JP2020117867A - 建設機械の給脂システム - Google Patents

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Abstract

【課題】作業装置の作動状態に関わらずピン支承部のグリス消費に対応して適切にピン支承部への給脂を実行できる建設機械の給脂システムを提供する。【解決手段】油圧ショベル1の作業装置10のピン支承部29に作用するピン荷重及び回動角度をセンサ37,38により検出する。油圧ショベル1の稼働が開始されると、ピン支承部29からのグリスの漏れ量を表す累積グリス消費量Gをリセットした上で(S3)、各センサ37,38により検出されたピン荷重及びピン回動角度に基づきグリス消費量gを逐次演算して、累積グリス消費量Gとして累積する(S4,5)。累積グリス消費量Gがピン支承部29への給脂を要する第1判定消費量G1に達すると(S6がYes)、第1判定消費量G1に対応する量のグリスをピン支承部29に給脂する(S8)。【選択図】図4

Description

本発明は、建設機械の給脂システムに係り、詳しくは作業装置に設けられたピン支承部に給脂する給脂システムに関する。
従来のこの種の建設機械の給脂システムとして、例えば特許文献1には、油圧ショベルの作業装置のブーム、アーム、バケット等を連結するピン支承部の回動角度を検出して逐次累積し、その累積値が設定値に達したときに対応するピンへの給脂を実施するものが開示されている。
また、特許文献2には、建設機械の作業装置のブームシリンダのボトム油圧に基づき、シリンダロッド先端のピン支承部に作用する荷重(以下、ピン荷重と称する)を演算し、ピン荷重から掘削積込み作業毎の対象土質・比重を求め、それらの平均値から建設機械の使われ方を推定して給脂間隔及び給脂量を演算する給脂システムが開示されている。
特開平11−222878号公報 実開平6−14252号公報
上記のように特許文献1の給脂システムでは、ピン支承部の回動角度の累積値がピン支承部からのグリスの漏れ量(以下、グリス消費量と称する)と相関するとの知見の下に、回動角度の累積値が設定値に達したときに給脂を実施している。しかしながら、ピン支承部の回動角度が同一であっても、例えばバケットによる掘削時と掘削物を旋回して移送する空中移動時とではピン荷重が異なり、結果としてグリス消費量も相違するため、適切な給脂を実施することは困難であった。
また、特許文献2の給脂システムでは、ブームシリンダのボトム油圧に基づきピン荷重を演算しており、例えばバケットの空中移動時には、ボトム油圧がバケット内の掘削物の重量、ひいてはピン荷重と相関する。しかしながら、この間バケットのピン支承部は回動せず、ピンとブッシュは摺動しないためグリス消費量は摺動時に比べて少ない。結果としてピン荷重だけでグリス消費量を推定することは不正確になるため、適切な給脂を実施することが困難になる。
この問題点は、仮に特許文献1,2の技術を組み合わせたとしても同様に発生し、適切な給脂を実施できないことから、給脂が不足したときの潤滑不良によるトラブル回避のために余分に給脂するしかなかった。そして必要以上の給脂は、建設機械の稼働コストを高騰させる要因になると共に、ピン支承部から漏れたグリスが滴り落ちて土壌汚染の要因になるという問題も生じる。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、作業装置の作動状態に関わらずピン支承部のグリス消費に対応して適切にピン支承部への給脂を実行することができる建設機械の給脂システムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の建設機械の給脂システムは、建設機械の作業装置に備えられたピン支承部に対する給脂を実行する給脂装置と、前記ピン支承部のピン回動角度を検出するピン回動角度検出部と、前記ピン支承部に作用するピン荷重を検出するピン荷重検出部と、前記ピン回動角度検出部により検出されたピン回動角度及び前記ピン荷重検出部により検出されたピン荷重に基づき、前記ピン支承部に対する給脂間隔または給脂量の少なくとも何れか一方を演算する給脂制御量演算部と、前記給脂制御量演算部により演算された給脂間隔または給脂量の少なくとも一方に基づき、前記給脂装置を駆動制御して前記ピン支承部に対する給脂を実行させる給脂装置駆動制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明の建設機械の給脂システムによれば、作業装置の作動状態に関わらずピン支承部のグリス消費に対応して適切にピン支承部への給脂を実行することができる。
実施形態の給脂システムが搭載された油圧ショベルを示す側面図である。 給脂システムの給脂装置を示す図である。 第1実施形態の給脂システムを示す制御ブロック図である。 演算用コントローラが実行する給脂制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態の給脂システムを示す制御ブロック図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を鉱山等で稼働する超大型の油圧ショベルの給脂システムに具体化した第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態の給脂システムが搭載された油圧ショベルを示す側面図であり、以下の説明では、油圧ショベルに搭乗したオペレータを主体として前後、左右、上下方向を表現する。
油圧ショベル1の下部走行体2にはクローラ3が備えられ、クローラ3は図示しない走行用油圧モータにより駆動されて油圧ショベル1を走行させる。下部走行体2上には旋回装置4を介して上部旋回体5が設けられ、旋回装置4の図示しない旋回用油圧モータの駆動により上部旋回体5が旋回する。上部旋回体5の前部はキャブヘッド6により構成され、キャブヘッド6上にはオペレータが搭乗するキャブ7が設置されている。上部旋回体5の後部は機械室8により構成され、機械室8の後側にはカウンタウエイト9が固定されている。
上部旋回体5のキャブ7の右側には掘削用の作業装置10が前方に向けて取り付けられ、作業装置10はブーム11、アーム12及びバケット13から構成されている。ブーム11の基端は、上部旋回体5に設けられた図示しない支承部に連結ピン14を介して回動可能に連結されている。アーム12の基端は、ブーム11の先端に連結ピン15を介して回動可能に連結され、バケット13の基端は、アーム12の先端に連結ピン16を介して回動可能に連結されている。
上部旋回体5にはブームシリンダ25の基端が連結ピン17を介して連結され、ブームシリンダ25のロッド25aの先端は連結ピン18を介してブーム11に回動可能に連結されている。ブーム11にはアームシリンダ26の基端が連結ピン19を介して連結され、アームシリンダ26のロッド26aの先端は連結ピン20を介してアーム12に回動可能に連結されている。
アーム12にはバケットシリンダ27の基端が連結ピン21を介して連結され、バケットシリンダ27のロッド27aの先端は連結ピン22を介してバケットリンク28に回動可能に連結されている。バケットリンク28の一端はアーム12に連結ピン23を介して連結され、バケットリンク28の他端はバケット13に連結ピン24を介して回動可能に連結されている。
図示はしないが各連結ピン14〜24は、互いに連結している一対の部材の少なくとも一方に対して軸線を中心として摺動可能とされている。例えば連結ピン16は、アーム12の先端とバケット13の基端とを貫通して配設され、バケット13に対して固定される一方、アーム12に対しては図示しないブッシュを介して摺動可能とされてアーム12とバケット13との相対的な回動を許容している。以下、各連結ピン14〜24とブッシュとからなる箇所をピン支承部29(図2に示す)と称する。
上部旋回体5には図2に示す給脂装置31が搭載され、グリス配管32を介して各ピン支承部29とそれぞれ接続されている。給脂装置31は、畜圧状態のグリスを貯留するグリスタンク33、グリスタンク33内のグリスを吸い上げて圧送するグリスポンプ34、及びグリスポンプ34を駆動するモータ35から構成されている。詳細は説明しないが、各ピン支承部29のグリス配管32は任意に開閉でき、これによりグリスポンプ34から圧送されたグリスを所望のピン支承部29に供給して、連結ピン14〜24とブッシュとの隙間に給脂可能となっている。
ピン支承部29には、ピン荷重検出センサ37(本発明のピン荷重検出部に相当)及びピン回動角度検出センサ38(本発明のピン回動角度検出部に相当)が設けられている。ピン荷重検出センサ37は、ピン支承部29に作用する荷重(ピン荷重)を検出する機能を奏し、ピン回動角度検出センサ38は、ピン支承部29の回動角度(ピン回動角度)を検出する機能を奏する。
本実施形態では、ピン荷重検出センサ37としてピン型ロードセルが用いられている。その構成は、例えば特開2009−198274号公報等に開示されているため詳細は説明しないが、連結ピン14〜24の両端から軸線に沿って一対の挿入孔が穿設され、各挿入孔内にそれぞれ金属抵抗式や半導体歪みゲージを備えた歪み検出棒が挿入・固定されてなる。
例えば上記したアーム12とバケット13とを連結する連結ピン16では、バケット13による掘削時や空中移動時にアーム12側及びバケット13側から反対方向の力がピン荷重として連結ピン16に作用する。これにより連結ピン16は剪断力を受け、内部の歪み検出棒に生じた歪みが歪みゲージにより検出される。この歪みから作業装置10の作動状態に応じたピン荷重を演算する。一方、ピン回動角度はピン支承部29に設けたロータリーエンコーダなどのピン回動角度検出センサ38により取得する。
以下に述べるように、ピン荷重検出センサ37及びピン回動角度検出センサ38からの検出情報に基づき、ピン支承部29にグリスが満充填された状態からのグリスの漏れ量として累積グリス消費量Gが逐次演算され、累積グリス消費量Gに基づきグリスの給脂間隔として給脂すべきタイミングが演算されてピン支承部29への給脂が実行される。
図3は本実施形態の給脂システムを示す制御ブロック図である。
給脂システム39を制御する演算用コントローラ40は、給脂間隔演算部41(本発明の給脂制御量演算部に相当)と給脂装置駆動制御部 42とから構成され、給脂間隔演算部41には累積グリス消費量演算部41aが含まれている。給脂間隔演算部41には、上記したピン荷重検出センサ37及びピン回動角度検出センサ38が接続され、それぞれの検出情報が入力される。
給脂間隔演算部41は、各センサ37,38から入力されたピン荷重及びピン回動角度に基づき累積グリス消費量演算部41aにピン支承部29の累積グリス消費量Gを演算させる。そして、演算された累積グリス消費量Gに基づき、予め固定値として設定された給脂量(第1判定消費量G1)を前提として、ピン支承部29に対する給脂間隔を演算する。
給脂装置駆動制御部42は、給脂間隔演算部41により演算された給脂間隔に基づき、給脂装置を駆動制御してピン支承部29に対する給脂を実行する。
図4は演算用コントローラ40により実行される給脂制御ルーチンを示すフローチャートであり、演算用コントローラ40は油圧ショベル1のエンジンの運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
エンジン始動により油圧ショベル1の稼働が開始されると、まずステップS1で給脂システム39を起動し、ステップS2で給脂装置31を駆動制御して予め設定された初期給脂量のグリスをピン支承部29に給脂する。油圧ショベル1の非稼働中においてもピン支承部29は荷重を受けており、降雨や温度等の影響と相俟ってごく微量ではあるがグリスが漏れ続けている。
ステップS2の処理は、このような非稼働中に生じたグリス消費を補うことによりピン支承部29のグリスを満充填の状態に戻して、以下に述べる累積グリス消費量Gのリセットと整合させることを目的とする。また、非稼働中のグリス消費によりピン支承部29に油膜切れが生じると、作業装置10が作動開始した瞬間(連結ピン14〜24とブッシュとの摺動開始の瞬間)に大きな衝撃音を生じる場合もあるが、このような現象を事前の給脂により防止できるという利点もある。
続くステップS3では、累積グリス消費量G及び無給脂時間Tをそれぞれリセット(=0)する。累積グリス消費量Gとは、前回給脂が実行されてからのグリス消費量gの累積値であり、以下に述べるように、この累積グリス消費量Gを指標としてピン支承部29への給脂が実行される。
また無給脂時間Tとは、前回給脂が実行されてからの経過時間である。エンジン運転により油圧ショベル1は稼働中であるものの、掘削作業が中断されている場合には作業装置10が停止保持されている。このような状況では、グリス消費量gとして0が演算されて累積グリス消費量Gは増加しない。しかし、ピン支承部29は上記した非稼働中と同じく荷重を受けており、加えて移動の際の走行振動等の影響も受けることから、ピン支承部29で少量ではあるがグリスが漏れ続けている。このようなグリス消費量は経過時間から推し量ることができるため、以下に述べるように、この無給脂時間Tを指標としてピン支承部29への給脂が実行される。
ステップS3の処理を終えるとステップS4に移行し、ピン荷重及びピン回動角度に基づきグリス消費量gを演算する。全体的な傾向として、ピン荷重やピン回動角度が大であるほど、大きな値のグリス消費量gが演算される。続くステップS5では、演算したグリス消費量gを前回値の累積グリス消費量Gに加算して今回値とする(累積グリス消費量演算部41aの機能に相当)。従って、演算用コントローラ40の制御インターバル毎にグリス消費量gが逐次演算されて累積グリス消費量Gに累積されるため、累積グリス消費量Gは、ピン支承部29にグリスが満充填された状態からのグリスの漏れ量を表す指標と見なせる。
続くステップS6では、累積グリス消費量Gが第1判定消費量G1に達したか否かを判定し、未だ達していない場合には、No(否定)の判定を下してステップS7に移行する。例えば第1判定消費量G1は、ピン支承部29への給脂を実行すべきタイミング(潤滑不良に至る以前)における累積グリス消費量Gとして予め設定された閾値である。
ステップS7では無給脂時間Tが判定時間T0に達したか否かを判定し(給脂間隔演算部41の機能に相当)、未だ達していない場合には、Noの判定を下してステップS4に戻り、ステップS4〜7の処理を繰り返す。例えば判定時間T0は、前回の給脂から給脂無しで許容できる経過時間の上限付近に予め設定された閾値である。
そして、累積グリス消費量Gが第1判定消費量G1に達したとしてステップS6でYes(肯定)の判定を下すと、ステップS8に移行して累積グリス消費量Gに対応する量のグリスをピン支承部29に給脂する(給脂装置駆動制御部42の機能に相当)。具体的には、ピン支承部29から累積グリス消費量G(=第1判定消費量G1)に相当するグリスが漏れたことを鑑みて、累積グリス消費量G或いはそれに余裕分を加えた量のグリスを給脂する。
以上から判るように本実施形態では、グリスの給脂量として第1判定消費量G1(または+余裕分)が予め固定値として設定されており、次第に増加する累積グリス消費量Gが第1判定消費量G1に達したと判定される(ステップS6がYes)までの所要時間が給脂間隔と見なせる。従って、ピン支承部29からのグリスの漏れが緩慢な場合には給脂間隔が長くなり、グリスの漏れが急激な場合には給脂間隔が短くなることにより、常に適切なグリスの給脂が実現される。
ステップS8の処理により、ピン支承部29は実質的にグリスが満充填された状態に戻されることから、続くステップS9で累積グリス消費量G及び無給脂時間Tをリセットした後に、ステップS4に戻る。従って、その後のステップS5では再び0からグリス消費量gが累積され、得られた累積グリス消費量GがステップS6で第1判定消費量G1と比較される。また、ステップS7では再び0からカウントされた無給脂時間Tが判定時間T0と比較される。
油圧ショベル1の稼働中において掘削作業が継続された場合等には、以上のようにステップS6の累積グリス消費量Gの判定に基づき、ステップS8で累積グリス消費量Gに対応して給脂が実行される。これに対して、例えば掘削作業が頻繁に中断或いは長時間に亘って中断された場合等には、累積グリス消費量Gの増加が緩慢になるため、ステップS6の判定よりも先に判定時間T0の経過に基づきステップS7でYesの判定が下される。
このときにはステップS7からステップS10に移行し、累積グリス消費量Gが第2判定消費量G2に達したか否かを判定する。第2判定消費量G2は、上記した第1判定消費量G1よりも小さい値(G1>G2≧0)として予め設定された閾値である。前回の給脂から判定時間T0は経過したものの、累積グリス消費量Gはそれほど増加していない(G<G2)場合、ステップS10の判定がNoとなる。
未だ累積グリス消費量Gが少ない上に、累積グリス消費量Gに反映されない掘削作業の中断中に生じるグリスの漏れ量は元々少量であるため、両者を合わせた実際の累積グリス消費量Gもそれほど多くないと推測できる。従って、この場合にはステップS11に移行し、予め設定された少量の無給脂対応給脂量に相当するグリスをピン支承部29に給脂し、その後にステップS9に移行する。
例えば、ステップS10の累積グリス消費量Gに関する判定処理を省略して、ステップS7の無給脂時間Tに関する判定処理だけに基づき給脂を実行することも可能ではある。しかし、この場合には累積グリス消費量Gがどの程度増加しているかが判らないため、この点を見込んでより多量のグリスを給脂する必要が生じる。既に累積グリス消費量Gが大きく増加している場合は問題ないが、例えば累積グリス消費量Gが第2判定消費量G2未満でそれほど増加していない場合には、過剰な量のグリスが給脂される事態を招いてしまう。
本実施形態では、ステップS10の累積グリス消費量Gに関する判定処理を加えることにより、掘削作業の中断中に生じるグリス消費量も含めた実際の累積グリス消費量Gがそれほど増加していないと推測できる場合に限り、ステップS11で給脂を実行する。このため予め無給脂対応給脂量をより少量の値に設定し、過剰な量のグリスが給脂される事態を未然に防止することができる。
一方、累積グリス消費量Gが第2判定消費量G2に達している場合には、ステップS10からステップS8に移行する。このときの累積グリス消費量Gは、第1判定消費量G1よりも少量の第2判定消費量G2であるため、これに対応する量のグリスがステップS8で給脂される。
このように前回の給脂から判定時間T0が経過し、且つ累積グリス消費量Gが第2判定消費量G2に達した場合、実際の累積グリス消費量Gは、以下のように捉えることができる。このときの演算上の累積グリス消費量Gは第2判定消費量G2に達しているものの、給脂の実行が必須と見なせる、より大きな第1判定消費量G1には達していない。しかし、演算上の累積グリス消費量Gには掘削作業の中断中に生じるグリス消費量が含まれていないため、これを含む実際の累積グリス消費量Gは、既に第1判定消費量G1に達している可能性がある。
このような場合を想定して、少なくとも判明している演算上の累積グリス消費量Gだけは給脂を実行する点が、ステップS10及びステップS8の処理の趣旨である。これにより実際の累積グリス消費量Gが第1判定消費量G1を超えて、ピン支承部29に潤滑不良が生じる事態を未然に防止することができる。
以上のように本実施形態の油圧ショベル1の給脂システム39では、作業装置10のピン支承部29のピン荷重及びピン回動角度に基づき累積グリス消費量Gを演算し、この累積グリス消費量Gが第1判定消費量G1に達すると、累積グリス消費量Gに対応する量のグリスをピン支承部29に給脂している。
結果として正確な累積グリス消費量Gを演算でき、この累積グリス消費量Gに基づきピン支承部29への給脂を過不足なく実行できる。このため給脂不足による潤滑不良を防止して、ピン支承部29を確実に保護することができる。また、過剰な給脂も防止できることから、油圧ショベル1の稼働コストを低減できると共に、ピン支承部29から漏れるグリスが減少するため、これに起因する土壌汚染を軽減することができる。
なお、以上のように本実施形態では、予め固定値としてグリスの給脂量を設定し、累積グリス消費量Gに基づき給脂間隔を可変制御することで適切な給脂を実現したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、予め固定値としてグリスの給脂間隔を設定し、累積グリス消費量Gに基づき給脂装置駆動制御部42により給脂量を可変制御してもよいし、累積グリス消費量Gに基づき給脂量及び給脂間隔を共に可変制御してもよい。これらの場合でも、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第2実施形態]
次に、本発明を別の油圧ショベル1に具体化した第2実施形態を説明する。
第1実施形態との相違点は、ピン支承部29の回動速度(ピン回動速度)が予め設定された速度範囲内にあるときに限り、累積グリス消費量Gの累積処理を実行する点にあり、その他の図1,2,4に基づき説明した構成については、第1実施形態と同一である。そのため重複する構成の箇所については同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
図5は本実施形態の給脂システム39を示す制御ブロック図である。
演算用コントローラ40の給脂間隔演算部41には、累積グリス消費量演算部41aと共にピン回動速度演算部41bが含まれている。
ピン回動速度演算部41bは、ピン回動角度検出センサ38により検出されたピン回動角度の変化状態に基づき、ピン回動速度を演算して累積グリス消費量演算部41aに逐次出力する。
累積グリス消費量演算部41aは、図4のステップS4,5の処理により、ピン荷重及びピン回動角度に基づきグリス消費量gを演算して累積グリス消費量Gとして逐次累積する。第1実施形態との相違は、このグリス消費量gの累積処理を、ピン回動速度演算部41bにより演算されたピン回動速度が予め設定された速度範囲内にあるときに限って実行する点にある。
即ち、ピン回動速度が速度範囲内にある場合、そのときのピン荷重及びピン回動角度から演算したグリス消費量gを累積グリス消費量Gに累積する。一方、ピン回動速度が速度範囲外にある場合には、そのときのピン荷重及びピン回動角度からはグリス消費量gを演算せず、必然的に累積グリス消費量Gの累積処理も実行しない。
以上の処理内容は、本発明と同じくピン支承部に関する発明である特許2832800号明細書に開示された知見を参考にしたものである。当該公報では、ピン支承部を構成するブッシュに高粘度潤滑油を含浸させたすべり軸受構造が開示されており、当該ブッシュを用いた軸受構造は、ピン回動速度が所定の速度範囲内すなわち所定の摺動速度範囲及び所定の荷重範囲(6kg/mm以上)の環境下で使用することを前提としている。当該公報によれば、摺動速度範囲が2から5cm/秒であり、荷重範囲が6kg/mm以上の場合、メカノケミストリ反応により高粘度潤滑物質が生成されるため、グリス消費量もこの反応を考慮する必要がある一方で、このような使用条件は、バケットでの掘削動作に相当し、最もピン荷重の大きい重作業のためグリス消費量も多いことから、設定する回動速度範囲及び荷重範囲は掘削作業を前提とした条件とし、この条件でのグリス消費量を元に給脂間隔を設定することが一般的には望ましい。すべり軸受におけるメカノケミストリ反応は摩擦により生じるもので、ピンとブッシュの間の摺動速度に支配される。なお前述のように、建設機械における作業としてピン荷重が当該範囲になるのは掘削作業であり、回動(摺動)速度も予め想定できることから、簡易的には第1実施形態のようにピン荷重と回動量を検出するのみでも、グリス消費量の累積演算は可能である。また、均し作業など建設機械の作業内容によって設定条件は適宜変更してもよい。
含浸軸受として構成された公報のピン支承部と同じく 、本実施形態のピン支承部29は連結ピン14〜24とブッシュとの間に給脂されたグリスにより潤滑される。このため、上記のような速度範囲内で使用した場合にはグリスが良好な潤滑作用を奏するものの、それと引き換えにピン支承部29からのグリスの漏れ量(グリス消費量g)が増加してしまう。
そこで本実施形態では、ピン支承部29のグリス消費量gが顕著に増加する速度範囲を予め設定しておき、その速度範囲内にピン回動速度があるときに限り、グリス消費量gの累積処理を実行している。このため第1実施形態に比較して一層正確に累積グリス消費量Gを演算でき、より高い精度でピン支承部29への給脂を実行することができる。
また、このような速度範囲に関する条件に加えて、上記特許2832800号明細書の知見に基づきピン荷重に関する条件を設定してもよい。即ち、ピン支承部29のグリス消費量gが顕著に増加するピン荷重の範囲を予め設定しておき、ピン回動速度が上記した速度範囲内であり、さらにピン荷重が上記した荷重範囲であるときに限り、グリス消費量gの累積処理を実行してもよい。この場合には、第2実施形態よりもさらに正確に累積グリス消費量Gを演算することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では油圧ショベル1の給脂システム39に具体化したが、ピン支承部を備えた作業装置を有する建設機械であれば、これに限るものではない。例えばホイールローダの作業装置に備えられたピン支承部に給脂する給脂システムとして具体化してもよい。
また上記各実施形態では、ピン荷重検出センサ37としてピン型ロードセルを用いたが、本発明のピン荷重検出部はこれに限るものではない。例えば作業装置10のブーム11、アーム12及びバケット13を駆動する各シリンダ25〜27のボトム油圧及びロッド油圧に基づき作業装置10の作動状態、ひいては所定位置のピン支承部29に作用するピン荷重を、その作用方向に関わらず推定できる。このためピン荷重検出部として、各シリンダ25〜27にボトム油圧及びロッド油圧を検出する油圧検出センサを設けてもよい。
1 油圧ショベル(建設機械)
10 作業装置
29 ピン支承部
31 給脂装置
37 ピン荷重検出センサ(ピン荷重検出部)
38 ピン回動角度検出センサ(ピン回動角度検出部)
39 給脂システム
41 給脂間隔演算部(給脂制御量演算部)
41a 累積グリス消費量演算部
41b ピン回動速度演算部
42 給脂装置駆動制御部

Claims (4)

  1. 建設機械の作業装置に備えられたピン支承部に対する給脂を実行する給脂装置と、
    前記ピン支承部のピン回動角度を検出するピン回動角度検出部と、
    前記ピン支承部に作用するピン荷重を検出するピン荷重検出部と、
    前記ピン回動角度検出部により検出されたピン回動角度及び前記ピン荷重検出部により検出されたピン荷重に基づき、前記ピン支承部に対する給脂間隔または給脂量の少なくとも何れか一方を演算する給脂制御量演算部と、
    前記給脂制御量演算部により演算された給脂間隔または給脂量の少なくとも一方に基づき、前記給脂装置を駆動制御して前記ピン支承部に対する給脂を実行させる給脂装置駆動制御部と
    を備えたことを特徴とする建設機械の給脂システム。
  2. 前記給脂制御量演算部は、前記ピン回動角度検出部により検出されたピン回動角度及び前記ピン荷重検出部により検出されたピン荷重に基づき、前記ピン支承部のグリス消費量を逐次演算して累積グリス消費量として累積する累積グリス消費量演算部を含み、
    前記累積グリス消費量演算部により演算された累積グリス消費量に基づき給脂間隔または給脂量の少なくとも何れか一方を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の給脂システム。
  3. 前記給脂制御量演算部は、前記ピン回動角度検出部により検出されたピン回動角度に基づき前記ピン支承部のピン回動速度を演算するピン回動速度演算部を含み、
    前記累積グリス消費量演算部は、前記ピン回動速度演算部により演算されたピン回動速度が予め設定された速度範囲内のときに、前記ピン回動角度及び前記ピン荷重から演算したグリス消費量を累積グリス消費量として累積する
    ことを特徴とする請求項2に記載の建設機械の給脂システム。
  4. 前記累積グリス消費量演算部は、前記ピン回動速度演算部により演算されたピン回動速度が予め設定された速度範囲内であり、さらに前記ピン荷重検出部により検出されたピン荷重が予め設定された荷重範囲内のときに、前記ピン回動角度及び前記ピン荷重から演算したグリス消費量を累積グリス消費量として累積する
    ことを特徴とする請求項3に記載の建設機械の給脂システム。
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