JP2020122040A - 帯電防止剤組成物、帯電防止剤、及び表面処理方法 - Google Patents

帯電防止剤組成物、帯電防止剤、及び表面処理方法 Download PDF

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逸人 西田
Itsuhito Nishida
逸人 西田
蛯名 武雄
Takeo Ebina
武雄 蛯名
宗弘 窪田
Munehiro Kubota
宗弘 窪田
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Abstract

【課題】 耐水性に優れた帯電防止剤又はこれを用いた表面処理方法を提供する。【解決手段】 帯電防止剤組成物は、合成層状ケイ酸塩と、有機樹脂バインダーと、水を主成分とする溶媒と、アルコキシ基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物とを有する。具体的には、前記合成層状ケイ酸塩は、スメクタイト、サポナイト、スチーブンサイト、又は、ヘクトライトであって、フッ素を含有するものであり、前記アルコキシ基を含有する化合物は、シランカップリング剤である。帯電防止剤組成物をプラスチック等の表面に塗布乾燥することでプラスチック等に帯電防止性能を付与することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止剤組成物、帯電防止剤、及び表面処理方法に関する。
工業用材料としてプラスチックフィルムは、包装材料、印刷材料、電子材料など広範囲の分野で重用されており、その取扱い時には、静電気によるトラブルを防止するため、界面活性剤のような帯電防止剤をプラスチックに練り込んだり、表面に塗布したりして、対策が取られている。
また、電子部品・電子機器の包装材料用フィルム、離型フィルム、工程フィルムなど使用時に特に帯電防止性が必要な場合には、プラスチック表面に帯電防止剤を塗布することが多い。従来から界面活性剤やイオン性高分子化合物を塗布することは広く行われているが、高湿度条件下で塗布した表面がべたついたり、巻き取ったときに裏面に移行したりする問題があった。
近年、酸化亜鉛などの導電性金属化合物、ポリチオフェンやポリピロールなどの導電性高分子やカーボンナノチューブなどカーボンナノ粒子を帯電防止剤に適用することが増えているが、いずれも着色や透明性低下の外観に問題が生じたり、高価なためコスト的な制約を受けたりしている。
本発明で使用する合成層状ケイ酸塩は、水に容易に分散し、プラスチックフィルム、特に透明性の高いポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと称す)に塗布した場合に、透明性を損なうことなく良好な帯電防止性を発揮し、かつ、べたつきや移行などの問題も少ない点で利用されている。
例えば、特許文献1には、基材の少なくとも片面に合成樹脂と膨潤性無機層状ケイ酸塩とを有する層が形成された複合フィルムが開示されている。
また、特許文献2には、フィルムの少なくとも片面に硬化型樹脂と無機層状ケイ酸塩とを組成物とする層を設けてなるフィルムが開示されている。
特開昭63−115745 特開昭63−119018
耐水性に優れた帯電防止剤又はこれを用いた表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る帯電防止剤組成物は、合成層状ケイ酸塩と、有機樹脂バインダーと、水を主成分とする溶媒と、アルコキシ基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物とを有する。
また、本発明に係る帯電防止剤は、第1剤及び第2剤を含む帯電防止剤であって、前記第1剤は、合成層状ケイ酸塩と、有機樹脂バインダーとを有し、前記第2剤は、アルコキシル基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物を有する。
好適には、前記合成層状ケイ酸塩は、スメクタイト、サポナイト、スチーブンサイト、又は、ヘクトライトであって、フッ素を含有するものである。
好適には、前記有機樹脂バインダーは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする有機樹脂バインダーである。
好適には、前記アルコキシ基を含有する化合物は、シランカップリング剤である。
好適には、前記典型金属又は遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物は、Mg、Ca、Ti、Zr、Zn、B、又は、Alの化合物である。
また、本発明に係るプラスチックフィルムは、上記の帯電防止剤組成物が塗布乾燥されたプラスチックフィルムである。
また、本発明に係る表面処理方法は、合成層状ケイ酸塩、及び、有機樹脂バインダーを有する第1剤と、アルコキシル基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物を有する第2剤とを混合して、混合剤とする工程と、混合された前記混合剤を、プラスチックフィルムに塗布する工程と、塗布された前記混合材を乾燥させる工程とを有する。
耐水性に優れた帯電防止剤又はこれを用いた表面処理方法を提供できる。
実施例1〜7及び比較例1〜4の配合比率及び評価結果を示す図である。 実施例8〜14の配合比率及び評価結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の帯電防止剤組成物は、合成層状ケイ酸塩(A)と、有機樹脂バインダー(B)と、水を主成分とする溶媒(C)と、アルコキシ基を含有する化合物(D)、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物(E)とを有する。
より具体的には、帯電防止剤組成物は、合成層状ケイ酸塩(A)、有機樹脂バインダー(B)、及び、水を主成分とする溶媒(C)を有する第1剤に対して、アルコキシル基を含有する化合物(D)、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物(E)を有する第2剤を配合してなる。
(合成層状ケイ酸塩)
合成層状ケイ酸塩(A)とは、3八面体型スメクタイトであるサポナイト、スチーブンサイト、又はヘクトライトであって、ケイ酸層にナトリウム、マグネシウム又はアルミニウムなどの陽イオンが層間イオンとして配置されている。これらは、固相法、水熱合成法などで合成される。スメクタイトについては、「粘土ハンドブック第三版」(日本粘土学会編)の65頁〜75頁に記載があり、合成については、198頁〜202頁に記載がある。本実施形態で用いる合成層状ケイ酸塩(A)としては、BYK社製のラポナイトRD、RDS、EP、JS、S482、クニミネ工業製のスメクトンSA、ST、SWFなどを用いることができる。かかる合成層状ケイ酸塩(A)は、水中にコロイド状となって容易に分散し、PETフィルムのような透明基材に塗工した場合、透明な皮膜を形成することができ、光学特性が必要な用途に広く使用できる。
一方、天然層状ケイ酸塩である2八面体型スメクタイトは、水には分散するが、有色成分の含有により透明な皮膜は得られず、透明性を必要とする用途に使用は難しい。かかる合成層状ケイ酸塩の中でも、構造中にフッ素を含有した合成層状ケイ酸塩が、優れた帯電防止性と良好な耐水性を示すので、特に好ましい。例えば、BYK社製のラポナイトJS、クニミネ工業製のスメクトンSWFが挙げられる。
(有機バインダー)
有機バインダー(B)とは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、ポリオレフィン樹脂であり、これら2成分を複合化させたアクリル変性ポリエステル樹脂から選ばれた1種または2種以上の樹脂を使うこともできる。いずれも、水に分散、乳化、又は溶解させた液体として用いられる。
有機バインダー(B)は、樹脂の側鎖に親水性基を導入したり、側鎖や末端のCOOH基をアミンなどの塩基性化合物で中和したりして、水に分散することができる。また、乳化剤を用いて強制乳化し、乳化液を得ることも可能である。
ポリエステル樹脂としては、エステル形成性二塩基酸とグリコールの重縮合反応によって合成されるものであって、エステル形成性二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などが使用でき、また、グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのグリコールが使用できる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸やトリメリロールプロパン、グリセリンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量の大きなグリコールを併用することができる。本発明組成物のポリエステル樹脂としては、5−スルホソジウムイソフタル酸、4-スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のアルカリ金属塩などの親水性ジカルボン酸モノマーを共重合したり、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸など多価カルボン酸無水物を末端に導入し、アミンなど塩基性化合物で中和したりして得ることができる水分散性のポリエステル樹脂が好ましい。例えば、東洋紡製のバイロナールMD−1100、MD−1200、MD−1245、MD−1400などや、高松油脂製のペスレジンA−110、A−120、A−124GP、A−160Pなどが使用できる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の重付加によって合成されるものであって、ポリエステルポリオールとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などエステル形成性二塩基酸と、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのグリコールから得られる比較的低分子量のポリエステルポリオールが使用できる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物などのポリオールが使用できる。また、ポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのグリコールとエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどカーボネート化合物とが挙げられる。ポリイソシアネートは、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類が使用できる。ポリウレタン樹脂合成時に、ジメチロールブタン酸などのカルボン酸基含有の多価アルコールを導入し、アミンなど塩基性化合物で中和して水分散化したり、乳化剤を使用して強制乳化したものが使用できる。例えば、第一工業製薬製のスーパーフレックス130、210、462、460、860など、DIC製のハイドランAP−40、APX−101H、WLS−210、HW−311などが使用できる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、及び/又は、(メタ)アクリル酸エステルのラジカル重合性モノマーを乳化剤で乳化重合したエマルジョンが挙げられる。ラジカル重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸、n−ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、などの(メタ)アクリル酸モノマーが挙げられ、この他にも、スチレン、N−ビニルピロリドン、マレイン酸、イタコン酸などのラジカル重合性ビニルモノマーも併用することができる。また、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有するラジカル重合性モノマーを併用することができる。例えば、DSM Coating Resins製のNeoCryl A−633、A−655、A−1091、A−2091、A−1125など、BASFジャパン製のアクナールYJ−1100Daq、YJ−1800Daq、YJ−2716Daq、YJ−2720Daq、高松油脂製のES−960MCなどが使用できる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの酸変性樹脂の水分散物が挙げられる。例えば、ユニチカ製アローベースSA−1200、SB−1200、SD−1200など、東洋紡製ハードレンNZ−1004、NZ−1015など、三井化学製ケミパールS100、S120、S200、S300などが挙げられる。
アクリル変性ポリエステル樹脂としては、前記ポリエステル樹脂の水分散体中で、前記(メタ)アクリル酸、及び/又は、(メタ)アクリル酸エステルのラジカル重合性モノマーを乳化重合したり、前記(メタ)アクリル酸、及び/又は、(メタ)アクリル酸エステルやビニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性モノマーをグラフト重合したりして合成することができる。例えば、アクリル変性ポリエステル樹脂としては、東亞合成製NS−1200(1)、高松油脂製ペスレジンA−124GP、A−124S、A−645GH、A−647GEXなどが挙げられる。
(A、Bの配合比率)
合成層状ケイ酸塩(A)と有機バインダー(B)の比率としては、(A)/(B)の樹脂固形分重量比が、(A)/(B)=80/20〜20/80重量%、さらに好ましくは、70/30〜30/70重量%である。(A)の重量比が、80%を越えるときには、基材との密着性低下し、(A)の重量比が20%に満たないときには、表面抵抗値、又は、耐ブロッキング性が低下する。
(水を主成分とする溶剤)
水を主成分とする溶剤(C)としては、水以外に、水溶性溶剤から選ばれた1種または2種以上の水溶性溶剤を併用できる。水溶性溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテルが挙げられる。水溶性溶剤の配合割合は、溶媒中の50重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、30重量%以下である。50重量%を超える場合には、合成層状粘土鉱物の分散性が劣り、凝集し液が濁るなどの問題が発生する。
(アルコキシシリル基を含有する化合物)
アルコキシシリル基を含有する化合物(D)とは、分子内にアルコキシシリル基を1個以上有する化合物であって、さらに好ましくは、分子内にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物である。例えば、アルコキシシリル基と有機基を有するシランカップリング剤が使用できる。シランカップリング剤としては、KBM−1003、KBM−303、KBM−502、KBM−503、KBE−402、KBM−403、KBM−603、KBE−903、KBE−13、KBE−103等が挙げられる。
(A、B、Dの配合比率)
((A)+(B))/(D)の樹脂固形分重量比が、((A)+(B))/(D)=75/25〜99/1重量部、さらに好ましくは、85/15〜97/3重量部である。
(D)が15部を越えるときには、塗膜透明性、液安定性が低下し、(D)が5部に満たないと耐水性が低下する。
本発明組成物にアルコキシシリル基を含有する化合物を配合した場合に優れた耐水性が得られる理由としては明確になっていないが、合成層状ケイ酸塩の水酸基とアルコキシシリル基を含有する化合物のシラノール基が反応(結合)することで、水に溶解もしくは分散し難くなったり、不溶化したりして、水に対する耐性が向上し、塗膜の耐水性、浸漬後の表面抵抗値の低下を抑えることができると推測している。
(典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物)
典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物(E)の金属元素としては、例えば、典型金属であれば、ベリリウムBe、マグネシウムMg、カルシウムCa、タリウムTl、アルミニウムAl、又は、リンPなどが挙げられ、遷移金属であれば、チタンTi、ジルコニウムZr、マンガンMn、鉄Feなどが挙げられる。特に好ましくは、Mg、Ca、Ti、Zr、Zn、B、Alから選ばれた金属元素の化合物であり、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムなどが挙がられる。
(A、B、Eの配合比率)
((A)+(B))/(E)の樹脂固形分重量比は、((A)+(B))/(E)=80/20〜99/1重量部、さらに好ましくは、85/15〜97/3重量部である。
(E)が20部を越えるときには、液安定性が低下し、(E)が1部に満たないと耐水性が低下する。
二価以上の多価金属の化合物を合成層状ケイ酸塩を含む本組成物に配合した場合に優れた耐水性が得られる理由は明確にはなっていないが、合成層状ケイ酸の一価の金属塩(ナトリウム)とイオン交換反応し、合成層状ケイ酸塩内に二価以上の多価金属の化合物が取り込まれ、水に溶解もしくは分散し難くなったり、不溶化したりして、水に対する耐性が向上し、塗膜の耐水性が向上し、浸漬後の表面抵抗値の低下を抑えることができるようになると推測している。
(帯電防止剤組成物の濃度)
本実施形態における帯電防止剤組成物の濃度は、30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下である。30重量%を超えるときには、液の粘度が増粘し、塗工可能な液粘度にならない。
本帯電防止剤組成物には、消泡剤、界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、分散剤、解膠剤などをこの発明の効果を阻害しない範囲内で添加することができる。
(プラスチックフィルム)
本発明組成物をコーティングするプラスチックフィルムとしては、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル、シクロオレフィンポリマー等のプラスチックフィルムが挙げられる。本発明にとって、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、PETフィルムが好ましく、特に、延伸したPETフィルムは透明性も高く、工業的に広く賞用されているので有用である。プラスチックフィルムは本発明組成物を塗布する前にコロナ放電処理、紫外線照射処理などを行うことによってさらに密着性を向上させることができる。プラスチックフィルムの厚みとしては通常1μm以上であって、1〜5mmのような厚いシートに対しても使用可能である。
(塗布方法)
本発明組成物をプラスチックフィルムに適用する場合の塗布方法しては、グラビアコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、バーコート法、コンマコ−ト法、ディップコート法、あるいは、スプレーコート法など各種公知の方法を適用することができる。本発明組成物にとっては、膜厚が適正な範囲で薄く塗布できるグラビアコート法が好ましい。本組成物を塗布する際には、乾燥膜厚0.01〜5μm、好ましくは、0.02〜1μm、さらに好ましくは、0.03〜0.3μmである。また、乾燥条件としては、60〜180℃で30秒〜180秒の乾燥が好ましい。溶媒が水を主成分としているので、80〜150℃で乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥等公知の乾燥方法が挙げられる。
(実施例)
次に、実施例における帯電防止剤組成物の製造方法を説明する。なお、図1及び図2には、実施例1〜14及び比較例1〜4の配合比率が示されている。
まず、合成層状ケイ酸塩の分散物の製造であるが、ビーカーにイオン交換水95部、ラポナイトRDS5部を仕込み、室温で3時間撹拌を行い、合成層状ケイ酸塩分散物A8を得た。なお、同様に、実施例1〜7について、合成層状ケイ酸塩分散物A1〜A7が得られ、実施例9〜14について、合成層状ケイ酸塩分散物A9〜A14が得られた。
次に、合成層状ケイ酸塩の水分散物A8を500部、アクリル変性ポリエステル樹脂水分散体ペスレジンA−124GP(高松油脂製、濃度25重量%)を100重量部、イオン交換水を300重量部、シランカップリング剤KBM−403(信越化学工業製)を1.5重量部、秤量し、これらの混合物を室温で2時間撹拌し、実施例8の帯電防止剤組成物F8を得た。
同様に、図2に示す比率で、実施例9〜14の帯電防止剤組成物F9〜14を得た。また、シランカップリング剤に代えて、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物(E)を図1に示した比率%で配合し、実施例1〜7について帯電防止剤組成物F1〜F7を得た。
なお、図1及び図2において、ラポナイトRDS及びラポナイトJSは、ビックケミー・ジャパン製の層状ケイ酸塩であり、スメクトンSA及びスメクトンSWFは、クニミネ工業製の層状ケイ酸塩である。ペスレジンA−124GP及びペスレジンA−645GHは、高松油脂製のアクリル変性ポリエステル樹脂水分散体であり、ペスレジンA−110は、高松油脂製のポリエステル樹脂水分散体である。スーパーフレックス420は、第一工業製薬製のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散体であり、NeoAcryl A−1125は、DSM Coating Resins製のアクリルエマルジョンである。ケミパールS−100は、三井化学製のポリオレフィン系アイオノマー樹脂ディスパージョンであり、ペスレジンA−125Sは、高松油脂製のアクリル変性ポリエステル樹脂水分散体である。KBM−403は、信越化学工業製の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであり、KBE−402は、信越化学工業製の3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである。KBM−1003は、信越化学工業製のビニルトリメトキシシランであり、KBM−13は、信越化学工業製のメチルトリメトキシシランである。
(ポリエステルフィルムへの塗工例)
乾燥後の塗布厚さが0.3μmになるように、得られた帯電防止剤組成物F1〜F14を、膜厚100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布し、110℃で3分間乾燥させ、表面が帯電防止加工された加工フィルムを得た。同様に、比較例1〜4の加工フィルムも得られた。
得られた加工フィルムについて下記の評価試験を行った。評価結果を図1及び図2に示す。
(塗工例及び性能評価)
(1)皮膜の透明性評価
加工皮膜のHAZEを濁度計(NDH−5000)で測定した。
(2)ポリエステルフィルムへの密着性評価
碁盤目テープ法に準じ、加工面上にセロハンテープ(ニチバン(株)製CT405A−18)を空気が入らないように貼り合わせ、180゜方向に引き剥がした後の加工層の残存程度を次の基準で判定した。
図1において、○は残存率100%、△は残存率99〜80%、×は残存率79%以下を示す。
(3)塗膜耐水性
加工フィルムの表面に水滴を落とし、10秒後にキムワイプで拭き取り、塗膜状態を次の基準で判定した。
○は「白化も溶解もしていない」、△は「白化した」、×は「溶解した」
(4)表面抵抗値の測定
デジタル超抵抗/微少電流計R8340A(ADVANTEST社製)を用いて温度20℃、湿度40%の雰囲気中で、表面抵抗値を測定した。
(5)浸漬後の表面抵抗値の測定
加工フィルムをイオン交換水に10時間浸漬した後に取り出し、温度20℃、湿度40%の雰囲気中に24時間放置した。24時間後、デジタル超抵抗/微少電流計R8340A(ADVANTEST社製)を用いて温度20℃、湿度40%の雰囲気中で表面抵抗値を測定した。
図1及び図2に示すように、実施例1〜14の帯電防止剤組成物によれば、比較例よりも耐水性に優れた、ブラスチックフィルムの表面加工が可能になる。

Claims (8)

  1. 合成層状ケイ酸塩と、
    有機樹脂バインダーと、
    水を主成分とする溶媒と、
    アルコキシ基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物と
    を有する帯電防止剤組成物。
  2. 第1剤及び第2剤を含む帯電防止剤であって、
    前記第1剤は、
    合成層状ケイ酸塩と、
    有機樹脂バインダーと
    を有し、
    前記第2剤は、
    アルコキシル基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物
    を有する
    帯電防止剤。
  3. 前記合成層状ケイ酸塩は、スメクタイト、サポナイト、スチーブンサイト、又は、ヘクトライトであって、フッ素を含有するものである
    請求項1に記載の帯電防止剤組成物。
  4. 前記有機樹脂バインダーは、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする有機樹脂バインダーである
    請求項1又は3に記載の帯電防止剤組成物。
  5. 前記アルコキシ基を含有する化合物は、シランカップリング剤である
    請求項1又は3に記載の帯電防止剤組成物。
  6. 前記典型金属又は遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物は、Mg、Ca、Ti、Zr、Zn、B、又は、Alの化合物である
    請求項1又は3に記載の帯電防止剤組成物。
  7. 請求項1に記載の帯電防止剤組成物が塗布乾燥されたプラスチックフィルム。
  8. 合成層状ケイ酸塩、及び、有機樹脂バインダーを有する第1剤と、アルコキシル基を含有する化合物、又は、典型金属及び遷移金属から選ばれた二価以上の多価金属の化合物を有する第2剤とを混合して、混合剤とする工程と、
    混合された前記混合剤を、プラスチックフィルムに塗布する工程と、
    塗布された前記混合材を乾燥させる工程と
    を有する表面処理方法。
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