JP2023140281A - 電源装置、画像形成装置、およびプログラム - Google Patents

電源装置、画像形成装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】直流電圧が出力された後に交流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、トランスの耐電圧を守りつつ、用途に適した重畳電圧を出力することができる電源装置、画像形成装置、およびプログラムを提供する。【解決手段】本発明の一態様にかかる電源装置は、発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、発生する交流電圧の値が可変であり、発生した交流電圧と直流電源から出力された直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、交流電源と直流電源とを制御する制御部と、を備える。制御部が直流電源に対して直流電圧の出力指示を開始した後に交流電源に対して交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、直流電源は、交流電源が発生する交流電圧に応じて直流電圧の出力を制限する。制御部は、交流電源に対する交流電圧の出力指示の開始から直流電圧の出力の制限の開始までの所定期間において、重畳電圧の絶対値を所定値以下とする。【選択図】図3

Description

本発明は、電源装置、画像形成装置、およびプログラムに関する。
電子写真方式の画像形成装置では、一様に帯電された像担持体上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成したトナー像を記録媒体に転写して定着することにより、記録媒体に画像を形成する。
凹凸のある記録媒体の場合、凹部は凸部に比べてトナーが転写されにくいが、直流電圧に交流電圧が重畳された重畳電圧を用いて転写を行うことでトナー転写率を向上できる。このような画像形成装置では、交流電源の出力側に重畳電圧(直流電圧+交流電圧)が印加されることになるため、重畳電圧が交流電源の耐電圧を超えないように直流電圧が設定されることが一般的である。
近年では、記録媒体へのトナーの転写性をより改善するため、上述したような画像形成装置において、記録媒体の凹凸度合いに応じて直流電圧と重畳電圧とを切り替えるのではなく、記録媒体の凹凸度合いに応じて直流電圧に重畳される交流電圧の出力波形を異ならせるような技術も開発されている。例えば特許文献1には、交流電圧の出力波形に応じて、直流電圧の制限値を変えている。すなわち「非凹凸紙」使用時には交流電圧の出力波形を高デューティ比とし、直流電圧の制限値を小さくすることにより、トランスの耐電圧を守った上で転写不良を防止する。「凹凸紙」使用時には交流電圧の出力波形を低デューティ比とし、直流電圧の制限値を大きくすることにより、トランスの耐電圧を守った上でトナーの転写性を確保している。
従来においては、交流電圧が出力された後に直流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、交流電圧に応じた直流電圧を出力することで、トランスの耐電圧を守った上でトナーの転写性を確保するものである。これに加えて、直流電圧が出力された後に交流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、トランスの耐電圧を守った上でトナーの転写性を確保することができればより有益である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、直流電圧が出力された後に交流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、トランスの耐電圧を守りつつ、用途に適した重畳電圧を出力することができる電源装置、画像形成装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる電源装置は、発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、発生する交流電圧の値が可変であり、発生した前記交流電圧と前記直流電源から出力された前記直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、前記交流電源と前記直流電源とを制御する制御部と、を備える。前記制御部が前記直流電源に対して前記直流電圧の出力指示を開始した後に前記交流電源に対して前記交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、前記直流電源は、前記交流電源が発生する前記交流電圧に応じて前記直流電圧の出力を制限する。前記制御部は、前記交流電源に対する前記交流電圧の出力指示の開始から前記直流電圧の出力の前記制限の開始までの所定期間において、前記重畳電圧の絶対値を所定値以下とする。
本発明によれば、直流電圧が出力された後に交流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、トランスの耐電圧を守りつつ、用途に適した重畳電圧を出力することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態の印刷装置の一例を示す機械的構成図である。 図2は、本実施形態の画像形成部の一例を示す機械的構成図である。 図3は、本実施形態の印刷装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。 図4は、本実施形態の電源制御部の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、本実施形態の交流出力基準信号の一例を示す図である。 図6は、本実施形態の直流出力値指示信号の一例の説明図である。 図7は、本実施形態の直流電圧の一例の説明図である。 図8は、本実施形態の交流出力値指示信号の一例の説明図である。 図9は、本実施形態の交流電圧の一例の説明図である。 図10は、本実施形態の重畳電圧の一例の説明図である。 図11は、比較例の重畳電圧の一例の説明図である。 図12は、第2の制限機能を含む制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。 図13は、比較例にかかる制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。 図14は、変形例に係る第2の制限機能を含む制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。 図15は、第2の実施形態に係る印刷装置の構成を示したブロック構成図である。 図16は、第3の実施形態にかかる印刷装置における連続印刷時の転写バイアスの切替制御の一例を説明するための図である。 図17は、第3の実施形態にかかる印刷装置における後行紙の情報が取得できる場合の紙間での転写バイアスの切替制御の一例を説明するための図である。 図18は、第3の実施形態にかかる印刷装置における転写バイアスの切り替えの一例を説明するための図である。 図19は、第3の実施形態にかかる印刷装置における転写バイアスの設定の一例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる電源装置、画像形成装置、およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明の画像形成装置を電子写真方式のカラー印刷装置、具体的には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色の色成分画像を記録媒体上で重ね合わせて画像を形成する印刷装置に適用した場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の画像形成装置は、電子写真方式で画像を形成する装置であれば、カラー、モノクロを問わず適用でき、例えば、電子写真方式の複写機や複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)などにも適用できる。なお、複合機とは、印刷機能、複写機能、スキャナ機能、及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。
図1は、本実施形態の印刷装置1の一例を示す機械的構成図である。図1に示すように、印刷装置1は、画像形成部10Y、10M、10C、及び10Kと、中間転写ベルト60と、支持ローラ61、62と、二次転写部対向ローラ(斥力ローラ)63(転写部の一例)と、二次転写ローラ64と、用紙カセット70と、給紙ローラ71と、搬送ローラ対72と、定着装置90と、二次転写電源200とを、備える。
画像形成部10Y、10M、10C、及び10Kは、図1に示すように、中間転写ベルト60の移動方向(矢印a方向)の上流側から、画像形成部10Y、10M、10C、10Kの順番で中間転写ベルト60に沿って配置されている。
図2は、本実施形態の画像形成部10Yの一例を示す機械的構成図である。図2に示すように、画像形成部10Yは、感光体ドラム11Yと、帯電装置20Yと、現像装置30Yと、一次転写ローラ40Yと、クリーニング装置50Yとを、備える。画像形成部10Yは、感光体ドラム11Y上で作像プロセス(帯電工程、照射工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)を行うことにより、感光体ドラム11Y上にイエローのトナー像(色成分画像)を形成し、中間転写ベルト60に転写する。
なお、画像形成部10M、10C、及び10Kは、いずれも画像形成部10Yと共通の構成要素を備えており、画像形成部10Mは、作像プロセスを行うことによりマゼンタのトナー像を形成し、画像形成部10Cは、作像プロセスを行うことによりシアンのトナー像を形成し、画像形成部10Kは、作像プロセスを行うことによりブラックのトナー像を形成する。このため、以下では、画像形成部10Yの構成要素についての説明を主に行い、画像形成部10M、10C、及び10Kの構成要素については、画像形成部10Yの構成要素の符号に付したYに替えてそれぞれM、C、Kを付すに留め(図1参照)、その説明を省略する。
感光体ドラム11Yは、像担持体であり、矢印b方向に回転駆動する。感光体ドラム11Yは、例えば、外径60mmの有機感光体である。感光体ドラム11M、11C、及び11Kについても同様に、矢印b方向に回転駆動する。
なお、ブラック用の感光体ドラム11Kと、カラー用の感光体ドラム11Y、11M、及び11Cとを、独立して回転駆動できるようにしてもよい。これにより、モノクロ画像を形成する場合にはブラック用の感光体ドラム11Kのみを回転駆動し、カラー画像を形成する場合には感光体ドラム11Y、11M、11C、及び11Kを同時に回転駆動させることができる。
まず、帯電工程では、帯電装置20Yは、回転駆動されている感光体ドラム11Yの表面を帯電する。具体的には、帯電装置20Yは、例えばローラ形状の導電性弾性体である帯電ローラに対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する。これにより、帯電装置20Yは、帯電ローラと感光体ドラム11Yとの間で直接放電を起こし、感光体ドラム11Yを所定の極性、例えば、マイナス極性に帯電する。
続いて、照射工程では、照射装置は、感光体ドラム11Yの帯電面に光変調されたレーザ光Lを照射し、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像を形成する。この結果、レーザ光Lが照射され感光体ドラム11Yの表面部分の電位の絶対値が低下した部分が静電潜像(画像部)となり、レーザ光Lが照射されず電位の絶対値が高く保たれた部分が地肌部となる。
続いて、現像工程では、現像装置30Yは、感光体ドラム11Y上に形成された静電潜像をイエロートナーで現像し、感光体ドラム11Y上にイエローのトナー像を形成する。
現像装置30Yは、収容容器31Yと、収容容器31Yに収容された現像スリーブ32Yと、収容容器31Yに収容されたスクリュー部材33Yとを、備える。収容容器31Yには、イエロートナーとキャリアとを有する2成分現像剤が収容されている。現像スリーブ32Yは、現像剤担持体であり、収容容器31Yの開口部を介して感光体ドラム11Yと対向するように配置されている。スクリュー部材33Yは、現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部材である。スクリュー部材33Yは、現像スリーブ側となる現像剤の供給側と、トナー補給装置から供給を受ける受給側とに配置され、軸受け部材によって収容容器31Yに回転自在に支持されている。
続いて、転写工程では、一次転写ローラ40Yは、感光体ドラム11Y上に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト60に転写する。なお、感光体ドラム11Y上には、トナー像の転写後においても未転写トナーが僅かながら残存する。
一次転写ローラ40Yは、例えば導電性のスポンジ層を有する弾性ローラであり、中間転写ベルト60の裏面から感光体ドラム11Yに対して押し当てられるように配置されている。なお、弾性ローラには、一次転写バイアスとして定電流制御されたバイアスが印加されている。一次転写ローラ40Yは、例えば、外形が16mmであり、心金径が10mmであり、スポンジ層の抵抗Rの値が約3E7Ωである。なお、スポンジ層の抵抗Rの値は、接地された外径30mmの金属ローラを10Nで押し当てた状態で一次転写ローラ40Yの心金に電圧Vを1000V印加したときに流れる電流Iからオームの法則(R=V/I)を用いて算出した値である。
続いて、クリーニング工程では、クリーニング装置50Yは、感光体ドラム11Y上に残存している未転写トナーを払拭する。クリーニング装置50Yは、クリーニングブレード51Yと、クリーニングブラシ52Yとを、備える。クリーニングブレード51Yは、感光体ドラム11Yの回転方向に対してカウンタ方向から感光体ドラム11Yと当接している状態で感光体ドラム11Yの表面をクリーニングする。クリーニングブラシ52Yは、感光体ドラム11Yの回転方向と逆方向に回転しながら感光体ドラム11Yと接触している状態で感光体ドラム11Yの表面をクリーニングする。
図1に戻り、中間転写ベルト60は、支持ローラ61、62や二次転写部対向ローラ63などの複数のローラに掛け回されたエンドレスのベルトであり、支持ローラ61、62の一方が回転駆動させられることにより矢印a方向に無端移動する。中間転写ベルト60には、まず、画像形成部10Yによりイエローのトナー像が転写され、続いて、画像形成部10Mによりマゼンタのトナー像、画像形成部10Cによりシアンのトナー像、画像形成部10Kによりブラックのトナー像が順次重畳して転写される。これにより、中間転写ベルト60上にフルカラーのトナー像(フルカラーの画像)が形成される。そして中間転写ベルト60は、形成されたフルカラーのトナー像を二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に搬送する。
中間転写ベルト60は、例えば、厚さが20~200μm(好ましくは、60μm程度)、体積抵抗率が6.0~13.0LogΩcm(好ましくは、7.5~12.5LogΩcm、より好ましくは、約9LogΩcm)、表面抵抗率が9.0~13.0LogΩcm(好ましくは、10.0~12.0LogΩcm)の無端状カーボン分散ポリイミド樹脂で構成される。体積抵抗率は、三菱化学製ハイレスタ HRSプローブ 100V、10secでの抵抗測定値であり、表面抵抗率は、三菱化学製ハイレスタ HRSプローブ 500V、10secでの抵抗測定値である。支持ローラ62は接地されている。
用紙カセット70には、各トレイに複数の記録媒体が重ね合わせて収容される。記録媒体は、収容されるトレイ毎に用紙の種別やサイズが異なるものとする。本実施形態では、記録媒体は、例えば、普通紙や凹凸の大きいレザック紙であるものとするがこれに限定されるものではなく、OHPシートやフィルムなどであってもよい。
給紙ローラ71は、用紙カセット70のトレイの最上部に位置する記録媒体Pに当接されており、当接している記録媒体Pを給紙する。
搬送ローラ対72は、給紙ローラ71により給紙された記録媒体Pを、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に(矢印c方向)所定のタイミングで搬送する。
二次転写部対向ローラ63及び二次転写ローラ64は、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間の二次転写ニップで、中間転写ベルト60により搬送されたフルカラーのトナー像を、搬送ローラ対72により搬送された記録媒体P上に一括転写する。
二次転写部対向ローラ63は、例えば、外形が24mmであり、心金径が16mmであり、導電性のNBR系ゴム層である。なお、導電性のNBR系ゴム層の抵抗Rの値は、6.0~12.0LogΩ(又はSUS)であり、好ましくは、4.0LogΩである。二次転写ローラ64は、例えば、外形が24mmであり、心金径が14mmであり、導電性のNBR系ゴム層である。なお、導電性のNBR系ゴム層の抵抗Rの値は、6.0~8.0LogΩであり、好ましくは、7.0~8.0LogΩである。二次転写ローラ64の体積抵抗は、回転測定で測定した抵抗測定値であり、加重:5N/片側、バイアス印加:転写ローラ軸に1KV印加、1min測定間にローラ1回転の抵抗測定し、平均値を体積抵抗としたものである。
二次転写部対向ローラ63には、電源装置100が有する転写バイアス用の二次転写電源200が接続されている。電源装置100は、二次転写電源200を制御する電源制御部300を有する。二次転写電源200は、二次転写ニップでフルカラーのトナー像を記録媒体Pに転写するために、二次転写部対向ローラ63に電圧を印加する。具体的には、二次転写電源200は、直流電圧と交流電圧とを重畳した重畳電圧(以下、「重畳バイアス」と称する場合がある)を二次転写部対向ローラ63に印加する。これにより、二次転写部対向ローラ63と二次転写ローラ64との間に電位差が生じ、トナーが中間転写ベルト60から記録媒体P側へ向かう電圧が生じるため、フルカラーのトナー像を記録媒体Pに転写することができる。ここで、本実施形態における電位差は、(二次転写部対向ローラ63の電位)-(二次転写ローラ64の電位)とする。
定着装置90は、フルカラーのトナー像が転写された記録媒体Pを加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー像を記録媒体Pに定着する。そして、フルカラーのトナー像が定着された記録媒体Pは、印刷装置1の外部に排紙される。
図3は、本実施形態の印刷装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、印刷装置1は、電源装置の一例である電源装置100を有する。電源装置100は、二次転写電源200と、電源制御部300とを、備える。二次転写電源200は、直流電源110と、交流電源140とを、備える。直流電源110と交流電源140とは、直列に接続されている。
直流電源110は、トナー転写用の電源であり、直流電圧を交流電源140に出力する。本実施形態では、直流電源110は、後述する第1の制限機能に従って、交流電源140が生成する交流電圧に応じた直流出力値(詳細には、交流電圧の出力波形の形状に基づいて定まる直流出力値)に基づいて、直流電圧を出力する。なお本実施形態では、直流電源110が出力する直流電圧は、負極性(マイナス極性)の直流電圧である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
直流電源110は、直流駆動部111と、直流トランス112とを、備える。直流駆動部111は、直流駆動回路111aおよび制限回路111bを有する。直流駆動回路111aは、例えば、直流トランス112を駆動する駆動回路が挙げられる。
交流電源140は、トナー振動用の電源であり、交流電圧を生成し、生成した交流電圧と直流電源110から出力された直流電圧とを重畳した重畳電圧を、負荷である二次転写部対向ローラ63に出力する。本実施形態では、交流電源140は、電源制御部300が直流電源110に対して直流電圧の出力指示を開始した後に交流電源140に対して交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、後述する第2の制限機能に従って、所定期間において重畳電圧の絶対値が所定値以下となるように交流電圧を発生する。
交流電源140は、交流駆動部141と、交流トランス142とを、備える。交流駆動部141は、交流駆動回路141aおよび判定回路141bを有する。交流駆動回路141aは、例えば、交流トランス142を駆動する駆動回路が挙げられる。
電源制御部300は、二次転写電源200を制御するものである。本実施形態では、電源制御部300は、直流電源110に対して直流電圧の出力指示を開始した後に交流電源140に対して交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、後述する第2の制限機能に従って、所定期間において重畳電圧の絶対値が所定値以下となるように交流電源140を制御する。
図4は、本実施形態の電源制御部300の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、電源制御部300は、I/O制御部310と、RAM(Random Access Memory)320と、ROM(Read Only Memory)330と、CPU340とを、備える。
I/O制御部310は、各種信号の入出力を制御するものであり、二次転写電源200との間でやりとりされる信号の入出力などを制御する。
RAM320は、揮発性の記憶装置(メモリ)であり、CPU340などの作業領域として使用される。
ROM330は、不揮発性の読出用の記憶装置(メモリ)であり、電源制御で実行される各種プログラムや電源制御で実行される各種処理に使用されるデータなどを記憶する。なおROM330をフラッシュメモリなどで実現し、書き込みも行えるようにしてもよい。
CPU340は、オペレーションパネルなどから高圧出力のユーザ設定を受け付け、I/O制御部310を介して、受け付けたユーザ設定に応じた高圧出力を二次転写電源200に行わせる。本実施形態では、高圧出力のユーザ設定は、重畳バイアスに用いられる交流電圧の出力波形を高デューティの出力波形とするか、低デューティの出力波形とするかの設定である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。本実施形態では、CPU340は、RAM320等の記憶領域を作業領域として、ROM330に記憶されるプログラムを実行することにより、二次転写電源200による高圧出力を制御する。
具体的には、高デューティの出力波形とは、デューティ比が閾値以上の出力波形であり、低デューティの出力波形とは、デューティ比が閾値未満の出力波形である。本実施形態では、閾値が50%であり、高デューティの出力波形が、デューティ比が80%の出力波形、低デューティの出力波形が、デューティ比が20%の出力波形である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
また本実施形態では、和紙などの凹凸度合いが大きい記録媒体に画像を転写する場合、高圧出力のユーザ設定として低デューティの出力波形が設定され、普通紙などの凹凸度合いが小さい記録媒体に画像を転写する場合、高圧出力のユーザ設定として高デューティの出力波形が設定される場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
(重畳電圧制限機能)
次に、本実施形態に係る印刷装置1が備える重畳電圧制限機能について説明する。重畳電圧制限機能は、重畳電圧(重畳バイアス)が交流トランス142の耐電圧を超えないように、直流電源110が出力する直流電圧、交流電源140が発生する交流電圧を制限するものである。
以下、直流電源110が出力する直流電圧を制限する機能を第1の制限機能と呼び、交流電源140が発生する交流電圧を制限する機能を第2の制限機能と呼ぶ。また、二次転写電源200(直流電源110及び交流電源140)が定電圧制御されている場合を例に取り説明するが、これに限定されず、二次転写電源200(直流電源110及び交流電源140)は、定電流制御されていてもよい。また、交流電源140の交流トランス142の出力側(出力端子)の耐電圧は、絶対値で15kVである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
(第1の制限機能)
まず、第1の制限機能について説明する。
電源制御部300は、交流出力基準信号を交流電源140に出力する。交流出力基準信号は、交流電圧の出力波形の形状を特定するための信号であり、本実施形態では、図5に示すような、PWM(Pulse Width Modulation)信号である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。図5に示す例では、Tが周期(1/Tが周波数)、tがパルス幅を示すため、デューティ比Dutyは、(t/T)×100となる。
なお、交流出力基準信号の周期T、パルス幅tは、それぞれ、交流電源140が生成する交流電圧(交流電源140が出力する重畳電圧)の周期、パルス幅となるため、交流出力基準信号のデューティ比Dutyは、交流電源140が生成する交流電圧のデューティ比となる。
前述したように、本実施形態では、高デューティの出力波形は、デューティ比が80%の出力波形、低デューティの出力波形は、デューティ比が20%の出力波形である。このため電源制御部300は、高圧出力のユーザ設定として高デューティの出力波形が設定されている場合、例えば、周期Tを2.0ms、パルス幅tを1.6msとして、デューティ比Dutyを80%に設定した交流出力基準信号を交流電源140に出力する。また電源制御部300は、高圧出力のユーザ設定として低デューティの出力波形が設定されている場合、例えば、周期Tを2.0ms、パルス幅tを0.4msとして、デューティ比Dutyを20%に設定した交流出力基準信号を交流電源140に出力する。
交流駆動部141は、電源制御部300から交流出力基準信号を受信すると、当該受信した交流出力基準信号に基づいて、複数の制限信号のうち、交流電源140が生成する交流電圧の出力波形のデューティ比に応じた制限信号を直流電源に出力する。具体的には、交流駆動部141は、判定回路141bを有する。判定回路141bは、受信した交流出力基準信号に基づいて、交流電源140が生成する交流電圧の出力波形のデューティ比が閾値以上であるか否かを判定する。そして、判定回路141bは、閾値以上である場合、第1の制限信号を直流電源110に出力し、閾値未満である場合、第2の制限信号を直流電源110に出力する。ここで、第1の制限信号および第2の制限信号は、単に、HighまたはLowを示す2値の直流出力制限信号であっても良い。例えば、判定回路141bは、直流出力制限信号がHighの場合を第1の制限信号の出力とし、直流出力制限信号がLowの場合を第2の制限信号の出力としても良い。
本実施形態では、交流駆動部141は、受信した交流出力基準信号のデューティ比が50%以上であるか否かを判定し、50%以上である場合、第1の制限信号を直流電源110に出力し、50%未満である場合、第2の制限信号を直流電源110に出力する。
なお本実施形態では、第1の制限信号は、直流電圧の出力を制限することを示す信号であり、第2の制限信号は、直流電圧の出力を制限しないことを示す信号であるが、これに限定されるものではない。
また本実施形態では、第1の制限信号及び第2の制限信号は、それぞれ、アクティブとインアクティブとを切り替え可能な信号である場合を例に取り説明するが、これに限定されず、どのような信号であってもよい。また本実施形態では、第1の制限信号を出力するとは第1の制限信号をアクティブにすること、第2の制限信号を出力するとは第2の制限信号をアクティブにすることとするが、これに限定されるものではない。
また電源制御部300は、直流出力値指示信号を直流電源110に出力する。直流出力値指示信号は、直流電源110が出力する直流電圧の電圧値を制御するための第2の直流出力値を示す信号であり、本実施形態では、PWM信号である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
本実施形態では、前述の通り、直流電源110は定電圧制御を行うため、第2の直流出力値は、直流電圧の電圧値を示す。また本実施形態では、図6に示すように、直流出力値指示信号のデューティ比で第2の直流出力値である直流電圧の電圧値を示す。本実施形態では、直流出力値指示信号はデューティ比50%であり、第2の直流出力値が-10kVである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
なお、直流電源110が定電流制御を行う場合、第2の直流出力値は、直流電圧の出力に伴い直流電源110から出力される直流電流の電流値を示す。この場合、直流電源110は、出力する直流電流の電流値が第2の直流出力値となるように、直流電圧の電圧値を制御する。
直流駆動部111は、交流電源140から受信した制限信号に応じた直流出力値に基づいて、直流トランス112から直流電圧を出力させる(直流トランス112に直流電圧を発生させる)。具体的には、直流駆動部111は、交流電源140から第1の制限信号を受信した場合、第1の直流出力値に基づいて、直流トランス112から直流電圧を出力させ(直流トランス112に直流電圧を発生させ)、交流電源140から第2の制限信号を受信した場合、第2の直流出力値に基づいて、直流トランス112から直流電圧を出力させる(直流トランス112に直流電圧を発生させる)。
第1の直流出力値は、直流電源110が出力する直流電圧の電圧値を制御するための値であり、前述の通り、直流電源110は定電圧制御を行うため、第1の直流出力値も、直流電圧の電圧値を示す。第1の直流出力値の絶対値は、第2の直流出力値の絶対値より小さく、本実施形態では、第1の直流出力値が-5kVである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
具体的には、直流駆動部111の制限回路111bは、直流出力値指示信号を受信し、かつ第2の制限信号を受信している状態の場合、直流出力値指示信号の値ではなく、第2の直流出力値を指示する信号を直流駆動回路111aに出力する。また、制限回路111bは、直流出力値指示信号を受信し、かつ第1の制限信号を受信している場合、直流出力値指示信号の値を直流駆動回路111aに出力する。制限回路111bは、直流出力値指示信号を受信していない場合、第2の直流出力値を指示する信号、および直流出力値指示信号のいずれも出力しない。直流駆動部111の直流駆動回路111aは、電源制御部300から直流出力値指示信号を受信すると、交流電源140から第2の制限信号を受信している場合、直流出力値指示信号が示す第2の直流出力値に基づく直流電圧の出力を直流トランス112に行わせる。
本実施形態では、直流駆動部111は、交流電源140から第2の制限信号を受信している状態で、電源制御部300から直流出力値指示信号を受信すると、直流トランス112が発生させる直流電圧の電圧値が、第2の直流出力値である-10kVとなるように直流トランス112を駆動する。これにより、直流トランス112は、図7に示すように、-10kVの負極性の直流の高電圧出力(DCバイアス出力)を行う。
一方、直流駆動部111は、電源制御部300から直流出力値指示信号を受信すると、交流電源140から第1の制限信号を受信している場合、直流出力値指示信号が示す第2の直流出力値に基づく直流電圧の出力を、第1の直流出力値に基づく直流電圧の出力に制限して直流トランス112に行わせる。
本実施形態では、直流駆動部111は、交流電源140から第1の制限信号を受信している状態で、電源制御部300から直流出力値指示信号を受信すると、直流トランス112が発生させる直流電圧の電圧値が、第2の直流出力値である-10kVではなく、第1の直流出力値である-5kVとなるように直流トランス112を駆動する。これにより、直流トランス112は、-10kVではなく-5kVに制限された負極性の直流の高電圧出力(DCバイアス出力)を行う。
また電源制御部300は、交流出力値指示信号を交流電源140に出力する。交流出力値指示信号は、交流電源140が出力する交流電圧の電圧値を制御するための交流出力値を示す信号であり、本実施形態では、PWM信号である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
本実施形態では、前述の通り、交流電源140は定電圧制御を行うため、交流出力値は、交流電圧のピーク間の電位差(最大電圧値と最小電圧値との差)を示す。また本実施形態では、図8に示すように、交流出力値指示信号のデューティ比で交流出力値である交流電圧の電位差を示す。本実施形態では、交流出力値指示信号はデューティ比100%であり、交流出力値が10kVである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
なお、交流電源140が定電流制御を行う場合、交流出力値は、交流電圧の出力に伴い交流電源140から出力される交流電流の電流値を示す。この場合、交流電源140は、出力する交流電流の電流値が交流出力値となるように、交流電圧の電圧値を制御する。
交流駆動部141は、電源制御部300から交流出力基準信号に加え、交流出力値指示信号も受信すると、交流出力基準信号及び交流出力値指示信号が示す交流出力値に基づいて、交流トランス142に交流電圧を生成させ(交流トランス142に交流電圧を発生させ)、発生させた交流電圧と直流電源110から出力された直流電圧とを重畳した重畳電圧を出力させる。
例えば、交流出力基準信号が、周期Tを2.0ms、パルス幅tを1.6msとして、デューティ比Dutyを80%に設定した信号であり、交流出力値指示信号が、デューティ比100%として、交流出力値を10kVに設定した信号であるとする。この場合、交流駆動部141は、交流出力基準信号及び交流出力値指示信号が示す交流出力値に基づいて、交流トランス142が発生させる交流電圧の電圧値が、図9に示すような波形の電圧値となるように交流トランス142を駆動する。これにより、交流トランス142は、図9に示すような出力波形の交流電圧を生成する(発生させる)。
このため、交流トランス142が発生させた交流電圧と直流電源110が出力する直流電圧とを重畳した重畳電圧の電圧値は、図10に示すような波形の電圧値となる。
ここで、図10に示す重畳電圧の場合、負極性の最大電圧は-13kV(-5kV-8kV)であり、交流トランス142の出力側(出力端子)にも最大-13kVの電圧が印加されるが、交流トランス142の出力側(出力端子)の耐電圧は、絶対値で15kVであり、耐電圧未満に収めることができる。このため、交流トランス142に耐電圧を超える電圧が印加され、交流トランス142の破損等の不具合が発生してしまうことを防止できる。また、図10に示す重畳電圧の場合、-3kV~-13kVの電圧が二次転写部対向ローラ63に印加されるため、十分な転写性を確保できる。
なお、第1の制限機能を用いない場合、すなわち、交流電源140が第1の制限信号を直流電源110に出力せずに、直流電源110が出力する直流電圧の電圧値を、-10kVから-5kVに制限しない場合、交流トランス142が発生させた交流電圧と直流電源110が出力する直流電圧とを重畳した重畳電圧の電圧値は、図11に示すような波形の電圧値となる。
なお、例えば図11に示す重畳電圧の場合、負極性の最大電圧は-18kV(-10kV-8kV)であり、交流トランス142の出力側(出力端子)にも最大-18kVの電圧が印加されるが、交流トランス142の出力側(出力端子)の耐電圧は、絶対値で15kVであり、耐電圧未満に収めることができない。このため、交流トランス142に耐電圧を超える電圧が印加され、交流トランス142の破損等の不具合が発生してしまうことを防止できない。
この様な第1の制限機能によれば、凹凸度合いが小さい記録媒体に画像を転写するために、直流電圧に高デューティの出力波形の交流電圧を重畳した重畳バイアスに用いる場合、直流電圧の電圧値が制限されるため、交流電源の耐電圧を守りつつ、転写に適した重畳バイアスを出力することができ、転写不良を防止できる。
また、この様な第1の制限機能によれば、交流電圧の出力波形のデューティに応じて、直流電圧の電圧値の制限の有無を切り替えるため、どのような記録媒体に画像を転写する場合であっても、交流電源の耐電圧を守りつつ、転写に適した重畳バイアスを出力することができる。
(第2の制限機能)
次に、第2の制限機能について説明する。
普通紙の印刷後に、凹凸紙に印刷する場合など、直流電圧出力中に、交流電圧の出力を開始して重畳電圧を出力することがある。係る場合において単純に上記第1の制限機能のみを用いると、交流電圧の出力指示が開始された後、第1の制限機能により直流電圧の出力制限が開始されるまでに遅延時間があるため、当該遅延時間において重畳電圧が交流電源の耐電圧を超えてしまう恐れがある。
第2の制限機能は、直流電圧出力中に交流電圧の出力を開始して重畳電圧を出力する制御シーケンスにおいて、交流電圧の出力指示を開始した後直流電圧の出力制限が開始されるまでの所定期間においては、重畳電圧が交流電源の耐電圧(所定値の一例)を超えないように、交流電圧出力信号の絶対値を段階的に大きくする制御を実行するものである。これにより、少なくとも当該所定期間において、重畳電圧が交流電源の耐電圧を超えないように制御することができる。
なお、以下においては、説明を具体的にするため、交流電圧の出力指示を開始した後直流電圧の出力制限を開始するまでの所定期間において、交流電圧出力信号が指示する電圧の絶対値が第1の指示値、第2の指示値(ただし、第1の指示値の絶対値<第2の指示値の絶対値)の二段階で制御する場合を例とする。これに対し、交流電圧出力信号が指示する電圧の絶対値を3段階以上の多段階によって制御する様にしてもよい。
図12は、第2の制限機能を含む制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。具体的には、図12において、電源制御部300が交流電源140へ出力する交流出力値指示信号、交流電源140が直流電源110へ出力する直流出力制御信号、電源制御部300が直流電源110へ出力する直流出力値指示信号、交流電源140から二次転写部63、64へ出力される重畳電圧のそれぞれのタイミングを示している。なお、重畳電圧においては、交流トランス142の耐電圧(トランス耐圧:所定値の一例)が示してある。
まず、電源制御部300は直流出力値指示信号を周期的に直流電源110へ出力する。なお、図12においては、一つの直流出力値指示信号(パルス)を一つの縦線によって示した。直流駆動部111は、入力した直流出力値指示信号に基づいて直流トランス112を駆動する。直流トランス112は、直流駆動部111からの駆動信号に基づいて直流電圧(直流バイアス)を発生する。
電源制御部300は、第1の指示値を有する交流出力値指示信号の交流電源140への出力を開始する。電源制御部300は、少なくとも所定期間(図12の例では、交流電源140が直流電源110への直流出力制御信号の出力開始までの期間)において、第1の指示値を有する交流出力値指示信号を交流電源140へ出力する。
ここで、第1の指示値は、少なくとも所定期間において、重畳電圧の絶対値がトランス耐圧の絶対値を超えないように交流電圧を設定するためのパラメータである。すなわち、重畳電圧は、少なくとも所定期間においては、第1の指示値により交流電圧の絶対値を制限することで、電源制御部300によりトランス耐圧を超えないように制御される。交流電源140は、上記所定期間において、直流出力値指示信号に基づく直流電圧と、第1の指示値を有する交流出力値指示信号に基づく交流電圧との重畳電圧を、二次転写部対向ローラ63へ出力される。
交流電源140は、第1の指示値を有する交流出力値指示信号に基づく交流電圧の出力開始から所定期間経過後、直流電源110への直流出力制御信号の出力を開始する。また、電源制御部300は、少なくとも所定期間経過後、第2の指示値を有する交流出力値指示信号を交流電源140へ出力する。
ここで、第2の指示値は、所定期間経過後において、重畳電圧の絶対値がトランス耐圧の絶対値を超えないように交流電圧を設定するためのパラメータである。すなわち、重畳電圧は、所定期間以後においては、第2指示値により交流電圧の絶対値を制限することで、電源制御部300によりトランス耐圧を超えないように制御される。従って、交流電源140は、所定期間経過後においては、第2の指示値を有する交流出力値指示信号に基づく交流電圧と第1の制限機能によって値が制限された直流電圧との和でありトランス耐圧を超えない重畳電圧を、二次転写部対向ローラ63へ出力することができる。
以上述べた様に、実施形態に係る電源制御装置を備えた印刷装置1は、発生する直流電圧の値が可変である直流電源110と、発生する交流電圧の値が可変であり、発生した交流電圧と直流電源110から出力された直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源140と、交流電源と直流電源とを制御する制御部としての電源制御部300と、を備える。電源制御部300が直流電源110に対して直流電圧の出力指示を開始した後に交流電源140に対して交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、直流電源110は、交流電源140が発生する交流電圧に応じて直流電圧の出力を制限する。電源制御部300は、交流電源140に対する交流電圧の出力指示の開始から直流電圧の出力の制限の開始までの所定期間において、重畳電圧の絶対値を所定値以下とする。
従って、直流電圧の出力を開始した後に交流電圧を出力し転写バイアスとしての重畳電圧を出力する制御シーケンスを用いる場合に、交流電圧の出力開始から直流電圧の制限開始までの所定期間において、交流電圧を多段階起動とし、重畳電圧の絶対値をトランス耐圧以下とすることができる。そして、所定期間経過後においては、交流電源140が発生する交流電圧に応じて出力する直流電圧を制限し、交流電圧を狙いの電圧に設定し、トランス耐圧を超えない範囲とすることができる。その結果、直流電圧が出力された後に交流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、トランスの耐電圧を守りつつ、記録媒体の状況に応じて用途に適した重畳電圧を出力することができる。
図13は、比較例に係る重畳電圧の制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。比較例に係る重畳電圧の制御シーケンスは、第1の制限機能のみを有するものである。すなわち、電源制御部300が例えば第2の指示値を有する交流出力値指示信号の交流電源140への出力を開始してから所定期間経過後において、第1の制限機能に従って、直流出力指示信号に基づく直流電圧の出力制限のみが実行される。係る構成では、上記所定期間において、重畳電圧の絶対値がトランス耐圧を超え、装置が故障する可能性がある。一方、実施形態に係る電源制御装置によれば、当該不具合を解消することができる。
(変形例1)
次に、変形例1に係る電源制御装置を備えた印刷装置1について説明する。変形例1に係る電源制御装置は、直流電源110による直流電圧の出力開始から直流電圧の制限開始までの遅延時間(所定期間)において、第1の指示値を「PWM5%」として交流出力値指示信号を出力するものである。
図14は、変形例に係る第2の制限機能を含む制御シーケンスの一例を示すためのタイミングチャート図である。図14に示した交流出力値指示信号は、第1の指示値として「PWM5%」と設定されている。
この場合、図8に示した様に交流電圧の値は0Vとなる。ただし、交流電源140には電源制御部300からの交流出力値が入力されている状態である。従って、交流電源140は、交流出力値の入力を開始してから遅延時間(所定時間)は交流電圧をゼロとし、遅延時間(所定期間)経過後においては、直流出力制限信号をアクティブとすると共に。第2の指示値に基づく交流電圧を発生することができる。
なお、第1の指示値として「PWM5%」と設定する設定期間は、直流電源110による直流電圧の出力開始から直流電圧の制限開始までの遅延時間(所定期間)以上の長さにすることができる。当該構成により、狙いの直流電圧から狙いの重畳電圧への切り替え時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に電源制御装置を備えた印刷装置1について説明する。二次転写直流出力は、定電流制御であることが多い。その場合、交流電源140への出力直前の直流電圧の値を把握する必要がある。第2の実施形態に電源制御装置では、交流電源140への入力前の直流電圧の値を検知可能とし、検知した直流電圧の値とトランス耐圧値とから、交流出力値指示信号の第1の指示値を設定するものである。例えば、「トランス耐圧値」から「検知した交流電源140への入力直前の直流電圧の値」を減じることにより、交流出力値指示信号の第1の指示値を設定する。
図15は、第2の実施形態に係る印刷装置1の構成を示したブロック構成図である。図15に示した様に、第2の実施形態に係る印刷装置1は、二次転写電源2200の直流電源2110において出力検知部2114を新たに有する。図15において、交流駆動部2141は、図4に示す交流駆動部141と同様に、判定回路141bおよび交流駆動回路141aを有する。また、図15において、直流駆動部2111は、図4に示す直流駆動部111と同様に、制限回路111bおよび直流駆動回路111aを有する。
出力検知部2114は、直流トランス112から出力される直流電圧(すなわち、交流電源140への入力直前の直流電圧)を検知し、検知した直流電圧を電源制御部2300に出力する。出力検知部2114の具体例としては、少なくとも電圧を検知できる検知回路が挙げられる。出力検知部2114は、検知した電圧値を電源制御部2300へ出力する。
電源制御部2300は、出力検知部2114により検知された電圧値、トランス耐圧に基づいて、直流電源110による直流電圧の出力指示の開始から直流電圧の制限開始までの遅延時間(所定期間)において、重畳電圧がトランス耐圧を超えない様に第1の指示値をフィードバック制御する。
定電流制御の場合、出力検知部2114は、直流トランス112から出力される直流電流を検知し、検知した直流電流を電源制御部2300に出力するものであり、例えば、少なくとも電流を検知できる検知回路が挙げられる。そして電源制御部2300は、出力検知部2114により検知された電流値に基づいて直流出力値指示信号が示す第2の直流出力値を調整し、直流出力値指示信号を直流電源2110に出力する。
二次転写部材は、温湿度や経時により負荷抵抗或いは容量が変化する場合がある。このため、直流電圧が設定値と異なることがある。第2の実施形態に係る電源制御装置によれば、係る場合であっても、直流電圧の出力を開始した後に交流高圧を出力し転写バイアスとしての重畳電圧を出力する際に、直流電圧の出力開始から直流電圧の制限開始までの所定期間においてトランス耐圧を超えない範囲において、重畳電圧を印刷媒体に応じて適切な値に制御することができる。
(変形例2)
直流出力制限信号により制限される直流電圧の値は、トランス耐圧のみが制約になるとは限らない。例えば、印刷装置1内で重畳電圧がリークしないようにするための値が制約となることもある。さらには、交流トランス142内部の電子部品(コンデンサ・抵抗など)の耐圧が、制約となることもある。直流出力制限信号により制限される直流電圧の値は、これらの制約に応じて、任意に設定することができる。
(変形例3)
上述した各実施形態、各変形例においては、印刷装置1が電源制御部300、直流電源110、交流電源140(又は電源制御部2300、直流電源2110、交流電源2140)の3つの構成基板を有する場合を例として説明した。しかしながら、構成基板の数に制約は無い。すなわち、印刷装置1への配置に応じて、回路ブロックの分配を決定すればよい。
(変形例4)
上述した各実施形態、各変形例に係る電源制御装置は、二次転写直流出力/交流出力ともに、定電流制御/定電圧制御のいずれかに制限されるものではない。また、上述した各実施形態、各変形例に係る電源制御装置は、二次転写力流出力/交流出力だけではなく、「帯電交流出力/直流出力」「現像交流出力/直流出力」にも転用することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、先行する記録媒体である先行紙および後行する記録媒体である後行紙の紙種に応じて、先行紙と後行紙の紙間で、直流電源による直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、直流電圧と交流電圧との和が所定値以下となる重畳電圧のバイアス出力を行ってから、後行紙への重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う例である。以下の説明では、上述の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
電子写真装置の二次転写工程では、転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳することにより、様々な用紙に対する転写性を確保している。交流トランスの出力側には、直流電圧と交流電圧を重畳した電圧が印加されることで、交流トランスの耐電圧を超える可能性がある。そのため交流電圧の出力時は、直流電圧の最大値を制限する技術が既に知られている。
例えば、交流電圧の転写バイアスの波形に応じて、直流電圧の転写バイアスの制限値を変えることで、トランスの耐電圧を守った上で、用紙に対する転写性を確保(すなわち、可能な限り高いバイアス値を出力可能と)している。
すなわち、非凹凸紙を使用時には、交流電圧の転写バイアスを高デューティ比の波形とし、直流電圧の転写バイアスの制限値を小さくすることにより、トランスの耐電圧を守った上で転写不良を防止する。また、凹凸紙を使用時には、交流電圧の転写バイアスを低デューティ比の波形とし、直流電圧の転写バイアスの制限値を大きくすることにより、トランスの耐電圧を守った上で用紙に対する転写性を確保している。
また、交流電圧の転写バイアスの制御信号をオンすることにより、直流電圧の転写バイアスの制限信号を生成している。したがって、直流電圧の転写バイアスを出力した後、交流電圧の転写バイアスを出力すると、交流電圧の転写バイアスの出力直後から、直流電圧の転写バイアスの制限信号の生成までの間に、交流トランスの耐電圧を超えてしまう期間が生じてしまうことがある。また、交流電圧が出力された後に直流電圧が出力される制御シーケンスにおいて、転写バイアスのかけ方を変更する際には、一度、重畳電圧の出力をオフし、再度立ち上げる制御にするため、次の印刷再開までに時間を要する。
そこで、本実施形態では、電源制御部300は、先行紙および後行紙の紙種に応じて、先行紙と後行紙の紙間で、直流電源110による直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、直流電圧と交流電圧との和が所定値以下となる重畳電圧のバイアス出力を行ってから、後行紙への重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う。これにより、重畳電圧の出力をオンしたままで、後行紙への重畳電圧のバイアス出力への切替制御ができるため、今までの再立ちあげ制御を不要にすることで、次の印刷再開までの時間を短くすることができる。
電源制御部300は、制限期間を、紙間の時間より短い期間とする。これにより、紙間の時間で交流電圧を0Vにできるので、印刷の生産性を保つことができる。
また、電源制御部300は、1枚目の記録媒体への印刷では(すなわち、先行紙の情報が無い場合)、その紙種に応じて、制限期間において、直流電圧と交流電圧との和が所定値以下とする重畳電圧のバイアス出力を行ってから、1枚目の記録媒体への重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う。
また、電源制御部300は、後行紙の情報がない場合、紙間調整パターンの二次転写部対向ローラ63の通過を待って、直流電圧と0Vの交流電圧との和の重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う。紙間調整パターンの読取センサが二次転写側にあるため、紙間調整パターンの二次転写部対向ローラ63の通過を待ってから、重畳電圧のバイアス出力の切替制御を行うことで、先行紙と同様の重畳バイアスを紙間調整パターンへ出力し、その前ページまでの連続印刷中の読取と同様の転写条件にすることで読取結果に影響を与えないようにすることができる。
また、電源制御部300は、先行紙が、直流電圧の出力中である場合、紙間で、直流電圧と0Vの交流電圧との和の重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う。すなわち、直流電圧を出力する印刷からの切替制御では、後行紙によらずに紙間で0Vの交流電圧を出力する。
また、電源制御部300は、先行紙が、直流電圧と低デューティ比の交流電圧との和の重畳電圧のバイアス出力中である場合、紙間で、直流電圧と0Vの交流電圧との和の重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う。すなわち、直流電圧と低デューティ比の交流電圧の和の重畳電圧による印刷からの切替制御では、後行紙によらずに、紙間で0Vの交流電圧を出力する。
また、電源制御部300は、先行紙に高デューティ比の交流電圧が出力され、後行紙に直流電圧が出力される場合、紙間を、高デューティ比の前記交流電圧のままとする。また、電源制御部300は、先行紙および後行紙が高デューティ比の交流電圧である場合、紙間を、高デューティ比の交流電圧のままとする。これにより、0Vの交流電圧を出力する必要がない紙間においては、紙間パターン等の調整パターンの転写性を確保することができる。
また、電源制御部300は、先行紙に出力する重畳電圧のバイアスパターンと、後行紙に出力する重畳電圧のバイアスパターンと、が異なる場合に、紙間の重畳電圧の切替制御を行う。すなわち、先行紙と後行紙とが変わるときのみ、紙間において、0Vの交流電圧の出力する制御を行う。
図16は、第3の実施形態にかかる印刷装置における連続印刷時の転写バイアスの切替制御の一例を説明するための図である。連続印刷中は、図4に示す電源制御部300が有するCPU340によって、I/O制御部310を操作し、二次転写部対向ローラ63に対する転写バイアス(重畳バイアス)の切替制御を行う。前述したように、交流駆動部2141は、用紙の凹凸度合いに応じて、高デューティ比の出力波形(例えば、デューティ比が80%の出力波形)、低デューティ比の出力波形(例えば、デューティ比が20%の出力波形)、若しくは、交流電圧の出力なしの直流電圧の出力のみの3パターンを切り替えて制御する。以下の説明では、直流電圧のみの転写バイアスをDCと記載する。また、直流電圧と高デューティ比の交流電圧との和の転写バイアスを高DutyACと記載する。また、直流電圧と低デューティ比の交流電圧との和の転写バイアスを低DutyACと記載する。
図17は、第3の実施形態にかかる印刷装置における後行紙の情報が取得できる場合の紙間での転写バイアスの切替制御の一例を説明するための図である。ここでは、凹凸度合いの異なる複数の用紙(記録媒体の一例)を連続で印刷する場合の転写バイアスの切替制御について説明する。また、ここでは、現在転写している用紙に対する転写バイアスの設定を先行紙の転写バイアスとし、次に転写する用紙に対する転写バイアスの設定を後行紙の転写バイアスとし、その先行紙と後行紙の間を紙間として説明する。
また、紙間にて、AC高圧出力を多段階起動の一段目を出力し、後行紙のタイミングで二段目の狙いの電圧に設定する。本実施形態では、紙間を0Vとして説明するため、以降の説明において、紙間での一段目のAC出力を、DC(直流電圧)+AC(0Vの交流電圧)、または0Vの交流電圧として説明する。電源制御部300は、図17に示す表に従って、先行紙と後行紙の組み合わせによって、一段目の出力となる紙間の転写バイアスを決定する。
図17の太枠部分について、ここでは、紙間でAC(交流電圧):0Vは出力せず、先行紙が高DytyAC、後行紙がDC(直流電圧)の場合、紙間は、高DutyACのままとする。これは、切替時間が不要な切替(高DutyACからDCへの切替)の場合は、後行紙の開始で切り替えればよく、またそうすることで印刷中は紙間パターンの転写性が高い高DutyACの転写バイアスを紙間で使いたいためである。そして、同様の理由で先行紙、後行紙が高DutyACである場合も、紙間は高DutyACのままとする。
図18は、第3の実施形態にかかる印刷装置における転写バイアスの切り替えの一例を説明するための図である。具体的には、図18は、1枚目の印刷において、後行紙に応じて0VのACを入れておくか判断する組み合わせを説明するための図である。1枚目の印刷では、先行紙が無いため、後行紙に応じて0VのACを入れておくか判断する。一枚目の用紙が二次転写部対向ローラ63を通過する前に、予め画像のない部分(非画像部と言う)で、DC、高DutyAC、またはDC+AC(0Vの交流電圧)を出力しておく。すなわち、電源制御部300は、図18に示す表に従って、紙間の転写バイアスを決定する。
図19は、第3の実施形態にかかる印刷装置における転写バイアスの設定の一例を説明するための図である。具体的には、図19は、最終紙の印刷で、先行紙に応じた紙間での転写バイアスの設定の組み合わせの一例を示す図である。
最終紙では次の紙種情報がないため、下記の制御を行う。後行紙の情報が取得できない場合、または、最終紙の場合、電源制御部300は、図19に示す表に従って、紙間の転写バイアスを決定する。ここでは、高DutyACの印刷時であって、次の紙種情報がない場合に、紙間パターンの二次転写部対向ローラ63の通過を待って、DC+AC(0Vの交流電圧)へ切り替える制御について説明する。
ジョブ終了となる最終紙か、調整動作等によって紙間が延長しているかが判断できないため、高圧基板を守るためには、後行紙の情報がない場合でも、0VのAC(交流電圧)を入れておきたい。しかし、高DutyACの紙間が、前述した連続印刷中の紙間の転写バイアスの設定と異ならないように、高DutyACを先に入れておき、さらに紙間パターンが二次転写部対応ローラ63を通過後に、0Vの交流電圧を入れる多段階制御をする。
このように、第3の実施形態にかかる印刷装置1によれば、重畳電圧の出力をオンしたままで、後行紙への重畳電圧のバイアス出力への切替制御ができるため、今までの再立ちあげ制御を不要にすることで、次の印刷再開までの時間を短くすることができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、
発生する交流電圧の値が可変であり、発生した前記交流電圧と前記直流電源から出力された前記直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、
前記交流電源と前記直流電源とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部が前記直流電源に対して前記直流電圧の出力指示を開始した後に前記交流電源に対して前記交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、
前記直流電源は、前記交流電源が発生する前記交流電圧に応じて前記直流電圧の出力を制限し、
前記制御部は、前記交流電源に対する前記交流電圧の出力指示の開始から前記直流電圧の出力の前記制限の開始までの所定期間において、前記重畳電圧の絶対値を所定値以下とする、
電源装置。
<2> 前記制御部は、前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記重畳電圧の絶対値を前記所定値以下としつつ、前記交流電源が発生する前記交流電圧の絶対値を大きくする、
<1>に記載の電源装置。
<3> 前記制御部は、
少なくとも前記所定期間においては、前記交流電源が発生する前記交流電圧の絶対値を設定値に向かって段階的に大きくし、
前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記交流電源が発生する前記交流電圧を前記設定値とする、
<1>又は<2>に記載の電源装置。
<4> 前記制御部は、前記所定期間においては、前記交流電源に対し前記交流電圧の発生を指示する信号を出力し、
前記交流電源は、前記所定期間においては、前記交流電圧をゼロとし、前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記交流電圧を前記設定値とする、
<3>に記載の電源装置。
<5> 前記直流電源が出力する前記直流電圧の絶対値を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記所定期間において、検知された前記直流電圧の前記絶対値に応じて、前記重畳電圧の絶対値が前記所定値以下となるように、前記交流電源が発生する前記交流電圧を制御する、
<1>乃至<4>のうちいずれか一項に記載の電源装置。
<6> <1>~<5>のいずれか1つに記載の電源装置と、
前記交流電源から出力される前記重畳電圧に基づいて、記録媒体に画像を転写する転写部と、
を備える画像形成装置。
<7> 前記制御部は、先行する前記記録媒体である先行紙および後行する前記記録媒体である後行紙の紙種に応じて、前記先行紙と前記後行紙の紙間で、前記直流電源による前記直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下となる前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、前記後行紙への前記重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う、<6>に記載の画像形成装置。
<8> 前記制御部は、前記制限期間を、前記紙間の時間より短い期間とする、<7>に記載の画像形成装置。
<9> 前記制御部は、1枚目の前記記録媒体への印刷では、その紙種に応じて、前記制限期間において、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下とする前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、1枚目の前記記録媒体への前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、<7>に記載の画像形成装置。
<10> 前記制御部は、前記後行紙の情報がない場合、紙間調整パターンの前記転写部の通過を待って、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、<7>に記載の画像形成装置。
<11> 前記制御部は、前記先行紙が、前記直流電圧の出力中である場合、前記紙間で、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、<7>に記載の画像形成装置。
<12> 前記制御部は、前記先行紙が、前記直流電圧と低デューティ比の前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力中である場合、前記紙間で、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、<7>に記載の画像形成装置。
<13> 前記制御部は、
前記先行紙に高デューティ比の前記交流電圧が出力され、前記後行紙に前記直流電圧が出力される場合、前記紙間を、高デューティ比の前記交流電圧のままとし、
前記先行紙および前記後行紙が高デューティ比の前記交流電圧である場合、前記紙間を、高デューティ比の前記交流電圧のままとする、<7>に記載の画像形成装置。
<14> 前記制御部は、前記先行紙に出力する前記重畳電圧のバイアスパターンと、前記後行紙に出力する前記重畳電圧のバイアスパターンと、が異なる場合に、前記紙間における前記重畳電圧の切替制御を行う、<7>に記載の画像形成装置。
<15> 発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、発生する交流電圧の値が可変であり、発生した前記交流電圧と前記直流電源から出力された前記直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、前記重畳電圧に基づいて、記録媒体に画像を転写する転写部と、を備える画像形成装置を制御するコンピュータを、
前記交流電源と前記直流電源とを制御する制御部、して機能させ、
前記制御部が前記直流電源に対して前記直流電圧の出力指示を開始した後に前記交流電源に対して前記交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、
前記直流電源は、前記交流電源が発生する前記交流電圧に応じて前記直流電圧の出力を制限し、
前記制御部は、前記交流電源に対する前記交流電圧の出力指示の開始から前記直流電圧の出力の前記制限の開始までの所定期間において、前記重畳電圧の絶対値を所定値以下とし、先行する前記記録媒体である先行紙および後行する前記記録媒体である後行紙の紙種に応じて、前記先行紙と前記後行紙の紙間で、前記直流電源による前記直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下とする前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、前記後行紙への前記重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う、プログラム。
なお、本実施形態の印刷装置1で実行されるプログラムは、ROM330等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の印刷装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の印刷装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の印刷装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の印刷装置1で実行されるプログラムは、電源制御部300が実現する機能を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU340等のプロセッサの一例が上記ROM330からプログラムを読み出して実行することにより、当該機能の各部が主記憶装置上にロードされ、当該機能が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
1 印刷装置
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
20Y、20M、20C、20K 帯電装置
30Y、30M、30C、30K 現像装置
31Y 収容容器
32Y 現像スリーブ
33Y スクリュー部材
40Y、40M、40C、40K 一次転写ローラ
50Y、50M、50C、50K クリーニング装置
51Y クリーニングブレード
52Y クリーニングブラシ
60 中間転写ベルト
61、62 支持ローラ
63 二次転写部対向ローラ
64 二次転写ローラ
70 用紙カセット
71 給紙ローラ
72 搬送ローラ対
90 定着装置
110、2110 直流電源
111、2111 直流駆動部
112 直流トランス
140、2140 交流電源
141、2141 交流駆動部
142 交流トランス
200、2200 二次転写電源
300、2300 電源制御部
310 I/O制御部
320 RAM
330 ROM
340 CPU
2114 出力検知部
特許第6665650号公報

Claims (15)

  1. 発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、
    発生する交流電圧の値が可変であり、発生した前記交流電圧と前記直流電源から出力された前記直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、
    前記交流電源と前記直流電源とを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部が前記直流電源に対して前記直流電圧の出力指示を開始した後に前記交流電源に対して前記交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、
    前記直流電源は、前記交流電源が発生する前記交流電圧に応じて前記直流電圧の出力を制限し、
    前記制御部は、前記交流電源に対する前記交流電圧の出力指示の開始から前記直流電圧の出力の前記制限の開始までの所定期間において、前記重畳電圧の絶対値を所定値以下とする、
    電源装置。
  2. 前記制御部は、前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記重畳電圧の絶対値を前記所定値以下としつつ、前記交流電源が発生する前記交流電圧の絶対値を大きくする、
    請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記制御部は、
    少なくとも前記所定期間においては、前記交流電源が発生する前記交流電圧の絶対値を設定値に向かって段階的に大きくし、
    前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記交流電源が発生する前記交流電圧を前記設定値とする、
    請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記制御部は、前記所定期間においては、前記交流電源に対し前記交流電圧の発生を指示する信号を出力し、
    前記交流電源は、前記所定期間においては、前記交流電圧をゼロとし、前記直流電源による前記直流電圧の出力の前記制限を開始した後、前記交流電圧を前記設定値とする、
    請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記直流電源が出力する前記直流電圧の絶対値を検知する検知部を備え、
    前記制御部は、前記所定期間において、検知された前記直流電圧の前記絶対値に応じて、前記重畳電圧の絶対値が前記所定値以下となるように、前記交流電源が発生する前記交流電圧を制御する、
    請求項1に記載の電源装置。
  6. 請求項1に記載の電源装置と、
    前記交流電源から出力される前記重畳電圧に基づいて、記録媒体に画像を転写する転写部と、
    を備える画像形成装置。
  7. 前記制御部は、先行する前記記録媒体である先行紙および後行する前記記録媒体である後行紙の紙種に応じて、前記先行紙と前記後行紙の紙間で、前記直流電源による前記直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下となる前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、前記後行紙への前記重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記制限期間を、前記紙間の時間より短い期間とする、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、1枚目の前記記録媒体への印刷では、その紙種に応じて、前記制限期間において、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下とする前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、1枚目の前記記録媒体への前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記後行紙の情報がない場合、紙間調整パターンの前記転写部の通過を待って、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、請求項7に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記先行紙が、前記直流電圧の出力中である場合、前記紙間で、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、請求項7に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御部は、前記先行紙が、前記直流電圧と低デューティ比の前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力中である場合、前記紙間で、前記直流電圧と0Vの前記交流電圧との和の前記重畳電圧のバイアス出力へ切替制御を行う、請求項7に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御部は、
    前記先行紙に高デューティ比の前記交流電圧が出力され、前記後行紙に前記直流電圧が出力される場合、前記紙間を、高デューティ比の前記交流電圧のままとし、
    前記先行紙および前記後行紙が高デューティ比の前記交流電圧である場合、前記紙間を、高デューティ比の前記交流電圧のままとする、請求項7に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御部は、前記先行紙に出力する前記重畳電圧のバイアスパターンと、前記後行紙に出力する前記重畳電圧のバイアスパターンと、が異なる場合に、前記紙間における前記重畳電圧の切替制御を行う、請求項7に記載の画像形成装置。
  15. 発生する直流電圧の値が可変である直流電源と、発生する交流電圧の値が可変であり、発生した前記交流電圧と前記直流電源から出力された前記直流電圧とを重畳し重畳電圧を出力する交流電源と、前記重畳電圧に基づいて、記録媒体に画像を転写する転写部と、を備える画像形成装置を制御するコンピュータを、
    前記交流電源と前記直流電源とを制御する制御部、して機能させ、
    前記制御部が前記直流電源に対して前記直流電圧の出力指示を開始した後に前記交流電源に対して前記交流電圧の出力指示を開始する制御シーケンスにおいて、
    前記直流電源は、前記交流電源が発生する前記交流電圧に応じて前記直流電圧の出力を制限し、
    前記制御部は、前記交流電源に対する前記交流電圧の出力指示の開始から前記直流電圧の出力の前記制限の開始までの所定期間において、前記重畳電圧の絶対値を所定値以下とし、先行する前記記録媒体である先行紙および後行する前記記録媒体である後行紙の紙種に応じて、前記先行紙と前記後行紙の紙間で、前記直流電源による前記直流電圧の出力の制限が機能するまでの制限期間、前記直流電圧と前記交流電圧との和が所定値以下とする前記重畳電圧のバイアス出力を行ってから、前記後行紙への前記重畳電圧のバイアス出力への切替制御を行う、プログラム。
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