいはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのプラスチックが用いられ、超音波溶着が可能な熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
前記ヘッダーの内容積に関しては、特に限定されないが、当該ヘッダーで覆われる部分に前記吸着材を充填する図1の形態においては、通常の血液浄化カラムよりも大きいことが好ましい。通常のヘッダーの内容積としては、両端合わせて21ml程度であるが、これ以上であることが好ましい。内容積として好ましい上限については、両端合わせて527ml以下であることが好ましく、血液浄化カラムの嵩張りや持ち運び性を考慮すると、両端合わせて178ml以下であることがより好ましい。
前記隔壁の材質は、特に限定されないが、本発明に用いられる隔壁の材質としては、ポリウレタン、シリコーン、またはエポキシ等の高分子材料、好適には、これらの2液混合硬化型の高分子接着剤が挙げられる。
前記中空糸膜束は多孔質体であり、水分の除去、もしくは不要物質の濾過を行う働きを備えている。一般的には、中空糸膜の平均細孔径(半径)を7〜50nmとすれば低分子物質や、タンパク質、低密度リポ蛋白質などのタンパク質・脂質集合体等の物質の濾過が可能となり、1〜8μmとすれば血球の分離にも用いることができる。
また、中空糸膜は、構成成分として疎水性ポリマーを有していることが好ましい。疎水性相互作用によりタンパク質等の疎水性物質の吸着効果を期待できるためである。したがって、ポリマーをフィルムに成形した際の水の接触角は、40°以上であることが好ましく、50°以上であることがより好ましく、60°以上であることがさらに好ましい。一方で疎水性が強すぎず、タンパク質が膜内部に拡散せずに膜表面に吸着、堆積し、細孔を塞いでしまうこともないため、上記水の接触角は、120°以下であることが好ましく、110°以下であることがより好ましく、100°以下がさらに好ましく、90°以下であることがさらにより好ましい。
疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン系ポリマー、ポリアリレート、ポリカーボネート、エステル基含有ポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、またはポリアクリロニトリルが挙げられる。ポリスルホン系ポリマーとしてはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルエーテルがある。エステル基含有ポリマーとしてはポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース系ポリマーなどが挙げられる。酢酸セルロース系ポリマーとしてはセルロースの誘導体であるセルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどが挙げられる。
中空糸膜の表面構造および細孔径を制御する方法としては、紡糸時の原料であるポリマー溶液からポリマーが相分離していく現象を利用する方法が用いられる。相分離を利用した手法としては大きく分類して、誘起相分離法と非溶媒誘起分離法に分けることができ、何れの方法が好適かは、ポリマーの種類や望ましい孔径の範囲によって変わる。
中空糸膜の平均細孔径の測定方法については、非特許文献1に記載のように示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量(DSC)測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで求められる。上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献1の記載を参照する。
中空糸膜の製造工程の概要としては、次の方法が例示される。まず、ポリマーを溶媒に溶かした紡糸用の原液を調整する。次いで、紡糸用の原液を二重管環状スリット型口金から吐出する。その際、中空糸膜の内側には注入液体もしくは気体を入れる。口金から吐出後、一定の雰囲気に制御された空中部分(乾式部)を通した後に凝固浴に導く。ここまでの工程で、中空糸膜の膜厚および内外表面の構造は、ほぼ決定される。その後、水洗工程を経てから、巻き取って糸束を得る。水の乾燥により膜性能が変化する場合は、グリセリンなどの保湿剤を付与する工程があっても良い。
また、中空糸膜の膜厚が大きいと吸着容量が大きくなるが、被吸着物質の膜内での拡散抵抗も大きくなるために、十分に吸着性能が発揮できないことがある。一方で、膜厚が小さいと吸着容量が小さくなり、処理液を中空糸膜の内外両方から接触させる効果が小さくなる傾向にある。このため、中空糸の膜厚は25μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、さらには35μm以上が好ましく、一方で100μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましく、さらには60μm以下が好ましい。
また、中空糸膜の表面構造は、膜内部への被吸着物質の拡散に影響を及ぼすため、重要な因子である。さらに、中空糸膜の内側と外側の両方に処理液が接触し、両側から被吸着物質が中空糸膜内部に拡散することになるので、血液透析膜のように、中空糸膜の内側の構造だけでなく、外側の表面の構造も意識すべきである。すなわち、膜表面の開孔率が小さいと、タンパク質は膜内部に拡散しにくい傾向にある。一方で開孔率が大きすぎると、中空糸膜強度が低下する傾向にある。したがって、膜内の表面および外の表面の開孔率(表面を観察したとき、孔が存在している面積の割合)は1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、さらには4%以上が好ましく、一方で40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、さらには20%以下が好ましい。
開孔率についての測定方法の詳細は後述するが、中空糸膜表面の電子顕微鏡像を撮影し、画像処理を行い、算出することができる。
また、前記吸着材の材質は、特に限定されないが、中空糸、中実糸、編布、微粒子など、用途によって様々なものが用いられる。β2マイクログロブリンの吸着量が0.005mg/cm以上である吸着材を用いることが、本発明の血液浄化カラムにおいて、吸着材による治療効果を得る上で好ましい。
中実糸については、多孔質繊維であり、中空部をもたない繊維の形状・形態をとる繊維である。本発明における多孔質繊維は単一であること、すなわち単繊維が好ましく、中実繊維の単繊維をそのまま繊維束としたものでもよい。単繊維を複数絡み合わせ1本の繊維としたマルチフィラメントにしてもよいが、絡み合った部分が被処理液と接触しにくいため好ましくない。なお、ここでいうマルチフィラメントには、同一繊維から構成されているもの、異なる種類の繊維から構成されているものの両方を含む。
また、本発明に用いられる吸着材が中実糸である場合に、該中実糸は以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、前記吸着材が、中実糸であって以下(a)〜(c)を満たす多孔質繊維であることが好ましい。
(a)横断面の形状が、回転非対称形である
(b)横断面の断面積をSf、横断面の外接円で囲まれる面積をSoとすると、外接円占有度Sfoが式「外接円占有度Sfo=Sf/So」で表され、前記外接円占有度Sfoが0.70以下である
(c)比表面積が5m/g以上である
ここで、「(a)横断面の形状が、回転非対称形である」とは、横断面の形状が、真円でないことを意味する。言い換えれば、中実糸の横断面が、円形以外の形状、すなわち異形断面の繊維とすることが好ましい。
また、外接円占有度とは、(b)で示すように、回転非対称形である中実糸の横断面の外接円における中実糸横断面の占有度を意味する。
また、本発明に用いられる吸着材は、中実糸であることが好ましいが、これは多孔質繊維であって、繊維内部に細孔を有するものであることが好ましい。そして、前記細孔の比表面積を制御することで被吸着物質の吸着性能を向上させることができる。このため、中実糸の比表面積は、5m/g以上であることが好ましい。より好ましくは20m/g以上、さらに好ましくは80m/g以上、さらにより好ましくは150m/g以上、特に好ましくは250m/g以上となる。一方で、細孔比表面積が大きすぎると機械的強度が不足することから、細孔比表面積の上限としては好ましくは1000m/g以下であり、より好ましくは800m/g以下、さらに好ましくは650m/g以下、特に好ましくは500m/g以下となる。
比表面積は、非特許文献1に記載のように示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量(DSC)測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで求められる。上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献1の記載を参照する。
中実糸における多孔質繊維の素材としては、特に限定されるものではないが、成形加工のし易さやコストなどの観点から有機物が好適に用いられ、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)、ポリアクリロニトリル(以下、PANという)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、セルロース、セルローストリアセテート、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が用いられる。中でも、ある程度の疎水性でありタンパク質などを吸着できる特性を有する素材を含むことが好ましく、例えば、PMMA、PAN等が挙げられる。PMMA、PANは、また、厚み方向に均一構造を有する繊維の代表例であり、均質構造で孔径分布がシャープな構造を得やすいため好ましい。特にPMMAは非晶性の高分子であり、成形加工性やコストに優れ、また、透明性も高いため、繊維の内部状態も比較的観察が容易であり、ファウリング状態を評価しやすく好ましい。
編布については、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ(p−フェニレンエーテルスルホン)等のポリスルホン系重合体、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン又はポリアクリロニトリル系ポリマーが挙げられるが、アミドメチル化法等による水不溶性担体の表面の修飾容易性の観点からは、ポリスチレンが好ましい。
上記の繊維の構造としては、例えば、1種類のポリマーからなる単独糸又は芯鞘型、海島型若しくはサイドバイサイド型の複合繊維が挙げられるが、芯がポリプロピレン、鞘がポリスチレン、海がポリエチレンテレフタレートの多芯海島型複合繊維や、島がポリプロピレン、海がポリスチレンの海島型複合繊維が好ましい。また、繊維に強度や耐熱性を付与するために、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドにより架橋構造を導入するか、他のポリマーで表面を皮膜することも好ましい。上記の繊維は、抗生物質固定化繊維であることが好ましい。
本発明に用いられる吸着材は微粒子であることもまた好ましい。微粒子については、水に対して不溶性であり且つ直接的または間接的にアニオン性官能基を結合できるものが挙げられるが、例えば、ガラスビ―ズ、シリカゲル、アルミナなどの無機担体;架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子担体;結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストランなどの多糖類からなる有機担体;さらにはこれらの組み合わせによって得られる有機−有機、有機−無機などの複合担体などを挙げることができる。
本発明に用いられる微粒子の大きさは、平均粒子径を25μm以上、1000μm以下にすることができる。当該平均粒径が25μm以上であれば、体液を高流速で長時間、安定してより確実に通液することができる。一方、当該平均粒子径が過剰に大きいと吸着効率が低下するおそれがあり得るので、当該平均粒子径としては1000μm以下が好ましい。また、当該平均粒子径がこの範囲であれば、当該粒子を当該血液浄化カラムに充填して使用する場合でも、体液に含まれる細胞が充分に通過し得る間隙が存在するので、体液を良好に通液できる。但し、体液として血液を用いた場合には、当該平均粒子径が80μm未満であると直接血液灌流(DHP)が困難になるおそれがあり得るので、当該平均粒子径としては80μm以上がより好ましい。当該平均粒子径としては、100μm以上がさらに好ましく、120μm以上が特に好ましく、また、800μm以下がより好ましく、600μm以下がさらに好ましく、500μm以下が特に好ましい。
微粒子の粒径分布は均一である必要は無いが、粒径分布が広すぎると、平均粒径が同じでも小さい微粒子が多く存在し得る。その結果、微粒子間の隙間が小さい部分ができ、該部分では処理流体が通り難くなることから、血液浄化カラム内での処理流体の流れムラを招く可能性がある。
次に、本発明の血液浄化カラムの製造方法について説明する。本発明の血液浄化カラムに用いられる本体ケースとヘッダーとは、接着剤で接合され、または超音波溶着によって接合されていることが好ましい。
図1を用いて製造方法を例示すると、上記に挙げた材質から選ばれる中空糸膜用ポリマーからなる中空糸膜を複数本束ねて中空糸膜束3とし、筒2に挿入し、筒端部に隔壁注型用キャップを取り付けた後に、上記に挙げた材質から選ばれる隔壁用ポリマーをケース端部に注入し、隔壁4を形成することで、中空糸膜束3を筒2に固定する。前記隔壁4が固化した後に、端部における中空糸が両面とも外側に向かって開口するように隔壁部材をカットする。ヘッダー6aまたはヘッダー6bの少なくとも一方に吸着材7を充填する。カット後の筒の両端部に吸着材7を充填したヘッダー6aおよびヘッダー6bを接着剤もしくは超音波溶着によって液密に接合された血液浄化カラムとする。5aは被処理液の導入口であり、5bは被処理液の導出口である。
以上で述べた本発明の血液浄化カラムを用いれば、吸着材を充填したカラムと中空糸膜束を充填したカラムを直列に連結した場合に比べて、除去対象物質に対して1つのカラム内で吸着材と中空糸膜束による分離を一度に実施することが可能となる。また、使用前に吸着材を充填したカラムと中空糸膜束を充填したカラムを直列に連結するために血液回路を接続し、各カラムでプライミングを行う必要があった従来の操作に対し、本発明の血液浄化カラムを用いることにより、回路取り付けおよび取り外し字の操作簡略化および操作時間短縮が可能となる。また、本発明の血液浄化カラムを用いることで、従来、吸着材を充填したカラムと中空糸膜束を充填したカラムを直列に連結する際に使用していた血液回路部分の持ち出し血液量を、減少することが可能となる。
本発明の血液浄化カラムは、前記吸着材が充填された前記ヘッダーで覆われた区画における血液容量が、前記筒内部に収納された前記中空糸膜束における血液容量の1/20以上、1/9以下の範囲内であることが好ましい。この範囲であれば、吸着材による吸着の効果を十分に得られつつ、かつ患者からの持ち出し血液容量を過分とせず抑えられるため好ましい。ただし、治療効果を得る上で上記の血液容量の範囲以外を積極的に排除するものではない。
<測定方法>
<表面の開孔率測定>
中空糸膜の内表面に関しては、中空糸膜を片刃で半円筒状にそぎ切り、内表面を露出させ、外表面に関しては、そのままで、スパッタリングを行い、Pt−Pdの薄膜を中空糸膜表面に形成させて、試料とした。この中空糸膜の内・外表面をフィールドエミッション型走査型電子顕微鏡(日立社製S800)にて倍率1000倍で観察した。このとき、画像の明るさ、コントラストは装置の自動機能を用いた。次に、Microsoft(登録商標)Paint(MicrosoftLtd.)を用いて、孔の部分を黒く塗りつぶした。二値化した後、Matrox Inspector2.2(MatroxElectronicSystemsLtd.)を用いて、孔の部分を白く、それ以外の部分を黒く反転させる画像処理を行い、白い孔の個数及び白い孔の部分の総開孔面積を求め、開孔率を算出した。また、孔の全体が写っておらず、端が切れている場合でも、画像に写っている箇所については、算出対象とした。これらの測定作業を、中空糸3本につきそれぞれランダムに5箇所ずつ、計15枚の画像についての平均値を得た。
孔の形が円でない場合は、その孔の面積と同面積の円に相当する直径を算出して孔径とし、孔径が0.2μm未満のものはノイズとみなし、計数しなかった。
<平均細孔径の測定>
中空糸膜の平均細孔径は示差走査熱量(DSC)測定によって求めた。ナノメートルサイズの細孔に閉じ込められた氷の融点は、通常のバルク氷(融点:0℃)に比べて低下する。この現象を利用して、DSC曲線の融点の分布からLaplaceの式とGibbs−Duhemの式を組み合わせることで、細孔径分布が算出され、平均細孔径を求めることができる。
測定方法としては、水中に浸漬してあった中空糸膜試料の内外表面の付着水を除いた後、約5mmの長さにしたもの約30本を密閉パンにつめて秤量し、DSCにかけた。試料は−55℃に冷却してから、0.3℃/minの昇温速度で加温して測定した。DSCの装置としてTAInstruments社製DSCQ100を用いた。
<粒子径測定>
吸着材に用いる微粒子の粒子径は、走査型電子顕微鏡写真から無作為に選んだ100個の粒子の直径を角度が90度異なる方向から2箇所測定し、全データの平均値を粒子径とした。
1a 処理液の導入口
1b 処理液の導出口
2 筒
3 中空糸膜束
4 隔壁
5a 被処理液の導入口
5b 被処理液の導出口
6a ヘッダー
6b ヘッダー
7 吸着材

Claims (5)

  1. 筒と、ヘッダーと、隔壁と、中空糸膜束と、吸着材とを有する血液浄化カラムであって、
    前記ヘッダーが、被処理液の導入口または導出口を有しており、前記筒の両端の開口部にそれぞれ取り付けられ、
    前記隔壁が、前記ヘッダーが取り付けられた筒の内部に設けられ、
    前記中空糸膜束が、前記筒内部に収納され、かつ前記隔壁の端面において開口端を有するものであり、
    さらに、前記吸着材が前記隔壁を隔てたヘッダー側の少なくとも一方の内部に充填されてなる、血液浄化カラム。
  2. 前記吸着材が、中実糸であって以下(a)〜(c)を満たす多孔質繊維である、請求項1に記載の血液浄化カラム。
    (a)横断面の形状が、回転非対称形である
    (b)横断面の断面積をSf、横断面の外接円で囲まれる面積をSoとすると、外接円占有度Sfoが式「外接円占有度Sfo=Sf/So」で表され、前記外接円占有度Sfoが0.70以下である
    (c)比表面積が5m/g以上である
  3. 前記吸着材が、直径25μm以上1000μm以下の範囲内の微粒子である、請求項1に記載の血液浄化カラム。
  4. 前記吸着材が充填された前記ヘッダーで覆われた区画における血液容量が、前記筒内部に収納された前記中空糸膜束における血液容量の1/20以上、1/9以下の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の血液浄化カラム。
  5. 前記吸着材によるβ2ミクログロブリンの吸着量が0.005mg/cm以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の血液浄化カラム。
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