JP2020118007A - 鉄骨建築構造物のボルトレス工法 - Google Patents

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Masakatsu Uchida
昌克 内田
智徳 大谷
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Abstract

【課題】鉄骨建築の柱梁構造物の現場建て方を行う場合、柱梁仕口部を工場で製作し、梁の端部から長さ1m程度離れた位置でハイテンボルトを使ったボルト継手を設ける方法が良く用いられているが、高力(ハイテン)ボルトを使わない鉄骨建て方の効率的な方法が求められている。また、多数のボルトを使った場合にその継手部にスプライスプレートを用意し、且つボルト用の孔開け加工が必要になってくるため多くの工数が掛かる。【解決手段】本発明は、柱と梁の構造物を現場組み立てする場合に、柱に溶接接合されたガセットと梁ウエブ11とを取り外し可能な仮ボルト19を一列で仮締めし、ガセットと梁ウエブとを建設現場で縦方向と横方向すみ肉溶接する。このことで1継手当たり従来10〜100本の多数のハイテンボルトが省略され、ボルト使用に伴う作業工数が省ける。【選択図】図6

Description

本発明は、鉄骨建築の上部構造物で柱と梁を現場でボルト接合する方法に関するものである。従来では次の方法が用いられている。
(1)ブラケット方式では、梁を長さ方向に3分割して、その端部梁をフランジおよびウエブを柱に溶接して梁端部と梁中央部をボルト継手とする方法
(2)ノンブラケット方式では、梁を分割せず、その端部のウエブを柱に取り付けたガセットとボルト接合させて、梁フランジとダイアフラムを建設現場で溶接する方法
鉄骨建築は、図1に示すように、通常は角形鋼管・丸形鋼管・H形鋼による柱1とH形鋼による梁2からなっており、該柱と梁の接合部は仕口であり、図2に示すように、角形鋼管を使った柱1の場合、仕口部3はダイアフラム5と柱短管6の部品から構成され溶接7により製作され、該仕口部と柱1と梁2が溶接7で接合されている。
鉄骨建築構造を支えているのが、図1で示す基礎4である。この基礎4は、独立基礎、一つの基礎で2本以上の柱を支える複合基礎、フーチングを連続して形成する布基礎がある。これらの基礎を作ってから柱1を基礎に接続して、建築物と基礎とが一体になるのである。
図3に、従来の柱梁接合部ブラケット方式を示す。建築鉄骨は、大略柱1,梁2、接合部即ち仕口部3からなっており、大梁8は端部のブラケット32と中央部分梁から構成され、ブラケット32と柱1との溶接7Bは全て工場で行う。図3から分かるように、ブラケット32と中央梁とは添え板(スプライスプレート)をフランジ及びウエブの両側から宛てがいボルト孔を開けた後ボルト13で締めて接合させる。図3に示すように、多量の添え板とボルトとナットが必要になる。これらの重量は建築鉄骨の6〜8%にも達する。また、ボルトが需要逼迫で入手が困難な場合がある。また、ボルト・ナット・添え板からなるボルト継手では母材梁表面などをブラスト処理で黒皮サビ等を事前に除去する必要がある。
図3では、大梁と小梁のボルト継手も示している。ブラケットの場合と同様に問題がある。
図4に、従来工法で梁端ブラケットと中央梁を分離せず、柱・梁端部を工場でなく建設現場で溶接する方式即ちノンブラケット方式を用いた例を示す。従来工法ではダイアフラム5の柱からの出っ張りが25mm〜30mmあり、ガセット12を柱1の外面に垂直且つ鉛直に溶接接合し、そのガセット12に梁端ウエを密着させて多くのボルト孔とボルトとナットを使ってガセットとウエブがボルト接合される。梁に掛かる鉛直荷重Pは、このウエブからガセットそして、柱に伝達し、ガセットとボルトで剪断力により支持させる。
図5に、従来工法で梁端ブラケットと中央梁を分離せず、ガセットを柱外面に垂直且つ鉛直に通常両側すみ肉溶接で溶接接合し、そのガセットに梁端ウエブに密着させて多くのボルト孔とボルトとナットを使ってボルト接合させた上、梁端フランジ下側にワイド裏受金22という薄板を梁中央側で開先溶接しその側面をすみ肉溶接された梁端部を柱からの出っ張り5Nが0mm〜10mm(通常2〜6mm)のダイアフラムに工場でなく建設現場で溶接する方式即ちノンブラケット方式を適用した例を示す。この例の方式をWAWO(登録商標)構法という。梁に掛かる鉛直荷重Pはこのガセットとボルトで剪断力により支持させる。
特開2001−140347
鉄骨建築の柱梁構造物の現場建て方を行う場合、柱梁仕口部を工場で製作し、梁の端部から長さ1m程度離れた位置で高力(ハイテン)ボルトを使ったボルト継手を設けることが良く用いられているが、そのボルトの入手が困難又は遅れる場合があり、工期が大幅に遅れてしまうことがある。そのため、高力(ハイテン)ボルトを使わない鉄骨建て方の効率的な方法が求められている。また、ガセットと梁ウエブとを従来のように多数のボルトを使った場合にその継手部にスプライスプレートを用意し、そのスプライスプレートの当たるところをサンドブラスト又はショットブラストで表面のさびを除去し且つボルト用の孔開け加工が必要になってくるため多くの工数が掛かる。
特許文献1では、次の問題がある。
(1) ガセットとウエブの接合にボルトと現場溶接を併用している。そのため、ボルトの省略にならないので、ボルト不足対策としてボルトを無くすという本特許の目的に合わない。本発明では、ボルトはガセットとウエブの取り外し可能な仮締めとして用いる。
(2) ガセットとウエブの溶接では現場溶接としか記載がない。すみ肉溶接という記載がない。また、ガセットとウエブの溶接では現場溶接はガセットの立向きの片側溶接になっている。本発明では立向き溶接では両側すみ肉溶接とするか、又は、ガセット又はウエブに梁軸方向に貫通溝溶接を行い水平溝溶接を行う。
(3)ガセットとウエブの締め付けボルトは特に材質の指定がない。普通ボルトなのか高力ボルトなのか記載がない。また、締め付けボルトを使うのでボルトの省略にはならない。本発明では、ボルトは仮締めボルトであり、普通ボルトで十分であるが、高力ボルトでも用いる事が出来るが、何れも取り外し可能となっている。
(2) 柱の水平位置の調整が難しい
(3) 杭フランジ部16の大きな剛性と強度を確保するのが難しい。
(4) 表層地盤が弱いと単独鋼管杭では柱の曲げ耐力に対し弱い。
このようなボルトとナットを使ったボルト継手の諸課題は種々研究した結果、ボルト継手を溶接継手で置き換える方法であり、柱に取り付けたガセットと梁ウエブを取り外し可能なボルトで仮締めし、柱外面にガセットを鉛直且つ垂直にすみ肉溶接(通常は両側すみ肉溶接)又は突合せ溶接で接合させた上で、そのガセットの柱側端部に対し梁ウエブを重ねてすみ肉溶接又はガセットに水平溝を設けてその水平溝とウエブで水平すみ肉溶接するか水平溝を充填するスロット溶接させることを特徴とする方法である。
請求項1の発明の構成は次の通りである。(図6の大梁端部及び図7〜図9参照)
(1)鋼管柱とH形鋼からなる建築鉄骨構造物を対象とする。
(2)ガセットに柱軸方向縦1列(図8参照)または横1列(図9参照)に複数の貫通穴を4箇所以内で開ける。
(3)ガセットの柱側端部を、角形または円形鋼管柱の外面に工場で垂直且つ柱軸方向に突合溶接または隅肉溶接する。
(4)柱に取り付ける梁端部のウエブに該ガセット貫通穴と同じ位置に貫通穴を開ける。
(5)ガセットとウエブの両者に対しそれぞれ4箇所以内で貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定する。
(6)ガセット端部とウエブ側腹とを隅肉溶接するか又はウエブ端部とガセット板側腹とを隅肉溶接するか、または、その両方を隅肉溶接して重ね継手の両側溶接とする方法
請求項2の発明の構成は次の通りである。(図6の大梁と小梁接合部参照)
(1)請求項1の構成
(2)ガセットに、大梁鉛直方向即ちせい方向に縦1列または水平方向即ち横1列に4箇所以内で複数の貫通穴を開ける。
(3)ガセット板の柱側端部を大梁ウエブおよびフランジに突合溶接または隅肉溶接する。
(4)大梁に取り付ける小梁ウエブに該大梁ガセット貫通穴と同じ位置に貫通穴を開ける。
(5)ガセットとウエブの両者の貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定する。
(6)その状態でガセット板の梁中央側端部とウエブ側腹とを隅肉溶接するか又はウエブの柱側端部とガセット側腹とを隅肉溶接するか、または、その両方を隅肉溶接して重ね継手の両側溶接とする方法
請求項3に掛かる発明の構成は次の通りである。
請求項1の発明に追加して、つぎのいずれかの方法を組み合わせる
(1)柱に取り付けるダイアフラムの柱からの出っ張りを10mm以下として柱とダイアフラムの溶接部とダイアフラムと梁フランジの溶接部の余盛りを重ねる方法
(2)大梁と小梁のフランジの突合せ溶接により大梁と小梁を剛接合させる方法
(3)上記(1)と(2)の両方を施工する方法
請求項4に係る発明の構成は請求項1及び2及び3に加えて次の通りである。
(1)梁中央側から梁端へ軸方向に複数の溝をガセットに形成させる。(図10参照)
(2)溝内奥下部にウエブとガセットを水平にすみ肉溶接させるか又は溝全体に充填溶接させる。
又は、
(1)梁端から梁中央側へ軸方向に複数の溝をガセットに形成させる。
(2)溝内奥下部にウエブとガセットを水平にすみ肉溶接させるか又は溝全体に充填溶接させる方法
又は、
(1)ウエブを貫通して複数の水平溝を軸方向に形成させる。
(2)その水平溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法
請求項5の発明の構成は次の通りである。請求項1から3の何れかにおいて、
(1)ウエブとガセットに縦1列または横1列に複数の貫通穴を開ける。
(2)複数の貫通孔を曲線状に配置する方法。
請求項6の発明の構成は次の通りである。
(1)請求項1から4の何れか
(2)大梁端部フランジに隣接するウエブに設けるスカラップ形状の孔半径を10mm以下とする。
(3)そのスカラップの一部又は全部を溶接で充填する方法
請求項7の発明の構成は次の通りである。
(1)請求項1から6の何れかの方法
(2)大梁フランジ端部の内側に鋼板を溶接で取り付けることにより梁端部を強化し、スカラップの存在やウエブ端部が取り付く柱面の面外変形によるウエブ曲げモーメントの不支持を補う方法
本発明に係る効果はボルト継手を使う場合に比べて次の通りである。
(1)ボルト、ナット、スプライスの省略で建築鉄骨の全重量をブラケット方式に比較して6〜10%低減させる。
(2)ボルト、ナットの不足及び納期に左右されずに鉄骨の現場建設を行うことが出来る。
(3)ダイアフラムの柱からの出っ張り5Nを無くすと、上記(1)、(2)のメリットに加えて建物外壁及び内装を取り付ける際にダイアフラム出っ張り部分が邪魔にならずに施工が容易になる。また、その出っ張りが無いので梁端部の加工量が少なくなり加工工数が減少し、ダイアフラム重量の低減にもなる。
(4)ワイド裏受金22を用いると上記(1)、(2)、(3)のメリットに加えて、梁端部が強化されて断面係数が増加して大梁サイズを減少させて大梁重量を低減でき、且つ梁端部の応力集中も減少して柱梁接合部の耐震強度が増加する。また、大梁サイズを減少させれば、柱梁溶接量の減少及びガセット板の縮小、梁ウエブの板厚減少も出来るのでボルト継手の重量減少と作業効率向上の相乗効果が期待できる。
(5)ガセット12又はウエブ11に水平溝(スリット)7HFを設けた場合は、ガセット12の 取付けの縦溶接7B又は7Hよりも水平方向の溶接収縮が少なくて、鉄骨建て方時の柱間のスパンや柱の傾きの変動も少なくて鉄骨建て方が容易になる。また、ガセットとウエブの溶接は現場溶接になるので、溝溶接内で水平すみ肉溶接すれば、溶接姿勢は下向きになり、立向き溶接に比べて溶接施工が容易になる。
また、溝溶接の箇所数及び溝内すみ肉溶接で立向き溶接だけよりも継手強度の選択の余地が大きくなる。
請求項1に係る実施の形態の説明図を図6〜図9に示す。
図6及び図7は、取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、縦一列で取り外せる仮締めボルト19を使って柱外面とガセット12とをすみ肉溶接又は突合せ溶接を行い、ガセットとウエブを重ね両側すみ肉溶接を行い、WAWO(登録商標)構法によってワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの少ない柱梁接合部を示す。耐力上十分ならば両側すみ肉溶接でなく片側すみ肉溶接でも問題ない。
仮締めボルト19の使用箇所数を4箇所以内にして5箇所以上は不要であることが研究の結果不要であることが判明した。また、ブラケット12とウエブ11の組立溶接7B又は7Fを行えば更に仮締めボルト19の箇所を減らすことが可能である。
梁に掛かる鉛直荷重は基本的にガセットで負担する。ガセット母材の剪断応力に相当する剪断耐力を柱とガセット溶接継手で確保し且つガセットとウエブの溶接継手でも確保する必要がある。この耐力は設計上の配慮で確保出来る。
ガセットとウエブの両者に対しそれぞれ4箇所以内で貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定するのであるが、このボルトはJISB1186等で規定される高力ボルトないしハイテンボルトが無い場合はJISB1501に規定された中ボルトないし普通ボルトを用いても良い。
柱軸方向縦1列または横1列にガセットとウエブの両者に対し何れも4箇所以内で貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定する。図8A図に示すように、縦一列を用いるのは、ガセットの幅を小さくするためと梁の軸廻り回転ねじり安定性を確保するためである。柱梁の仮締めボルトによる仮組では発生するウエブ及びガセットに発生する応力及び構造物の変形と安定性及びガセットとウエブの辷り防止から4箇所で十分である。
図7A図にガセット12と大梁ウエブ11の柱側の接合を柱1とガセット12の溶接部と分けて記載しているが、図7B図に示すように一体化しても良い。また、図7A図にガセット12と大梁ウエブ11の柱側の溶接部に対してボルト継手強度を補完する組立溶接としても良い。
仮締め用ボルト孔の加工はドリルによる穿孔又はレーザによる穿孔のどちらでも良い。
図8B図に示すように横一列にするのは、ボルト孔によるガセット及びウエブの断面欠損によって、梁及びガセットの剪断耐力の減少を最少にするためと、梁の曲げ耐力上を最少にするためである。
仮締めボルトは摩擦接合でなくて良いし、溶接で剪断力を確保するにはガセットとウエブの合わせ面はサンドブラストなどによる特別のさび取りは不要である。
図8B図に示すように、縦一列でもボルト19Cを不揃いでずらしてあるのはガセットと梁ウエブを密着させて隙間無く重ねるためで、梁の水平方向安定と溶接作業の安定性を確保するためである。
請求項1の図6等の例示では、ダイアフラムの柱外面からの出っ張りが少ない場合やワイド裏受金22使用の記述があるが、これらダイアフラムの柱からの出っ張りがあっても、ワイド裏受金を用いなくても請求項1の請求範囲に入る。
請求項2に係る実施の形態の説明図を図6に示す。
請求項2は請求項1に追加して、図6に示すように、小梁9を大梁10に取り付ける場合を記載しているが、この仮締めボルト継手の実施形態は柱1と大梁10の取付けと同様に扱える。通常、大梁と小梁の 取付けでは小梁のフランジは大梁に溶接接合されないが、本請求項2では小梁の上フランジを大梁の上フランジに突合せ溶接し、小梁の下フランジを大梁のウエブとガセットに溶接接合した水平スティフナーの端部に突合せ溶接することも可能である。このようにすれば連続小梁を達成し小梁のサイズを小さくして小梁重量を低減することも可能である。
請求項3に係る実施の形態の説明図を図6に示す。
請求項1の発明に追加して、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの方法を組み合わせる
(1)柱に取り付けるダイアフラムの柱からの出っ張りを10mm以下として柱とダイアフラムの溶接部とダイアフラムと梁フランジの溶接部の余盛りを重ねる方法。
これには、柱一節とダイアフラムの溶接を行ってからダイアフラムと梁フランジの溶接する手順と、ダイアフラム柱短管の仕口を製作してから梁フランジの溶接をする手順がある。
ダイアフラムの柱からの出っ張りを通常25〜30mmを10mm以下にすることによりダイアフラム外形寸法を小さくしてダイアフラムの重量低減が可能である。
(2)大梁の上フランジと小梁の上フランジの溶接を行うと共に大梁に水平スティフナーを溶接接合で取り付けて水平スティフナーと小梁下フランジを突合せ溶接する
水平スティフナーは大梁に通常すみ肉溶接で接合する方法
(3)上記(1)と(2)の両方を施工する方法
請求項4に係る実施の形態説明図を図10〜図13に示す。
請求項1又は2又は3において、ガセットの板面に貫通して複数の水平溝を軸方向に形成させて水平溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法に次のいずれかの方法を用いる。
(1)図10に示すようにガセットを貫通して梁中央端から梁端へ軸方向に複数の溝を形成させて溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法。溶接方法にはすみ肉溶接と溝充填溶接がある。
又は、
(2)図11に示すように、梁端から梁中央へ軸方向に複数の溝を形成させて溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法。溶接方法にはすみ肉溶接と溝充填溶接がある。
又は、
(3)図12に示すように、ガセットの中央に軸方向の複数の溝を形成させて溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法である。溶接方法にはすみ肉溶接と溝充填溶接がある。
また、これらの応用として次の方法がある。
即ち、図13に示すように、水平の貫通溝を大梁8のウエブ11の端部にガセットの幅以内の長さで設ける方法がある。溶接方法にはすみ肉溶接と溝充填溶接がある。
図11〜図13において、
(1)寸法aはガセットの幅で、bはガセットの高さである。
(2)寸法cは水平溝長さで、寸法dは溝幅、寸法eは溝間のガセット寸法である。
梁端に掛かる剪断力に耐えるだけの溶接強度を確保するために、溝内のすみ肉溶接脚長と長さと本数を設計で決定する。必要なすみ肉溶接長さと仮締めボルトサイズとガセット有効断面からガセット幅aを算定する。
製作的にはこれらの諸寸法を正確に行う必要があるが、レーザ加工による切断が正確性・熱歪み・スピード・切りしろ・仕上がり外観等の観点から最適である。尚、溝端部30の奥の角は図示のように直角でなく、3mmR以上の曲率を確保することが応力集中緩和と溶接溶け込みの観点から望ましい。
請求項5に係る実施の形態説明図を図9に一例を示す。
図8図Bに示すように、請求項1から4の何れかにおいて、ウエブとガセットに縦1列または横1列に複数の貫通穴を開ける場合に、曲線状に配置する方法である。このようにすれば、少ないボルト本数で面状的に配置されるのでガセット12と梁ウエブ11が安定的に隙間無く重ねることが出来る。ボルト2本の場合は第1ボルトと第2ボルトを斜めに配置することも可能である。
請求項6に係る実施の形態を説明する。
請求項1から5の何れかにおいて、大梁端部フランジに隣接するウエブに設けるスカラップ形状を長孔の孔半径を10mm以下としそのスカラップの一部又は全部を溶接で充填する方法であるが、スカラップ部に開先を設けて溶接溶け込みをよくすることが出来る。
請求項7に係る実施の形態を説明する。
請求項1から6の何れかにおいて、大梁フランジ柱側端部の内側に鋼板22を重ねて溶接で取り付けることにより梁端部を強化し、スカラップの存在やウエブ端部が取り付く柱面の面外変形によるウエブ曲げモーメントの不支持を補う方法である。
大梁の柱側端部のウエブはガセットを通じて柱フランジに溶接接合されているが、この柱フランジは大梁の曲げモーメント変形に対し面外変形になり曲げモーメント負担に殆ど寄与しない。そのため大梁フランジ柱側端部の内側に鋼板を溶接で取り付け梁フランジの耐力増加で梁フランジ端部の断面係数を増加させて、大梁の全断面係数を確保する。このようにすればウエブに掛かる曲げモーメント負担不足は補える。大梁の全断面係数が確保すればそれだけ大梁のサイズを縮小できる。
従来の建築鉄骨構造図の一例 従来の角形鋼管柱を使った建築鉄骨柱梁接合部即ち仕口部 従来のボルトを使ったブラケット方式の柱梁接合部および大梁・小梁接合部 従来のボルトを使わないノンブラケット方式の柱梁接合部 WAWO(登録商標)構法によって、ワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの無い柱梁接合部 取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、柱外面とガセットとをすみ肉溶接又は突合せ溶接を行い、ガセットとウエブを重ね両側(表と裏)すみ肉溶接を行い、WAWO(登録商標)構法によってワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの無い柱梁接合部 図6の柱梁接合部拡大平面図で、柱外面とガセットを両側すみ肉溶接で行い、A図はガセット12とウエブ11の柱側接合をすみ肉溶接で行った場合であり、B図はガセット12とウエブ11の柱側接合を突合せ溶接で行った例 図6の柱梁接合部拡大図で、仮締めボルトを縦一列で直線的に3個並べて使用した例 図6の柱梁接合部拡大図で、仮締めボルトを縦一列で3個不揃いで並べて使用した例である。 取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、柱外面とガセットとをすみ肉溶接又は突合せ溶接を行い、梁中央側に櫛の歯状に板厚貫通の水平溝(スリットとも言う)を設けたガセットとウエブを水平溝の下側で水平すみ肉溶接すみ肉溶接を行い、ワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの無い柱梁接合部の例 取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、柱外面と櫛の歯状に板厚貫通の水平溝(スリットとも言う)を柱側に設けたガセットとをすみ肉溶接又は突合せ溶接を行い、ガセットとウエブを水平溝の下側で水平すみ肉溶接すみ肉溶接を行い、WAWO(登録商標)構法によってワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの無い柱梁接合部の例。 取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、柱外面と、中央部に水平溝(スリットとも言う)を上下に並べて設けたガセットとをすみ肉溶接又は突合せ溶接を行い、ガセットとウエブを板厚貫通の水平溝の下側で水平すみ肉溶接を行い、WAWO(登録商標)構法によってワイド裏受金を使ったノンブラケット方式でのダイアフラムの柱からの出っ張りの無い柱梁接合部の例。 取り外し可能な仮締め以外のボルトを使わないで、水平の貫通溝を大梁8のウエブ11の端部又は端部から5mm以上離してガセット12の幅a以内の長さで設けて、概ウエブ貫通溝内に水平すみ肉溶接又は充填溶接(スロット溶接)を行う柱梁接合部の例
1 鉄骨柱
1 鉄骨1階上部柱
1B 鉄骨1階下部柱
1C 鉄骨基礎埋込柱脚部
2 建築鉄骨梁
3 建築鉄骨梁仕口部
4 鉄骨建築基礎
5 ダイアフラム
5N ダイアフラム出っ張り10mm以下
6 柱短管又はパネル
6A 接続鋼管(角形)
7 溶接又は溶接部
7B 突合せ溶接部
7F すみ肉溶接部
7HF すみ肉溶接又は突合せ溶接
8 大梁
9 小梁
10 フランジ
11 ウエブ
12 ガセット
13 高力ボルト(通称ハイテンボルト)
14 普通強度ボルト
15 ボルト継手
15N ボルト継手無し
16 ボルト孔
17 仮締め(仮止め)ボルト孔
18 ナット
19 仮締め(仮止め)ボルトとナット(直線配列)
19C 仮締め(仮止め)ボルトとナット(曲線配列)
20 裏当金(通常断面9mm×25mm)
21 細裏当金(通常断面12mm×12mm)
22ワイド裏受金(厚さは通常9mm〜12mm且つフランジ板厚の約20〜30%、長さは梁ウエブせいの約50%)
23 狭開先溶接(ルートギャップ5mm以下)
24 スカラップ
25 高強度溶接
26 狭開先溶接
27 現場下向き突合せ溶接
28 現場立向きすみ肉溶接(剪断力負担)
29 現場立向き突合せ溶接(剪断力負担)
30 ガセット端部に水平方向に切り込んだ溝又はスリット
31 ウエブ端部に水平方向に切り込んだ溝又はスリット
32 ブラケット

Claims (7)

  1. 鋼管柱とH形鋼梁からなる建築鉄骨構造物において、柱軸方向縦1列または横1列に複数の貫通穴を4箇所以内で開けたガセットを角形または円形鋼管柱の外面に垂直且つ柱軸方向に突合溶接または隅肉溶接して、該柱に取り付ける梁のウエブに該ガセット貫通穴と同じ位置に貫通穴を開けて、ガセットとウエブの両者に対しそれぞれ4箇所以内で貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定し、その状態で ガセット板端部とウエブ側腹とを隅肉溶接するか又はウエブ端部とガセット板側腹とを隅肉溶接するか、または、その両方を隅肉溶接して重ね継手の両側溶接とする方法
  2. 請求項1において、
    大梁鉛直方向即ちせい方向に縦1列または横1列に複数の仮締めボルト用貫通穴を4箇所以内で開けたガセットを大梁ウエブおよび大梁フランジに突合溶接または隅肉溶接して、該大梁に取り付ける小梁ウエブに該大梁ガセット貫通穴と同じ位置に貫通穴を開けて、ガセットとウエブの両者の貫通穴同士を取り外し可能なボルトとナットで仮締めして固定し、その状態で ガセット板端部とウエブ側腹とを隅肉溶接するか又はウエブ端部とガセット板側腹とを隅肉溶接するか、または、その両方を隅肉溶接して重ね継手の両側溶接とする方法
  3. 請求項1に加えて、
    柱に取り付けるダイアフラムの柱からの出っ張りを10mm以下として柱とダイアフラムの溶接部とダイアフラムと梁フランジの溶接部を重ねる方法、又は、大梁の上フランジと小梁の上フランジの溶接を行うと共に大梁に水平スティフナーを溶接接合で取り付けて水平スティフナーと小梁下フランジを突合せ溶接することにより大梁と小梁を剛接合させる方法又はその両方を施工する方法
  4. 請求項1又は2又は3において、ガセットの板を貫通して複数の水平溝を軸方向に形成させて溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法、又は、ウエブを貫通して複数の水平溝を軸方向に形成させて溝内にウエブとガセットを水平に溶接させる方法
  5. 請求項1から4の何れかにおいて、
    ウエブとガセットに縦1列または横1列に複数の貫通穴を開ける場合に、曲線状に配置する方法。
  6. 請求項1から5の何れかにおいて、大梁端部フランジに隣接するウエブに設けるスカラップ形状の孔半径を10mm以下としそのスカラップの一部又は全部を溶接で充填する方法
  7. 請求項1から6の何れかにおいて、大梁フランジ柱側端部の内側に鋼板を梁フランジに重ねて溶接で取り付けることにより梁端部を強化し、スカラップの存在やウエブ端部が取り付く柱面の面外変形によるウエブ曲げモーメントの不支持を補う方法
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