JP5067548B2 - 光学機能部材一体型表示装置の製造方法 - Google Patents

光学機能部材一体型表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光透過性を有し、光透過性部材として用いられる耐衝撃用全面板,反射防止処理フィルム,反射防止処理ガラス,帯電防止ガラス,帯電防止フィルム,電磁波シールド材,近赤外線吸収フィルム,カラーフィルター等の光学機能部材と、電子ペーパー,LCD(液晶)等の表示部とが一体となった構造の光学機能部材一体型表示装置の製造方法に関する。
最近において、反射防止処理フィルム、反射防止処理ガラス、帯電防止ガラス、帯電防止フィルム、電磁波シールド材、近赤外線吸収フィルム、カラーフィルター等の光学機能部材とCRT,LCD等の表示部が一体となった構造の光学機能部材一体型表示装置は、銀行のATMやCD、駅の券売機、携帯情報端末、携帯電話、パーソナルコンピューター等において広く用いられるようになってきた。
この光学機能部材と表示部との空隙を埋めるために粘着剤によるラミネートが行われている。この場合、耐衝撃性、追従性を向上させるためには、できるだけ厚い粘着層をラミネートすることが望ましい。従来の溶剤希釈型の粘着剤では、固形分濃度が30%程度と低いものが用いられており、溶剤を十分に希釈させる必要があり、溶媒を十分に揮発させるためには50μm以上の粘着剤を製膜することは困難であった。
そこで、アクリルポリマーを低分子量のアクリルモノマーに溶解したアクリルシロップを原材料として用いる無溶剤製膜系を見出し、500μm程度の厚みの粘着剤を作製することが可能となった(本件出願人が先に出願した特願2007−148783号参照)。
しかしながら、従来技術では、粘着剤は製膜時に架橋が完了してしまうため、被着体との密着性が低くなり、ヒートショック等の耐久試験では、ひどい剥離が発生していた。
特開2001−26758号公報 特開2002−140014号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、被着体との密着性に優れ、冷熱サイクル試験等の耐久試験をクリアーした光学機能部材一体型表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、粘着剤が被着体と密着した後に架橋するような材料を構成することを提案した。即ち、粘着剤が被着体と密着した後に架橋することにより、硬化前においては、よりぬれ易くなり、硬化後においては、投錯効果(アンカー効果)により剥離しにくくなることを見出したものである
従って、本発明は、下記の光学機能部材一体型表示装置の製造方法を提供する。
〔1〕光学機能部材と表示部とが一体化された光学機能部材一体型表示装置の製造方法において、上記光学機能部材と上記表示部とを接着する接着剤組成物には、原料ポリマー、光重合開始剤及び有機過酸化物が含有されなり、上記原料ポリマーが、アクリルポリマー及び/又はメタクリルポリマーを該ポリマーの原料モノマーで希釈した混合物からなり、上記接着剤組成物を含む塗液が無溶剤系であり、ウェットラミネート方式により上記塗液を剥離フィルムに塗工すると共に、この塗工された剥離フィルムに他の剥離フィルムを貼り合わせ、この状態で塗液を光硬化させて部分的に架橋状態の接着剤組成物を作製し、次いで、上記の2つの剥離フィルムを剥がすことにより上記接着剤組成物を介して上記光学機能部材と上記表示部とを貼り合わせ、その後、加熱処理により上記接着組成物を熱硬化させることを特徴とする光学機能部材一体型表示装置の製造方法。
〔2〕上記接着剤組成物の光硬化の条件が、1〜50mW/cm2及び100〜5000mJ/cm2でUV照射する請求項1記載の製造方法。
〔3〕上記接着剤組成物の熱硬化の条件が、50〜140℃で10〜120分加熱する請求項1又は2記載の製造方法。
〔4〕上記光重合開始剤の配合量が、原料ポリマー100質量部に対し、0.1〜10質量部添加してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
〔5〕上記有機過酸化物の配合量が、原料ポリマー100質量部に対し、0.1〜10質量部添加してなる請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
〔6〕上記接着剤組成物が製膜されるフィルムの厚さが10〜3000μmである請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
なお、本発明における「部分的な架橋」とは、最終的に所望する架橋状態より架橋度が低い状態を言う。
本発明の製造方法によれば、被着体との密着性に優れ、冷熱サイクル試験等の耐久試験をクリアーした光学機能部材一体型表示装置を製造方法することができ、工業的に有利な製造方法である。
本発明の光学機能部材一体型表示装置の製造方法は、光学機能部材と表示部とを一体化させるために、原料ポリマー、光重合開始剤及び有機過酸化物を含有した接着剤組成物を用いる。先ず、上記接着剤組成物を光硬化させて部分的に架橋状態の接着組成物を作製し、次いで、上記接着組成物を介して上記光学機能部材と上記表示部とを貼り合わせた後、所定条件下で加熱処理を行うことにより上記接着組成物を熱硬化させて架橋反応を完了させることにより、光学機能部材と表示部との密着性や耐久性に優れた光学機能部材一体型表示装置を作製することができる。
上記接着剤組成物の成分について以下に説明する。
上記接着剤組成物の原料としては、原料ポリマーを該ポリマーの原料モノマーで希釈してなる混合物が用いられる。その理由は、後述するウェットラミネート方式及びUV照射の製膜方法を採用することにより、溶剤系では困難であった100μm以上の膜厚を製膜することが可能となるからである。
上記混合物における原料ポリマーと原料モノマーとの混合比(質量比)は、10/90〜60/40であることが好ましく、より好ましくは15/80〜50/50である。原料ポリマーの量が多すぎると、粘度が高くなりすぎて、作業性が低下するだけでなく、追従性も悪化し、ラミネート加工時に空隙や気泡の発生を招くおそれがある。一方、原料ポリマーの量が少なすぎると、粘度が低くなりすぎて、染み出しを生じ作業性を低下させるおそれがある。
なお、上記混合物における原料ポリマーの数平均分子量は通常20000〜300000であることが好ましく、より好ましくは50000〜200000である。また、上記混合物の粘度は0.5〜30Pa・sであることが好ましく、より好ましくは3〜20Pa・sである。
ここで、上記原料ポリマーとしては、ベースポリマーがアクリレート系及び/又はメタクリレート系ポリマーを採用する。また、アクリレート系及び/又はメタクリレート系ポリマーを使用する場合、メチルメタクリレートの繰り返し単位を少なくとも50質量%(特に60〜90質量%)含むことが好ましい。
そして、上記原料ポリマーをアクリレート系及び/又はメタクリレート系ポリマーとする場合、アクリルモノマーで希釈した混合物を用いる。アクリルポリマーをモノマーで希釈したポリマー/モノマーの混合物(例えば、商品名「シロップ」綜研化学社製)の製造が可能である。また、このような混合物を用いることで溶液の無溶剤化が可能である。
また、上記接着剤組成物には光重合開始剤が必須成分として配合される。その種類としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。光重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどを使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸等の安息香酸系、または、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。
上記光重合開始剤の配合量については、本発明の場合、上記原料ポリマー100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、特に、0.05〜0.3質量部とすることが好ましい。
上記アセトフェノン系重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1など、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンッゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどを使用できる。
上記アセトフェノン系重合開始剤としては、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。また、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどを使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
上記接着剤組成物には、上記光重合開始剤と併せて、必須成分として有機過酸化物が配合される。有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロルヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられ、要求される硬化温度、時間、物性などに応じて適宜配合することができる。
有機過酸化物としては、これらのうちの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、その添加量は、原料ポリマー100質量部に対し、通常0.1〜10質量部、特に0.2〜2.0質量部であることが推奨される。配合量が少ないと、耐久性に十分な硬化が得られなくなり、配合量が多いと、硬化後の未反応物や副生成物が多くなり、性能を低下させる場合がある。
上記接着剤組成物には、上記原料ポリマー、光重合開始剤及び有機過酸化物のほかに、公知の添加剤を配合することができる。例えば、接着性を促進させるために、シランカップリング剤を添加することができる。このシランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらシランカップリング剤の添加量は、上記ベースポリマー100質量部に対して通常0.01〜5質量部である。
また、接着性を向上させる目的でエポキシ基含有化合物を添加することもできる。エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの1種を単独で又は混合して用いることができる。これらエポキシ基含有化合物の添加量は、上記ベースポリマー100質量部に対して通常0.1〜20質量部である。
更に、他の添加剤として、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は、天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系としては、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンとしては、ガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
上記炭化水素樹脂等の添加量は適宜選択されるが、上記ベースポリマー100質量部に対して1〜200質量部が好ましく、より好ましくは5〜150質量部である。
なお、上記接着組成物においては、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を必要に応じて適宜添加することができる。
次に、上記接着剤組成物は硬化により被着体同士(光学機能部材及び表示部)を貼り合わせる目的で使用されるが、本発明では、その製造プロセスに特徴がある。即ち、本発明は、上記接着剤組成物を光硬化させる工程(1)と、更に上記接着剤組成物を熱硬化させる工程(2)の両工程を必須要件として含む。
工程(1)
上記接着剤組成物には光重合開始剤が含まれており、所定の条件により接着剤組成物を光硬化させる。この所定の条件とは、1〜50mW/cm2、望ましくは3〜10mW/cm2であり、また、100〜5000mJ/cm2、望ましくは500〜2000mJ/cm2である。
また、上記接着剤組成物の光硬化の態様としては、例えば、カレンダー,ロール,Tダイ押出,インフレーション等の製膜法により接着剤組成物を光硬化させながらフィルム状に製膜することができる。この場合、製膜されるフィルムの厚さは適宜選定されるが、10〜3000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜1000μm、特に好ましくは50〜500μmである。
また、本発明では、ウェットラミ方式より各種ラミネート装置を用いて接着剤組成物を塗工し、光硬化により接着組成物を得るものである。ウェットラミ方式とは、剥離フィルムの上に接着剤組成物を塗工し、接着剤組成物が硬化又はゲル化しないうちに、圧着ロール等を用いて別の剥離フィルムと貼り合わせ、その後、光硬化反応等により塗液を硬化させて製膜する無溶剤系の方法である。具体的には、図1(A)に示した塗工機構を用いることができ、巻き出しローラ20から剥離フィルム12を連続的に図中矢印方向に送り出し、液ダム15より接着剤組成物を剥離フィルム12の一面に塗布すると共に、別の巻き出しローラ30から別の剥離フィルム11を送り出し、ウェットラミニップ40で両離フィルム12,11の貼り合わせを行う。このように、接着剤組成物を光硬化させた所定厚の接着剤層10を、貼り合わせフィルム11,12の間に積層することができ、これらは巻き取りローラ60により巻き取られる。
本発明では、上述したように、接着剤組成物を含む塗液を剥離フィルムに塗工すると共に、この塗工されたフィルムに他の剥離フィルムを貼り合わせ、この状態で塗液を光硬化させる方法を好適に採用することができる。
本発明では、光硬化の光源(図1中の符号70)としては、紫外〜可視領域に発光する多くのものを採用することができる。例えば、超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、ブラックライト,カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。特に、ブラックライト等の照明装置を好適に使用することができる。また、照射強度としては、使用される接着剤組成物の配合や硬度等によって左右されるが、通常1〜10mW/cm2程度、好ましくは3〜10mW/cm2の比較的弱い光を照射すると共に、その照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数十秒〜数十分程度、好ましくは、30秒〜5分とすることができる。この照射強度や時間を上記範囲よりオーバーしてしまうと、後工程である接着剤組成物の硬化反応を十分かつ有効に行うことができず本発明の所望の効果が得られなくなるおそれがある。
このように得られた接着剤組成物は部分的な架橋構造を有する。架橋転換率は、20〜95%、望ましくは30〜90%であり、なるべく架橋転換率を低くでき、かつ製膜できることが望ましい。なお、架橋転換率は、IRスペクトルを測定して1600〜1620/cm(C=C)の面積をS1、及び1700−1720/cm(−CO−)の面積をS2とした場合、UV照射前の塗液のSi/SL測定値を転化率0とし、UV照射及び加熱を過剰に行った時のS1/S2測定値を転化率100%とし、S1/S2の1次関数であると推定して、その転化率測定値により定量化する。
本発明の光学機能部材一体型表示装置は、上記接着剤組成物による接着層を形成し、これを光学機能部材と表示部との間に介在させ、更に、熱硬化を行うことにより架橋反応を完了させて光学機能部材一体型表示装置を得るものである。
ここで、光学機能部材としては公知のものとすることができ、例えば、光透過性の反射防止処理ガラス、反射防止処理フィルム、帯電防止ガラス、帯電防止フィルム、電磁波シールド材、近赤外線吸収フィルム、カラーフィルター等を好適に使用することができる。
一方、表示部としては、CRT,LCD等の公知の構成のものを用いることができる。
工程(2)
次に、上記接着剤組成物を熱硬化させる工程(2)について説明する。上述した光硬化された接着剤組成物を用いて、被着体である光学機能部材と表示部とを貼り合わせて一体化させる。これらの貼り合わせ方法としては、例えば、図1(B)に示した接着剤組成物10が介在された剥離フィルム11,12(積層体)を用いることができるが、これに制限されるものではない。
また、この積層体を使用してLCDパネルと光学機能部材とを接着する方法としては公知の方法を採用することができる。特に図示してはいないが、光学機能部材の前面板に接着剤組成物10を貼り合わせる場合、一つの剥離フィルムを剥がして剥離面を上記前面板に対向させて貼り合わせ、もう一つの剥離フィルムを接着剤組成物10から剥がすことにより、貼り合わせを行うことができる。具体的には、図2(A)に示したように、光学機能部材1の前面板1aに接着剤組成物10を貼り合わせた積層体を下部ステージ21に吸引吸着により保持させると共に、LCDパネル2を反転ステージ22に吸引吸着により保持させる。そして、図2(B)及び(C)に示したように、反転ステージ22を反転させることにより、LCDパネル2と光学機能部材1の前面板1aとを接着剤組成物10を介して貼り合わせることができる。
本発明では、上記の貼り合わせの後、所定の条件の加熱処理を行い、接着剤組成物中に含まれる有機過酸化物により熱硬化反応が促進され、架橋反応を完了させて所望の架橋度を有する接着剤硬化物を得る。上記熱硬化を行う際、加熱処理手段(図3中の符号80)としては、オートクレーブ,加熱プレス等の加熱加圧装置を用いることができる。また、加熱温度は、50℃以上140℃以下、加熱時間10〜120分が好ましい。この場合、IRスペクトルにより架橋転換率を測定すると転換率の上昇が確認できる。
このように、本発明では、上記接着剤組成物を光硬化させる工程(1)と、更に上記接着剤組成物を熱硬化させる工程(2)の両工程を必須要件として含むものであり、このように架橋反応を2段階に経時的に行うことにより得られる接着剤硬化物は、光学機能部材と表示部との貼り合わせ密着性が従来にない非常に高いものであり、そのうえ、過酷な温度変化の環境においても剥離がほとんどなく、耐久性が高いものである。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部及び%は質量部及び質量%を示す。
[実施例1〜5、比較例1,2]
下記表1に示す配合により実施例及び比較例の接着剤組成物を作成した。偏光板ラミネート装置を用いて接着剤組成物を塗工した(図1参照)。即ち、接着剤組成物をフィルムに塗布し、ウェットラミ方式によりラミネートを行った。塗工条件について、実施例5は速度0.4m/min、それ以外は速度0.2m/minであり、ロール径φ140mmの条件である。
上記塗工中の光硬化条件は下記のとおりである。
照射:UV照射
照射長さ:60cm
照射装置:ブラックライトで片面照射(12本)
照射エネルギー:1500mJ/cm2・83mW/cm2
照射時間:3分
Figure 0005067548
なお、表1中に記載した主な材料の商品名は以下の通りである。
・「アクリル系ベースポリマー」アクリル系ポリマーとモノマーとを混合させたアクリル
系粘着剤、綜研化学社製、商品名「シロップB」
・光開始剤、製品名「P−02」綜研化学社製
・有機過酸化物、製品名「パーロイルTCP」日本油脂社製
・トリメチロールプロパントリアクリレート、製品名「TMP−A」共栄社化学社製
(平均分子量Mw296)
・アクリロキシ基含有化合物A ・・・ 製品名「HOA」共栄社化学社製
2−ヒドロキシエチルアクリレート(平均分子量Mw116)
・アクリロキシ基含有化合物B ・・・ 製品名「130A」共栄社化学社製
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(平均分子量Mw482)
Figure 0005067548
上記表2の評価試験は以下のとおりである。
キュラスト評価
UV照射後の製膜品(熱硬化前)について、キュラストメータIII(JSR社製)により上昇トルクを評価した。
上昇トルク:(60分測定後の到達トルク)−(最下点)
冷熱サイクル試験
(1)サンプル作製方法
ポリカーボネート(4.0mm)/粘着(250μm)/ガラス(0.7mm)
サンプルサイズ:110×220mm
サンプル合わせ条件:オートクレーブ 60℃×0.5MPa×60分
(2)冷熱サイクル条件
暴露条件: −10℃×24時間(1段目)
23℃×24時間(2段目)
80℃×24時間(3段目)
23℃×24時間(4段目)
の4段階の冷熱環境を行い、その後、サンプルを外観観察した
(3)評価方法
上記構成を2組作製した。合わせ構成を目視観察した。
○ 2枚とも無欠陥であったもの
× 2枚を目視評価して、1枚でも1mm2以上の剥離が生じたもの
比較例1では、オートクレーブ時のエア抜けは良好であったが、冷熱サイクル試験で大きな剥離が発生した。
比較例2では、オートクレーブ時のエア抜けは不十分であり、冷熱サイクル試験で大きな剥離が発生した。
図1(A)は、接着剤組成物を剥離フィルムに塗工する方法の一例を示した概略図であり、図1(B)は、接着剤組成物−剥離フィルムの積層体を示した部分断面図である。 光学機能部材と表示部とを貼り合わせる機構の一例を示した概略図である。 光学機能部材と表示部とを貼り合わせた後、接着剤組成物を熱硬化させた様子を示す概略図である。
符号の説明
1a 光学機能部材(前面板)
2 表示部
10 接着剤組成物
70 照射源(ブラックライト)
80 加熱加圧手段(オートクレーブ)

Claims (6)

  1. 光学機能部材と表示部とが一体化された光学機能部材一体型表示装置の製造方法において、上記光学機能部材と上記表示部とを接着する接着剤組成物には、原料ポリマー、光重合開始剤及び有機過酸化物が含有されなり、上記原料ポリマーが、アクリルポリマー及び/又はメタクリルポリマーを該ポリマーの原料モノマーで希釈した混合物からなり、上記接着剤組成物を含む塗液が無溶剤系であり、ウェットラミネート方式により上記塗液を剥離フィルムに塗工すると共に、この塗工された剥離フィルムに他の剥離フィルムを貼り合わせ、この状態で塗液を光硬化させて部分的に架橋状態の接着剤組成物を作製し、次いで、上記の2つの剥離フィルムを剥がすことにより上記接着剤組成物を介して上記光学機能部材と上記表示部とを貼り合わせ、その後、加熱処理により上記接着組成物を熱硬化させることを特徴とする光学機能部材一体型表示装置の製造方法。
  2. 上記接着剤組成物の光硬化の条件が、1〜50mW/cm2及び100〜5000mJ/cm2でUV照射する請求項1記載の製造方法。
  3. 上記接着剤組成物の熱硬化の条件が、50〜140℃で10〜120分加熱する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 上記光重合開始剤の配合量が、原料ポリマー100質量部に対し、0.1〜10質量部添加してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 上記有機過酸化物の配合量が、原料ポリマー100質量部に対し、0.1〜10質量部添加してなる請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 上記接着剤組成物が製膜されるフィルムの厚さが10〜3000μmである請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
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