JP2023023914A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンプレッサ効率の低下を抑制する。【解決手段】遠心圧縮機は、コンプレッサインペラ(インペラ)10に設けられ、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第1長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある長羽根(第1羽根)110と、第1羽根に対しインペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第1長さより短い第2長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある中羽根(第2羽根)120と、第1羽根および第2羽根に対しインペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第2長さより短い第3長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある短羽根(第3羽根)130と、を備える。【選択図】図2
Description
本開示は、遠心圧縮機に関する。
特許文献1には、長羽根、中羽根、短羽根を備えるコンプレッサインペラについて開示がある。
ところで、小流量用の遠心圧縮機は、大流量用の遠心圧縮機に比べ、コンプレッサインペラの各羽根の大きさが小さくなる。コンプレッサハウジングのシュラウド壁面とコンプレッサインペラの各羽根との間には、クリアランスが設けられる。コンプレッサインペラの各羽根の大きさが小さくなるほど、各羽根の高さ(翼高さ)に対するクリアランスの幅(クリアランス幅)の比率が大きくなる。翼高さに対するクリアランス幅の比率が大きくなるほど、クリアランスに漏れ流れる空気の影響により、コンプレッサ効率が低下しやすくなる。
本開示は、コンプレッサ効率の低下を抑制可能な遠心圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の遠心圧縮機は、インペラが内部に配されるハウジングと、インペラに設けられ、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第1長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第1羽根と、第1羽根に対しインペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第1長さより短い第2長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第2羽根と、第1羽根および第2羽根に対しインペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第2長さより短い第3長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第3羽根と、を備える。
第1羽根、第2羽根および第3羽根の翼厚は、リーディングエッジからトレーリングエッジに向かって単調増加してもよい。
ハウジングに形成され、第3羽根とクリアランスを介して、インペラの径方向あるいは回転軸方向に対向する対向するシュラウド壁面を備え、第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、クリアランスの幅の倍以上であってもよい。
第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、第3羽根のリーディングエッジの翼高さの半分以上であってもよい。
第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、隣り合う第1羽根および第2羽根のチップ側の翼間の幅よりも大きくてもよい。
本開示によれば、コンプレッサ効率の低下を抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、過給機TCの概略断面図である。以下では、図1に示す矢印L方向を過給機TCの左側として説明する。図1に示す矢印R方向を過給機TCの右側として説明する。図1に示すように、過給機TCは、過給機本体1を備える。過給機本体1は、ベアリングハウジング2と、タービンハウジング4と、コンプレッサハウジング(ハウジング)6と、を含む。タービンハウジング4は、ベアリングハウジング2の左側に締結ボルト3によって連結される。コンプレッサハウジング6は、ベアリングハウジング2の右側に締結ボルト5によって連結される。
ベアリングハウジング2には、軸受孔2aが形成されている。軸受孔2aは、過給機TCの左右方向に貫通する。軸受孔2aは、シャフト7の一部を収容する。軸受孔2aには、軸受8が配される。軸受8は、例えば、一対のフルフローティング軸受である。ただし、これに限定されず、軸受8は、セミフローティング軸受や転がり軸受などであってもよい。
シャフト7は、軸受8によって、回転自在に軸支されている。シャフト7の左端部には、タービンインペラ9が設けられている。タービンインペラ9は、タービンハウジング4に回転自在に収容されている。シャフト7の右端部には、コンプレッサインペラ(インペラ)10が設けられている。コンプレッサインペラ10は、コンプレッサハウジング6に回転自在に収容されている。このように、タービンインペラ9は、タービンハウジング4の内部に配される。また、コンプレッサインペラ10は、コンプレッサハウジング6の内部に配される。
コンプレッサハウジング6には、吸気口11が形成されている。吸気口11は、過給機TCの右側に開口する。吸気口11は、不図示のエアクリーナに接続される。ベアリングハウジング2とコンプレッサハウジング6の対向面によって、ディフューザ流路12が形成される。ディフューザ流路12は、環状である。ディフューザ流路12は、径方向内側において、コンプレッサインペラ10を介して吸気口11に連通している。ディフューザ流路12は、空気を昇圧する。
コンプレッサハウジング6には、コンプレッサスクロール流路13が形成されている。コンプレッサスクロール流路13は、環状である。コンプレッサスクロール流路13は、例えば、ディフューザ流路12よりもシャフト7の径方向外側に位置する。コンプレッサスクロール流路13は、不図示のエンジンの吸気口と、ディフューザ流路12とに連通している。コンプレッサインペラ10が回転すると、吸気口11からコンプレッサハウジング6内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ10の翼間を流通する過程において加圧加速される。加圧加速された空気は、ディフューザ流路12およびコンプレッサスクロール流路13で昇圧される。昇圧された空気は、エンジンの吸気口に導かれる。
このようなコンプレッサハウジング6およびベアリングハウジング2により、遠心圧縮機CCが構成される。本実施形態では、遠心圧縮機CCが過給機TCに搭載される例ついて説明する。ただし、これに限定されず、遠心圧縮機CCは、過給機TC以外の装置に組み込まれてもよいし、単体であってもよい。
タービンハウジング4には、吐出口14が形成されている。吐出口14は、過給機TCの左側に開口する。吐出口14は、不図示の排気ガス浄化装置に接続される。タービンハウジング4には、連通流路15およびタービンスクロール流路16が形成されている。連通流路15およびタービンスクロール流路16は、環状である。タービンスクロール流路16は、例えば、連通流路15よりもタービンインペラ9の径方向外側に位置する。タービンスクロール流路16は、不図示のガス流入口と連通する。ガス流入口には、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導かれる。連通流路15は、タービンインペラ9を介してタービンスクロール流路16と吐出口14とを連通する。ガス流入口からタービンスクロール流路16に導かれた排気ガスは、連通流路15およびタービンインペラ9を介して吐出口14に導かれる。吐出口14に導かれる排気ガスは、流通過程においてタービンインペラ9を回転させる。
タービンインペラ9の回転力は、シャフト7を介してコンプレッサインペラ10に伝達される。コンプレッサインペラ10が回転すると、上記のとおりに空気が昇圧される。こうして、空気がエンジンの吸気口に導かれる。
図2は、本実施形態のコンプレッサインペラ10の概略正面図である。図3は、本実施形態のコンプレッサインペラ10の概略側面図である。図2および図3に示すように、コンプレッサインペラ10は、ハブ100と、長羽根(第1羽根)110と、中羽根120(第2羽根)と、短羽根(第3羽根)130とを含む。
ハブ100は、大凡円錐形状を有する。ハブ100は、シャフト7(不図示)の端部に接続され、シャフト7の回転軸を中心としてシャフト7と一体的に回転する。
長羽根110は、ハブ100の外周面に複数設けられる。複数の長羽根110は、ハブ100の周方向に等間隔で配される。ただし、これに限定されず、複数の長羽根110は、ハブ100の周方向に不等間隔で配されてもよい。シャフト7の回転軸方向(以下、単に回転軸方向という)において、長羽根110の長さは、中羽根120および短羽根130よりも長い。長羽根110は、前縁(以下、リーディングエッジLEという)と後縁(以下、トレーリングエッジTEという)を有する。長羽根110のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さ(第1長さ)は、中羽根120および短羽根130のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さよりも長い。長羽根110は、周方向に傾斜している。長羽根110の傾斜角度は、中羽根120および短羽根130の傾斜角度より大きい。本実施形態では、長羽根110の径方向に対する傾斜角度は、内径側に向かうほど大きくなる。ただし、これに限定されず、長羽根110、中羽根120、短羽根130は、周方向に傾斜しなくてもよく、例えば、径方向に沿って延在していてもよい。ハブ100の周方向において、長羽根110のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの範囲内に中羽根120および短羽根130が含まれる。
中羽根120は、ハブ100の外周面に複数設けられる。中羽根120は、長羽根110および短羽根130に対し、コンプレッサインペラ10の周方向に離隔して配される。複数の中羽根120は、ハブ100の周方向に等間隔で配される。ただし、これに限定されず、複数の中羽根120は、ハブ100の周方向に不等間隔で配されてもよい。周方向に隣り合う一対の長羽根110の間に、1つの中羽根120が配される。回転軸方向において、中羽根120の長さは、長羽根110よりも短く、短羽根130よりも長い。中羽根120のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さ(第2長さ)は、長羽根110のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さよりも短い。中羽根120のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さは、短羽根130のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さよりも長い。中羽根120は、周方向に傾斜している。本実施形態では、中羽根120の径方向に対する傾斜角度は、内径側に向かうほど大きくなる。中羽根120の傾斜角度は、長羽根110の傾斜角度より小さく、短羽根130の傾斜角度より大きい。ただし、これに限定されず、中羽根120の傾斜角度は、長羽根110の傾斜角度より大きくてもよく、また、短羽根130の傾斜角度より小さくてもよい。また、長羽根110、中羽根120、短羽根130の傾斜角度は、互いに等しくてもよい。
短羽根130は、ハブ100の外周面に複数設けられる。短羽根130は、長羽根110および中羽根120に対し、コンプレッサインペラ10の周方向に離隔して配される。複数の短羽根130は、ハブ100の周方向に等間隔で配される。ただし、これに限定されず、複数の短羽根130は、ハブ100の周方向に不等間隔で配されてもよい。周方向に隣り合う長羽根110および中羽根120の間に、1つの短羽根130が配される。回転軸方向において、短羽根130の長さは、長羽根110および中羽根120よりも短い。短羽根130のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さ(第3長さ)は、長羽根110および中羽根120のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの長さよりも短い。短羽根130は、周方向に傾斜している。短羽根130の傾斜角度は、長羽根110および中羽根120の傾斜角度より小さい。ただし、これに限定されず、短羽根130の傾斜角度は、長羽根110および中羽根120の傾斜角度より大きくてもよい。
図4は、比較例のコンプレッサハウジング6Aおよびコンプレッサインペラ10Aの概略断面図である。上記実施形態の過給機TCと実質的に等しい構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。図4に示すように、比較例のコンプレッサインペラ10Aは、長羽根210と、中羽根220とを含む。比較例のコンプレッサインペラ10Aは、上記実施形態のコンプレッサインペラ10と異なり、短羽根130が設けられない。
長羽根210のトレーリングエッジTEは、コンプレッサインペラ10Aの径方向において、中羽根220のトレーリングエッジTEと等しい位置にある。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。また、長羽根210のトレーリングエッジTEの高さ(以下、単に翼高さという)は、中羽根220のトレーリングエッジTEの翼高さと等しい。
長羽根210のリーディングエッジLEは、回転軸方向において、中羽根220のリーディングエッジLEと異なる位置にある。長羽根210のリーディングエッジLEは、中羽根220のリーディングエッジLEよりも吸気口11側(吸気の上流側)に位置する。また、長羽根210のリーディングエッジLEの翼高さは、中羽根220のリーディングエッジLEの翼高さより高い。長羽根210および中羽根220のリーディングエッジLEの径方向の翼高さは、長羽根210および中羽根220のトレーリングエッジTEの回転軸方向の翼高さより高い。
コンプレッサハウジング6Aの内面には、シュラウド壁面250が形成される。シュラウド壁面250は、長羽根210および中羽根220と径方向に対向する。シュラウド壁面250は、長羽根210および中羽根220から径方向または回転軸方向に離隔している。つまり、シュラウド壁面250と、長羽根210および中羽根220との間には、クリアランスCLが形成される。
ところで、小流量用の遠心圧縮機は、大流量用の遠心圧縮機に比べ、コンプレッサインペラの各羽根の大きさが小さくなる。ここで、比較例のコンプレッサハウジング6Aおよびコンプレッサインペラ10Aを小流量用の遠心圧縮機に適用したとする。このとき、最低限確保するべきクリアランス量はほとんど変わらず、コンプレッサインペラ10Aの各羽根210、220の高さ(翼高さ)だけが小さくなる。コンプレッサインペラ10Aの各羽根210、220の大きさが小さくなるほど、翼高さに対するクリアランスCLの幅(クリアランス幅)の比率が大きくなる。翼高さに対するクリアランス幅の比率が大きくなるほど、クリアランスCLに漏れ流れる空気の影響により、コンプレッサ効率が低下しやすくなる。
図5は、本実施形態のコンプレッサハウジング6およびコンプレッサインペラ10の概略断面図である。図5中、比較例のコンプレッサハウジング6A、長羽根210および中羽根220を破線で表す。図5中、本実施形態のコンプレッサハウジング6、長羽根110、中羽根120、短羽根130を実線で表す。
図5に示すように、長羽根110のトレーリングエッジTEは、コンプレッサインペラ10の径方向において、中羽根120および短羽根130のトレーリングエッジTEと等しい位置にある。なお、本実施形態の各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの位置は、比較例の各羽根210、220のトレーリングエッジTEの位置と大凡等しい。また、長羽根110、中羽根120、短羽根130のトレーリングエッジTEの翼高さは、それぞれ等しい。
長羽根110、中羽根120、短羽根130のリーディングエッジLEは、回転軸方向において互いに異なる位置にある。長羽根110のリーディングエッジLEは、中羽根120および短羽根130のリーディングエッジLEよりも吸気口11側(吸気の上流側)に位置する。中羽根120のリーディングエッジLEは、短羽根130のリーディングエッジLEよりも吸気口11側に位置する。なお、比較例の各羽根210、220のリーディングエッジLEの位置は、本実施形態の各羽根110、120、130のリーディングエッジLEの位置よりも吸気口11側に位置する。
長羽根110のリーディングエッジLEの翼高さは、中羽根120のリーディングエッジLEの翼高さよりも高い。また、中羽根120のリーディングエッジLEの翼高さは、短羽根130のリーディングエッジLEの翼高さよりも高い。長羽根110、中羽根120および短羽根130のリーディングエッジLEの径方向の翼高さは、長羽根110、中羽根120および短羽根130のトレーリングエッジTEの回転軸方向の翼高さより高い。
コンプレッサハウジング6の内面には、シュラウド壁面150が形成される。シュラウド壁面150は、各羽根110、120、130と径方向あるいは回転軸方向に対向する。シュラウド壁面150は、各羽根110、120、130から径方向あるいは回転軸方向に離隔している。シュラウド壁面150と、各羽根110、120、130との間には、クリアランスCLが形成される。シュラウド壁面150は、クリアランスCLを介して各羽根110、120、130と径方向あるいは回転軸方向に対向している。
図4に示すように、比較例の各羽根210、220のトレーリングエッジTEの翼高さは、各羽根210、220のリーディングエッジLEの翼高さの半分未満である。このような比較例のコンプレッサインペラ10Aを小流量用の遠心圧縮機に適用した場合、翼高さに対するクリアランス幅の比率が大きくなる。翼高さに対するクリアランス幅の比率が大きくなると、クリアランスを通る空気の流れが、各羽根の間を流通する主流(以下、単に主流という)と干渉しやすくなり、コンプレッサ効率が低下し易くなる。
図5に示すように、本実施形態の各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さは、各羽根110、120、130のリーディングエッジLEの翼高さの半分以上である。これにより、比較例の各羽根210、220のトレーリングエッジTEの翼高さよりも高くすることができる。このような本実施形態のコンプレッサインペラ10を小流量用の遠心圧縮機に適用した場合、比較例に比べ、翼高さに対するクリアランス幅の比率が小さくなる。翼高さに対するクリアランス幅の比率が小さくなると、クリアランスを通る空気の流れが、各羽根の間を流通する主流と干渉し難くなり、コンプレッサ効率の低下を抑制できる。
図6は、本実施形態の各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの端部の形状を示す概略構成図である。図6中、シュラウド壁面150と各羽根110、120、130との間のクリアランス幅をW1とする。図6中、各羽根110、120、130のチップ側CSの翼間の幅をW2とする。図6中、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さをH1とする。
図6に示すように、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの端部の形状は、大凡台形状である。各羽根110、120、130の厚さは、ハブ側HSからチップ側CSに向かって薄くなる。
各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、クリアランス幅W1の倍以上である。これにより、比較例に比べ、翼高さH1に対するクリアランス幅W1の比率を小さくすることができる。翼高さH1に対するクリアランス幅W1の比率を小さくすることで、クリアランスCLを通る空気の流れが、主流に与える悪影響を小さくすることができる。
各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、隣り合う各羽根110、120、130のチップ側CSの翼間の幅W2よりも大きい。これにより、各羽根110、120、130の間の流路において、周方向の長さに対する翼高さ方向の長さの比率を大きくすることができる。その結果、翼高さH1に対するクリアランス幅W1の比率を小さくすることができ、クリアランスCLを通る空気の流れが、主流に与える悪影響を小さくすることができる。
図7は、本実施形態の各羽根110、120、130の翼厚と子午面における長さとの関係を示すグラフである。図7中、t0は、各羽根110、120、130の翼厚を示す。CS110は、長羽根110のチップ側CSの翼厚を示し、CS120は、中羽根120のチップ側CSの翼厚を示し、CS130は、短羽根130のチップ側CSの翼厚を示す。HS110は、長羽根110のハブ側HSの翼厚を示し、HS120は、中羽根120のハブ側HSの翼厚を示し、HS130は、短羽根130のハブ側HSの翼厚を示す。図7中、m2は、長羽根110のリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEまでの子午面における長さ(全長)である。mは、各羽根110、120、130のリーディングエッジLEから任意の点までの長さである。
図7に示すように、チップ側CSおよびハブ側HSのいずれも、長羽根110、中羽根120、短羽根130の翼厚t0は、すべてリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEに向かって単調増加する。このように、各羽根110、120、130の最大翼厚となる位置は、リーディングエッジLE側になく、トレーリングエッジTE側にある。換言すれば、各羽根110、120、130の最大翼厚となる位置は、無次元子午面位置m/m2>0.5にある。より好ましくは、各羽根110、120、130の最大翼厚となる位置は、無次元子午面位置m/m2>0.7にある。
本実施形態のコンプレッサインペラ10は、比較例のコンプレッサインペラ10Aに対し、短羽根130を追加している。比較例のコンプレッサインペラ10Aに短羽根130を追加した場合、短羽根130の断面積分、各羽根の間の流路面積が小さくなってしまう。
本実施形態では、比較例に対し、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1を高くすることで、各羽根の間の流路面積が変わらないようにしている。つまり、本実施形態では、比較例に比べ、短羽根130の追加による流路面積減少分、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1を高くしている。
また、本実施形態では、各羽根110、120、130の最大翼厚となる位置を、トレーリングエッジTE側に設けている。また、各羽根110、120、130の翼厚をリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEに向かって単調増加させている。そのため、比較例よりも、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼厚t0を厚くすることができる。そして、本実施形態では、各羽根110、120、130の翼厚を厚くした分、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1を高くしている。これにより、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1をより高くすることができる。
以上のように、本実施形態では、比較例に対し、短羽根130の追加、および、各羽根110、120、130の翼厚を厚くすることで、隣り合う翼間の幅W2を狭くし、代わりに翼高さH1を大きくしている。これにより、比較例に比べ、各羽根の間の流路面積を維持するとともに、翼高さに対するクリアランス幅の比率が小さくなり、クリアランスを通る空気の流れが、主流に与える悪影響を小さくすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、各羽根110、120、130の翼厚t0がリーディングエッジLEからトレーリングエッジTEに向かって単調増加する例について説明した。しかし、これに限定されず、各羽根110、120、130の翼厚t0は、リーディングエッジLEからトレーリングエッジTEに向かって単調増加しなくてもよい。例えば、無次元子午面位置m/m2>0.7において、最大翼厚となる位置からトレーリングエッジTEに向かって各羽根110、120、130の翼厚が単調減少してもよい。
上記実施形態では、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1がクリアランス幅W1の倍以上である例について説明した。しかし、これに限定されず、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、クリアランス幅W1の倍未満であってもよい。
上記実施形態では、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1が各羽根110、120、130のリーディングエッジLEの翼高さの半分以上である例について説明した。しかし、これに限定されず、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、各羽根110、120、130のリーディングエッジLEの翼高さの半分未満であってもよい。
上記実施形態では、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、各羽根110、120、130のチップ側CSの翼間の幅W2よりも大きい例について説明した。しかし、これに限定されず、各羽根110、120、130のトレーリングエッジTEの翼高さH1は、各羽根110、120、130のチップ側CSの翼間の幅W2よりも小さくてもよい。
CC 遠心圧縮機
CL クリアランス
H1 翼高さ
LE リーディングエッジ
TE トレーリングエッジ
W1 クリアランス幅
W2 幅
6 コンプレッサハウジング(ハウジング)
10 コンプレッサインペラ(インペラ)
110 長羽根(第1羽根)
120 中羽根(第2羽根)
130 短羽根(第3羽根)
CL クリアランス
H1 翼高さ
LE リーディングエッジ
TE トレーリングエッジ
W1 クリアランス幅
W2 幅
6 コンプレッサハウジング(ハウジング)
10 コンプレッサインペラ(インペラ)
110 長羽根(第1羽根)
120 中羽根(第2羽根)
130 短羽根(第3羽根)
Claims (5)
- インペラが内部に配されるハウジングと、
前記インペラに設けられ、リーディングエッジからトレーリングエッジまで第1長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第1羽根と、
前記第1羽根に対し前記インペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで前記第1長さより短い第2長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第2羽根と、
前記第1羽根および前記第2羽根に対し前記インペラの周方向に離隔して配され、リーディングエッジからトレーリングエッジまで前記第2長さより短い第3長さを有し、最大翼厚がトレーリングエッジ側にある第3羽根と、
を備える遠心圧縮機。 - 前記第1羽根、前記第2羽根および前記第3羽根の翼厚は、リーディングエッジからトレーリングエッジに向かって単調増加する、
請求項1に記載の遠心圧縮機。 - 前記ハウジングに形成され、前記第3羽根とクリアランスを介して、前記インペラの径方向あるいは回転軸方向に対向する対向するシュラウド壁面を備え、
前記第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、前記クリアランスの幅の倍以上である、
請求項1または2に記載の遠心圧縮機。 - 前記第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、前記第3羽根のリーディングエッジの翼高さの半分以上である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の遠心圧縮機。 - 前記第3羽根のトレーリングエッジの翼高さは、隣り合う前記第1羽根および前記第2羽根のチップ側の翼間の幅よりも大きい、
請求項1~4のいずれか1項に記載の遠心圧縮機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021129873A JP2023023914A (ja) | 2021-08-06 | 2021-08-06 | 遠心圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021129873A JP2023023914A (ja) | 2021-08-06 | 2021-08-06 | 遠心圧縮機 |
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ID=85203915
Family Applications (1)
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2021
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