JP2020118170A - 高圧ガスタンク - Google Patents

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Hirokazu Otsubo
弘和 大坪
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Abstract

【課題】ライナーのシリンダー部にドーム部が連続した肩部にタンク内圧が作用することで生じる曲げ応力の低減を図る。【解決手段】筒状の中空容器をなす樹脂製のライナーの外表に、熱硬化性樹脂で繊維束を補強した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクにおいて、ライナーは、円筒状のシリンダー部の両端にドーム部をそれぞれ備え、シリンダー部とドーム部との境界を含む肩部の内周壁に、ライナーの軸心回りに軸心に向けて内周壁から突出する環状凸部を備える。この環状凸部は、突出頂上から肩部周辺のシリンダー部内壁に至るシリンダー部側傾斜壁と、突出頂上から肩部周辺の前記ドーム部内壁に至るドーム部側傾斜壁とを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、高圧ガスタンクに関する。
高圧ガスタンクには、軽量化と耐圧性が求められるので、筒状の中空容器をなす樹脂製のライナーの外表に、熱硬化性樹脂で繊維束を補強した繊維強化樹脂層を形成することが行われている(例えば、特許文献1)。
特開2018−155337号公報
特許文献1は、流体の漏洩抑制についての対処を図っているものの、以下に説明するように、タンク強度の確保についての提案を図るものではない。樹脂製のライナーは、円筒状のシリンダー部の両端にドーム部を連設して備える。タンク内圧は、シリンダー部とドーム部との境界を含む肩部の付近において、シリンダー部とドーム部に同じ圧力で各部位の法線方向に沿って作用する。しかしながら、肩部付近のシリンダー部とドーム部とでは、法線方向が相違し、シリンダー部の法線方向は、シリンダー部内壁がライナー軸心と平行に向き合うことから、ライナー軸心からの径方向とほぼ一致する。よって、肩部付近のシリンダー部には、シリンダー部を拡径するように、半径方向に沿ってタンク内圧が掛かる。その一方、ドーム部は、頂上に近づくほど径が小さくなる湾曲形状であることから、ドーム部の法線方向は、ライナー軸心からドーム部の内壁に向かう斜め方向となる。よって、肩部付近のドーム部には、ドーム部の曲面が膨らむように、ライナー軸心から斜めにタンク内圧が掛かる。そうすると、タンク内圧の作用方向が肩部を堺にして広がるようになるので、肩部領域が外側に膨らむような曲げ応力が肩部領域に作用する。このような曲げ応力は、タンク内圧が大きくなる程、大きな力として肩部領域に作用するので、曲げ応力の低減を図ることが望ましい。しかしながら、特許文献1では、こうした曲げ応力についての対処がなされていないのが実情である。
本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、高圧ガスタンクが提供される。この高圧ガスタンクは、筒状の中空容器をなす樹脂製のライナーの外表に、熱硬化性樹脂で繊維束を補強した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクであって、前記ライナーは、円筒状のシリンダー部と、前記シリンダー部の両端にそれぞれ設けられたドーム部と、前記シリンダー部と前記ドーム部との境界を含む肩部の内周壁に、前記ライナーの軸心回りに前記軸心に向けて前記内周壁から突出する環状凸部とを備え、前記環状凸部は、突出頂上から前記肩部周辺の前記シリンダー部内壁に至るシリンダー部側傾斜壁と、前記突出頂上から前記肩部周辺の前記ドーム部内壁に至るドーム部側傾斜壁とを形成する。この形態の高圧ガスタンクでは、ライナーのシリンダー部とドーム部との境界を含む肩部領域において、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁とドーム部側傾斜壁とにそれぞれタンク内圧が作用する。そして、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁は、ライナーの軸心に向けて突出した突出頂上から肩部周辺のシリンダー部内壁に至ることから、シリンダー部内周壁からライナー軸心に向かうよう、ドーム部の側に向けて傾斜する。よって、ドーム部の側に向けて傾斜した方向が、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁に対する法線方向となる。その一方、環状凸部のドーム部側傾斜壁にあっては、ライナーの軸心に向けて突出した突出頂上から肩部周辺の前記ドーム部内壁に至ることから、シリンダー部側傾斜壁と突出頂上で交差するように傾斜する。よって、環状凸部のドーム部側傾斜壁に対する法線方向は、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁に対する法線方向に交差し得る方向となる。このため、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁に対するタンク内圧の作用方向と、環状凸部のドーム部側傾斜壁に対するタンク内圧の作用方向とは、シリンダー部とドーム部の肩部を堺に広がるようにはならず、交差して向き合うようになる。この結果、環状凸部のシリンダー部側傾斜壁に作用するタンク内圧と、環状凸部のドーム部側傾斜壁に作用するタンク内圧とを、一部において相殺できるので、肩部領域に作用する曲げ応力を低減できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、高圧ガスタンクの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての高圧ガスタンクの構成を側面において半断面視して示す説明図である。 図1におけるライナー要部を拡大視して示す説明図である。 高圧ガスタンクの製造工程の前半を示す工程図である。 高圧ガスタンクの製造工程の後半を示す工程図である。 ライナーパーツの型成形の様子を概略的に示す説明図である。 図5における金型要部を拡大視して示す説明図である。 環状凸部を有しない既存構成の対比高圧ガスタンクにおけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。 環状凸部を有する本実施形態の高圧ガスタンクにおけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。 他の実施形態の高圧ガスタンクにおけるライナー要部を図2相当に拡大視して示す説明図である。 他の実施形態の高圧ガスタンクにおけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。
図1は本発明の実施形態としての高圧ガスタンク100の構成を側面において半断面視して示す説明図である。図2は図1におけるライナー要部Sを拡大視して示す説明図である。
図示するように、高圧ガスタンク100は、ライナー10を繊維強化樹脂層102で被覆して構成され、口金16を両端から突出させている。繊維強化樹脂層102は、熱硬化性樹脂を含浸した繊維束をFW法によりライナー外周に繰り返し巻き付けることでライナー10の外表に形成され、後述するように、繊維束の巻き付けの際には、フープ巻きによる繊維束の巻き付けと低角度・高角度のヘリカル巻きによる繊維束の巻き付けとが使い分けられる。繊維強化樹脂層102の形成には、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることが一般的であるが、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、FW法によりライナー外周に巻回させる補強用の繊維(スライバー繊維)としては、ガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維等が用いられる他、複数種類(例えば、ガラス繊維とカーボン繊維)のFW法による巻き付けを順次行うことで、繊維強化樹脂層102を異なる繊維からなる樹脂層を積層させて形成することもできる。
ライナー10は、筒状の中空容器であり、タンク長手方向の中央で2分割された一対のライナーパーツ10pの接合品である。2分割のライナーパーツ10pは、それぞれナイロン系樹脂等の適宜な樹脂にて型成形され、その型成形品のライナーパーツ10pを接合してその接合箇所をレーザー融着することで、ライナー10が形成される。このパーツ接合を経て、ライナー10は、円筒状のシリンダー部12の両側に球面形状のドーム部14を連設して備えることになる。つまり、ドーム部14は、シリンダー部12の両側にそれぞれ設けられることになる。このライナー10は、ドーム部14の頂上箇所、即ちライナー10の軸心AXに沿った長手方向端部に、口金16の装着用の陥没台座部14rを備え、その中央に貫通孔14hを有する。この貫通孔14hは、ライナー軸線と一致して形成され、口金16の位置決め孔として機能する。
ライナー10は、図2に示すように、シリンダー部12とドーム部14との境界13を含む肩部15の内周壁15aに、環状凸部17を有する。内周壁15aは、筒状のシリンダー部内壁12aに湾曲したドーム部内壁14aが連続した形状をなす。環状凸部17は、軸心AX回りに軸心AXに向けて内周壁15aから湾曲して突出した環状の凸部であり、軸心AX回りの全周に亘って連続している。そして、この環状凸部17は、突出頂上17aから肩部15周辺のシリンダー部内壁12aに至るシリンダー部側傾斜壁17bと、突出頂上17aから肩部15周辺のドーム部内壁14aに至るドーム部側傾斜壁17cとを形成する。本実施形態においては、シリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cの両傾斜壁は、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりD1〜Deがシリンダー部12の側からドーム部14の頂上側に掛けて低減するように、突出頂上17aからそれぞれ湾曲して形成されている。隔たりD1〜Deの低減の様子は、シリンダー部側傾斜壁17bからドーム部側傾斜壁17cに掛けて、最初の隔たりD1から最後の隔たりDeまで、順次、単調に低減する単調低減であってもよいほか、シリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cに掛けての隔たりが全体として低減していれば、ドーム部側傾斜壁17cにおいて、図2示す一部の隔たりDi〜Di+nがほぼ同じ隔たりであってもよい。なお、突出頂上17aを角状の頂上とし、シリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cの両傾斜壁を直線状の傾斜壁としてもよい。
口金16は、金属製とされ、陥没台座部14rに入り込む口金フランジ16fと、当該フランジからドーム部頂上側に突出した口金本体16bと、口金フランジ16fからライナー中央に突出した凸部16tと、バルブ接続孔16hを備える。凸部16tは、ドーム部14の貫通孔14hに嵌合され、貫通孔14hと協働して口金16をライナー10に対して位置決めする。バルブ接続孔16hは、口金16の中央を貫通し、その開口側に配管接続用の高圧シール仕様のテーパネジ部を有する。上記した両タンク口金は、繊維強化樹脂層102等の形成のための繊維巻回の際の回転軸装着にも用いられ、一方の口金16は、バルブ接続孔16hをタンク内部で閉塞した有底孔としている。口金16は、陥没台座部14rに入り込んだ口金フランジ16fの外縁と陥没台座部14rの周壁との間の凹所への液状ガスケット(FIPG:Formed In Place Gasket)の塗布を経て、シールされる。
図3は高圧ガスタンク100の製造工程の前半を示す工程図である。図4は高圧ガスタンク100の製造工程の後半を示す工程図である。高圧ガスタンク100の製造に当たり、まず、ライナー10を製造する(工程S100)。ライナー製造に当たっては、樹脂の型成形品である一対のライナーパーツ10pと上記構成の口金16とを準備した上で、口金16をライナーパーツ10pのドーム部14に組み付け装着する(工程S102)。図5はライナーパーツ10pの型成形の様子を概略的に示す説明図である。図6は図5における金型要部Skを拡大視して示す説明図である。
ライナーパーツ10pは、インナー金型K1とアウター金型K2とを用いて型成形され、アウター金型K2は、ライナーパーツ10pの外郭形状が反映した金型面を備える。インナー金型K1は、ライナーパーツ10pの内郭形状が反映した金型面を備え、ライナーパーツ10pに環状凸部17を形成すべく、ライナーパーツ10pの肩部15に該当する箇所に、環状凸部17形成用の環状凹部K1sを有する。この環状凹部K1sの金型面は、軸心AXから金型表面までの隔たりD1〜Deがシリンダー部12の側からドーム部14の頂上側に掛けて低減するように、それぞれ湾曲して形成されている。これにより、環状凸部17を肩部15に有するライナーパーツ10pの内外殻形状が反映したキャビティーCが、インナー金型K1とアウター金型K2で形成される。このキャビティーCにナイロン系樹脂等の適宜な樹脂を射出し、冷却養生後に型開きすることで、環状凸部17を肩部15に有するライナーパーツ10pが得られる。
こうして得られたライナーパーツ10pにおけるドーム部14の陥没台座部14rに、口金16の口金フランジ16fを入り込ませた上で、ドーム部14の貫通孔14hに口金16の凸部16tを嵌合させる。これにより、口金16は、ドーム部14に位置決めされてドーム部14に装着され、口金16をドーム部頂上に有するライナーパーツ10pが得られる。
次いで、口金16を両端に装着済みの一対のライナーパーツ10pを、シリンダー部12の側で接合してその接合箇所をレーザー融着して組み付ける(工程S104)。これにより、口金16を両端に装着済みのライナー10が得られる。こうして得られたライナー10の両端のドーム部14において、陥没台座部14rと口金フランジ16fとの間隙にFIPGを塗布し、口金16をシールする(工程S106)。
こうしてライナー10が得られると、図4に示すように、ライナー10の外表に、FW法によって、繊維強化樹脂層102を形成する。具体的には、工程S100によって完成されたライナー10を、その両端の口金16を用いて回転させつつ、エポキシ樹脂EPをカーボン繊維束CFに含浸させた樹脂含有カーボン繊維束ECFを、ライナー10の周囲に繰り返し巻き付ける(工程S202)。この樹脂含有カーボン繊維束ECFの巻き付けに際しては、ライナー10におけるシリンダー部12の外周範囲に亘るフープ巻きによる繊維束巻き付けと、ドーム部14の外周範囲に亘る低角度・高角度のヘリカル巻きによる繊維巻き付けとが使い分けられ、ライナー10の回転速度や繊維送り出し速度についても調整される。その後、樹脂含有カーボン繊維束ECFを、ライナー10の周囲に巻き付けたものを、加熱炉にて加熱して、エポキシ樹脂を硬化させる(工程S204)。エポキシ樹脂が硬化すると、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:カーボン繊維強化プラスチック)から成る繊維強化樹脂層102が形成され、高圧ガスタンク100が完成する。なお、繊維強化樹脂層102を形成する場合に、加熱炉に代わり、高周波誘導加熱を誘起する誘導加熱コイルを用いて誘導加熱手法を用いることができる。この高周波誘導加熱では、速やかな熱硬化性樹脂の昇温を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態の高圧ガスタンク100は、繊維強化樹脂層102による補強対象であるライナー10を、図2に示すように、シリンダー部12とドーム部14との境界13を含む肩部15の内周壁15aに環状凸部17を有するものとする。この環状凸部17は、軸心AX回りに軸心AXに向けて内周壁15aから湾曲して突出した環状の凸部であり、突出頂上17aから肩部15周辺のシリンダー部内壁12aに至るシリンダー部側傾斜壁17bと、突出頂上17aから肩部15周辺のドーム部内壁14aに至るドーム部側傾斜壁17cとを形成する。タンク内圧は、肩部15の領域において、環状凸部17のシリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cとにそれぞれ作用する。タンク内圧の作用対象であるシリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cの両傾斜壁は、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりD1〜Deがシリンダー部12の側からドーム部14の頂上側に掛けて低減するように、突出頂上17aからそれぞれ湾曲して形成されている。よって、本実施形態の高圧ガスタンク100は、次のような利点を有する。図7は環状凸部17を有しない既存構成の対比高圧ガスタンク100hにおけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。図8は環状凸部17を有する本実施形態の高圧ガスタンク100におけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。
図7に示すように、環状凸部17を有しない既存構成の対比高圧ガスタンク100hでは、シリンダー部12に、シリンダー部内壁12aに対する法線方向、即ち、軸心AXからの半径方向に沿ってシリンダー部12を拡径するようにタンク内圧に伴う力Fiが各所に掛かる。ドーム部14のドーム部内壁14aはドーム部頂上に近づくほど径が小さくなる湾曲形状であることから、ドーム部14に対する法線方向は、軸心AXからドーム部14の内壁に向かう斜め方向となる。よって、ドーム部14には、ドーム部曲面が膨らむように、タンク内圧に伴う力Fiが軸心AXから斜めに各所に掛かる。そうすると、図7に黒塗り矢印で示すように、タンク内圧の作用方向が境界13を堺にして広がるようになるので、シリンダー部12にドーム部14が連続した肩部領域が外側に膨らむような曲げ応力が肩部領域に作用する。これに対し、環状凸部17を有する本実施形態の高圧ガスタンク100では、次のようになる。
図8に示すように、本実施形態の高圧ガスタンク100は、シリンダー部側傾斜壁17bを、突出頂上17aから肩部15周辺のシリンダー部内壁12aに掛けて、ドーム部14の側に向けて傾斜させている。よって、シリンダー部側傾斜壁17bでは、ドーム部14の側に向けて傾斜した方向が、環状凸部17のシリンダー部側傾斜壁17bに対する法線方向となる。その一方、ドーム部側傾斜壁17cにあっては、突出頂上17aから肩部15周辺のドーム部14に掛けて、シリンダー部側傾斜壁17bと突出頂上17aで交差するように傾斜する。よって、環状凸部17のドーム部側傾斜壁17cに対する法線方向は、図8に黒塗り矢印で示すように、シリンダー部側傾斜壁17bに対する法線方向に交差し得る方向となる。このため、環状凸部17のシリンダー部側傾斜壁17bに対するタンク内圧の作用方向と、環状凸部17のドーム部側傾斜壁17cに対するタンク内圧の作用方向とは、シリンダー部12とドーム部14の肩部15を堺に広がるようにはならず、交差して向き合うようになる。この結果、本実施形態の高圧ガスタンク100によれば、環状凸部17のシリンダー部側傾斜壁17bに作用するタンク内圧に伴う力と、環状凸部17のドーム部側傾斜壁17cに作用するタンク内圧に伴う力とを、一部において相殺できるので、肩部15領域に作用する曲げ応力を低減できる。よって、本実施形態の高圧ガスタンク100の耐圧性は、向上する。肩部15において繊維強化樹脂層102の歪みをコンピューターにてシミュレートしたところ、環状凸部17を有する図8の本実施形態の高圧ガスタンク100では、環状凸部17を有しない図7の対比高圧ガスタンク100hに対して20〜30%の歪みの低減が得られ、これにより耐圧性の向上を確認できた。
本実施形態の高圧ガスタンク100は、既述したように、シリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cとを、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりD1〜Deがシリンダー部12の側からドーム部14の頂上側に掛けて低減するように、形成している。よって、本実施形態の高圧ガスタンク100によれば、ライナー10を構成するライナーパーツ10pの金型において、具体的には肩部15の内周壁15aへの環状凸部17の形成に関与するインナー金型K1を、アンダーカットを有しない金型とできるので、ライナーパーツ10pの型成形の型抜きに支障を来さない。
図9は他の実施形態の高圧ガスタンク100Aにおけるライナー要部Sを図2相当に拡大視して示す説明図である。図10は他の実施形態の高圧ガスタンク100Aにおけるタンク内圧の作用の様子を概略的に示す説明図である。
図9に示すように、他の実施形態の高圧ガスタンク100Aは、環状凸部17をライナー10の肩部15に形成するに当たり、シリンダー部側傾斜壁17bを、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりがシリンダー部12の側から突出頂上17aまで低減するように、突出頂上17aから湾曲して形成している。そして、高圧ガスタンク100Aは、ドーム部側傾斜壁17cを、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりが突出頂上17aにおける隔たりDtから、一旦、大きくなった後にドーム部14の側で低減するように、突出頂上17aから湾曲して形成している。このように形成されたシリンダー部側傾斜壁17bとドーム部側傾斜壁17cを有する環状凸部17は、広義において、軸心AXから環状凸部17の表面までの隔たりD1〜Deがシリンダー部12の側からドーム部14の頂上側に掛けて低減する、と言える。そして、この高圧ガスタンク100Aにあっても、図10に黒塗り矢印で示すように、環状凸部17のシリンダー部側傾斜壁17bに対するタンク内圧の作用方向と、環状凸部17のドーム部側傾斜壁17cに対するタンク内圧の作用方向とは、シリンダー部12とドーム部14の肩部15を堺に広がるようにはならず、交差して向き合うようになるので、既述した効果を奏することができる。なお、高圧ガスタンク100Aでは、ライナーパーツ10pの型成形に用いるインナー金型K1にアンダーカットが必要となるが、インナー金型K1を、ドーム部14の頂上領域を形成するためのコア型と、このコア型に組み付けられて、環状凸部17を含むドーム部14の大径側領域とシリンダー部12とを形成するための周壁金型とに分けた上で、周壁金型を軸心AXの軸回りに分割した分割金型とすればよい。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…ライナー、10p…ライナーパーツ、12…シリンダー部、12a…シリンダー部内壁、13…境界、14…ドーム部、14a…ドーム部内壁、14h…貫通孔、14r…陥没台座部、15…肩部、15a…内周壁、16…口金、16b…口金本体、16f…口金フランジ、16h…バルブ接続孔、16t…凸部、17…環状凸部、17a…突出頂上、17b…シリンダー部側傾斜壁、17c…ドーム部側傾斜壁、100,100A…高圧ガスタンク、100h…対比高圧ガスタンク、102…繊維強化樹脂層、AX…軸心、C…キャビティー、CF…カーボン繊維束、D1〜De…隔たり、EP…エポキシ樹脂、ECF…樹脂含有カーボン繊維束、Fi…力、K1…インナー金型、K1s…環状凹部、K2…アウター金型、S…ライナー要部、Sk…金型要部

Claims (1)

  1. 筒状の中空容器をなす樹脂製のライナーの外表に、熱硬化性樹脂で繊維束を補強した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクであって、
    前記ライナーは、
    円筒状のシリンダー部と、
    前記シリンダー部の両端にそれぞれ設けられたドーム部と、
    前記シリンダー部と前記ドーム部との境界を含む肩部の内周壁に、前記ライナーの軸心回りに前記軸心に向けて前記内周壁から突出する環状凸部とを備え、
    前記環状凸部は、突出頂上から前記肩部周辺の前記シリンダー部内壁に至るシリンダー部側傾斜壁と、前記突出頂上から前記肩部周辺の前記ドーム部内壁に至るドーム部側傾斜壁とを形成する、
    高圧ガスタンク。
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