JP2020118363A - 塗工装置用乾燥装置 - Google Patents

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和夫 西澤
Kazuo Nishizawa
和夫 西澤
智康 早川
Tomoyasu Hayakawa
智康 早川
山田 直也
Naoya Yamada
直也 山田
雄介 永井
Yusuke Nagai
雄介 永井
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Abstract

【課題】カールの発生を防止して良好な乾燥処理を行うことができる塗工装置用乾燥装置を提供することを目的とする。【解決手段】支承ローラ2により支承搬送される基材Fの幅方向端部の下方にコアンダノズル部4aを有するカール防止手段4を配設し、このカール防止手段4のコアンダノズル部4aからの送風により生じるコアンダ効果で基材Fの幅方向端部を下方側に引き寄せてこの基材Fの幅方向端部が上方にカールすることを防止する。【選択図】図4

Description

本発明は、塗工装置により上面に塗工膜が塗工形成されたフィルム状の基材を、熱風が送出される乾燥室内を搬送通過させてこの基材の上面に塗工形成された塗工膜を乾燥する塗工装置用乾燥装置に関するものである。
リチウムイオン電池の電極フィルムは、アルミや銅箔等の基材上に電極膜を塗布、乾燥して形成される。
従来、このリチウムイオン電池の電極フィルム形成において、基材上に塗布された電極膜を乾燥する際、電極膜中の結着剤(電極膜を基材に接着させる物質)の収縮により基材の端部(幅方向の端部の塗工膜が形成されていない非塗工部)が上方にカールする(持ち上がる)現象が生じ、この基材端部がカールした状態で基材がロールに巻き取られることで、基材に折れが生じたり電極膜の端部にひび割れが生じる等の不具合が生じていた。
そこで、従来は、この基材端部がカールすることを抑制するため、電極膜を薄くして収縮力を抑えたり、基材の厚さを厚くして剛性を高めたり、或いは乾燥速度を低下させてゆっくりと乾燥を行い急激な応力差が生じることを抑えてカールの発生を抑える等の対策が成されていた。
しかしながら、上述したような従来のカール対策は、大幅な製造条件の変更を伴うため容易に行うことができず、また、コスト増や生産性の低下等の新たな問題も生じてしまうため実用的な対策とは言いがたいものであった。
本発明は、このような現状に鑑みなされたものであり、大幅な製造条件の変更を必要とせず、また、コスト増や生産性の低下等の新たな問題を生じることなく、カールの発生を防止して良好な乾燥処理を行うことができる従来に無い画期的な塗工装置用乾燥装置を提供することを目的とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
塗工装置20により上面に塗工液が塗工されこの塗工装置20から送出される塗工済みのフィルム状の基材Fを搬送通過させる乾燥室1内に、前記基材Fを支承搬送する複数の支承ローラ2と、この複数の支承ローラ2により支承搬送される前記基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aを乾燥させる乾燥手段3とを備える塗工装置用乾燥装置において、上面に塗工膜Aが塗工形成され前記支承ローラ2により支承搬送される乾燥途次の前記基材Fの幅方向端部が上方にカールすることを防止するカール防止手段4を備え、このカール防止手段4は、コアンダノズル部4aを備え、このコアンダノズル部4aが前記基材Fの幅方向外側を向くようにして前記支承ローラ2間で且つ前記支承ローラ2により支承搬送される前記基材Fの下側に設けられ、前記コアンダノズル部4aからの送風により生じるコアンダ効果で前記基材Fの幅方向端部を下方側に引き寄せてこの前記基材Fの幅方向端部が上方にカールすることを防止するように構成されていることを特徴とする塗工装置用乾燥装置に係るものである。
また、前記支承ローラ2間に一対の前記カール防止手段4が夫々のコアンダノズル部4aを外方に向けて背向状態に設けられ、一方の前記カール防止手段4は前記基材Fの幅方向右側端部の下方に設けられ、他方の前記カール防止手段4は前記基材Fの幅方向左側端部の下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の塗工装置用乾燥装置に係るものである。
また、前記乾燥手段3は、コアンダノズル部3aを備え、前記支承ローラ2により支承搬送される前記基材Fの下側に設けられ、このコアンダノズル部3aから送出される熱風により生じるコアンダ効果で前記支承ローラ2により支承搬送される前記基材Fを下方側に引き寄せると共に、前記熱風により前記基材Fを下面側から加熱して、前記基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aを乾燥するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の塗工装置用乾燥装置に係るものである。
また、前記支承ローラ2間に一対の前記乾燥手段3が対向状態に設けられ、この一対の前記乾燥手段3間に前記カール防止手段4が設けられていることを特徴とする請求項3記載の塗工装置用乾燥装置に係るものである。
また、前記カール防止手段4は、前記基材Fの幅方向に移動自在に設けられ前記基材Fの幅寸法に応じて位置を自在に調整することができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工装置用乾燥装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、大幅な製造条件の変更を必要とせず、また、コスト増や生産性の低下等の新たな問題を生じることなく、カールの発生を防止して良好な乾燥処理を行うことができる従来に無い画期的な塗工装置用乾燥装置となる。
本実施例を示す概略構成説明図である。 本実施例の塗工装置用乾燥装置の要部を示す説明正断面図である。 本実施例の塗工装置用乾燥装置の要部を示す説明平断面図である。 本実施例のカール防止手段を示す説明側断面図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
支承ローラ2に支承搬送される基材Fの幅方向端部の下方において、カール防止手段4のコアンダノズル部4aから風を送出すると、このカール防止手段4のコアンダノズル部4aからの送風により基材Fの幅方向端部の下方でコアンダ効果が生じ、これにより、基材Fの幅方向端部を下方側に引き寄せる吸引作用が生じ、この吸引作用と塗工膜A(電極膜)の収縮による上方側への引っ張り作用が相互に打ち消しあって基材Fの幅方向端部がカールすることが防止される。
このように、本発明は、搬送される基材Fの幅方向端部の下方にコアンダノズル部4aを有するカール防止手段4を配設するだけの簡易な構成で、大幅な製造条件の変更を必要とせず、また、コスト増や生産性の低下等の新たな問題を生じることなく、カールの発生を防止して良好な乾燥処理を行うことができる従来に無い画期的な塗工装置用乾燥装置となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、本発明の塗工装置用乾燥装置10が組み込まれた薄膜塗工乾燥装置に関するものであり、図1に示すように、塗工液が塗工される前のフィルム状の基材Fが巻き出される基材巻き出し部30と、この基材巻き出し部30から巻き出された基材Fの上面(表面)に塗工液を塗工する塗工装置20と、この塗工装置20に連設され塗工装置20から送出される基材Fの上面に塗工装置20により塗工形成された塗工膜Aを乾燥する塗工装置用乾燥装置10と、この塗工装置用乾燥装置10から送出された基材Fを巻き取り回収する基材巻き取り回収部40とを備える構成とされている。
尚、本実施例は、図1に示すように、三体の塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cを連設した構成であるが、塗工装置用乾燥装置10の設置数は適宜変更可能なものとする。
以下、本実施例に係る主構成部について詳述する。
塗工装置20は、基材巻き出し部30から送出される基材Fに塗工液と塗工する塗工ノズル部21と、この塗工ノズル部21と対向状態に配置されこの塗工ノズル部21でから吐出される塗工液が塗工される基材Fを支持する支持ローラ22と、この支持ローラ22の前後位置に配置される搬送支持ローラ23とを備え、基材巻き出し部30から引き出したフィルム状の基材Fを塗工ノズル部21と対向する支持ローラ22及び搬送支持ローラ23により搬送しながら(送り移動させながら)、塗工ノズル部21から塗工液を吐出して、支持ローラ22により支持されている基材Fの上面(表面)に塗工膜A(電極膜)を塗工形成するように構成されている。
また、各塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cは、前述した塗工装置20の搬送方向下流側に連設され、塗工装置20により塗工処理を終えたフィルム状の基材Fを搬送通過させ、この基材Fの上面(表面)に塗工形成された塗工膜Aを乾燥するように構成されている。
具体的には、本実施例の塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cは、夫々、塗工装置20により上面に塗工膜Aが塗工形成されこの塗工装置20から送出されるフィルム状の基材Fを搬送通過させる乾燥室1内を備え、この乾燥室1には、基材Fを支承搬送する複数の支承ローラ2と、この複数の支承ローラ2により支承搬送される基材Fの下側に設けられこの基材Fの下方側から基材Fを加熱し基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aを乾燥する乾燥手段3と、基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aから蒸発生成される溶剤蒸気を風出排除するための風出部5とが設けられている。
また、乾燥処理の後段側に位置する二段目、三段目の二体の塗工装置用乾燥装置10b,10cの乾燥室1には、更に基材Fの端部が上方にカールすること(上方に反り返るように持ち上げられること)を防止するカール防止手段4が設けられている。
即ち、基材Fは一段目の塗工装置用乾燥装置10aに導入される段階では塗工膜A(電極膜)中に溶剤が残っているため塗工膜Aの収縮がおきずカールが生じないため一段目の塗工装置用乾燥装置10aでは基材Fのカールを防止するためのカール防止手段4が不要であり、カールが生じ得る二段目、三段目の塗工装置用乾燥装置10b,10cにのみ、カール防止手段4が設けられている。
本実施例の塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cについて、更に具体的に説明すると、各塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cの乾燥室1は、夫々、横長箱形に形成される上部開口型の乾燥室本体部1aと、この乾燥室本体部1aの上部開口部を開閉自在に閉塞する乾燥室蓋部1bとからなり、基材Fの搬送方向上流側に基材Fが搬送導入される搬送導入口6が設けられ、搬送方向下流側に基材Fが搬送導出される搬送導出口7が設けられている。
また、この乾燥室1(乾燥室本体部1a)の底部側には、熱風供給部(図示省略)から供給される熱風を後述する乾燥手段3及びカール防止手段4へ導入する下側熱風導入部8と、これら乾燥手段3及びカール防止手段4から送出された熱風を乾燥室1の外に排出するための熱風排出部(図示省略)とが設けられ、また、上部側(乾燥室蓋部1b)には、熱風供給部から供給される熱風を後述する風出部5へ導入する上側熱風導入部9が設けられている。
具体的には、下側熱風導入部8は、乾燥室本体部1aの幅方向(基材Fの搬送方向と直交する方向)の中央部にこの乾燥室本体部1aの長手方向(基材Fの搬送方向)に向かって延設され、乾燥手段3及びカール防止手段4が連通状態で設けられている。
より具体的には、本実施例の塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cは、熱風供給部の下流側に風量調整機構11が設けられており、この風量調整機構11を介して下側熱風導入部8及び上側熱風導入部9の夫々に所定量の熱風が供給されるように構成されている。
また、熱風排出部は、前述の下側熱風導入部8の両側に基材Fの搬送方向に沿って延設され、上部側に乾燥室1内と連通する複数の排気用連通孔が設けられており、この排気用連通孔を通じて乾燥室1内の熱風等をこの熱風排出部内に導入し下部側に突設された熱風排出口部12から熱風を外部に排出するように構成されている。
また、支承ローラ2は、この乾燥室1の乾燥室本体部1a側に複数設けられており、各支承ローラ2は夫々、乾燥室本体部1aの幅方向に架設され、長手方向(基材Fの搬送方向)に所定の間隔をおいて並設され、モータ等の回転駆動手段により回転自在に設けられている。
また、乾燥手段3は、コアンダノズル部3aを備え、支承ローラ2により支承搬送される基材Fの下側に設けられ、このコアンダノズル部3aから送出される熱風により基材Fを下面側から加熱して、基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aを乾燥すると共に、このコアンダノズル部3aから送出される熱風により生じるコアンダ効果で支承ローラ2により支承搬送される基材Fを下方側に引き寄せ、基材Fの下側から熱風を基材Fに向かって送出しても基材Fの支承ローラ2からの浮き上がりが防止され、基材Fが安定的に搬送されるように構成されている。
また、本実施例においては、図示するように、乾燥室1内に並設される二体の支承ローラ2間に二体の乾燥手段3が配設され、この二体の乾燥手段3は、相互に熱風を送出するコアンダノズル部3aの熱風送出方向が対向する対向状態で設けられ、更に、夫々の後方に位置する支承ローラ2に近接状態で設けられている。
即ち、本実施例の塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cは夫々、この二体の支承ローラ2間に対向状態に設けられた一対の乾燥手段3の一方の乾燥手段3から送出される熱風に対して、他方の乾燥手段3から送出される熱風を衝突させることで、相互に一方の乾燥手段3から送出され他方の乾燥手段3の背後に在る支承ローラ2に向かって流動する熱風の風量を低減して、各支承ローラ2と基材Fとの境界部への熱風の吹き込みを低減し、この熱風の吹き込みによる基材Fの支承ローラ2からの浮き上がりを抑制して、乾燥手段3から送出される熱風の風量を上げても、基材Fが浮き上がらず支承ローラ2に対する密着性が保持され、支承ローラ2による安定的な支承搬送が維持されるように構成されている。
また、本実施例の乾燥手段3は、熱風を斜め上方向に向かって送出するコアンダノズル部3aと、このコアンダノズル部3aから送出される熱風の流動方向を誘導するガイド板3bとを備え、コアンダノズル部3aは、角度変更可能に構成され、乾燥処理条件等に応じて適宜な角度で熱風を送出し得るように構成されており、また、ガイド板3bは、コアンダノズル部3aの先端部に連設される水平ガイド部と、この水平ガイド部の終端部に下り傾斜状態に連設され熱風の流動を下方側へ誘導する下り傾斜ガイド部とからなる構成とされている。
具体的には、本実施例のガイド板3bは、水平ガイド部と下り傾斜ガイド部との連設部辺りから下り傾斜ガイド部の前半部分にかけての形状が緩やかに上方に凸となる弧状(例えば飛行機の翼のような流線形を呈する形状)に形成され、熱風がこのガイド板3b上をスムーズに流動し得るように構成されている。
また、ガイド板3bは、表面に加熱により赤外線を放射する赤外線放射皮膜、具体的には、フッ素及び炭素を主成分とし、更にアルミニウム成分を含有し、120℃以上に加熱されると3〜6μm付近の中波長赤外線を強く放射する黒体とほぼ同程度の赤外線放射性能を有する赤外線放射皮膜がコーティングされており、このガイド板3bにコーティングされた赤外線放射皮膜がコアンダノズル部3aから送出される熱風により加熱されることで赤外線を放射し、この赤外線で基材Fを加熱するように構成されている。
即ち、本実施例の乾燥手段3は、上述したコアンダノズル部3aから高温(例えば120〜150℃程度)の熱風を所定の風速(例えば10m/s以上の風速)で送出して、コアンダ効果によりこのコアンダノズル部3aから送出した熱風をガイド板3bに沿って流動させることで、このガイド板3bの上方で搬送される基材Fを下方に引き寄せ、基材Fの支承ローラ2からの浮き上がりを防止しながら、この基材Fを下方側(基材Fの裏面側)から加熱して上面に塗工形成された塗工膜Aを乾燥すると共に、コアンダノズル部3aから送出される熱風でガイド板3bの赤外線放射皮膜から赤外線を放射させ、この赤外線放射皮膜から放射される赤外線と乾燥手段3から送出される熱風との二種類の加熱手段で基材Fを加熱することで、熱風のみの場合に比べてより高い乾燥性能を発揮するように構成されている。
また、風出部5は、乾燥室1の乾燥室蓋部1b側の複数個所に設けられ、乾燥手段3から送出される熱風とほぼ同温度の熱風を下方側(基材F側)に向けて送出して、この送出する熱風により基材Fに塗工形成された塗工膜Aから蒸発生成される溶剤蒸気(雰囲気)を基材上から排除するように構成されている。
具体的には、本実施例の風出部5は、前方(基材Fの搬送方向)に向かって下り傾斜状態に設けられた熱風送出ノズル5aを有し、この熱風送出ノズル5aから送出される熱風が支承ローラ2に向かって送出されるように、各支承ローラ2の略真上に設けられている。
また、塗工装置用乾燥装置10b,10cに設けられるカール防止手段4は、コアンダノズル部4aを備え、このコアンダノズル部4aが前記基材Fの幅方向外側を向くようにして前記支承ローラ2間で且つこの支承ローラ2により支承搬送される基材Fの下側に設けられ、コアンダノズル部4aからの送風により生じるコアンダ効果で基材Fの幅方向端部を下方側に引き寄せてこの基材Fの幅方向端部が上方にカールすることを防止するように構成されている。
具体的には、本実施例のカール防止手段4は、その基本構造は前述した乾燥手段3を略同様の構造になっており、熱風を斜め上方向に向かって送出するコアンダノズル部4aと、このコアンダノズル部4aから送出される熱風の流動方向を誘導するガイド板4bとを備え、コアンダノズル部4aから乾燥手段3と共通に供給される熱風を送出して、コアンダ効果によりこのコアンダノズル部4aから送出した熱風をガイド板4bに沿って流動させることで、このガイド板4bの上方に位置する基材Fの端部側を下方に引き寄せ、この基材Fの端部がカールすることを防止するように構成されている。
より具体的には、本実施例のカール防止手段4は、ガイド板4bの長さが乾燥手段3に設けられているガイド板3bの約1/2の長さに設定され、また、カール防止手段4の幅寸法(コアンダノズル部4a及びガイド板4bの幅寸法)は、基材Fの端部に対してできるだけ広範囲に均等に引き寄せ力が作用するように、乾燥手段3の対向間隔内で可及的に長い長さに設定されている。
更に具体的には、本実施例の塗工装置用乾燥装置10b,10cは、図示するように、支承ローラ2間に対向状態に設けられた一対の乾燥手段3の間に、一対のカール防止手段4が支承搬送される基材Fの幅方向両端部(左右両側)の略真下に夫々のコアンダノズル部4aを外方に向けた背向状態で設けられ、基材Fの両端部に対してカールが生じることを防止するように構成されている。
また、本実施例のカール防止手段4は、基材Fの搬送方向と直交する基材幅方向に移動自在に設けられており、搬送される基材Fの幅寸法に応じて位置を調整し得るように構成されている。
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
本実施例は、塗工装置用乾燥装置10a,10b,10cにおいて、各支承ローラ2間にコアンダノズル部3aを有する一対の乾燥手段3が対向状態に設けられているから、夫々から送出される熱風に対して、夫々対向する乾燥手段3から送出される熱風が衝突して、対向する乾燥手段3の背後に在る支承ローラ2に向かって流動する熱風の風量が低減され、これにより、乾燥手段3から送出される熱風の風量を上げても、基材Fと支承ローラ2との境界部に吹き込む熱風の風量が可及的に低減され、熱風の吹き込みによる基材Fの支承ローラ2からの浮き上がりが生じず、基材Fと支承ローラ2との密着性が保持され、基材Fが安定的に支承搬送され良好な乾燥処理を行うことができる。
また、乾燥室1の上側に基材Fに塗工形成された塗工膜Aから蒸発生成される溶剤蒸気を風出排除するための風出部5が設けられているから、基材Fから蒸発した溶剤蒸気が基材F上に滞留せず風出部5から送出される熱風と共に乾燥室1の外部に排出排除され、乾燥室1内の溶剤蒸気が飽和状態になることが防止されて良好な乾燥環境が維持され、しかも、この風出部5から送出される熱風は、支承ローラ2に向かって送出されるように設定されているから、基材Fがこの風出部5から送出される熱風でバタつくなどの不具合が生じず、更に、この風出部5から送出される熱風の熱風排出部へ向かう流動が、基材Fの上面に塗工形成された塗工膜Aを間接的に乾燥すると共に、基材Fの浮き上がりを抑制することとなり、より一層基材Fが安定的に支承搬送され良好な乾燥処理が行われることとなる。
更に、本実施例は、乾燥手段3に設けられたガイド板3bの表面に加熱により赤外線を放射する赤外線放射皮膜がコーティングされているから、コアンダノズル部3aから送出される熱風によりこの赤外線放射皮膜が加熱され基材Fに向かって赤外線が放射され、この赤外線による加熱作用が加わり、より乾燥性能が向上し、乾燥処理時間を短縮することができ、スループットを向上させることができ、しかも、本実施例は、この赤外線放射皮膜としてフッ素樹脂系皮膜がコーティングされているから、ガイド板4bの表面が滑らかになり、汚れが付着した際も容易にクリーニングすることができる。
また、本実施例は、塗工装置用乾燥装置10b,10cにおいて、各支承ローラ2間に対向状態に設けた一対の乾燥手段3の間に一対のカール防止手段4が基材Fの幅方向に背向状態に設けられているから、夫々のコアンダノズル部4aから送出される熱風により基材Fの端部が下方に引き寄せられ、このカール防止手段4による吸引作用により基材Fの端部がカールすることが防止され、基材Fが基材巻き取り回収部40に巻き取られる際に、基材Fの折れや塗工膜Aのひび割れが防止され、高品質な電極フィルムを製造することができる。
このように、本実施例は、大幅な製造条件の変更を必要とせず、また、コスト増や生産性の低下等の新たな問題を生じることなく、カールの発生を防止して良好な乾燥処理を行う塗工装置用乾燥装置を具備する従来に無い画期的な薄膜塗工乾燥装置となる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 乾燥室
2 支承ローラ
3 乾燥手段
3a コアンダノズル部
4 カール防止手段
4a コアンダノズル部
20 塗工装置
A 塗工膜
F 基材

Claims (5)

  1. 塗工装置により上面に塗工液が塗工されこの塗工装置から送出される塗工済みのフィルム状の基材を搬送通過させる乾燥室内に、前記基材を支承搬送する複数の支承ローラと、この複数の支承ローラにより支承搬送される前記基材の上面に塗工形成された塗工膜を乾燥させる乾燥手段とを備える塗工装置用乾燥装置において、上面に塗工膜が塗工形成され前記支承ローラにより支承搬送される乾燥途次の前記基材の幅方向端部が上方にカールすることを防止するカール防止手段を備え、このカール防止手段は、コアンダノズル部を備え、このコアンダノズル部が前記基材の幅方向外側を向くようにして前記支承ローラ間で且つ前記支承ローラにより支承搬送される前記基材の下側に設けられ、前記コアンダノズル部からの送風により生じるコアンダ効果で前記基材の幅方向端部を下方側に引き寄せてこの前記基材の幅方向端部が上方にカールすることを防止するように構成されていることを特徴とする塗工装置用乾燥装置。
  2. 前記支承ローラ間に一対の前記カール防止手段が夫々のコアンダノズル部を外方に向けて背向状態に設けられ、一方の前記カール防止手段は前記基材の幅方向右側端部の下方に設けられ、他方の前記カール防止手段は前記基材の幅方向左側端部の下方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の塗工装置用乾燥装置。
  3. 前記乾燥手段は、コアンダノズル部を備え、前記支承ローラにより支承搬送される前記基材の下側に設けられ、このコアンダノズル部から送出される熱風により生じるコアンダ効果で前記支承ローラにより支承搬送される前記基材を下方側に引き寄せると共に、前記熱風により前記基材を下面側から加熱して、前記基材の上面に塗工形成された塗工膜を乾燥するように構成されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の塗工装置用乾燥装置。
  4. 前記支承ローラ間に一対の前記乾燥手段が対向状態に設けられ、この一対の前記乾燥手段間に前記カール防止手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の塗工装置用乾燥装置。
  5. 前記カール防止手段は、前記基材の幅方向に移動自在に設けられ前記基材の幅寸法に応じて位置を自在に調整することができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工装置用乾燥装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023243391A1 (ja) * 2022-06-13 2023-12-21 日東電工株式会社 フィルムの製造システム、および、フィルムの製造方法

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