JP2000074292A - 建設機械の自動給脂装置 - Google Patents

建設機械の自動給脂装置

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JP2000074292A
JP2000074292A JP10255974A JP25597498A JP2000074292A JP 2000074292 A JP2000074292 A JP 2000074292A JP 10255974 A JP10255974 A JP 10255974A JP 25597498 A JP25597498 A JP 25597498A JP 2000074292 A JP2000074292 A JP 2000074292A
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pin connecting
lubricating oil
construction machine
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Uta Takahashi
詠 高橋
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピン結合部材等に設けられた給脂部に最適量
の潤滑油を給脂し、グリース垂れや潤滑不足による焼付
き等を防止する。 【解決手段】 駆動圧力センサ24〜26によって作業
装置7を駆動する各シリンダ11〜13の負荷圧を検出
すると共に、これらの駆動圧力センサ24〜26をコン
トローラ27に接続する。また、コントローラ27は、
駆動圧力センサ24〜26から出力される検出電流のう
ち最大のものを選択電流として選択し、この選択電流に
基づいて駆動電流をモータ17、切換弁23に出力し、
ピン結合部材14に供給するグリースの供給量を増減さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられ、建設機械のピン連結部材に
自動的に給脂を行う建設機械の自動給脂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械に
は、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリン
ダによって駆動するブーム、アーム、バケット等からな
る作業装置が設けられている。また、このような作業装
置には油圧シリンダとブーム、アーム、バケットとを接
続する部位に複数のピン連結部材が設けられ、これらの
ピン連結部材は潤滑油の給脂が必要な給脂部となってい
る。そして、このような建設機械には、給脂部の油膜切
れを防止するために、給脂部に自動的に給脂を行う自動
給脂装置が取付けられたものが知られている(例えば、
実開平5−42895号)。
【0003】このような従来技術による自動給脂装置
は、モータ等のグリースポンプ駆動源に運転指令信号、
停止指令信号を出力するコントローラと、作業装置のブ
ームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダのう
ち少なくともいずれか一のシリンダが駆動操作されたこ
とを検出する駆動操作検出器と、各給脂部に至る給脂管
路に設けられ給脂が完了したことを検出する給脂完了検
出器とから構成されている。
【0004】そして、従来技術による自動給脂装置は、
ブームシリンダ等の稼動時間の積算値が所定の設定時間
に達すると、コントローラはグリースポンプ駆動源に運
転指令信号を出力する。これにより、グリースポンプ駆
動源が駆動し、給脂部に潤滑油としてのグリースを自動
的に給脂する。一方、給脂完了検出器によって給脂が完
了したことが検出されると、コントローラはグリースポ
ンプ駆動源に運転指令信号を出力する。これにより、グ
リースポンプ駆動源は停止し、グリースの給脂を終了す
る。このため、オペレータは給脂部に潤滑油を供給する
給脂作業を行う必要がなく、オペレータの労力を省力化
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、グリース
は、本来、軸受等からなるピン連結部材の連結ピンにか
かる摩擦量を減らして、摩擦による動力損失を減少させ
るものである。この場合、摩擦量は、連結ピンに作用す
る荷重によって大きく変化する。一方、連結ピンに作用
する荷重は、作業装置にかかる負荷と、作業装置の駆動
速度との2つの要素に大きく依存する。即ち、連結ピン
に作用する荷重は、作業装置にかかる負荷が増大したと
きには大きくなり、作業装置にかかる負荷が減少したと
きには小さくなる。同様に、連結ピンに作用する荷重
は、作業装置の駆動速度が速いときには大きくなり、作
業装置の駆動速度が遅いときには小さくなる。
【0006】しかしながら、上述した従来技術による自
動給脂装置では、作業装置等の稼動時間を計測し、この
稼動時間の積算値が所定時間を経過したときに、グリー
スを給脂部に給脂するものであり、連結ピンの摩擦量は
考慮していない。このため、従来技術による自動給脂装
置では、必ずしも最適な量のグリースを供給しているわ
けではなく、グリースの供給量が多過ぎることや少な過
ぎることがある。
【0007】このため、グリースの供給量が多過ぎると
きには、給脂部からグリースが漏洩するから、グリース
を無駄に給脂することとなり、ランニングコストが増大
するという問題がある。一方、グリースの供給量が少な
過ぎるときには、ピン連結部材の摩擦量が増大して動力
損失が大きくなると共に、給脂部に油膜切れが発生し、
ピン連結部材に焼付きが生じるという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、日頃のメンテナンス作業が不
要であり、かつピン連結部材等に設けられた給脂部に最
適量の潤滑油を給脂することができる建設機械の自動給
脂装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、ピン連結部材によって連結された作
業装置を備えた建設機械に設けられ、潤滑油を吐出する
ポンプ手段によって潤滑油を前記ピン連結部材に供給し
てなる建設機械の自動給脂装置に適用される。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、ピン連結部材における摩擦量が増大する要素に
基づいてポンプ手段からピン連結部材に供給する潤滑油
の供給量を制御する潤滑油制御手段を備えたことにあ
る。
【0011】このように構成したことにより、潤滑油制
御手段は摩擦量が増大する要素に基づいてピン連結部材
に供給する潤滑油の供給量を制御する。このため、摩擦
量が大きいときには、より多くの潤滑油をピン連結部材
に供給することができ、摩擦量が小さいときには、より
少ない潤滑油をピン連結部材に供給することができる。
これにより、潤滑油の供給量を最適化することができ
る。
【0012】また、請求項2の発明は、前記潤滑油制御
手段は、前記ポンプ手段の駆動、停止を制御するポンプ
制御手段と、該ポンプ制御手段に接続され、ピン連結部
材において摩擦量が増大する要素を検出する摩擦量増大
要素検出手段とからなり、前記ポンプ制御手段を、摩擦
量増大要素検出手段による検出値を用いてポンプ手段を
駆動、停止させる構成としたことにある。
【0013】これにより、ポンプ制御手段は、摩擦量増
大要素検出手段による検出値を用いてポンプ手段を駆
動、停止する。このため、摩擦量が大きいときには、よ
り多くの潤滑油をピン連結部材に供給することができ、
摩擦量が小さいときには、より少ない潤滑油をピン連結
部材に供給することができる。
【0014】また、請求項3の発明は、前記摩擦量増大
要素検出手段を、作業装置に加わる負荷を検出する作業
負荷検出器によって構成したことにある。
【0015】これにより、ポンプ制御手段は、作業負荷
検出器による検出値を用いてポンプ手段を駆動、停止す
る。このため、作業装置に加わる負荷が大きいときに
は、より多くの潤滑油をピン連結部材に供給することが
でき、負荷が小さいときには、より少ない潤滑油をピン
連結部材に供給することができる。
【0016】また、請求項4の発明は、前記摩擦量増大
要素検出手段を、ピン連結部材の摺動速度を検出する摺
動速度検出器によって構成したことにある。
【0017】これにより、ポンプ制御手段は、摺動速度
検出器による検出値を用いてポンプ手段を駆動、停止す
る。このため、ピン連結部材の摺動速度が速いときに
は、より多くの潤滑油をピン連結部材に供給することが
でき、摺動速度が遅いときには、より少ない潤滑油をピ
ン連結部材に供給することができる。
【0018】また、請求項5の発明は、前記摩擦量増大
要素検出手段を、作業装置に加わる負荷を検出する作業
負荷検出器と、ピン連結部材の摺動速度を検出する摺動
速度検出器とによって構成したことにある。
【0019】このように構成したことにより、ポンプ制
御手段は、作業負荷検出器と摺動速度検出器とによる2
つの検出値を用いてポンプ手段を駆動、停止する。作業
装置に加わる負荷が大きいときには、より多くの潤滑油
をピン連結部材に供給することができ、負荷が小さいと
きには、より少ない潤滑油をピン連結部材に供給するこ
とができる。また、ピン連結部材の摺動速度が速いとき
には、より多くの潤滑油をピン連結部材に供給すること
ができ、摺動速度が遅いときには、より少ない潤滑油を
ピン連結部材に供給することができる。
【0020】また、請求項6の発明は、前記ポンプ制御
手段を、摩擦量増大要素検出手段による検出値がピン連
結部材に給脂が必要となる予め決められた基準値よりも
大きいときにはポンプ手段を駆動し、それ以外のときに
はポンプ手段を停止する構成としたことにある。
【0021】これにより、ポンプ制御手段は、摩擦量増
大要素検出手段による検出値が基準値よりも大きいとき
のみポンプ手段を駆動する。このため、摩擦量が増大し
てピン連結部材に給脂が必要となったときのみピン連結
部材に潤滑油を供給することができる。
【0022】また、請求項7の発明は、作業装置を駆動
する油圧ポンプの吐出圧の変動によってポンプ手段を駆
動するポンプ駆動手段を備えたことにある。
【0023】このように構成したことにより、ポンプ駆
動手段は、油圧ポンプの吐出圧の変動によってポンプ手
段を駆動する。このため、油圧ポンプの吐出圧の変動が
大きいときには、より多くの潤滑油を供給することがで
き、油圧ポンプの吐出圧の変動が小さいときには、より
少ない潤滑油を供給することができる。
【0024】また、請求項8の発明は、前記ポンプ手段
はピストンが往復動することによって潤滑油を吐出する
プランジャポンプであり、前記ポンプ駆動手段は、作業
装置を駆動させる油圧ポンプと、該油圧ポンプとプラン
ジャポンプとを接続する油圧配管によって構成し、前記
プランジャポンプのピストンは油圧ポンプの吐出圧の変
動に応じて往復動する構成としたことにある。
【0025】これにより、プランジャポンプには、油圧
配管を通じて供給される油圧ポンプからの圧油が供給さ
れる。このため、プランジャポンプのピストンは、油圧
ポンプによる吐出圧の変動に応じて往復動し、潤滑油を
吐出することができる。
【0026】さらに、請求項9の発明は、ピン結合部材
を、一方の部材のボスと、該ボスの近傍に配設された相
手方の部材のブラケットと、該ブラケットとボスを回動
可能に連結する連結ピンとから構成したことにある。
【0027】このように構成したことにより、摩擦が生
じるボス、ブラケットと連結ピンとの間に潤滑油を供給
することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
建設機械の自動給脂装置を油圧ショベルに適用した場合
を例に挙げて、図1ないし図10に基づいて詳細に説明
する。
【0029】まず、図1ないし図4は本発明の第1の実
施の形態に係り、1は建設機械としての油圧ショベルを
示し、この油圧ショベル1は下部走行体2と、下部走行
体2上に旋回装置3を介して旋回可能に設けられた上部
旋回体4とからなり、上部旋回体4は、その前部側に設
けられたキャブ5と、このキャブ5の後側に位置して後
述のグリースポンプ16等を収容した建屋カバー6と、
キャブ5の側方に位置して上部旋回体4の前部に設けら
れた作業装置7とから構成されている。
【0030】ここで、作業装置7は、上部旋回体4の前
部に俯仰動可能にピン結合されたブーム8と、該ブーム
8の先端側に俯仰動可能にピン結合されたアーム9と、
該アーム9の先端側に回動可能にピン結合されたバケッ
ト10とから構成されている。また、ブーム8、アーム
9、バケット10にはブームシリンダ11、アームシリ
ンダ12、バケットシリンダ13が設けられている。そ
して、作業装置7は、これらのシリンダ11〜13を伸
縮することによって駆動するものである。
【0031】14,14,…は、作業装置7に設けられ
た軸受装置等からなるピン結合部材で、各ピン結合部材
14は上部旋回体4の旋回フレームとブーム8との間、
ブーム8とアーム9との間、アーム9とバケット10と
の間、各シリンダ11〜13の両端側等に配設され、こ
れらに設けられた一方の部材としてのボスと相手方部材
としてのブラケットとを連結ピン14Aによってピン結
合している。また、各ピン結合部材14は、連結ピン1
4Aを中心に摺動変位するため、連結ピン14Aとの潤
滑性を維持するために潤滑油としてのグリースが給脂さ
れる給脂部となっている。
【0032】15は油圧ショベル1の各ピン結合部材1
4にグリースを給脂するために設けられた自動給脂装置
で、この自動給脂装置15は、後述するグリースポンプ
16、分配弁20,21、駆動圧力センサ24〜26、
コントローラ27等によって構成されている。
【0033】16はグリースポンプで、このグリースポ
ンプ16は、モータ17、切換弁23等と共にポンプ手
段を構成している。そして、グリースポンプ16には駆
動源として電動モータ等からなるモータ17が接続さ
れ、このモータ17を回転駆動することによって、グリ
ースポンプ16は蓄圧式のグリースタンク18内のグリ
ースを吐出するものである。そして、モータ17は後述
のコントローラ27に接続され、このコントローラ27
からの運転指令信号によって駆動、停止が制御されてい
る。
【0034】また、グリースポンプ16の吐出側には給
脂管路19が接続されると共に、この給脂管路19には
2個の分配弁20,21が直列接続されている。そし
て、分配弁20,21は複数の分配管路22を通じて各
ピン結合部材14に接続されている。これにより、グリ
ースポンプ16から吐出されたグリースは、給脂管路1
9、分配弁20,21と分配管路22を通じて各ピン結
合部材14に供給されるものである。
【0035】23はグリースポンプ16と上流側の分配
弁20との間に位置して給脂管路19の途中に接続され
た切換弁で、この切換弁23は3ポート2位置の電磁切
換弁によって構成されている。そして、この切換弁23
は、コントローラ27に接続されると共に、このコント
ローラ27から出力される切換信号によって開弁位置
(イ)と閉弁位置(ロ)とが切り換えられるものであ
る。
【0036】24,25,26は作業負荷検出器として
の駆動圧力センサで、ブーム用駆動圧力センサ24は、
例えばブームシリンダ11と油圧ポンプとを接続する油
圧配管に接続され、この油圧配管内の圧力P1 をブーム
シリンダ11の負荷圧として検出するものである。ま
た、アーム用駆動圧力センサ25は、例えばアームシリ
ンダ12と油圧ポンプとを接続する油圧配管に接続さ
れ、この油圧配管内の圧力P2 をアームシリンダ12の
負荷圧として検出する。さらに、バケット用駆動圧力セ
ンサ26もほぼ同様にバケットシリンダ13と油圧ポン
プとを接続する油圧配管に接続され、この油圧配管内の
圧力P3 をバケットシリンダ13の負荷圧として検出す
るものである。
【0037】そして、これらの駆動圧力センサ24,2
5,26は、コントローラ27の入力側に接続され、図
3中の特性線aに示すようにコントローラ27に向けて
圧力P1 ,P2 ,P3 に比例した検出信号として検出電
流ip1,ip2,ip3を出力している。
【0038】27はポンプ制御手段としてのコントロー
ラで、このコントローラ27は、図2に示すように入力
部27A、選択部27B、記憶部27C、比較演算部2
7D、出力部27Eによって構成されている。
【0039】そして、入力部27Aは、駆動圧力センサ
24〜26からの検出電流ip1〜ip3を入力するもので
あり、選択部27Bは、この入力部27Aに入力された
検出電流ip1〜ip3のうち最大のものを選択電流iとし
て選択するものである。即ち、選択電流iは、検出電流
ip1〜ip3のうち最大電流値によって定められる。
【0040】また、記憶部27Cは、図4中の特性線b
に示すように選択電流iとモータ17、切換弁23の駆
動電流Iとの関係をマップとして格納しており、選択電
流iが求められたとき、この選択電流iを用いて駆動電
流Iを算出することができる。
【0041】そして、比較演算部27Dは、選択部27
Bで選択された選択電流iと記憶部27Cに格納された
マップとを比較してコントローラ27からモータ17、
切換弁23に出力する駆動電流Iを演算するものであ
る。
【0042】ここで、各駆動圧力センサ24〜26から
出力される検出電流ip1〜ip3は、図3に示すように各
シリンダ11〜13に加わる圧力が給脂が必要となる圧
力として予め決められた基準圧P0 よりも小さいときに
は、この基準圧P0 に対応した基準電流i0 よりも小さ
い電流を出力する。
【0043】そして、選択電流iがこの基準電流i0 よ
りも小さいときにはピン結合部材14に給脂を行う必要
がないため、比較演算部27Dは、図4に示すように駆
動電流Iをほぼ零にする。これにより、モータ17は停
止すると共に、切換弁23は閉弁位置(ロ)に切り換わ
る。
【0044】一方、選択電流iが基準電流i0 よりも大
きいときには、比較演算部27Dは、図4に示すように
選択電流iにほぼ比例した駆動電流Iを出力する。これ
により、モータ17は駆動電流Iに対応した回転数で回
転駆動する。このとき、切換弁23は開弁位置(イ)に
切り換わると共に、駆動電流Iに対応した弁開度をもっ
て開弁する。
【0045】そして、出力部27Eは、比較演算部27
Dで求めた駆動電流Iを運転指令信号としてモータ17
に出力すると共に、切換信号として切換弁23に出力す
るものである。
【0046】本実施の形態による自動給脂装置15は上
述の如き構成を有するもので、次にその作動について、
図3および図4を参照しつつ説明する。
【0047】まず、作業装置7が作動していない場合、
駆動圧力センサ24〜26で検出され、バンドパスフィ
ルタ(図示せず)等によって処理された後の圧力P1 〜
P3は、いずれも基準圧P0 以下となる。このとき、各
駆動圧力センサ24〜26から出力される検出電流ip1
〜ip3は、図3に示すように基準電流i0 以下になる。
そして、これらの検出電流ip1〜ip3のうちから選択部
27Bによって選択された選択電流iも基準電流i0 以
下となる。このため、図4に示すマップから、選択電流
iを用いて算出される駆動電流Iはほぼ零となり、コン
トローラ27は、モータ17、切換弁23に対して駆動
電流Iの出力を停止する。これにより、モータ17は停
止すると共に、切換弁23は閉弁位置(ロ)に切り換わ
り、グリースの供給量Qはほぼ零となる。
【0048】次に、作業装置7が作動している場合、各
シリンダ11〜13に油圧ポンプから圧油が供給される
ため、駆動圧力センサ24〜26で検出される圧力P1
〜P3 は上昇する。このとき、駆動圧力センサ24〜2
6から出力される検出電流ip1〜ip3は、これらの圧力
P1 〜P3 に対応して増加する。そして、これらの検出
電流ip1〜ip3は入力部27Aを通じてコントローラ2
7に入力され、選択部27Bは検出電流ip1〜ip3のう
ち最大値となる選択電流iを選択する。
【0049】ここで、作業装置7によって土砂等の掘削
作業を行い、作業装置7に負荷が生じたときには、選択
電流iが基準電流i0 よりも大きくなる。このとき、比
較演算部27Dは選択電流iに比例して零よりも大きく
なった駆動電流Iを算出する。そして、コントローラ2
7は、この駆動電流Iを出力部27Eを通じて運転指令
信号としてモータ17に出力すると共に、切換信号とし
て切換弁23に出力する。
【0050】このため、モータ17はこの駆動電流Iに
応じた回転数で回転駆動すると共に、切換弁23はこの
駆動電流Iに応じた弁開度をもって開弁位置(イ)に切
り換わる。これにより、ピン結合部材14には、駆動電
流Iに応じた供給量Qのグリースが供給される。従っ
て、作業装置7にかかる負荷が大きく選択電流i(検出
電流ip1〜ip3)が大きいときには、より多くの供給量
Qのグリースを給脂することによって作業装置7にかか
る負荷が小さくでき、選択電流iが小さいときには、よ
り少ない供給量Qのグリースを給脂することによってグ
リースの無駄をなくすことができる。
【0051】かくして、本実施の形態における自動給脂
装置15では、入力部27Aから入力される検出電流i
p1〜ip3、即ち作業装置7にかかる負荷に応じてグリー
スの供給量Qを調整しているので、ピン結合部材14の
潤滑性を維持しつつ、過不足のない最適な供給量Qのグ
リースを給脂することができる。このため、従来技術に
ようにグリースを必要以上に給脂することがなく、グリ
ースの無駄を省き、ランニングコストを削減することが
できる。
【0052】また、作業装置7にかかる負荷が大きくピ
ン結合部材14の摩擦量が増大するときには、選択電流
iも大きくなるので、より多くのグリースを給脂するこ
とができる。これにより、ピン結合部材14の潤滑性を
確実に維持できると共に、グリース不足による油膜切れ
をなくし、連結ピン14A等の寿命を延ばすことができ
る。
【0053】さらに、ピン結合部材14をボス、ブッシ
ュ、連結ピン14Aによって構成したから、摩擦が発生
するボス、ブッシュと連結ピン14Aとの間にグリース
を供給することができ、連結ピン14A等の焼付きを防
止し、信頼性を高めることができる。
【0054】なお、本実施の形態では、作業装置7の最
大の負荷圧に対応した選択電流iを、3個の駆動圧力セ
ンサ24〜26によってシリンダ11〜13のシリンダ
圧(負荷圧)を検出し、コントローラ27内でこれら駆
動圧力センサ24〜26からの検出電流ip1〜ip3のう
ち最大のものを選択することによって求めている。しか
し、作業装置7の負荷に応じてその吐出量を可変にする
可変容量型油圧ポンプを用いる場合は、ポンプの吐出圧
を作業装置7の最大の負荷圧として検出してもよい。
【0055】また、図5に示す変形例のように、2個の
シャトル弁28,28を介して1個の駆動圧力センサ2
9とシリンダ11〜13とを接続し、これらのシャトル
弁28によってシリンダ11〜13の負荷圧うち最大の
ものを駆動圧力センサ29に導く構成としてもよい。こ
れにより、駆動圧力センサ29は常に作業装置7の最大
の負荷圧を検出するから、コントローラ27から選択部
27Bを省略し、入力部27A′、記憶部27C′、比
較演算部27D′、出力部27E′からなるコントロー
ラ27′を用いることができる。
【0056】次に、図6および図7を用いて本発明によ
る第2の実施の形態について説明する。ここで、本実施
の形態の特徴は摩擦量増大要素検出手段として、ブーム
用操作レバー、アーム用操作レバー、バケット用操作レ
バーによって操作される減圧弁型パイロット弁から出力
されるパイロット圧を検出する圧力センサを用いたこと
にある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形
態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0057】31,32,33は摺動速度検出器として
のパイロット圧力センサで、ブーム用パイロット圧力セ
ンサ31は、例えばブーム8を操作するためのブーム用
操作レバーの減圧弁型パイロット弁(図示せず)の近傍
に設けられ、このブーム用操作レバーのパイロット圧を
操作量S1 として検出するものである。ここで、ブーム
用操作レバーのパイロット圧に応じてブームシリンダ1
1に給排される圧油量が増,減するから、このパイロッ
ト圧に応じてブームシリンダ11の伸縮速度、即ちブー
ム8の回動速度が高速,低速に変化する。このように、
操作量S1 が増,減するときにはブーム8の近傍に設け
られたピン結合部材14の摺動速度が高速,低速に変化
するから、操作量S1 は、ブーム8の近傍に設けられた
ピン結合部材14の摺動速度に対応している。
【0058】また、アーム用パイロット圧力センサ32
はアーム用操作レバーのパイロット圧を操作量S2 とし
て検出する。さらに、バケット用パイロット圧力センサ
33はバケット用操作レバーのパイロット圧を操作量S
3 として検出するものである。そして、操作量S1 と同
様に操作量S2 はアーム9近傍に位置するピン結合部材
14の摺動速度に対応し、操作量S3 はバケット10近
傍に位置するピン結合部材14の摺動速度に対応してい
る。
【0059】そして、これらのパイロット圧力センサ3
1,32,33は、コントローラ27の入力側に接続さ
れ、図7中の特性線cに示すようにコントローラ27に
向けて操作量S1 ,S2 ,S3 に対応した検出信号とし
て検出電流is1,is2,is3を出力している。
【0060】ここで、各パイロット圧力センサ31〜3
3から出力される検出電流is1〜is3は、給脂が必要と
なる操作量として予め決められた基準量S0 よりも小さ
いときには、この基準量S0 に対応した基準電流i0 よ
りも小さい電流を出力する。
【0061】次に、本実施の形態による自動給脂装置の
作動について説明する。まず、パイロット圧力センサ3
1〜33によって検出された操作量S1 〜S3 は、検出
電流is1〜is3としてコントローラ27に出力される。
このとき、コントローラ27は入力部27Aを通じてこ
れらの検出電流is1〜is3を取り込むと共に、選択部2
7Bによって検出電流is1〜is3のうち最大のものを選
択電流iとして選択する。そして、比較演算部27D
は、記憶部27Cから第1の実施の形態と同様の図4中
のマップを読出すと共に、この選択電流iを用いて駆動
電流Iを算出する。これにより、コントローラ27は出
力部27Eから運転指令信号としての駆動電流Iをモー
タ17に出力すると共に、切換弁23に切換信号を出力
する。
【0062】ここで、パイロット圧力センサ31〜33
は、操作レバーの操作量S1 〜S3が給脂が必要となる
操作量として予め決められた基準量S0 よりも小さいと
きには基準電流i0 よりも小さい検出電流is1〜is3を
出力し、基準量S0 よりも大きいときには基準電流i0
よりも大きい検出電流is1〜is3を出力する。このた
め、コントローラ27は、操作レバーの操作量S1 〜S
3 が基準量S0 以下の場合には、第1の実施の形態と同
様にグリースの供給量Qが零になるように、モータ1
7、切換弁23を制御し、操作レバーの操作量S1 〜S
3 が基準量S0 よりも大きい場合には、最大の操作量に
比例してグリースの供給量Qを増加させる。
【0063】かくして、本実施の形態における自動給脂
装置でも前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を
得ることができる。 しかし、本実施の形態では、パイロ
ット圧力センサ31〜32によってブーム用操作レバ
ー、アーム用操作レバー、バケット用操作レバーの操作
量S1 〜S3 を検出し、この操作量S1 〜S3 に応じて
グリースの供給量Qを変化させる。このため、作業装置
7の負荷が変化しないときであっても、作業装置7の駆
動速度、即ちピン結合部材14の摺動速度が変化したと
きには、このピン結合部材14の摺動速度に応じてグリ
ースの供給量Qを調節することができる。
【0064】これにより、ピン結合部材14の摺動速度
が上昇しピン結合部材14の摩擦量が増大するときに
は、より多くのグリースを供給でき、ピン結合部材14
の摺動速度が低下しピン結合部材14の摩擦量が減少す
るときには、より少ないグリースを供給することがで
き、ピン結合部材14の潤滑性を維持できると共に、最
適量のグリースを供給することができる。
【0065】次に、図8および図9を用いて本発明によ
る第3の実施の形態について説明する。ここで、本実施
の形態の特徴は摩擦量増大要素検出手段としてブームシ
リンダ、アームシリンダ、バケットシリンダの負荷圧を
検出する圧力センサと、ブーム用操作レバー、アーム用
操作レバー、バケット用操作レバーのパイロット圧を検
出する圧力センサとを用いたことにある。なお、本実施
の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0066】41,42,43は摺動速度検出器として
のパイロット圧力センサで、これらのパイロット圧力セ
ンサ41〜43は前記第2の実施の形態によるパイロッ
ト圧力センサ31〜33とほぼ同様に構成されている。
このため、パイロット圧力センサ41はブーム用操作レ
バーのパイロット圧を操作量S1 として検出し、パイロ
ット圧力センサ42はアーム用操作レバーのパイロット
圧を操作量S2 として検出し、パイロット圧力センサ4
3はバケット用操作レバーのパイロット圧を操作量S3
として検出するものである。
【0067】そして、これらのパイロット圧力センサ4
1,42,43は、第2の実施の形態のパイロット圧力
センサ31,32,33とほぼ同様に構成され、操作量
S1,S2 ,S3 に対応した検出信号として検出電流is
1,is2,is3を出力している。
【0068】44は本実施の形態に用いるコントローラ
で、このコントローラ44は、図8に示すように入力部
44A,44B、選択部44C,44D、記憶部44
E、比較演算部44F、出力部44Gによって構成され
ている。
【0069】また、入力部44Aにはシリンダ11〜1
3の負荷圧を検出する駆動圧力センサ24〜26が接続
され、入力部44Bには操作レバーのパイロット圧を検
出するパイロット圧力センサ41〜43が接続されてい
る。そして、入力部44Aは、駆動圧力センサ24〜2
6からの検出電流ip1〜ip3をコントローラ44内に入
力し、入力部44Bは、パイロット圧力センサ41〜4
3からの検出電流is1〜is3をコントローラ44内に入
力するものである。
【0070】また、選択部44Cは入力部44Aに入力
された検出電流ip1〜ip3のうち最大のものを選択電流
ip として選択し、選択部44Dは入力部44Bに入力
された検出電流is1〜is3のうち最大のものを選択電流
is として選択するものである。
【0071】また、記憶部44Eは、図9中の特性線d
に示すように選択電流ip ,is を加算した加算値A1
とモータ17の駆動電流となる駆動電流Iとの関係をマ
ップとして格納している。
【0072】そして、比較演算部44Fは、選択部44
Cで選択された選択電流ip と選択部44Dで選択され
た選択電流is とを下記数1のように加算し、この加算
値A1 と記憶部44Eに格納されたマップとを比較して
コントローラ44からモータ17に出力する駆動電流I
を演算するものである。
【0073】
【数1】A1 =α1 ×ip +α2 ×is
【0074】ここで、α1 は駆動電流Iに対する選択電
流ip の重みを決める定数であり、α2 は駆動電流Iに
対する選択電流is の重みを決める定数である。
【0075】そして、比較演算部44Fは、図9に示す
ように加算値A1 が各ピン結合部材14に給脂が必要と
なる値として予め決められた基準値A0 よりも小さいと
きには、駆動電流Iを零にし、加算値A1 が基準値A0
よりも大きいときには、駆動電流Iを加算値A1 に比例
して増加させる。
【0076】また、出力部44Gには、グリースポンプ
16の駆動源となるモータ17と切換弁23とが接続さ
れている。そして、出力部44Gは、比較演算部44F
で求めた駆動電流Iを運転指令信号としてモータ17に
出力すると共に、切換信号として切換弁23に出力する
ものである。
【0077】このため、加算値A1 が基準値A0 よりも
小さいときにはモータ17は停止すると共に、切換弁2
3は閉弁位置(ロ)に切り換わる。一方、加算値A1 が
基準値A0 よりも大きいときには、モータ17は駆動電
流Iに対応した回転数で回転駆動する共に、切換弁23
は開弁位置(イ)に切り換わり、駆動電流Iに対応した
弁開度をもって開弁する。
【0078】次に、本実施の形態による自動給脂装置の
作動について説明する。まず、駆動圧力センサ24〜2
6は、各シリンダ11〜13の圧力P1 〜P3 を検出
し、検出電流ip1〜ip3をコントローラ44に出力す
る。また、パイロット圧力センサ41〜43は、操作レ
バーの操作量S1 〜S3 を検出し、検出電流is1〜is3
をコントローラ44に出力する。このとき、コントロー
ラ44には入力部44Aを通じて駆動圧力センサ24〜
26からの検出電流ip1〜ip3が入力され、選択部44
Cによって選択電流ip が選択される。一方、コントロ
ーラ44には入力部44Bを通じてパイロット圧力セン
サ41〜43からの検出電流is1〜is3が入力され、選
択部44Dによって選択電流is が選択される。
【0079】次に、比較演算部44Fは、数1に示す演
算を行い選択電流ip と選択電流is とを加算した加算
値A1 を算出する。そして、比較演算部44Fは、記憶
部44Eから図9中のマップを読出すと共に、この加算
値A1 を用いて駆動電流Iを算出する。これにより、コ
ントローラ27は出力部27Eから駆動電流Iをモータ
17、切換弁23に出力する。
【0080】そして、コントローラ44は、加算値A1
が基準値A0 以下の場合には、モータ17、切換弁23
に対する駆動電流Iの出力を停止し、グリースの供給量
Qを零にする。また、加算値A1 が基準値A0 よりも大
きい場合には、コントローラ44は、モータ17、切換
弁23に駆動電流Iを出力し、加算値A1 に比例してグ
リースの供給量Qを増加させる。
【0081】かくして、本実施の形態における自動給脂
装置でも前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を
得ることができる。 しかし、本実施の形態では、駆動圧
力センサ24〜26によってシリンダ11〜13の圧力
P1 〜P3 を検出すると共に、パイロット圧力センサ4
1〜42によって操作レバーの操作量S1 〜S3 を検出
し、これらの圧力P1 〜P3 、操作量S1 〜S3 に応じ
てグリースの供給量Qを変化させる。このため、ピン結
合部材14の摩擦量が増大するときには、より多くのグ
リースを供給でき、ピン結合部材14の摩擦量が減少す
るときには、より少ないグリースを供給することがで
き、グリースの無駄を省き、より最適量のグリースを供
給することができる。
【0082】次に、図10を用いて本発明による第4の
実施の形態について説明する。ここで、本実施の形態の
特徴は油圧ポンプからブームシリンダ等に供給される圧
油の脈動を利用してグリースポンプを駆動することにあ
る。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0083】51は本実施の形態による自動給脂装置
で、この自動給脂装置51は、後述する油圧ポンプ5
2、グリースポンプ56等によって構成されている。
【0084】52は流量制御弁(図示せず)を介してブ
ームシリンダ11、アームシリンダ12、バケットシリ
ンダ13等のアクチュエータに圧油を供給する油圧ポン
プで、この油圧ポンプ52は主管路53を通じて各シリ
ンダ11〜13に接続され、後述の分岐管路54と共に
ポンプ駆動手段を構成している。
【0085】54は油圧ポンプ52とグリースポンプ5
6とを連絡する油圧配管としての分岐管路で、この分岐
管路54は主管路53から分岐して設けられている。そ
して、分岐管路54は、基端側が主管路53に接続さ
れ、先端側が後述のグリースポンプ56に接続されてい
る。また、分岐管路54の途中には絞り55が設けら
れ、この絞り55によって油圧ポンプ52からグリース
ポンプ56に向う圧油量を制限されている。このため、
絞り55は、油圧ポンプ52から各シリンダ11〜13
等に向う圧油が必要以上にグリースポンプ56に供給さ
れるのを防止し、グリースが必要以上に吐出されるのを
防ぐと共に、油圧ポンプ52の動力損失を最小限に抑え
ている。
【0086】56は分岐管路54の先端側に接続された
プランジャポンプからなるグリースポンプで、このグリ
ースポンプ56は、シリンダ56Aと、このシリンダ5
6A内に往復動可能に設けられたピストン56Bと、こ
のピストン56Bをシリンダ56A内で例えば軸方向中
央部に常時付勢する押し出しばね56Cとから構成され
ている。
【0087】また、シリンダ56A内には、ピストン5
6Bによって受圧室Aとタンク室Bとが画成され、受圧
室Aには分岐管路54が接続され、タンク室Bには管路
57と給脂管路58とが接続されている。そして、管路
57には留圧式のグリースタンク59が接続されると共
に、給脂管路58には分配弁20,21が接続されてい
る。また、管路57の途中にはチェック弁60が設けら
れ、給脂管路58の途中には、それぞれチェック弁61
が設けられている。このため、受圧室A内には油圧ポン
プ52からの圧油が供給され、タンク室B内にはグリー
スタンク59からのグリースが充填されている。
【0088】そして、ピストン56Bは、油圧ポンプ5
2からの圧油の圧力変動とタンク室B内に配設された押
し出しばね56Cとの力関係でピストン運動(往復動)
する。これにより、グリースポンプ56は、給脂管路5
8等を通じてグリースをピン結合部材14に供給するも
のである。
【0089】次に、本実施の形態による自動給脂装置の
作動について説明する。まず、作業装置7を俯仰動させ
るために油圧ポンプ52からブームシリンダ11,アー
ムシリンダ12,バケットシリンダ13等に向けて圧油
を吐出すると、主管路53内には油圧ポンプ52の作動
に伴って圧油の脈動が発生する。そして、この圧油は分
岐管路54、絞り55を通じてグリースポンプ56の受
圧室A内に供給される。ここで、タンク室B内にはピス
トン56Bを軸方向中央部に常時付勢する押し出しばね
56Cが配設されている。このため、ピストン56Bは
油圧ポンプ52から受圧室A内に供給される圧油と押し
出しばね56Cとの力関係によってピストン運動する。
【0090】即ち、受圧室A内の圧油による圧力が押し
出しばね56Cのばね力よりも大きいときには、ピスト
ン56Bはタンク室B内に向けて変位し、タンク室B内
のグリースは給脂管路58を通じて分配弁20,21、
ピン結合部材14に向けて吐出される。
【0091】一方、受圧室A内の圧油による圧力が押し
出しばね56Cのばね力よりも小さいときには、ピスト
ン56Bは受圧室A内に向けて変位し、タンク室B内に
は管路57を通じてグリースタンク59からグリースが
充填される。
【0092】このように、油圧ポンプ52から吐出され
る圧油の脈動に伴ってピン結合部材14にグリースを給
脂することができる。また、圧油の脈動は、作業装置7
に加わる負荷によって変動する。即ち、作業装置7に加
わる負荷が大きいときには圧油の脈動は大きく、作業装
置7に加わる負荷が小さいときには圧油の脈動は小さく
なる。このため、作業装置7に加わる負荷に応じてピン
結合部材14に供給するグリースの供給量を変化させる
ことができ、最適量のグリースを供給することができ
る。
【0093】この場合、グリースポンプ56からのピン
結合部材14に向うグリースの供給量は、絞り55の絞
り量、ピストン56Bの受圧面積によって調節すること
ができる。
【0094】かくして、本実施の形態によれば、各シリ
ンダ11〜13等に圧油を供給する油圧ポンプ52の吐
出圧の変動(圧油の脈動)によってグリースポンプ56
を駆動させ、ピン結合部材14に給脂を行うので、第1
ないし第3の実施の形態にようなモータ、コントローラ
等を必要とせずに、最適量のグリースを自動的に給脂す
ることができる。この結果、第1の実施の形態とほぼ同
様な効果が得られ、かつ製作工数やコストを低減するこ
とができる。
【0095】なお、本実施の形態においてグリースポン
プ56の受圧室Aにパイロット油圧ポンプ(図示せず)
からの圧油を導くことによって、第2,第3の実施の形
態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0096】また、本発明による建設機械として油圧シ
ョベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、油圧クレーン、ホイールローダ、ブルトーザ等の建
設機械に適用してもよい。
【0097】また、前記第1ないし第3の実施の形態で
は、ポンプ手段をグリースポンプ16、モータ17、切
換弁23等によって構成し、モータ17と共に切換弁2
3の制御を行うものとしたが、切換弁23は必須の構成
要件ではなく、切換弁23を省略してもよい。この場
合、ポンプ手段をグリースポンプおよびモータによって
構成し、モータのみを制御するものである。
【0098】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の本発明に
よれば、ピン結合部材において摩擦量が増大する要素に
基づいてポンプ手段からピン結合部材に供給する潤滑油
の供給量を制御する潤滑油制御手段を備える構成とした
から、摩擦量が大きいときには、より多くの潤滑油をピ
ン結合部材に供給することができ、摩擦量が小さいとき
には、より少ない潤滑油をピン結合部材に供給すること
ができる。これにより、潤滑油の供給量を最適化するこ
とができ、ピン結合部材の油膜切れを防止し、連結ピン
等の寿命を延ばすことができると共に、潤滑油の無駄を
省きランニングコストを低減することができる。
【0099】また、請求項2の発明によれば、潤滑油制
御手段はポンプ制御手段と摩擦量増大要素検出手段とか
らなり、前記ポンプ制御手段を摩擦量増大要素検出手段
による検出値を用いてポンプ手段を駆動、停止させる構
成としたから、ポンプ制御手段は、摩擦量増大要素検出
手段による検出値を用いてポンプ手段を駆動、停止し、
潤滑油の供給量を最適化することができる。
【0100】また、請求項3の発明によれば、前記摩擦
量増大要素検出手段を、作業装置に加わる負荷を検出す
る作業負荷検出器によって構成したから、作業装置に加
わる負荷が大きいときには、より多くの潤滑油をピン結
合部材に供給することができ、負荷が小さいときには、
より少ない潤滑油をピン結合部材に供給することができ
る。
【0101】また、請求項4の発明によれば、前記摩擦
量増大要素検出手段を、ピン結合部材の摺動速度を検出
する摺動速度検出器によって構成したから、ピン結合部
材の摺動速度が速いときには、より多くの潤滑油をピン
結合部材に供給することができ、摺動速度が遅いときに
は、より少ない潤滑油をピン結合部材に供給することが
できる。
【0102】また、請求項5の発明によれば、摩擦量増
大要素検出手段を、作業装置に加わる負荷を検出する作
業負荷検出器と、ピン結合部材の摺動速度を検出する摺
動速度検出器とによって構成したから、作業装置に加わ
る負荷とピン結合部材の摺動速度との2つの要素に応じ
てピン結合部材への潤滑油の供給量を制御することがで
きる。このため、潤滑油の供給量をより最適化すること
ができる。
【0103】また、請求項6の発明によれば、ポンプ制
御手段を、摩擦量増大要素検出手段による検出値がピン
結合部材に給脂が必要となる予め決められた基準値より
も大きいときにはポンプ手段を駆動し、それ以外のとき
にはポンプ手段を停止する構成としたから、摩擦量が増
大してピン結合部材に給脂が必要となったときのみピン
結合部材に潤滑油を供給することができ、潤滑油の無駄
を省くことができる。
【0104】また、請求項7の発明によれば、建設機械
には作業装置を駆動する油圧ポンプの吐出圧の変動によ
ってポンプ手段を駆動する構成としたから、油圧ポンプ
の吐出圧の変動が大きいときには、より多くの潤滑油を
供給することができ、油圧ポンプの吐出圧の変動が小さ
いときには、より少ない潤滑油を供給することができ
る。また、ポンプ手段を駆動する駆動源等を別途設ける
必要がないため、製造コストを低減することができる。
【0105】また、請求項8の発明によれば、ポンプ手
段はピストンが往復動することによって潤滑油を吐出す
るプランジャポンプであり、ポンプ駆動手段は作業装置
を駆動させる油圧ポンプと、該油圧ポンプとプランジャ
ポンプとを接続する油圧配管によって構成している。こ
のため、プランジャポンプのピストンは、油圧ポンプに
よる吐出圧の変動に応じて往復動し、自動的に潤滑油の
給脂を行うことができる。
【0106】さらに、請求項9の発明によれば、ピン結
合部材をボス、ブッシュ、連結ピンによって構成したか
ら、摩擦が発生するボス、ブッシュと連結ピンとの間に
潤滑油を供給することができ、連結ピン等の焼付きを防
止し、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による自動給脂装置
を油圧ショベルに適用した場合を示す油圧回路図であ
る。
【図2】図1中のコントローラ等を示す制御ブロック図
である。
【図3】駆動圧力センサによって検出される圧力と検出
電流との関係を示す特性線図である。
【図4】第1の実施の形態によるコントローラ内に格納
されたマップを選択電流と駆動電流との関係によって示
す特性線図である。
【図5】第1の実施の形態によるコントローラ等の変形
例を示す制御ブロック図である。
【図6】第2の実施の形態による自動給脂装置のコント
ローラ等を示す制御ブロック図である。
【図7】パイロット圧力センサによって検出される操作
量と検出電流との関係を示す特性線図である。
【図8】第3の実施の形態による自動給脂装置のコント
ローラ等を示す制御ブロック図である。
【図9】第3の実施の形態によるコントローラ内に格納
されたマップを加算値と駆動電流との関係によって示す
特性線図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による自動給脂装
置を油圧ショベルに適用した場合を示す油圧回路図であ
る。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械) 7 作業装置 14 ピン結合部材 14A 連結ピン 15,51 自動給脂装置 16,56 グリースポンプ(ポンプ手段) 17 モータ 23 切換弁 24,25,26,29 駆動圧力センサ(作業負荷検
出器) 31,32,33,41,42,43 パイロット圧力
センサ(摺動速度検出器) 27,44 コントローラ(ポンプ制御手段) 52 油圧ポンプ 54 分岐管路(油圧配管)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピン連結部材によって連結された作業装
    置を備えた建設機械に設けられ、潤滑油を吐出するポン
    プ手段によって潤滑油を前記ピン連結部材に供給してな
    る建設機械の自動給脂装置において、 前記ピン連結部材における摩擦量が増大する要素に基づ
    いて前記ポンプ手段からピン連結部材に供給する潤滑油
    の供給量を制御する潤滑油制御手段を備えたことを特徴
    とする建設機械の自動給脂装置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑油制御手段は、前記ポンプ手段
    の駆動、停止を制御するポンプ制御手段と、該ポンプ制
    御手段に接続され、前記ピン連結部材における摩擦量が
    増大する要素を検出する摩擦量増大要素検出手段とから
    なり、前記ポンプ制御手段は、摩擦量増大要素検出手段
    による検出値を用いて前記ポンプ手段を駆動、停止させ
    る構成としてなる請求項1に記載の建設機械の自動給脂
    装置。
  3. 【請求項3】 前記摩擦量増大要素検出手段は、前記作
    業装置に加わる負荷を検出する作業負荷検出器によって
    構成してなる請求項2に記載の建設機械の自動給脂装
    置。
  4. 【請求項4】 前記摩擦量増大要素検出手段は、前記ピ
    ン連結部材の摺動速度を検出する摺動速度検出器によっ
    て構成してなる請求項2に記載の建設機械の自動給脂装
    置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦量増大要素検出手段は、前記作
    業装置に加わる負荷を検出する作業負荷検出器と、前記
    ピン連結部材の摺動速度を検出する摺動速度検出器とに
    よって構成してなる請求項2に記載の建設機械の自動給
    脂装置。
  6. 【請求項6】 前記ポンプ制御手段は、前記摩擦量増大
    要素検出手段による検出値がピン連結部材に給脂が必要
    となる予め決められた基準値よりも大きいときには前記
    ポンプ手段を駆動し、それ以外のときにはポンプ手段を
    停止する構成としてなる請求項2,3,4または5に記
    載の建設機械の自動給脂装置。
  7. 【請求項7】 ピン連結部材によって連結された作業装
    置を備えた建設機械に設けられ、潤滑油を吐出するポン
    プ手段によって潤滑油を前記ピン連結部材に供給してな
    る建設機械の自動給脂装置において、 前記作業装置を駆動する油圧ポンプの吐出圧の変動によ
    って前記ポンプ手段を駆動するポンプ駆動手段を備えた
    ことを特徴とする建設機械の自動給脂装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ手段はピストンが往復動する
    ことによって潤滑油を吐出するプランジャポンプであ
    り、前記ポンプ駆動手段は、作業装置を駆動させる油圧
    ポンプと、該油圧ポンプとプランジャポンプとを接続す
    る油圧配管とによって構成し、前記プランジャポンプの
    ピストンは油圧ポンプの吐出圧の変動に応じて往復動す
    る構成としてなる請求項7に記載の建設機械の自動給脂
    装置。
  9. 【請求項9】 前記ピン結合部材は、一方の部材のボス
    と、該ボスの近傍に配設された相手方の部材のブラケッ
    トと、該ブラケットとボスを回動可能に連結する連結ピ
    ンとから構成してなる請求項1,2,3,4,5,6,
    7または8に記載の建設機械の自動給脂装置。
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