JP6974372B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明はスパークプラグに関し、特に接地電極の母材にチップが接合されたスパークプラグに関するものである。
4本の辺に囲まれた放電面を有するチップが、溶融部を介して、接地電極の母材に接合されたスパークプラグは知られている(例えば特許文献1)。溶融部は、母材の線膨張係数とチップの線膨張係数との差によって生じる応力を緩和し、チップの剥離を抑制する。
特開2017−191655号公報
近年、エンジンの高性能化や燃焼効率の向上などに伴い、使用環境下におけるスパークプラグの電極の温度は高くなる傾向にある。これにより、チップの熱膨張収縮がチップの寿命にますます影響する。チップの耐剥離性に加えて耐クラック性の向上が望まれる。
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、チップの剥離およびクラックの発生を抑制できるスパークプラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、母材と、4本の辺に囲まれた矩形の放電面を有するチップと、チップと母材との間に介在しチップを母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、放電面との間に火花ギャップを形成する中心電極と、を備える。放電面に垂直な方向から接地電極をみたときに、チップの金属繊維は、放電面の1組の対辺を結ぶ方向に延びており、溶融部は、チップの周囲に全周に亘って存在する周縁部を備え、1組の対辺の少なくとも一辺から周縁部の外側の縁までの間の、一辺に垂直な方向における最短距離は、1組の対辺以外の辺から周縁部の外側の縁までの間の、辺に垂直な方向における最長距離よりも長い。
また、本発明のスパークプラグは、放電面に垂直な方向から接地電極をみたときに、チップの金属繊維は、放電面の1組の対角を結ぶ対角線の方向に延びており、溶融部は、チップの周囲に全周に亘って存在する周縁部を備え、1組の対角の少なくとも一方の第1頂点から第1頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離は、1組の対角以外の角の第2頂点から第2頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離よりも長い。
請求項1記載のスパークプラグによれば、チップの放電面に垂直な方向から接地電極をみたときに、チップの金属繊維(鍛流線)は、放電面の1組の対辺を結ぶ方向に延びている。溶融部の周縁部は、チップの周囲に全周に亘って存在する。チップの1組の対辺の少なくとも一辺から周縁部の外側の縁までの間の、一辺に垂直な方向における最短距離は、チップの1組の対辺以外の辺から周縁部の外側の縁までの間の、辺に垂直な方向における最長距離よりも長いので、溶融部は、金属繊維が延びる方向よりも、チップの金属繊維が延びる方向と交わる方向の変位を小さくできる。これにより、チップは、金属繊維が延びる方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維が延びる方向の引張荷重よりも小さくできるので、チップにクラックを生じ難くできる。よって、チップの剥離およびクラックの発生を抑制できる。
請求項2記載のスパークプラグによれば、チップの1組の対辺の両辺から周縁部の外側の縁までの間の、1組の対辺に垂直な方向における最短距離は、チップの1組の対辺以外の辺から周縁部の外側の縁までの間の、辺に垂直な方向における最長距離よりも長い。よって、請求項1の効果に加え、チップにクラックをさらに生じ難くできる。
請求項3記載のスパークプラグによれば、チップの放電面に垂直な方向から接地電極をみたときに、チップの金属繊維は、放電面の1組の対角を結ぶ対角線の方向に延びている。溶融部の周縁部は、チップの周囲に全周に亘って存在する。チップの1組の対角の少なくとも一方の第1頂点から第1頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離は、チップの1組の対角以外の角の第2頂点から第2頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離よりも長いので、請求項1と同様の効果がある。
請求項4記載のスパークプラグによれば、チップの1組の対角の両方の第1頂点から第1頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離は、第2頂点から第2頂点に最も近い周縁部の角までの最長距離よりも長い。よって、請求項3の効果に加え、チップにクラックをさらに生じ難くできる。
第1実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 (a)は接地電極の背面図であり、(b)は第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図である。 (a)は第3実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図であり、(b)は第4実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図である。 (a)は第5実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図であり、(b)は第6実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の背面図である。 (a)は放電面の模式図であり、(b)は周縁部の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は第1実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。図1に示すようにスパークプラグ10は、絶縁体11、中心電極20、主体金具30及び接地電極40を備えている。
絶縁体11は、軸線Oに沿って貫通する軸孔12が形成された略円筒状の部材であり、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等のセラミックスにより形成されている。絶縁体11は、軸孔12により形成された内周面の先端側に、後端側を向く円環状の面である後端向き面13が形成されている。後端向き面13は先端側へ向けて縮径している。
中心電極20は、頭部21が後端向き面13に係止される棒状の部材であり、後端向き面13よりも先端側の軸孔12に軸部22が配置されている。中心電極20は、Niを主成分とする有底円筒状の母材が、銅を主成分とする芯材を覆っている。芯材を省略することは可能である。中心電極20の母材の先端にはチップ23が接合されている。チップ23は、例えばPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を含み、これらの貴金属の1種を50wt%以上含む化学組成を有する。中心電極20は、軸孔12内で端子金具25と電気的に接続されている。
端子金具25は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具25は、先端側が軸孔12に挿入された状態で、絶縁体11の後端に固定されている。
主体金具30は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具30は絶縁体11の先端側を取り囲み、絶縁体11を内側に保持する。主体金具30は、自身の先端側の胴部31の外周面におねじ32が形成されている。おねじ32は、エンジン(図示せず)のねじ穴に螺合する部位である。主体金具30は、胴部31の後端側に連接される座部33と、座部33の後端側に連接される後端部34と、を備えている。
座部33は、エンジン(図示せず)のねじ穴とおねじ32との隙間を塞ぐための部位であり、胴部31の外径よりも外径が大きく形成されている。後端部34には、エンジンのねじ穴におねじ32を締め付けるときにレンチ等の工具が係合する工具係合部が形成されている。主体金具30は、胴部31に接地電極40が接続されている。
接地電極40は、導電性を有する金属材料(例えばNi基合金等)によって形成された母材41と、母材41に接合された板状のチップ44と、を備えている。母材41は、チップ44が接合された第1端部42と、主体金具30に接合された第2端部43と、を備える棒状の部材である。チップ44の材質は母材41の材質と異なり、チップ44の線膨張係数は母材41の線膨張係数と異なる。チップ44は、例えばPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を含み、これらの貴金属の1種を50wt%以上含む化学組成を有する。この中では、特に、Irを50wt%以上含む化学組成や、Ptを50wt%以上含みさらにIrを含有する化学組成が好ましい。
後端側を向くチップ44の放電面45と中心電極20(チップ23の先端面24)との間に火花ギャップ46が形成されている。母材41の第1端部42には、母材41及びチップ44が溶け合った溶融部47が形成されている。チップ44は溶融部47によって母材41に接合されている。溶融部47の形成により、チップ44の放電面45の反対側の面は全体が溶けて消失している。
図2(a)はチップ44を後端側からみた接地電極40の背面図である。図2(a)は母材41の第1端部42が図示され、第2端部43の図示が省略されている(図2(b)から図4(b)においても同じ)。図5(a)は放電面45の模式図である。
チップ44の放電面45は、第1辺51、第2辺52、第3辺53及び第4辺54からなる4辺に囲まれた四角形である。第1辺51及び第2辺52は互いに向き合い、第3辺53及び第4辺54は互いに向き合う。チップ44は、母材41の端面41aに最も近い位置に第4辺54が配置され、第3辺53は、第4辺54に対し母材41の第2端部43(図1参照)側に位置する。
チップ44は、塑性変形により金属材料を薄く伸ばして板状にし、それを四角形に切断して製造される。チップ44の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部48は、チップ44の周囲に全周に亘って存在する。チップ44の放電面45には金属繊維50が現出する。金属繊維50は、金属材料を塑性変形させたときの鍛流線(メタルフロー)の一部である。金属繊維50は、チップ44の放電面45をエッチングして顕微鏡で観察される金属組織である。金属繊維50を観察するための前処理として、放電面45を研磨した後、エッチングしても良い。
溶融部47は、チップ44の放電面45と略平行な方向から、レーザビーム等の高エネルギービームをチップ44と母材41との境界に照射して形成できる。例えば、まず第2辺52に沿って頂点57から頂点58までビームを移動させながらチップ44と母材41との境界にビームを照射する。次いで、第1辺51に沿って頂点56から頂点55までビームを移動させながらチップ44と母材41との境界にビームを照射する。第1辺51側からのビーム照射によって形成された溶融部と第2辺52側からのビーム照射によって形成された溶融部とが一部重なるように、ビームのエネルギー等を調整する。これにより溶融部47に周縁部48が形成される。
チップ44と母材41とが溶け合う溶融部47は、母材41の線膨張係数とチップ44の線膨張係数との間の線膨張係数を有するので、これらの間に生じる応力を緩和し、チップ44の剥離を抑制する。また、熱膨張収縮の程度は溶融部自身の大きさに依存するので、周縁部48の広がりが大きい方向には熱膨張収縮し易く、逆に周縁部48の広がりが小さい方向には熱膨張収縮し難い。
金属繊維50は、放電面45の1組の対辺(第1辺51及び第2辺52)を結ぶ方向に延びている。つまり図5(a)に示すように、第1辺51の中点60と頂点56との中点61及び放電面45の中心59を通る第1直線61aと、第2辺52の中点62と頂点58との中点63及び放電面45の中心59を通る第2直線63aと、が交差してできる第1領域67(第1直線61aと第2直線63aと第1辺51とで囲まれる領域、及び、第1直線61aと第2直線63aと第2辺52とで囲まれる領域)に、金属繊維50のうち中心59を通る部位が位置する。但し、第1直線61a及び第2直線63aは第1領域67に含まれる。なお、放電面45の中心59は、頂点55と頂点58とを結ぶ対角線と頂点56と頂点57とを結ぶ対角線との交点である。
放電面45の第1辺51から周縁部48の外側の縁49までの間の、第1辺51に垂直な方向における最短距離D1は、1組の対辺以外の辺(第3辺53又は第4辺54)から周縁部48の外側の縁49までの間の、第3辺53又は第4辺54に垂直な方向における最長距離D3よりも長い。これにより溶融部47は、金属繊維50が延びる方向(第1辺51と第2辺52とを結ぶ方向)よりも、金属繊維50の方向と交わる方向(第3辺53と第4辺54とを結ぶ方向)の熱膨張の程度を小さくできる。この結果、溶融部47と共に熱膨張収縮をするチップ44は、金属繊維50が延びる方向よりも、金属繊維50の方向と交わる方向における引張荷重が小さくなる。
チップ44にクラックが生じる場合、そのクラックはチップ44の金属繊維50の方向に沿って伸展し易い。これに対して本実施形態は、チップ44は、熱膨張収縮において、金属繊維50の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維50が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維50に沿って伸展するクラックをチップ44に生じ難くできる。よって、チップ44の剥離およびクラックの発生を抑制できる。さらに、第2辺52から周縁部48の外側の縁49までの間の、第2辺52に垂直な方向における最短距離D2は最長距離D3よりも長いので、チップ44にクラックをさらに生じ難くできる。
図2(b)を参照して第2実施の形態について説明する。第2実施形態は、周縁部71の形状が、第1実施形態の周縁部48の形状と異なる。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図2(b)は第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極70の背面図である。接地電極70は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
チップ44の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部71は、チップ44の周囲に全周に亘って存在する。第2辺52から周縁部71の外側の縁72までの間の、第2辺52に垂直な方向における最短距離D1は、1組の対辺以外の辺(第3辺53又は第4辺54)から周縁部71の外側の縁72までの間の、第3辺53又は第4辺54に垂直な方向における最長距離D3よりも長い。これにより溶融部47は、金属繊維50が延びる方向の周縁部71の変位よりも、金属繊維50の方向と交わる方向の周縁部71の変位を小さくできる。
その結果、チップ44は、熱膨張収縮において、金属繊維50の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維50が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維50の方向に伸展するクラックをチップ44に生じ難くできる。よって、チップ44の剥離およびクラックの発生を抑制できる。さらに、第1辺51から周縁部71の外側の縁72までの間の、第1辺51に垂直な方向における最短距離D2は最長距離D3よりも長いので、チップ44にクラックをさらに生じ難くできる。
図3(a)を参照して第3実施の形態について説明する。第3実施形態は、金属繊維84の方向が、第1実施形態および第2実施形態と異なる。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3(a)は第3実施の形態におけるスパークプラグの接地電極80の背面図である。接地電極80は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
チップ83の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部81は、チップ83の周囲に全周に亘って存在する。チップ83の放電面45には金属繊維84が現出する。金属繊維84は、放電面45の1組の対辺(第3辺53及び第4辺54)を結ぶ方向に延びている。つまり図5(a)に示すように、第4辺54の中点64と頂点56との中点65及び放電面45の中心59を通る第3直線65aと、第4辺54の中点64と頂点58との中点66及び放電面45の中心59を通る第4直線66aと、が交差してできる第2領域68(第3直線65aと第4直線66aと第3辺53とで囲まれる領域、及び、第3直線65aと第4直線66aと第4辺54とで囲まれる領域)に、金属繊維84のうち中心59を通る部位が位置する。但し、第3直線65a及び第4直線66aは第2領域68に含まれる。
放電面45の第3辺53から周縁部81の外側の縁82までの間の、第3辺53に垂直な方向における最短距離D1は、1組の対辺以外の辺(第1辺51又は第2辺52)から周縁部81の外側の縁82までの間の、第1辺51又は第2辺52に垂直な方向における最長距離D3よりも長い。これにより溶融部47は、金属繊維84が延びる方向(第3辺53と第4辺54とを結ぶ方向)の周縁部81の変位よりも、金属繊維84の方向と交わる方向(第1辺51と第2辺52とを結ぶ方向)の周縁部81の変位を小さくできる。
その結果、チップ83は、熱膨張収縮において、金属繊維84の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維84が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維84に沿って伸展するクラックをチップ83に生じ難くできる。よって、チップ83の剥離およびクラックの発生を抑制できる。さらに、第4辺54から周縁部81の外側の縁82までの間の、第4辺54に垂直な方向における最短距離D2は最長距離D3よりも長いので、チップ83にクラックをさらに生じ難くできる。
図3(b)を参照して第4実施の形態について説明する。第4実施形態は、周縁部91の形状が、第3実施形態の周縁部81の形状と異なる。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図3(b)は第4実施の形態におけるスパークプラグの接地電極90の背面図である。接地電極90は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
チップ83の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部91は、チップ83の周囲に全周に亘って存在する。第4辺54から周縁部91の外側の縁92までの間の、第4辺54に垂直な方向における最短距離D1は、1組の対辺以外の辺(第1辺51又は第2辺52)から周縁部91の外側の縁92までの間の、第1辺51又は第2辺52に垂直な方向における最長距離D3よりも長い。これにより溶融部47は、金属繊維84が延びる方向の周縁部91の変位よりも、金属繊維84の方向と交わる方向の周縁部91の変位を小さくできる。
その結果、チップ83は、熱膨張収縮において、金属繊維84の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維84が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維84に沿って伸展するクラックをチップ83に生じ難くできる。よって、チップ83の剥離およびクラックの発生を抑制できる。さらに、第3辺53から周縁部91の外側の縁92までの間の、第3辺53に垂直な方向における最短距離D2は最長距離D3よりも長いので、チップ83にクラックをさらに生じ難くできる。
図4(a)を参照して第5実施の形態について説明する。第1実施形態から第4実施形態では、1組の対辺を結ぶ方向にチップ44,83の金属繊維50,84が延びる場合について説明した。これに対し第5実施形態では、1組の対角を結ぶ対角線の方向にチップ107の金属繊維108が延びる場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4(a)は第5実施の形態におけるスパークプラグの接地電極100の背面図である。接地電極100は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
チップ107の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部101は、チップ107の周囲に全周に亘って存在する。チップ107の放電面45には金属繊維108が現出する。金属繊維108は、放電面45の1組の対角(頂点56及び頂点57)を結ぶ対角線の方向に延びている。つまり図5(a)に示すように、第1直線61aと第3直線65aとが交差してできる第3領域69(第1直線61aと第3直線65aとで囲まれ、頂点56または頂点57を含む領域)に、金属繊維108のうち中心59を通る部位が位置する。但し、第1直線61a及び第3直線65aは第3領域69に含まれない。
図5(b)は周縁部101の模式図である。放電面45の1組の対角(頂点56及び頂点57)の一方の頂点56(第1頂点)から頂点56に最も近い周縁部101の角104までの最長距離D4は、頂点56を中心とし角104(縁102)に接する最も大きな円109の半径である。
接地電極100は、放電面45の1組の対角(頂点56及び頂点57)以外の角の頂点55(第2頂点)から頂点55に最も近い周縁部101の角103までの最長距離D6、及び、1組の対角(頂点56及び頂点57)以外の角の頂点58(第2頂点)から頂点58に最も近い周縁部101の角106までの最長距離D7のいずれか長い方の距離(D6又はD7)よりも最長距離D4が長い。最長距離D6,D7も最長距離D4と同様にして求める。
これにより溶融部47は、金属繊維108が延びる方向(頂点56,57を結ぶ対角線の方向)よりも、金属繊維108の方向と交わる方向(頂点55,58を結ぶ方向)の周縁部101の熱膨張の程度を小さくできる。チップ107にクラックが生じる場合、そのクラックはチップ107の金属繊維108の方向に沿って伸展し易い。これに対して本実施形態は、チップ107は、熱膨張収縮において、金属繊維108の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維108が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維108に沿って進展するクラックをチップ107に生じ難くできる。よって、チップ107の剥離およびクラックの発生を抑制できる。さらに、頂点57から頂点57に最も近い周縁部101の角105までの最長距離D5は最長距離D6,D7よりも長いので、チップ107にクラックをさらに生じ難くできる。
図4(b)を参照して第6実施の形態について説明する。第6実施形態は、周縁部111の形状が、第5実施形態の周縁部101の形状と異なる。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4(b)は第6実施の形態におけるスパークプラグの接地電極110の背面図である。接地電極110は、第1実施形態におけるスパークプラグ10の接地電極40に代えて配置される。
チップ117の放電面45に垂直な方向からみたときに、溶融部47(図1参照)のうち母材41の表面に現れる周縁部111は、チップ117の周囲に全周に亘って存在する。チップ117の放電面45には金属繊維118が現出する。金属繊維118は、放電面45の1組の対角(頂点55及び頂点58)を結ぶ対角線の方向に延びている。つまり図5(a)に示すように、第2直線63aと第4直線66aとが交差してできる第4領域69a(第2直線63aと第4直線66aとで囲まれ、頂点55又は頂点58を含む領域)に、金属繊維118のうち中心59を通る部位が位置する。但し、第2直線63a及び第4直線66aは第4領域69aに含まれない。
放電面45の1組の対角(頂点55及び頂点58)の一方の頂点55(第1頂点)から頂点55に最も近い周縁部111の角113までの最長距離D4は、放電面45の1組の対角(頂点55及び頂点58)以外の角の頂点57(第2頂点)から頂点57に最も近い周縁部111の角115までの最長距離D6、及び、1組の対角(頂点55及び頂点58)以外の角の頂点56(第2頂点)から頂点56に最も近い周縁部111の角114までの最長距離D7のいずれか長い方の距離(D6又はD7)よりも長い。なお、本実施形態では、放電面45の頂点58から頂点58に最も近い周縁部111の角116までの最長距離D5は、最長距離D6,D7よりも短い。
これにより溶融部47は、金属繊維118が延びる方向(頂点55,58を結ぶ対角線の方向)よりも、金属繊維118の方向と交わる方向(頂点56,57を結ぶ方向)における熱膨張の程度を小さくできる。その結果、チップ117は、熱膨張収縮において、金属繊維118の方向と交わる方向の引張荷重を、金属繊維118が延びる方向の引張荷重よりも小さくできる。その結果、金属繊維118に沿って進展するクラックをチップ117に生じ難くできる。よって、チップ117の剥離およびクラックの発生を抑制できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では、接地電極40,70,80,90,100,110のチップ44,83,107,117の放電面45が正方形の場合が図示されているが、必ずしもこれに限られるものではない。放電面45は4つの辺で囲まれた四角形であれば良いので、放電面45の形状は、例えば長方形、平行四辺形、台形など適宜設定できる。四角形は、角が丸みを帯びたり小さな面取りがされたりしても良い。
また、放電面45は1辺の長さが2.5mm以上の四角形としても良い。放電面45が大きいときは、チップ44,83,107,117の熱膨張収縮の程度が大きくなり易いので、ひいてはチップ44,83,107,117にクラックが生じ易くなる。しかし、実施形態では、金属繊維50,84,108,118の方向と周縁部48,71,81,91,101,111の形状とが特定の関係になっているので、チップ44,83,107,117にクラックが発生することを抑制できる。
実施形態では、中心電極20に貴金属などを含有するチップ23が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中心電極20のチップ23を省略することは当然可能である。
実施形態では、溶融部47の形成により、チップ44,83,107,117の放電面45の反対側の面の全体が溶けて消失している場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。放電面45に垂直な方向からみたときに、チップ44,83,107,117の周囲に全周に亘って周縁部48,71,81,91,101,111が存在していれば、放電面45の反対側の面の一部が溶けずに残存していても良い。
10 スパークプラグ
20 中心電極
40,70,80,90,100,110 接地電極
41 母材
44,83,107,117 チップ
45 放電面
46 火花ギャップ
47 溶融部
48,71,81,91,101,111 周縁部
49,72,82,92,102,112 縁
50,84,108,118 金属繊維
51 第1辺
52 第2辺
53 第3辺
54 第4辺
55,56,57,58 頂点
103,104,105,106,113,114,115,116 角

Claims (4)

  1. 母材と、4本の辺に囲まれた矩形の放電面を有するチップと、前記チップと前記母材との間に介在し前記チップを前記母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、
    前記放電面との間に火花ギャップを形成する中心電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記放電面に垂直な方向から前記接地電極をみたときに、
    前記チップの金属繊維は、前記放電面の1組の対辺を結ぶ方向に延びており、
    前記溶融部は、前記チップの周囲に全周に亘って存在する周縁部を備え、
    前記1組の対辺の少なくとも一辺から前記周縁部の外側の縁までの間の、前記一辺に垂直な方向における最短距離は、前記1組の対辺以外の辺から前記周縁部の外側の縁までの間の、前記辺に垂直な方向における最長距離よりも長いスパークプラグ。
  2. 前記1組の対辺の両辺から前記周縁部の外側の縁までの間の、前記1組の対辺に垂直な方向における最短距離は、前記1組の対辺以外の辺から前記周縁部の外側の縁までの間の、前記辺に垂直な方向における最長距離よりも長い請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 母材と、4本の辺に囲まれた矩形の放電面を有するチップと、前記チップと前記母材との間に介在し前記チップを前記母材に接合する溶融部と、を備える接地電極と、
    前記放電面との間に火花ギャップを形成する中心電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記放電面に垂直な方向から前記接地電極をみたときに、
    前記チップの金属繊維は、前記放電面の1組の対角を結ぶ対角線の方向に延びており、
    前記溶融部は、前記チップの周囲に全周に亘って存在する周縁部を備え、
    前記1組の対角の少なくとも一方の第1頂点から前記第1頂点に最も近い前記周縁部の角までの最長距離は、前記1組の対角以外の角の第2頂点から前記第2頂点に最も近い前記周縁部の角までの最長距離よりも長いスパークプラグ。
  4. 前記1組の対角の両方の前記第1頂点から前記第1頂点に最も近い前記周縁部の角までの最長距離は、前記第2頂点から前記第2頂点に最も近い前記周縁部の角までの最長距離よりも長い請求項3記載のスパークプラグ。
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