JP2020122189A - 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供する。また、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供する。【解決手段】銅箔と、この銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有する表面処理銅箔である。この表面処理銅箔は、表面処理層の平均長さRSmが3.3〜5.2μmである。また、表面処理銅箔と、この表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板とする。【選択図】なし

Description

本開示は、表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板に関する。
銅張積層板は、フレキシブルプリント配線板などの各種用途において広く用いられている。このフレキシブルプリント配線板は、銅張積層板の銅箔をエッチングして導体パターン(「配線パターン」とも称される)を形成し、導体パターン上に電子部品を半田で接続して実装することによって製造される。
近年、パソコン、モバイル端末などの電子機器では、通信の高速化及び大容量化に伴い、電気信号の高周波化が進んでおり、これに対応可能なフレキシブルプリント配線板が求められている。特に、電気信号の周波数は、高周波になるほど信号電力の損失(減衰)が大きくなり、データが読み取れなくなり易いため、信号電力の損失を低減することが求められている。
電子回路における信号電力の損失(伝送損失)は大きく二つに分けることができる。その一は、導体損失、すなわち銅箔による損失であり、その二は、誘電体損失、すなわち樹脂基材による損失である。
導体損失は、高周波域では表皮効果があり、電流は導体の表面を流れるという特性を有するため、銅箔表面が粗いと複雑な経路を辿って、電流が流れることになる。したがって、高周波信号の導体損失を少なくするためには、銅箔の表面粗さを小さくすることが望ましい。以下、本明細書において、単に「伝送損失」及び「導体損失」と記載した場合は、「高周波信号の伝送損失」及び「高周波信号の導体損失」を主に意味する。
他方、誘電体損失は、樹脂基材の種類に依存するため、高周波信号が流れる回路基板においては、低誘電材料(例えば、液晶ポリマー、低誘電ポリイミド)から形成された樹脂基材を用いることが望ましい。また、誘電体損失は、銅箔と樹脂基材との間を接着する接着剤によっても影響を受けるため、銅箔と樹脂基材との間は接着剤を用いずに接着することが望ましい。
そこで、銅箔と樹脂基材との間を接着剤の使用なしに接着するために、銅箔の少なくとも一方の面に表面処理層を形成することが提案されている。例えば、特許文献1には、銅箔上に粗化粒子から形成される粗化処理層を設けると共に、最表層にシランカップリング処理層を形成する方法が提案されている。
特開2012−112009号公報
粗化処理層は、粗化粒子によるアンカー効果によって、銅箔と樹脂基材との間の接着性を高めることができるが、表皮効果によって導体損失を増大させることがあるため、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすることが望ましい。他方、銅箔表面に電着させる粗化粒子を少なくすると、粗化粒子によるアンカー効果が低下してしまい、銅箔と樹脂基材との接着性が十分に得られない。特に、液晶ポリマー、低誘電ポリイミドなどの低誘電材料から形成された樹脂基材は、従来の樹脂基材よりも銅箔と接着し難いため、銅箔と樹脂基材との間の接着性を高める手法の開発が望まれている。
また、シランカップリング処理層は、銅箔と樹脂基材との間の接着性を向上させる効果を有するものの、その種類によっては、接着性の向上効果が十分ではないこともある。
本発明の実施形態は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することを目的とする。
また、本発明の実施形態は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することを目的とする。
さらに、本発明の実施形態は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と回路パターンとの間の接着性に優れたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、表面処理銅箔の表面処理層の平均長さRSmが、表面処理銅箔と樹脂基材との間の接着性と密接に関係しているという知見に基づき、表面処理銅箔の表面処理層の平均長さRSmを特定の範囲に制御することにより、表面処理銅箔と樹脂基材との間の接着性を高め得ることを見出し、本発明の実施形態を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態は、銅箔と、前記銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有し、前記表面処理層の平均長さRSmが3.3〜5.2μmである表面処理銅箔に関する。
また、本発明の実施形態は、前記表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板である。
さらに、本発明の実施形態は、前記銅張積層板の前記表面処理銅箔をエッチングして形成された回路パターンを備えるプリント配線板である。
本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することができる。
また、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と回路パターンとの間の接着性に優れたプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良などを行うことができる。この実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、この実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係る表面処理銅箔は、銅箔と、銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有する。すなわち、表面処理層は、銅箔の一方の面のみに形成されていてもよいし、銅箔の両方の面に形成されていてもよい。また、銅箔の両方の面に表面処理層が形成される場合、表面処理層の種類は同一であっても異なっていてもよい。
表面処理層は、平均長さRSmが3.3〜5.2μmである。
ここで、平均長さRSmは、基準長さにおける輪郭曲線要素の長さの平均(すなわち、表面の凹凸形状の平均間隔)を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRSmは、表面処理層の凹凸形状の密度(特に、粗化粒子層の粗化粒子の密度)を表す指標である。表面処理層のRSmが小さいほど、表面処理層の凹凸形状の密度が高くなり、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなることが期待できる。ただし、RSmが小さすぎる(表面処理層の凹凸形状の密度が著しく大きくなる)と、伝送損失が大きくなる可能性が否定できない。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRSmを3.3〜5.2μm、好ましくは3.3μm以上5.0μm未満に制御する。
表面処理層は、二乗平均平方根高さSqが0.33〜0.55μmであることが好ましい。
ここで、二乗平均平方根高さSqは、平均面からの距離の標準偏差に相当するパラメータ(高さの標準偏差)を表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSqは、表面処理層の表面における凸部の高さのバラツキを表す指標である。表面処理層のSqが大きいと、表面処理層の表面における凸部の高さのバラツキが大きくなり、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる。ただし、Sqが大きすぎる(凸部の高さのバラツキが大きすぎる)と、工業製品としての品質管理の観点から問題になる場合がある。そのため、アンカー効果の確保と品質管理の観点とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSqを好ましくは0.33〜0.55μm、より好ましくは0.40〜0.55μmに制御する。
表面処理層は、算術平均粗さRaが0.25〜0.40μmであることが好ましい。
ここで、算術平均粗さRaは、粗さ曲線の基準長さにおけるZ(x)の平均を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRaは、表面処理層の表面の平均的な粗さを表す指標である。表面処理層のRaが大きいと、表面処理層の表面が粗くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRaを好ましくは0.25〜0.40μm、より好ましくは0.28〜0.35μmに制御する。
表面処理層は、算術平均高さSaが0.25〜0.40μmであることが好ましい。
ここで、算術平均高さSaは、二次元のパラメータであるRaを三次元に拡張したパラメータであり、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSaは、Raと同様に、表面処理層の表面の平均的な粗さを表す指標である。表面処理層のSaが大きいと、表面処理層の表面が粗くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSaを好ましくは0.25〜0.40μm、より好ましくは0.30〜0.40μmに制御する。
表面処理層は、最大高さ粗さRzが2.3〜5.1μmであることが好ましい。
ここで、最大高さ粗さRzは、基準長さにおける輪郭曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値の和を表し、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRzは、表面処理層の表面の突出した凹凸(山部及び谷部)の有無を表す指標である。表面処理層のRzが大きいと、表面処理層の表面に突出した凹凸が存在するため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRzを好ましくは2.3〜5.1μm、より好ましくは2.5〜3.5μmに制御する。
表面処理層は、最大高さSzが4.4〜7.4μmであることが好ましい。
ここで、最大高さSzは、二次元のパラメータであるRzを三次元に拡張したパラメータであり、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSzは、Rzと同様に、表面処理層の表面の突出した凹凸の有無を表す指標である。表面処理層のSzが大きいと、表面処理層の表面に突出した凹凸が存在するため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSzを好ましくは4.4〜7.4μm、より好ましくは5.0〜6.5μmに制御する。
表面処理層は、最小自己相関長さSalが1.2〜1.7μmであることが好ましい。
ここで、最小自己相関長さSalは、表面の自己相関が相関値s(0≦s<1)に減衰する最も近い横方向の距離を表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSalは、表面処理層の表面において凸部の高さが急激に変化している箇所の有無を表す指標である。表面処理層のSalは、表面処理層の表面が平坦であるほど大きくなり、凸部が多いほど小さくなる。したがって、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSalを好ましくは1.2〜1.7μm、より好ましくは1.3〜1.7μmに制御する。
表面処理層は、突出山部とコア部を分離する負荷面積率SMr1が11.5〜16.0%であることが好ましい。
ここで、突出山部とコア部を分離する負荷面積率SMr1は、突出山部の多さを表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSMr1が大きいと、表面処理層の突出山部が多くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSMr1を好ましくは11.5〜16.0%、より好ましくは12.0〜15.5μmに制御する。
表面処理層は、突出谷部とコア部を分離する負荷面積率SMr2が86.5〜91.0%であることが好ましい。
ここで、突出谷部とコア部を分離する負荷面積率SMr2は、突出谷部の多さを表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSMr2が大きいと、表面処理層の突出谷部が多くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSMr2を好ましくは86.5〜91.0%、より好ましくは88.0〜91.0μmに制御する。
表面処理層は、突出山部高さSpkが0.41〜1.03μmであることが好ましい。
ここで、突出山部高さSpkは、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSpkが大きいと、表面処理層の突出山部の高さが大きいため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSpkを好ましくは0.41〜1.03μm、より好ましくは0.55〜1.00μmに制御する。
表面処理層は、二乗平均平方根傾斜RΔqが37〜70°であることが好ましい。
ここで、二乗平均平方根傾斜RΔqは、粗さ曲線の基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRΔqは、表面処理層の表面の凹凸の傾きを表す指標である。表面処理層のRΔqは、表面処理層(特に、粗化処理層の粗化粒子)のz方向の成長が大きいと増大し、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、適切なアンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRΔqを好ましくは37〜70°、より好ましくは45〜65°に制御する。
表面処理層の種類は、特に限定されず、当該技術分野において公知の各種表面処理層を用いることができる。表面処理層の例としては、粗化処理層、耐熱処理層、防錆処理層、クロメート処理層、シランカップリング処理層などが挙げられる。これらの層は、単一又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも表面処理層は、樹脂基材との接着性の観点から、粗化処理層を有することが好ましい。
ここで、本明細書において「粗化処理層」とは、粗化粒子を含む層であり、「粗化粒子」とは、球状、楕円状、棒状、樹枝状などの各種形状の粒子である。粗化粒子を形成することを粗化処理といい、これは電気めっき、なかでもいわゆるヤケめっきを施すことで行うのが一般的である。また、粗化処理では、前処理として通常の銅めっきなどが行われたり、仕上げ処理として粗化粒子の脱落を防止するために通常の銅めっきなどが行われたりする場合があるが、本明細書における「粗化処理層」は、これらの前処理及び仕上げ処理によって形成される層を含む。
粗化粒子としては、特に限定されないが、銅、ニッケル、コバルト、リン、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金から形成することができる。また、粗化粒子を形成した後、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体又は合金などで二次粒子及び三次粒子を設ける粗化処理を更に行うこともできる。
粗化処理層は、電気めっきによって形成することができる。その条件は、使用する電気めっき装置に応じて調整すればよく特に限定されないが、典型的な条件は以下の通りである。また、電気めっきは2段階に分けて行ってもよい。なお、下記の条件は、銅箔を巻き付けた円筒状のカソードを中心に配置し、その周りに一定の間隔を置いてアノードを設けて電気めっきを行うビーカー試験における条件である点に留意すべきである。
めっき液組成:11〜30g/LのCu、50〜150g/Lの硫酸
めっき液温度:25〜50℃
電気めっき条件:電流密度38.4〜48.5A/dm2、時間1〜10秒
耐熱処理層及び防錆処理層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の材料から形成することができる。なお、耐熱処理層は防錆処理層としても機能することがあるため、耐熱処理層及び防錆処理層として、耐熱処理層及び防錆処理層の両方の機能を有する1つの層を形成してもよい。
耐熱処理層及び/又は防錆処理層としては、ニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選択される1種以上の元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物などのいずれの形態であってもよい)を含む層であることができる。その中でも耐熱処理層及び/又は防錆処理層はNi−Zn層又はZn層であることが好ましい。特に、Ni含有量がZn含有量に比べて少ないNi−Zn層、又はNiを含まないZn層であれば、耐熱効果及び防錆効果を大きく低減させることなく、導体損失を低減することが可能になるため好ましい。
耐熱処理層及び防錆処理層は、電気めっきによって形成することができる。その条件は、使用する電気めっき装置に応じて調整すればよく特に限定されないが、一般的な電気めっき装置を用いて耐熱処理層(Ni−Zn層)を形成する際の条件は以下の通りである。
めっき液組成:1〜30g/LのNi、1〜30g/LのZn
めっき液pH:2〜5
めっき液温度:30〜50℃
電気めっき条件:電流密度1〜10A/dm2、時間0.1〜5秒
特に、以下の条件でNi−Zn層を形成すれば、耐熱効果及び防錆効果を大きく低減させることなく、導体損失を低減することが可能になるため好ましい。
めっき液組成:23.5g/LのNi、4.5g/LのZn
めっき液pH:3.6
めっき液温度:40℃
電気めっき条件:電流密度1.1A/dm2、時間0.7秒
クロメート処理層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の材料から形成することができる。
ここで、本明細書において「クロメート処理層」とは、無水クロム酸、クロム酸、二クロム酸、クロム酸塩又は二クロム酸塩を含む液で形成された層を意味する。クロメート処理層は、コバルト、鉄、ニッケル、モリブデン、亜鉛、タンタル、銅、アルミニウム、リン、タングステン、錫、砒素、チタンなどの元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物などのいずれの形態であってもよい)を含む層であることができる。クロメート処理層の例としては、無水クロム酸又は二クロム酸カリウム水溶液で処理したクロメート処理層、無水クロム酸又は二クロム酸カリウム及び亜鉛を含む処理液で処理したクロメート処理層などが挙げられる。
クロメート処理層は、浸漬クロメート処理、電解クロメート処理などの公知の方法によって形成することができる。それらの条件は、特に限定されないが、例えば、一般的な浸漬クロメート処理層を形成する際の条件は以下の通りである。
クロメート液組成:1〜10g/LのK2Cr27、0.01〜10g/LのZn
クロメート液pH:2〜5
クロメート液温度:30〜55℃
シランカップリング処理層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の材料から形成することができる。
ここで、本明細書において「シランカップリング処理層」とは、シランカップリング剤で形成された層を意味する。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。シランカップリング剤の例としては、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、メタクリロキシ系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、イミダゾール系シランカップリング剤、トリアジン系シランカップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤が好ましい。上述のシランカップリング剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
代表的なシランカップリング処理層の形成方法としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM603)の1.2体積%水溶液(pH:10)を塗布し、乾燥させることでシランカップリング処理層を形成する方法が挙げられる。
銅箔としては、特に限定されず、電解銅箔又は圧延銅箔のいずれであってもよい。電解銅箔は、硫酸銅めっき浴からチタン又はステンレスのドラム上に銅を電解析出させることによって一般に製造されるが、ドラム側に形成される平坦なS面(シャイン面)と、S面の反対側に形成されるM面(マット面)とを有する。一般に、電解銅箔のM面は凹凸を有しているため、表面処理層を電解銅箔のM面に形成し、この表面処理層を樹脂基材と接着させることにより、表面処理層と樹脂基材との接着性を高めることができる。
銅箔の材料としては、特に限定されないが、銅箔が圧延銅箔の場合、プリント配線板の回路パターンとして通常使用されるタフピッチ銅(JIS H3100 合金番号C1100)、無酸素銅(JIS H3100 合金番号C1020又はJIS H3510 合金番号C1011)などの高純度の銅を用いることができる。また、例えば、Sn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMgなどを添加した銅合金、Ni及びSiなどを添加したコルソン系銅合金のような銅合金も用いることができる。なお、本明細書において「銅箔」とは、銅合金箔も含む概念である。
銅箔の厚みは、特に限定されないが、例えば1〜1000μm、或いは1〜500μm、或いは1〜300μm、或いは3〜100μm、或いは5〜70μm、或いは6〜35μm、或いは9〜18μmとすることができる。
上記のような構成を有する表面処理銅箔は、当該技術分野において公知の方法に準じて製造することができる。ここで、表面処理層のRΔq、Ra、Sa、Rz、Sz、Sq、Sal、SMr1、SMr2、Spk及びRSmは、表面処理層の形成条件、特に、粗化処理層の形成条件などを調整することによって制御することができる。
銅張積層板は、表面処理銅箔の表面処理層に樹脂基材を接着することによって製造することができる。
樹脂基材としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。樹脂基材の例としては、紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂、ガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー、フッ素樹脂などが挙げられる。
表面処理銅箔と樹脂基材との接着方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法に準じて行うことができる。例えば、表面処理銅箔と樹脂基材とを積層させて熱圧着すればよい。
上記のようにして製造された銅張積層板は、プリント配線板の製造に用いることができる。プリント配線板の製造方法としては、特に限定されず、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などの公知の方法を用いることができる。その中でも本発明の実施形態に係る銅張積層板は、サブトラクティブ法で用いるのに最適である。
サブトラクティブ法によってプリント配線板を製造する場合、次のようにして行うことが好ましい。まず、銅張積層板の表面処理銅箔の表面にレジストを塗布、露光及び現像することによって所定のレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンが形成されていない部分(不要部)の表面処理銅箔をエッチングによって除去する。最後に、表面処理銅箔1上のレジストパターン20を除去する。
なお、このサブトラクティブ法における各種条件は、特に限定されず、当該技術分野において公知の条件に準じて行うことができる。
以下、本発明の実施形態を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ12μmの圧延銅箔(JX金属社製HA−V2箔)を準備し、一方の面を脱脂及び酸洗した後、表面処理層として粗化処理層及びクロメート処理層を順次形成することによって表面処理銅箔を得た。各層を形成するための条件は下記の通りである。
<粗化処理層>
銅箔を巻き付けた円筒状のカソードを中心に配置し、その周りに一定の間隔を置いてアノードを設けて電気めっきを行うことによって粗化処理層を形成した。電気めっき条件は次の通りである。
めっき液組成:11g/LのCu、50g/Lの硫酸
めっき液温度:25℃
電気めっき条件:電流密度48.5A/dm2、時間1秒×2回
<クロメート処理層>
以下の浸漬クロメート処理又は電解クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。すなわち、後述するピール強度を測定するための試料作製の際は浸漬クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。一方、後述する伝送損失を測定するための試料作製の際は、電解クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。
(浸漬クロメート処理)
クロメート液組成:3.0g/LのK2Cr27、0.33g/LのZn
クロメート液pH:3.65
クロメート液温度:55℃
(電解クロメート処理)
クロメート液組成:3.0g/LのK2Cr27、0.33g/LのZn
クロメート液pH:3.65
クロメート液温度:55℃
電気めっき条件:電流密度2.1A/dm2、時間1.4秒
(実施例2)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を15g/LのCu、75g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例3)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例4)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例5)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例6)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例7)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を50℃に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例8)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を50℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(実施例9)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を30g/LのCu、150g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(比較例1)
粗化処理層の形成条件において、電流密度を33.3A/dm2に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(比較例2)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、電流密度を33.3A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
(比較例3)
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を40g/LのCu、200g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた表面処理銅箔について、下記の評価を行った。
<表面処理層のRΔq、Ra、Sa、Rz、Sz、Sq、Sal、SMr1、SMr2、Spk、RSm>
オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡(LEXT OLS4000)を用いて画像撮影を行なった。なお、撮影した画像の解析は、オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡(LEXT OLS 4100)の解析ソフトを用いて行った。RΔq、Ra、Rz及びRSmの測定はJIS B0601:2013に、Sa、Sz、Sq、Sal、SMr1、SMr2及びSpkの測定はISO 25178にそれぞれ準拠して行った。また、これらの測定結果は、任意の3か所で測定した値の平均値を測定結果とした。なお、測定時の温度は23〜25℃とした。また、レーザー顕微鏡及び解析ソフトにおける主要な設定条件は下記の通りである。
対物レンズ:MPLAPON50XLEXT(倍率:50倍、開口数:0.95、液浸タイプ:空気、機械的鏡筒長:∞、カバーガラス厚:0、視野数:FN18)
光学ズーム倍率:1倍
走査モード:XYZ高精度(高さ分解能:10nm、取込みデータの画素数:1024×1024)
取込み画像サイズ[画素数]:横257μm×縦258μm[1024×1024]
(横方向に測定するため、評価長さとしては257μmに相当)
DIC:オフ
マルチレイヤー:オフ
レーザー強度:100
オフセット:0
コンフォーカルレベル:0
ビーム径絞り:オフ
画像平均:1回
ノイズリダクション:オン
輝度むら補正:オン
光学的ノイズフィルタ:オン
カットオフ:無し(λc、λs、λf全て無し)
フィルタ:ガウシアンフィルタ
ノイズ除去:測定前処理
表面(傾き)補正:実施
最少高さの識別値:Rzに対する比の10%
切断レベル差:Rmr1 20%
Rmr2 80%
相対負荷長さ率
RMr:切断レベルC0:最も高い点より下に1μm
切断レベル差:切断レベルC0より下に1μm
<ピール強度>
90度ピール強度の測定は、JIS C6471:1995に準拠して行った。具体的には、回路(表面処理銅箔)幅を3mmとし、90度の角度で50mm/分の速度で市販の樹脂基材(LCP:液晶ポリマー樹脂(ヒドロキシ安息香酸(エステル)とヒドロキシナフトエ酸(エステル)との共重合体)フィルム(株式会社クラレ製Vecstar(登録商標)CTZ;厚み50μm))と表面処理銅箔との間を引き剥がしたときの強度を測定した。測定は2回行い、その平均値をピール強度の結果とした。ピール強度は、0.5kgf/cm以上であれば、回路と樹脂基材との接着性が良好であるといえる。
なお、回路幅の調整は、塩化銅エッチング液を用いる通常のサブトラクティブエッチング方法によって行った。
<伝送損失>
表面処理銅箔を樹脂基材(LCP:液晶ポリマー樹脂(ヒドロキシ安息香酸(エステル)とヒドロキシナフトエ酸(エステル)との共重合体)フィルム(株式会社クラレ製Vecstar(登録商標)CTZ;厚み50μm))と貼り合わせた後、エッチングによって特性インピーダンスが50Ωとなるようマイクロストリップ線路を形成し、アジレント・テクノロジー株式会社製(現キーサイト・テクノロジー株式会社)のネットワークアナライザーN5247Aを用いて透過係数を測定し、周波数30GHzでの伝送損失を求めた。伝送損失は、−6.0dB/10cm以内であれば良好であるといえる。
上記の評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、表面処理層のRSmが3.3〜5.2μmである実施例1〜9の表面処理銅箔はピール強度が高く、伝送損失も少なかった。
一方、表面処理層のRSmが5.2μmを超える比較例1〜3の表面処理銅箔は、伝送損失は少なかったが、ピール強度が低かった。
なお、上述した実施例において、Zn−Ni層などの耐熱処理層及び/又は防錆処理層を設けると、耐熱性及び又は錆に対する耐性が向上することを期待できる。この場合、耐熱処理層及び/又は防錆処理層は平滑めっきにより形成することが好ましい。また、シランカップリング処理層を設けると、樹脂基材との接合強度が向上することを期待できる。
以上の結果からわかるように、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材との接着性を高めることが可能な表面処理銅箔を提供することができる。また、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。さらに、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と回路パターンとの間の接着性に優れたプリント配線板を提供することができる。
すなわち、本発明の実施形態は、銅箔と、前記銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有し、前記表面処理層の平均長さRSmが3.3〜5.2μmであり、前記表面処理層の算術平均粗さRaが0.25〜0.40μmである表面処理銅箔に関する。
また、本発明の実施形態は、前記表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板である。
さらに、本発明の実施形態は、前記銅張積層板の前記表面処理銅箔をエッチングして形成された回路パターンを備えるプリント配線板である。

Claims (16)

  1. 銅箔と、前記銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有し、
    前記表面処理層の平均長さRSmが3.3〜5.2μmである表面処理銅箔。
  2. 前記表面処理層の二乗平均平方根高さSqが0.33〜0.55μmである、請求項1に記載の表面処理銅箔。
  3. 前記表面処理層の算術平均粗さRaが0.25〜0.40μmである、請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
  4. 前記表面処理層の算術平均高さSaが0.25〜0.40μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  5. 前記表面処理層の最大高さ粗さRzが2.3〜5.1μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  6. 前記表面処理層の最大高さSzが4.4〜7.4μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  7. 前記表面処理層の最小自己相関長さSalが1.2〜1.7μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  8. 前記表面処理層の突出山部とコア部を分離する負荷面積率SMr1が11.5〜16.0%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  9. 前記表面処理層の突出谷部とコア部を分離する負荷面積率SMr2が86.5〜91.0%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  10. 前記表面処理層の突出山部高さSpkが0.41〜1.03μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  11. 前記表面処理層の二乗平均平方根傾斜RΔqが37〜70°である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  12. 前記表面処理層が、粗化処理層、耐熱処理層、防錆処理層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  13. 前記銅箔上に粗化処理層を有し、前記粗化処理層上にNi−Zn層を有し、前記Ni−Zn層上にクロメート処理層を有し、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  14. 前記銅箔が圧延銅箔である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板。
  16. 請求項15に記載の銅張積層板の前記表面処理銅箔をエッチングして形成された回路パターンを備えるプリント配線板。
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