JP2020118915A - 画像形成装置、紙分離方法及び紙分離制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、紙分離方法及び紙分離制御プログラム Download PDF

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【課題】二次転写後に用紙を中間転写ベルトから引き離す紙分離において、様々な紙種の用紙に対して紙分離性の向上と画像不良の抑制とを両立させる。【解決手段】電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナー画像が転写された記録媒体を像担持体から分離する画像形成装置において、高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、CPUは、二次転写ニップ部に対する記録媒体の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる制御信号を生成することにより、記録媒体内で出力波形を切り換え、高圧電源基板の一つの変換機の出力端子から複数の出力波形の高圧を出力する。【選択図】図7

Description

本発明は、画像形成装置、紙分離方法及び紙分離制御プログラムに関し、特に、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備える画像形成装置、当該画像形成装置における紙分離方法及び当該画像形成装置で動作する紙分離制御プログラムに関する。
電子写真方式で画像形成を行うMFP(Multi-Functional Peripherals)などの画像形成装置では、帯電や現像、転写の際に高圧を印加するための高圧電源回路を備えている。従来の高圧電源回路は、装置の全体制御(特に、エンジン制御)を行うCPU(Central Processing Unit)の一部機能を使用して出力制御が行われている。この出力制御には、制御信号とFB(feedback)信号とが必要であり、高圧電源回路とCPUとの間で信号のやり取りが行われる。
一般的に、装置の全体制御(特に、エンジン制御)を行うCPUが搭載されている制御基板と高圧電源回路が形成されている高圧電源基板とは分離されており、基板間の配線経路が長くなる場合がある。そのため、信号を確実に伝達するための部品が配置される。例えば、制御信号はノイズの影響を除去するためにCPUからPWM(Pulse Width Modulation)信号で送り出し、高圧電源基板内で変換器を用いてアナログ信号に変換している。また、FB信号はアナログ信号であるため、SN比を上げるために増幅器で増幅して高圧電源基板から送り出し、CPUが搭載されている制御基板の受け側にフィルタを設けてノイズ除去を行っている。
このような高圧電源に関する技術として、例えば、下記特許文献1には、電子写真方式の画像形成装置内で使用される帯電バイアス、現像バイアスおよび転写バイアスの少なくとも1つに供給する高電圧を発生する高圧電源装置であって、駆動パルスの周波数に応じた高電圧を出力する圧電トランスと、前記駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段と、前記駆動パルス発生手段によって発生する駆動パルスの周波数を制御する周波数制御手段と、前記圧電トランスの出力電圧を検出する電圧検出手段とを具え、前記周波数制御手段は、前記駆動パルス発生手段によって発生する駆動パルスの周波数を順次段階的に上昇または下降して、前記電圧検出手段によって得られる電圧値がピークを超えたことを検出したときは、そのピークを超える1段階前の周波数を、動作下限周波数として設定し、前記画像形成装置の動作時において前記駆動パルス発生手段によって発生する駆動パルスの周波数を前記動作下限周波数以上に制御する構成が開示されている。
また、下記特許文献2には、トナー像を担持する像担持体に対向して設置され、該像担持体と記録媒体を接触させて、直流高圧電源と交流高圧電源の双方が発する電圧により形成される転写電界により、前記像担持体上の所望の極性に帯電されたトナー像を前記記録媒体に転写する転写装置において、前記記録媒体の先端部分が前記転写電界内にある場合よりも、前記記録媒体の他の部分が前記転写電界内にある場合に、前記交流電圧電源の出力電圧を小さくする構成が開示されている。
また、下記特許文献3には、移動可能な被帯電体表面に帯電部材を接触又は近接させて配設し、該帯電部材に直流電圧と交流電圧とが重畳された振動電圧を印加して前記被帯電体表面を帯電させる帯電手段を備え、該帯電手段による前記被帯電体表面の帯電プロセスを含む電子写真プロセスによって転写材上にトナー像を形成する画像形成装置において、画像形成を行うための動作時である画像形成動作時と画像形成を行うため以外の動作時である非画像形成動作時とで、前記帯電部材に印加する前記振動電圧の波形を切り替える制御手段を備える構成が開示されている。
特開2007−295722号公報 特開2012−113279号公報 特開2000−242062号公報
上述したように、高圧電源は、電子写真方式で画像形成を行う画像形成装置では、帯電、現像、転写などの際に利用されるが、この高圧電源の利用に際して下記のような問題が生じる。例えば、像担持体である中間転写ベルトに形成されたトナーの画像を用紙(記録媒体)に転写した後、当該用紙を中間転写ベルトから引き離す処理(紙分離と呼ぶ。)を行う際に高圧電源を利用する場合の問題点について説明する。
紙分離では、所定の波形の交流電圧/電流を出力して用紙上の電荷を除電することにより、用紙と中間転写ベルトとを分離するが、出力波形の立ち上がり/立ち下がりの傾きによって紙分離性が左右される。例えば、急峻な立ち上がり/立ち下がりの台形波や矩形波のような波形では、紙分離性を良好にすることができるが、急激な電圧/電流の変化によって用紙に静電転写されたトナーが移動して(散って)しまい、画像不良(画像散りと呼ぶ。)を引き起こしてしまう。逆に、緩やかな立ち上がり/立ち下がりの台形波や正弦波のような波形では、画像不良を抑制することができるが、紙分離性が低下するために中間転写ベルトへの巻き付きなどの問題を引き起こしてしまう。
そこで、通常、紙分離性と画像不良の抑制とを両立可能な立ち上がり/立ち下がりの傾きを持った波形を生成するようにしているが、紙分離性は紙種(用紙の剛性)などによって異なるため、分離爪などを用いて紙分離性が悪い用紙を中間転写ベルトから物理的に分離させる機能を付加したり、使用する用紙を制限したりする必要があった。しかしながら、物理的に分離させる機能を付加すると装置の構造や制御が複雑になり、また、用紙を制限するとユーザの利便性が損なわれるという問題が生じる。この問題に対して、高圧電源基板に複数の波形を生成するための複数の回路を形成する方法が考えられるが、この方法では、高圧電源基板の構成が複雑になるという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、二次転写後に用紙を中間転写ベルトから引き離す紙分離において、様々な紙種の用紙に対して紙分離性の向上と画像不良の抑制とを両立させることができる画像形成装置、紙分離方法及び紙分離制御プログラムを提供することにある。
本発明の一側面は、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置において、前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、前記CPUは、前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成することにより、前記記録媒体内で前記出力波形を切り替え、前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から複数の出力波形の高圧を出力することを特徴とする。
本発明の一側面は、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置における紙分離方法であって、前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、前記CPUは、前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置を判断する第1処理と、少なくとも、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時、及び、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時に、出力波形を選択する第2処理と、選択した前記出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成する第3処理と、前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から、前記記録媒体内で出力波形を切り替えて、高圧を出力する第4処理と、を実行することを特徴とする。
本発明の一側面は、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置で動作する紙分離制御プログラムであって、前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、前記CPUに、前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置を特定する第1処理、少なくとも、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時、及び、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時に、出力波形を選択する第2処理、選択した前記出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成する第3処理、前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から、前記記録媒体内で出力波形を切り替えて、高圧を出力する第4処理、を実行させることを特徴とする。
本発明の画像形成装置、紙分離方法及び紙分離制御プログラムによれば、二次転写後に用紙を中間転写ベルトから引き離す紙分離において、様々な紙種の用紙に対して紙分離性の向上と画像不良の抑制とを両立させることができる。
その理由は、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナー画像が転写された記録媒体を像担持体から分離する画像形成装置において、高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、CPUは、二次転写ニップ部に対する記録媒体の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる制御信号を生成することにより、記録媒体内で出力波形を切り替え、高圧電源基板の一つの変換機の出力端子から複数の出力波形の高圧を出力するからである。
本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施例に係る中間転写ユニットの構成を示す模式図である。 本発明の一実施例に係る高圧電源基板の構成を示す回路図である。 本発明の一実施例に係る高圧電源基板の他の構成を示す回路図である。 本発明の一実施例に係る高圧電源基板の出力端子から出力される交番波形を示す模式図である。 本発明の一実施例に係る高圧電源制御を説明する図であり、(a)は用紙全体の出力波形、(b)、(c)は1周期分の交番波形を示している。 本発明の一実施例に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート図である。 本発明の一実施例に係る薄紙に対する高圧電源制御を説明する図であり、(a)は薄紙の先端が二次転写ニップ部に突入した状態、(b)は薄紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した状態を示している。 本発明の一実施例に係る厚紙に対する高圧電源制御を説明する図であり、(a)は厚紙の先端が二次転写ニップ部に突入した状態、(b)は厚紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した状態を示している。 従来の高圧電源基板の構成を示す回路図である。 従来の高圧電源基板の出力端子から出力される交番波形を示す模式図である。
背景技術で示したように、電子写真方式で画像形成を行うMFPなどの画像形成装置では、帯電や現像、転写の際に高圧を印加するための高圧電源回路を備えており、装置の全体制御(特に、エンジン制御)を行うCPUの一部機能を使用して出力制御が行われている。一般的に、装置の全体制御を行うCPUが搭載されている制御基板と高圧電源基板とは分離されており、配線経路が長くなる場合があるため、制御信号の伝達経路に変換器を配置したり、アナログ信号であるFB信号の伝達経路に、増幅器やフィルタ(FB信号をPWM信号とする場合は変換器)を配置したりしている。
この従来の高圧電源回路について図11を参照して説明する。図11の高圧電源回路は、いわゆるフィードバック制御により二次転写後の用紙を分離除電する高圧を出力する回路であり、制御基板のCPUにより制御される。高圧電源基板は、フィルタと出力アンプとエラーアンプと波形生成部とを備え、波形生成部は、DC生成部とAC生成部とを備えている。また、制御基板は、CPUと出力アンプとフィルタとを備え、CPUは、演算部と記憶部とPWM出力部とA/D変換入力部とを備えている。
上記のような従来の回路構成では、分離除電する高圧のAC波形はAC生成部のトランスを用いて生成されるため、その波形(台形波など)は一定となっている。また、出力モニター信号は、高圧電源基板の出口に設けた出力アンプと制御基板の入口に設けたフィルタとを介して制御基板のCPUに入力され、CPUから出力される制御信号は、制御基板の出口に設けた出力アンプと高圧電源基板の入口に設けたフィルタとを介して高圧電源回路に入力されため、フィルタの時定数などにより、フレキシブルな波形の切り替えは出来ない構造となっている。
このように、従来の回路構成では波形の変更が困難であるため、例えば、特許文献2では、用紙内で電圧を変更することにより、紙分離性の向上と画像不良の抑制とを図るようにしているが、紙分離性は波形に大きく依存するため、出力電圧/電流を最大にしても最大の紙分離性を得ることはできず、また、出力電圧/電流を最小にしても紙分離性を最小にすることはできない。また、特許文献3では、図12に示すように、台形波の傾きを切り替えるようにしているが、フレキシブルな波形の変更については言及しておらず、また、その具体的な変更の方法も記載されていない。
そこで、本発明の一実施の形態では、高圧電源基板から複数の出力波形の高圧を出力できるようにし、二次転写ニップ部に対する用紙の位置に応じて、出力波形を切り替えるようにする。
具体的には、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナー画像が転写された記録媒体を像担持体から分離する画像形成装置において、高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、CPUは、二次転写ニップ部に対する記録媒体の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる制御信号を生成することにより、記録媒体内で出力波形を切り替え、高圧電源基板の一つの変換機の出力端子から複数の出力波形の高圧を出力する構成とする。また、CPUは、高圧電源基板内に配置されている構成とする。
例えば、用紙が薄紙の場合は、用紙は中間転写ベルトに巻き付きやすいことから、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入した時は矩形波を出力し、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した時は台形波を出力する。また、用紙が厚紙の場合は、用紙は中間転写ベルトに巻き付きにくいことから、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入した時は台形波を出力し、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した時は正弦波を出力する。
このように、同一の用紙内で出力波形を切り替えることにより、紙分離性の向上と画像不良(画像散り)の抑制とを両立させることができ、様々な種類の用紙を利用できるようにすることができる。また、CPUを高圧電源基板内に配置することにより、高圧の出力を高速に切り替えることができる。
なお、本明細書において、高圧とは、電気設備技術基準で定められた電圧であり、交流の場合は600Vを超え7000V以下の電圧である。また、交番波形とは、周期的に大きさが変化する波形であり、正又は負の領域で周期的に大きさが変化する(すなわち、周期的に正負が変化しない)場合を含む。
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る画像形成装置について、図1乃至図10を参照して説明する。図1は、本実施例の画像形成装置の構成を示す模式図であり、図2は、画像形成装置の構成を示すブロック図、図3は、中間転写ユニットの構成を示す模式図である。また、図4及び図5は、本実施例の高圧電源基板の構成を示す回路図であり、図6は、高圧電源基板から出力される波形を示す模式図、図7は、本実施例の高圧電源制御を説明する模式図である。また、図8は、本実施例の画像形成装置の動作を示すフローチャート図であり、図9は、薄紙に対する高圧電源制御を説明する模式図、図10は、厚紙に対する高圧電源制御を説明する模式図である。
図1に示すように、本実施例の画像形成装置10は、原稿を読み取って取得した画像データ、又は、通信ネットワークを介して外部の情報機器(例えばクライアント装置)から入力された画像データに基づいて、用紙(記録媒体)に色を重ね合わせることにより画像を形成する装置であり、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する感光体としての感光体ドラム83Y、83M、83C、83Kが、被転写体(中間転写ベルト)の走行方向に直列配置されたタンデム方式の画像形成装置である。
この画像形成装置10は、図2(a)に示すように、制御部20、高圧電源部30、表示操作部40、画像読取部50、画像処理部60、搬送部70、画像形成部80などで構成される。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21と、ROM(Read Only Memory)22やRAM(Random Access Memory)23等のメモリと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部24と、NIC(Network Interface Card)やモデム等のネットワークI/F部25などで構成される。CPU21は、ROM22又は記憶部24から処理内容に応じたプログラムを読み出し、RAM23に展開して実行することにより、画像形成装置10の各部の動作を集中制御する。記憶部24は、CPU21が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、画像読取部50が読み取った画像データ、図示しないクライアント装置などから入力された画像データ、環境情報、媒体情報、状態情報などを記憶する。ネットワークI/F部25は、画像形成装置10をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続し、外部の情報機器(例えばクライアント装置)との間で各種データの送受信を行う。
高圧電源部30は、帯電や現像、転写の際に利用される高圧を発生する回路であり、制御部20が生成する制御信号に従って、後述する帯電装置84や現像装置82、一次転写ローラ86、中間転写ユニット87に、1つの出力端子から複数の波形の高圧を出力する。特に、本実施例では、中間転写ユニット87に設けられる分離装置(二次転写ニップ部で中間転写ベルトからトナーの画像が転写された用紙を中間転写ベルトから分離する除電針など)に、二次転写ニップ部に対する用紙の位置に応じた出力波形の高圧を出力することにより、紙分離を実行させる。この高圧電源部30の詳細な構成は後述する。
表示操作部40は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式や静電容量式などの操作部(タッチセンサ)を設けたタッチパネルなどで構成され、表示部及び操作部として機能する。表示部は、制御部20から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部は、ユーザによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部20に出力する。
画像読取部50は、ADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる自動原稿給紙装置51及び原稿画像走査装置(スキャナー)52などで構成される。自動原稿給紙装置51は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置52へ送り出す。原稿画像走査装置52は、自動原稿給紙装置51からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサの受光面上に結像させて原稿画像を読み取る。画像読取部50によって読み取られた画像(アナログ画像信号)は、画像処理部60において所定の画像処理が施される。
画像処理部60は、アナログデジタル(A/D)変換処理を行う回路及びデジタル画像処理を行う回路などで構成される。画像処理部60は、画像読取部50からのアナログ画像信号にA/D変換処理を施すことによりデジタル画像データを生成する。また、画像処理部60は、外部の情報機器(例えばクライアント装置)から取得した印刷ジョブを解析し、原稿の各ページをラスタライズしてデジタル画像データを生成する。そして、画像処理部60は、必要に応じて、画像データに対して、色変換処理、補正処理(シェーディング補正等)、及び圧縮処理等の画像処理を施し、画像処理後の画像データを画像形成部80に出力する。また、画像処理部60は、画像処理に際して、画像転写領域の位置、転写される画像の濃度などの状態情報を取得して制御部20や高圧電源部30に出力する。
搬送部70は、図1に示すように、給紙装置71、搬送機構72、及び排紙装置73などで構成される。本実施例では、給紙装置71は、3つの給紙トレイユニットを備えている。これらの給紙トレイユニットには、用紙の坪量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙や特殊用紙(エンボス紙など)が予め設定された種類ごとに収容されており、紙種や坪量、剛度などの媒体情報を制御部20や高圧電源部30に出力する。給紙トレイユニットに収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラ等の複数の搬送ローラを備えた搬送機構72により画像形成部80に搬送される。このとき、レジストローラが配設されたレジスト部により、給紙された用紙の傾きが補正されると共に搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部80によって画像が形成された用紙は、排紙ローラを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
画像形成部80は、図1及び図2(b)に示すように、異なる色成分Y、M、C、Kに対応して設けられた、露光装置81(81Y、81M、81C、81K)、現像装置82(82Y、82M、82C、82K)、感光体ドラム83(83Y、83M、83C、83K)、帯電装置84(84Y、84M、84C、84K)、クリーニング装置85(85Y、85M、85C、85K)、一次転写ローラ86(86Y、86M、86C、86K)、中間転写ユニット87、定着装置88等を備えて構成される。なお、以下の説明では、必要に応じて、Y、M、C、Kを除いた符号を使用する。
各色成分Y、M、C、Kの感光体ドラム83は、アルミ材よりなる円筒状の金属基体の外周面上に、保護層としてのオーバーコート層を設けた有機感光体層(OPC)が形成された像担持体である。感光体ドラム83は、接地された状態で後述する中間転写ベルトに従動して図1における反時計方向に回転される。
各色成分Y、M、C、Kの帯電装置84は、スコロトロン式であって、その長手方向を感光体ドラム83の回転軸方向に沿わせた状態で、対応する感光体ドラム83に近接配設されており、トナーと同極性のコロナ放電によって、当該感光体ドラム83の表面に一様な電位を与える。この帯電に際して、必要に応じて、高圧電源部30の1つの出力端子から複数の波形の高圧が出力される。
各色成分Y、M、C、Kの露光装置81は、例えばポリゴンミラーなどによって感光体ドラム83の回転軸と平行に走査を行い、一様に帯電された対応する感光体ドラム83の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる。
各色成分Y、M、C、Kの現像装置82は、対応する色成分の小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤を収容しており、トナーを感光体ドラム83の表面に搬送して、当該感光体ドラム83に担持された静電潜像をトナーにより顕像化する。この現像に際して、必要に応じて、高圧電源部30の1つの出力端子から複数の波形の高圧が出力される。
各色成分Y、M、C、Kの一次転写ローラ86は、中間転写ベルトを感光体ドラム83に圧接し、対応する感光体ドラム83に形成された各色トナー像を順次重ねて中間転写ベルトに一次転写する。この一次転写に際して、必要に応じて、高圧電源部30の1つの出力端子から複数の波形の高圧が出力される。
各色成分Y、M、C、Kのクリーニング装置85は、一次転写後に対応する感光体ドラム83上に残留した残留トナーを回収する。また、クリーニング装置85の感光体ドラム83の回転方向下流側には図示しない潤滑剤の塗布機構が隣接状態で設けられており、対応する感光体ドラム83の感光面に潤滑剤の塗布を行っている。
中間転写ユニット87は、像担持体である無端状の中間転写ベルト87aと支持ローラ87bと二次転写ローラ87cと分離装置(図示せず)と中間転写クリーニング部87eなどを備え、複数の支持ローラ87bに中間転写ベルト87aが張架されて構成される。一次転写ローラ86Y、86M、86C、86Kによって各色トナー像が一次転写された中間転写ベルト87aが、二次転写ローラ87cによって用紙に圧接されると、圧接部(二次転写ニップ部と呼ぶ。)にて用紙にトナー像が二次転写され、定着装置88に送られる。この二次転写ニップの下流側(用紙搬送方向の下流側)には、図3に示すように、分離装置(本実施例では、二次転写ローラ87cの軸方向に延設された鋸歯状の除電針87dとする。)が設置されている。中間転写クリーニング部87eは、中間転写ベルト87aの表面に摺接されるベルトクリーニングブレード(以下、BCLブレード)を有する。二次転写後に中間転写ベルト87aの表面に残存する転写残トナーは、BCLブレードによって掻き取られ、除去される。この二次転写や紙分離に際して、高圧電源部30の1つの出力端子から複数の波形の高圧が出力される。
定着装置88は、熱源となる加熱ローラ88aと定着ローラ88bとこれらに掛け渡された定着ベルト88cと加圧ローラ88dなどを備え、定着ベルト88cを介して定着ローラ88bに加圧ローラ88dが圧接されており、当該圧接部がニップ部を構成している。そして、加熱ローラ88aで加熱された定着ベルト88cと各ローラとによりニップ部を通過する用紙を加熱加圧し、用紙に形成された未定着のトナー像を定着させる。
そして、定着装置88によりトナー像が定着された用紙は、排紙ローラを備えた排紙装置73により機外の排紙トレイに排紙される。
次に、高圧電源部30の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施例の高圧電源部30は、高圧電源基板30aに、CPU31と駆動アンプ部32とスイッチ素子33とトランス(変換機)34と整流回路35と出力モニター回路36と出力端子37とを備えている。また、CPU31は、演算部31aと記憶部31bと出力部31cと入力部31dとを備えている。
トランス34の一次側コイル(駆動コイル)と二次側コイル(高圧発生コイル)とは絶縁された構造になっている。一次側コイル(駆動コイル)の一端は、低圧電源(例えば、24Vの直流電圧を供給する電源)に接続されており、他端は、トランジスタのコレクタ端子に接続されている。二次側コイル(高圧発生コイル)は、整流回路35に接続されている。トランジスタは、トランスの一次側コイルをスイッチングするスイッチ素子33として用いられ、ベース端子は、駆動アンプ部32に接続され、エミッタ端子は、アースされている。
CPU31の出力部(PWM出力部)31cは、トランジスタをオン/オフするための駆動パルス(制御信号)を出力する回路であり、駆動パルスのパルス幅を変調させる構成になっている。トランジスタは、駆動パルスのオン時に導通(オン)、オフ時に非導通(オフ)の状態になる。従って、駆動パルスのオン時間が長くなると、二次側コイルからの出力電圧を高くすることができ、逆に、駆動パルスのオン時間が短くなると、二次側コイルからの出力電圧を低くすることができる。
この出力部31cから出力される制御信号(PWM信号)は、駆動アンプ部32に入力されて増幅され、スイッチ素子33のベース端子に入力される。なお、出力部31cから出力される制御信号によってスイッチ素子33を駆動できる場合は、駆動アンプ部32を省略することができる。そして、スイッチ素子33のスイッチング動作に応じて駆動コイルに電圧が印加され、高圧発生コイルからスイッチ素子33の駆動周波数に同期した交番波形の高圧が発生する。
整流回路35は、ダイオード、コンデンサ等からなる回路であり、高圧発生コイルから出力された交番波形の高圧を直流に変換し、高圧電源基板30aに配置される出力端子37から画像形成部80に出力する。本実施例では、出力端子37は1つであり、出力部31cから、駆動パルスのデューティー比を変化させた制御信号を出力することにより、1つの出力端子37から、複数の波形の高圧を出力することができる。例えば、図6に示すように、正弦波、矩形波、台形波、階段波(図示せず)、三角波(図示せず)などを出力することができ、各波形の波高値を調整したり、台形波では立ち上がり/立ち下がりの傾きを調整したりすることができる。なお、スイッチ素子33の駆動周波数は60kHz〜100kHzとなるため、整流回路35では、この周波数を平滑する17μsec以上、170μsec以下の時定数となるように回路を構成する。
また、出力端子37の高圧出力電圧は、抵抗R1と抵抗R2からなる出力モニター回路36の抵抗分圧により、出力モニター信号として、CPU31の入力部31dに入力される。CPU31の演算部31aは、出力モニター信号から誤差を算出し、出力制御を行う。例えば、CPUは、出力モニター信号をサンプリングし、その電圧値と、規定の電圧が出力されるとしたときに入力部31dに入力されるべき電圧値(目標値)との差をとり、その差ができるだけ小さくなるように出力部31cから出力される制御信号のデューティー比を変化させ、出力電圧が規定の電圧で維持されるようにフィードバック制御を行う。
上記構成の高圧電源部30のCPU31は、画像形成装置全体を制御する制御部20の基板(制御基板)内にあるCPU21から出力される情報に基づいて高圧の出力を制御(定電流制御又は定電圧制御)する高圧出力制御部として機能する。この情報は、環境情報、媒体情報、状態情報などである。環境情報は、温度、湿度などである。媒体情報は、紙種(例えば、普通紙や上質紙、エンボスの有無)、坪量(例えば、128g/m)、剛度(例えば、1000mN・m)などである。状態情報は、搬送速度(例えば、600mm/sec)、用紙位置(例えば、用紙の先端/後端/画像転写領域)、転写方式(片面/両面)、紙内情報(例えば、エンボス種、画像の有無、画像の濃度)などである。
具体的には、CPU31は、CPU21から上記情報(特に、紙種、坪量、剛度、用紙位置、紙内情報)を取得し、紙種、坪量、剛度などに基づいて、用紙が厚紙であるか薄紙であるかを判断し、その用紙に画像を転写する際に、用紙位置、紙内情報に基づいて、二次転写ニップ部に対する用紙の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる制御信号を生成することにより、用紙内で出力波形を切り替える。
例えば、図7(a)に示すように、用紙の一部にトナーの画像が転写される場合、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入したか、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入したか(突入後は転写される画像の有無、画像の濃度)、用紙の後端が二次転写ニップ部に突入したかなどに応じて、除電針87dに矩形波、台形波、正弦波などの出力波形の高圧が出力される。台形波が出力される場合は、図7(b)の矢印で示すタイミングで指令値を変えていき(出力電圧を徐々に大きくする時は制御信号のデューティー比を徐々に大きくし)、スイッチ素子33のオン/オフを制御する。また、正弦波が出力される場合は、図7(c)の矢印で示すタイミングで指令値を変えていき、スイッチ素子33のオン/オフを制御する。なお、CPU31の演算部31aは交番波形の1周期分の制御信号を随時演算し、出力部31cは演算部31aが演算した制御信号を出力するようにしてもよいし、CPU31の記憶部31bに交番波形の1周期分の制御信号を予め記憶しておき、出力部31cは記憶部31bに記憶された制御信号を出力するようにしてもよい。
次に、本実施例の画像形成装置10(高圧電源部30)の動作について説明する。CPU31は、記憶部31bなどに記憶した紙分離制御プログラムを実行することにより、図8のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。
まず、CPU31は、CPU21(又は搬送部70)などから取得した媒体情報(紙種、坪量、剛度など)に基づいて、画像が転写される用紙が薄紙であるか厚紙であるかを判断する(S101)。
薄紙の場合は、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S102)、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入したら(S102のYes)、紙分離性が高い波形(例えば、矩形波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から矩形波を出力させる(S103)。次に、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S104)、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入したら(S104のYes)、S103で選択した波形よりも画像が散りにくい波形(例えば、台形波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から台形波を出力させる(S105)。画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した後、必要に応じて、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(紙内情報)に基づいて、転写される画像の有無や画像の濃度を判断し、画像の有無や画像の濃度に応じて出力波形を切り替える。例えば、画像が無い場合や画像の濃度が予め定めた閾値未満の場合は立ち上がり/立ち下がりの傾きが急峻な出力波形に切り替え、画像がある場合や画像の濃度が閾値以上の場合は立ち上がり/立ち下がりの傾きが緩やかな出力波形に切り替える。続いて、必要に応じて、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の後端が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S106)、用紙の後端が二次転写ニップ部に突入したら(S106のYes)、再び紙分離性が高い波形(例えば、矩形波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から矩形波を出力させる(S107)。
一方、厚紙の場合は、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S108)、用紙の先端が二次転写ニップ部に突入したら(S108のYes)、画像が散りにくい波形(例えば、台形波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から台形波を出力させる(S109)。次に、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S110)、用紙の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入したら(S110のYes)、S109で選択した波形よりも画像が散りにくい波形(例えば、正弦波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から正弦波を出力させる(S111)。画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した後、必要に応じて、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(紙内情報)に基づいて、転写される画像の有無や画像の濃度を判断し、上記と同様に、画像の有無や画像の濃度に応じて出力波形を切り替える。続いて、必要に応じて、CPU31は、CPU21(又は画像形成部80)などから取得した状態情報(用紙位置)に基づいて、用紙の後端が二次転写ニップ部に突入したかを判断し(S112)、用紙の後端が二次転写ニップ部に突入したら(S112のYes)、再び画像が散りにくい波形(例えば、台形波)に応じた制御信号を生成し、出力端子37から台形波を出力させる(S113)。
以下、図9及び図10を参照して、本実施例の高圧電源制御について具体的に説明する。
例えば、媒体情報(紙種)が普通紙、媒体情報(坪量)が64g/m、媒体情報(剛度)が40mN・mの用紙が通紙される場合、当該用紙は薄紙のカテゴリに分類される。この場合、薄紙は中間転写ベルト87aに巻き付きやすいため、図9(a)に示すように、薄紙90の先端が二次転写ニップ部に突入した時は、紙分離性が高い矩形波(例えば、周波数500Hzの矩形波)により紙分離を行う。また、薄紙90は剥離性が悪いため、高圧出力をオフにすると、用紙途中から中間転写ベルト87aへの巻き付きが起こる場合もあることから、図9(b)に示すように、薄紙90の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した時は、高圧出力は停止せず、立ち上がり/立ち下がりの傾きが矩形波よりも緩やかな台形波(例えば、周波数500Hzの台形波)により紙分離を行う。この時、画像散りが起きない範囲で台形波の立ち上がり/立ち下がりの傾きを調整して、用紙の剥離性を維持する。
また、媒体情報(紙種)が上質紙、媒体情報(坪量)が350g/m、媒体情報(剛度)が1000mN・mの用紙が通紙される場合、当該用紙は厚紙に分類される。この場合、厚紙は腰が強いために中間転写ベルト87aへの巻き付きが起こりにくく、紙分離性を高くする必要が無いため、図10(a)に示すように、厚紙91の先端が二次転写ニップ部に突入した時は、台形波(例えば、周波数500Hzの台形波)により紙分離を行う。その際、台形波の立ち上がり/立ち下がりの傾きを、用紙の剛性に応じて変更することができ、例えば、薄紙の場合よりも立ち上がり/立ち下がりの傾きが緩やかな台形波とすることがまた、厚紙91は用紙先端が剥離すれば、高圧出力が無くても用紙途中で中間転写ベルト87aへの巻き付きは起こらないことから、図10(b)に示すように、厚紙91の画像転写領域が二次転写ニップ部に突入した時は、出力波形を正弦波(例えば、周波数500Hzの正弦波)に切り替えるか、若しくは高圧出力をオフにして、画像散りを抑制する。
上記では、図4の構成の高圧電源部30を用いて複数の波形の高圧を出力する場合について説明したが、高圧電源部30は1つの出力端子37から複数の波形の高圧を出力することができる構成であればよく、例えば、図5に示すような構成とすることができる。
図4の構成との相違点1は、CPU31内の出力部31cがデジタル/アナログ変換出力部で構成されていることであり、リニアなアナログ制御信号を出力することができる。なお、アナログ制御信号はPWM信号に比べてノイズの影響を受けやすいが、本実施例の高圧電源部30は、CPU31が高圧電源基板30a内にあり、CPU31から駆動アンプ部32(又はスイッチ素子33)までの距離が短いため、アナログ制御信号を用いることができる。
図4の構成との相違点2は、トランス34の駆動コイルを駆動するスイッチ素子33がプッシュプル回路(純コンプリメンタリB級プッシュプル回路)で構成されていることであり、駆動コイルに流れる電流極性を交互に変更することができる。スイッチ素子33をプッシュプル回路にすることにより、高圧発生コイルから直流電圧が出力されるため、トランス34の後段に整流回路35を設ける必要がない。なお、本実施例では、高圧発生コイルの後段に短絡保護のための接続回路35aを設けている。
図4の構成との相違点3は、出力モニター回路36にダイオードアレイ36aが接続されていることであり、このダイオードアレイ36aにより一方向の交番電圧を取り出すことができ、抵抗分割して出力モニター信号を生成し、CPU31の入力部31dに入力している。
以上、説明したように、本実施例の高圧電源部30は、CPU31が制御基板内にあるCPU21から取得した情報により、1つの出力端子37から、二次転写ニップ部に対する用紙の位置に応じた複数の出力波形の高圧を出力することができるため、紙分離性の向上と画像不良(画像散り)の抑制とを両立させることができ、様々な種類の用紙を利用できるようにすることができる。また、本実施例の高圧電源部30は、高圧電源基板30a内のCPU31から制御信号を出力するため、信号の遅延を抑制することができ、高圧の出力を高速に切り替えることができると共に、ノイズによる誤動作を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
本発明は、電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備える画像形成装置、当該画像形成装置における紙分離方法、当該画像形成装置で動作する紙分離制御プログラム、当該紙分離制御プログラムを記録した記録媒体に利用可能である。
10 画像形成装置
20 制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 記憶部
25 ネットワークI/F部
30 高圧電源部
30a 高圧電源基板
31 CPU
31a 演算部
31b 記憶部
31c 出力部
31d 入力部
32 駆動アンプ部
33 スイッチ素子
34 トランス
35 整流回路
35a 接続回路
36 出力モニター回路
36a ダイオードアレイ
37 出力端子
40 表示操作部
50 画像読取部
51 自動原稿給紙装置
52 原稿画像走査装置
60 画像処理部
70 搬送部
71 給紙装置
72 搬送機構
73 排紙装置
80 画像形成部
81、81Y、81M、81C、81K 露光装置
82、82Y、82M、82C、82K 現像装置
83、83Y、83M、83C、83K 感光体ドラム
84、84Y、84M、84C、84K 帯電装置
85、85Y、85M、85C、85K クリーニング装置
86、86Y、86M、86C、86K 一次転写ローラ
87 中間転写ユニット
87a 中間転写ベルト
87b 支持ローラ
87c 二次転写ローラ
87d 除電針
87e 中間転写クリーニング部
88 定着装置
88a 加熱ローラ
88b 定着ローラ
88c 定着ベルト
88d 加圧ローラ
90 薄紙
91 厚紙

Claims (13)

  1. 電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置において、
    前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、
    前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、
    前記CPUは、前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置に応じた出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成することにより、前記記録媒体内で前記出力波形を切り替え、
    前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から複数の出力波形の高圧を出力する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記CPUは、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時と、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時とで、前記出力波形を切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記CPUは、更に、前記記録媒体の後端が前記二次転写ニップ部に突入した時に、前記出力波形を切り替える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記CPUは、前記記録媒体に転写される画像に応じて、前記出力波形を切り替える、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記CPUは、前記記録媒体に転写される画像の有無、及び/又は、前記画像の濃度に応じて、前記出力波形を切り替える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記CPUは、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時の前記出力波形の立ち上がり/立ち下がりの傾きよりも、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時の前記出力波形の立ち上がり/立ち下がりの傾きを緩やかにする、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一に記載の画像形成装置。
  7. 前記CPUは、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時は、前記出力波形を矩形波とし、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時は、前記出力波形を台形波とする、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載の画像形成装置。
  8. 前記CPUは、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時は、前記出力波形を台形波とし、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時は、前記出力波形を正弦波とするか、若しくは、高圧の出力をオフにする、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載の画像形成装置。
  9. 前記CPUは、前記台形波の立ち上がり/立ち下がりの傾きを、前記記録媒体の剛性に応じて変更する、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記CPUは、前記高圧電源基板内に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の画像形成装置。
  11. 前記CPUは、前記高圧の出力を、定電流制御又は定電圧制御で行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の画像形成装置。
  12. 電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置における紙分離方法であって、
    前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、
    前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、
    前記CPUは、
    前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置を特定する第1処理と、
    少なくとも、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時、及び、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時に、出力波形を選択する第2処理と、
    選択した前記出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成する第3処理と、
    前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から、前記記録媒体内で出力波形を切り替えて、高圧を出力する第4処理と、を実行する、
    ことを特徴とする紙分離方法。
  13. 電子写真方式の画像形成に利用される高圧電源基板を備え、前記高圧電源基板から出力される電力により、二次転写ニップ部で像担持体からトナーの画像が転写された記録媒体を前記像担持体から分離する画像形成装置で動作する紙分離制御プログラムであって、
    前記高圧電源基板に、高圧を発生する変換機が配置され、前記変換機内の駆動コイルと高圧発生コイルとは、絶縁された構造であり、
    前記駆動コイルを制御する制御信号を生成するCPUを有し、
    前記CPUに、
    前記二次転写ニップ部に対する前記記録媒体の位置を特定する第1処理、
    少なくとも、前記記録媒体の先端が前記二次転写ニップ部に突入した時、及び、前記記録媒体の画像転写領域が前記二次転写ニップ部に突入した時に、出力波形を選択する第2処理、
    選択した前記出力波形の高圧を発生させる前記制御信号を生成する第3処理、
    前記高圧電源基板の一つの前記変換機の出力端子から、前記記録媒体内で出力波形を切り替えて、高圧を出力する第4処理、を実行させる、
    ことを特徴とする紙分離制御プログラム。
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