JP2020123018A - 位置制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンデム制御軸の上に、別途、送り軸が搭載された構成の場合でも、制御対象物の撓みや振動を抑制可能な位置制御装置を提供する。【解決手段】Zm軸,Zs軸によってZ方向に駆動されるクロスレール206のZ位置をタンデム制御するタンデム制御部101cと、各軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを算出するタンデム制御パラメータ調整部114と、を含む位置制御装置100であって、タンデム制御部101cは、位置指令値Zと、各軸の位置検出値Pzm,Pzsと、各タンデム制御パラメータ補正値Jzmε,Jzsεとから各軸のトルク指令値τzm,τzsを算出するZm,Zs軸位置制御部101a,101bを含み、タンデム制御パラメータ調整部114は、主軸頭202のY方向位置に基づいて、各軸換算負荷イナーシャ補正値算出Jzmε,Jzsεを算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、工作機械等に搭載される位置制御装置に関するものであり、特にタンデム制御を行う送り軸を有する位置制御装置に関する。
工作機械などの送り軸機構には、従来からボールねじ駆動方式が一般的に採用されてきた。制御対象物が大型であったり、重量が大きかったりする場合、ボールねじを太くしたり、リード角を小さくしたりして、重量物に対応してきた。ボールねじ端に連結し、ボールねじを回転させるためのモータも、重量物を移動させるために大トルクのものが選定されてきた。大トルクモータを選定した場合、モータに供給する電流量も当然ながら大きくなるため、モータへの動力線のsqサイズも太いものが選定されてきた。更には、モータを制御するための位置制御装置のアンプサイズも大容量のものを選定してきた。
しかし、制御対象物の形状によっては、ボールねじを太くしたり、大トルクのモータを採用したりしても、制御性が悪い場合があった。図3は、門形構造のダブルコラム式立型マシニングセンタ200Aの一例である。本例では、被加工物を搭載するテーブル201を駆動させるX軸と、工具を装着した主軸頭202をクロスレール206の上で駆動させるY軸と、2つのコラム203a,203bの上でクロスレール206を上下に駆動させるZ軸との3つの送り軸で構成されている。なお、各送り軸は、図示しないボールねじと、すべり案内面204a〜204eと、モータ205a〜205cによる駆動方式である。ここで、Z軸は、図3に示す左側のコラム203aにのみ駆動源となるボールねじやモータ205cが配設されている。この構成の場合、Z軸の制御対象物であるクロスレール206の重心に対し、駆動源が作用するポイントが左端の方に位置することになる。クロスレール206の進行方向に対し、ヨーイング方向の姿勢変形が加わり、制御性を悪くしたり、加工精度を損なったりしていた。
そこで、図3の右側のコラム203bにも、駆動源となるボールねじやモータを配設することがある。図3の左側のコラム203aに配設した駆動軸をZm軸、右側のコラム203bに配設した駆動軸をZs軸とし、2つの駆動源で制御対象物であるクロスレール206をZ軸方向に制御するタンデム制御が用いられるようになった(例えば、特許文献1〜3参照)。この構成の場合、クロスレール206のヨーイング方向の姿勢変形は大幅に低減され、制御性が改善していた。
特開2001−273037号公報 特開2016−45549号公報 特開2016−177513号公報
ところで、従来技術のタンデム制御では、Zm軸とZs軸とで、同様の位置指令を行い、制御対象物を制御する。しかし、図3に示すようなダブルコラム式立型マシニングセンタ200Aは、制御対象物であるクロスレール206の上に、別途、送り軸としてY軸が配置されており、主軸頭202がY軸の指令位置に従って、クロスレール206の上を移動する。主軸頭202もそれなりの重量物であり、Y軸方向の位置によって、クロスレール206の重心位置が変化し、Zm軸とZs軸とで、軸換算負荷イナーシャ値に相違が発生する。
このように、Zm軸とZs軸とで、軸換算負荷イナーシャ値に相違がある状況で、同様の位置指令、同様の制御パラメータで制御すると制御対象物にヨーイング方向の力が加わってしまい、制御対象物の撓みや振動といった事態を引き起こす場合があった。
そこで、本発明は、タンデム制御される制御対象物の上に制御方向と直交方向に送り軸が搭載された構成の場合に制御対象物の撓みや振動を抑制することを目的とする。
本発明の位置制御装置は、互いに平行な2つの駆動軸によって第1軸の方向に駆動される1つの第1制御対象の第1位置をタンデム制御するタンデム制御部と、各前記駆動軸の各タンデム制御パラメータ補正値を算出するタンデム制御パラメータ調整部と、を含む位置制御装置であって、前記タンデム制御部は、上位装置から入力される位置指令値と、対応する前記駆動軸の位置検出値と、前記タンデム制御パラメータ調整部から入力された対応する前記駆動軸のタンデム制御パラメータ補正値とから対応する前記駆動軸のトルク指令値をそれぞれ算出する2個の位置制御部を含み、前記タンデム制御パラメータ調整部は、前記第1制御対象に取り付けられて前記第1軸と直交する第2軸の方向に駆動される第2制御対象の第2位置、或いは、前記第2制御対象への位置指令値に基づいて、各前記駆動軸の各タンデム制御パラメータ補正値を算出すること、を特徴とする。
本発明の位置制御装置によれば、互いに平行な2つの駆動軸によって第1軸の方向に駆動される1つの第1制御対象の上に、第1軸と直交する第2軸の方向に駆動される第2制御対象が取り付けられた構成の場合でも、第2制御対象の位置に基づいて各駆動軸の各タンデム制御パラメータ補正値を算出し、算出したタンデム制御パラメータ補正値に基づいて各駆動軸のトルク指令値を算出するので、第1制御対象に加わるヨーイング方向の力を抑制でき、第1対象物の撓みなどを低減できる。これにより、工作機械の加工精度の向上や、加工工具のダメージの抑制を図ることができる。
本発明の位置制御装置において、前記タンデム制御パラメータ調整部にて算出される各タンデム制御パラメータ補正値は、各前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ補正値としてもよい。
このように、各駆動軸の軸換算負荷イナーシャ補正値により、各駆動軸のフィードフォワード値を適切に制御できるようになるため、第1制御対象の撓みなどの悪影響を発生前に低減することができる。
本発明の位置制御装置において、前記各位置制御部は、前記タンデム制御パラメータ調整部から入力された対応する各前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ補正値によって対応する前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ値を補正して対応する前記駆動軸のトルク指令値をそれぞれ算出してもよい。
これにより、位置制御装置の対応機器の冗長度を大きくすることができる。
本発明の位置制御装置において、前記第2制御対象は、一の前記駆動軸側の一終端と他の前記駆動軸側の他終端との間で第2軸の方向に移動し、一の前記駆動軸の前記軸換算負荷イナーシャ補正値は、前記第1制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値の半分の値と、前記一終端と前記他終端との間の第2軸の方向の距離に対する前記他終端から前記第2制御対象までの間の第2軸の方向の距離との割合に前記第2制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値を掛けた値との合計である一の前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ値から、前記第1制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値と前記第2制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値との合計値の半分である前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ定常値を減算した値としてもよい。
これにより、簡便に各駆動軸の各軸換算負荷イナーシャ補正値を算出することができる。
本発明の位置制御装置によれば、タンデム制御される制御対象物の上に制御方向と直交方向に送り軸が搭載された構成の場合でも制御対象物の撓みや振動を抑制することができる。
実施形態の位置制御装置が適用される門形構造のダブルコラム式立型マシニングセンタの概略構成を示す斜視図である。 実施形態の位置制御装置の一例を示す概略ブロック図である。 従来技術の門形構造のダブルコラム式立型マシニングセンタの概略構成を示す斜視図である。
以下、実施形態の位置制御装置100について図面を参照しながら説明するが、最初に図1を参照しながら位置制御装置100が適用される門形構造のダブルコラム式立型マシニングセンタ200Bの構成について説明する。
図1に示すように、ダブルコラム式立型マシニングセンタ200Bは、被加工物を搭載するテーブル201を駆動させるX軸と、2つのコラム203a,203bの上で第1制御対象である1つのクロスレール206を第1軸であるZ軸と、第2制御対象である工具を装着した主軸頭202をクロスレール206の上で駆動させる第2軸であるY軸と、の3つの送り軸で構成されている。ここで、Z軸は、図1に示す左側のコラム203aと右側のコラム203bとに駆動源となるボールねじやモータ205c,205dが配設されている。2つのコラム203a,203bの上端部は、トップビーム208によりY方向に接続されている。また、Z軸と直交するY軸には、主軸頭202の駆動源となるボールねじやモータ205bが配設されている。各送り軸は、図示しないボールねじと、すべり案内面204a〜204eと、モータ205a〜205dにより駆動される。また、モータ205bには、Y軸位置検出器207bが内蔵されている。
図2に示す位置制御装置100は、図1に示す門形構造のダブルコラム式立型マシニングセンタ200Bの制御を行うものである。位置制御装置100は、図1中の左側のコラム203aに配設した駆動軸であるZm軸、右側のコラム203bに配設した駆動軸であるZs軸の互いに平行な2つの駆動軸によってクロスレール206の第1位置であるZ方向位置をタンデム制御する。また、位置制御装置100は、Y軸位置制御部101dによって主軸頭202のY方向位置を制御する。ここで、Zm軸はタンデム制御のマスター側の送り軸であり、Zs軸はタンデム制御のスレーブ側の送り軸である。
図2に示すように、位置制御装置100は、タンデム制御部101cと、タンデム制御パラメータ調整部である制御パラメータ調整部114と、を含んでいる。
タンデム制御部101cは、互いに平行な2つの駆動軸であるZm軸とZs軸とによって第1軸の方向であるZ軸方向に駆動されるクロスレール206の第1位置であるZ方向位置をタンデム制御する。また、Y軸位置制御部101dは、クロスレール206に取り付けられる主軸頭202の第2位置であるY方向位置を制御する。
図2に示すように、タンデム制御部101cは、Zm軸位置制御部101aと、Zs軸位置制御部101bの2個の位置制御部で構成されている。
Zm軸位置制御部101aは、フィードフォワード部101aFFとフィードバック部101aFBと加算器112aとで構成されている。
フィードフォワード部101aFFは、図示しない上位装置である数値制御装置から入力される位置指令値Zに基づいて加速度指令値Azfを算出し、加速度指令値Azfに対応するZm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmを乗じてZm軸のトルクフィードフォワードτzmfを算出する。
図2に示すように、数値制御装置から指示された位置指令値Zは、加減速処理部102aにて、適切に設定された加減速時定数による加減速処理を行い、位置制御周期ごとの微小位置指令値Zcとなる。微小位置指令値Zcは、微分器103aで時間微分され、速度フィードフォワード値Vzfとなり、更に、微分器104aで時間微分されて、加速度指令値Azfとなる。増幅器105aは、加速度指令値Azfにクロスレール206等のZm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmを乗じてZm軸のトルクフィードフォワードτzmfを算出する。
ここで、増幅器105aは、制御パラメータ調整部114から送出されてくるZm軸の軸換算負荷イナーシャ補正値JzmεにZm軸の軸換算負荷イナーシャ定常値を加算してZm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmを算出し、算出したZm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmを加速度指令値Azfに乗ずる。ここで、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ定常値は、Y軸のモータ205bやボールねじなどを含んだクロスレール206のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値をJc、主軸頭202のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値をJsとして(Jc+Js)/2として算出される値である。
制御パラメータ調整部114は、以下の様にZm軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmεを算出する。ここで、軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmεは、Zm軸のタンデム制御パラメータ補正値に相当する。
主軸頭202がY軸上を、Zm軸を配置したコラム203a側に最も移動して一終端に位置している際には、主軸頭202のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jsは、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmに支配的に影響する。逆に、主軸頭202がY軸上を、Zs軸を配置したコラム203b側に最も移動した他終端に位置している際には、主軸頭202のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jsは、Zs軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzsに支配的に影響する。ここで、Y軸のモータ205bやボールねじなどを含んだクロスレール206のZ軸方向のモータ軸換算負荷イナーシャ値をJc、主軸頭202がZm軸を配置したコラム203a側の一終端に移動した際のY方向位置をPy1、主軸頭202がZs軸を配置したコラム203b側の他終端に移動した際のY方向位置をPy0、主軸頭202のY方向位置をPyとすると、主軸頭202のY方向位置PyにおけるZm軸に影響するZm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmは、式(1)で算出される。ここで、主軸頭202のY方向位置Pyは、Y軸位置検出器207bの出力に基づいて算出される。
このように、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmは、クロスレール206のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jcの半分の値と、Zm軸側の一終端とZs軸側の他終端との間のY方向距離(Py1−Py0)に対する他終端から主軸頭202までの間のY方向距離(Py−Py0)との割合に主軸頭202のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jsを掛けた値との合計値として計算される。
増幅器105aには、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ定常値である(Jc+Js)/2が定常値として設定されている。式(1)からこれを引いた分が、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmεとなり、式(2)にて表現される。
このようにして、制御パラメータ調整部114で算出されたZm軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmεは、Zm軸位置制御部101aの増幅器105aに入力される。増幅器105aは、加減乗除の各演算器と記憶器等からなる構成であり、制御パラメータ調整部114から入力されたZm軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmεと、予め記憶した軸換算負荷イナーシャ定常値(Jc+Js)/2とを加算して、Zm軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzmとし、この軸換算負荷イナーシャ値Jzmを加速度指令値Azfに掛けてトルクフィードフォワードτzmfを算出する。
一方、フィードバック部101aFBは次のように構成されている。図2に示すように、Zm軸のモータ205cに内蔵されたZm軸位置検出器207cの位置検出値Pzmを位置フィードバックして、減算器106aにて、微小位置指令値Zcから減算して位置誤差を算出する。算出した位置誤差は、位置誤差増幅器Kp107aで増幅される。その出力は、加算器108aでフィードフォワード部101aFFから入力される速度フィードフォワード値Vzfと加算されて速度指令値となる。減算器109aは、この速度指令値から位置検出値Pzmを微分器111aで微分した速度vzmを減算して速度誤差を算出する。速度誤差は、速度誤差増幅器Gv110aで、比例積分増幅され出力される。
加算器112aは、フィードバック部101aFBの速度誤差増幅器Gv110aの出力と、フィードフォワード部101aFFから出力されるトルクフィードフォワードτzmfとを加算して、Zm軸のトルク指令値τzmとして出力する。
Zs軸位置制御部101bは、Zm軸位置制御部101aと同様の構成要素で構成される。Zs軸位置制御部101bの各構成要素はZm軸位置制御部101aの各構成要素の各符号中のaをbとして示す。また、指令値、算出値についてはZm軸位置制御部101a中の各指令値、算出値の符号中のmをsとして示す。
Zs軸位置制御部101bは、Zm軸位置制御部101aと同様の処理を行うが、Y方向位置PyにおけるZs軸に影響する軸換算負荷イナーシャ値Jzsは、式(3)にて表現され、且つ、Zs軸の軸換算負荷イナーシャ補正値Jzsεも式(4)のように表現される。
式(3)に示すように、Zs軸の軸換算負荷イナーシャ値Jzsは、クロスレール206のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jcの半分の値と、Zm軸側の一終端とZs軸側の他終端との間のY方向距離(Py1−Py0)に対する一終端から主軸頭202までの間のY方向距離(Py1−Py)との割合に主軸頭202のZ軸方向の軸換算負荷イナーシャ値Jsを掛けた値との合計値として計算される。
以上説明した実施形態の位置制御装置100は、互いに平行な2つの駆動軸によってZ軸の方向に駆動されるクロスレール206の上に、Z軸と直交するY軸の方向に駆動される主軸頭202が取り付けられた構成の場合でも、主軸頭202のY方向位置に基づいてZm軸,Zs軸の各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを算出し、算出した軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεに基づいてZm軸,Zs軸の各トルク指令値τzm,τzsを算出するので、クロスレール206に加わるヨーイング方向の力を抑制でき、クロスレール206の撓みなどを低減できる。これにより、工作機械の加工精度の向上や、加工工具のダメージの抑制を図ることができる。
また、実施形態の位置制御装置100では、Zm軸、Zs軸の各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεにより、タンデム制御部101cとして、Zm軸とZs軸のフィードフォワード値を適切に制御できるようになるため、クロスレール206の撓みなどの悪影響を発生前に低減することができる。
以上、実施形態の位置制御装置100の一例を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、制御パラメータ調整部114で算出するZm軸、Zs軸の各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεについて、式(1)〜式(4)を用いて算出することとして説明したが、これに限らず、例えば、Y方向位置Pyに対する適切な各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを、予め実測しておいて、テーブル上に記憶しておき、Y方向位置Pyを入力する都度、テーブル201から適切な各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを選定しても良い。また、図1に示したタンデム制御のブロック構成についても、一例であり、Zm軸とZs軸の各トルク指令値τzm,τzsを調整するような機能を付加しようがしまいが、本発明の範囲を限定するものではない。
また、本実施形態では、Y軸位置検出器207bの出力に基づいて算出される主軸頭202のY方向位置Pyに基づいてZm軸、Zs軸の各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを算出することとして説明したが、これに限らず、Y軸位置制御部101dから出力される主軸頭202のY軸方向の位置指令値に基づいて各軸換算負荷イナーシャ補正値Jzmε,Jzsεを算出してもよい。
更に、各送り軸の位置フィードバックの現在位置には、各モータ205b〜205dに内蔵した各位置検出器207b〜207dを採用する例を示したが、例えば、各送り軸にそれぞれリニアエンコーダを装着し、位置フィードバックの現在位置に各リニアエンコーダの出力を採用してもよい。
100 位置制御装置、101a Zm軸位置制御部、101aFF,101bFF フィードフォワード部、101aFB,101bFB フィードバック部、101b Zs軸位置制御部、101c タンデム制御部、101d Y軸位置制御部、102a,102b 加減速処理部、103a,103b,104a,104b,111a,111b 微分器、105a,105b,107a,107b,110a,110b 増幅器、106a,106b,109a,109b 減算器、108a,108b,112a,112b 加算器、114 制御パラメータ調整部、200A,200B ダブルコラム式立型マシニングセンタ、201 テーブル、202 主軸頭、203a 左側コラム、203b 右側コラム、204a〜e すべり案内面、205a X軸モータ、205b Y軸モータ、205c Zm軸モータ、205d Zs軸モータ、206 クロスレール、207b Y軸位置検出器、207c Zm軸位置検出器、207d Zs軸位置検出器、208 トップビーム。

Claims (4)

  1. 互いに平行な2つの駆動軸によって第1軸の方向に駆動される1つの第1制御対象の第1位置をタンデム制御するタンデム制御部と、
    各前記駆動軸の各タンデム制御パラメータ補正値を算出するタンデム制御パラメータ調整部と、を含む位置制御装置であって、
    前記タンデム制御部は、上位装置から入力される位置指令値と、対応する前記駆動軸の位置検出値と、前記タンデム制御パラメータ調整部から入力された対応する前記駆動軸のタンデム制御パラメータ補正値とから対応する前記駆動軸のトルク指令値をそれぞれ算出する2個の位置制御部を含み、
    前記タンデム制御パラメータ調整部は、前記第1制御対象に取り付けられて前記第1軸と直交する第2軸の方向に駆動される第2制御対象の第2位置、或いは、前記第2制御対象への位置指令値に基づいて、各前記駆動軸の各タンデム制御パラメータ補正値を算出すること、
    を特徴とする位置制御装置。
  2. 請求項1に記載の位置制御装置であって、
    前記タンデム制御パラメータ調整部にて算出される各タンデム制御パラメータ補正値は、各前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ補正値であること、
    を特徴とする位置制御装置。
  3. 請求項2に記載の位置制御装置であって、
    前記各位置制御部は、前記タンデム制御パラメータ調整部から入力された対応する各前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ補正値によって対応する前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ値を補正して対応する前記駆動軸のトルク指令値をそれぞれ算出すること、
    を特徴とする位置制御装置。
  4. 請求項3に記載の位置制御装置であって、
    前記第2制御対象は、一の前記駆動軸側の一終端と他の前記駆動軸側の他終端との間で第2軸の方向に移動し、
    一の前記駆動軸の前記軸換算負荷イナーシャ補正値は、
    前記第1制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値の半分の値と、前記一終端と前記他終端との間の第2軸の方向の距離に対する前記他終端から前記第2制御対象までの間の第2軸の方向の距離との割合に前記第2制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値を掛けた値との合計である一の前記駆動軸の軸換算負荷イナーシャ値から、
    前記第1制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値と前記第2制御対象の前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ値との合計値の半分である前記第1軸の軸換算負荷イナーシャ定常値を減算した値であること、
    を特徴とする位置制御装置。
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