JP2020117695A - 粘接着性組成物、硬化物、光学部品、及び、電子部品 - Google Patents

粘接着性組成物、硬化物、光学部品、及び、電子部品 Download PDF

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崇希 小林
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Abstract

【課題】リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物を提供する。また、該粘接着性組成物の硬化物、並びに、該硬化物を有する光学部品及び電子部品を提供する。【解決手段】ポリビニルアセタール樹脂、単官能(メタ)アクリルモノマー、架橋剤、及び、光反応開始剤を含有する粘接着性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物に関する。また、本発明は、該粘接着性組成物の硬化物、並びに、該硬化物を有する光学部品及び電子部品に関する。
従来、電子機器における光学部品や電子部品の固定には、粘着テープが広く用いられている。しかしながら、光学部品や電子部品の微小化に伴い、粘着テープを用いて部品を固定する際の粘着テープの切断、剥離等の工程が困難化しており、また、剥離紙や、接着面に合わせてカットした際の余剰部分等の廃棄物が多量に生じるという問題があった。
そこで、光学部品や電子部品の固定に接着剤を用いることが行われている。このような接着剤として、例えば、特許文献1には、数平均分子量が600〜1000であるエポキシ化合物を含有する熱硬化型の接着剤が開示されている。しかしながら、熱硬化型の接着剤は、熱により損傷する可能性のある光学部品や電子部品の接着には適さないものであった。また、例えば、特許文献2には、活性メチレン基を有するラジカル重合性化合物と水素引き抜き作用のあるラジカル重合開始剤を含む光硬化型の接着剤が開示されている。しかしながら、光硬化型の接着剤を用いた場合は、該接着剤が光の届かない部分に塗布された場合に硬化が不充分となるという問題があった。更に、従来の接着剤は、硬化後の接着性とリワーク性(再剥離性)とを両立させることが困難であった。また、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮することが可能な粘接着性組成物が求められていた。
特開2002−212534号公報 特開2014−132092号公報
本発明は、リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該粘接着性組成物の硬化物、並びに、該硬化物を有する光学部品及び電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂、単官能(メタ)アクリルモノマー、架橋剤、及び、光反応開始剤を含有する粘接着性組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、ポリビニルアセタール樹脂、単官能(メタ)アクリルモノマー、架橋剤、及び、光反応開始剤を組み合わせて用いることにより、リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において、用語の定義は以下のとおりである。
上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記「粘接着性」とは、硬化物が粘着性と接着性の両方を有する性質をいう。具体的には、硬化物作製直後の引張せん断接着強さが0.1MPa以上0.4MPa未満の粘着性を示し、硬化物作製後25℃、60%RHの環境で24時間保管後の引張せん断接着強さが0.4MPa以上の接着性を示すものをいう。上記「引張せん断接着強さ」は、JIS K 6850に準拠した方法により測定される25℃におけるガラスに対する引張せん断接着強さを意味する。
本発明の粘接着性組成物は、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、本発明の粘接着性組成物は、硬化物の接着性に優れるものとなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、アルデヒドを用いてポリビニルアルコールをアセタール化する方法等により作製することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度の好ましい下限が100、好ましい上限が5000である。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が100以上であることにより、得られる硬化物の機械的強度を充分に向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度が5000以下であることにより、ポリビニルアルコールのアセタール化の際に溶液粘度を好適なものとすることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は4500である。
上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基を有する構成単位の含有割合(以下、「アセタール基量」ともいう)は、アルデヒドを単独で用いた場合又は2種以上を組み合わせて用いた場合のいずれであっても、好ましい下限が50モル%、好ましい上限が85モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量が50モル%以上であることにより、得られる粘接着性組成物の塗工性を向上させることができ、かつ、後述する単官能(メタ)アクリルモノマーとの相溶性を向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量が85モル%以下であることにより、得られる硬化物の機械的強度を充分に向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、上記アセタール基量の計算方法については、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基がポリビニルアルコールの2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用する。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量を調整する方法としては、例えば、アルデヒドの添加量を調整する方法等が挙げられる。即ち、上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量は小さくなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量は大きくなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂における水酸基を有する構成単位の含有割合(以下、「水酸基量」ともいう)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が16モル%以上であることにより、得られる硬化物の機械的強度及び接着力をより向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が45モル%以下であることにより、得られる粘接着性組成物がリワーク性により優れるものとなる。上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量のより好ましい下限は20モル%、より好ましい下限は22モル%である。また、上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量のより好ましい上限は40モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセチル基を有する構成単位の含有割合(以下、「アセチル基量」ともいう)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が0.1モル%以上であることにより、得られる硬化物の機械的強度を充分に向上させることができ、かつ、後述する単官能(メタ)アクリルモノマーとの相溶性を向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が30モル%以下であることにより、得られる粘接着性組成物がリワーク性により優れるものとなる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%である。また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量のより好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量を調整する方法としては、例えば、ポリビニルアルコールのケン化度を調整する方法等が挙げられる。即ち、ケン化度が低いポリビニルアルコールを用いれば、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は大きくなり、ケン化度が高いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は小さくなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が80モル%以上のポリビニルアルコールをアセタール化することで得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。このようなポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、粘接着性組成物の安定性を向上させて、硬化物が長期に亘って優れた機械的強度を発現させることができる。上記ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%未満であると、ポリビニルアルコールの水への溶解度が低下するためアセタール化が困難になることがある。また、ポリビニルアルコールの水酸基量が少ないため、アセタール化反応が進み難くなることがある。上記ポリビニルアルコールのケン化度のより好ましい下限は85モル%である。
上記アセタール化の方法としては、例えば、塩酸等の酸触媒の存在下でポリビニルアルコールの水溶液にアルデヒドを添加する方法等が挙げられる。
上記アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、アセタール基がブチラール基であるポリビニルブチラール、アセタール基がアセトアセタール基であるポリビニルアセトアセタールが好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。
本発明の粘接着性組成物における上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は40重量%である。上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が5重量%以上であることにより、得られる粘接着性組成物がリワーク性により優れるものとなる。上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が40重量%以下であることにより、得られる硬化物の接着力をより向上させることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は20重量%である。
本発明の粘接着性組成物は、単官能(メタ)アクリルモノマーを含有する。
上記単官能(メタ)アクリルモノマーを含有することにより、本発明の粘接着性組成物は、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮するものとなる。
なお、本明細書において、上記「単官能(メタ)アクリルモノマー」は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1つのみ有するモノマーを意味する。また、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記単官能(メタ)アクリルモノマーは、重合物のガラス転移温度の好ましい上限が0℃である。上記単官能(メタ)アクリルモノマーの重合物のガラス転移温度が0℃以下であることにより、得られる粘接着性組成物が粘着性により優れるものとなる。
また、得られる硬化物の凝集力により接着強度を向上させる観点から、上記単官能(メタ)アクリルモノマー重合物のガラス転移温度の好ましい下限は−40℃、より好ましい下限は−30℃である。
なお、本明細書において上記「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大のうち、ミクロブラウン運動に起因する極大が現れる温度を意味する。上記ガラス転移温度は、粘弾性測定装置等を用いた従来公知の方法により測定することができる。
上記単官能(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、芳香環を有するモノ(メタ)アクリレート、環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレート、エステル結合を2個以上有するモノ(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有するモノ(メタ)アクリレート、炭素数1〜3のアルキレンオキサイド基を有するモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、極性基を有するモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基含有多価カルボン酸エステル等が挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記芳香環を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ネオペンチルグリコール−(メタ)アクリル酸−安息香酸エステル、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ビフェニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、三〜六員環の範囲の環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートのうち、三員環の環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートグリシジル、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートのうち、四員環の環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−プロピルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−ブチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)エチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)プロピル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ブチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ペンチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートのうち、五員環の環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールアクリル酸多量体エステル等が挙げられる。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートのうち、六員環の環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル−(メタ)アクリレート、2−{1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]−2−メチルプロピル}(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
上記環状エーテル構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、特にプラスチック基材としてポリカーボネート基材を使用した場合に、ポリカーボネート表面を溶解することにより密着性がより一層向上することから、五員環以上のものが好ましい。なかでも、特に溶解性に優れ、ポリカーボネート基材への密着性を更に向上できることから、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールアクリル酸多量体エステル、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記エステル結合を2個以上有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。具体的には、モノ(メタ)アクリレートとラクトン化合物とを反応させて得られるラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記モノ(メタ)アクリレートとラクトン化合物とを反応させて得られるラクトン変性(メタ)アクリレートにおいて、上記モノ(メタ)アクリレートとしては、脂肪族(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記脂肪族(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシフェニル、(メタ)アクリル酸β−ヒドロキシフェネチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシフェネチル、(メタ)アクリル酸1−フェニル−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−4−アセチルフェニル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記ラクトン化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートにおいて、上記ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アルコールとから構成されるものである。
上記多塩基酸としては、例えば、脂肪族二塩基酸、脂環族二塩基酸、芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸、及び、これらの無水物等が挙げられる。
上記脂肪族二塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等が挙げられる。
上記脂環族二塩基酸としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
上記芳香族二塩基酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等が挙げられる。
上記脂肪族三塩基酸としては、例えば、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。
上記芳香族三塩基酸としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、2価の多価アルコール、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
上記2価の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
上記3価以上の多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては、上記2価の多価アルコール又は上記3価以上の多価アルコールと、環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られた変性ポリエーテルポリオールを用いてもよい。
上記環状エーテル結合含有化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては、上記2価の多価アルコール又は上記3価以上の多価アルコールと、上記ラクトン化合物との重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオールを用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレートを用いることにより、プラスチックへの密着性をより良好とすることができる。
上記(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレートの酸価の好ましい下限は20mgKOH/gである。上記(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレートの酸価が20mgKOH/g以上であることにより、得られる粘接着性組成物の接着性を更に向上させることができる。上記(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレートの酸価のより好ましい下限は100mgKOH/gである。
また、上記(メタ)アクリル酸に由来するエステル結合以外のエステル結合を有するモノ(メタ)アクリレートの酸価の好ましい上限は500mgKOH/g、より好ましい上限は300mgKOH/gである。
上記ウレタン結合を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるもの等が挙げられる。
上記ウレタン結合を有するモノ(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネート化合物としては、例えば、ポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ウレタン結合を有するモノ(メタ)アクリレートの原料となる水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記炭素数1〜3のアルキレンオキサイド基を有するモノ(メタ)アクリレートが有するアルキレンオキサイド基としては、例えば、オキシメチレン基、オキシエチレン基等が挙げられる。
また、上記アルキレンオキサイド基の付加モル数は、1〜10が好ましい。
上記アルキレンオキサイド基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有するモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記極性基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、極性基として、水酸基、アミド基、アミノ基、イソシアネート基等を有するモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
水酸基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
イソシアネート基を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基含有多価カルボン酸エステルとしては、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート等が挙げられる。
本発明の粘接着性組成物における上記単官能(メタ)アクリルモノマーの含有量の好ましい下限は30重量%、好ましい上限は90重量%である。上記単官能(メタ)アクリルモノマーの含有量が30重量%以上であることにより、得られる粘接着性組成物が粘着性により優れるものとなる。上記単官能(メタ)アクリルモノマーの含有量が90重量%以下であることにより、得られる硬化物が接着性により優れるものとなる。上記単官能(メタ)アクリルモノマーの含有量のより好ましい下限は50重量%、より好ましい上限は85重量%、更に好ましい上限は70重量%である。
本発明の粘接着性組成物は、架橋剤を含有する。
上記架橋剤を含有することにより、本発明の粘接着性組成物は、凝集力が増し、硬化物が接着強度に優れるものとなる。
上記架橋剤は、上記ポリビニルアセタール樹脂及び上記単官能(メタ)アクリルモノマーの少なくともいずれかと反応可能な反応性官能基を1分子中に2つ以上有する化合物を含むことが好ましい。具体的には例えば、多官能(メタ)アクリレート、多官能アリルアルコール誘導体、多官能イソシアネート化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、上記架橋剤は、多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。これらの架橋剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記多官能アリルアルコール誘導体としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル等が挙げられる。なかでも、光硬化性樹脂組成物とした場合の紫外線反応性が良好なことから、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートが好ましい。
上記多官能イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及び、これらのカルボジイミド体、ビウレット体、アロファネート体、イソシアヌレート体等が挙げられる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、不飽和基含有シランカップリング剤、グリシジル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
上記不飽和基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記グリシジル基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なかでも、上記シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
本発明の粘接着性組成物における上記架橋剤の含有量の好ましい上限は5重量%である。上記架橋剤の含有量が5重量%以下であることにより、得られる粘接着性組成物が硬化物の接着強度により優れるものとなる。上記架橋剤の含有量のより好ましい上限は4重量%である。
また、上記架橋剤の含有量の好ましい下限は0.05重量%、より好ましい下限は0.1重量%である。
本発明の粘接着性組成物は、光反応開始剤を含有する。
上記光反応開始剤としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等が挙げられる。これらの光反応開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
なかでも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
また、これらの光反応開始剤の助剤として、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
本発明の粘接着性組成物における上記光反応開始剤の含有量の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10重量%である。上記光反応開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる粘接着性組成物が光硬化性及び保存安定性により優れるものとなる。上記光反応開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は5重量%である。
本発明の粘接着性組成物は、粘度の向上、形状保持性の向上、応力分散効果による接着性の更なる向上、線膨張率の改善等を目的としてフィラーを含有することが好ましい。
上記フィラーとしては、無機フィラーや有機フィラーを用いることができる。
上記無機フィラーとしては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機フィラーとしては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
本発明の粘接着性組成物における上記フィラーの含有量の好ましい下限は0.3重量%、好ましい上限は50重量%である。上記フィラーの含有量がこの範囲であることにより、塗布性等の悪化を抑制しつつ、接着性の向上等の効果をより発揮することができる。上記フィラーの含有量のより好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は40重量%である。
また、本発明の粘接着性組成物は、更に、非反応性成分を含有してもよい。
なお、本明細書において、上記「非反応性成分」とは、上記ポリビニルアセタール樹脂と相溶させることができるとともに、反応性二重結合を化合物中に含まないか、又は、反応性二重結合を有していても実質的に重合反応性を示さない化合物を意味する。
上記非反応性成分としては、例えば、可塑剤、粘着付与剤、無溶剤系アクリルポリマー等が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、有機酸エステル、有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステル等が挙げられる。なかでも、有機酸エステルが好ましい。これらの可塑剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記可塑剤は、液状可塑剤であることが好ましい。
上記有機酸エステルとしては、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、例えば、一塩基性有機酸とグリコールとの反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸としては、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等が挙げられる。
上記グリコールとしては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、例えば、多塩基性有機酸と炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸が挙げられる。
上記有機酸エステルとしては、具体的には例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(4GH)、ジエチレングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート(DHA)、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル等が挙げられる。なかでも、DHA、3GO、4GO、3GH、4GH、3G7が好ましく、3GO、3GH、3G7がより好ましく、3GOが更に好ましい。
上記有機リン酸エステル又は上記有機亜リン酸エステルとしては、例えば、リン酸又は亜リン酸とアルコールとの縮合反応により得られる化合物が挙げられる。なかでも、炭素数1〜12のアルコールと、リン酸又は亜リン酸との縮合反応により得られる化合物が好適である。
上記炭素数1〜12のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルブタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、ブトキシエタノール、ブトキシエトキシエタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記有機リン酸エステル又は上記有機亜リン酸エステルとしては、具体的には例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリ(ブトキシエチル)、亜リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンジオール等が挙げられる。
上記ロジンジオールは、分子内にロジン骨格と水酸基とを各々2個有する化合物であれば特に限定されない。上記ロジンジオールには、ロジン骨格を除く骨格がポリプロピレングリコール(PPG)のようなポリエーテル型と、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールのようなポリエステル型とがある。
上記ロジンジオールとしては、例えば、ロジンと多価アルコールとを反応させて得られるロジンエステル、ロジンとエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ変性ロジンエステル、ロジン骨格を有するポリエーテル等の水酸基を有する変性ロジン等が挙げられる。これらは従来公知の方法によって製造することができる。
上記ロジン骨格の由来となるロジン成分としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジアビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、これらを水素添加した水添ロジン、これらを不均化した不均化ロジン等が挙げられる。
上記ロジン系樹脂の市販品としては、例えば、パインクリスタルD−6011、KE−615−3、KR−614、KE−100、KE−311、KE−359、KE−604、D−6250(いずれも荒川化学工業社製)等が挙げられる。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、テルペンフェノール系樹脂等が挙げられる。
上記テルペンフェノール系樹脂は、松ヤニやオレンジの皮等の天然物から得られる精油成分であるテルペン系樹脂とフェノールとの共重合体である。また、上記テルペンフェノール系樹脂には、当該共重合体の少なくとも一部が水素化した部分水添テルペンフェノール系樹脂や、当該共重合体が完全に水素化した完全水添テルペンフェノール系樹脂も含まれる。
ここで、部分水添テルペンフェノール系樹脂は、テルペンフェノール系樹脂を部分的に水添することにより得られるテルペン系樹脂であり、完全水添テルペンフェノール系樹脂は、テルペンフェノール系樹脂を、実質的に完全に水添することにより得られるテルペン系樹脂である。そして、テルペンフェノール系樹脂は、テルペン由来の二重結合とフェノール類由来の芳香族環二重結合とを有している。したがって、部分水添テルペンフェノール系樹脂とは、それらの部位の水添程度が完全でなく、部分的であるテルペンフェノール系樹脂を意味し、完全水添テルペンフェノール系樹脂とは、テルペン部位及びフェノール部位の両方の部位が、完全に、或いはほとんど水添されたテルペンフェノール系樹脂を意味する。上記水添する方法や反応形式としては、特に限定されない。
上記テルペンフェノール系樹脂の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル社製のYSポリスターNH(完全水添テルペンフェノール系樹脂)等が挙げられる。
上記無溶剤系アクリルポリマーとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中から選ばれる少なくとも一種の単量体の重合体、又は、該単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
上記無溶剤系アクリルポリマーの市販品としては、例えば、ARUFON UP−1000シリーズ、ARUFON UH−2000シリーズ、ARUFON UC−3000シリーズ(いずれも東亞合成社製)等が挙げられる。
また、本発明の粘接着性組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。
上記添加剤としては、接着力調整剤、乳化剤、軟化剤、微粒子、顔料、染料、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等が挙げられる。
本発明の粘接着性組成物は、ポリビニルアセタール樹脂と、単官能(メタ)アクリルモノマーと、架橋剤と、光反応開始剤と、必要に応じて添加するフィラー等とを混合することによって製造することができる。
本発明の粘接着性組成物は、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する。具体的には、0.2MPa、10秒間の加圧によっても優れた粘着性を発揮する。
本発明の粘接着性組成物は、繊維、複合材料、セラミック、ガラス、ゴム、コンクリート、紙、金属、プラスチック等の同種あるいは異種材料間の粘接着性組成物として用いることができる。
具体的には、壁紙、積層合板、防犯ガラス等の建築材料の製造、自動車等のUVカットフィルター付き窓ガラスの製造、飲料用の瓶、缶、ボトル等へのラベルの接着、ショーウインドー等への展示物等の接着、光ディスク基板の接着、非接触ICカードの接着、ICチップの接着、有機EL照明のカバーガラスの接着等に用いることができる。また、プロジェクションテレビ及び封止構造が完全固体構造である有機ELディスプレイ等のディスプレイ用部材の接着、タッチパネルと液晶パネルの接着及びタッチパネルとフロントウインドウ、タッチパネル内部等のタッチパネルの接着等に用いることができる。更に、フラットパネルディスプレイに用いられる各種光学フィルムの接着、電気回路に使用される積層板の接着等といった様々な材料や部材を接着や積層体の製造に好適に使用することができる。
なかでも、本発明の粘接着性組成物は、金属及び/又はプラスチックの接着に好ましく用いられる。
本発明の粘接着性組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。本発明の粘接着性組成物の硬化物もまた、本発明の1つである。
上記活性エネルギー線の照射には、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等の観点から紫外線が好適である。
上記紫外線の照射に用いられる光源としては、例えば、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト、LED等が用いられる。
上記紫外線の照射を行う際の積算露光量の好ましい下限は2mJ/cm、好ましい上限は3000mJ/cm、より好ましい下限は10mJ/cm、より好ましい上限は2000mJ/cmである。
また、上記電子線を照射する場合には、50〜1000keVの範囲のエネルギーを持つ電子線を照射することが好ましく、2〜50Mradの照射量とすることが好ましい。
上記活性エネルギー線の照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は、数秒〜数十秒であり、場合によっては数分の1秒でもよい。
本発明の硬化物は、JIS K 6850に準拠した方法により測定される25℃におけるガラスに対する引張せん断接着強さの好ましい下限が0.2MPaである。上記25℃におけるガラスに対する引張せん断接着強さが0.2MPa以上であることにより、光学部品や電子部品の固定に好適に用いることができるものとなる。上記25℃におけるガラスに対する引張せん断接着強さのより好ましい下限は0.3MPaである。
本発明の硬化物は、海島構造を有することが好ましい。上記海島構造を有することにより、本発明の硬化物は、接着強度により優れるものとなる。
なお、本発明において上記「海島構造」とは、ある成分(島成分)からなる相が、別の成分(海成分)からなる相中に分散した構造を表す。上記海島構造は、透過型電子顕微鏡を用いて、500〜1万倍の倍率で観察することにより確認することができる。
上記海島構造の島部分の平均直径の好ましい下限は0.05μm、好ましい上限は15μm以下である。上記島部分の平均直径がこの範囲であることにより、本発明の硬化物は、接着強度により優れるものとなる。上記島部分の平均直径のより好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は10μm以下である。
なお、上記島部分の平均直径は、本発明の硬化物を透過型電子顕微鏡を用いて、2万倍の倍率で観察したときに、観察できる30個の島部分の長径の平均値を意味する。
本発明の硬化物を有する光学部品、及び、本発明の硬化物を有する電子部品もまた、それぞれ本発明の1つである。
本発明によれば、リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該粘接着性組成物の硬化物、並びに、該硬化物を有する光学部品及び電子部品を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜13、比較例1〜4)
表1〜3に記載された配合比に従い、各材料を、混合機にて混合して実施例1〜13、比較例1〜4の粘接着性組成物を得た。混合機としては、自転・公転ミキサー(THINKY社製、「AR−100」)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各粘接着性組成物を離型PET上にアプリケーターを用いて200μmの厚みで塗工し、高圧水銀ランプにより3000mJ/cmのUV光を照射し、硬化物を得た。得られた硬化物について、透過型電子顕微鏡を用いて、500〜1万倍の倍率で観察することにより海島構造の有無を確認した。結果を表1〜3に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各粘接着性組成物について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(粘着性及び接着性)
実施例及び比較例で得られた各粘接着性組成物を、オートディスペンサーにより長さ25mm、幅1mm、厚さ200μmでスライドガラス上に塗工し、高圧水銀ランプにより3000mJ/cmのUV光を照射して硬化させ、もう一枚のスライドガラスで硬化物をはさみ込み、その上から500gの荷重を10秒間かけ、試験片を得た。スライドガラスとしては、S1214(松浪硝子工業社製)を用いた。作製直後、及び、作製してから25℃、60%RHの環境で24時間保管した後の試験片について、引張試験機を用いて、JIS K 6850に準拠した方法により、25℃における引張せん断接着強さを測定した。引張試験機としては、オートグラフAG−X(島津製作所社製)を用いた。
(リワーク性)
実施例及び比較例で得られた各粘接着性組成物を、オートディスペンサーにより長さ25mm、幅1mm、厚さ200μmでスライドガラス上に塗工し、高圧水銀ランプにより3000mJ/cmのUV光を照射して硬化させ、試験片を得た。スライドガラスとしては、S1214(松浪硝子工業社製)を用いた。試験片を作製した直後、粘接着性組成物の硬化物をピンセットを用いて剥離した際の剥離のしやすさを確認した。また、剥離後の塗工部位の糊残りの状態を観察した。
糊残りなく剥離できた、又は、僅かに糊残りがあるもののアセトンを浸み込ませた脱脂綿を3往復させて拭き取ることで洗浄可能であった場合を「○」、剥離できなかった、又は、アセトンを浸み込ませた脱脂綿を3往復させて拭き取ることでも洗浄できない糊残りがあった場合を「×」としてリワーク性を評価した。
Figure 2020117695
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本発明によれば、リワーク性及び硬化後の接着性に優れ、低荷重かつ短時間での加圧により優れた粘着性を発揮する粘接着性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該粘接着性組成物の硬化物、並びに、該硬化物を有する光学部品及び電子部品を提供することができる。

Claims (13)

  1. ポリビニルアセタール樹脂、単官能(メタ)アクリルモノマー、架橋剤、及び、光反応開始剤を含有することを特徴とする粘接着性組成物。
  2. 前記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が5重量%以上40重量%以下である請求項1記載の粘接着性組成物。
  3. 前記単官能(メタ)アクリルモノマーの含有量が30重量%以上90重量%以下である請求項1又は2記載の粘接着性組成物。
  4. 前記架橋剤は、前記ポリビニルアセタール樹脂及び前記単官能(メタ)アクリルモノマーの少なくともいずれかと反応可能な反応性官能基を1分子中に2つ以上有する化合物を含む請求項1、2又は3記載の粘接着性組成物。
  5. 前記架橋剤の含有量が5重量%以下である請求項1、2、3又は4記載の粘接着性組成物。
  6. 更に、フィラーを含有する請求項1、2、3、4又は5記載の粘接着性組成物。
  7. 金属及び/又はプラスチックの接着に用いられる請求項1、2、3、4、5又は6記載の粘接着性組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の粘接着性組成物の硬化物。
  9. JIS K 6850に準拠した方法により測定される25℃におけるガラスに対する引張せん断接着強さが0.2MPa以上である請求項8記載の硬化物。
  10. 海島構造を有する請求項8又は9記載の硬化物。
  11. 前記海島構造の島部分の平均直径が0.05μm以上15μm以下である請求項8、9又は10記載の硬化物。
  12. 請求項8、9、10又は11記載の硬化物を有する光学部品。
  13. 請求項8、9、10又は11記載の硬化物を有する電子部品。
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