JP6018990B2 - プラズマジェット点火プラグ - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマジェット点火プラグに関する。
従来のプラズマジェット点火プラグでは、中心電極が配置される絶縁碍子の軸孔において、中心電極の先端部が配置される位置の直径を、中心電極の後端部が配置される位置の直径よりも小さくすることで、点火による発熱の熱引きを良くして耐久性を向上させると共に、着火性を良好にしている(例えば、特許文献1−10)。また、スパークプラグの技術分野において、絶縁碍子の先端部を単結晶アルミナの材料で形成することで、耐電圧性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献11−13)。
特開2010-153330号公報 特開2010-257949号公報 特開2011-175980号公報 特開2011-187203号公報 特開2011-228260号公報 特開2012-33465号公報 特開2012-84540号公報 特開2012-99303号公報 特開2012-129042号公報 特開2012-190782号公報 特開2002-246145号公報 特開2002-246145号公報 特開昭63-190753号公報
しかし、特許文献1から10までに記載された技術では、点火によってプラズマフレームを噴出させると、軸孔の内周面に沿って発生する沿面放電によるチャンネリングが発生して、長時間使用した後のプラズマジェット点火プラグの着火性が低下するという課題があった。また、特許文献11から13までに記載された技術は、プラズマジェット点火プラグと構成が異なるスパークプラグについての技術であり、プラズマジェット点火プラグの着火性の低下という課題を解決するためのものではない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と;先端面が前記絶縁体の先端面よりも前記軸線方向の後端側に位置するように前記軸孔内に配置された中心電極と;前記絶縁体の先端面を覆うように前記絶縁体の先端面よりも前記軸線方向の先端側に位置し、前記軸孔の中心軸が位置する部分に形成された貫通孔を有する接地電極と、を備えるプラズマジェット点火プラグが提供される。この形態のプラズマジェット点火プラグは、前記絶縁体は、前記中心電極の先端面よりも前記軸線方向の先端側に配置された少なくとも一部が単結晶の絶縁体材料で形成されている単結晶部を有する。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、単結晶部の内周面におけるチャンネリングの発生を抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下を抑制できる。
(2)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記単結晶部における前記軸孔の直径は、前記中心電極の先端面が位置する前記軸孔の直径よりも小さくてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、絶縁体の単結晶部以外の部分の内周面におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
(3)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記中心電極の先端面から前記絶縁体の先端面まで前記軸線方向に沿った距離Gと、前記単結晶部の前記軸線方向に沿った長さtと、がt≧0.25Gの関係を満たしてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、単結晶部にチャンネリングによる溝の形成を抑制することでその溝を通過する気中放電を防止し、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
(4)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記中心電極の先端面の位置における前記軸孔の直径Aは、1.7ミリメートル≦A≦4.0ミリメートルの関係を満たしてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、絶縁体の単結晶部以外の部分の内周面に沿ったチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。また、放電空間の容積が大きすぎないため、より小さいエネルギーで効率良くフレームを噴出できる。
(5)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記単結晶部は、前記軸線方向に沿った先端側へと前記軸孔の直径が大きくなる第1の拡径部を有し;前記貫通孔の直径は、前記単結晶部の先端面における前記軸孔の径よりも大きくてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、第1の拡径部が形成されていないプラズマジェット点火プラグと比較して、単結晶部におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
(6)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記単結晶部は、前記軸線方向に沿った後端側へと前記軸孔の直径が大きくなる第2の拡径部を有してもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、第2の拡径部が形成されていないプラズマジェット点火プラグと比較して、単結晶部におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
(7)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記単結晶部は、前記中心電極の先端面から前記軸線方向の先端側において、前記中心電極の先端面が位置する前記軸孔の直径よりも小さい直径の前記軸孔を有するすべての部分であってもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、単結晶部におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
(8)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記絶縁体における前記単結晶部以外の少なくとも一部は、前記単結晶部における前記軸孔の直径が最小である部分に直行する面に配置されてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、絶縁体における単結晶部以外の部分と単結晶部との接着面積が増え、絶縁体に単結晶部を固定しやすく、軸線方向に直交する面方向において、絶縁体の単結晶部以外の部分に対する単結晶部を位置決めしやすいため、加工が容易である。また、コストの高い単結晶材料を必要以上に多く用いずに絶縁体が作製されるため、コストを抑制した上で長時間の使用後における着火性の低下を抑制できる。
(9)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記絶縁体における前記単結晶部以外の部分と前記単結晶部とが接合されてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、絶縁体における単結晶部以外の部分と単結晶部とは、接合されていない場合と比較して、より強く固定されているため、着火時の燃焼の影響による絶縁体の破損を抑制できる。
(10)上記形態のプラズマジェット点火プラグにおいて、前記単結晶部における前記軸孔の直径は、前記中心電極の先端面の位置における前記軸孔の直径よりも小さく;前記中心電極には、正極の電圧が印加され;前記中心電極の先端面から前記絶縁体の先端面まで前記軸線方向に沿った距離Gと、単結晶部の前記軸線方向に沿った長さtと、がt≦0.5Gの関係を満たしてもよい。この形態のプラズマジェット点火プラグによれば、中心電極の極性が負極である場合と比較して、より良好なフレームが噴出される。また、単結晶部におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
本発明は、プラズマジェット点火プラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、プラズマジェット点火プラグを含んで構成されるプラズマジェット点火装置やフルトランジスタ点火装置、CDI点火装置、これらの点火装置を含んで構成される内燃機関、プラズマジェット点火プラグの製造方法、これらの装置または方法を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現できる。
実施形態におけるプラズマジェット点火プラグ100の概略を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100の先端部の詳細を示す説明図である。 図2におけるX1部の構成を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性に関する第1の性能評価を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性に関する第1の性能評価を示す説明図である。 ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとの比を変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとの比を変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとの比を変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性の第2の性能評価を示す説明図である。 直径DAを変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 直径DAを変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性の第3の性能評価を示す説明図である。 プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性の第3の性能評価を示す説明図である。 単結晶部70にテーパーが形成されたプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 単結晶部70にテーパーが形成されたプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。 変形例におけるX1部(図2)の構成を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.プラズマジェット点火プラグの構成:
A−2.プラズマジェット点火プラグの性能評価:
A−1.プラズマジェット点火プラグの構成:
図1は、実施形態におけるプラズマジェット点火プラグ100の概略を示す説明図である。図1では、プラズマジェット点火プラグ100の中心軸である軸線OLの右側には、プラズマジェット点火プラグ100の側面の構成が示され、軸線OLの左側には、プラズマジェット点火プラグ100の断面の構成が示されている。なお、以下の説明では、軸線OLに沿って、後述する接地電極40が配置されている側(図1の上方側)を先端側と呼び、後述する端子金具19が配置されている側(図1の下方側)を後端側と呼ぶ。
プラズマジェット点火プラグ100は、絶縁碍子20と、中心電極10と、主体金具30と、接地電極40と、を備えている。絶縁碍子20は、主体金具30によって保持されている。中心電極10は、絶縁碍子20によって保持されている。接地電極40は、主体金具30の先端側に取り付けられている。プラズマジェット点火プラグ100において、絶縁碍子20、中心電極10、主体金具30、および、接地電極40の軸心のそれぞれは、軸線OLと一致するように構成されている。
絶縁碍子20は、略円筒形状の絶縁体であり、軸線OLに沿った貫通孔である軸孔21を備えている。絶縁碍子20は、軸孔21の内側に中心電極10を収容している。絶縁碍子20は、アルミナ等の絶縁性セラミックス材料を焼成することによって形成されている。絶縁碍子20は、外径が最も大きくなる部分である鍔部29が形成されている胴部23と、胴部23の先端側で胴部23よりも外径の小さい脚長部24と、を備えている。脚長部24の先端側は、先端側に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。胴部23と脚長部24との間には外側段状部25が形成されている。
絶縁碍子20の軸孔21は、内径の異なる3つの部位を備えている。具体的には、絶縁碍子20の軸孔21は、大径軸孔部26と、中径軸孔部27と、小径軸孔部28と、を備えている。大径軸孔部26は、胴部23の内周に相当する部分であり、内側にシール体18や中心電極10の後端部12が配置されている。中径軸孔部27は、脚長部24の内周に相当する部分を含み、大径軸孔部26の先端側に形成されている。中径軸孔部27は、大径軸孔部26よりも縮径された内径を有し、中径軸孔部27と大径軸孔部26との間に内側段状部22が形成されている。中径軸孔部27の内側には、中心電極10の先端部11が配置されている。小径軸孔部28は、脚長部24の先端部の内周に相当する部分であり、中径軸孔部27よりも更に先端側に形成されている。小径軸孔部28は、中径軸孔部27よりも更に縮径された内径を有している。
中心電極10は、略棒形状の電極であり、ニッケルまたはニッケルを主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル(登録商標)600)によって形成されている。中心電極10は、絶縁碍子20の内側に収容されている。中心電極10の外側面は、プラズマジェット点火プラグ100の外部と電気的に絶縁されている。中心電極10の内部には、熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯13が配置されている。中心電極10の先端部11は、絶縁碍子20の先端部より後端側に位置している。中心電極10の後端部12は、シール体18を介して端子金具19に電気的に接続されている。シール体18は、金属とガラスの混合物からなる導電性の部材である。シール体18は、中心電極10と端子金具19とを、互いに導通させ、絶縁碍子20の軸孔21内に固定している。端子金具19は、後端部が絶縁碍子20の後端側から突出しており、プラグキャップ(図示外)を介して高圧ケーブル(図示しない)に接続される。中心電極10の外側面には、鍔状に拡径された拡径部17が形成されている。中心電極10は、絶縁碍子20の軸孔21内に設けられた内側段状部22と拡径部17とが当接することによって、絶縁碍子20の軸孔21内において位置決めされている。
主体金具30は、内燃機関のエンジンヘッドにプラズマジェット点火プラグ100を固定するための略円筒形状の金具であり、内側に絶縁碍子20が配置されている。主体金具30は、ニッケルめっきや亜鉛めっきがなされた低炭素鋼や、無めっきのニッケル合金などによって形成されている。主体金具30は、プラグレンチが嵌合する工具係合部31と、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッドに螺合するねじ部32と、を備えている。
主体金具30の工具係合部31より後端側には加締部33が設けられている。工具係合部31から加締部33にかけての主体金具30と、絶縁碍子20の胴部23と、の間には円環状のリング部材6,7が介在されており、更にリング部材6とリング部材7との間にはタルク9(滑石9)の粉末が充填されている。そして、加締部33を加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介して絶縁碍子20が主体金具30内で先端側に向け押圧される。これにより、絶縁碍子20の外側段状部25が主体金具30の内周面に段状に形成された係止部36に環状のパッキン8を介して支持されて、主体金具30と絶縁碍子20とが一体にされる。このパッキン8によって、主体金具30と絶縁碍子20との間の気密は保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、工具係合部31とねじ部32との間には鍔部34が形成されており、ねじ部32の後端側近傍、すなわち鍔部34の座面35にはガスケット5が嵌挿されている。
主体金具30の先端部39には接地電極40が設けられている。接地電極40は、耐火花消耗性に優れた金属から構成されており、接地電極40を構成する金属の一例としてインコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金が用いられる。接地電極40は、軸線OLを中心とした貫通孔41を有する円盤状に形成されており、その厚み方向を軸線OL方向に揃え、絶縁碍子20の先端側に配置されている。接地電極40は、主体金具30の先端部39の内周面にレーザ溶接され、主体金具30と一体となっている。接地電極40の貫通孔41は、絶縁碍子20の軸孔21と連通している。本実施形態の接地電極40は、絶縁碍子20と少なくとも一部が接触している。
図2は、プラズマジェット点火プラグ100の先端部の詳細を示す説明図である。絶縁碍子20は、単結晶材料(例えば、サファイア)で形成された単結晶部70と、単結晶部70以外の多結晶材料(例えば、アルミナ)で形成された多結晶部71と、から構成されている。単結晶部70は、絶縁碍子20の先端部に、円盤状の形状で形成されている。単結晶部70は、中心電極10の先端面81よりも、先端側に配置されている。単結晶部70と多結晶部71とは、セラミックボンドによって接合されている。図2に示すように、絶縁碍子20の先端側の面である先端面72は、単結晶部70の先端面および多結晶部71の先端面と重複している。すなわち、小径軸孔部28において軸線OLに直交する平面には、単結晶部70と多結晶部71とが含まれている。
また、プラズマジェット点火プラグ100の先端部では、軸孔21の中径軸孔部27の一部と、小径軸孔部28と、貫通孔41と、によって、放電空間であるキャビティ60が形成されている。接地電極40と中心電極10との間において行なわれる火花放電には、単結晶部70の内周面に沿って発生する沿面放電や、キャビティ60に発生する気中放電が含まれる。この火花放電によって絶縁破壊された後に印加されるエネルギーによって、キャビティ60の内部でプラズマが形成される。このプラズマは、接地電極40の貫通孔41を介してキャビティ60からプラズマジェット点火プラグ100の外部に噴出される。以後、プラズマジェット点火プラグ100の外部に噴出されるプラズマを「フレーム」とも呼ぶ。
A−2.プラズマジェット点火プラグの性能評価:
プラズマジェット点火プラグ100において、より小さなエネルギーで効率良くフレームを噴出させるためには、単結晶部70の内周の径を小さくする、すなわち、小径軸孔部28の径を小さくすることが好ましい。しかし、小径軸孔部28の径を小さくしすぎると、単結晶部70の内周面に沿って沿面放電が発生して、単結晶部70にチャンネリングが発生し、長時間の使用後のプラズマジェット点火プラグ100の着火性が低下する問題がある。プラズマジェット点火プラグ100の着火性の低下を抑制するために、上述した実施形態の構成を有するプラズマジェット点火プラグ100に対して、本実施形態の効果を確認するための種々の試験を行なった。以下、これらの試験結果を示す。
図3は、図2におけるX1部の構成を示す説明図である。プラズマジェット点火プラグ100の先端部における各部の寸法を、図3に示すように定義する。中心電極10の先端面81から絶縁碍子20の先端面72まで軸線OLに沿った長さを長さTG(以下、「ギャップ距離TG」とも呼ぶ)、単結晶部70の軸線OLに沿った長さを長さtsと定義する。また、軸孔21の中径軸孔部27において中心電極10の先端面81が位置する内周の径を直径DA、小径軸孔部28の径を直径Dc、接地電極40の貫通孔41の径を直径Dbと定義する。単結晶部70の内周の直径Dcは、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAよりも小さくなるように形成されている。なお、ギャップ距離TG、直径DA、および、長さtsのそれぞれは、請求項における距離G、長さt、および、直径Aに相当する。
図4および図5は、プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性に関する第1の性能評価を示す説明図である。第1の性能評価には、絶縁碍子20が単結晶部70と多結晶部71とから構成されている実施例1と、単結晶部70が存在せずに絶縁碍子20がすべて多結晶部71で形成されている比較例1と、を用いた。詳細な耐久試験の条件は、単結晶部70の材質;サファイア、多結晶部71の材質;アルミナ、中心電極10の極性;正極、空気圧;0.4メガパスカル(MPa)、試験時間;300時間(h)、点火方式;CDI(Capacitor discharge ignition)による60ヘルツ(Hz)の周期、放電電圧;15キロボルト(kV)である。また、実施例1および比較例1の各部寸法は、ギャップ距離TG;2.0ミリメートル(mm)、単結晶部70の長さts;0.5mm、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DA;2.0mm、単結晶部70の内周の直径Dc;0.5mm、貫通孔41の直径Db;1.5mm(図3参照)である。着火性の性能評価の方法として、シュリーレン撮影法によって耐久試験後の各サンプルのフレームが撮影されて、フレームの大きさ(以下、「フレーム面積」とも呼ぶ)がピクセル(Pix)の単位を用いて測定された。ピクセル数が大きいほど、フレーム面積が大きく、良好なフレームの噴出が行なわれていることを示している。
図4に示すように、実施例1では、耐久試験後に撮影されたフレーム面積が1220Pixと、耐久試験前のフレーム面積とほぼ同じであった。それに対し、比較例1では、耐久試験後に撮影されたフレーム面積が55Pixと、耐久試験前および耐久試験後の実施例1よりもフレーム面積が小さい。すなわち、プラズマジェット点火プラグ100において、単結晶部70が単結晶を用いて形成されると、耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。
次に、実施例1および比較例1のそれぞれに対して、中心電極10の極性のみを変化させ、耐久試験後の着火性の性能評価の試験を行なった。図5には、中心電極10が正極である場合の試験結果が左側に示され、中心電極10が負極である試験結果が右側に示されている。図5に示すように、実施例1および比較例1のそれぞれにおいて、中心電極10の極性が正極である方が、極性が負極である場合と比較して、より大きなフレーム面積が測定された。そのため、プラズマジェット点火プラグ100において、中心電極10の極性を正極にすることで、耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。
次に、図3に示すギャップ距離TGに対して、単結晶部70の長さtsを変化させたプラズマジェット点火プラグ100である実施例のそれぞれについて性能評価の試験を行なった。図6ないし図8は、ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとの比を変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。図6には、ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとが0.25TG≦ts≦0.5TGの関係を満たす実施例2における火花放電の一例が示されている。図6の火花放電経路PLは中心電極10の先端面81から接地電極40へと放電している火花放電の経路を表わしている。図6には、火花放電経路PLが単結晶部70に沿うことなく気中放電が発生している状態が示されている。
図7には、ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとがts<0.25TGの関係を満たす実施例3における火花放電の一例が示されている。図7では、ギャップ距離TGに対する単結晶部70の長さtsが小さい、すなわち、単結晶部70の軸線OLに沿った厚さがギャップ距離TGに対して薄く、軸線OLに沿った小径軸孔部28を形成する絶縁碍子20の強度が不足しているため、チャンネリングによって単結晶部70に溝が形成され、その溝を通過する気中放電が発生している。そのため、単結晶部70は、絞りとしての機能を果たしておらず、図6に示す実施例2と比較すると、このプラズマジェット点火プラグ100では、効率の良いフレーム噴出が行なわれない。
図8には、ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとが0.5TG<tsの関係を満たす実施例4における火花放電の一例が示されている。図8では、ギャップ距離TGに対する単結晶部70の長さtsが大きい、すなわち、単結晶部70の軸線OLに沿った厚さがギャップ距離TGに対して厚く、単結晶部70の内周面に沿って沿面放電が発生して、長時間の使用後にはチャンネリングによって着火性が低下する。そのため、ギャップ距離TGに対する単結晶部70の長さtsが大きい場合には、図6に示す実施例2と比較すると、プラズマジェット点火プラグ100が長時間使用された後に、効率の良いフレーム噴出が行なわれない。
図9は、プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性の第2の性能評価を示す説明図である。第2の性能評価には、実施例2、実施例3、および、実施例4を用いた。また、第2の性能評価では、比較例2、比較例3、および、比較例4も用いた。図9では、長さtsの条件のそれぞれに対して、左側の棒グラフに比較例が示され、右側の棒グラフに実施例が示されている。比較例2、比較例3、比較例4のそれぞれは、実施例2、実施例3、実施例4のそれぞれに対して、単結晶部70が存在せずに絶縁碍子20がすべて多結晶部71で形成されており、その他の寸法関係については同じである。第2の性能評価における耐久試験の試験条件は、第1の性能評価における試験条件と同じである。図9に示すように、実施例2では、耐久試験後に撮影されたフレーム面積が1200Pixであり、耐久試験前のフレーム面積とほぼ同じであった。それに対し、実施例3および実施例4のそれぞれでは、耐久試験後に撮影されたフレーム面積が、150Pixおよび200Pixであり、実施例2よりもフレーム面積が小さい。すなわち、プラズマジェット点火プラグ100において、単結晶部70の長さtsとギャップ距離TGとが0.25TG≦ts≦0.5TGを満たす関係であると、耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。また、長さtsとギャップ距離TGとの関係にかかわらず、比較例のフレーム面積よりも実施例のフレーム面積の方が大きい。すなわち、プラズマジェット点火プラグ100において、絶縁碍子20がすべて多結晶部71で形成されるよりも、単結晶部70が存在する方が耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。
次に、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAの長さを変化させたプラズマジェット点火プラグ100について性能評価の試験を行なった。図10および図11は、直径DAを変更したプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。図10におけるプラズマジェット点火プラグ100では、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAの寸法が第1実施例の2.0mmよりも小さく設定されており、他の寸法については実施例1と同じに設定されている。図10に示すように、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAが小さいと、キャビティ60を構成する多結晶部71の内周面に沿って沿面放電が発生して、プラズマジェット点火プラグ100の長時間の使用後にはチャンネリングによって着火性が低下する。そのため、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAが小さいと、プラズマジェット点火プラグ100を長時間使用した後に、効率の良いフレーム噴出が行なわれない場合がある。
図11におけるプラズマジェット点火プラグ100では、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAの寸法が実施例1の2.0mmよりも大きく設定されており、他の寸法については実施例1と同じに設定されている。図11に示すように、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAが大きいと、単結晶部70および多結晶部71の内周面に沿って沿面放電が発生しづらいため、プラズマジェット点火プラグ100の長時間の使用後において、チャンネリングによる着火性の低下のおそれが少ない。しかし、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAが大きすぎると、キャビティ60の容積が大きくなってしまう。これにより、プラズマジェット点火プラグ100の使用時間に関わらず、軸線OLに沿って接地電極40の貫通孔41よりも先端側に発生するフレームが小さくなってしまい、効率の良いフレーム噴出が行なわれない場合がある。
図12および図13は、プラズマジェット点火プラグ100における耐久試験後の着火性の第3の性能評価を示す説明図である。図12に示す第3の性能評価には、実施例1、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例11、実施例15、実施例16、実施例17、および、実施例18を用いた。図13に示す第3の性能評価には、比較例1、比較例5、比較例6、比較例7、比較例8、比較例11、比較例15、比較例16、比較例17、および、比較例18を用いた。図12には、各実施例における中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAと、単結晶部70の長さtsと、の寸法関係が示されている。例えば、実施例16では、実施例1に対して、先端面81が位置する部分のDAが1.7mmであり、単結晶部70の長さtsが1.0mmである。図13には、図12に示す実施例のそれぞれに対して、単結晶部70が存在せずに絶縁碍子20がすべて多結晶部71で形成され、その他の寸法関係については同じである比較例のそれぞれが示されている。なお、第3の性能評価における耐久試験の試験条件は、第1および第2の性能評価における試験条件と同じである。
図12に示すように、実施例1、実施例6、実施例7、実施例11、実施例16、および、実施例17では、いずれのサンプルもフレーム面積が、1100Pix以上であり、耐久試験前のフレーム面積とほぼ同じである。それに対し、実施例5および実施例15では、単結晶部70と多結晶部71との少なくとも一方に沿面放電によるチャンネリングが発生するために、耐久試験後の着火性が低下する。また、実施例8および実施例18では、キャビティ60の容積が大きいため、プラズマジェット点火プラグ100の使用時間に関わらず、良好なフレーム噴出と判断できるほど十分なフレーム面積が測定されなかった。よって、プラズマジェット点火プラグ100において、中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAが1.7mm以上4.0mm以下であると、耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。また、図12および図13に示すように、直径DAの寸法にかかわらず、耐久試験後では、比較例のフレーム面積よりも実施例のフレーム面積の方が大きい。すなわち、プラズマジェット点火プラグ100において、絶縁碍子20がすべて多結晶部71で形成されるよりも、単結晶部70が存在する方が耐久試験後の着火性の低下を抑制できる。
次に、単結晶部70にテーパーを形成したプラズマジェット点火プラグ100の各サンプルについて性能評価の試験を行なった。図14および図15は、単結晶部70にテーパーが形成されたプラズマジェット点火プラグ100のX1部(図2)の構成を示す説明図である。図14には、単結晶部70の後端側に、軸線OLに沿って先端側から後端側へと小径軸孔部28の直径が大きくなるように面取りされたテーパー74が形成されたプラズマジェット点火プラグ100である実施例9が示されている。図15には、単結晶部70の先端側に、軸線OLに沿って後端側から先端側へと小径軸孔部28の直径が大きくなるように面取りされたテーパー75が形成されたプラズマジェット点火プラグ100である実施例10が示されている。また、実施例10では、接地電極40の貫通孔41の直径Dbは、単結晶部70の先端面72における内周の直径よりも大きくなるように形成されている。実施例9および実施例10では、単結晶部70にテーパー74とテーパー75との少なくとも一方が形成されることで、テーパー74やテーパー75が形成されていないプラズマジェット点火プラグ100と比較して、単結晶部70に対する火花放電経路PLの沿面放電が発生しにくい。そのため、単結晶部70にテーパーが形成されたプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70におけるチャンネリングの発生を抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下を抑制できる。なお、テーパー74およびテーパー75のそれぞれは、請求項における第2の拡径部および第1の拡径部に相当する。
以上説明したように、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100において、絶縁碍子20の先端部には、単結晶材料で形成された単結晶部70が形成され、単結晶部70は、中心電極10の先端面81よりも、先端側に配置されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70の内周面におけるチャンネリングの発生を抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下を抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70の内周の直径Dcは、軸孔21において中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAよりも小さくなるように形成されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、絶縁碍子20の多結晶部71の内周面におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、中心電極10の先端面81から絶縁碍子20の先端面72まで軸線OLに沿った長をギャップ距離TGとし、単結晶部70の軸線OLに沿った長さを長さtsとした場合に、0.25TG≦tsの関係を満たすように形成されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70にチャンネリングによる溝の形成を抑制することでその溝を通過する気中放電を防止し、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、軸孔21の中径軸孔部27において中心電極10の先端面81が位置する部分の直径DAは、1.7mm≦DA≦4.0mmの関係を満たすように形成されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、キャビティ60を構成する多結晶部71の内周面に沿ったチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。また、キャビティ60の容積が大きすぎないため、より小さいエネルギーで効率良くフレームを噴出できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70における先端側に、軸線OLに沿って後端側から先端側へと小径軸孔部28の直径が大きくなるように面取りされたテーパー75が形成されている。また、単結晶部70おける後端側に、軸線OLに沿って先端側から後端側へと小径軸孔部28の直径が大きくなるように面取りされたテーパー74が形成さている。また、接地電極40の貫通孔41の直径Dbは、単結晶部70の先端面72における内周の直径よりも大きくなるように形成されている。そのため、本実施形態におけるプラズマジェット点火プラグ100では、テーパー75とテーパー74と野両方が形成されていないプラズマジェット点火プラグ100と比較して、単結晶部70におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70のみによって軸孔21の小径軸孔部28が形成されているため、単結晶部70におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、小径軸孔部28において軸線OLに直交する平面には、単結晶部70と多結晶部71とが含まれている。単結晶部70が形成する小径軸孔部28の直径Dcは、軸孔21の中で最も小さい内周の径である。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70と多結晶部71との接着面積が増え、多結晶部71に単結晶部70を固定しやすく、軸線OLに直交する面方向において、多結晶部71に対する単結晶部70を位置決めしやすいため、加工が容易である。また、コストの高い単結晶材料を必要以上に多く用いずに絶縁碍子20が作製されるため、コストを抑制した上で長時間の使用後における着火性の低下を抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70は、絶縁碍子20における単結晶部70以外の部分である多結晶部71とセラミックボンドによって接合されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70と多結晶部71とは、接合されていない場合と比較して、より強く固定されているため、キャビティ60内における燃焼の影響による絶縁碍子20の破損を抑制できる。
また、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、単結晶部70の内周における直径Dcは、中心電極10の先端面81が位置する部分の内周の直径DAよりも小さく、中心電極10に印加される電圧の極性が正極である。また、ギャップ距離TGと単結晶部70の長さtsとは、ts≦0.5TGの関係を満たすように形成されている。そのため、本実施形態のプラズマジェット点火プラグ100では、中心電極10の極性が負極である場合と比較して、より良好なフレームが噴出される。また、単結晶部70におけるチャンネリングの発生をさらに抑制でき、長時間の使用後における着火性の低下をさらに抑制できる。
B.変形例:
上記実施形態では、単結晶の絶縁体材料としてサファイア(アルミナの単結晶)を例に挙げて説明したが、単結晶の絶縁体材料は必ずしもこれに限られず、種々変形可能である。例えば、単結晶の絶縁体材料として、ルビー、マグネシア、イットリア、および、ジルコニアが用いられてもよいし、その他の単結晶の絶縁体材料が用いられてもよい。
上記実施形態では、プラズマジェット点火プラグ100の先端部における各部の寸法を一例の実施例として列挙したが、必ずしもこれらの寸法に限られず、寸法については種々変形可能である。プラズマジェット点火プラグ100の先端部における各部の寸法を、以下に示す寸法に設定することで、より良好なフレームの噴出、および、チャンネリングの更なる抑制、長時間の使用後における着火性の低下の抑制を可能にする。例えば、単結晶部70の内周の直径Dcは、0.5mmでなくてもよく、0.5mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、単結晶部70の長さtsは、0.5mmまたは1.0mm以外でもよく、0.25mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、接地電極40の貫通孔41の直径Dbは、1.5mmでなくてもよく、単結晶部70が形成する小径軸孔部28の直径Dc以上であることが好ましく、さらに、0.5mm以上2.0mm以下であるとさらに好ましい。また、ギャップ距離TGは、2.0mmでなくてもよく、1.0mm以上2.0mm以下であることが好ましい。また、中心電極10の先端面81の直径については特に限定しなかったが、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
上記実施形態では、単結晶部70に形成されるテーパーがテーパー74やテーパー75のような軸線OLにそって一定割合で小径軸孔部28の断面積が大きくなる直線的な面取りとしたが、テーパーの形状についてはこれに限られず、種々変形可能である。例えば、軸線OLに沿った断面が、曲線となるような形状であってもよいし、階段状の形状であってもよい。また、上記実施形態では、単結晶部70の長さtsに対するテーパーの寸法については特に明記しなかったが、例えば、軸線OLに沿った先端側または後端側に形成される一方のテーパーの長さは、単結晶部70の長さtsに対して20パーセント以上30パーセント以下の長さであることが好ましい。また、単結晶部70の先端側と後端側との両方にテーパーが形成されていてもよい。
図16は、変形例におけるX1部(図2)の構成を示す説明図である。この変形例では、上記実施形態に対して、絶縁碍子20の先端面72と、接地電極40の後端面とが接していない点のみが異なり、他の構成については上記実施形態と同じである。図16に示すように、絶縁碍子20と接地電極40との間に空間が形成されていても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
上記実施形態では、プラズマジェット点火プラグ100の先端部の各種寸法について、具体例を挙げて説明したが、各種寸法はこれらに限られず、種々変形可能である。例えば、先端面81が位置する内周の直径DAと小径軸孔部28の直径Dcとが同じ直径であってもよい。また、中心電極10の先端では、先端面81と同じ断面積で所定の長さの最径部が形成されているが、このような最径部が形成されなくてもよい。貫通孔41の直径Dbが、小径軸孔部28の直径Dcや先端面81が位置する内周の直径DAよりも小さい直径であってもよい。また、接地電極40と主体金具30とが同じ材質で、一体として形成されていてもよい。中心電極10の先端部11は、貴金属またはタングステンで形成されてもよい。また、単結晶部70と多結晶部71とが接合されていなくてもよい。その他、複数の変形例や実施例が組み合わされて、プラズマジェット点火プラグ100が作製されてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
5…ガスケット
6,7…リング部材
8…パッキン
9…タルク
10…中心電極
11…中心電極の先端部
12…中心電極の後端部
13…金属芯
17…拡径部
18…シール体
19…端子金具
20…絶縁碍子
21…軸孔
22…内側段状部
23…胴部
24…脚長部
25…外側段状部
26…大径軸孔部
27…中径軸孔部
28…小径軸孔部
29,34…鍔部
30…主体金具
31…工具係合部
32…ねじ部
33…加締部
35…座面
36…係止部
39…主体金具の先端部
40…接地電極
41…貫通孔
60…キャビティ
70…単結晶部
71…多結晶部
72…単結晶部の先端面
74,75…テーパー
81…中心電極の先端面
100…プラズマジェット点火プラグ
DA…中心電極が位置する部分の軸孔の直径
TG…ギャップ距離
OL…軸線
PL…火花放電経路
Db…貫通孔の直径
Dc…小径軸孔部の直径
ts…単結晶部の長さ

Claims (10)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    先端面が前記絶縁体の先端面よりも前記軸線方向の後端側に位置するように前記軸孔内に配置された中心電極と、
    前記絶縁体の先端面を覆うように前記絶縁体の先端面よりも前記軸線方向の先端側に位置し、前記軸孔の中心軸が位置する部分に形成された貫通孔を有する接地電極と、を備えるプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記絶縁体は、前記中心電極の先端面よりも前記軸線方向の先端側に配置された少なくとも一部が単結晶の絶縁体材料で形成されている単結晶部を有することを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  2. 請求項1に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記単結晶部の配置位置における前記軸孔の直径は、前記中心電極の先端面が位置する前記軸孔の直径よりも小さいことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記中心電極の先端面から前記絶縁体の先端面まで前記軸線方向に沿った距離Gと、前記単結晶部の前記軸線方向に沿った長さtと、がt≧0.25Gの関係を満たすことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記中心電極の先端面の位置における前記軸孔の直径Aは、1.7ミリメートル≦A≦4.0ミリメートルの関係を満たすことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記単結晶部は、前記軸線方向に沿った先端側へと前記軸孔の直径が大きくなる第1の拡径部を有し、
    前記貫通孔の直径は、前記単結晶部の先端面における前記軸孔の径よりも大きいことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記単結晶部は、前記軸線方向に沿った後端側へと前記軸孔の直径が大きくなる第2の拡径部を有することを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記単結晶部は、前記中心電極の先端面から前記軸線方向の先端側において、前記中心電極の先端面が位置する前記軸孔の直径よりも小さい直径の前記軸孔を有するすべての部分であることを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記絶縁体における前記単結晶部以外の少なくとも一部は、前記単結晶部の配置位置における前記軸孔の直径が最小である部分を通り、かつ前記軸孔の中心軸直交する面方向に配置されることを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記絶縁体における前記単結晶部以外の部分と前記単結晶部とが接合されていることを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のプラズマジェット点火プラグにおいて、
    前記単結晶部の配置位置における前記軸孔の直径は、前記中心電極の先端面の位置における前記軸孔の直径よりも小さく、
    前記中心電極には、正極の電圧が印加され、
    前記中心電極の先端面から前記絶縁体の先端面まで前記軸線方向に沿った距離Gと、前記単結晶部の前記軸線方向に沿った長さtと、がt≦0.5Gの関係を満たすことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
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