JP2020118320A - 流下式製氷機 - Google Patents

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Abstract

【課題】「多重製氷」に起因する不具合の発生を防止しつつ、製氷作業を効率的に行うことができる流下式製氷機を提供する。【解決手段】流下式製氷機は、製氷板12から貯氷室32に移動する氷塊Sを検知する氷検知スイッチSWを備える。制御装置50zは、氷検知スイッチSWによる除氷運転中の検知の有無を該除氷運転の終了時に判定する第1判定処理と、第1判定処理で検知なしの判定結果となった連続回数を計数する計数処理と、計数処理での計数値が2以上の特定回数に達しているか否かを判定する第2判定処理とを実行し、第1判定処理における検知ありの判定結果と第2判定処理での特定回数に達していないとする判定結果とに応じて製氷運転に移行させ、第2判定処理での特定回数に達しているとの判定結果に応じて運転停止状態に移行させる。【選択図】図3

Description

本発明は、製氷板に氷塊を生成する製氷運転および該製氷板から氷塊を離脱させる除氷運転を交互に連続的に実行可能であり、かつ除氷運転中の状況に応じて製氷運転へ移行するか否かを決定し得る流下式製氷機に関するものである。
氷塊を連続的に製造する自動製氷機として、縦向きの製氷板の製氷面(表面)に製氷水を流下させて氷塊を生成する流下式製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房において好適に使用されている。以下、流下式製氷機の構成を簡単に説明する。
図10に示す流下式製氷機Mは、縦向きに配置した製氷板12の裏面に沿って蛇行状の蒸発管14を配設した製氷ユニットUを備えている。製氷ユニットUの下方には、水を貯留するタンク16が配設されており、このタンク16は上下方向に延在する移送路17によって製氷板12上部の散水部18と接続されている。移送路17にはポンプモータPMが設けられており、このポンプモータPMの駆動によってタンク16内の貯留水が移送路17内を順次移動し、移送路17から散水部18を通じて製氷板12の製氷面に散布される。そして、製氷板12を蒸発管14との熱交換により冷却しつつ、ポンプモータPMを駆動して製氷板12の製氷面に水(製氷水)を散布すること(「製氷運転」を行うこと)で、製氷板12の製氷面に所定サイズの氷塊Sを生成する。なお、製氷板12の製氷面を流下した水は、タンク16に帰還して再び製氷に用いられる。また、水道系と製氷ユニットUとを繋ぐ給水管29の給出口(図示せず)が蒸発管14の上方に位置しており、この給水管29の管路を開閉する給水バルブWVが当該給水管29に設けられている。給水バルブWVの開放によって給水管29から供給される水は、製氷板12の裏側を流下してタンク16に貯留される。
流下式製氷機Mには、製氷ユニットUやタンク16を収容する製氷室30が機内上部に画成され、この製氷室30の下方(機内下部)には、生成された氷塊Sを貯留する貯氷室32が画成されている。貯氷室32は、シュート部34によって製氷室30と連通している。また、製氷室30の側方には、圧縮機22、凝縮器24、膨張弁26等を収容する機械室36が画成されている。なお、圧縮機22、凝縮器24および膨張弁26と、前述の蒸発管14とは、冷媒配管によって環状に接続されており、冷媒が循環する冷凍系20を構成している。
冷凍系20には、圧縮機22の吐出側および蒸発管14の吸入側を繋ぐホットガス管28と、このホットガス管28の管路を開閉するホットガス弁28aとが設けられている。そして、ホットガス弁28aの開放によりホットガスを蒸発管14に供給しつつ、給水バルブWVを開放して製氷板12の裏側に水(除氷水)を流下させる(「除氷運転」を行う)ことで、製氷板12の製氷面に生成された氷塊Sの製氷板12に対する凍結を解除し、これにより氷塊Sを製氷板12の製氷面から離脱させて貯氷室32に貯留する。なお、図10中の符号19は、製氷板12から離脱して落下した氷塊Sを貯氷室32に滑落案内する案内部材である。この案内部材19は、製氷ユニットUから流下してきた水を下方へ通過させてタンク16内へ流入させる。
ここで、流下式製氷機Mの制御装置50は、前記冷凍系20を制御して製氷運転と除氷運転とを交互に繰り返すが、除氷運転中に製氷板12から氷塊Sが離脱せず、氷塊Sが製氷板12に付着したまま次の製氷運転が行われる所謂「多重製氷」が発生し得る。この「多重製氷」によって氷塊Sのサイズが過度に大きくなると、製氷室30内(製氷板12と案内部材19との間)での氷塊Sの残留(氷塊Sの放出不良)や、氷塊Sの重みによる製氷板12の変形等の不具合が生じ得る。このような「多重製氷」に起因する上記不具合の発生を防ぐためには、特許文献1のように、製氷板12から離脱して貯氷室32に移動する氷塊Sをシュート部34に設けた氷検知スイッチSW(図10参照)によって検知し、除氷運転中の氷検知スイッチSWによる検知回数(氷塊Sの落下回数)が予め定めた基準カウント回数と比較して少ない場合に、製氷板12に氷塊Sが残存していると判断して運転停止状態とする(製氷運転へ移行させない)ことが考えられる。なお、氷検知スイッチSWは、氷塊Sとの接触により揺動する揺動プレート38が検出部を押圧することで検知状態(ON)となるものであり、常態では非検知状態(OFF)となる(図10では、揺動プレート38の揺動位置を実線で示し、揺動プレート38の常態位置を二点鎖線で示している)。
特開2011−237080号公報
前述のように除氷運転中の氷塊Sの落下回数と基準カウント回数との比較により製氷運転に移行させるか否かを決定する流下式製氷機Mにおいては、その機種毎の性能に合わせて基準カウント回数が設定されている。しかしながら、例え同種の流下式製氷機Mであっても、機械の個体差によって製氷運転時に生成される氷塊Sの大きさにばらつきが生じる。そして、氷塊Sのサイズが大きい流下式製氷機Mでは、除氷運転時に複数の氷塊Sが連結した状態で製氷板12から離脱する等して、氷塊Sの生成サイズが小さい機械よりも氷検知スイッチSWによる検知回数(氷塊Sの落下回数)が少なくなる傾向にある。このため、多重製氷に起因する前記不具合が生じる虞がない場合にも、除氷運転の終了後に運転停止状態へと移行する可能性がある。
また、製氷板12を複数備えるようにした流下式製氷機Mにおいては、蒸発管14が長くなり、この蒸発管14の入口側に対応する製氷板12と出口側に対応する製氷板12との間で氷塊Sの成長スピードに差異が生じる。この場合、蒸発管14の入口側に対応する製氷板12では、他の製氷板12よりも氷塊Sの成長スピードが速くなり「多重製氷」となり易い。ここで、効率的な製氷を行うためには、複数のうち一部の製氷板12で「多重製氷」が生じていても、その段階で前記不具合に発展する可能性が小さければ、直ちに運転停止状態に移行させないことが望ましい。しかしながら、単に氷塊Sの最大生成個数に合わせて基準カウント回数を定めていると、除氷運転中の氷検知スイッチSWによる検知回数が基準カウント回数より少なくなって頻繁に運転停止状態へと移行することになる。
この他、電源投入直後(稼働開始直後)に行う最初の除氷運転では、製氷板12に氷塊Sが存在しないため、氷検知スイッチSWによる検知回数は「0」となる。従って、当該最初の除氷運転の終了時に他の除氷運転と同様の制御を行う場合、前記不具合が生じる虞がないにも関わらず運転停止状態へと移行してしまう。
すなわち、前述のように除氷運転中の氷塊Sの落下回数を予め定めた基準カウント回数と比較して製氷運転に移行させるか否かを決定する制御方法においては、基準カウント回数として適切な値を設定し得ず、不適切なタイミングで頻繁に運転停止状態に移行してしまい、氷塊Sを効率的に生成できない虞がある。
本発明は、従来の流下式製氷機に内在する前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、「多重製氷」に起因する不具合の発生を防止しつつ、製氷作業を効率的に行い得る流下式製氷機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る流下式製氷機は、
縦向き配置された製氷板と、該製氷板の裏面に配設された蒸発管と、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置と、氷塊を貯留する貯氷室と、前記製氷板から離脱して前記貯氷室に移動する氷塊を検知する氷検知手段とを備えた流下式製氷機において、
前記制御装置は、
前記氷検知手段による除氷運転中の検知の有無を該除氷運転の終了時に判定する第1判定処理と、前記第1判定処理で検知なしの判定結果となった連続回数を計数する計数処理と、前記計数処理での計数値が2以上の特定回数に達しているか否かを判定する第2判定処理とを実行すると共に、
前記第1判定処理における検知ありの判定結果と前記第2判定処理での前記特定回数に達していないとする判定結果とに応じて製氷運転に移行させ、該第2判定処理での前記特定回数に達しているとの判定結果に応じて製氷待機状態に移行させるようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、連続複数回(2以上の特定回数)の除氷運転において除氷運転中の氷検知スイッチによる検知がなかった場合に限り、製氷待機状態(例えば、運転停止状態や、再度の除氷運転を行う状態等)に移行させるので、除氷運転中の製氷板からの氷塊の落下回数にばらつきがあったとしても、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態は避けられる。また、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時にも、確実に製氷運転に移行させることができる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項2の発明に係る流下式製氷機は、
縦向き配置された製氷板と、該製氷板の裏面に配設された蒸発管と、水を貯留するタンクと、前記タンク内の貯留水を前記製氷板の製氷面に供給するポンプモータと、水道系に繋がる給水管と、該給水管を開閉する給水バルブと、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置とを備え、前記ポンプモータの駆動に応じて前記タンクから前記製氷板側への水の循環供給がなされ、また前記給水バルブの開放時に前記給水管からの水が前記製氷板の裏側を介して前記タンクに流入するよう構成された流下式製氷機において、
前記蒸発管の出口側に温度センサが配設され、
前記制御装置は、
除氷運転中における前記タンクへの給水終了時点から遅延時間を計測する計時処理と、前記遅延時間の計測中に前記ポンプモータを駆動する駆動処理と、前記遅延時間の計測終了に応じて除氷運転を終了させる除氷終了処理とを実行すると共に、
前記遅延時間の計測中における時間経過に応じた前記温度センサの検知温度の温度変化傾向を該遅延時間の計測終了時に判定する傾向判定処理を実行して、該傾向判定処理により把握される前記温度変化傾向が上昇傾向であれば製氷運転に移行させる一方、該温度変化傾向が下降傾向であれば製氷待機状態に移行させるようにしたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、遅延期間の終了時に、遅延期間中の時間経過に応じた温度センサの検知温度の温度変化傾向が下降傾向であったと判定した場合に限り、製氷待機状態(例えば、運転停止状態や、再度の除氷運転等)に移行させるので、除氷運転中の製氷板からの氷塊の落下回数にばらつきがあったとしても、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態は避けられる。また、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時にも、確実に製氷運転に移行させることができる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項3の発明に係る流下式製氷機は、
縦向き配置された製氷板と、該製氷板の裏面に配設された蒸発管と、水を貯留するタンクと、前記タンク内の貯留水を移送路から前記製氷板の製氷面に供給するポンプモータと、水道系に繋がる給水管と、該給水管を開閉する給水バルブと、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置とを備え、前記ポンプモータの駆動に応じて前記タンクから前記製氷板側への水の循環供給がなされ、また前記給水バルブの開放時に前記給水管からの水が前記製氷板の裏側を介して前記タンクに流入するよう構成された流下式製氷機において、
前記給水管に第1の温度センサが配設されると共に、前記移送路に第2の温度センサが配設され、
前記制御装置は、
除氷運転中における前記タンクへの給水終了時点から遅延時間を計測する計時処理と、前記遅延時間の計測中に前記ポンプモータを駆動する駆動処理と、前記遅延時間の計測終了に応じて除氷運転を終了させる除氷終了処理とを実行すると共に、
前記遅延時間の計測終了時における前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサの各検知温度の温度差を特定する温度差判定処理を実行して、該温度差判定処理により特定される前記温度差が規定値より小さい値であれば製氷運転に移行させる一方、該温度差が前記規定値以上の値であれば製氷待機状態に移行させるようにしたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、遅延期間の終了時における第1の温度センサおよび第2の温度センサの各検知温度の温度差が規定値以上の値であったと判定した場合に限り、製氷待機状態(例えば、運転停止状態や、再度の除氷運転等)に移行させるので、除氷運転中の製氷板からの氷塊の落下回数にばらつきがあったとしても、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態は避けられる。また、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時にも、確実に製氷運転に移行させることができる。
本発明に係る流下式製氷機によれば、「多重製氷」に起因する不具合の発生を防止しつつ、製氷作業を効率的に行うことができる。
(a)は、第1〜第3実施例に係る流下式製氷機の概略構成図であり、(b)は、タンクおよび移送路が接続する箇所の内部構造を示す要部拡大図である。 第1実施例の制御装置により実行される除氷運転時の制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施例の制御装置により実行される移行処理(図2のステップS107)の具体的な制御内容を示すフローチャートである。 第2実施例の制御装置により実行される除氷運転時の制御の流れを示すフローチャートである。 第2実施例の制御装置により実行される移行処理(図4のステップS307)の具体的な制御内容を示すフローチャートである。 除氷運転開始後における時間経過に応じた第1サーミスタによる検知温度の温度変化を示す説明図である。 第3実施例の各制御装置により実行される除氷運転時の制御の流れを示すフローチャートである。 第3実施例の制御装置により実行される移行処理(図7のステップS506)の具体的な制御内容を示すフローチャートである。 除氷運転開始後における時間経過に応じた第2サーミスタおよび第3サーミスタによる各検知温度の温度変化を示す説明図である。 従来の流下式製氷機の概略構成図である。
次に、本発明に係る流下式製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、第1実施例〜第3実施例に係る流下式製氷機M1〜M3について、前述した従来の流下式製氷機Mと対応する部材・部位には、従来の流下式製氷機Mと共通の名称を用い、かつ同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(第1実施例)
図1(a)に示すように、第1実施例に係る流下式製氷機M1には、製氷室30と貯氷室32とを連通するシュート部34に、製氷板12から貯氷室32に移動する氷塊Sを検知する氷検知スイッチ(氷検知手段)SWが配設されている。なお、この氷検知スイッチSWが検知状態となるのは製氷板12から落下する氷塊Sとの接触時だけでなく、貯氷室32内が満氷状態となってシュート部34内まで積み上がった氷塊Sに押されることによっても氷検知スイッチSWが検知状態となる。このため、流下式製氷機M1の制御装置50xは、氷検知スイッチSWが検知状態となる時間(検知継続時間)が予め定めた時間以内であった場合に、氷塊Sの落下による検知状態と判定する一方、検知継続時間が予め定めた時間より長い場合には、貯氷室32内が満氷状態となったことによる検知状態と判定するように設定されている。但し、以下の説明では、検知継続時間の判定に関する内容が含まれていない(説明を省略している)ので、氷検知スイッチSWによる「検知」は何れも、氷塊Sの落下による検知を指している。
流下式製氷機M1には、図1(a)に示すように、蒸発管14の出口側に第1サーミスタ(温度センサ)61が配設されている。製氷運転の終了後、除氷運転を開始すると、蒸発管14にはホットガスが流通し、また給水管29からタンク16に供給される水が製氷板12の裏側を経由するので、蒸発管14の外面に氷結している氷が融ける。そして、蒸発管14の外面の氷が減少していくのに従って、当該蒸発管14の温度が徐々に上昇する。これに対し、制御装置50xは、除氷運転中、第1サーミスタ61の温度上昇を監視し、当該第1サーミスタ61の検知温度が所定温度に達したことを契機として除氷運転を終了するように構成されている。但し、第1実施例では、制御装置50xの制御により、第1サーミスタ61の検知温度が所定温度に達してから予め定めた遅延時間の間、蒸発管14へのホットガスの供給を継続するようにしている。そして、制御装置50xは、遅延時間の計測開始と同時に給水管29からの給水(除氷水の供給)を停止し、遅延時間が計測されている間(以下「節水除氷期間」という)にタンク16内の貯留水を除氷水に用いて除氷運転を行うように構成されている。
なお、流下式製氷機M1には、蒸発管14の出口側に配設された前記第1サーミスタ61以外に、複数のサーミスタ62,63が配設されている。具体的には、給水管29における給出口と給水バルブWVとの間に第2サーミスタ62が配設されている(図1(a)参照)と共に、移送路17におけるタンク16内に臨む位置に第3サーミスタが配設されている(図1(b)参照)。なお、第1実施例では、第2サーミスタ62および第3サーミスタ63に関する制御内容について詳細な説明を省略する。
ここで、制御装置50xは、値が「0」および「1」に変化するフラグを備えており、除氷運転中に氷検知スイッチSWが氷塊Sを検知したことに応じてフラグの値を「0」から「1」に変化させるように構成されている。そして、制御装置50xは、除氷運転の開始から終了までの間に氷検知スイッチSWによる検知が生じたか否かを、除氷運転の終了時におけるフラグの値に応じて判定するように構成されている(後述するステップS201)。
また、制御装置50xは、除氷運転の終了時にフラグの値を「0」と判定した連続回数(氷検知スイッチSWによる検知が一度も生じない状態で終了した除氷運転の連続実行回数)をカウントするカウンタを備えている。そして、制御装置50xは、カウンタによるカウント数が特定カウント数に達したことに応じて、連続(製氷運転を挟んで連続)する特定回数の除氷運転の夫々で氷検知スイッチSWによる検知が生じなかったこと(すなわち多重製氷が生じている可能性の高い状態)を判別するように構成されている(後述するステップS205)。
更に、制御装置50xは、除氷運転の終了時の前記カウンタによるカウント数が特定カウント数に達した場合に製氷運転への移行を中止し、運転停止状態(製氷待機状態)に移行させるように構成されている(後述するステップS207)。
次に、第1実施例に係る流下式製氷機M1の制御装置50xによって実行される除氷運転時の具体的な制御の流れを、図2および図3を参照して説明する。
制御装置50xは、電源投入の直後または製氷運転の終了後に、除氷運転に移行する。図2に示すように、除氷運転の開始時には、ホットガス弁28aを開放してホットガスを蒸発管14に供給すると共に、給水バルブWVを開放して給水管29からの水(除氷水)を製氷板12の裏側に流下させる(ステップS101)。そして、フラグを初期値である「0」にセットする(ステップS102)。なおフラグは、除氷運転中において最初に氷検知スイッチSWによる検知が生じた時点で「1」に設定され(後述するステップS108,S109)、その後は、氷検知スイッチSWによる検知が生じたか否かに関わらず除氷運転の終了まで「1」に維持される。
除氷運転中、制御装置50xは、蒸発管14の出口に配設された第1サーミスタ61(図1(a)参照)の温度上昇を監視し、所定温度に達したか否かを判定する(ステップS103)。第1サーミスタ61の検知温度が所定温度となった場合には、給水バルブWVを閉鎖して給水管29からの給水(除氷水の供給)を停止させる一方、ポンプモータPMを駆動してタンク16から製氷板12側への水(除氷水)の循環供給を開始する(ステップS104、駆動処理)。なおこの時(ステップS104)、制御装置50xは、遅延タイマによる遅延時間の計測(計時処理)を開始する。そして、遅延タイマによる遅延時間の計測終了タイミングとなったことを判定(ステップS105)すると、ホットガス弁28aを閉鎖して、蒸発管14へのホットガスの供給を停止すると共に、ポンプモータPMの駆動を停止することで、除氷運転を終了する(ステップS106)。
すなわち、遅延タイマによる遅延時間の計測開始タイミングは、節水除氷期間の開始タイミングに対応しており、遅延タイマによる遅延時間の計測終了タイミングは、節水除氷期間の終了タイミングに対応している。そして、節水除氷期間の終了(除氷運転の終了)に伴い、制御装置50xは、製氷運転に移行するか否かを決定するための移行処理(ステップS107)を実行する。この移行処理については後述する(図3参照)。
ここで、制御装置50xは、除氷運転中(節水除氷期間を含む)において常に、氷検知スイッチSWが検知状態となっているか否かを判定する検知状態判定処理を実行している(ステップS108)。そして、この検知状態判定処理で氷検知スイッチSWによる氷塊Sの検知状態を判定すると、前述したフラグの状態を「0」から「1」に変更(ステップS109)し、その時点が遅延タイマによる遅延時間の計測開始前であるか計測中であるかを判定(ステップS110)して、遅延時間の計測開始前であれば前述のステップS103に移行する一方、遅延時間の計測中であれば前述のステップS105に移行する。なお、フラグの値「1」は、除氷運転の開始から終了までの期間に氷検知スイッチSWによる検知(製氷板12からの氷塊Sの離脱)が少なくとも1回生じたことを示し、フラグの値「0」は、除氷運転の開始から終了までの期間に氷検知スイッチSWによる検知が一度も生じていないことを示す。
制御装置50xは、除氷運転の終了時に実行する移行処理(図2のステップS107)において、図3に示すように、フラグが「1」であるか否かに基づいて、除氷運転中(除氷運転の開始から終了までの間)の氷検知スイッチSWによる検知の有無を判定する(ステップS201、第1判定処理)。そして、制御装置50xは、第1判定処理においてフラグが「1」(氷検知スイッチSWによる検知あり)と判定した場合には、前述したカウンタをリセット(カウント数を「0」に変更)して(ステップS202、計数処理)、製氷運転に移行する(ステップS203)。一方、第1判定処理(ステップS201)においてフラグが「0」(氷検知スイッチSWによる検知なし)と判定した場合、カウンタによるカウント数に「1」を加算(ステップS204)した上で、当該カウンタによるカウント数が特定カウント数(第1実施例では「3」としている)に達しているか否かを判定する(ステップS205、第2判定処理)。
制御装置50xは、前記第2判定処理(ステップS205)においてカウント数が特定カウント数に達していないと判定した場合、カウンタによるカウント数を維持しつつ、製氷運転に移行する(ステップS203)。一方で、第2判定処理(ステップS205)においてカウント数が特定カウント数に達していると判定した場合に、カウンタをリセット(カウント数を「0」に変更、ステップS206)した上で、製氷運転とは異なる製氷待機状態としての運転停止状態に移行する(ステップS207)。この運転停止状態では、図示しない表示画面において、多重製氷が生じている可能性が高い状態(異常状態)であることを示すエラー表示を行う。
(第1実施例の作用)
前述の如く構成される第1実施例の流下式製氷機M1は、製氷運転および除氷運転を交互に繰り返すように制御可能であり、除氷運転の終了時の移行処理(ステップS107)において、当該除氷運転中どのような状況であったかに応じて、製氷運転へ移行するか否かを決定し得る。この移行処理に関して、制御装置50xは、氷検知スイッチ(氷検知手段)SWによる除氷運転中の検知の有無を判定する第1判定処理(ステップS201)を実行し、また、第1判定処理での検知なしの判定結果に応じてカウンタのカウント数を加算し(ステップS204)、第1判定処理での検知ありの判定結果に応じてカウンタをリセットする(ステップS202)ことで、第1判定処理で検知なしの判定結果となった連続回数を計数する計数処理(ステップS202,S204)を実行する。更に、制御装置50xは、カウンタのカウント数が特定カウント数である「3回」(2以上の特定回数)に達しているか否かを判定する第2判定処理(ステップS205)を実行する。そして、第1判定処理における検知ありの判定結果(ステップS201で肯定)と第2判定処理での特定カウント数に達していないとの判定結果(ステップS205で否定)に応じて製氷運転に移行させる一方、該第2判定処理での特定カウント数に達しているとの判定結果(ステップS205で肯定)に応じて運転停止状態(製氷待機状態)に移行させる。すなわち、除氷運転中の氷検知スイッチSWによる検知の有無を基準として運転停止状態に移行させるか否かを決定するので、氷検知スイッチSWによる検知回数との比較対象としての基準カウント回数の値を設定することなく、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態を避けることができる。また、氷検知スイッチSWによる検知のなかった除氷運転が特定回数連続した場合に限り、運転停止状態とすることで、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時において確実に、製氷運転へと移行させることができる。
(第2実施例)
次に、第2実施例に係る流下式製氷機M2について説明する。なお、第2実施例に係る流下式製氷機M2の概略構成は、前述した第1実施例の流下式製氷機M1の概略構成(図1参照)と共通している。このため、第2実施例に関しては、第1実施例との相違点である制御装置50yの制御内容について主に説明する。
なお、第2実施例の制御装置50yは、第1実施例の制御装置50xと同様、除氷運転の終盤に、ポンプモータPMの駆動処理によりタンク16内の貯留水を除氷水として循環させる節水除氷期間を制御するよう構成されている(図4のステップS304,S305,S306の処理)。しかしながら、第2実施例の制御装置50yは、第1実施例の制御装置50xによる制御内容(氷検知スイッチSWによる検知のなかった除氷運転が特定回数連続した場合に製氷運転に移行させない)とは別の、第1サーミスタ(温度センサ)61の検知温度に基づく制御内容(図4のステップS307,308,S309の処理)によって、多重製氷に起因する不具合を防止している。
ここで先ず、図6を参照し、除氷運転の開始後における第1サーミスタ61の検知温度の温度変化について説明する。図6中において、実線Aおよび二点鎖線Bは、第1サーミスタ61による検知温度の温度変化の一例を示している。このうち実線Aは、節水除氷期間が開始される前に全ての氷塊Sが製氷板12から離脱した場合の温度変化(以下「正常時温度変化A」という)であり、二点鎖線Bは、節水除氷期間が終了(除氷運転が終了)するまで全ての氷塊Sが製氷板12から離脱しない状態が継続された場合の温度変化(以下「異常時温度変化B」という)である。また、符号a1および符号b1は、節水除氷期間の開始時点(遅延時間の計測開始時点)を示しており、符号a2および符号b2は、節水除氷期間の終了時点(遅延時間の計測終了時点)を示している。なお、座標軸のX軸方向は、除氷運転の開始時点からの経過時間、Y軸方向は、第1サーミスタ61による検知温度である。
第1サーミスタ61の正常時温度変化Aは、除氷運転の開始時点から徐々に温度上昇して、所定温度となって節水除氷期間が開始(符号a1)されると、水道系からの除氷水の供給状態がタンク16からの低温の除氷水の供給状態に変化するため、一旦は温度低下するが、蒸発管14へのホットガスの供給は継続しており、製氷板12の製氷面に氷塊Sが存在していない状態で循環供給されるタンク16内の水温が上昇するため、節水除氷期間が終了(除氷運転が終了)する(符号a2)までに温度変化が「上昇傾向」に転じるものである。これに対し、第1サーミスタ61の異常時温度変化Bでは、製氷板12に残存する氷塊Sの影響により、節水除氷期間において第1サーミスタ61による検知温度は上昇に転じず、節水除氷期間(符号b1から符号b2まで)における温度変化が「下降傾向」のままとなる。なお、節水除氷期間(符号b1から符号b2まで)の途中(符号bx)で製氷板12から氷塊Sが離脱した場合には、図6中に一点鎖線Cで示すように、氷塊Sが離脱した時点(符号bx)からの第1サーミスタ61の温度変化が「上昇傾向」となる(これを以下「正常時温度変化C」という)。
以上のように、節水除氷期間の終了時点で氷塊Sが製氷板12に残存している場合と残存していない場合とでは、第1サーミスタ61の検知温度における時間経過に応じた温度変化傾向に違いが生じる。これに対し、第2実施例に係る流下式製氷機M2は、節水除氷期間中おける時間経過に応じた第1サーミスタ61の温度変化傾向を判定し、その判定結果に基づいて製氷運転に移行するか否かを決定するようにしている。
ここで、制御装置50yは、節水除氷期間中おける所定の時間間隔毎(例えば1秒経過毎)の第1サーミスタ61の検知温度を記憶する記憶手段と、前記所定の時間間隔を計測する間隔計測手段とを備えている。そして、制御装置50yは、除氷運転終了時に記憶手段に記憶されている検知温度データ(節水除氷期間中の所定の時間間隔毎の第1サーミスタ61の検知温度)に基づいて、第1サーミスタ61による検知温度の温度変化傾向が「上昇傾向」(図6に示す正常時温度変化A,Cの態様)であるか「下降傾向」(図6に示す異常時温度変化Bの態様)であるかを特定(判定)する傾向特定手段(後述するステップS401,S402)としての機能を有している。
また、制御装置50yは、前記検知温度データに基づいて特定した温度変化傾向が「下降傾向」であった場合に製氷運転への移行を中止して再び除氷運転を実行する製氷待機状態移行手段(後述するステップS404)としての機能を有している。
次に、第2実施例に係る流下式製氷機M2の制御装置50yによって実行される除氷運転時の具体的な制御の流れを、図4および図5を参照して説明する。但し、図4のステップS301〜S306の各処理については、第1実施例で説明した制御装置50xの制御内容(図2のステップS101〜S106)と共通であるため詳細な説明を省略する。
図4に示すように、制御装置50yは、遅延タイマによる計測(計時処理)を開始(ステップS304)してから遅延タイマの計測終了タイミングであると判定するまで(ステップS305が肯定となるまで)の期間である節水除氷期間において、前述した間隔計測手段による計測に基づいて、所定の時間間隔に対応するタイミング(例えば、節水除氷期間における1秒経過毎のタイミング)であるか否かを判定する(ステップS308)。そして、節水除氷期間における所定の時間間隔に対応するタイミングであれば、その時点での第1サーミスタ61の検知温度を温度検知データとして前述した記憶手段に記憶する(ステップS309)。一方、所定の時間間隔に対応するタイミングでなければ、その時点では第1サーミスタ61の検知温度を記憶手段に記憶しないようにする。これにより、記憶手段には、節水除氷期間中における所定の時間間隔毎の第1サーミスタ61の検知温度に対応する複数の温度検知データが、その時系列と対応付けて複数記憶される。
遅延タイマによる計測が終了(ステップS305の判定で肯定)したことに応じて除氷運転(節水除氷期間)を終了する場合(ステップS306)、制御装置50yは、製氷運転に移行するか否かを決定するための移行処理(ステップS307)を実行する。
移行処理(ステップS307)において制御装置50yは、図5に示すように、節水除氷期間中に記憶手段に記憶した複数の温度検知データを読み出すと共に、読み出した複数の温度検知データに基づいて節水除氷期間中の時間経過に応じた第1サーミスタ61の検知温度の温度変化傾向を、「上昇傾向」または「下降傾向」として特定する(ステップS401)。そして、制御装置50yは、ステップS401で特定した温度変化傾向が「上昇傾向」および「下降傾向」の何れであったかを判定する(ステップS402、傾向判定処理)。
制御装置50yは、前記傾向判定処理(ステップS402)において「上昇傾向」と判定した場合、製氷運転に移行する(ステップS403)。一方で、傾向判定処理(ステップS402)において「下降傾向」と判定した場合、製氷運転とは異なる製氷待機状態に移行する(ステップS404)。なお、第2実施例では、ステップS404で移行させる製氷待機状態として、除氷運転(節水除氷期間)が設定されている。
(第2実施例の作用)
前述の如く構成される第2実施例の流下式製氷機M2は、製氷運転および除氷運転を交互に繰り返すように制御可能であり、除氷運転の終了時の移行処理(ステップS307)において、当該除氷運転中どのような状況であったかに応じて、製氷運転へ移行するか否かを決定し得る。この移行処理に関して、制御装置50yは、節水除氷期間中(遅延時間の計測中)における時間経過に応じた第1サーミスタ(温度センサ)61の検知温度の温度変化傾向を該遅延時間の計測終了時に判定する傾向判定処理(ステップS402)を実行する。そして、傾向判定処理により把握される温度変化傾向が「上昇傾向」であれば製氷運転に移行させる(ステップ403)一方、傾向判定処理により把握される温度変化傾向が「下降傾向」であれば再度の節水除氷期間(製氷待機状態)に移行させる(ステップS404)。すなわち、製氷待機状態に移行させるか否かを、氷検知スイッチSWによる検知回数と基準カウント回数の値との比較に基づいて決定するのではなく、節水除氷期間中の第1サーミスタ61による検知温度の温度変化傾向に基づいて決定するので、製氷板12に氷塊Sが残存しているか否かを正確に把握することができ、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態を避けることができる。また、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時にも、制御装置50yの傾向判定処理により把握される温度変化傾向は「上昇傾向」となるので、確実に製氷運転へと移行させることができる。
(第3実施例)
次に、第3実施例に係る流下式製氷機M3について説明する。なお、第3実施例に係る流下式製氷機M3の概略構成は、前述した第1実施例の流下式製氷機M1の概略構成(図1参照)と共通している。このため、第3実施例に関しては、第1実施例との相違点である制御装置50zの制御内容について主に説明する。
なお、第3実施例の制御装置50zは、第1実施例の制御装置50xと同様、除氷運転の終盤に、ポンプモータPMの駆動処理によりタンク16内の貯留水を除氷水として循環させる節水除氷期間を制御するよう構成されている(図7のステップS503,S504,S505の処理)。しかしながら、第3実施例の制御装置50zは、第1実施例の制御装置50xによる制御内容(氷検知スイッチSWによる検知のなかった除氷運転が特定回数連続した場合に製氷運転に移行させない)とは別の、第2サーミスタ(第2温度センサ)62および第3サーミスタ(第3温度センサ)63の各検知温度に基づく制御内容(図7のステップS506の処理)によって、多重製氷に起因する不具合を防止している。
ここで先ず、図9を参照し、除氷運転の開始後における第2サーミスタ62および第3サーミスタ63の各検知温度の温度変化について説明する。図9中において、一点鎖線Dは、第2サーミスタ62による検知温度の一例を示しており、実線Eおよび二点鎖線Fは、第3サーミスタ63による検知温度の温度変化の一例を示している。このうち実線Eは、節水除氷期間が開始される前に全ての氷塊Sが製氷板12から離脱した場合の温度変化(以下「正常時温度変化E」という)であり、二点鎖線Bは、節水除氷期間が終了(除氷運転が終了)するまで全ての氷塊Sが製氷板12から離脱しない状態が継続された場合の温度変化(以下「異常時温度変化F」という)である。また、符号e1および符号f1は、節水除氷期間の開始時点(遅延時間の計測開始時点)を示しており、符号e2および符号f2は、節水除氷期間の終了時点(遅延時間の計測終了時点)を示している。なお、座標軸のX軸方向は、除氷運転の開始時点からの経過時間、Y軸方向は、第2・第3サーミスタ62,63による検知温度である。
図1(a)に示すように、第2サーミスタ62は、水道系に繋がる給水管29に配設されている。このため、第2サーミスタ62による検知温度Dは、除氷運転中の時間経過に関わらず一定となる。これに対し、第3サーミスタ63は、図1(b)に示すように、移送路17におけるタンク16との接続箇所に配設されている。ここで、節水除氷期間(遅延時間の計測中)には、タンク16内の貯留水がポンプモータPMの駆動により製氷板12側へと循環供給されることから、移送路17に配設された第3サーミスタ63による検知温度(正常時温度変化Eおよび異常時温度変化)は、除氷水として用いられているタンク16内の貯留水の温度変化の影響を受ける。
ここで、第3サーミスタ63の正常時温度変化Eは、節水除氷期間が開始(符号e1)されると、タンク16から循環供給される水が製氷板12側で温められることで上昇方向に温度変化し、これにより、略一定温度である第2サーミスタ62による検知温度Dとの温度差が次第に縮小する。これに対し、第3サーミスタ63の異常時温度変化Fでは、タンク16から循環供給される水が製氷板12側で冷やされることで一様に下降方向に温度変化し、略一定温度である第2サーミスタ62による検知温度Dとの温度差は次第に拡大する。
以上のように、節水除氷期間の開始時点までに全ての氷塊Sが製氷板12から離脱した場合と離脱していない場合とでは、節水除氷期間の終了時点に近づくにつれて第2サーミスタ62および第3サーミスタ63の各検知温度の温度差が次第に大きくなる。これに対し、第3実施例に係る流下式製氷機M3は、節水除氷期間の終了時(遅延時間の計測終了時)おける第2および第3サーミスタ62,63の検知温度の温度差を判定し、その判定結果に基づいて製氷運転に移行するか否かを決定するようにしている。
ここで、制御装置50zは、第2および第3サーミスタ62,63の検知温度の温度差を特定し、特定した温度差を記憶手段に記憶されている規定値(例えば2℃の温度差に対応する値)と比較して、規定値より小さい値であるか規定値以上の値であるかを判定するように構成されている(後述するステップS601,S602)。
また、制御装置50zは、前記規定値を基準として判定した第2および第3サーミスタ62,63による各検知温度の温度差が規定値以上であった場合に製氷運転への移行を中止して再び除氷運転を実行するように構成されている(後述するステップS604)。
次に、第3実施例に係る流下式製氷機M3の制御装置50zによって実行される除氷運転時の具体的な制御の流れを、図7および図8を参照して説明する。但し、図7のステップS501〜S506の各処理については、第1実施例で説明した制御装置50xの制御内容(図2のステップS101〜S106)と共通であるため詳細な説明を省略する。
図7に示すように、制御装置50zは、遅延タイマによる計測が終了(ステップS505の判定で肯定)したことに応じて除氷運転(節水除氷期間)を終了する場合(ステップS506)、制御装置50yは、製氷運転に移行するか否かを決定するための移行処理(ステップS507)を実行する。
移行処理(ステップS507)において制御装置50zは、図8に示すように、除氷運転(節水除氷期間)を終了する時点での、第2および第3サーミスタ62,63による各検知温度を比較して、当該各検知温度の温度差を算出・把握する(ステップS601)。そして、制御装置50zは、ステップS601で算出・把握した温度差が、前述した記憶手段に記憶される規定値よりも小さい値であったか、規定値以上の値であったかを判定する(ステップS602、温度差判定処理)。
制御装置50zは、前記温度差判定処理(ステップS602)において第2および第3サーミスタ62,63による各検知温度の温度差を、前記規定値より小さい値と判定した場合、製氷運転に移行する(ステップS603)。一方で、前記温度差を前記規定値以上の値と判定した場合には、製氷運転とは異なる製氷待機状態に移行する(ステップS604)。なお、第3実施例では、ステップS604で移行させる製氷待機状態として、除氷運転(節水除氷期間)の実行状態が設定されている。
(第3実施例の作用)
前述の如く構成される第3実施例の流下式製氷機M3は、製氷運転および除氷運転を交互に繰り返すように制御可能であり、除氷運転の終了時の移行処理(ステップS507)において、当該除氷運転中どのような状況であったかに応じて、製氷運転へ移行するか否かを決定し得る。この移行処理に関して、制御装置50zは、節水除氷期間の終了時(遅延時間の計測終了時)における第2サーミスタ(第2温度センサ)62および第3サーミスタ(第3温度センサ)63の各検知温度の温度差を特定し、これにより把握した温度差の大きさを判定する温度差判定処理(ステップS601,S602)を実行する。そして、温度差判定処理により把握される温度差が規定値より小さい値であれば製氷運転に移行させる(ステップ603)一方、温度差判定処理により把握される温度差が規定値以上の値であれば再度の節水除氷期間(製氷待機状態)に移行させる(ステップS604)。すなわち、製氷待機状態に移行させるか否かを、氷検知スイッチSWによる検知回数と基準カウント回数の値との比較に基づいて決定するのではなく、節水除氷期間の終了時における第2および第3サーミスタ62,63による各検知温度の温度差に基づいて決定するので、製氷板12に氷塊Sが残存しているか否かを正確に把握することができ、多重製氷に起因する不具合が生じる可能性の小さい状態で不必要に製氷待機状態に移行する事態を避けることができる。また、電源投入直後の、製氷板に氷塊が存在しない状態での除氷運転の終了時にも、制御装置50zの温度差判定処理により把握される温度差は規定値より小さい値となるので、確実に製氷運転へと移行させることができる。
(変更例)
(1) 第1〜第3実施例の夫々では、移行処理において予め定めた1種類の条件が成立した場合のみ、製氷運転への移行を中止して製氷待機状態に移行させるように流下式製氷機を構成した。具体的に、第1実施例では、(i) 除氷運転中に氷検知手段(氷検知スイッチ)による検知が生じなかったことを条件とし、第2実施例では、(ii) 除氷運転中の遅延時間の計測中における温度センサ(第1サーミスタ)による検知温度の温度変化傾向が下降傾向であったことを条件とし、第3実施例では、(iii) 遅延時間の計測終了時における第2の温度センサ(第2サーミスタ)および第3の温度センサ(第3サーミスタ)による各検知温度の温度差が規定値以上であったことを条件として、製氷運転とは異なる製氷待機状態に移行させるようにした。これに対し、製氷待機状態に移行させる複数の条件を定め、これら複数の条件の内の少なくとも何れかが成立した場合に製氷待機状態に移行させるようにしてもよい。この場合の複数の条件としては例えば、上記(i)〜(iii)のうち2以上の条件を採用することができる。
(2) 第1実施例では、除氷運転中に氷検知手段(氷検知スイッチ)による検知が生じなかったことに対応する判定結果となった連続回数を除氷運転の終了毎に計数するカウンタを備え、このカウンタが特定カウント数となった場合(連続する3回の除氷運転で検知なしの判定結果となった場合)に、製氷運転への移行を中止して製氷待機状態に移行させるように構成した。これに対し、除氷運転中に氷検知手段(氷検知スイッチ)による検知が生じなかったとする判定結果が1回の除氷運転の終了時に導出された時点で製氷待機状態に移行させるようにしてもよい。また、製氷待機状態としては、運転停止状態に限らず、除氷運転(再度の除氷運転を行うこと)を設定することができる。
(3) 第2・第3実施例では、製氷待機状態として除氷運転(節水除氷期間)を設定するように構成したが、製氷待機状態として運転停止状態を設定することもできる。
12 製氷板,14 蒸発管,16 タンク,17 移送路,29 給水管,32 貯氷室,
50,50x,50y,50z 制御装置,61 第1サーミスタ(温度センサ),
62 第2サーミスタ(第1の温度センサ),第3サーミスタ(第2の温度センサ),
PM ポンプモータ,S 氷塊,SW 氷検知スイッチ(氷検知手段),WV 給水バルブ

Claims (3)

  1. 縦向き配置された製氷板(12)と、該製氷板(12)の裏面に配設された蒸発管(14)と、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置(50x)と、氷塊(S)を貯留する貯氷室(32)と、前記製氷板(12)から離脱して前記貯氷室(32)に移動する氷塊(S)を検知する氷検知手段(SW)とを備えた流下式製氷機において、
    前記制御装置(50x)は、
    前記氷検知手段(SW)による除氷運転中の検知の有無を該除氷運転の終了時に判定する第1判定処理(S201)と、前記第1判定処理(S201)で検知なしの判定結果となった連続回数を計数する計数処理(S202,S204)と、前記計数処理(S202,S204)での計数値が2以上の特定回数に達しているか否かを判定する第2判定処理(S205)とを実行すると共に、
    前記第1判定処理(S201)における検知ありの判定結果と前記第2判定処理(S205)での前記特定回数に達していないとする判定結果とに応じて製氷運転に移行させ、該第2判定処理(S205)での前記特定回数に達しているとの判定結果に応じて製氷待機状態に移行させるようにした
    ことを特徴とする流下式製氷機。
  2. 縦向き配置された製氷板(12)と、該製氷板(12)の裏面に配設された蒸発管(14)と、水を貯留するタンク(16)と、前記タンク(16)内の貯留水を前記製氷板(12)の製氷面に供給するポンプモータ(PM)と、水道系に繋がる給水管(29)と、該給水管(29)を開閉する給水バルブ(WV)と、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置(50y)とを備え、前記ポンプモータ(PM)の駆動に応じて前記タンク(16)から前記製氷板(12)側への水の循環供給がなされ、また前記給水バルブ(WV)の開放時に前記給水管(29)からの水が前記製氷板(12)の裏側を介して前記タンク(16)に流入するよう構成された流下式製氷機において、
    前記蒸発管(14)の出口側に温度センサ(61)が配設され、
    前記制御装置(50y)は、
    除氷運転中における前記タンク(16)への給水終了時点から遅延時間を計測する計時処理(S304,S305)と、前記遅延時間の計測中に前記ポンプモータ(PM)を駆動する駆動処理(S304)と、前記遅延時間の計測終了に応じて除氷運転を終了させる除氷終了処理(S306)とを実行すると共に、
    前記遅延時間の計測中における時間経過に応じた前記温度センサ(61)の検知温度の温度変化傾向を該遅延時間の計測終了時に判定する傾向判定処理(S401,S402)を実行して、該傾向判定処理(S401,S402)により把握される前記温度変化傾向が上昇傾向であれば製氷運転に移行させる一方、該温度変化傾向が下降傾向であれば製氷待機状態に移行させるようにした
    ことを特徴とする流下式製氷機。
  3. 縦向き配置された製氷板(12)と、該製氷板(12)の裏面に配設された蒸発管(14)と、水を貯留するタンク(16)と、前記タンク(16)内の貯留水を移送路(17)から前記製氷板(12)の製氷面に供給するポンプモータ(PM)と、水道系に繋がる給水管(29)と、該給水管(29)を開閉する給水バルブ(WV)と、製氷運転および除氷運転を繰り返す制御を行う制御装置(50z)とを備え、前記ポンプモータ(PM)の駆動に応じて前記タンク(16)から前記製氷板(12)側への水の循環供給がなされ、また前記給水バルブ(WV)の開放時に前記給水管(29)からの水が前記製氷板(12)の裏側を介して前記タンク(16)に流入するよう構成された流下式製氷機において、
    前記給水管(29)に第1の温度センサ(62)が配設されると共に、前記移送路(17)に第2の温度センサ(63)が配設され、
    前記制御装置(50z)は、
    除氷運転中における前記タンク(16)への給水終了時点から遅延時間を計測する計時処理(S503,S504)と、前記遅延時間の計測中に前記ポンプモータ(PM)を駆動する駆動処理(S503)と、前記遅延時間の計測終了に応じて除氷運転を終了させる除氷終了処理(S505)とを実行すると共に、
    前記遅延時間の計測終了時における前記第1の温度センサ(62)および前記第2の温度センサ(63)の各検知温度の温度差を特定する温度差判定処理(S601,S602)を実行して、該温度差判定処理(S601,S602)により特定される前記温度差が規定値より小さい値であれば製氷運転に移行させる一方、該温度差が前記規定値以上の値であれば製氷待機状態に移行させるようにした
    ことを特徴とする流下式製氷機。
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