以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1を示す図である。図2は、画像形成装置1の外観を示す斜視図である。画像形成装置1は、電子写真法を用いて画像を形成するものであり、ここではカラープリンタである。但し、画像形成装置1は、モノクロプリンタであってもよく、あるいは、複写機、ファクシミリ装置あるいはMFP(Multi−Function Peripheral)であってもよい。
画像形成装置1は、装置本体100と、画像形成部10と、媒体供給部20と、媒体搬送部30と、転写ユニット40と、定着装置50と、媒体排出部35と、トップカバー70と、フロントカバー90とを備える。
画像形成部10は、現像剤像を形成する部分であり、ここでは複数(ここでは4個)のプロセスユニット11K,11Y,11M,11Cを有する。プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cは、それぞれブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色の現像剤像を形成する。
プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cは、装置本体100の内部に互いに平行に配置されており、媒体Pの搬送方向に沿って(ここでは左から右に)順に配列されている。
プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cには、それぞれ、現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cが着脱可能に装着される。現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cは、それぞれ、プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cに補給するブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの現像剤(トナー)を収容する。
また、プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cのそれぞれの感光体ドラム13(後述)の上方に対向するように、露光装置としての印刷ヘッド16K,16Y,16M,16Cが配置されている。
プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cは、互いに同様の構成を有しており、「プロセスユニット11」と総称する。また、現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cは、現像剤の色を除いて互いに同様の構成を有しており、「現像剤カートリッジ12」と総称する。印刷ヘッド16K,16Y,16M,16Cは、互いに同様の構成を有しており、「印刷ヘッド」16と総称する。
図3は、プロセスユニット11の構成を示す模式図である。図3に示すように、プロセスユニット11は、像担持体としての感光体ドラム13と、帯電部としての帯電ローラ14と、現像部15とを有する。感光体ドラム13は、表面に感光層を有する円筒状の部材であり、一方向(図3では反時計回り)に回転する。
帯電ローラ14は、感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる部材である。帯電ローラ14は、ここでは、感光体ドラム13の表面に接触するように配置され、感光体ドラム13に追従して回転する。また、帯電ローラ14には、帯電電圧電源112(図17)により帯電電圧が付与される。
感光体ドラム13の回転方向における帯電ローラ14の下流側には、印刷ヘッド16が配置される。印刷ヘッド16は、一様に帯電された感光体ドラム13の表面に光を照射して静電潜像を形成する装置である。印刷ヘッド16は、例えば、感光体ドラム13の回転軸の方向に配列された複数のLED(発光素子)を含むLEDヘッドである。印刷ヘッド16は、トップカバー70にヘッドホルダ17を介して保持されている。
現像部15は、感光体ドラム13に形成された静電潜像を現像剤Dにより現像して現像剤像を形成するものである。現像部15は、例えば、現像剤担持体としての現像ローラ15aと、供給部材としての供給ローラ15bと、現像剤規制部材としての現像ブレード15cを有する。
現像ローラ15aは、現像剤Dを感光体ドラム13の静電潜像に付着させる部材である。現像ローラ15aは、ここでは、感光体ドラム13の表面に接触するように配置され、感光体ドラム13と逆方向に回転する。また、現像ローラ15aには、現像電圧電源113(図17)により現像電圧が付与される。
供給ローラ15bは、現像剤Dを現像ローラ15aに供給させる部材である。供給ローラ15bは、ここでは、現像ローラ15aの表面に接触するように(または間隔を開けて対向するように)配置され、現像ローラ15aと同方向に回転する。また、供給ローラ15bには、供給電圧電源114(図17)により供給電圧が付与される。
現像ブレード15cは、現像ローラ15aの表面に一定の厚さの現像剤の層を形成する部材である。現像ブレード15cは、ここでは、長尺状の金属板を屈曲させたもので構成され、屈曲部が現像ブレード15cの表面に押し当てられている。
また、プロセスユニット11には、現像剤像の転写後に感光体ドラム13の表面に残留した現像剤を除去するクリーニングブレード等のクリーニング装置を備えてもよい。
図1に戻り、媒体供給部20は、印刷用紙等の媒体Pを供給する部分であり、図1の例では装置本体100の下部に配置されている。具体的には、媒体供給部20は、媒体Pを収容する媒体カセット21と、媒体カセット21から媒体Pを繰り出すピックアップローラ22と、繰り出された媒体Pを一枚ずつ分離して送り出すフィードローラ23およびリタードローラ24と、媒体カセット21内の媒体Pをピックアップローラ22に向けて押圧する載置板25とを有する。
媒体搬送部30は、媒体供給部20から送り出された媒体Pを画像形成部10に搬送する部分であり、図1の例では装置本体100の前面部に配置されている。具体的には、媒体搬送部30は、いずれも一対のローラであるレジストローラ31と搬送ローラ32とを有する。レジストローラ31は、フィードローラ23から送られてきた媒体Pを、斜行(スキュー)を矯正して搬送する。搬送ローラ32は、レジストローラ31から送られてきた媒体Pを、転写ユニット40に搬送する。
転写ユニット40は、画像形成部10で形成された現像剤像を媒体搬送部30からの媒体P上に転写する部分であり、図1の例では画像形成部10の下方に配置されている。転写ユニット40は、例えば、無端状の転写ベルト42と、この転写ベルト42が張架された駆動ローラ43および従動ローラ44と、転写ベルト42を介して各プロセスユニット11の感光体ドラム13に対向配置された4つの転写ローラ41とを有する。
駆動ローラ43は、ベルトモータ45(図17)によって回転し、転写ベルト42を走行させる。従動ローラ44は、ベルトモータ45に一定の張力を付与する。転写ベルト42は、表面に媒体Pを吸着保持して、プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cに沿って走行する。転写ローラ41は、転写電圧電源115(図17)により転写電圧を付与され、感光体ドラム13の現像剤像を転写ベルト42上の媒体Pに転写する。
定着装置50は、画像形成部10および転写ユニット40の媒体搬送方向下流に配置され、現像剤像を媒体Pに定着させる。具体的には、定着装置50は、定着ローラ51と、加圧ローラ52とを有する。定着ローラ51は、発熱体53(図17)を内蔵し、所定の定着温度に加熱される。加圧ローラ52は、定着ローラ51に押し当てられ、定着ニップを形成する。なお、加圧ローラ52の代わりに、加圧ベルト、加圧パッド等を適宜組み合わせて用いてもよい。
媒体排出部35は、定着装置50の媒体搬送方向下流に配置され、現像剤像が定着した媒体Pを搬送して排出する。具体的には、媒体排出部35は、媒体Pを装置外部の媒体スタッカ73に排出する排出ローラ36および排出ローラ37を有する。
図1において、各プロセスユニット11の感光体ドラム13の軸方向を、X方向とする。また、画像形成装置1のフロントカバー90に正対するユーザから見て左方向を+X方向とし、右方向を−X方向とする。
また、画像形成装置1の前後方向を、Y方向とする。より具体的には、フロントカバー90側(すなわち前方)を+Y方向とし、その反対側(すなわち後方)を−Y方向とする。なお、プロセスユニット11K,11Y,11M,11Cを通過する際の媒体Pの移動方向は、−Y方向となる。
また、X方向およびY方向を含む面(XY面)に直交する方向を、Z方向とする。ここでは、+Z方向は上方であり、−Z方向は下方である。なお、X方向、Y方向およびZ方向は、説明の便宜上のものであり、画像形成装置1の使用時の向きを限定するものではない。
図4は、画像形成装置1のフロントカバー90とトップカバー70とを共に開いた状態を示す斜視図である。図5(A),(B)は、画像形成装置1のフロントカバー90を開いた状態を互いに異なる方向から見た斜視図である。
装置本体100は、X方向の両端に位置する側面部105,106と、後方に位置する背面部(図示せず)とを有し、上方(+Z方向)および前方(+Y方向)は開放されている。
装置本体100の上方を覆うように、カバー(または第1のカバー)としてのトップカバー70が開閉可能に設けられている。また、装置本体100の前方を覆うように、第2のカバーとしてのフロントカバー90が開閉可能に設けられている。
トップカバー70は、装置本体100に設けられたX方向の支軸101を中心として、開位置(図4)と閉位置(図2)との間で回動可能に支持されている。支軸101は、装置本体100の後端部(−Y方向の端部)における上端部(+Z方向の端部)に配置されている。また、トップカバー70は、例えばトーションスプリングであるカバー付勢部103によって、開方向に回動するように付勢されている。
トップカバー70を開くと、装置本体100内の現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cが外部に露出する。これにより、現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cのそれぞれの着脱が可能になる。
フロントカバー90は、装置本体100に設けられたX方向の支軸102を中心として、開位置(図4)と閉位置(図2)との間で回動可能に支持されている。支軸102は、装置本体100の前端部(+Y方向の端部)における下端部(−Z方向の端部)に配置されている。フロントカバー90を開くと、媒体搬送部30における媒体Pの搬送路が開放され、また、後述するように現像剤カートリッジ12Kが外部に露出する。
フロントカバー90には、このフロントカバー90を閉位置でロックする図示しないロック機構が備えられている。ロック機構は、フロントカバー90が閉位置にある状態で装置本体100の所定箇所に係合する。フロントカバー90の側面には、フロントカバー90のロックを解除するロック解除ボタン92が設けられている。
また、フロントカバー90は、現像剤カートリッジ12K,12Y,12M,12Cのうち、特定の現像剤カートリッジ(ここでは現像剤カートリッジ12K)を覆っている。そのため、図5(A),(B)に示すように、トップカバー70を閉じた状態でフロントカバー90を開くと、現像剤カートリッジ12Kの着脱が可能になる。
ブラックの現像剤カートリッジ12Kは最も使用頻度が高いため、フロントカバー90を開くだけで現像剤カートリッジ12Kが着脱可能になることは利便性が高い。なお、特定のトナーカートリッジは、現像剤カートリッジ12Kに限定されるものではなく、他の現像剤カートリッジであってもよい。
なお、トップカバー70は、印刷ヘッド16K,16Y,16M,16Cを、それぞれヘッドホルダ17を介して保持する。各ヘッドホルダ17は、トップカバー70に回転支点17a(図3)で保持され、トップカバー70に対して規制された範囲内で回転が可能となっている。また、トップカバー70は、閉位置において各プロセスユニット11を固定し、開位置において各プロセスユニット11の固定状態を解除する機能も有する。
トップカバー70には、排出された媒体Pが載置される媒体載置部としての媒体スタッカ73が設けられている。フロントカバー90には、使用者が操作入力を行う操作部(キー、タッチパネル等)と、使用者のために装置の情報を表示する表示部(液晶表示部等)とを含む操作パネル91が設けられている。
<トップカバーをロックするための構成>
次に、トップカバー70をロックするための構成について説明する。図6は、トップカバー70を示す斜視図である。トップカバー70の前面部(+Y方向の端部)には、トップカバー70を閉位置でロックするレバー部材としてのロックレバー6が設けられている。
ロックレバー6は、例えば、繊維材料(炭素繊維、ガラス繊維等)で強化された樹脂で構成される。ロックレバー6は、トップカバー70の−X方向の第1の端部(第1の側)71から、+X方向の第2の端部(第2の側)72まで直線的に延在している。
図7は、ロックレバー6を示す斜視図である。ロックレバー6は、X方向に延在するシャフト60と、シャフト60の−X方向の端部63に設けられた第1のロック部61と、シャフト60の−X方向の端部64に設けられた第2のロック部62とを有する。
シャフト60の端部63,64は、X方向外側に向けて突出する互いに同軸の軸部63a,64aを有する。軸部63a,64aは、ロックレバー6の回動軸Cを規定する。回動軸Cは、X方向に平行である。
ロックレバー6は、第1のロック部61に対して回動軸Cと反対側に、レバー操作部65を有する。レバー操作部65は、ユーザによって指で押され、後述するようにトップカバー70のロックを解除するものである。
図8は、ロックレバー6の支持構造を説明するための図である。トップカバー70は、その内側に、支持体であるカバーフレーム74を有する。カバーフレーム74は、例えば、板金で構成される。なお、カバーフレーム74の周囲は樹脂製の外装板で覆われているが、図8では省略している。
カバーフレーム74は、そのX方向両端に側板部75,76を有する。側板部75,76には、ロックレバー6の軸部63a,64a(図7)に係合する軸穴がそれぞれ形成されている。これにより、ロックレバー6は、カバーフレーム74の側板部75,76の間で、回動軸Cを中心として回動可能に支持される。
ロックレバー6の回動方向については、第1のロック部61および第2のロック部62が−Y方向(後方)に移動する際の回動方向を、R1方向(第1の方向)とする。第1のロック部61および第2のロック部62が+Y方向(前方)に移動する際の回動方向を、R2方向(第2の方向)とする。
ロックレバー6のレバー操作部65とカバーフレーム74との間には、例えばコイルスプリングである付勢部材66が配置されている。付勢部材66は、レバー操作部65を+Y方向に付勢する。これにより、ロックレバー6は、R1方向に回動するように付勢される。
図9(A),(B)は、レバー操作部65の操作を説明するための模式図である。図9(A)に示すように、レバー操作部65は、トップカバー70の第1の端部71に配置されている。また、レバー操作部65は、付勢部材66(図8)に付勢されることにより、トップカバー70の前面部から+Y方向(前方)に突出している。
図9(B)に示すように、ユーザがレバー操作部65を矢印Fで示すように押し込むと、ロックレバー6は、付勢部材66の付勢力に抗して、回動軸Cを中心としてR2方向(図8)に回動する。これによりロックレバー6がR2方向に回動し、トップカバー70のロックが解除されるが、これについては後述する。
図10(A)は、装置本体100内に設けられた装置フレーム80を−X側から見た斜視図である。図10(B)は、装置フレーム80のフレーム部81の一部を拡大して示す図である。図11(A)は、装置フレーム80を+X側から見た斜視図である。図11(B)は、装置フレーム80のフレーム部82の一部を拡大して示す図である。
装置フレーム80は、−X方向端部に位置するサイドフレーム83(図10(A))と、+X方向端部に位置するサイドフレーム84(図10(B))とを有する。サイドフレーム83,84は、図示しない連結フレームによって互いに連結されている。なお、連結フレームは、媒体カセット21(図1)の上方で且つ画像形成部10の下方に配置されている。
図10(A)に示すように、サイドフレーム83の上端には、板状のフレーム部81が形成されている。フレーム部81は、ここでは前方(+Y方向)ほど高さが低くなるように傾斜しているが、水平であってもよい。
図10(B)は、フレーム部81の一部を拡大して示す図である。フレーム部81には、第1の穴部81aが形成されている。第1の穴部81aは、ここでは概ね矩形状であり、その後端縁(すなわち−Y方向の端縁)には、第1のロック部61(図7)に当接する第1の係合部81cが形成されている。第1の係合部81cは、例えば、フレーム部81の一部を切り欠いて折り返すことにより形成される。フレーム部81の表面を、フレーム面81bと称する。
また、図11(A)に示すように、サイドフレーム84の上端には、板状のフレーム部82が形成されている。フレーム部82は、ここでは前方(+Y方向)ほど高さが低くなるように傾斜しているが、水平であってもよい。
図11(B)は、フレーム部82の一部を拡大して示す図である。フレーム部82には、第2の穴部82aが形成されている。第2の穴部82aは、ここでは概ね矩形状であり、その後端縁(すなわち−Y方向の端縁)には、第2のロック部62(図7)に当接する第2の係合部82cが形成されている。第2の係合部82cは、例えば、フレーム部82の一部を切り欠いて折り返すことにより形成される。フレーム部82の表面を、フレーム面82bと称する。
なお、図10(B)に示したフレーム部81のフレーム面81bと、図11(B)に示したフレーム部82のフレーム面82bとは、互いに同一面上にある。
図12(A)は、第1のロック部61と第1の穴部81aとの係合状態を示す斜視図である。ロックレバー6の第1のロック部61の先端部は、フレーム部81の第1の穴部81aに挿入され、その後端縁である第1の係合部81cに当接する。
図12(B)は、第2のロック部62と第2の穴部82aとの係合状態を示す斜視図である。ロックレバー6の第2のロック部62の先端部は、フレーム部82の第2の穴部82aに挿入され、その後端縁である第2の係合部82cに当接する。
図13(A)は、第1のロック部61と第1の穴部81aとが係合した状態を示す断面図である。第1のロック部61は、回動軸C(図8)を中心とする径方向の先端部に、第1の接触面としての接触面61aを有する。この接触面61aは、フレーム部81のフレーム面81bに対して傾斜している。第1のロック部61は、また、この接触面61aの+Y方向(前方)に隣接して、接触面61aよりも傾斜角度の小さい接触面61bを有する。
第1のロック部61は、また、接触面61aよりも回動軸C(図8)側に、第1のフック部としてのフック部61cを有する。フック部61cは、フレーム部81の第1の係合部81cに当接する規制面61d,61eを有する。規制面61dは第1の係合部81cに−Y方向に当接し、規制面61eは第1の係合部81cに+Z方向に当接する。
第1のロック部61は、また、Y方向においてフック部61cとは反対の側に、凹形状部61fを有する。凹形状部61fは、第1のロック部61の動作時に第1の穴部81aの周囲に接触しない部分である。
図13(B)は、第2のロック部62と第2の穴部82aとが係合した状態を示す断面図である。第2のロック部62は、回動軸C(図8)を中心とする径方向の先端部に、第2の接触面としての接触面62aを有する。この接触面62aは、フレーム部82のフレーム面82bに対して傾斜している。第2のロック部62は、また、この接触面62aの+Y方向(前方)に隣接して、接触面62aよりも傾斜角度の小さい端面62bを有する。
第2のロック部62は、また、接触面62aよりも回動軸C(図8)側に、第2のフック部としてのフック部62cを有する。フック部62cは、フレーム部82の第2の係合部82cに当接する規制面62d,62eを有する。規制面62dは第2の係合部82cに−Y方向に当接し、規制面62eは第2の係合部82cに+Z方向に当接する。
第2のロック部62は、また、Y方向においてフック部62cとは反対の側に、凹形状部62fを有する。凹形状部62fは、第2のロック部62の動作時に第2の穴部82aの周囲に接触しない部分である。
図14は、第1のロック部61と第2のロック部62とを重ね合わせて示す模式図である。第1のロック部61および第2のロック部62は、接触面61a,62aのフレーム面81b,82bに対する傾斜角度が互いに異なっている。すなわち、第1のロック部61の接触面61aは、第2のロック部62の接触面62aよりも、フレーム面81b,82bに対する傾斜角度が大きい。
また、第1のロック部61の接触面61aの回動軸Cからの距離L1は、第2のロック部62の接触面62aの回動軸Cからの距離L2よりも長い。
<トップカバーのロック動作>
次に、トップカバー70を閉じて装置本体100に対してロックする動作について説明する。画像形成装置1は、トップカバー70を、第1の端部71(ユーザから見て右端)あるいは第2の端部72(ユーザから見て左端)だけを押しながら閉じた場合にはトップカバー70がロックされないように構成されている。以下、この点について説明する。
図15(A)〜(E)は、第1の端部71だけを押しながらトップカバー70を閉じた場合の第1のロック部61および第2のロック部62の動作を示す模式図である。図15(A)〜(C)は第1のロック部61の動作を示し、図15(D),(E)は第2のロック部62の動作を示す。
トップカバー70を閉方向に回動させると、トップカバー70に取り付けられたロックレバー6の第1のロック部61および第2のロック部62が下方(−Z方向)に移動する。そして、図15(A)に示すように第1のロック部61が第1の穴部81aに到達し、図15(D)に示すように第2のロック部62が第2の穴部82aに到達する。
このとき、図15(A)に示すように、第1のロック部61の接触面61aは、第1の穴部81aの後端縁の第1の係合部81cに当接する。また、図15(D)に示すように、第2のロック部62の接触面62aは、第2の穴部82aの後端縁の第2の係合部82cに当接する。
トップカバー70をさらに閉方向に回動させると、図15(B)に示すように、第1のロック部61はさらに下方に移動し、接触面61aが第1の係合部81cに当接する。第1のロック部61の接触面61aと、フレーム部81のフレーム面81bとのなす角度を、θ1とする。
また、図15(E)に示すように、第2のロック部62は、接触面62aを第2の係合部82cに当接させた状態で下方に移動する。第2のロック部62の接触面62aと、フレーム部82のフレーム面82bとのなす角度を、θ2とする。角度θ2は、角度θ1よりも小さい。
第1のロック部61は、ユーザが力を加えているトップカバー70の第1の端部71の下方(−Z方向)に位置するため、強い下向きの力が作用する。そのため、トップカバー70が閉位置に到達すると、図15(C)に示すように、第1のロック部61は第1の係合部81cを乗り越えて、第1の穴部81aに挿入される。
一方、第2のロック部62は、トップカバー70の第1の端部71から離れた第2の端部72の下方に位置するため、トップカバー70の撓み等により、第2のロック部62に作用する力は第1のロック部61に作用する力よりも弱くなる。また、第2のロック部62の接触面62aとフレーム面82bとの角度θ2は、第1のロック部61の接触面61aとフレーム面81bとの角度θ1よりも小さいため、第2のロック部62が第2の係合部82cを乗り越える際の抵抗は、第1のロック部61が第1の係合部81cを乗り越える際の抵抗よりも大きい。
そのため、トップカバー70が閉位置に到達しても、第2のロック部62は第2の係合部82cを乗り越えることができず、図15(E)に示した状態から下方に移動することができない。
トップカバー70が閉位置に到達すると、それ以上トップカバー70は閉方向に回動しないため、ユーザはトップカバー70から手を離す。トップカバー70はカバー付勢部103(図4)により開方向に付勢されている。また、第2のロック部62は第2の穴部82aに挿入されておらず、第1のロック部61は第1の穴部81aに挿入されているが第1の係合部81cに係合する状態(図13(A))に至っていない。そのため、ユーザが手を離すと、トップカバー70は開位置まで回動する(すなわちポップアップする)。
このように、ユーザがトップカバー70を第1の端部71だけを押しながら閉じた場合には、トップカバー70は閉位置から開位置に復帰する。
図16(A)〜(E)は、第2の端部72だけを押しながらトップカバー70を閉じた場合の第1のロック部61および第2のロック部62の動作を示す模式図である。図16(A),(B)は第1のロック部61の動作を示し、図16(C)〜(E)は第2のロック部62の動作を示す。
トップカバー70を閉方向に回動させると、トップカバー70に取り付けられたロックレバー6の第1のロック部61および第2のロック部62が下方(−Z方向)に移動する。そして、図16(A)に示すように第1のロック部61が第1の穴部81aに到達し、図16(C)に示すように第2のロック部62が第2の穴部82aに到達する。
このとき、図16(A)に示すように、第1のロック部61の接触面61aが、第1の穴部81aの後端縁の第1の係合部81cに当接する。また、図16(C)に示すように、第2のロック部62の接触面62aが、第2の穴部82aの後端縁の第2の係合部82cに当接する。
トップカバー70をさらに閉方向に回動させると、図16(B)に示すように、第1のロック部61はさらに下方に移動し、接触面61aが第1の係合部81cに当接する。第1のロック部61の接触面61aと、フレーム部81のフレーム面81bとのなす角度を、θ1とする。
また、図16(D)に示すように、第2のロック部62は、接触面62aを第2の係合部82cに当接させた状態で下方に移動する。第2のロック部62の接触面62aと、フレーム部82のフレーム面82bとのなす角度を、θ2とする。角度θ2は、角度θ1よりも小さい。
第2のロック部62は、ユーザが力を加えているトップカバー70の第2の端部72の下方(−Z方向)に位置するため、強い下向きの力が作用する。そのため、トップカバー70が閉位置に到達すると、図16(E)に示すように、第2のロック部62は第2の係合部82cを乗り越えて、第2の穴部82aに挿入される。
一方、第1のロック部61は、トップカバー70の第2の端部72から離れた第1の端部71の下方に位置するため、トップカバー70の撓み等により、第1のロック部61に作用する力は第2のロック部62に作用する力よりも弱くなる。
また、第1のロック部61は、付勢部材66(図8)から距離が近く、付勢部材66の付勢力は第1のロック部61に−Y方向(図8に示したR1方向に対応する方向)に作用する。そのため、角度θ1は角度θ2よりも大きいものの、付勢部材66の付勢力が加わることで、第1のロック部61が第1の係合部81cを乗り越える際の抵抗が増加する。
そのため、トップカバー70が閉位置に到達しても、第1のロック部61は第1の係合部81cを乗り越えることができず、図16(B)に示した状態から下方に移動することができない。
トップカバー70が閉位置に到達すると、それ以上トップカバー70は閉方向に回動しないため、ユーザはトップカバー70から手を離す。トップカバー70はカバー付勢部103(図4)により開方向に付勢されている。また、第1のロック部61は第1の穴部81aに挿入されておらず、第2のロック部62は第2の穴部82aに挿入されてはいるが第2の係合部82cに係合する状態(図13(B))には至っていない。そのため、ユーザが手を放すと、トップカバー70は開位置まで回動する(すなわちポップアップする)。
このように、ユーザがトップカバー70を第2の端部72だけを押しながら閉じた場合には、トップカバー70は閉位置から開位置に復帰する。
これに対し、ユーザがトップカバー70のX方向中央部(あるいは第1の端部71および第2の端部72の両方)を押しながらトップカバー70を閉じた場合には、第1のロック部61および第2のロック部62の両方に下向きの強い力が作用する。
そのため、第1のロック部61は、図15(A)〜(C)に示したように、第1の係合部81cを乗り越えることができ、第1の穴部81aに挿入される。また第2のロック部62は、図16(C)〜(E)に示したように、第2の係合部82cを乗り越えることができ、第2の穴部82aに挿入される。
第1のロック部61が第1の穴部81aに挿入され、第2のロック部62が第2の穴部82aに挿入されると(図15(C)、図16(E))、ロックレバー6は付勢部材66によりR1方向(図8)に付勢されているため、第1のロック部61および第2のロック部62が−Y方向に移動する。その結果、第1のロック部61のフック部61cが第1の係合部81cと係合し、第2のロック部62のフック部62cが第2の係合部82cと係合する(図13(A),(B))。これにより、トップカバー70は、装置本体100に対してロックされる。
また、トップカバー70を開くときには、ユーザは、レバー操作部65を−Y方向に押し込む。これにより、ロックレバー6が、付勢部材66の付勢力に抗してR2方向(図8)に回動する。これにより、第1のロック部61のフック部61cが、第1の係合部81cとの係合位置(図13(A))から外れ、第2のロック部62のフック部62cが、第2の係合部82cとの係合位置(図13(B))から外れる。その結果、トップカバー70は、カバー付勢部103(図4)の付勢力により、開位置まで回動する。
<画像形成装置の制御系>
次に、画像形成装置1の制御系について説明する。図17は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御装置110と、I/F(インタフェース)制御部122と、受信メモリ123と、画像データ編集メモリ124と、操作パネル91と、センサ群125とを有する。
画像形成装置1は、また、電源制御部111と、ヘッド制御部116と、駆動制御部117と、ベルト駆動制御部118と、定着制御部119と、定着駆動制御部120と、給紙搬送制御部121とを備える。
制御装置110は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート、タイマ等を有して構成されている。制御装置110は、上位装置からI/F制御部122を介して印刷データおよび制御コマンドを受信し、画像形成装置1の動作を制御する。
受信メモリ123は、上位装置からI/F制御部122を介して入力された印刷データを一時的に記憶する。画像データ編集メモリ124は、受信メモリ123に記憶した印刷データを受け取ると共に、その印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、すなわちイメージデータを記録する。
操作パネル91は、画像形成装置1の状態を表示するための表示部(例えばLED)および操作者が指示を入力するためのスイッチ等を備える。センサ群125は、画像形成装置1の動作状態を監視するための各種センサ、例えば、プロセスユニット11内のトナー残量を検知するトナー残量センサ、現像剤カートリッジ12内のトナー残量を検知するトナー残量センサ、媒体Pの搬送位置を検出する媒体位置センサを含む。
電源制御部111は、帯電電圧電源112、現像電圧電源113、供給電圧電源114、および転写電圧電源115を制御する。ヘッド制御部116は、画像データ編集メモリ124に記録されたイメージデータを印刷ヘッド16に送り、印刷ヘッド16の発光を制御する。
駆動制御部117は、各プロセスユニット11の感光体ドラム13を回転させる駆動モータ18を制御する。なお、帯電ローラ14は感光体ドラム13の回転に追従して回転し、現像ローラ15aおよび供給ローラ15bは感光体ドラム13からの回転伝達により回転する。ベルト駆動制御部118は、転写ベルト42を駆動するためのベルトモータ45を制御する。
定着制御部119は、温度調節回路を有し、定着装置50のサーミスタ54の出力信号に基づき、発熱体53に電流を供給する。定着駆動制御部120は、定着装置50の定着ローラ51(図1)を回転させる定着モータ55を制御する。なお、排出ローラ36は、定着モータ55からの回転伝達により回転する。
給紙搬送制御部121は、ピックアップローラ22、フィードローラ23およびリタードローラ24を回転させる給紙モータ26と、レジストローラ31および搬送ローラ32を回転させる搬送モータ33と、これらの動力伝達のための各クラッチを制御する。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置1による画像形成動作(印刷動作)について、図1および図17を参照して説明する。画像形成装置1の制御装置110は、上位装置からI/F制御部122を介して印刷コマンドと印刷データを受信すると、画像形成動作を開始する。制御装置110は、受信メモリ123に印刷データを一時的に記録し、記録した印刷データを編集処理してイメージデータを生成し、画像データ編集メモリ124に記録する。
制御装置110は、給紙搬送制御部121により給紙モータ26を駆動し、ピックアップローラ22、フィードローラ23およびリタードローラ24を回転させる。ピックアップローラ22は、媒体カセット21から媒体Pを繰り出し、フィードローラ23およびリタードローラ24は、繰り出された媒体Pを一枚ずつ分離して搬送路に送り出す。
また、制御装置110は、給紙搬送制御部121により搬送モータ33を駆動し、レジストローラ31および搬送ローラ32を回転させる。レジストローラ31は、媒体Pを斜行を矯正して搬送し、搬送ローラ32は、媒体Pを転写ユニット40まで搬送する。
制御装置110は、ベルト駆動制御部118によりベルトモータ45を駆動し、駆動ローラ43を回転させて転写ベルト42を走行させる。転写ベルト42は、媒体Pを吸着保持して搬送する。媒体Pは、プロセスユニット11K,11C,11M,11Yの順に通過する。
制御装置110は、各プロセスユニット11において、各色のトナー像の形成を行う。すなわち、制御装置110は、電源制御部111により、各プロセスユニット11の帯電ローラ14、現像ローラ15aおよび供給ローラ15bに、帯電電圧、現像電圧および供給電圧をそれぞれ印加する。
制御装置110は、また、駆動制御部117により駆動モータ18を回転させ、感光体ドラム13を回転させる。感光体ドラム13の回転に伴って、帯電ローラ14、現像ローラ15aおよび供給ローラ15bも回転する。帯電ローラ14は、感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる。
制御装置110は、さらに、各色のイメージデータに基づき、ヘッド制御部116により印刷ヘッド16を発光制御する。印刷ヘッド16は、感光体ドラム13の表面を露光し、静電潜像を形成する。
感光体ドラム13の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ15aに付着したトナーによって現像され、感光体ドラム13の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム13の回転によりトナー像が転写ベルト42の表面に接近すると、電源制御部111が転写ローラ41に転写電圧を印加する。これにより、感光体ドラム13に形成されたトナー像が、転写ベルト42上の媒体Pに転写される。
このように、各プロセスユニット11K,11C,11M,11Yで形成された各色のトナー像が媒体Pに順次転写され、重ね合わされる。各色のトナー像が転写された媒体Pは、転写ベルト42によってさらに搬送され、定着装置50に到達する。
定着装置50では、定着ローラ51が発熱体53によって定着温度まで加熱され、定着モータ55によって回転している。定着装置50に搬送された媒体Pは、定着ローラ51と加圧ローラ52との間で加熱および加圧され、トナー像が媒体Pに定着される。
トナー像が定着した媒体Pは、排出ローラ36,37により、画像形成装置1の外部に排出される。排出された媒体Pは、トップカバー70の媒体スタッカ73上に積載される。これにより、媒体Pへの画像形成動作が完了する。
上記の画像形成動作において、現像剤カートリッジ12Kの現像剤量が規定値を下回った場合には、制御装置110は、使用者に対して現像剤カートリッジ12Kの交換を促すメッセージを操作パネル91に表示する。
ユーザは、フロントカバー90のロック解除ボタン92を押してロック機構(図示せず)によるロックを解除し、フロントカバー90を手前に回動させることにより、図5(A)に示すようにフロントカバー90を開く。これにより、装置本体100内の現像剤カートリッジ12Kを交換することができる。現像剤カートリッジ12Kを交換したのち、フロントカバー90を閉じると、上記のロック機構によりフロントカバー90が装置本体100にロックされる。
また、現像剤カートリッジ12Y,12M,12Cのいずれかの現像剤量が規定値を下回った場合には、制御装置110は、使用者に対して当該現像剤カートリッジ12の交換を促すメッセージを操作パネル91に表示する。
ユーザは、まず、上記のようにフロントカバー90を開く。これにより、図5(A)に示すようにトップカバー70の前面部が開放され、レバー操作部65が操作可能になる。ユーザがレバー操作部65を後方(−Y方向)に押し込むと、ロックレバー6(図8)がR2方向に回動する。これにより、第1のロック部61および第2のロック部62が、第1の穴部81aおよび第2の穴部82aとの係合位置(図13(A),(B))から外れ、カバー付勢部103の付勢力によりトップカバー70が開位置まで回動する。この状態で、交換が必要な現像剤カートリッジ12を交換することができる。
現像剤カートリッジ12の交換後、ユーザは、トップカバー70のX方向中央部(または第1の端部71および第2の端部72の両方)を押しながら、トップカバー70を閉じる。ユーザがトップカバー70に加えた力は、第1のロック部61および第2のロック部62(図8)に均等に伝わり、第1のロック部61および第2のロック部62が第1の係合部81cおよび第2の係合部82cを乗り越えて、第1の穴部81aおよび第2の穴部82aに挿入される。ロックレバー6は、付勢部材66によりR1方向(図8)に付勢されているため、第1のロック部61のフック部61cおよび第2のロック部62のフック部62cが第1の係合部81cおよび第2の係合部82cにそれぞれ係合する(図13(A),(B))。これにより、トップカバー70が装置本体100にロックされる。
また、ユーザが、第1の端部71だけを押しながらトップカバー70を閉じた場合には、図15(A)〜(E)を参照して説明したように、第1のロック部61には下向きの強い力が作用するが、第2のロック部62に作用する下向きの力が弱くなる。そのため、第1のロック部61は第1の係合部81cを乗り越えて第1の穴部81aに挿入されるが、(フレーム面82bとのなす角度θ2の小さい)第2のロック部62は第2の係合部82cを乗り越えられず、第2の穴部82aには挿入されない。その結果、ユーザがトップカバー70から手を離すと、トップカバー70は、カバー付勢部103の付勢力によって開位置に回動する。
また、ユーザが、第2の端部72だけを押しながらトップカバー70を閉じた場合には、図16(A)〜(E)を参照して説明したように、第2のロック部62には下向きの強い力が作用するが、第1のロック部61に作用する下向きの力が弱くなる。そのため、第2のロック部62は第2の係合部82cを乗り越えて第2の穴部82aに挿入されるが、(フレーム面81bとのなす角度θ1は大きいが、付勢部材66の付勢力による抵抗を受ける)第1のロック部61は第1の係合部81cを乗り越えられず、第1の穴部81aには挿入されない。その結果、ユーザがトップカバー70から手を離すと、トップカバー70は、カバー付勢部103の付勢力によって開位置に回動する。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、この実施の形態の画像形成装置1は、装置本体100と、装置本体100に支軸101を中心として開閉可能に設けられ、支軸101の方向に第1の端部71(第1の側)と第2の端部72(第2の側)とを有するトップカバー70とを備える。装置本体100は、第1の穴部81aと第2の穴部82aとを有するフレーム部81,82を備える。トップカバー70は、第1の端部71に第1のロック部61を有し、第2の端部72に第2のロック部62を有し、回動軸Cを中心として回動可能なロックレバー6を有する。また、トップカバー70には、ロックレバー6を各ロック部61,62が各穴部81a,82aに係合する方向(R1方向)に付勢する付勢部材66が配置されている。トップカバー70の第1の端部71および第2の端部72の中央部が押されると、第1のロック部61が第1の穴部81aに係合すると共に、第2のロック部62が第2の穴部82aに係合する。トップカバー70の第1の端部71だけが押されると、第2のロック部62がフレーム部82に当接して第2の穴部82aに係合せず、トップカバー70の第2の端部72だけが押されると、第1のロック部61がフレーム部81に当接して第1の穴部81aに係合しない。
このように、トップカバー70の第1の端部71側だけ、あるいは第2の端部72側だけが押された場合には、第1のロック部61が第1の穴部81aに係合しないか、あるいは第2のロック部62が第2の穴部82aに係合しない。そのため、ユーザは、トップカバー70がロックされていないことを認識することができ、改めてトップカバー70を閉じ直すことができる。これにより、トップカバー70のロックが不完全であることに起因する部品の干渉等を防止することができる。
また、第1のロック部61の接触面61aとフレーム面81bとの角度θ1が、第2のロック部62の接触面62aとフレーム面82bとの角度θ2よりも大きく(θ1>θ2)、且つ、第1のロック部61と同じ側に付勢部材66が設けられている。そのため、トップカバー70の第1の端部71だけが押された場合には第2のロック部62が第2の穴部82aに係合せず、トップカバー70の第2の端部72だけが押された場合には第1のロック部61が第1の穴部81aに係合しない動作を実現することができる。
また、接触面61aの回動軸Cからの距離L1が、接触面62aの回動軸Cからの距離L2よりも大きいため、上記のθ1>θ2の作用に加えて、第2のロック部62が第2の係合部82cを乗り越える際の抵抗が大きくなる。また、第1のロック部61と同じ側に配置された付勢部材66の付勢力により、第1のロック部61が第1の穴部81aの第1の係合部81cを乗り越える際の抵抗が大きくなる。そのため、トップカバー70の第1の端部71だけが押された場合には第2のロック部62が第2の穴部82aに係合せず、トップカバー70の第2の端部72だけが押された場合には第1のロック部61が第1の穴部81aに係合しない動作を実現することができる。
また、第1のロック部61は、接触面61aよりも回動軸Cに近い側にフック部61cを有し、第2のロック部62は、接触面62aよりも回動軸Cに近い側にフック部62cを有する。そのため、接触面61aが第1の係合部81cを乗り越えるとフック部61cが第1の係合部81cに係合し、接触面62aが第2の係合部82cを乗り越えるとフック部62cが第2の係合部82cに係合する。これにより、トップカバー70をより確実にロックすることができる。
また、トップカバー70は、カバー付勢部103によって開位置に向けて付勢されている。そのため、第1のロック部61が第1の穴部81aに係合しない場合、あるいは第2のロック部62が第2の穴部82aに係合しない場合には、カバー付勢部103の付勢力によってトップカバー70が開位置まで回動(ポップアップ)する。これにより、ユーザは、トップカバー70のロックが行われなかったことを容易に認識することができる。
また、トップカバー70の支軸101と、ロックレバー6の回動軸Cとが、互いに平行であるため、ロックレバー6の第1のロック部61および第2のロック部62により、トップカバー70を安定した状態でロックすることができる。
また、ロックレバー6がレバー操作部65を備えるため、ユーザがレバー操作部65を操作することで、第1のロック部61を第1の穴部81aとの係合位置から抜け出させ、第2のロック部62を第2の穴部82aとの係合位置から抜け出させることができる。
また、ロックレバー6が、シャフト60の長手方向の一端に第1のロック部61とレバー操作部65とを有し、他端に第2のロック部62を有し、付勢部材66がレバー操作部65を付勢している。そのため、簡単な構成で、トップカバー70の第1の端部71だけが押された場合には第2のロック部62が第2の穴部82aに係合せず、トップカバー70の第2の端部72だけが押された場合には第1のロック部61が第1の穴部81aに係合しない動作を実現することができる。
なお、上記の実施の形態では、第1の穴部81aと第2の穴部82aとが同一形状を有し、ロックレバー6の第1のロック部61と第2のロック部62とが互いに異なる形状を有していたが、このような構成には限定されない。すなわち、ロックレバー6の第1のロック部61と第2のロック部62とが互いに同一形状を有し、第1の穴部81aと第2の穴部82aとが互いに異なる形状を有していてもよい。
また、上記の実施の形態では、トップカバー70の第1の端部71およびロックレバー6の第1のロック部61(並びにレバー操作部65および付勢部材66)が−X方向の端部すなわちユーザから見て右側に配置され、トップカバー70の第2の端部72およびロックレバー6の第2のロック部62が+X方向の端部すなわちユーザから見て左側に配置されていたが、左右逆に配置されていてもよい。
また、トップカバー70の第1の端部71および第2の端部72は、厳密に端部である必要はなく、X方向の中央領域に対して第1の側(例えば−X方向)および第2の側(例えば+X方向)に寄っていればよい。
また、上記の実施の形態では、画像形成装置1にトップカバー70およびフロントカバー90の両方を設けていたが、フロントカバー90を設けない構成も可能である。
また、上記の実施の形態では、トップカバー70をロックするための構成について説明したが、トップカバー70に限らず、他のカバー(例えばフロントカバー90)のロックに適用してもよい。
また、本発明は、電子写真方式を利用して媒体に画像を形成する画像形成装置(例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ、複合機等)に利用することができる。