<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図28によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置(表示装置)10を例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図2及び図3を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
液晶表示装置10は、図1に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11の裏側に配されて液晶パネル11に向けて表示に用いられる光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、を備える。液晶パネル11は、全体として方形の板状とされており、その長辺方向がY軸方向と、短辺方向がX軸方向と、板厚方向がZ軸方向と、それぞれ一致している。液晶パネル11は、一対の基板間に液晶層を封入してなり、一対の基板のうち、表側に配されるものがCF基板(対向基板)であり、裏側に配されるものがアレイ基板(TFT基板)である。CF基板には、R(赤色),G(緑色),B(青色)等の各着色部が所定配列で配置されたカラーフィルタと、隣り合う着色部の間を仕切る遮光部(ブラックマトリクス)と、が設けられているのに加えて、配向膜等の構造物が設けられている。アレイ基板(TFT基板)には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子(例えばTFT)、そのスイッチング素子に接続された画素電極、配向膜等の構造物が設けられている。液晶パネル11は、その板面における中央側部分が、画像を表示可能な表示領域となっており、表示領域を取り囲む額縁状の外周端側部分が非表示領域となっている。液晶パネル11を構成するアレイ基板の裏側(外側)の板面には、次述するバックライト装置12に備わる反射型偏光シート20が取り付けられている。反射型偏光シート20に関しては後に詳しく説明する。なお、液晶パネル11を構成するCF基板の表側(外側)の板面には、偏光板が取り付けられている。
続いて、バックライト装置12について説明する。バックライト装置12は、図1に示すように、LED(光源)13と、LED13が実装されたLED基板(光源基板)14と、LED13からの光を導光する導光板15と、導光板15の裏側に配される反射シート16と、導光板15と液晶パネル11との間に介在する形で配される複数の光学シート17と、を少なくとも備える。LED13は、「光源」であり、このバックライト装置12は、LED13の光が導光板15に対して片側からのみ入光される片側入光タイプのエッジライト型とされている。
LED13は、図1に示すように、LED基板14に固着される基板部上にLEDチップを封止材により封止した構成とされる。LED13は、LEDチップが例えば青色光を単色発光するものとされ、封止材に蛍光体が分散配合されることで全体として白色光を発する。蛍光体には、黄色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体などが含まれる。LED13は、LED基板14に対する実装面とは反対側の面が発光面13Aとなる、いわゆる頂面発光型とされている。LED基板14は、その板面が導光板15における一端面(後述する入光端面15A)に並行する姿勢で設置されるとともに、導光板15側を向いた板面がLED13の実装面とされ、同実装面には、複数のLED13がX軸方向に沿って間隔を空けて並ぶ形で実装されている。従って、LED13と導光板15との並び方向がY軸方向(第1方向)と一致していると言え、Y軸方向には、LED13から導光板15へ向かう方向と、導光板15からLED13へ向かう方向と、が含まれている。また、複数のLED13の並び方向がX軸方向(第2方向)と一致しており、X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向(導光板15の板厚方向)の双方と直交している。
導光板15は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明な合成樹脂材料(例えばPMMAなどのアクリル樹脂など)からなる。導光板15は、図1に示すように、板状をなしており、その板面が液晶パネル11の板面に並行している。なお、導光板15は、その板面における長辺方向がY軸方向と、短辺方向がX軸方向と、板面の法線方向である板厚方向がZ軸方向と、それぞれ一致している。導光板15は、液晶パネル11及び光学シート17の直下に配されており、その外周端面のうちの一方の短辺側の端面が、LED13の発光面13Aと対向して同発光面13Aからの光が入射される入光端面15Aとされる。導光板15における一対の板面のうち、液晶パネル11及び光学シート17と対向状をなす表側の板面が、内部を導光した光を出射する出光板面15Bとされ、反射シート16と対向状をなす裏側の板面が反対板面15Cとされる。そして、導光板15は、LED13から導光板15へ向けて発せられた光を入光端面15Aから導入するとともに、その光を内部で伝播させた後に、Z軸方向に沿って表側(出光側)へ向くよう立ち上げて出射させる機能を有する。導光板15の詳しい構造については、後に改めて説明する。なお、入光端面15Aの法線方向がY軸方向と一致している。
反射シート16は、図1に示すように、その板面が液晶パネル11や導光板15の各板面に並行するとともに、導光板15の反対板面15Cを覆う形で配される。反射シート16は、光反射性に優れており、導光板15の反対板面15Cから漏れた光を表側、つまり出光板面15Bに向けて効率的に立ち上げることができる。反射シート16は、導光板15よりも一回り大きな外形を有しており、反対板面15Cに対してほぼ全域にわたって重畳配置されている。
光学シート17は、図1に示すように、シート状をなしており、その板面が液晶パネル11及び導光板15の各板面に並行している。光学シート17は、液晶パネル11及び導光板15と同様に、板面における長辺方向がY軸方向と、短辺方向がX軸方向と、板面の法線方向である板厚方向がZ軸方向と、それぞれ一致している。光学シート17は、Z軸方向について液晶パネル11と導光板15との間に介在する配置とされており、LED13から発せられた光に所定の光学作用を付与しつつ液晶パネル11に向けて出射させるなどの機能を有する。光学シート17は、裏側、つまり導光板15側を向いた板面が、光が入射される入光面とされるのに対し、表側、つまり液晶パネル11側を向いた板面が、光が出射される出光面とされる。光学シート17には、合計で3枚が含まれており、裏側から順に第1プリズムシート18、第2プリズムシート19、反射型偏光シート20とされる。
先に、図1に示される反射型偏光シート20について説明する。反射型偏光シート20は、特定の偏光軸(透過軸)を有する偏光層、屈折率が互いに異なる層を交互に積層した多層膜、保護層などを有する。偏光層は、PVA(ポリビニルアルコール)フィルムなどの高分子樹脂フィルムにヨウ素、二色性染料等の吸収体を混入し一軸延伸することで吸収体を配向させてなる偏光子を、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの保護フィルムによって挟み込んだ構成とされる。このように一軸延伸された偏光層は、偏光軸と、偏光軸に対して直交する吸収軸と、を有しており、それにより偏光軸に平行な直線偏光を選択的に透過することができるとともに円偏光を偏光軸に沿う直線偏光に変換することができる。この偏光層の偏光軸は、CF基板の外側の板面に取り付けられた偏光板の偏光軸に対して直交する関係とされる。多層膜は、複数の層が例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)からなり、その多層構造によって光に含まれるp波とs波とで異なる反射特性(透過特性)を示す。すなわち、多層膜は、s波に対する反射率がp波に対する反射率よりも概して高くなるという反射特性を有している。多層膜によって反射されたs波は、導光板15、反射シート16、他の光学シート17などによって、再度表側に反射され、その際に、s波とp波に分離する。このように、反射型偏光シート20は、多層膜を備えることで、本来ならば、偏光層によって吸収されるs波を、裏側へ反射させることで再利用することができ、光の利用効率(ひいては輝度)を高めることができる。
第1プリズムシート18は、図1及び図2に示すように、シート状の第1基材18Aと、第1基材18Aにおける表側(出光側)の板面(出光側板面)に設けられる第1単位プリズム18Bと、を有する。第1基材18Aは、ほぼ透明な合成樹脂製とされ、具体的には例えばPET(polyethyleneterephthalate)などの結晶性透明樹脂材料により構成される。第1基材18Aは、製造に際しては、原材料となる結晶性透明樹脂材料を2軸延伸プロセスで延伸することでシート状に形成されており、製造コストの低減を図る上で好適である。第1単位プリズム18Bは、光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料により構成される。第1プリズムシート18の製造に際しては、例えば未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を成形用の型内に充填するとともに、その型の開口端に第1基材18Aを宛うことで未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を表側の板面に接する形で配し、その状態で第1基材18Aを介して紫外線硬化性樹脂材料に対して紫外線を照射すると、紫外線硬化性樹脂材料が硬化されて第1単位プリズム18Bが第1基材18Aに対して一体的に設けられる。第1単位プリズム18Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料は、例えばPMMAなどのアクリル樹脂とされる。第1単位プリズム18Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料の屈折率は、1.49〜1.52の範囲とされるのが好ましく、1.49とされるのが最も好ましい。第1単位プリズム18Bは、第1基材18Aの板面からZ軸方向に沿って表側(導光板15側とは反対側)に向けて突出する形で設けられている。この第1単位プリズム18Bは、Y軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにX軸方向(第2方向)に沿って直線的に延在しており、第1基材18Aの板面においてY軸方向(第1方向)に沿って複数が間隔をほぼ空けずに連続的に並んで配されている。第1単位プリズム18Bは、Y軸方向(第1基材18Aの板面)に並行する底辺18B1と、底辺18B1の両端から立ち上がる一対の斜辺18B2,18B3と、を有している。第1単位プリズム18Bにおける一対の斜辺18B2,18B3のうち、Y軸方向についてLED13側のものを第1LED側斜辺(第1光源側斜辺)18B2とし、その反対側のものを第1LED反対側斜辺(第1光源反対側斜辺)18B3とする。このうち、第1LED反対側斜辺18B3には、第1単位プリズム18Bに入射した光のうち、主にY軸方向についてLED13から遠ざかる方向に進行する光が当たって屈折させられる。これに対し、第1LED側斜辺18B2には、第1単位プリズム18Bに入射した光のうち、主にY軸方向についてLED13に近づく方向に進行する光が当たって屈折させられる。いずれにしても第1単位プリズム18Bにおける一対の斜辺18B2,18B3により屈折された光の多くは、Y軸方向について選択的に立ち上げられて集光される。
そして、第1単位プリズム18Bは、図1及び図2に示すように、底辺18B1に対する第1LED側斜辺18B2の傾斜角度(角度、前面底角)θ1と、底辺18B1に対する第1LED反対側斜辺18B3の傾斜角度(角度、後面底角)θ2と、を比較したとき、前者が後者よりも大きくされている。つまり、第1単位プリズム18Bは、断面形状が非対称形状で不等辺三角形とされる。具体的には、第1単位プリズム18Bにおける底辺18B1に対する第1LED側斜辺18B2の傾斜角度θ1は、50度〜60度の範囲とされるのが好ましく、中でも55度とされるのが最も好ましい。これに対し、第1単位プリズム18Bにおける底辺18B1に対する第1LED反対側斜辺18B3の傾斜角度θ2は、35度〜50度の範囲とされるのが好ましく、中でも45度とされるのが最も好ましい。また、第1単位プリズム18Bにおいて一対の斜辺18B2,18B3がなす頂角(角度)θ3は、70度〜95度の範囲とされるのが好ましく、中でも80度とされるのが最も好ましい。なお、X軸方向に沿って並ぶ複数の第1単位プリズム18Bは、その高さ寸法、底辺18B1の幅寸法、底辺18B1に対する各斜辺18B2,18B3の傾斜角度などが全てほぼ同一とされており、隣り合う第1単位プリズム18B間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。
第2プリズムシート19は、図1及び図2に示すように、シート状の第2基材19Aと、第2基材19Aにおける表側(出光側)の板面(出光側板面)に設けられる第2単位プリズム19Bと、を有する。第2基材19Aは、ほぼ透明な合成樹脂製とされ、具体的には例えば第1基材18Aと同じPETなどの結晶性透明樹脂材料により構成される。第2単位プリズム19Bは、光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料により構成される。第2プリズムシート19の製造方法は、上記した第1プリズムシート18の製造方法と同様である。第2単位プリズム19Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料は、例えばPMMAなどのアクリル樹脂とされ、その屈折率が第1単位プリズム18Bの材料の屈折率よりも高くされ、例えば1.61程度とされる。第2単位プリズム19Bは、第2基材19Aの板面からZ軸方向に沿って表側(第1プリズムシート18側とは反対側)に向けて突出する形で設けられている。この第2単位プリズム19Bは、Y軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにX軸方向に沿って直線的に延在しており、第2基材19Aの板面においてY軸方向に沿って複数が間隔をほぼ空けずに連続的に並んで配されている。第2単位プリズム19Bは、Y軸方向(第2基材19Aの板面)に並行する底辺19B1と、底辺19B1の両端から立ち上がる一対の斜辺19B2,19B3と、を有している。第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3のうち、Y軸方向についてLED13側のものを第2LED側斜辺(第2光源側斜辺)19B2とし、その反対側のものを第2LED反対側斜辺(第2光源反対側斜辺)19B3とする。このうち、第2LED反対側斜辺19B3には、第2単位プリズム19Bに入射した光のうち、主にY軸方向についてLED13から遠ざかる方向に進行する光が当たって屈折させられる。これに対し、第2LED側斜辺19B2には、第2単位プリズム19Bに入射した光のうち、主にY軸方向についてLED13に近づく方向に進行する光が当たって屈折させられる。いずれにしても第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3により屈折された光の多くは、Y軸方向について選択的に立ち上げられて集光される。
そして、第2単位プリズム19Bは、図1及び図2に示すように、底辺19B1に対する第2LED側斜辺19B2の傾斜角度(角度、前面底角)θ4と、底辺19B1に対する第2LED反対側斜辺19B3の傾斜角度(角度、後面底角)θ5と、が同じとされる。つまり、第2単位プリズム19Bは、断面形状が対称形状で二等辺三角形とされる。その上で、この第2単位プリズム19Bにおける底辺19B1に対する第2LED側斜辺19B2の傾斜角度θ4は、第1プリズムシート18に備わる第1単位プリズム18Bにおける底辺18B1に対する第1LED側斜辺18B2の傾斜角度θ1よりも小さくされている。具体的には、第2単位プリズム19Bにおける底辺19B1に対する一対の斜辺19B2,19B3の各傾斜角度θ4,θ5は、40度〜50度の範囲とされるのが好ましく、中でも45度とされるのが最も好ましい。これに対し、第2単位プリズム19Bにおいて一対の斜辺19B2,19B3がなす頂角(角度)θ6は、80度〜100度の範囲とされるのが好ましく、中でも90度、つまり直角とされるのが最も好ましい。なお、X軸方向に沿って並ぶ複数の第2単位プリズム19Bは、その高さ寸法、底辺19B1の幅寸法、底辺19B1に対する各斜辺19B2,19B3の傾斜角度などが全てほぼ同一とされており、隣り合う第2単位プリズム19B間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。また、第2単位プリズム19Bにおける高さ寸法及び配列間隔は、第1単位プリズム18Bにおける高さ寸法及び配列間隔とはそれぞれ異なるのが、モアレと呼ばれる干渉縞の発生を抑制する上では好ましい。
導光板15における一対の板面のうち、裏側、つまり出光板面15Bとは反対側の板面が反対板面15Cとされる。導光板15における出光板面15B及び反対板面15Cには、図1及び図3に示すように、それぞれ第1導光板レンズ部(導光板レンズ部)21及び第2導光板レンズ部(導光板レンズ部)22が設けられている。第1導光板レンズ部21は、導光板15の出光板面15BにおいてY軸方向に沿って延在していてX軸方向に沿って並ぶ複数の第1導光板単位レンズ(導光板単位レンズ)21Aを有する。本実施形態では、第1導光板レンズ部21は、いわゆるレンチキュラーレンズであり、第1導光板単位レンズ21Aは、出光板面15Bから表側に突出する凸型のシリンドリカルレンズである。第1導光板単位レンズ21Aは、X軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つY軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が円弧状面21A1とされる。円弧状面21A1の基端部での接線がX軸方向に対してなす角度を「接触角」としたとき、第1導光板単位レンズ21Aの接触角は、例えば62度程度とされる。X軸方向に沿って並ぶ複数の第1導光板単位レンズ21Aは、接触角、底面の幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。このような構成の第1導光板レンズ部21を導光板15に一体に設けるには、例えば導光板15を射出成形によって製造し、その成形金型のうち出光板面15Bを成形するための成形面に予め第1導光板レンズ部21を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
第2導光板レンズ部22は、図1及び図3に示すように、導光板15の反対板面15CにおいてY軸方向に沿って延在していてX軸方向に沿って並ぶ複数の第2導光板単位レンズ(導光板単位レンズ)22Aを有する。本実施形態では、第2導光板レンズ部22は、いわゆるプリズム型のレンズであり、第2導光板単位レンズ22Aは、出光板面15Bから裏側に突出する凸型のプリズムである。第2導光板単位レンズ22Aは、X軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにY軸方向に沿って直線的に延在している。第2導光板単位レンズ22Aは、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向について全長にわたって一定とされる。第2導光板単位レンズ22Aは、断面形状がほぼ二等辺三角形であり、一対の斜面22A1を有するとともにその頂角が鈍角(90度を超える角度)、具体的には100度〜150度の範囲とされるのが好ましく、140度とされるのが最も好ましい。X軸方向に沿って並ぶ複数の第2導光板単位レンズ22Aは、頂角、底面の幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。本実施形態では、第2導光板単位レンズ22Aの配列間隔は、第1導光板単位レンズ21Aの配列間隔よりも大きい。このような構成の第2導光板レンズ部22を導光板15に一体に設けるには、例えば導光板15を射出成形によって製造し、その成形金型のうち出光板面15Bを成形するための成形面に予め第2導光板レンズ部22を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
このような構成によれば、導光板15内を伝播する光は、図2に示すように、Z軸方向について出光板面15B側では、第1導光板レンズ部21を構成する第1導光板単位レンズ21Aの円弧状面21A1に当たることで繰り返し反射され、概ねY軸方向に沿ってジグザグ状に進行する。一方、導光板15内を伝播する光は、Z軸方向について反対板面15C側では、第2導光板レンズ部22を構成する第2導光板単位レンズ22Aの斜面22A1に当たることで繰り返し反射され、概ねY軸方向に沿ってジグザグ状に進行する。これにより、導光板15内を伝播する光は、X軸方向についての広がりが制限されるので、X軸方向についてLED13付近とその周囲との間に明暗のムラが生じ難くなる。
導光板15における反対板面15Cには、図1及び図2に示すように、出光反射部23が設けられている。出光反射部23は、Y軸方向に沿って間隔を空けて並ぶ複数の単位反射部23Aを有する。単位反射部23Aは、反対板面15CからZ軸方向に沿って裏側に向けて突出するよう設けられており、Y軸方向に沿って切断した断面形状が三角形とされている。単位反射部23Aは、Y軸方向についてLED13側に配されていてY軸方向に対して傾斜する第1反射面23A1と、その反対側に配されていてY軸方向に対して傾斜する第2反射面23A2と、を有する。これらの反射面23A1,23A2は、導光板15内を伝播する光を反射し、Z軸方向に近い角度となるよう表側に向けて立ち上げることで出光板面15Bからの出射を促すためのものである。第1反射面23A1は、Y軸方向についてLED13から遠ざかるよう進行する光を反射して立ち上げるのに主に機能する。一方、第2反射面23A2は、Y軸方向についてLED13に近づくよう進行する光を反射して立ち上げるのに主に機能する。第1反射面23A1は、Y軸方向についてLED13から遠ざかるほど出光反射部23が非設置とされる出光板面15Bからの距離が小さくなる勾配を有する。第1反射面23A1は、Y軸方向に対する傾斜角度が例えば8度程度とされる。第2反射面23A2は、Y軸方向についてLED13から遠ざかるほど出光反射部23が非設置とされる出光板面15Bからの距離が大きくなる勾配、つまり第1反射面23A1とは逆の勾配を有する。第2反射面23A2は、Y軸方向に対する傾斜角度が例えば80度程度で垂直に近い急勾配とされ、第1反射面23A1の傾斜角度よりも大きい。また、Y軸方向に沿って並ぶ複数の単位反射部23Aは、Y軸方向についてLED13から遠ざかるほど高さ寸法(Z軸方向の寸法)及び長さ寸法(Y軸方向の寸法)がそれぞれ増すよう設計されている。より詳しくは、Y軸方向についてLED13に近い単位反射部23Aと、Y軸方向についてLED13から遠い単位反射部23Aと、を比較したとき、後者が前者よりも第1反射面23A1及び第2反射面23A2の各面積が大きくなっている。これにより、Y軸方向についてLED13に近い側では、単位反射部23Aの各反射面23A1,23A2に光が当たり難くて出光が抑制されるものの、Y軸方向についてLED13から遠い側では、単位反射部23Aの各反射面23A1,23A2に光が当たり易くて出光が促進される。結果として出光板面15Bからの出射光量は、Y軸方向についてLED13側とその反対側とで均一化される。
導光板15における反対板面15Cには、図1及び図2に示すように、Y軸方向について単位反射部23Aに隣り合うよう配される傾斜面24が設けられている。傾斜面24は、反対板面15CにおいてY軸方向について単位反射部23Aと交互に繰り返し並ぶよう複数が配されている。傾斜面24は、Y軸方向についてLED13側に隣り合う単位反射部23Aにおける第2反射面23A2と、LED13側とは反対側に隣り合う単位反射部23Aにおける第1反射面23A1と、に連ねられている。傾斜面24は、Y軸方向についてLED13から遠ざかるほど出光反射部23が非設置とされる出光板面15Bからの距離が大きくなる勾配を有する。つまり、傾斜面24は、単位反射部23Aの第2反射面23A2と同様の勾配とされる。傾斜面24は、Y軸方向に対する傾斜角度が例えば1.4度程度とされ、単位反射部23Aの各反射面23A1,23A2の各傾斜角度のいずれよりも小さい。このような構成の傾斜面24は、LED13から遠ざかるよう導光板15内を進行する光を反射することで、その光を出光板面15B側へ向かわせるものの、出光板面15Bに対する光の入射角が臨界角を超えないので、その光は出光板面15Bにより全反射され、LED13からより遠ざかるよう導かれる。これにより、出光板面15Bからの出射光がY軸方向についてLED13側に偏り難くなる。以上のように、導光板15は、Y軸方向に対する傾斜角度が、傾斜面24、第1反射面23A1、第2反射面23A2の順で大きくなるよう構成されている。また、Y軸方向に沿って並ぶ複数の傾斜面24は、Y軸方向についてLED13から遠ざかるほど長さ寸法が小さくなるよう設計されている。これは、単位反射部23Aの長さ寸法がY軸方向についてLED13から遠ざかるほど大きくなり、単位反射部23Aの占有範囲が大きくなるためである。
上記のような構成の出光反射部23及び傾斜面24は、図3から図5に示すように、X軸方向について隣り合う2つの第2導光板単位レンズ22Aの間に挟み込まれる配置とされる。従って、出光反射部23及び傾斜面24は、X軸方向について第2導光板単位レンズ22Aと交互に繰り返し並ぶよう配されている。出光反射部23を構成する単位反射部23Aは、反対板面15Cからの突出寸法(高さ寸法)の最大値が、第2導光板単位レンズ22Aの同突出寸法よりも小さくされている。従って、Y軸方向についてLED13から最も遠い側に位置する単位反射部23Aであっても、第2導光板単位レンズ22Aよりも裏側に突き出すことはない。
次に、本実施形態に係るバックライト装置12及び液晶表示装置10の優位性を検証するため、以下の実証実験1及び比較実験1〜6を行った。比較実験1〜6については後に説明する。まず、実証実験1では、本実施形態に係るバックライト装置12における出射光の輝度角度分布を測定した。具体的には、実証実験1では、導光板15の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、第1プリズムシート18の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、第2プリズムシート19の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、反射型偏光シート20の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、をそれぞれ測定しており、その結果は図6から図9に示される通りである。図6から図9は、縦軸が各図の最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。図6から図9における横軸の角度は、基準である0度(正面方向)に対する−(マイナス)側(図6から図9の左側)がY軸方向についてのLED13側(入光端面15A側)を、0度に対する+(プラス)側(図6から図9の右側)がY軸方向についてのLED13側とは反対側を、それぞれ示している。
実証実験1の実験結果について説明する。図6に示されるグラフから導光板15の出射光は、殆どがY軸方向についてLED13側とは反対側に向かうよう角度付けされており、正面方向に対する角度が+20度〜+80度の範囲で且つ角度が大きくなるほど光量が多くなる傾向にある。図7に示されるグラフから第1プリズムシート18の出射光は、導光板15の出射光と同様に、殆どがY軸方向についてLED13側とは反対側に向かうよう角度付けされているが、正面方向に対する角度が35度付近に輝度のピークを持つ正規分布に近似した輝度角度分布となっている。図8に示されるグラフから第2プリズムシート19の出射光は、正面方向付近に輝度のピークを持つ正規分布に近似した輝度角度分布となっているが、±60度〜±80度の範囲にサイドローブ光が含まれている。この輝度角度分布における半値全角は、25度程度とされる。このことから、第2プリズムシート19は、第1プリズムシート18の出射光を効率的に正面方向に向かうよう立ち上げつつ出射させている、と言える。逆に言うと、第1プリズムシート18は、第2プリズムシート19にとって集光し易い光を出射している。図9に示されるグラフから反射型偏光シート20の出射光は、第2プリズムシート19の出射光と同様に、正面方向付近に輝度のピークを持つ正規分布に近似した輝度角度分布となっているが、±60度〜±80度の範囲のサイドローブ光が第2プリズムシート19よりも少なくなるとともに、半値全角が第2プリズムシート19よりも大きくて43度程度とされる。その理由は、第2プリズムシート19の出射光のうち、反射型偏光シート20に対する入射角の絶対値が大きな光は、反射型偏光シート20により効率的に反射されて再利用されるため、と考えられる。
続いて、比較実験1では、本実施形態に係るバックライト装置12を実施例1とし、実施例1とは構成が異なる2つのバックライト装置を比較例1,2として、これら実施例1及び比較例1,2に関して出射光の輝度角度分布を測定した。比較例1は、導光板及び反射シートについては実施例1と同様であるものの、導光板の表側に、光学シートとして光を拡散させる拡散シートと、X軸方向に沿って延在する単位プリズムを基材の出光側の板面に設けた構成のプリズムシートと、Y軸方向に沿って延在する単位プリズムを基材の出光側の板面に設けた構成のプリズムシートと、を積層配置した構成とされる。比較例2は、導光板及び反射シートについては実施例1と同様であるものの、導光板の表側に、光学シートとしてX軸方向に沿って延在する単位プリズムを基材の入光側の板面に設けた構成の逆プリズムシートと、光を拡散させる拡散シートと、を積層配置した構成とされる。比較実験1の実験結果は、図10から図13に示される通りである。図10から図12には、Y軸方向についての輝度角度分布が実線により、X軸方向についての輝度角度分布が破線により、それぞれ記されている。図10から図12は、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向またはY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、Y軸方向に関しては上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。図13は、実験結果を示す表であり、最大輝度と、Y軸方向についての半値全角と、X軸方向についての半値全角と、視野角判定の結果と、が記されている。このうちの視野角判定に関しては、検査員が実施例1及び比較例1,2の各出射光を視認し、視野角が十分に広い場合は「良好」と判定し、視野角の広さが不十分な場合は「狭い」と判定した。また、最大輝度の欄には、比較例1を基準(100%)とした相対輝度を括弧内に記している。
比較実験1の実験結果について説明する。図10及び図13から比較例1は、Y軸方向についての半値全角が52度で且つX軸方向についての半値全角が60度と十分に大きくなっているので、視野角特性に関しては優れている。しかしながら、比較例1は、最大輝度が300cd/m2(100%)と低くなっており、明るさが不足している。図11及び図13から比較例2は、最大輝度が345cd/m2(115%)と十分に高くなっている。しかしながら、比較例2は、Y軸方向についての半値全角が33度で且つX軸方向についての半値全角が45度と十分に大きいとは言えず、特にY軸方向について視野角特性が芳しくない。これは、逆プリズムシートによりY軸方向について選択的に極めて高い集光作用が得られるため、と考えられる。図12及び図13から実施例1は、Y軸方向についての半値全角が43度で且つX軸方向についての半値全角が52度と十分に大きくなっているとともに、最大輝度が375cd/m2(125%)と極めて高くなっている。従って、実施例1は、視野角特性及び輝度がいずれも良好である、と言える。
比較実験2について説明する。比較実験2では、第2プリズムシート19における第2単位プリズム19Bの構成を変更した場合の輝度角度分布の変化を検証する。詳しくは、比較実験2では、第2単位プリズム19Bにおける頂角θ6を70度、80度、90度、100度、110度とした各第2プリズムシート19を用いて、上記した実証実験1と同様にバックライト装置12における出射光の輝度角度分布を測定した。なお、第2プリズムシート19以外のバックライト装置12の構成は、実証実験1よりも前の段落にて説明した通りである。比較実験2の実験結果は、図14から図19に示される通りである。図14には、導光板15の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が実線により、第1プリズムシート18の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が破線により、それぞれ記されている。図15には、第2プリズムシート19の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が記されており、図中の凡例には頂角θ6の数値が記されている。図16には、反射型偏光シート20の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が記されており、図中の凡例には頂角θ6の数値が記されている。図14は、縦軸が最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされる。図15及び図16は、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)とされる。図14から図16は、いずれも横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。図17は、反射型偏光シート20に対する光の入射角と光反射率との関係を表すグラフであり、図中の凡例にはs波とp波が記されている。図17は、縦軸が光反射率(単位は「%」)であり、横軸が反射型偏光シート20に対する光の入射角(単位は「度」)である。図18及び図19は、実験結果を示す表であり、頂角θ6と、最大輝度と、Y軸方向についての半値全角と、が記されている。
比較実験2の実験結果について説明する。図14については実証実験1の図6及び図7と同様の結果である。図15及び図18によれば、頂角θ6が70度〜90度とされる第2プリズムシート19の出射光には、+40度〜+90度の角度範囲となるサイドローブ光が多く含まれており、頂角θ6が大きくなるほどサイドローブ光の輝度ピークとなる角度が大きくなる傾向にある。特に、頂角θ6が90度とされる第2プリズムシート19の出射光に含まれるサイドローブ光は、輝度ピークとなる角度が90度近くになっている。これに比べると、頂角θ6が100度、110度とされる第2プリズムシート19の出射光には、+の角度範囲においてサイドローブ光が僅かしか含まれておらず、特に、頂角θ6を110度とした場合に関しては+の角度範囲においてサイドローブ光が殆ど存在しない。図16及び図19によれば、頂角θ6が80度〜100度とされる第2プリズムシート19を用いた場合の反射型偏光シート20の出射光には、1200cd/m2以上の高い最大輝度が得られている。特に、頂角θ6が90度の場合には最大輝度が最も高くなるとともに半値全角が38度と十分に広い視野角特性が得られている。また、頂角θ6が80度、100度の場合にも、頂角θ6が90度の場合よりは低いものの十分に高い最大輝度が得られるとともに半値全角も40度以上で頂角θ6が90度の場合よりも広い視野角特性が得られている。一方、頂角θ6を70度とした場合は、最大輝度が1200cd/m2よりも低くなるとともに+10度〜+20度の角度範囲における輝度が著しく低いため、頂角θ6が80度〜100度の場合に比べると、最大輝度及び視野角特性の双方において劣る。また、頂角θ6を110度とした場合は、最大輝度が1200cd/m2以上であるものの、−10度〜−20度の角度範囲における輝度が著しく低いため、頂角θ6が80度〜100度の場合に比べると、視野角特性において劣る。図17によれば、反射型偏光シート20に対する光の入射角が大きくなるほど光反射率が高くなる傾向であることが分かる。特に、p波に関しては、光の入射角が0度〜70度の角度範囲では光反射率が数%程度と極めて低いものの、70度を超えると光反射率が急激に高くなる傾向となっている。図17の結果を図15及び図16の結果に照らし合わせると、頂角θ6が80度、90度の場合は、いずれも反射型偏光シート20に対する入射角が70度以上のサイドローブ光を多く含んでおり、このサイドローブ光が反射型偏光シート20によって極めて効率的に反射されていることが分かる。この反射型偏光シート20による反射光は、反射シート16などにより反射されて再び反射型偏光シート20に至る過程で入射角が小さな光に変換され、正面方向に近い角度でもって出射することで正面輝度の向上に寄与するのである。
比較実験3について説明する。比較実験3では、第1プリズムシート18における第1単位プリズム18Bの構成を変更した場合の輝度角度分布の変化を検証する。詳しくは、比較実験3では、第1単位プリズム18Bにおける底辺18B1に対する第1LED反対側斜辺18B3の傾斜角度θ2を25度〜60度の角度範囲で5度おきに変更した各第1プリズムシート18を用いて、バックライト装置12における出射光の輝度角度分布を測定した。なお、第1LED側斜辺18B2の傾斜角度θ1は、いずれも55度としており、また第2プリズムシート19は、第2単位プリズム19Bの頂角θ6が90度とされ、それら以外のバックライト装置12の構成は、実証実験1よりも前の段落にて説明した通りである。比較実験3の実験結果は、図20から図23に示される通りである。図20には、第2プリズムシート19に対する光の入射角と、第2プリズムシート19から出射する光の出射角と、の関係を表すグラフである。図20は、縦軸が光の入射角(単位は「度」)であり、横軸が光の出射角(単位は「度」)である。図21には、第1プリズムシート18の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が記されており、図中の凡例には傾斜角度θ2の数値が記されている。図22には、反射型偏光シート20の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が記されており、図中の凡例には傾斜角度θ2の数値が記されている。図21は、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)とされる。図22は、縦軸が最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされる。図21及び図22は、いずれも横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。図23は、実験結果を示す表であり、傾斜角度θ2と、相対輝度と、が記されている。
比較実験3の実験結果について説明する。図20によれば、第2プリズムシート19から出射する光の出射角を、正面輝度の向上を図る上で有効な−10度〜+10度の角度範囲とするには、第2プリズムシート19に対する光の入射角を20度〜37度の範囲とするのが好ましいことが分かる。特に、第2プリズムシート19から出射する光の出射角を0度、つまり正面方向と一致させるには、第2プリズムシート19に対する光の入射角を28度程度とするのが好ましい。図21によれば、傾斜角度θ2を小さくするほど、第1プリズムシート18の出射光の輝度ピークに係る出射角度が大きくなる傾向にある。このうち、第1プリズムシート18の出射光の輝度ピークが20度〜37度の範囲となるのは、傾斜角度θ2が35度〜50度の角度範囲である。中でも傾斜角度θ2が45度の場合は、第1プリズムシート18の出射光が28度付近となっている。図22及び図23によれば、傾斜角度θ2が35度〜50度の角度範囲とされる場合は、反射型偏光シート20の出射光に係る相対輝度がいずれも95%以上であり、十分に高い正面輝度が得られるとともに、輝度ピークとなる出射角度が0度付近に保たれていて良好な視野角特性が得られている。中でも傾斜角度θ2が45度とされる場合は、最も高い相対輝度が得られており、正面輝度及び視野角特性のいずれも最良と言える。一方、傾斜角度θ2が25度、30度、55度、60度とされる場合は、反射型偏光シート20の出射光に係る相対輝度がいずれも95%に満たず、正面輝度が不十分であるとともに、輝度ピークとなる出射角度が0度から相対的に大きくずれていて視野角特性も劣る。
比較実験4について説明する。比較実験4では、第1プリズムシート18における第1単位プリズム18Bの構成のうち、底辺18B1に対する第1LED側斜辺18B2の傾斜角度θ1を35度〜65度の角度範囲で5度おきに変更した各第1プリズムシート18を用いて、バックライト装置12における出射光の輝度角度分布を測定した。なお、第1LED反対側斜辺18B3の傾斜角度θ2は、いずれも45度としており、また第2プリズムシート19は、第2単位プリズム19Bの頂角θ6が90度とされ、それら以外のバックライト装置12の構成は、実証実験1よりも前の段落にて説明した通りである。比較実験4の実験結果は、図24及び図25に示される通りである。図24には、反射型偏光シート20の出射光におけるY軸方向についての輝度角度分布が記されており、図中の凡例には傾斜角度θ1の数値が記されている。図24は、縦軸が傾斜角度θ1を40度とした場合の輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。図25は、実験結果を示す表であり、傾斜角度θ1と、相対輝度と、が記されている。
比較実験4の実験結果について説明する。図24及び図25によれば、傾斜角度θ1が50度〜60度の角度範囲とされる場合は、反射型偏光シート20の出射光に係る相対輝度がいずれも110%を超えていて十分に高い正面輝度が得られるとともに、輝度ピークとなる出射角度が0度付近に保たれていて良好な視野角特性が得られている。中でも傾斜角度θ1が55度とされる場合は、最も高い相対輝度が得られており、正面輝度及び視野角特性のいずれも最良と言える。一方、傾斜角度θ1が35度、40度、45度、65度とされる場合は、反射型偏光シート20の出射光に係る相対輝度がいずれも110%以下となって正面輝度が不十分であるとともに、輝度ピークとなる出射角度が0度から相対的に大きくずれていて視野角特性も劣る。
比較実験5について説明する。比較実験5では、第1プリズムシート18における第1単位プリズム18Bの屈折率の値を1.49〜1.59の範囲で変更した各第1プリズムシート18を用いて、バックライト装置12における出射光の色度を測定した。なお、第1単位プリズム18Bの屈折率以外のバックライト装置12の構成は、実証実験1よりも前の段落にて説明した通りである。比較実験5の実験結果は、図26及び図27に示される通りである。比較実験5の実験結果には、色度の基準値を示す参考例1を併記している。この参考例1は、比較実験1の比較例1と同じ構成のバックライト装置の出射光に係る輝度である。図26には、CIE1931色度図であって、第1単位プリズム18Bの屈折率の値を1.49〜1.59の範囲で変更した場合における反射型偏光シート20の出射光の色度がプロットされている。図26中の「●」の各プロットには、第1単位プリズム18Bの屈折率の数値(1.49,1.52,1.55,1.57,1.59)が記されている。図26中のプロットのうちの「■」のプロットは、基準となる参考例1の色度である。図26では、横軸のx軸及び縦軸のy軸がそれぞれ色度座標値であるx値及びy値を示している。図27は、実験結果を示す表であり、第1単位プリズム18Bの屈折率と、出射光の色度値(x値及びy値)と、参考例1の色度値との差分(x値変化量及びy値変化量)と、が記されている。
比較実験5の実験結果について説明する。図26及び図27によれば、第1単位プリズム18Bの屈折率が大きくなるほど、出射光のx値及びy値がいずれも増加して参考例1の基準値からの変化量が大きくなり、黄色味を帯びる傾向にあることが分かる。逆に言うと、第1単位プリズム18Bの屈折率が小さくなるほど、出射光のx値及びy値がいずれも減少して、青色味を帯びる傾向にあることが分かる。第1単位プリズム18Bの屈折率は、1.49〜1.59の範囲のうち、1.49〜1.52の範囲であれば、参考例1の基準値に近い色度となり、特定の色味を帯びることがない良好な白色光が得られる、と言える。これに対し、第1単位プリズム18Bの屈折率が1.52よりも大きくなると、出射光が黄色味を帯びてしまい、色ムラとして視認されるおそれがある。また、第1単位プリズム18Bの屈折率が1.49よりも小さくなると、出射光が青色味を帯びてしまい、色ムラとして視認されるおそれがある。
比較実験6について説明する。比較実験6では、液晶表示装置10において第2プリズムシート19を液晶パネル11に対して傾けた配置とした場合における出射光の輝度を測定した。詳しくは、比較実験6では、液晶パネル11に対して第2プリズムシート19のみを傾けた場合と、液晶パネル11に対して第1プリズムシート18及び第2プリズムシート19を共に傾けた場合と、における出射光の輝度をそれぞれ測定している。実験結果は、図28に示す通りである。図28は、液晶パネル11に対する第1プリズムシート18や第2プリズムシート19の傾き角度に対する液晶表示装置10の出射光の輝度の関係を示すグラフである。図28では、縦軸が最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が第1プリズムシート18や第2プリズムシート19の傾き角度(単位は「度」)とされる。
比較実験6の実験結果について説明する。図28によれば、液晶パネル11に対して第1プリズムシート18のみを傾けた場合と、液晶パネル11に対して第1プリズムシート18及び第2プリズムシート19を共に傾けた場合と、は、、いずれも傾き角度が大きくなるほど出射光の輝度が低下する傾向にあることが分かる。そして、第1プリズムシート18のみを傾けた場合は、第1プリズムシート18及び第2プリズムシート19を共に傾けた場合に比べると、傾き角度が大きくなっても輝度低下が抑制されている傾向にあることが分かる。一般的に、上記した傾き角度は大きくなるほど、液晶パネル11に備わる画素に対して干渉が生じ難くなり、モアレ抑制効果が高くなる。従って、モアレを抑制する場合には、液晶パネル11に対して第2プリズムシート19のみを傾けて設置するのが好ましい、と言える。
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、LED(光源)13と、板状をなしていて外周端面の少なくとも一部がLED13から発せられた光が入射される入光端面15Aとされて一方の板面が光を出射させる出光板面15Bとされる導光板15と、導光板15に対して出光側に配される第1プリズムシート18であって、LED13から導光板15へ向かう方向を含む第1方向に沿って複数が並んで配されていて第1方向と導光板15の板厚方向との双方と直交する第2方向に沿って延在する第1単位プリズム18Bを有する第1プリズムシート18と、第1プリズムシート18に対して出光側に配される第2プリズムシート19であって、第1方向に沿って複数が並んで配されていて第2方向に沿って延在する第2単位プリズム19Bを有する第2プリズムシート19と、を備え、第1プリズムシート18及び第2プリズムシート19は、第1単位プリズム18B及び第2単位プリズム19Bが、いずれも第1方向に並行する底辺18B1,19B1と、底辺18B1,19B1の両端から立ち上がる一対の斜辺18B2,18B3,19B2,19B3と、を有していて、第2単位プリズム19Bにおいて第1方向についてLED13側の斜辺である第2LED側斜辺19B2が底辺19B1に対してなす角度が、第1単位プリズム18Bにおいて第1方向についてLED13側の第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度よりも小さくなるよう構成される。
このようにすれば、LED13から発せられて導光板15の入光端面15Aに入射した光は、導光板15内を伝播するとともに出光板面15Bから出射されて第1プリズムシート18に入射される。第1プリズムシート18に入射した光は、その多くが、第1単位プリズム18Bにおける一対の斜辺18B2,18B3のうちの第1方向についてLED13側とは反対側の斜辺に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第1方向についてLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2へ向かう。ここで、第1単位プリズム18Bは、第2単位プリズム19Bとの比較において、第1方向についてLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1,19B1に対してなす角度が、大きくなっているから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第1プリズムシート18に入射した光が第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2に当たり難くなる。第1プリズムシート18の入射光が第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2に当たると、第1単位プリズム18Bを出射する際に立ち上げられることなく迷光となって出射し易い傾向にある。従って、第1プリズムシート18の入射光が第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2に直接当たり難くなれば、迷光の発生が抑制され、結果として光の利用効率が向上する。
第1プリズムシート18を出射して第2プリズムシート19に入射した光は、その多くが、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3のうちの第1方向についてLED13側とは反対側の斜辺に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第1方向についてLED13側の斜辺である第2LED側斜辺19B2へ向かう。ここで、第2単位プリズム19Bは、第1単位プリズム18Bとの比較において、第1方向についてLED13側の斜辺である第2LED側斜辺19B2が底辺19B1に対してなす角度が、小さくなっているから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第1方向についてLED13側とは反対側の斜辺により屈折されて第1方向についてLED13側の斜辺である第2LED側斜辺19B2へ向かう光が、第1方向についてLED13側の斜辺である第2LED側斜辺19B2により第1プリズムシート18側に戻され易くなる。結果として、第2プリズムシート19から第1プリズムシート18側に戻される光(以下、再帰光という)の量が多くなる。この再帰光は、当該バックライト装置12内にて反射などされることで再び第2プリズムシート19に至り、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3のいずれかによって立ち上げられつつ出射されるので、光の利用効率が向上する。再帰光は、第2プリズムシート19から出射するまでの光路が複雑化しているので、第2単位プリズム19Bにより付与される立ち上がり角度も多様化しており、それにより視野角特性が向上する。以上により、視野角特性及び輝度の向上が図られる。
また、第2プリズムシート19は、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3が底辺19B1に対してなす角度が、同じになるよう構成される。このようにすれば、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3の一方に当たってから他方によって第1プリズムシート18側に戻される光のリサイクル効率が良好になるので、輝度の向上を図る上でより好適となる。しかも、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3に当たって出射される光のそれぞれに付与される立ち上げ作用が同等になるので、視野角特性がより優れたものとなる。
また、第2プリズムシート19は、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3同士がなす角度が、80度〜100度の範囲となるよう構成される。第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3の一方に当たってから他方によって第1プリズムシート18側に戻される光のリサイクル効率は、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3同士がなす角度が90度とされる場合に最も良好となる。従って、上記のように第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3同士がなす角度を80度〜100度の範囲とすることで、光のサイクル効率が良好に保たれ、輝度の向上を図る上で一層好適となる。
また、第1プリズムシート18は、第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3が底辺18B1に対してなす角度が、35度〜50度の範囲とされる。このようにすれば、仮に第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3が底辺18B1に対してなす角度を35度よりも小さくした場合や50度よりも大きくした場合に比べると、視野角特性がより良好になる。すなわち、第1プリズムシート18の第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3によって立ち上げられつつ出射する光の進行方向は、同斜辺が底辺18B1に対してなす角度に依存するとともに、第2プリズムシート19に対する光の入射角に直接的に影響する。これに対し、第2プリズムシート19の第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3により立ち上げられつつ出射する光の進行方向は、第2プリズムシート19に対する光の入射角に依存している。そして、第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3が底辺18B1に対してなす角度が35度〜50度の範囲とされることで、第2プリズムシート19の出射光が導光板15の板厚方向に近い角度となるよう効率的に立ち上げられ、良好な視野角特性が得られるのである。
また、第1プリズムシート18は、第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3が底辺18B1に対してなす角度が、45度とされる。このようにすれば、第2プリズムシート19の出射光が導光板15の板厚方向に近い角度となるよう最も効率的に立ち上げられ、より良好な視野角特性が得られるとともに高い輝度が得られる。
また、第1プリズムシート18は、第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度が、50度〜60度の範囲とされる。このようにすれば、仮に第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度を50度よりも小さくした場合や60度よりも大きくした場合に比べると、輝度の向上が図られる。仮に第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度を50度よりも小さくすると、第1プリズムシート18の板面内に占めるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2の面積比率が大きくなり過ぎるため、第1プリズムシート18に入射した光が第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2に当たり易くなる。そうなると、第1単位プリズム18Bを出射する際に立ち上げられることなく出射する迷光が多くなる。一方、仮に第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度を60度よりも大きくすると、第2プリズムシート19から戻された光が第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2に当たったときに迷光となり易い傾向にある。その点、上記のように第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度を50度〜60度の範囲とすることで、迷光の発生が効果的に抑制されて輝度が向上するのである。
また、第1プリズムシート18は、第1単位プリズム18BにおけるLED13側の斜辺である第1LED側斜辺18B2が底辺18B1に対してなす角度が、55度とされる。このようにすれば、迷光の発生が最も効果的に抑制され、輝度がより向上する。
また、第2プリズムシート19の出光側に配され、屈折率が互いに異なる層を交互に積層した多層膜を有する反射型偏光シート20を備える。このようにすれば、第2プリズムシート19から出射した光は、その一部が反射型偏光シート20の多層膜によって反射されて第2プリズムシート19側に戻され、残りが反射型偏光シート20を透過する。第2プリズムシート19側に戻された光は、反射や屈折を繰り返して再び反射型偏光シート20に入射する。ここで、第2プリズムシート19は、第2単位プリズム19Bにおける一対の斜辺19B2,19B3同士がなす角度が80度〜100度の範囲とされているため、同角度を上記範囲外とした場合に比べると、出射光に反射型偏光シート20に対する入射角が大きな光が多く含まれる傾向にある。この反射型偏光シート20に入射する光は、入射角が大きくなるほど多層膜による反射率が高くなる傾向にある。従って、反射型偏光シート20の多層膜により反射されて再利用される光が多くなるので、光の利用効率が向上し、輝度がより向上する。
また、第1プリズムシート18は、第1単位プリズム18Bにおける屈折率が1.49〜1.52の範囲とされる。第1プリズムシート18に入射した光は、第1単位プリズム18BにおけるLED13とは反対側の斜辺である第1LED反対側斜辺18B3により屈折されるが、このときの屈折角には波長依存性があり、短波長の光は長波長の光よりも屈折角が大きくなる傾向にあり、その差は第1単位プリズム18Bの屈折率が大きくなるほど拡大する傾向にある。仮に第1単位プリズム18Bにおける屈折率を1.49よりも小さくすると、第1プリズムシート18の出射光に含まれる短波長の光の比率が過大となって青色味などの色味が付くおそれがある。一方、第1単位プリズム18Bにおける屈折率を1.52よりも大きくすると、第1プリズムシート18の出射光に含まれる長波長の光の比率が過大となって黄色味などの色味が付くおそれがある。その点、第1単位プリズム18Bにおける屈折率を1.49〜1.52の範囲とすれば、第1プリズムシート18の出射光に含まれる短波長の光と長波長の光とが適切な比率となり、特定の色味が付き難くなる。これにより、色ムラの発生が抑制される。
また、導光板15は、出光板面15Bとは反対側の板面である反対板面15Cまたは出光板面15Bに設けられる出光反射部23を有しており、出光反射部23は、第1方向に沿って間隔を空けて並ぶ複数の単位反射部23Aを有する。このようにすれば、導光板15内を伝播する光は、途中で第2方向に沿って延在する単位反射部23Aによって反射されることで、出光板面15Bからの出射が促される。
また、導光板15における反対板面15C及び出光板面15Bのうち、出光反射部23が設置される板面には、第1方向について単位反射部23Aに隣り合うよう配されていてLED13から遠ざかるほど出光反射部23が非設置とされる板面からの距離が大きくなる勾配の傾斜面24が設けられており、出光反射部23は、単位反射部23Aが第1方向についてLED13側に配されていて第1方向に対して傾斜する第1反射面23A1とその反対側に配されていて第1方向に対して傾斜する第2反射面23A2とを有しており、導光板15は、第1方向に対する傾斜角度が、傾斜面24、第1反射面23A1、第2反射面23A2の順で大きくなるよう構成される。このようにすれば、LED13から遠ざかるよう導光板15内を進行する光は、途中でLED13から遠ざかるほど出光反射部23が非設置される板面からの距離が大きくなる勾配の傾斜面24により反射されることで、第1方向についてLED13から遠ざかるよう導かれる。これにより、出光板面15Bからの出射光が第1方向についてLED13側に偏り難くなる。この傾斜面24は、第1方向に対する傾斜角度が、単位反射部23Aの各反射面のいずれに比べても小さいので、反射光をLED13からより遠い側へと導くことができる。
導光板15内を伝播する光のうち、第1方向についてLED13から遠ざかるよう進行する光は、単位反射部23Aの第1反射面23A1により反射されて出光が促進される。これに対し、導光板15内を伝播する光のうち、第1方向についてLED13に近づくよう進行する光は、第1方向についてLED13から遠ざかるよう進行する光よりも少ないが、単位反射部23Aの第2反射面23A2により反射されて出光が促進される。第1反射面23A1は、第1方向に対する傾斜角度が第2反射面23A2よりも小さいから、反射光に作用する立ち上げ作用が第2反射面23A2よりも弱い。従って、第1方向についてLED13から遠ざかるよう進行する光が逆向きの光よりも多くてもそれらが過剰に出光されるのが避けられる。これに対し、第2反射面23A2は、第1方向に対する傾斜角度が第1反射面23A1よりも大きいから、反射光に作用する立ち上げ作用が第1反射面23A1よりも強い。従って、第1方向についてLED13に近づくよう進行する光が逆向きの光よりも少なくてもそれらを余すことなく出光させることができ、光の利用効率が向上する。
また、導光板15は、出光板面15Bとは反対側の板面である反対板面15Cと出光板面15Bとの両方に設けられる第1導光板レンズ部(導光板レンズ部)21及び第2導光板レンズ部(導光板レンズ部)22を有しており、第1導光板レンズ部21及び第2導光板レンズ部22は、第1方向に沿って延在していて第2方向に沿って並ぶ複数ずつの第1導光板単位レンズ(導光板単位レンズ)21A及び第2導光板単位レンズ(導光板単位レンズ)22Aを有する。このようにすれば、導光板15内を伝播する光は、第1導光板レンズ部21及び第2導光板レンズ部22を構成していて第1方向に沿って延在し第2方向に沿って並ぶ複数の第1導光板単位レンズ21A及び第2導光板単位レンズ22Aによって繰り返し反射されつつ第1方向に沿って進行することで、第2方向についての広がりが制限される。これにより、第2方向についてLED13付近とその周囲との間に明暗のムラが生じ難くなる。ところで、導光板15の外周端面のうち、入光端面15Aに隣り合う側端面は、製造上の理由から表面が荒れる場合があり、その場合は導光板15内を伝播する光が上記側端面に当たると、反射されずに外部に出射してから再入射したり、側端面により乱反射されたりするおそれがある。このような光は、出光板面15Bから出射し易く、側端面付近に局所的に明るい明部を生じさせるおそれがある。特に、導光板15の反対板面15Cと出光板面15Bとのうちの少なくとも一方には、複数の第1導光板単位レンズ21A及び第2導光板単位レンズ22Aを有する第1導光板レンズ部21及び第2導光板レンズ部22が設けられているため、上記した明部が特定の第1導光板単位レンズ21A及び第2導光板単位レンズ22Aのみに生じて輝線として視認されるおそれがある。その点、導光板15の出光側には、第1プリズムシート18及び第2プリズムシート19が配され、これらには第2方向に沿って延在する第1単位プリズム18B及び第2単位プリズム19Bがそれぞれ備えられているから、導光板15の側端面付近から出射した光を第1単位プリズム18B及び第2単位プリズム19Bによって第2方向について拡散させることができる。これにより、第1方向に沿って延在する形態の輝線が視認され難くなる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記記載のバックライト装置12と、バックライト装置12からの光を利用して表示を行う液晶パネル(表示パネル)11と、を備える。このような構成の液晶表示装置10によれば、バックライト装置12の出射光に係る視野角特性の向上が図られているから、表示品位に優れた表示を実現することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図29から図34によって説明する。この実施形態2では、導光板115及び第1プリズムシート118の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第1プリズムシート118は、図29及び図31に示すように、第1基材118Aにおける第1単位プリズム118B側(出光側)とは反対側の板面にレンズ部25が設けられた構成とされる。レンズ部25は、第1基材118Aの入光側の板面においてY軸方向に沿って延在していてX軸方向に沿って並ぶ複数の単位レンズ25Aを有する。本実施形態では、レンズ部25は、いわゆるレンチキュラーレンズであり、単位レンズ25Aは、第1基材118Aの板面から裏側に突出する凸型のシリンドリカルレンズである。単位レンズ25Aは、X軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つY軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が円弧状面25A1とされる。円弧状面25A1の基端部での接線がX軸方向に対してなす角度を「接触角」としたとき、単位レンズ25Aの接触角は、例えば50度程度とされる。X軸方向に沿って並ぶ複数の単位レンズ25Aは、接触角、底面の幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。単位レンズ25Aの配列間隔は、導光板115上の第1導光板単位レンズ121Aの配列間隔とは異なる設定とされるのがモアレを抑制する上では好ましい。単位レンズ25Aは、第1単位プリズム118Bと同様に光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料により構成されており、第1単位プリズム118Bと同様の製造方法によって第1基材118Aに一体的に設けられている。
本実施形態に係る導光板115は、図30に示すように、上記した実施形態1とは反対板面115Cに傾斜面24(図2を参照)が設けられていない点で異なる。導光板115の反対板面115Cには、出光反射部123を構成する複数の単位反射部123AがY軸方向に沿って連続的に並ぶよう設けられている。単位反射部123Aは、Y軸方向に対する第1反射面123A1の傾斜角度が例えば6度程度とされるとともに、Y軸方向に対する第2反射面123A2の傾斜角度が例えば40度程度とされる
次に、本実施形態に係るバックライト装置112の優位性を検証するため、以下の実証実験2及び比較実験7,8を行った。実証実験2では、本実施形態に係るバックライト装置112における出射光の輝度角度分布を測定した。具体的には、実証実験2では、導光板115の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、第1プリズムシート118の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、第2プリズムシート119の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、反射型偏光シート120の出射光のY軸方向についての輝度角度分布と、をそれぞれ測定しており、その結果は図32に示される通りである。図32は、縦軸が各出射光の最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。図32中の凡例には、各グラフがどの出射光であるかが記されている。
実証実験2の実験結果について説明する。図32に示されるグラフによれば、いずれの出射光についても、上記した実証実験1の実験結果(図6〜図9)と概ね同様の輝度角度分布である、と言える。従って、第1プリズムシート118における第1基材118Aの入光側の板面にレンズ部25を設けるようにしても、Y軸方向についての輝度角度分布に悪影響が及ぶことは避けられている、と言える。
比較実験7について説明する。比較実験7では、レンズ部25を構成する単位レンズ25Aの接触角を20度、30度、50度とした各第1プリズムシート118を用いて、バックライト装置112における出射光のX軸方向についての輝度角度分布を測定した。比較実験7では、単位レンズ25Aの接触角を20度としたものを実施例2とし、30度としたものを実施例3とし、50度としたものを実施例4とする。実験結果は、図33に示す通りである。比較実験7の実験結果には、X軸方向についての輝度角度分布の基準を示す参考例2を併記している。この参考例2は、比較実験1の比較例1と同じ構成のバックライト装置である。加えて、比較実験7の実験結果には、上記した比較実験1の実施例1におけるX軸方向についての輝度角度分布を併記している。図33には、反射型偏光シート120の出射光におけるX軸方向についての輝度角度分布が記されている。図33は、縦軸が最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。
比較実験7の実験結果について説明する。図33によれば、単位レンズ25Aの接触角が大きくなるほど、X軸方向について出射光の指向性が緩和され、半値全角が大きくなる傾向にあることが分かる。具体的には、単位レンズ25Aの接触角が20度とされる実施例2は、レンズ部25が非設置とされた比較実験1の実施例1と同等の輝度角度分布となっている。これに対し、単位レンズ25Aの接触角が30度とされる実施例3は、実施例1と参考例2との中間程度にまでX軸方向について出射光の指向性が緩和されている。そして、単位レンズ25Aの接触角が50度とされる実施例4は、参考例2と同程度の輝度角度分布が得られている。このように、単位レンズ25Aの接触角を50度とすれば、X軸方向について優れた視野角特性が得られる、と言える。
比較実験8について説明する。比較実験8は、レンズ部25、第1導光板レンズ部121及び第2導光板レンズ部122の有無や第2導光板レンズ部122の構成の変化が、出射光に生じ得る輝度ムラにどのような影響をもたらすかに関して知見を得るべく行われた。比較実験8では、レンズ部25を有さない第1プリズムシートと、第2導光板レンズ部122を有さない導光板と、を備えるバックライト装置を比較例2とし、第2導光板レンズ部122を有さない導光板を備えるバックライト装置を比較例3とし、レンズ部25を有さない第1プリズムシートを備えるバックライト装置を参考例3としている。さらには、比較実験8では、第2導光板レンズ部122の第2導光板単位レンズ122Aの頂角を140度としたものを実施例5とし、第2導光板単位レンズ122Aの頂角を120度としたものを実施例6とし、第2導光板単位レンズ122Aの頂角を100度としたものを実施例7としている。これら比較例2,3、参考例3及び実施例5〜7は、いずれも第1導光板レンズ部121の第1導光板単位レンズ121Aの接触角が50度とされる。比較例2,3、参考例3及び実施例5〜7は、上記のように説明した点を除いては、本実施形態に記載したバックライト装置112と同様の構成である。そして、比較実験8では、比較例2,3、参考例3及び実施例5〜7を点灯した状態で表側から写真を撮影し、その写真に基づいて輝度ムラの有無を判定するとともにCm(Michelson Contrast)値を測定した。実験結果は図34に示される通りである。図34には、比較例2,3、参考例3及び実施例5〜7における単位レンズ25Aの接触角、第1導光板単位レンズ121Aの接触角、第2導光板単位レンズ122Aの頂角、写真、Cm値及び判定結果が記されている。輝度ムラの有無の判定は、撮影した画像を検査員が目視して行っている。判定結果には、輝度ムラが視認されない場合は「良好」、輝度ムラが概ね視認されない場合は「可」、輝度ムラがやや視認されて不十分な場合は「不十分」、輝度ムラが視認される場合は「不可」と記している。Cm値は、出射光の最大輝度から最小輝度を差し引いて得られる値を、最大輝度と最小輝度とを足し合わせて得られる値により除して得られる。Cm値が大きいと、最大輝度と最小輝度との差が大きく且つ最大輝度と最小輝度との和が小さいことから、輝度ムラが視認され易い傾向にある。逆にCm値が小さいと、最大輝度と最小輝度との差が小さく且つ最大輝度と最小輝度との和が大きいことから、輝度ムラが視認され難い傾向にある。
比較実験8の実験結果について説明する。図34によれば、比較例2は、輝度ムラが顕著に発生していて判定結果が「不可」となっており、Cm値も0.222と最大になっている。これは、比較例2では、導光板が第2導光板レンズ部122を、第1プリズムシートがレンズ部25を、それぞれ有していないことから、光がX軸方向について拡散され難くなっていることが原因と考えられる。比較例3は、比較例2に比べると輝度ムラに一定の改善が見られるものの、改善効果が不十分であり、判定結果が「不十分」となっており、Cm値も0.117と大きくなっている。これは、比較例3では、第1プリズムシートがレンズ部25を有するものの、導光板が第2導光板レンズ部122を有していないことから、X軸方向についての光の拡散が不十分になっていることが原因と考えられる。参考例3は、比較例3に比べると輝度ムラにさらなる改善が見られるものの、改善効果がやはり不十分であり、判定結果が「不十分」となっており、Cm値も0.087と大きくなっている。これは、参考例3では、導光板が第2導光板レンズ部122を有するものの、第1プリズムシートがレンズ部25を有していないことから、X軸方向についての光の拡散が不十分になっていることが原因と考えられる。これに対し、実施例5〜7は、いずれも輝度ムラが視認され難くなっていて判定結果が「良」または「可」となっており、Cm値も0.053〜0.061と小さくなっている。これは、実施例5〜7は、導光板115が第2導光板レンズ部122を有するとともに第1プリズムシート118がレンズ部25を有していることから、X軸方向について光が十分に拡散されていることが原因と考えられる。実施例5〜7を比較すると、第2導光板単位レンズ122Aの頂角を140度、100度とした実施例5,7が実施例6よりも輝度ムラの改善効果が高くなっていることが分かる。
以上説明したように本実施形態によれば、第1プリズムシート118は、出光側の板面に複数の第1単位プリズム118Bが設けられるシート状の第1基材118Aと、第1基材118Aにおける出光側とは反対側の板面に設けられるレンズ部25と、を有しており、レンズ部25は、第1方向に沿って延在していて第2方向に沿って並んで配される複数の単位レンズ25Aを有する。このようにすれば、導光板115から出射した光は、第1プリズムシート118の第1基材118Aにおける出光側とは反対側の板面に設けられたレンズ部25に入射する。レンズ部25は、第1方向に延在していて第2方向に沿って並ぶ複数の単位レンズ25Aを有しており、入射光には複数の単位レンズ25Aによって第2方向について拡散作用が付与される。これにより、第2方向についての視野角特性が向上する。また、仮にレンズ部25を第2プリズムシート119に設けた場合には、第1単位プリズム118Bによる光の立ち上げ効果がレンズ部25によって減ぜられるおそれがあるが、そのような事態が避けられる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図35から図41によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第2プリズムシート219の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2プリズムシート219は、図35に示すように、第2基材219Aが非複屈折性を有する材料からなる。ここで、複屈折は、材料が結晶構造や高分子の配向等の影響を受けて2つ以上の屈折率を持つ場合に、屈折率の差により生じる。本明細書において、「非複屈折性を有する」とは「実質的に複屈折性を有しない」ことを意味し、より詳しくは屈折率の差と膜厚の積で表される面内位相差(リタデーション値)が10nm以下の場合に、実質的に複屈折性を有しない(実質的に複屈折性がゼロである)と定義する。本実施形態に係る第2基材219Aは、非複屈折性を有する非晶性透明樹脂材料であるPC(polycarbonate)を用いて溶融押し出しによりシート状にすることで製造されている。非晶性樹脂材料は、非晶部からなるため、結晶構造による屈性率差が生じにくく、リタデーション値を低く抑えることができる。従って、第2基材219Aは、リタデーション値が10nm以下で規定される非複屈折性を有しており、第2プリズムシート219を透過する光が、第2基材219Aにおいて複屈折されるのが高い確実性でもって抑制される。第2基材219Aが非複屈折性を有することで、第2プリズムシート219から液晶パネルに入射した光が、液晶パネルの表示面において「虹ムラ」と称される色のついた干渉縞を生じないようにすることができる。なお、第2基材219Aに用いる非晶性透明樹脂材料としては、PCの他に、PMMA(polymethyl methacrylate)等のアクリル樹脂やTAC(triacetylcellulose)等を用いることも可能であるが、PMMAやTACは吸水性が高く、高温高湿の環境下において吸水膨張による反りが発生しやすいため、PCが好適である。
次に、本実施形態に係るバックライト装置212の優位性を検証するため、以下の比較実験9を行った。比較実験9では、第2基材219Aの材料をPCとした第2プリズムシート219を用い、第2プリズムシート219に対して反射型偏光シート220を回転させつつ出射光の輝度を測定した。詳しくは、比較実験9では、第2基材219Aの材料をPCとした第2プリズムシート219を備える点を除いては、上記した比較実験1の実施例1と同じ構成で、第1基材218Aの材料をPETとした第1プリズムシート218を備えるバックライト装置212を実施例8としている。また、比較実験9では、参考のため、上記した比較実験1の実施例1と同じ構成のバックライト装置を参考例4としている。参考例4の実験結果は、図36に示す通りであり、実施例8の実験結果は、図37に示す通りである。図36及び図37における横軸が、X軸方向(第2単位プリズム219Bの延在方向)に対して反射型偏光シート220の透過軸がなす傾き角度(単位は「度」)とされ、縦軸が、上記した透過軸の傾き角度が0度(180度)のときの輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされる。また、実施例8において透過軸の傾き角度を90度にしたときのX軸方向及びY軸方向についての輝度角度分布を図38及び図39に、透過軸の傾き角度を0度にしたときのX軸方向及びY軸方向についての輝度角度分布を図40及び図41に、それぞれ記している。図38及び図40は、縦軸が各出射光の最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。図39及び図41は、縦軸が各出射光の最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。
比較実験9の実験結果について説明する。図36及び図37によれば、参考例4及び実施例8は、いずれも透過軸の傾き角度が0度(180度)付近において最小輝度となり、透過軸の傾き角度が90度付近において最大輝度となる。ここで、参考例4及び実施例8は、導光板215に備わる出光反射部223を構成する単位反射部223Aの延在方向と、各プリズムシート218,219の各単位プリズム218B,219Bの延在方向と、が一致する構成である点で共通しており、この共通構成により光の偏光度合いが乱され難くなっている。この光の偏光方向は、Y軸方向と概ね一致していることから、X軸方向に対する反射型偏光シート220の透過軸の傾き角度が90度になると、透過軸が光の偏光方向と一致する。これにより、透過軸の傾き角度が90度付近になると、反射型偏光シート220における光の透過率(利用効率)が最大化され、出射光の輝度が最大輝度となっている、と考えられる。図36によれば、参考例4における最大輝度は115%に満たない。これは、第2プリズムシートの第2基材の材料が複屈折性を有するPETであることから、結晶構造による屈性率差が生じ易くなっており、それにより光の偏光度合いが乱され易く、光の透過率が低くなるため、と考えられる。これに対し、図37によれば、実施例8における最大輝度は、115%を超えており、参考例4に比べて透過軸の傾き角度が0度の場合との輝度差が大きくなっている。これは、実施例8では、第2プリズムシート219の第2基材219Aの材料が非複屈折性を有するPCであることから、結晶構造による屈性率差が生じ難くなっており、それにより光の偏光度合いが乱され難く、光の透過率が高く保たれているため、と考えられる。
次に、図38から図41に基づいて実施例8における出射光の輝度角度分布について説明する。反射型偏光シート220の透過軸の傾き角度を90度にした場合の実験結果である図38及び図39と、反射型偏光シート220の透過軸の傾き角度を0度にした場合の実験結果である図40及び図41と、を比べると、後者が前者よりも視野角特性が優れている、と言える。詳しくは、透過軸の傾き角度を90度にした場合には、図38によれば、X軸方向についての輝度角度分布における半値全角は54度であり、図39によれば、Y軸方向についての輝度角度分布における半値全角は40度である。透過軸の傾き角度を0度にした場合には、図40によれば、X軸方向についての輝度角度分布における半値全角は76度であり、図41によれば、X軸方向についての輝度角度分布における半値全角は44度である。透過軸の傾き角度を90度にした場合には、同透過軸と光の偏光方向とが一致し、反射型偏光シート220の反射軸と光の偏光方向とが直交する。このため、反射型偏光シート220により反射されて裏側に戻される光量が少なく、各プリズムシート218,219などにより再利用される光量も少なくなることから、出射光の進行方向が多様化し難くなっており、その結果視野角がやや狭くなっている、と考えられる。一方、透過軸の傾き角度を0度にした場合には、同透過軸と光の偏光方向とが直交し、反射型偏光シート220の反射軸と光の偏光方向とが一致する。このため、反射型偏光シート220により反射される光量が多く、各プリズムシート218,219などにより再利用される光量も多くなることから、出射光の進行方向が多様化しており、その結果視野角が広くなっている、と考えられる。中でも、X軸方向は、各プリズムシート218,219の集光方向と直交する関係にあることから、反射型偏光シート220による反射光が各プリズムシート218,219による集光作用を受けることなく拡散するよう進行しつつ出射し易くなっている。その結果、透過軸の傾き角度を0度にした場合におけるX軸方向についての輝度角度分布における半値全角は76度と、極めて広くなっている。
以上説明したように本実施形態によれば、第2プリズムシート219は、出光側の板面に複数の第2単位プリズム219Bが設けられていて非複屈折性を有するシート状の第2基材219Aを有する。第1プリズムシート218及び第2プリズムシート219に備わる第1単位プリズム218B及び第2単位プリズム219Bは、いずれも第2方向に沿って延在していることから、仮に両単位プリズムの延在方向を直交させた場合に比べると、透過光の偏光度合いを維持し易い。そして、第2プリズムシート219の第2基材219Aは、非複屈折性を有している(複屈折性を有さない)から、第2基材219Aの透過光の偏光度合いが崩され難くなっている。これにより、光の利用効率の向上などを図る上で好適となるとともに、「虹ムラ」と称される色のついた干渉縞の発生を抑制することができる。
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図42または図43によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態3から第1プリズムシート318の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第1プリズムシート318は、図42に示すように、第1基材318Aが、第2プリズムシート319の第2基材319Aと同様に、非複屈折性を有する材料からなる。本実施形態に係る第1基材318Aは、第2基材319Aと同様に、非複屈折性を有する非晶性透明樹脂材料であるPCを用いて溶融押し出しによりシート状にすることで製造されている。第1基材318Aは、リタデーション値が10nm以下で規定される非複屈折性を有しており、第1プリズムシート318を透過する光が、第1基材318Aにおいて複屈折されるのが高い確実性でもって抑制される。第1基材318Aが非複屈折性を有することで、第1プリズムシート318から液晶パネルに入射した光が、液晶パネルの表示面において「虹ムラ」と称される色のついた干渉縞を生じないようにすることができる。なお、第1基材318Aに用いる非晶性透明樹脂材料としては、PCの他に、PMMA等のアクリル樹脂やTAC等を用いることも可能であるが、PCが好適である。
次に、本実施形態に係るバックライト装置312の優位性を検証するため、以下の比較実験10を行った。比較実験10では、第1基材318Aの材料をPCとした第1プリズムシート318と、第2基材319Aの材料をPCとした第2プリズムシート319と、を用い、第1プリズムシート318及び第2プリズムシート319に対して反射型偏光シート320を回転させつつ出射光の輝度を測定した。詳しくは、比較実験10では、第1基材318A及び第2基材319Aの材料をそれぞれPCとした第1プリズムシート318及び第2プリズムシート319を備える点を除いては、上記した比較実験1の実施例1と同じ構成のバックライト装置312を実施例9としている。実施例9の実験結果は、図43に示す通りである。図43における横軸が、X軸方向に対して反射型偏光シート320の透過軸がなす傾き角度(単位は「度」)とされ、縦軸が、上記した透過軸の傾き角度が0度(180度)のときの輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされる。
比較実験10の実験結果について説明する。図43によれば、実施例9は、透過軸の傾き角度が0度(180度)付近において最小輝度となり、透過軸の傾き角度が90度付近において最大輝度となる。この実験結果は、上記した比較実験8の実験結果と同様である。特筆すべきは、実施例9における最大輝度は、120%を超えており、上記した比較実験8の参考例4及び実施例8に比べて透過軸の傾き角度が0度の場合との輝度差が大きくなっている。これは、実施例9では、第2プリズムシート319の第2基材319Aの材料に加えて、第1プリズムシート318の第1基材318Aの材料が非複屈折性を有するPCであることから、結晶構造による屈性率差が生じ難くなっており、それにより光の偏光度合いがより乱され難く、光の透過率がさらに高く保たれているため、と考えられる。
<実施形態5>
本発明の実施形態5を図44によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態2から導光板415の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る導光板415は、図44に示すように、上記した実施形態1と同様に、反対板面415Cに傾斜面424が設けられている点で上記した実施形態2とは異なる。出光反射部423を構成する単位反射部423Aは、上記した実施形態2と同様に、Y軸方向に対する第1反射面423A1の傾斜角度が例えば6度程度とされるとともに、Y軸方向に対する第2反射面423A2の傾斜角度が例えば40度程度とされる。傾斜面424は、Y軸方向に対する傾斜角度が例えば15度程度とされる。
<実施形態6>
本発明の実施形態6を図45または図46によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態2から導光板515の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る導光板515は、図45に示すように、第2導光板レンズ部522がレンチキュラーレンズとされる点で上記した実施形態2とは異なる。第2導光板レンズ部522を構成する第2導光板単位レンズ522Aは、反対板面515Cから裏側に突出する凸型のシリンドリカルレンズである。第2導光板単位レンズ522Aは、X軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つY軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が円弧状面522A1とされる。円弧状面522A1の基端部での接線がX軸方向に対してなす角度を「接触角」としたとき、第2導光板単位レンズ522Aの接触角は、例えば30度程度とされる。X軸方向に沿って並ぶ複数の第2導光板単位レンズ522Aは、接触角、底面の幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。
次に、本実施形態に係るバックライト装置312の優位性を検証するため、以下の比較実験11を行った。比較実験11は、レンズ部525、第1導光板レンズ部521及び第2導光板レンズ部522の有無や第2導光板レンズ部522の構成の変化が、出射光に生じ得る輝度ムラにどのような影響をもたらすかに関して知見を得るために行われている。比較実験11では、上記した比較実験8と同じ比較例2及び比較例3を用いている。それに加え、比較実験11では、レンズ部525を有さない第1プリズムシートを備えるバックライト装置を参考例5としており、参考例5における第2導光板レンズ部522の第2導光板単位レンズ522Aの接触角は30度とされる。さらには、比較実験11では、第2導光板レンズ部522の第2導光板単位レンズ522Aの接触角を30度としたものを実施例10とし、第2導光板単位レンズ522Aの接触角を49度としたものを実施例11とし、第2導光板単位レンズ522Aの接触角を62度としたものを実施例12としているこれら比較例2,3、参考例5及び実施例10〜12は、いずれも第1導光板レンズ部521の第1導光板単位レンズ521Aの接触角が50度とされる。比較例2,3、参考例5及び実施例10〜12は、上記のように説明した点を除いては、本実施形態に記載したバックライト装置512と同様の構成である。そして、比較実験11では、比較例2,3、参考例5及び実施例10〜12を点灯した状態で表側から写真を撮影し、その写真に基づいて輝度ムラの有無を判定するとともにCm値を測定した。実験結果は図46に示される通りである。図46には、比較例2,3、参考例5及び実施例10〜12における単位レンズ525Aの接触角、第1導光板単位レンズ521Aの接触角、第2導光板単位レンズ522Aの接触角、写真、Cm値及び判定結果が記されている。輝度ムラの有無の判定方法及び判定結果の内容は、上記した比較実験8に記載した通りである。また、Cm値の説明に関しても、上記した比較実験8に記載した通りである。
比較実験11の実験結果について説明する。図46によれば、比較例2,3の実験結果は、上記した比較実験8に記載した通りである。参考例5は、比較例3に比べると輝度ムラにさらなる改善が見られるものの、改善効果がやはり不十分であり、判定結果が「不十分」となっており、Cm値も0.085と大きくなっている。これは、参考例5では、導光板が第2導光板レンズ部522を有するものの、第1プリズムシートがレンズ部525を有していないことから、X軸方向についての光の拡散が不十分になっていることが原因と考えられる。これに対し、実施例10〜12は、いずれも輝度ムラが視認され難くなっていて判定結果が「良」または「可」となっており、Cm値も0.061〜0.066と小さくなっている。これは、実施例10〜12は、導光板515が第2導光板レンズ部522を有するとともに第1プリズムシート518がレンズ部525を有していることから、X軸方向について光が十分に拡散されていることが原因と考えられる。実施例10〜12を比較すると、第2導光板単位レンズ522Aの接触角を30度とした実施例10が実施例11,12よりも輝度ムラの改善効果が高くなっていることが分かる。
<実施形態7>
本発明の実施形態7を図47または図48によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態2から第1プリズムシート618の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第1プリズムシート618は、図47に示すように、レンズ部625がプリズム型のレンズとされている。レンズ部625を構成する単位レンズ625Aは、第1基材618Aの裏側の板面Cから裏側に突出する凸型のプリズムとされる。単位レンズ625Aは、X軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにY軸方向に沿って直線的に延在している。単位レンズ625Aは、その幅寸法が第1方向について全長にわたって一定とされる。単位レンズ625Aは、断面形状がほぼ二等辺三角形であり、一対の斜面625A1を有するとともにその頂角が鈍角(90度を超える角度)、具体的には110度〜145度の範囲とされるのが好ましく、140度〜145度の範囲とされるのが最も好ましいが、場合によっては110度〜130度の範囲とされるのが好まれることもある。X軸方向に沿って並ぶ複数の単位レンズ625Aは、頂角、底面の幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。
次に、本実施形態に係るバックライト装置612の優位性を検証するため、以下の比較実験12を行った。比較実験12では、レンズ部625を構成する単位レンズ625Aの頂角を90度、100度、110度、120度、130度、140度、145度とした各第1プリズムシート618を用いて、バックライト装置612における出射光のX軸方向についての輝度角度分布を測定した。比較実験12では、単位レンズ625Aの頂角を90度としたものを実施例13とし、100度としたものを実施例14とし、110度としたものを実施例15とし、120度としたものを実施例16とし、130度としたものを実施例17とし、140度としたものを実施例18とし、145度としたものを実施例19とする。実験結果は、図48に示す通りである。比較実験12の実験結果には、X軸方向についての輝度角度分布の基準を示す参考例2を併記している。この参考例2は、比較実験1の比較例1と同じ構成のバックライト装置である。加えて、比較実験12の実験結果には、上記した比較実験1の実施例1におけるX軸方向についての輝度角度分布を併記している。図48には、反射型偏光シート620の出射光におけるX軸方向についての輝度角度分布が記されている。図48は、縦軸が最大輝度を基準(100%)とした相対輝度(単位は「%」)とされ、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向についての角度(単位は「度」)とされる。この横軸に付された正負の記号は、上記した実証実験1の図6から図9の説明と同様の意味である。
比較実験12の実験結果について説明する。図48によれば、単位レンズ525Aの頂角が140度以下となる実施例13〜18に関しては、輝度ピークが正面方向を挟んだ2位置に現れており、それに伴って正面輝度が低下する傾向にある。これに対し、単位レンズ525Aの頂角が140度を超えた145度となる実施例19に関しては、輝度ピークが正面方向と一致し、正面輝度が最も高くなるとともに、参考例2に近似する輝度角度分布となる。従って、視野角特性及び正面輝度は、実施例19が最も優れている、と言える。実施例13〜18のうち、単位レンズ525Aの頂角が140度となる実施例18は、輝度ピークが2位置となることに起因する正面輝度の低下が僅かであり、実施例19に近い輝度角度分布となっている。ところで、例えば液晶表示装置の用途が車載とされる場合は、運転席側と助手席側とからそれぞれ画像を視認することが想定される。このような場合には、液晶表示装置の出射光に係る輝度角度分布は、輝度ピークが運転席側と助手席側との双方に存在するようなものとなることが求められるので、実施例13〜17を適用するのが好適となる。中でも、輝度ピークの角度が±30度付近となれば、運転席側と助手席側とからの視認性が良好であることからすると、実施例15〜17が特に好ましい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態では、第2プリズムシートの第2単位プリズムにおける頂角が90度とされる場合を示したが、同頂角が80度〜100度の範囲であれば、良好な視野角特性が得られることから、その範囲内にて具体的な角度を変更することは可能である。また、同頂角が80度〜100度の範囲外であっても構わない。その場合でも、一対の斜辺が底辺に対してなす角度が異なる場合よりも優れた視野角特性を得ることができる。
(2)上記した各実施形態では、第1プリズムシートの第1単位プリズムにおけるLED反対側斜辺が底辺に対してなす角度が45度とされる場合を示したが、同角度が35度〜50度の範囲であれば、良好な視野角特性が得られることから、その範囲内にて具体的な角度を変更することは可能である。また、同角度が35度〜50度の範囲外であっても構わない。
(3)上記した各実施形態では、第1プリズムシートの第1単位プリズムにおけるLED側斜辺が底辺に対してなす角度が55度とされる場合を示したが、同角度が50度〜60度の範囲であれば、十分な輝度向上効果が得られることから、その範囲内にて具体的な角度を変更することは可能である。また、同角度が50度〜60度の範囲外であっても構わない。
(4)上記した各実施形態では、第1プリズムシートの第1単位プリズムにおける屈折率が1.49〜1.52の範囲とされる場合を示したが、出射光に求められる色度によっては同屈折率を1.49〜1.52の範囲外とすることも可能である。
(5)上記した各実施形態以外にも、導光板に備わる出光反射部の各反射面や傾斜面の具体的な傾斜角度の数値は適宜に変更可能である。
(6)上記した各実施形態以外にも、導光板に備わる第1導光板レンズ部の第1導光板単位レンズや第2導光板レンズ部の第2導光板単位レンズにおける頂角や接触角などの具体的な数値は適宜に変更可能である。
(7)上記した各実施形態以外にも、第1プリズムシート及び第2プリズムシートの第1基材及び第2基材に用いる具体的な材料は適宜に変更可能である。同様に、第1単位プリズム及び第2単位プリズムに用いる具体的な材料も適宜に変更可能である。
(8)上記した各実施形態では、第1プリズムシート及び第2プリズムシートの第1単位プリズム及び第2単位プリズムにおける断面形状がいずれも単純な三角形とされる場合を示したが、第1単位プリズム及び第2単位プリズムにおける具体的な断面形状は適宜に変更可能である。その場合、例えば第1単位プリズム及び第2単位プリズムにおけるいずれかの斜辺が複数の傾斜角度を持つよう屈曲形状とされるのが好ましい。
(9)上記した各実施形態では、出光反射部が導光板の反対板面に設けられた場合を示したが、出光反射部が導光板の出光板面に設けられていてもよい。
(10)上記した各実施形態では、導光板が第1導光板レンズ部及び第2導光板レンズ部を有する場合を示したが、第1導光板レンズ部及び第2導光板レンズ部のうちのいずれか一方または両方を省略することも可能である。同様に、導光板から出光反射部を省略することも可能である。その場合は、導光板の出光板面または反対板面に光の出射を促すための構造を別途に設けるのが好ましい。
(11)上記した各実施形態では、導光板の厚みが全長にわたって概ね一定とされ、反対板面がフラットな場合を示したが、導光板の厚みがLEDから遠ざかるほど小さくなり、反対板面が傾斜状とされる構成であっても構わない。
(12)上記した各実施形態では、液晶表示装置及びバックライト装置の平面形状が長方形とされる場合を示したが、液晶表示装置及びバックライト装置の平面形状は、正方形、円形、楕円形、台形、菱形などであっても構わない。バックライト装置の平面形状を変更する場合は、その構成部材(導光板、反射シート及び光学シートなど)の平面形状もそれに併せて変更すればよい。
(13)上記した各実施形態では、反射型偏光シートが偏光層及び多層膜を有する場合を示したが、反射型偏光シートが偏光層を有さず多層膜を有する構成であっても構わない。その場合は、反射型偏光シートとは別途に偏光層を有する偏光板を液晶パネルに取り付けるようにすればよい。
(14)上記した各実施形態では、LEDが頂面発光型とされる場合を示したが、LEDが側面発光型であっても構わない。