JP2020119818A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】交換頻度を低くできるスパークプラグを提供すること。【解決手段】スパークプラグは、母材と、放電面を有するチップと、チップと母材との間の全体に亘って介在しチップを母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、放電面に先端面が対向する中心電極と、を備える。チップは、自身の外周部に、放電面と溶融部との間の距離が、放電面の中央における放電面と溶融部との間の距離よりも長い厚肉部を備え、厚肉部は外周部の全周に亘って設けられている。【選択図】図2

Description

本発明はスパークプラグに関し、特に接地電極の母材にチップが接合されたスパークプラグに関するものである。
接地電極のチップの放電面と中心電極との間に火花ギャップが形成されるスパークプラグにおいて、特許文献1に開示の技術では、接地電極の母材とチップとが溶け合ってなる溶融部が、母材とチップとの間の全体に亘って介在する。溶融部は、母材の線膨張係数とチップの線膨張係数との差によって生じる応力を緩和し、熱膨張収縮によるチップや溶融部の破壊を抑制する。
特開2013−41754号公報
この種のスパークプラグでは、接地電極のチップの放電面の外周縁に電界が集中したり火花が吹き流されたりすると、放電面の外周縁と中心電極との間に生じる火花放電によって、チップの放電面の中央よりも外周縁が多く消耗し易くなる。チップの放電面の外周縁が消耗して溶融部の外周が露出し、さらに溶融部の外周が消耗して溶融部の断面積が小さくなると、熱膨張収縮により生じる応力によって溶融部が破壊し、チップが脱落するおそれがある。従って、チップが消耗して溶融部の外周が露出したスパークプラグは、新しいものに交換される。一般の需要者は交換頻度の低いスパークプラグを好む。
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、交換頻度を低くできるスパークプラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、母材と、放電面を有するチップと、チップと母材との間の全体に亘って介在しチップを母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、放電面に先端面が対向する中心電極と、を備える。チップは、自身の外周部に、放電面と溶融部との間の距離が、放電面の中央における放電面と溶融部との間の距離よりも長い厚肉部を備え、厚肉部は外周部の全周に亘って設けられている。
請求項1記載のスパークプラグによれば、チップの外周部の全周に亘って存在する厚肉部の放電面と溶融部との間の距離は、放電面の中央における放電面と溶融部との間の距離よりも長い。これにより、チップの放電面の外周縁と中心電極との間の放電による厚肉部の消耗によって溶融部の外周が露出するまでの期間を長くすることができる。よって、スパークプラグの交換頻度を低くできる。
請求項2記載のスパークプラグによれば、チップの放電面と中心電極の先端面との間の距離をgとし、チップの放電面の外周縁と中心電極の先端面の外周縁との最短距離をLとした場合、g≦0.6mm、且つ、L/g≦1.1の関係を満たす。これにより、請求項1の効果に加え、チップの放電面の外周縁と中心電極の先端面の外周縁との間に放電を生じさせ易くできる。
請求項3記載のスパークプラグによれば、溶融部は、チップの外周部に囲まれる内側に、チップと母材との間の厚さが、外周部におけるチップと母材との間の厚さよりも厚い中央部を備えている。中央部によって溶融部の断面積を確保し、チップや溶融部に生じる応力を緩和できるので、請求項1又は2の効果に加え、チップや溶融部の破壊を抑制できる。
請求項4記載のスパークプラグによれば、中央部は、チップの放電面に垂直な方向に中心電極の先端面を投影した範囲内に存在する。これにより、チップの放電面の外周縁と中心電極との間の放電によるチップの消耗によって中央部を露出させ難くできる。中央部を露出させ難くすることで中央部の消耗を抑制できるので、請求項3の効果に加え、中央部による応力の緩和効果を確保できる。
第1実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 (a)は接地電極の背面図であり、(b)は図2(a)のIIb−IIb線における接地電極および中心電極の断面図である。 (a)は第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図であり、(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における接地電極および中心電極の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。図1に示すようにスパークプラグ10は、絶縁体11、中心電極20、主体金具30及び接地電極40を備えている。
絶縁体11は、軸線Oに沿って貫通する軸孔12が形成された略円筒状の部材であり、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等のセラミックスにより形成されている。絶縁体11は、軸孔12により形成された内周面の先端側に、後端側を向く円環状の面である後端向き面13が形成されている。後端向き面13は先端側へ向けて縮径している。
中心電極20は、頭部21が後端向き面13に係止される棒状の部材であり、後端向き面13よりも先端側の軸孔12に軸部22が配置されている。中心電極20は、Niを主成分とする有底円筒状の母材が、銅を主成分とする芯材を覆っている。芯材を省略することは可能である。中心電極20の母材の先端にはチップ23が接合されている。チップ23は、例えばPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を含み、これらの貴金属の1種を50wt%以上含む化学組成を有する。中心電極20は、軸孔12内で端子金具25と電気的に接続されている。
端子金具25は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具25は、先端側が軸孔12に挿入された状態で、絶縁体11の後端に固定されている。
主体金具30は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具30は絶縁体11の先端側を取り囲み、絶縁体11を内側に保持する。主体金具30は、自身の先端側の胴部31の外周面におねじ32が形成されている。おねじ32は、エンジン(図示せず)のねじ穴に螺合する部位である。主体金具30は、胴部31の後端側に連接される座部33と、座部33の後端側に連接される後端部34と、を備えている。
座部33は、エンジン(図示せず)のねじ穴とおねじ32との隙間を塞ぐための部位であり、胴部31の外径よりも外径が大きく形成されている。後端部34には、エンジンのねじ穴におねじ32を締め付けるときにレンチ等の工具が係合する工具係合部が形成されている。主体金具30は、胴部31に接地電極40が接続されている。
接地電極40は、導電性を有する金属材料(例えばNi基合金等)によって形成された母材41と、母材41に接合されたチップ44と、を備えている。母材41は、チップ44が接合された第1端部42と、主体金具30に接合された第2端部43と、を備える棒状の部材である。チップ44の材質は母材41の材質と異なり、チップ44の線膨張係数は母材41の線膨張係数と異なる。
チップ44は、例えばPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を含み、これらの貴金属の1種以上を50wt%以上含む化学組成を有する。この中では、特に、Irを50wt%以上含む化学組成や、Ptを50wt%以上含みさらにIrを含有する化学組成が好ましい。このような化学組成であれば、後述する厚肉部62を形成し易い。
後端側を向くチップ44の放電面45と中心電極20(チップ23の先端面24)との間に火花ギャップ46が形成されている。放電面45は、1辺の長さが2.5mm以上の矩形状、もしくは、これと同等の大きさを有する円形状であることが好ましい。このような形状であれば、後述する厚肉部62を形成し易い。
図2(a)はチップ44を後端側からみた接地電極40の背面図であり、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線における接地電極40及び中心電極20の断面図である。図2(a)は母材41の第1端部42が図示されており、第2端部43(図1参照)の図示が省略されている(図3(a)においても同じ)。図2(b)は中心電極20のチップ23の後端側の図示が省略されている(図3(b)においても同じ)。
図2(a)の矢印Lは、母材41の第1端部42から第2端部43へ延びる母材41の長手方向を示す(図3(a)においても同じ)。図2(b)の矢印Fはスパークプラグ10(図1参照)の軸線方向の先端側を示す(図3(b)においても同じ)。本実施形態では、チップ44は放電面45が矩形の板状に形成されている。チップ44の放電面45の面積は、中心電極20のチップ23の先端面24の面積よりも広い。チップ23(中心電極20)の先端面24の形状は円形である。
図2(a)及び図2(b)に示すように母材41の第1端部42には、母材41及びチップ44が溶け合った溶融部51が形成されている。チップ44は溶融部51によって母材41に接合されている。溶融部51の形成により、チップ44の放電面45の反対側の面は全体が溶けて消失している。
チップ44の放電面45の外周縁54は、互いに向き合う第1辺55及び第2辺56と、第1辺55及び第2辺56にそれぞれ交わる第3辺57及び第4辺58と、からなる。第3辺57及び第4辺58は互いに向き合う。第1辺55は、第2辺56に対し母材41の長手方向(矢印L方向)の第2端部43(図1参照)側に位置する。
チップ44の放電面45に垂直な方向からみた第1端部42の背面視において(図2(a)参照)、溶融部51はチップ44の外周縁54の周囲まで広がっている。本実施形態ではチップ44は放電面45が矩形の板状なので、チップ44の放電面45に垂直な方向から見える部分の形を表すチップ44の外形線は、チップ44の放電面45の外周縁54に等しい。
チップ44の外周部59は、チップ44の外形線(本実施形態では外周縁54)を60%に縮小した縮図59aと外形線との間の領域である。チップ44の外形線と縮図59aとは相似である。チップ44の外形線の中心および縮図59aの中心は、放電面45の中央60に一致する。外周部59の幅は、チップ44の外形線の内側に配置した縮図59aと外形線との間の距離である。外周部59のうち第1辺55及び第2辺56にそれぞれ接する部位の幅は、それぞれ第1辺55と第2辺56との間の距離の20%である。外周部59のうち第3辺57及び第4辺58にそれぞれ接する部位の幅は、それぞれ第3辺57と第4辺58との間の距離の20%である。
溶融部51には、チップ44の外周部59に囲まれる内側に、チップ44と母材41との間の厚さT2が、外周部59におけるチップ44と母材41との間の厚さT1よりも厚い中央部61が形成されている(図2(b)参照)。中央部61は、チップ44の放電面45に垂直な方向に、中心電極20(図1参照)の先端面24を投影した範囲63内に存在する。なお、チップ44の放電面45と範囲63とが交わる部位は、チップ44の外周縁54の内側に存在する。
溶融部51に形成された中央部61によって、界面52は中央付近が後端側(反矢印F方向)へ隆起している。チップ44は、外周部59におけるチップ44の放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離D1が、放電面45の中央60における放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離D2よりも長い厚肉部62が、外周部59に形成されている。厚肉部62は、外周部59の全周に亘って設けられている。
中央部61及び厚肉部62の特定は、チップ44の放電面45に垂直に接地電極40を切断し、その断面を顕微鏡などで観察した結果に基づいて行う。例えば、チップ44の第1辺55と第2辺56との間の距離の20%間隔で(チップ44を5等分して)、第2辺56から第1辺55に向かって順に断面を作り、各断面における界面52,53の形状を観察する。複数の断面観察の結果から界面52,53の全体の形状を推定し、中央部61及び厚肉部62の位置、大きさ及び範囲を特定する。
なお、チップ44及び溶融部51がX線を透過する化学組成をもつ場合には、X線透過装置を用いた非破壊検査によって中央部61及び厚肉部62を特定できる。
厚さT1は、観察した接地電極40の断面において、外周部59における界面52,53間の最長距離である。その厚さT1よりも界面52,53間が厚い部位が中央部61である。中央部61は厚さT2を厚さT1と比較することにより特定される。
距離D2は、観察した接地電極40の断面において、放電面45の中央60における放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離である。外周部59において、その距離D2よりも放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離D1が長い部位が厚肉部62である。厚肉部62は距離D1を距離D2と比較することにより特定される。
中央部61は、チップ44の放電面45と略平行な方向から、レーザビーム等の高エネルギービームをチップ44と母材41との境界部分に照射して形成できる。例えば、まずチップ44と母材41との境界部分であってチップ44の第3辺57の中央にビームを照射した後、第3辺57の端から第3辺57に沿って矢印L方向にビームを移動させながらチップ44と母材41との境界部分にビームを照射する。第3辺57の中央において放電面45の中央60を超えて溶融部51が形成されるように、ビームのエネルギー等を調整する。
次いで、チップ44と母材41との境界部分であってチップ44の第4辺58の中央にビームを照射した後、第4辺58の端から第4辺58に沿って反矢印L方向にビームを移動させながらチップ44と母材41との境界部分にビームを照射する。放電面45の中央60で、先に形成された溶融部51に溶融部が重なるように、ビームのエネルギー等を調整する。これにより2方向から形成された溶融部51が重なり合った中央60付近の溶融量が多くなり、溶融部51に中央部61が形成される。
本実施形態では、チップ44の放電面45と中心電極20の先端面24との間の距離gは0.6mm以下に設定されている。距離gは火花ギャップ46の間隔である。距離gと、放電面45の外周縁54と中心電極20の先端面24の外周縁26との最短距離Lと、の関係はL/g≦1.1を満たす。放電面45の外周縁54は、チップ44の側面44aと放電面45とが交わる直線である。先端面24の外周縁26は、チップ23の側面23aと先端面24とが交わる曲線である。g≦0.6mm且つL/g≦1.1を満たすと、チップ44の放電面45の外周縁54と中心電極20の先端面24の外周縁26との間に放電を生じさせ易くできる。ひいては放電開始電圧を低下させることができる。
距離gはg≧0.2が好ましい。製造容易性を確保すると共に着火性の低下を防ぐためである。また、L/g≧1.0にできる。チップ44の第1辺55、第2辺56、第3辺57及び第4辺58の長さはいずれも2.5mm以上が好ましい。チップ44の放電が生じ易い箇所(外周縁26)を長くできるからである。
チップ44の放電面45の外周縁54に電界が集中したり燃焼室(図示せず)内の気流により火花が吹き流されたりして、放電面45の外周縁54と中心電極20との間に火花放電が生じ易くなると、チップ44は放電面45の中央60付近よりも外周縁54が多く消耗する。放電面45の外周縁54が消耗して溶融部51の外周が露出し、さらに溶融部51の外周が消耗して溶融部51の断面積が小さくなると、熱膨張収縮により生じる応力によって溶融部51が破壊し、チップ44が脱落するおそれがある。従って、チップ44が消耗して溶融部51の外周が露出したスパークプラグは、新しいものに交換される。
本実施形態によれば、チップ44の外周部59には、外周部59の放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離D1が、放電面45の中央60における放電面45と溶融部51(界面52)との間の距離D2よりも長い厚肉部62が存在する。厚肉部62は外周部59の全周に亘って存在するので、チップ44の放電面45の外周縁54と中心電極20との間の放電による厚肉部62の消耗によって溶融部51の外周が露出するまでの期間を長くすることができる。よって、スパークプラグ10の交換頻度を低くできる。
ここで、溶融部51の全体を単に薄くすると、チップ44の放電面45と反対側の部位の溶融量が減るので、放電面45の外周縁54からのチップ44の消耗によって溶融部51が露出するまでの期間を長くすることができる。しかし、溶融部51の全体を薄くすると溶融部51による応力の緩和効果は低下するので、チップ44や溶融部51が破壊し易くなるおそれがある。
本実施形態における溶融部51は、チップ44の外周部59に囲まれる内側に、チップ44と母材41との間の厚さT2(界面52,53間の厚さ)が、外周部59におけるチップ44と母材41との間の厚さT1(界面52,53間の厚さ)の最大値よりも厚い中央部61を備える。中央部61によって溶融部51の断面積を確保し、チップ44や溶融部51に生じる応力を緩和できるので、チップ44や溶融部51の破壊を抑制できる。
中央部61は、チップ44の放電面45に垂直な方向に中心電極20の先端面24を投影した範囲63内に存在する。チップ44の放電面45の外周縁54と中心電極20との間の放電によるチップ44の消耗によって中央部61を露出させ難くできるので、中央部61の消耗を抑制できる。よって、仮に放電面45の外周縁54が消耗して溶融部51の外周が露出し、さらに溶融部51の外周が消耗しても、中央部61により応力の緩和効果を確保できる。これにより溶融部51の破壊を抑制し、チップ44の脱落を抑制できる。
図3を参照して第2実施の形態について説明する。第2実施形態では、放電面72が円形のチップ71を備える接地電極70について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3(a)は第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極70の背面図であり、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における接地電極70及び中心電極20の断面図である。接地電極70は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
接地電極70は、母材41の第1端部42に溶融部76を介してチップ71が接合されている。溶融部76は母材41及びチップ71が溶け合ってなる。溶融部76の形成により、円盤状のチップ71の放電面72の反対側の面は全体が溶けて消失している。チップ71の放電面72の外周縁73の形状は円形である。
チップ71の放電面72に垂直な方向からみた第1端部42の背面視において(図3(a)参照)、溶融部76はチップ71の外周縁73の周囲まで広がっている。本実施形態では、チップ71の放電面72に垂直な方向から見える部分の形を表すチップ71の外形線は、チップ71の放電面72の外周縁73に等しい。
なお、本実施形態ではチップ71の側面71aと放電面72とが交わる角に丸みが施されている。この場合は、チップ71が接合された母材41の表面41aから放電面72までの高さHに対する90%の高さの位置に、表面41aに平行な仮想面81を設定し、仮想面81と側面71aとが交わる曲線を外周縁73とする。丸みの代わりに面取りが施されている場合も、丸みの場合と同様に仮想面81を設定する。これによりチップ71の側面71aと放電面72とが交わる角に丸みや面取りが施されている場合の最短距離Lを一意的に定めることができる。
チップ71の外周部74は、チップ71の外形線(本実施形態では外周縁73)を60%に縮小した縮図74aと外形線との間の領域である。チップ71の外形線と縮図74aとは相似である。チップ71の外形線の中心および縮図74aの中心は、放電面72の中央75に一致する。外周部74の幅は、チップ71の外形線の内側に配置した縮図74aと外形線との間の距離であり、放電面72の直径の20%である。
溶融部76には、チップ71の外周部74に囲まれる内側に、チップ71と母材41との間の厚さT2が、外周部74におけるチップ71と母材41との間の最大の厚さT1よりも厚い中央部79が形成されている(図3(b)参照)。中央部79は、チップ44の放電面45に垂直な方向に、中心電極20(図1参照)の先端面24を投影した範囲82内に存在する。なお、チップ71の放電面72と範囲82とが交わる部位は、チップ71の外周縁73の内側に存在する。
溶融部76に形成された中央部79によって、界面77は中央付近が後端側(反矢印F方向)へ隆起している。チップ71は、外周部74におけるチップ71の放電面72と溶融部76(界面77)との間の距離D1が、放電面72の中央75における放電面72と溶融部76(界面77)との間の距離D2よりも長い厚肉部80が、外周部74に形成されている。厚肉部80は、外周部74の全周に亘って設けられている。
チップ71の放電面72と中心電極20の先端面24との間の距離gは0.6mm以下に設定されている。距離gと、放電面72の外周縁73と中心電極20の先端面24の外周縁26との最短距離Lと、の関係はL/g≦1.1を満たす。
これにより第2実施形態におけるスパークプラグは、第1実施形態と同様の作用効果を実現できる。なお、チップ71の放電面72の直径は2.5mm以上が好ましい。チップ71の放電が生じ易い箇所(外周縁73)を長くできるからである。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では、接地電極40,70のチップ44,71の放電面45,72が矩形や円形の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば放電面45の形状を六角形等の矩形以外の多角形や楕円形にする等、放電面45,72の形状は任意に設定できる。
実施形態では、中心電極20に貴金属などを含有するチップ23が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中心電極20のチップ23を省略することは当然可能である。チップ23が省略される場合に、中心電極20の先端面とは、母材の先端面のことをいう。
実施形態では、厚さT2の厚い中央部61,79が溶融部51,76に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中央部61,79が形成されなくても、界面52,77の中央付近が放電面45,72へ向かって隆起していればチップ44,71に厚肉部62,80を形成できるからである。
10 スパークプラグ
20 中心電極
24 先端面
26 先端面の外周縁
40,70 接地電極
41 母材
44,71 チップ
45,72 放電面
51,76 溶融部
54,73 放電面の外周縁
59,74 外周部
60,75 放電面の中央
61,79 中央部
62,80 厚肉部
63,82 先端面を投影した範囲

Claims (4)

  1. 母材と、放電面を有するチップと、前記チップと前記母材との間の全体に亘って介在し前記チップを前記母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、
    前記放電面に先端面が対向する中心電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記チップは、自身の外周部に、前記放電面と前記溶融部との間の距離が、前記放電面の中央における前記放電面と前記溶融部との間の距離よりも長い厚肉部を備え、
    前記厚肉部は、前記外周部の全周に亘って設けられているスパークプラグ。
  2. 前記放電面と前記先端面との間の距離をgとし、前記放電面の外周縁と前記先端面の外周縁との最短距離をLとした場合、g≦0.6mm、且つ、L/g≦1.1の関係を満たす請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記溶融部は、前記外周部に囲まれる内側に、前記チップと前記母材との間の厚さが、前記外周部における前記チップと前記母材との間の厚さよりも厚い中央部を備えている請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記中央部は、前記放電面に垂直な方向に前記先端面を投影した範囲内に存在する請求項3記載のスパークプラグ。
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