JP2020122454A - 遠心回転機械 - Google Patents

遠心回転機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2020122454A
JP2020122454A JP2019015513A JP2019015513A JP2020122454A JP 2020122454 A JP2020122454 A JP 2020122454A JP 2019015513 A JP2019015513 A JP 2019015513A JP 2019015513 A JP2019015513 A JP 2019015513A JP 2020122454 A JP2020122454 A JP 2020122454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow passage
axis
flow path
guide
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019015513A
Other languages
English (en)
Inventor
千尋 明連
Chihiro Myoren
千尋 明連
山下 修一
Shuichi Yamashita
修一 山下
未来 黒田
Miki Kuroda
未来 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2019015513A priority Critical patent/JP2020122454A/ja
Publication of JP2020122454A publication Critical patent/JP2020122454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】より広い回転数域で安定的に運転することが可能な遠心回転機械を提供する。
【解決手段】遠心回転機械は、回転軸1と、複数のインペラと、インペラ収容空間が形成され、インペラ収容空間の外周側から径方向外側に延びるディフューザ流路、ディフューザ流路の径方向外側の端部から径方向内側に転向するリターンベンド部24、リターンベンド部24から径方向内側に延びるリターン流路25、及びリターン流路25とインペラ収容空間とを連通する案内流路21が形成されたケーシングと、を備え、ケーシングには、案内流路21と前段側のインペラ収容空間とを連通する連通流路70が形成され、回転軸1の外周面には、連通流路70内の流体を回転軸1の回転方向に案内する流路形成部材60が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、遠心回転機械に関する。
遠心回転機械の一種である遠心圧縮機は、軸線に沿って延びる回転軸と、回転軸に固定された複数のインペラと、これらインペラを収容する空間(インペラ収容空間)が形成されるとともに、流体が流通する流路を画成するケーシングと、を備えている。ケーシングに形成された流路は、インペラの出口側から径方向外側に向かって延びるディフューザ流路と、当該ディフューザ流路の径方向外側の端部から径方向内側に転向するリターンベンド部と、当該リターンベンド部から径方向内側に延びる案内流路と、を有している。案内流路上には、流体を整流するためのリターンベーンが設けられている。
上記の遠心圧縮機では、ケーシングの内周面と回転軸の外周面との間に、案内流路とインペラ収容空間とを連通する空間が必然的に形成されてしまう。この空間を通じて、相対的に高圧である案内流路からインペラ収容空間側に流体が逆流する場合がある。そこで、この空間を臨むケーシングの内周面にシール装置を設けることで、流体の逆流を抑止する技術が従来提唱されている(例えば下記特許文献1参照)。
ところで、上記の案内流路とインペラ収容空間とを連通する空間内では、流体の流れのうち、軸線に沿う速度成分が支配的である。言い換えると、回転軸の回転方向に流れる旋回成分は含まれていないか、又は極わずかである。この場合、回転中の回転軸とケーシングとの間で、軸線に沿う速度成分が摩擦抵抗(トルク)を生じさせ、遠心圧縮機の効率が低下する可能性がある。そこで、下記特許文献1に記載された装置では、ケーシングの内周面におけるシール装置の下流側(インペラ収容空間側)に、流体に旋回成分を付与するための案内部が設けられている。
特許第5314255号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る装置では、回転軸ではなくケーシングに案内部が設けられていることから、遠心圧縮機の回転数によっては、上記空間を流れる流体に対して旋回成分を十分に付与できない場合がある。特に、低回転数域で得られる旋回成分は限定的である。その結果、摩擦損失が十分に低減されず、インペラの円滑な回転が妨げられてしまう可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、より広い回転数域で安定的に運転することが可能な遠心回転機械を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る遠心回転機械は、軸線回りに回転可能な回転軸と、該回転軸に固定された複数のインペラと、該インペラを収容するインペラ収容空間が複数形成されるとともに、該インペラ収容空間の外周側から径方向外側に延びるディフューザ流路、該ディフューザ流路の径方向外側の端部から径方向内側に転向するリターンベンド部、該リターンベンド部から径方向内側に延びるリターン流路、及び該リターン流路と前記インペラ収容空間とを連通する案内流路が形成されたケーシングと、を備え、前記ケーシングには、前記案内流路と、前段側の前記インペラ収容空間とを連通する連通流路を画成するとともに、前記回転軸の外周面に対向する対向面が形成され、前記対向面には、前記回転軸の外周面に対してクリアランスを介して対向するシールフィンが設けられ、前記回転軸の外周面であって、前記連通流路における前記シールフィンよりも前記軸線方向一方側には、前記クリアランスを通過した流体に前記回転軸の回転方向の速度成分を付与する流路形成部材が設けられている。
上記構成によれば、ケーシングにおける回転軸の外周面と対向する対向面であって、シールフィンの軸線方向一方側に流路形成部材が設けられている。この流路形成部材を流体が通過することによって、当該流体には回転軸の回転方向の速度成分(旋回成分)が付与される。これにより、回転軸の外周面とケーシングの内周面(対向面)との間における摩擦損失を低減することができる。その結果、回転軸のより円滑な回転を実現することができる。さらに、上記の構成では、ケーシングではなく、回転軸に流路形成部材が設けられていることから、回転軸の回転に伴って、流体に対してより積極的に旋回成分を付与することができる。加えて、回転軸の回転数に応じて、旋回成分の比率を自律的に増減させることができる。これにより、ケーシングと回転軸との間の摩擦損失をより一層低減することができる。一方で、回転軸ではなくケーシングに流路形成部材が設けられている場合、回転数によっては、流体に対して旋回成分を十分に付与できない場合がある。特に、低回転数域で得られる旋回成分は限定的である。その結果、摩擦損失が十分に低減されず、インペラの円滑な回転が妨げられてしまう可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を十分に低減することができる。
上記遠心回転機械では、前記流路形成部材は、前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って、前記回転方向前方側に向かって延びるとともに、前記軸線に対する周方向に間隔をあけて配列された複数の案内板であってもよい。
上記構成によれば、流路形成部材として、回転軸の外周面に複数の案内板が設けられている。各案内板は、軸線方向他方側から軸線方向一方側に向かうに従って、回転軸の回転方向前方側に向かって延びている。これにより、回転軸の回転に伴って、連通流路内の流体が案内板によって案内され、流体には回転方向の速度成分が付与される。したがって、回転軸の外周面とケーシングの内周面(対向面)との間における摩擦損失を低減することができる。その結果、回転軸のより円滑な回転を実現することができる。
上記遠心回転機械では、前記流路形成部材は、前記回転軸の外周面から前記軸線に対する径方向外側に突出する案内ブロックであり、該案内ブロックの内部には、前記流体を案内する複数の貫通孔が形成され、該貫通孔は、前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って、前記回転方向前方側に向かって延びていてもよい。
上記構成によれば、流路形成部材として、回転軸の外周面に案内ブロックが設けられている。案内ブロックの内部には、軸線方向他方側から軸線方向一方側に向かうに従って、回転軸の回転方向前方側に向かって延びる貫通孔が複数形成されている。これにより、回転軸の回転に伴って、連通流路内の流体が貫通孔に流れ込み、当該貫通孔によって流体には回転方向の速度成分が付与される。したがって、回転軸の外周面とケーシングの内周面(対向面)との間における摩擦損失を低減することができる。その結果、回転軸のより円滑な回転を実現することができる。
上記遠心回転機械では、前記流路形成部材は、前記軸線に対する径方向から見て、前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って、前記回転方向前方側に向かって湾曲するとともに、前記軸線に対する周方向に間隔をあけて配列された複数の案内翼であってもよい。
上記構成によれば、流路形成部材として、回転軸の外周面に複数の案内翼が設けられている。各案内翼は、軸線方向他方側から軸線方向一方側に向かうに従って、回転軸の回転方向前方側に向かって湾曲している。これにより、回転軸の回転に伴って、連通流路内の流体が案内翼によって案内され、流体には回転方向の速度成分が付与される。特に、流路形成部材が湾曲していない構成に比べて、流体をより円滑に転向させることができる。したがって、回転軸の外周面とケーシングの内周面(対向面)との間における摩擦損失をより一層低減することができる。その結果、回転軸のより円滑な回転を実現することができる。
上記遠心回転機械では、前記軸線を含む断面視で、前記流路形成部材の径方向外側の端部は、前記シールフィンの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置していてもよい。
上記構成によれば、軸線を含む断面視で、流路形成部材の径方向外側の端部は、シールフィンの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置している。言い換えると、流路形成部材は、径方向においてシールフィンと回転軸の外周面との間に形成されたクリアランスと重なるように配置されている。したがって、クリアランスを通過した流体を、より積極的に流路形成部材に導くことができる。その結果、回転軸の外周面とケーシングの内周面(対向面)との間における摩擦損失をより一層低減することができる。その結果、回転軸のより円滑な回転を実現することができる。
本発明によれば、より広い回転数域で安定的に運転することが可能な遠心回転機械を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機の要部拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る流路形成部材の構成を示す拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る流路形成部材を径方向から見た図である。 本発明の第二実施形態に係る流路形成部材を径方向から見た図である。 本発明の第三実施形態に係る流路形成部材を径方向から見た図である。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機100(遠心回転機械)について図1から図3を参照して説明する。図1に示すように、遠心圧縮機100は、軸線O回りに回転する回転軸1と、この回転軸1の周囲を覆うことで流路2を形成するケーシング3と、回転軸1に設けられた複数段のインペラ4と、回転軸1の外周面に設けられた流路形成部材60と、を備えている。
ケーシング3は、軸線Oに沿って延びる円筒状をなしている。回転軸1は、このケーシング3の内部を軸線Oに沿って貫通するように延びている。軸線O方向におけるケーシング3の両端部には、それぞれジャーナル軸受5及びスラスト軸受6が設けられている。回転軸1は、これらジャーナル軸受5とスラスト軸受6とによって軸線O回りに回転可能に支持されている。
ケーシング3の軸線O方向一方側には、外部から作動流体Gとしての空気を取り入れるための吸気口7が設けられている。さらに、ケーシング3の軸線O方向他方側には、ケーシング3内部で圧縮された作動流体Gが排気される排気口8が設けられている。
ケーシング3の内側には、これら吸気口7と排気口8とを連通し、縮径と拡径を繰り返す内部空間が形成されている。この内部空間は、それぞれインペラ4を収容する複数(6つ)のインペラ収容空間Vと、これらインペラ収容空間Vを接続する流路2と、を有している。なお、以降の説明では、この流路2上における吸気口7が位置する側を上流側と呼び、排気口8が位置する側を下流側と呼ぶ。
回転軸1には、その外周面上で軸線O方向に間隔を空けて複数(6つ)のインペラ4が固定されている。各インペラ4は、図2に示すように、軸線O方向から見て略円形の断面を有するディスク41と、このディスク41の上流側の面に設けられた複数のブレード42と、これら複数のブレード42を上流側から覆うカバー43と、を有している。
ディスク41は、軸線Oと交差する方向から見て、該軸線O方向の一方側から他方側に向かうに従って、径方向の寸法が次第に拡大するように形成されることで、おおむね円錐状をなしている。ディスク41の軸線O方向他方側の面は、背面41Bとされている。背面41Bは、軸線Oに対する径方向に広がっている。ブレード42は、ディスク41の軸線O方向における両面のうち、背面41Bとは反対側を向く面上で、軸線Oを中心として径方向外側に向かって放射状に複数配列されている。より詳しくは、これらブレードは、ディスク41の上流側の面から上流側に向かって延びる薄板によって形成されている。これら複数のブレード42は、軸線O方向から見た場合、周方向の一方側から他方側に向かうように湾曲している。
ブレード42の上流側の端縁には、カバー43が設けられている。言い換えると、上記複数のブレード42は、このカバー43とディスク41とによって軸線O方向から挟持されている。これにより、カバー43、ディスク41、及び互いに隣り合う一対のブレード42同士の間には空間が形成される。この空間は、後述する流路2の一部(圧縮流路22)をなしている。
本実施形態では、1つのインペラ4ごと(1つの圧縮段ごと)に1つの流路2が形成されているものとして説明を行う。すなわち、遠心圧縮機100では、最後段のインペラ4を除く5つのインペラ4に対応して、上流側から下流側に向かって5つの流路2が形成されている。
それぞれの流路2は、案内流路21と、圧縮流路22と、ディフューザ流路23と、リターンベンド部24と、リターン流路25と、を有している。なお、図2は、流路2及びインペラ4のうち、1段目から3段目の流路2及びインペラ4を主として示している。
1段目のインペラ4では、案内流路21は上記の吸気口7と直接接続されている。この案内流路21によって、外部の空気が流路2上の各流路に作動流体Gとして取り込まれる。より具体的には、この案内流路21は、上流側から下流側に向かうにしたがって、軸線Oに対する径方向内側から外側に向かって次第に湾曲している。
2段目以降のインペラ4に対応する案内流路21は、前段(1段目)の流路2におけるリターン流路25(後述)の下流端と連通されている。すなわち、リターン流路25を通過した作動流体Gは、上記と同様に、軸線Oに沿って下流側を向くように、その流れ方向が変更される。
圧縮流路22は、ディスク41の上流側の面、カバー43の下流側の面、及び周方向に隣り合う一対のブレード42によって囲まれた流路である。より詳しくは、この圧縮流路22は、径方向内側から外側に向かうに従って、その断面積が次第に減少している。これにより、インペラ4が回転している状態で圧縮流路22中を流通する作動流体Gは、徐々に圧縮されて高圧状態となる。
ディフューザ流路23は、インペラ収容空間Vの外周側から径方向外側に向かって延びる流路である。このディフューザ流路23は、作動流体Gの静圧を回復させるために設けられている。
ディフューザ流路23の下流側には、リターンベンド部24とリターン流路25とが形成されている。リターンベンド部24は、ディフューザ流路23を経て、径方向の内側から外側に向かって流通した作動流体Gの流れ方向を径方向内側に向かって反転させる。リターンベンド部24の一端側(上流側)は、上記ディフューザ流路23に連通され、他端側(下流側)は、リターン流路25に連通されている。
リターン流路25は、リターンベンド部24の下流側の端部から径方向内側に向かって延びている。リターン流路25の径方向外側の端部は、上記のリターンベンド部24と連通されている。リターン流路25の径方向内側の端部は、上述のように後段の流路2における案内流路21に連通されている。ケーシング3におけるリターン流路25を形成する壁面のうち、軸線O方向一方側(上流側)の壁面は、上流側壁面3aとされている。ケーシング3におけるリターン流路25を形成する壁面のうち、軸線O方向他方側(下流側)の壁面は、下流側壁面3bとされている。
図3に示すように、リターンベーン50は、リターン流路25及び案内流路21にまたがるようにして、複数が設けられている。複数のリターンベーン50は、軸線Oを中心として放射状に配列されている。これらリターンベーン50は、軸線Oの周囲で周方向に間隔を空けて配列されている。リターンベーン50は、軸線O方向の両端が、リターン流路25及び案内流路21を形成するケーシング3に接している。即ち、リターンベーン50の軸線O方向一方側(上流側)は上流側壁面3aに径方向全域にわたって接している。リターンベーン50の軸線O方向他方側(下流側)は、下流側壁面3bに径方向全域にわたって接している。
さらに、図2又は図3に示すように、本実施形態に係る遠心圧縮機100では、上述の案内流路21と、前段側のインペラ収容空間Vとを連通する連通流路70が形成されている。連通流路70は、回転軸1を円滑に回転させるために必然的に形成される空間であり、回転軸1の外周面1Sと、当該外周面1Sに径方向から対向するケーシング3の対向面71とによって画成されている。対向面71は、軸線Oを含む断面視で、軸線Oに沿って直線状に延びている。即ち、連通流路70は、軸線Oを中心とするとともに、当該軸線Oに沿って延びる円筒状をなしている。
対向面71には、連通流路70における作動流体Gの流通を阻止するためのシール部Sが設けられている。シール部Sは、対向面71上に設けられた基部S1と、基部S1から径方向内側に向かって延びる複数のシールフィンS2と、を有している。複数のシールフィンS2は、軸線O方向に間隔をあけて配列されている。各シールフィンS2は、径方向に延びる板状をなしており、先端部(径方向内側の端部)は、回転軸1の外周面1Sに対してクリアランスCを介して対向している。
回転軸1の外周面1S上には、上記のクリアランスCを通過した作動流体Gを案内する流路形成部材60としての案内板61が設けられている。より具体的には、案内板61は、連通流路70におけるシール部Sよりも軸線O方向一方側に設けられている。図4に示すように、案内板61は、軸線Oに対する周方向に間隔を空けて複数設けられている。各案内板61は、軸線O方向他方側から軸線O方向一方側に向かうに従って、回転軸1の回転方向Rの前方側に向かって延びる板状をなしている。案内板61は、軸線Oに対して60°から75°の角度をなしていることが望ましい。より望ましくは、案内板61は、軸線Oに対して65°から70°の角度をなしている。最も望ましくは、案内板61は、65°をなしている。また、再び図3に示すように、案内板61の径方向外側の端部は、シールフィンS2の径方向内側の端部よりも径方向外側に位置している。
次に、本実施形態に係る遠心圧縮機100の動作について説明する。遠心圧縮機100を駆動するに当たっては、外部の駆動源によって回転軸1に回転力が付加される。回転軸1及びインペラ4の回転に伴い吸込口から流路2内に取り込まれた作動流体Gは、1段目の案内流路21を経て、インペラ4中の圧縮流路22に流入する。インペラ4は回転軸1の回転に伴って軸線O回りに回転していることから、圧縮流路22中の作動流体Gには、軸線Oから径方向外側に向かう遠心力が付加される。加えて、上記の通り、圧縮流路22の断面積は径方向外側から内側にかけて次第に減少していることから、作動流体Gは徐々に圧縮される。これにより、高圧の作動流体Gが、圧縮流路22から後続のディフューザ流路23に送り出される。
圧縮流路22から圧送された高圧の作動流体Gは、その後、ディフューザ流路23、リターンベンド部24、リターン流路25を順に通過する。2段目以降のインペラ4、及び流路2においても同様の圧縮が加えられる。最終的には、作動流体Gは、所望の圧力状態となって排気口8から不図示の外部機器に供給される。
ここで、遠心圧縮機100の運転中には、上述の連通流路70を通じて、案内流路21から前段側(低圧側)のインペラ収容空間Vに向かって作動流体Gの一部が流れる。この流体の流れでは、軸線Oに沿う速度成分が支配的である。言い換えると、連通流路70内の作動流体Gの流れには、回転軸1の回転方向Rに流れる旋回成分は含まれていないか、又は極わずかである。この場合、回転中の回転軸1とケーシング3(対向面71)との間で、軸線Oに沿う速度成分が摩擦抵抗(トルク)を生じさせ、遠心圧縮機100の効率が低下する可能性がある。
そこで、本実施形態では、回転軸1の外周面1S上に流路形成部材60としての案内板61が複数設けられている。回転軸1の回転に伴って、案内板61同士の間の空間を作動流体Gが通過することによって、当該作動流体Gには回転軸1の回転方向Rの速度成分(旋回成分)が付与される。これにより、回転軸1の外周面1Sとケーシング3の内周面(対向面71)との間における摩擦損失を低減することができる。その結果、回転軸1のより円滑な回転を実現することができる。
さらに、上記の構成では、ケーシング3ではなく、回転軸1に流路形成部材60(案内板61)が設けられていることから、回転軸1の回転に伴って、作動流体Gに対してより積極的に旋回成分を付与することができる。また、これにより、ディスク41の背面41Bとインペラ収容空間Vの内面との間の隙間でも、旋回成分を含む作動流体Gの流れが形成される。その結果、当該隙間における摩擦損失を低減することもできる。言い換えると、背面41Bにシール装置や上記の流路形成部材60に類する部材を設ける必要がない。これにより、ディスク41(インペラ4)が回転する際に要する仕事を減らすことができる。
加えて、上記の構成では、ケーシング3ではなく、回転軸1に流路形成部材60(案内板61)が設けられていることから、回転軸1の回転数に応じて、旋回成分の比率を自律的に増減させることができる。これにより、ケーシング3と回転軸1との間の摩擦損失をより一層低減することができる。一方で、回転軸1ではなくケーシング3に流路形成部材60が設けられている場合、回転数によっては、作動流体Gに対して旋回成分を十分に付与できない場合がある。特に、低回転数域で得られる旋回成分は限定的である。その結果、摩擦損失が十分に低減されず、インペラ4の円滑な回転が妨げられてしまう可能性がある。上記の構成によれば、このような可能性を十分に低減することができる。
さらに、上記構成によれば、軸線Oを含む断面視で、流路形成部材60の径方向外側の端部は、シールフィンS2の径方向内側の端部よりも径方向外側に位置している。言い換えると、流路形成部材60は、径方向においてシールフィンS2と回転軸1の外周面と1Sの間に形成されたクリアランスCと重なるように配置されている。したがって、クリアランスCを通過した流体を、より積極的に流路形成部材60に導くことができる。その結果、回転軸1の外周面1Sとケーシング3の内周面(対向面71)との間における摩擦損失をより一層低減することができる。その結果、回転軸1のより円滑な回転を実現することができる。
以上、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、上述の流路形成部材60として、回転軸1の外周面1Sに案内ブロック62が設けられている。案内ブロック62は、回転軸1の外周面1Sから径方向外側に向かって突出している。つまり、案内ブロック62は、外周面1Sに沿って周方向に延びるともに、軸線Oを中心とする円環状をなしている。案内ブロック62における軸線O方向両側の端面は、軸線Oに直交する面内に広がっている。
案内ブロック62の内部には、作動流体Gの流れを案内する複数の貫通孔62Hが形成されている。これら貫通孔62Hは、軸線Oに対する周方向に間隔をあけて配列されている。各貫通孔62Hは、軸線O方向他方側から軸線O方向一方側に向かうに従って、回転軸1の回転方向R前方側に向かって延びている。貫通孔62Hは、自身の延びる方向の全域にわたって一定の内径寸法を有している。
上記構成によれば、流路形成部材60として、回転軸1の外周面1Sに案内ブロック62が設けられている。案内ブロック62の内部には、軸線O方向他方側から軸線O方向一方側に向かうに従って、回転軸1の回転方向R前方側に向かって延びる貫通孔62Hが複数形成されている。これにより、回転軸1の回転に伴って、連通流路70内の作動流体Gが貫通孔62Hに流れ込み、当該貫通孔62Hを通過することによって作動流体Gには回転方向Rの速度成分が付与される。したがって、回転軸1の外周面1Sとケーシング3の内周面(対向面71)との間における摩擦損失を低減することができる。その結果、回転軸1のより円滑な回転を実現することができる。
以上、本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
[第三実施形態]
続いて、本発明の第三実施形態について、図6を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、流路形成部材60として、回転軸1の外周面1Sに複数の案内翼63が設けられている。これら案内翼63は、軸線Oに対する周方向に間隔をあけて配列されている。各案内翼63は、軸線Oに対する径方向を翼高さ方向として延びるとともに、軸線O方向他方側を前縁とし一方側を後縁とする翼型をなしている。各案内翼63の翼高さ方向に直交する翼断面形状は、軸線O方向他方側から軸線O方向一方側に向かうに従って、回転軸1の回転方向R前方側に向かって湾曲している。
上記構成によれば、流路形成部材60として、回転軸1の外周面1Sに複数の案内翼63が設けられている。各案内翼63は、軸線Oに対する径方向から見て、軸線O方向他方側から軸線O方向一方側に向かうに従って、回転軸1の回転方向R前方側に向かって湾曲している。これにより、回転軸1の回転に伴って、連通流路70内の作動流体Gが案内翼63によって案内され、作動流体Gには回転方向Rの速度成分が付与される。特に、流路形成部材60が湾曲していない構成に比べて、作動流体Gをより円滑に転向させることができる。したがって、回転軸1の外周面1Sとケーシング3の内周面(対向面71)との間における摩擦損失をより一層低減することができる。その結果、回転軸1のより円滑な回転を実現することができる。
以上、本発明の第三実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記の各実施形態では、6つのインペラ4を有する遠心圧縮機100について説明した。しかしながら、インペラ4の個数(段数)は6つに限定されず、2つ以上5つ以下、又は7つ以上であってもよい。また、上記の各実施形態では、全てのインペラ4に対応する連通流路70に流路形成部材60が設けられている例について説明した。しかしながら、流路形成部材60は必ずしも全ての段の連通流路70に設けられている必要はなく、一部の段のみに配置する構成を採ることも可能である。この場合、特に一段目(最も上流側)の連通流路70に流路形成部材60を設けることが効果的である。
1 回転軸
1S 外周面
2 流路
3 ケーシング
3a 上流側壁面
3b 下流側壁面
4 インペラ
5 ジャーナル軸受
6 スラスト軸受
7 吸気口
8 排気口
21 案内流路
22 圧縮流路
23 ディフューザ流路
24 リターンベンド部
25 リターン流路
41 ディスク
42 ブレード
43 カバー
50 リターンベーン
60 流路形成部材
61 案内板
62 案内ブロック
62H 貫通孔
63 案内翼
70 連通流路
71 対向面
100 遠心圧縮機
C クリアランス
G 作動流体
O 軸線
S シール装置
S1 基部
S2 シールフィン
V インペラ収容空間

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転可能な回転軸と、
    該回転軸に固定された複数のインペラと、
    該インペラを収容するインペラ収容空間が複数形成されるとともに、該インペラ収容空間の外周側から径方向外側に延びるディフューザ流路、該ディフューザ流路の径方向外側の端部から径方向内側に転向するリターンベンド部、該リターンベンド部から径方向内側に延びるリターン流路、及び該リターン流路と前記インペラ収容空間とを連通する案内流路が形成されたケーシングと、
    を備え、
    前記ケーシングには、前記案内流路と、前段側の前記インペラ収容空間とを連通する連通流路を画成するとともに、前記回転軸の外周面に対向する対向面が形成され、
    前記対向面には、前記回転軸の外周面に対してクリアランスを介して対向するシールフィンが設けられ、
    前記回転軸の外周面であって、前記連通流路における前記シールフィンよりも前記軸線方向一方側には、前記クリアランスを通過した流体に前記回転軸の回転方向の速度成分を付与する流路形成部材が設けられている遠心回転機械。
  2. 前記流路形成部材は、前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って、前記回転方向前方側に向かって延びるとともに、前記軸線に対する周方向に間隔をあけて配列された複数の案内板である請求項1に記載の遠心回転機械。
  3. 前記流路形成部材は、前記回転軸の外周面から前記軸線に対する径方向外側に突出する案内ブロックであり、該案内ブロックの内部には、前記流体を案内する複数の貫通孔が形成され、該貫通孔は、前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って、前記回転方向前方側に向かって延びている請求項1に記載の遠心回転機械。
  4. 前記流路形成部材は、前記軸線に対する径方向を翼高さ方向として延びる翼型をなし、前記翼高さ方向に直交する翼断面形状が前記軸線方向他方側から前記軸線方向一方側に向かうに従って前記回転方向前方側に向かって湾曲するとともに、前記軸線に対する周方向に間隔をあけて配列された複数の案内翼である請求項1に記載の遠心回転機械。
  5. 前記軸線を含む断面視で、前記流路形成部材の径方向外側の端部は、前記シールフィンの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置している請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心回転機械。
JP2019015513A 2019-01-31 2019-01-31 遠心回転機械 Pending JP2020122454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019015513A JP2020122454A (ja) 2019-01-31 2019-01-31 遠心回転機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019015513A JP2020122454A (ja) 2019-01-31 2019-01-31 遠心回転機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020122454A true JP2020122454A (ja) 2020-08-13

Family

ID=71992400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019015513A Pending JP2020122454A (ja) 2019-01-31 2019-01-31 遠心回転機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020122454A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303766A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転流体機械のシール装置および回転流体機械
JP2014062504A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Hitachi Ltd 遠心型流体機械
JP2019011768A (ja) * 2018-10-09 2019-01-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 シール装置及びターボ機械

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303766A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回転流体機械のシール装置および回転流体機械
JP2014062504A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Hitachi Ltd 遠心型流体機械
JP2019011768A (ja) * 2018-10-09 2019-01-24 三菱日立パワーシステムズ株式会社 シール装置及びターボ機械

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011007467A1 (ja) インペラおよび回転機械
JP5314256B2 (ja) 回転流体機械のシール装置および回転流体機械
US8328510B2 (en) Sealing device for rotary fluid machine, and rotary fluid machine
WO2018181343A1 (ja) 遠心圧縮機
WO2018155546A1 (ja) 遠心圧縮機
US10746025B2 (en) Turbine wheel, radial turbine, and supercharger
WO2018155458A1 (ja) 遠心回転機械
CN111379744B (zh) 离心式旋转机械
JP2014238066A (ja) 回転機械
US20220372992A1 (en) Rotating machinery
JP2014084803A (ja) 遠心式流体機械
JP2020122454A (ja) 遠心回転機械
JP2020020465A (ja) シール装置およびターボ機械
JP6265000B2 (ja) 遠心圧縮機
WO2019107488A1 (ja) 多段遠心圧縮機、ケーシング及びリターンベーン
JP2017160861A (ja) ターボ機械
WO2018110695A1 (ja) 軸シール装置、及び回転機械
JP7351784B2 (ja) 遠心回転機械
JP7235595B2 (ja) 回転機械
JP7350521B2 (ja) 回転機械
JP2022129434A (ja) 遠心回転機械
JP2022151994A (ja) 回転機械
JP6402504B2 (ja) 遠心圧縮機
JP2024076104A (ja) 遠心圧縮機
JP2023023914A (ja) 遠心圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230124