JP2020117442A - 繊維改質剤及び繊維の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維適用部位への優れた付着性及び持続性を有し、適用部位の機能・特性に対する保護力、補修力及び改善性が高く、更に適用部位の脂質を継続的に繊維内に留めることに優れる繊維改質剤及びそれを用いた繊維の処理方法を提供する。【解決手段】本発明の繊維改質剤は、(I)ケラチン中のジスルフィド結合(−S−S−)の一部又は全てが、システアミン、システイン、アミジノシステイン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、及びチオグリセリンからなる群から選択されるチオール化合物並びに亜硫酸のうち少なくとも1つで変換され、且つ(II)ケラチン中のアミノ基(−NH2)及び/又はヒドロキシ基(−OH)の一部又は全てにC6〜C22アルキル基が付加されている、ケラチン誘導体又はケラチン加水分解物を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチン含有繊維改質剤及びそれを用いた繊維の処理方法に関する。更に詳しくは、本発明は、繊維適用部位への優れた付着性及び持続性を有し、適用部位の機能・特性に対する保護力、補修力及び改善力が高く、更に適用部位の脂質を継続的に繊維内に留めることに優れる繊維改質剤及びその使用方法に関する。
繊維改質剤は、単に繊維の外観を美しく、そして繊維の感触を整えるだけでなく、適用部位を保護するため、あるいは適用部位における機能・特性を補修又は改善するために用いることがある。例えば、羽毛、羊毛、及び毛髪等に含まれるタンパク質であるケラチンは、羽毛やウール、シルク、綿、皮膚及び毛髪に対して馴染みやすく、繊維の補修及び改質に有効であることが知られている。
適用部位への付着性に優れた変換ケラチンタンパク質を含有する繊維処理剤及び化粧料として、特許文献1及び特許文献2のような技術が知られている。これらにより、毛髪等の繊維に対して、強度及び伸長率等の物性を改善し、並びにハネ・うねり等を伸ばしたり、ウェーブを形成したりすることにより、外観を持続的に改質することができる。
繊維として、例えば、健康な毛髪は、約80%がケラチン等のタンパク質で構成されている。前記技術により、繊維処理剤及び化粧料が毛髪のケラチンに対して強力に定着することが可能であるため、毛髪の物性及び外観を長期的に改質することが可能であった。また、健康な毛髪は、タンパク質の他にも11〜14%の水分と、1〜9%の脂質を含んでいる。これらの物質の相互作用により、毛髪として好ましい質感(例えば、柔らかさ、しっとり感、さらさら感)を形成する。特に、毛髪に含まれる脂質は、前記毛髪の質感に与える影響が大きいと知られている。毛髪が含有する脂質として、遊離脂肪酸、トリグリセリド、遊離コレステロール、コレステロール、ワックスエステル、パラフィン、スクアレン、セラミド等が知られている(非特許文献1)。
特開2017−124983 特開2018−184355
クラーレンス・R・ロビンス、「毛髪の化学 第4版」、フレグランスジャーナル社
繊維処理剤として前記技術を毛髪に使用する場合、前記変換ケラチンタンパク質の優れた付着性により、毛髪の強度及び伸長率等の物性並びにハネ・うねり等の外観が持続的に改善される。しかし、前記変換ケラチンタンパク質は継続的に付着し、強度等の物性は維持されているものの、毛髪の脂質が洗浄又は摩擦等で徐々に流出してしまうため、毛先のパサつき又は硬さを感じてしまうという課題があった。
従って、本発明は、繊維適用部位への優れた付着性及び持続性を有し、適用部位の機能・特性に対する保護力、補修力及び改善性が高く、更に適用部位の脂質を継続的に繊維内に留めることに優れる繊維改質剤及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明の繊維改質剤(以下、「改質剤(A)」という。)は、(I)ケラチン中のジスルフィド結合(−S−S−)の一部又は全てが、システアミン、システイン、アミジノシステイン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、及びチオグリセリンからなる群から選択されるチオール化合物並びに亜硫酸のうち少なくとも1つ(以下、「チオール化合物等」という。)で変換され、且つ(II)ケラチン中のアミノ基(−NH)及び/又はヒドロキシ基(−OH)の一部又は全てにC6〜C22アルキル基が付加されている、ケラチン誘導体又はケラチン加水分解物(以下、「変換ケラチン」という。)を含有する。
本発明の繊維の処理方法(以下、「本処理方法」という。)は、組成物(A)で繊維を処理する工程(以下、「工程(A)という。」)及び1種以上の酸化剤を含有する組成物(以下、「組成物(B)」という。)により繊維を処理する工程(以下、「工程(B)」という。)を含む。本処理方法は、工程(A)及び(B)に加え、必要に応じて、1種以上の還元剤を含有する組成物(以下、「組成物(C)」という。)で繊維を処理する工程(以下、「工程(C)」という。)を含んでもよい。
本発明では、工程(A)及び(B)又は工程(A)、(B)及び(C)に加え、1種以上の酸化染料及び/又は直接染料を含有する組成物(以下、「組成物(D)」という。)で繊維を処理する工程(以下、「工程(D)」という。)を含んでもよい。
本発明の繊維改質剤は、毛髪等の繊維への付着性及び繊維の脂質の定着性に優れていることから、適用部位の保護若しくは補修、又は機能・特性の改質を継続的に行うことができる。
前記ケラチンは、ジスルフィド結合を有する限り、その由来及び構造に限定はない。例えば、ケラチンを含むヒト及び鳥獣の毛(人毛、羊毛、羽毛等)、角、爪が挙げられる。
変換ケラチンは、前記ケラチン中のジスルフィド結合(−S−S−)の一部又は全てが、前記チオール化合物等で変換されている。これにより、ジスルフィド結合を含む変換ケラチンを繊維内に導入することが可能になるため、繊維を改質することができる。
該変換は、前記ケラチン中のジスルフィド結合が開裂し、次いで開裂箇所のS原子と前記チオール化合物等中のS原子との間で新たな結合が形成されることを意味する。上記のように、本発明では、該ケラチン中のジスルフィド結合の一部が前記チオール化合物等により変換されていてもよい。よって、変換ケラチンには、未変換のジスルフィド結合が残存していてもよく、あるいはジスルフィド結合が開裂して形成されたチオール基(−SH)を含んでいてもよい。変換ケラチンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記チオール化合物等の量、その他の反応条件によっては、前記ジスルフィド結合のうち一方が該チオール化合物等により変換され、他方がチオール基に変換する場合(下記式(1)と、両方が該チオール化合物等により変換される場合(下記式(2))がある。前記「変換」には、このいずれも含まれる。尚、下記式(1)及び(2)中、「Cys」は、前記ケラチンに含まれるシステイン残基を意味する。
Cys−S−S−Cys + R−SH
→ Cys−S−S−R + Cys−SH (1)
Cys−S−S−Cys + 2R−SH
→ 2Cys−S−S−R (2)
更に、変換ケラチンでは、前記ケラチン中のアミノ基(−NH)及び/又はヒドロキシ基(−OH)の一部又は全てにC6〜C22(炭素数6〜22)アルキル基が付加されている。前記アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。これにより、毛髪等の繊維への吸着性の向上及び繊維への脂質の定着性を向上させることができる。尚、前記ケラチン中のアミノ基及びヒドロキシ基には、前記変換により生じたアミノ基及びヒドロキシ基も含まれる。例えば、前記ジスルフィド結合をアミノ基含有チオール類により変換する場合、ケラチン中にはアミノ基含有チオール類に由来するアミノ基が含まれる(下記式(3)参照)。変換ケラチンは、このアミノ基にC6〜C22(炭素数6〜22)アルキル基が付加されていてもよい。
Cys−S−S−Cys + HN−R−SH
→ Cys−S−S−R−NH + Cys−SH (3)
変換ケラチンに付加するアルキル基は、毛髪などの繊維への吸着性、繊維への脂質の定着性、及び変換ケラチンの溶解性の観点から、C6〜C22が好ましい。C6未満であると繊維への吸着性及び/又は繊維への脂質の定着性が低下する場合がある。また、C22を超えると変換ケラチンの溶解性に問題が生じる場合がある。
変換ケラチンは、前記(I)及び(II)の要件を満たす限り、その具体的構造に特に限定はない。変換ケラチンとして具体的には、例えば、ヘキシルアミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、デシルアミノエチルジスルフィドケラチン、デシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、デシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、デシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、ドデシルアミノエチルジスルフィドケラチン、ドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、ドデシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、ドデシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、ヒドロキシドデシルアミノエチルジスルフィドケラチン、ヒドロキシドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、ヒドロキシドデシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、ヒドロキシドデシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキサデシルアミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキサデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキサデシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、ヘキサデシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、ベヘニルアミノエチルジスルフィドケラチン、ベヘニルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、ベヘニルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、ベヘニルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、イソオクチドデシルアミノエチルジスルフィドケラチン、イソオクチドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、イソオクチドデシルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、イソオクチドデシルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン、イソプロピルペンチルアミノエチルジスルフィドケラチン、イソプロピルペンチルPGアミノエチルジスルフィドケラチン、イソプロピルペンチルPEG−10アミノエチルジスルフィドケラチン、イソプロピルペンチルエーテルアミノエチルジスルフィドケラチン等が挙げられる。これらは一例であり、前記(I)の変換方法により、前記で列挙された「アミノエチル」を他の構造に変えることができる。具体的には、例えば、前記で列挙された「アミノエチル」を、システイニル、亜硫酸、カルボキシ、又はカルボキシメチルに変えることができる。
変換ケラチンは、必要に応じて他の処理を行ってもよい。例えば、分子量及び分子サイズを低下させる為に、変換ケラチンについて、酵素、酸又はアルカリにより加水分解を行ってもよい。また、変換ケラチンを得た後、精製、ろ過、遠心分離等を行うことにより、他の成分又は不溶分を除去してもよい。
改質剤(A)中の変換ケラチンの配合量は、有効量である限り特に限定はない。変換ケラチンの配合量は、通常、0.01〜10質量%が好ましい。変換ケラチンを配合することにより、毛髪等の繊維の保護若しくは補修、又は機能・特性の改質を行うことができる。更に、繊維に脂質を継続的に定着させることができる。
変換ケラチンにより毛髪等の繊維に定着させることができる脂質は、疎水性物質であれば特に限定はない。また、例えば、毛髪が先天的に有する脂質、並びに毛髪処理剤等に含まれ、毛髪に後天的に付与された脂質に対しても有効である。毛髪が先天的に有する脂質として具体的には、例えば、遊離脂肪酸、トリグリセリド、遊離コレステロール、コレステロール、ワックスエステル、パラフィン、スクアレン、セラミド等である。毛髪処理剤等に含まれる脂質は、特に限定はないが、例えば、油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
改質剤(A)は、本発明の作用を阻害しない限り、必要に応じて、変換ケラチン以外の他の成分を含んでいてもよい。該他の成分として、従来から繊維改質剤に添加含有されている公知成分、あるいは他の機能性成分が挙げられる。該他の成分として具体的には、例えば、油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、界面活性剤(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性)、保湿剤、水溶性高分子、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸、pH調整剤、ビタミン、酸化防止剤、色素、防腐剤、及び香料等が挙げられる。
改質剤(A)の剤形及び使用形態に特に限定はない。改質剤(A)は、例えば、ローション状、乳液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状、ワックス状、霧状、固体状、粉末状で使用することができる。
改質剤(A)の適用箇所に特に限定はない。例えば化粧料、具体的には、毛髪に適用する化粧料として用いることができる。即ち、改質剤(A)は、毛髪を改善、保護又は補修するために使用することができる。また、改質剤(A)は、人間以外の動物の毛、シルク、及び綿糸等のジスルフィド結合又はチオール基を有する繊維に用いてもよい。
組成物(A)は、繊維の物性(強度及び伸長率等)を改善するため、又は繊維のハネ若しくはうねりによる毛先の乱れを改善し、更に質感(しっとり感、さらさら感、柔らかさなど)を向上するために用いる限り、その具体的用途に限定はない。組成物(A)は変換ケラチンを含有することから、具体的な実施形態としては、化粧料、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、整髪料、パーマネントウェーブ剤、カーリング剤、ヘアカラー剤、育毛・養毛剤、及びこれらの剤を使用する前又は後処理剤等の頭髪化粧料が好ましい。また、繊維処理剤の実施形態として、繊維、例えば、絹糸、綿糸、ウール糸、カシミヤ糸、及びアンゴラ等の柔軟剤、撥水剤、改質剤、洗浄剤、補修剤、及び静電気防止剤等が挙げられる。
本方法では、組成物(A)で繊維を処理する工程(工程(A))及び1種以上の酸化剤を含有する組成物(組成物(B))で繊維を処理する工程(工程(B))を含む。この処理により、変換ケラチンの繊維への定着を強固にすることができる。前記酸化剤は、チオール基間でジスルフィド結合を形成することができる。これにより、変換ケラチンと繊維に含まれるチオール基とを、ジスルフィド結合を介して結合することができる。その結果、繊維組織を強固に強化し、繊維の特性を永続的に改質することができる。また、脂質の堅牢性が向上し、繊維が有する脂質の定着性及び持続性を向上することができる。
前記酸化剤は、チオール基間でジスルフィド結合を形成することができる限り、その種類に特に限定はない。前記酸化剤として具体的には、例えば、過酸化水素、臭素酸及びその塩、過炭酸及びその塩、並びに過ホウ酸及びその塩が挙げられる。前記酸化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。組成物(B)における前記酸化剤の含有量は、有効量である限り特に限定はない。
工程(A)及び(B)の順序は、本発明の作用が有効である限り特に限定はない。例えば、工程(A)の後に工程(B)を行ってもよく、又は工程(A)及び(B)を同時に行ってもよい。
本方法では、必要に応じて、1種以上の還元剤を含有する組成物(組成物(C))で繊維を処理することができる(工程(C))。前記還元剤により、前記変換ケラチン及び/又は処理する繊維に含まれるジスルフィド結合を還元し、チオール基に変換することができる。これにより、繊維組織が緩むことで変換ケラチンが繊維内部により浸透し易くなる。更に、より多くのジスルフィド結合を介して繊維に強く定着することができる。
前記還元剤は、ジスルフィド結合をチオール基に変換できる限り、その種類に特に限定はない。該還元剤として具体的に、例えば、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオ尿素、チオグリセリン、亜硫酸、システアミン、システイン、及びスピロノラクトン並びにこれら還元剤の塩又はその誘導体(例えば、エステル)を用いることができる。該還元剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、組成物(C)における前記還元剤の含有量は、有効量である限り特に限定はない。
組成物(A)及び(C)は、変換ケラチン及び前記還元剤の両者を有効量含有する1剤式でもよい。また、組成物(A)及び(C)は、変換ケラチンを有効量含有する第1剤と、前記還元剤を有効量含有する第2剤とからなる2剤式の製剤でもよい。2剤式の製剤の場合、前記第1剤及び前記第2剤の具体的組成には特に限定はない。該第1剤及び該第2剤の組成は同じでもよく、異なってもよい。また、2剤式の製剤の場合、変換ケラチンは、前記第1剤にのみ含まれていてもよく、前記第1剤と前記第2剤の両者に含まれていてもよい。前記還元剤は、前記第2剤にのみ含まれていてもよく、前記第1剤と前記第2剤の両者に含まれていてもよい。前記第1剤を毛髪に処理した後、前記第2剤で毛髪を処理してもよいし、前記第2剤を毛髪に処理した後、前記第1剤で毛髪を処理してもよい。更に、前記第1剤と前記第2剤を混合した剤で毛髪を処理してもよい。
工程(A)〜(C)の順序は、本発明の作用が有効である限り特に限定はない。例えば、工程(A)の後、工程(C)を行ってもよく、又は工程(A)と工程(C)を同時に行ってもよい。更に、工程(C)の後、工程(A)を行ってもよい。但し、工程(C)の後、工程(B)を行うことが好ましい。
本方法では、必要に応じて、1種以上の酸化染料及び/又は直接染料を含有する組成物(組成物(D))で繊維を処理することができる(工程(D))。これにより、繊維を染色することができる。酸化染料及び直接染料は疎水的な性質を有するため、脂質と同様に繊維内への堅牢性が向上する。これにより、繊維染色の色持ちを向上することができる。
前記酸化染料は、染色に有効である限り特に限定はない。具体的には、例えば、染料中間体として、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、p−アミノフェノール、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−p− フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシエチル)−N−エチル−p−フェニレンジアミン、2−(β−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン及びそれらの塩類などが挙げられる。カプラーとして、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。これらを任意に選択して用いることができる。
前記直接染料は、染色に有効である限り特に限定はない。前記直接染料として具体的には、例えば、酸性染料(陰イオン性染料)、塩基性染料(陽イオン性染料)、及びニトロ染料(非イオン性染料、HC染料)等が挙げられる。
前記酸性染料には特に限定はないが、具体的には、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、黒色401号等が挙げられる。これらを任意に選択して用いることができる。
前記塩基性染料には特に限定はないが、具体的には、例えば、BasicBlue3、Basic Blue6、BasicBlue7、Basic Blue9、BasicBlue26、Basic Blue41、BasicBlue47、Basic Blue75、BasicBlue99、Basic Brown4、BasicBrown16、Basic Brown17、BasicGreen1、Basic Green4、BasicOrange1、Basic Orange2、BasicOrange31、Basic Red1、BasicRed2、Basic Red22、BasicRed46、Basic Red51、BasicRed76、Basic Red118、BasicViolet1、Basic Violet3、BasicViolet4、Basic Violet10、BasicViolet11、Basic Violet14、BasicViolet16、Basic Yellow11、BasicYellow28、Basic Yellow57、BasicYellow87等が挙げられる。これらを任意に選択して用いることができる。
前記ニトロ染料には特に限定はないが、具体的には、例えば、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue2、HC Blue5、HC Blue6、HC Blue9、HC Blue10、HC Blue11、HC Blue12、HC Blue13、HC Orange1、HC Orange2、HC Orange3、HC Red1、HC Red3、HC Red7、HC Red10、HC Red11、HC Red13、HC Red14、HC Violet1、HC Violet2、HC Yellow2、HC Yellow4、HC Yellow5、HC Yellow9、HC Yellow10、HC Yellow11、HC Yellow12、HC Yellow13、HC Yellow14、HC Yellow15等が挙げられる。これらを任意に選択して用いることができる。
組成物(D)は、繊維を染色する作用を有する限り、その種類に特に限定はない。前記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、塩基性染料(陽イオン性染料)及びニトロ染料を併用してもよい。また、組成物(D)における該染料の含有量は、有効量である限り特に限定はない。
工程(A)〜(D)の組み合わせ及び順序は、本発明の作用が有効である限り特に限定はない。例えば、組成物(D)が酸化染料を含有する場合は、工程(A)の後又は同時に工程(B)及び(D)を同時に行ってもよく、あるいは工程(A)及び(C)を同時に行った後、工程(B)及び(D)を同時に行ってもよい。組成物(D)が直接染料を含有する場合は、工程(A)及び(C)を同時に行った後又は同時に、工程(D)を行い、次いで工程(B)を行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。また、実施例における結果に対する考察は、全て発明者の見解に過ぎず、何ら本発明を定義付ける趣旨の説明ではないことを付言する。
(1)繊維改質剤の処方例
本発明の繊維改質剤の処方例1〜20を以下に示す。
(処方例1)繊維洗浄剤
(処方例2)頭髪用シャンプー
(処方例3)動物用シャンプー
(処方例4)柔軟剤
(処方例5)頭髪用リンス
(処方例6)動物用リンス
(処方例7)感触改良剤
(処方例8)ヘアマニキュア
(処方例9)ヘアカラートリートメント
(処方例10)2剤式酸化染毛剤
(処方例11)ヘアートニック
(処方例12)ヘアクリーム
(処方例13)撥水剤
(処方例14)形状固定剤
(処方例15)静電防止剤
(処方例16)繊維補修剤(エアゾール)
(処方例17)ヘアミスト
(処方例18)摩擦抑制剤
(処方例19)カーリング剤
(処方例20)縮毛矯正剤
実施例1〜6及び比較例1〜15
(2)変換ケラチンが毛髪特性に与える影響の評価
ハイダメージ毛に対して変換ケラチンを含有する組成物(A)で処理を行った後、毛髪引張試験及びKES表面特性試験による毛髪の物理的特性の評価、並びに毛髪の水分量の評価を行った。
(2−1)繊維改質剤の調製
常法に従い、表21に示す処方例(a)〜(c)の改質剤(改質剤(a)〜(c))を調製した。表21における数値は、当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。改質剤(a)は、変換ケラチンを含有する。
(2−2)評価用毛束の作成
ブリーチ剤1剤(ホーユー株式会社製「レセ パウダーブリーチ EX」)及びブリーチ2剤(株式会社ミルボン社製「オルディーブ アディクシー オキシダン 6%」)を1:2.5(質量比)の比率で均一に混合してブリーチ混合液を得た。毛束(株式会社スタッフス社製「人毛黒毛キューティクル 1g10cm」)に対し、ブリーチ混合液を同量塗布し、25℃で30分間放置後、しっかり水洗した。このブリーチ処理を2回行った。その毛束を1.0質量%ラウリル硫酸ナトリウム溶液中に25℃で5分間浸漬した。次いでその毛束を水洗した後、乾燥させた。この毛束をハイダメージ毛とし、「評価用毛束」とした。
(2−3)改質剤(a)〜(c)による処理
改質剤(a)〜(c)を、前記評価用毛束1本に対して1g均一に塗布し、25℃で10分間放置した。その後よく水洗し、タオルで水気を拭き取り、乾燥した。
(2−4)毛束を洗浄する処理
前記(2−3)の方法で処理した毛束を、5質量%ラウリル硫酸ナトリウム溶液中に40℃で30分間浸漬した。その後よく水洗し、タオルで水気を拭き取り、乾燥した。
(2−5)評価試験
(i)毛髪引張試験
前記(2−4)の方法で処理した毛束に対して、万能引張試験機(株式会社島津製作所製「AG−20k NXDplus」)を用いて、50mm/minの速度で、毛髪1本当りの引張切断強度(N)及び伸張率(%)を測定した(n=10)。この結果を毛髪損傷(ダメージ)の指標として評価した。
(ii)KES表面特性試験
前記(2−4)の方法で処理した毛束に対して、KES表面特性試験機(カトーテック株式会社製「KESFB4−A−SE」)を用いて、毛束1本当りの平均摩擦係数(MIU)を測定した(n=10)。この結果を毛髪のさらさら感の指標として評価した。平均摩擦係数(MIU)が少ないほど、毛髪がさらさらしていることを示す。
(iii)水分量測定試験
前記(2−4)の方法で処理した毛束を、湿度30%温度25℃の条件で24時間放置した後、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所者製「FD−800」)を用いて、毛髪の水分量を測定した(n=10)。この結果を毛髪のしっとり感の指標として評価した。健康な毛髪は、11〜14%の水分を有する。
前記(i)〜(iii)の試験を評価用毛束に対しても実施した。これらの結果をハイダメージ毛の特性として比較例3とした。これらの数値と比較して、繊維改質剤の性能を評価した。
以上の評価試験の結果の平均値を算出し、これを表22に示す。
(3)変換ケラチンを含有する繊維改質剤を用いた繊維の処理方法に関する評価
ハイダメージ毛に対して、工程(A)及び(B)、又は工程(A)、(B)及び(C)を行った後、毛髪引張試験及びKES表面特性試験による毛髪の物理的特性の評価、並びに毛髪の水分量の評価を行った。
(3−1)毛髪処理組成物の調整
常法に従い、表23に示す処方例(d)の組成物(組成物(d))を調製した。表23における数値は、当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。組成物(d)は、還元剤を含有する。
(3−2)改質剤(a)〜(c)の組成物による処理
前記(2−3)と同様の方法で評価用毛束に処理を行った。
(3−3)改質剤(a)〜(c)及び組成物(d)による処理
改質剤(a)〜(c)の組成物のいずれか1つ、及び組成物(d)を20:1(質量比)の比率で均一に混合した。次いで、前記評価用毛束1本に対し、前記混合液を1g均一に塗布し、25℃で10分間放置した。その後よく水洗し、タオルで水気を拭き取り、乾燥した。
(3−4)酸化剤を含む組成物(組成物(B))による処理
前記(3−2)及び(3−3)の方法で処理した毛束に対して、酸化剤を含む組成物(株式会社リトル・サイエンティスト社製「リケラ 3Dアンカー クリーム」)を1g均一に塗布し、25℃で10分間放置した。その後よく水洗し、タオルで水気を拭き取り、乾燥した。
(3−5)毛束を洗浄する処理
前記(2−4)と同様の方法で、前記(3−2)及び(3−4)、(3−3)及び(3−4)の処理を行った評価用毛束を洗浄した。これにより、毛髪が有する脂質を流出させることができる。
(3−6)評価試験
前記(i)〜(iii)の試験を、健常毛毛束及び前記(3−5)の処理を行った評価用毛束に対して実施した。また、健常毛に関しては、毛束(株式会社スタッフス社製「人毛黒毛キューティクル 1g10cm」)に対し、1.0質量%ラウリル硫酸ナトリウム溶液中に25℃で5分間浸漬した。次いで水洗した後、乾燥させた。この毛束を健常毛毛束とした。これらの結果を健常な毛髪の特性として、比較例8とした。この数値と比較して、繊維改質剤の性能を評価した。
以上の評価試験の結果の平均値を算出し、これを表24に示す。
(4)変換ケラチンが酸化染料の堅牢度に与える影響の評価
前記評価用毛束に対して工程(A)を行った後、(B)及び(D)を同時に行い、洗浄を行った後、色持ち評価試験を行った。また、工程(A)及び(C)を同時に行った後、工程(B)及び(D)を行った毛髪に対しても同様の評価を行った。
(4−1)改質剤(a)〜(c)の組成物による処理
前記(2−3)と同様の方法で評価用毛束に処理を行った。
(4−2)改質剤(a)〜(c)、及び組成物(d)による処理
前記(3−3)と同様の方法で評価用毛束に処理を行った。
(4−3)酸化染料を含む組成物及び酸化剤を含む組成物による処理
酸化染料を含む組成物(株式会社ミルボン「オルディーブ アディクシー 7−SA」)及び酸化剤を含む組成物(株式会社ミルボン社製「オルディーブ アディクシー オキシダン 6%」)を1:1(質量比)で均一に混合し、前記(4−1)又は(4−2)の方法で処理した毛束1本に対して前記混合液を1g塗布し、25℃で20分間放置した。その後よく水洗し、乾燥した。この処理により、毛束を寒色系に染色することができる。
(4−4)毛束を洗浄し、毛束を褪色する処理
前記(2−4)と同様の方法で、前記(4−3)の方法で処理した毛束を洗浄した。これにより、毛束に染色した色を褪色させることができる。
(4−5)評価試験
(iv)色持ち評価試験
前記(4−3)の方法で処理した毛束及び前記(4−4)の方法で処理した毛束について、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製「CM−3600d」)を用いて、色差(ΔE*ab)を測定した(n=10)。これにより、前記(4−4)の処理による褪色具合を評価することができる。色差(ΔE*ab)の値が小さいほど、褪色の程度が少ないことを意味する。
前記(4−3)及び(4−4)の方法を評価用毛束に対しても行い、(iv)の試験を実施した。これらの結果をハイダメージ毛の特性の比較基準として、比較例13とした。
以上の評価試験の結果の平均値を算出し、これを表25に示す。
(5)変換ケラチンが直接染料の堅牢度に与える影響の評価
前記評価用毛束に対して工程(A)、(C)及び(D)を同時に行った後、工程(B)を同時に行い、洗浄を行った後、色持ち評価試験を行った。
(5−1)毛髪処理組成物の調整
常法に従い、表26に示す組成物(e)〜(g)を調製した。表26における数値は、当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。組成物(e)は、変換ケラチン及び直接染料を含有する。
(5−2)組成物(e)〜(g)及び組成物(d)による処理
前記組成物(e)〜(g)のいずれか1つ及び組成物(d)を20:1(質量比)の比率で均一に混合した。次いで、前記評価用毛束1本に対し、前記混合液を1g均一に塗布し、25℃で10分間放置した。その後よく水洗し、タオルで水気を拭き取り、乾燥した。
(5−3)酸化剤を含む組成物による処理
前記(5−2)の処理を行った毛束に対し、前記(3−4)と同様の処理を行った。
(5−4)毛束を洗浄し、毛束を褪色する処理
前記(2−4)と同様の方法で前記(5−3)の方法で処理した毛束を洗浄した。これにより、毛束に染色した色を褪色させることができる。
(5−5)評価試験
前記(iv)の方法を用いて、前記(5−3)及び(5−4)で処理した毛束の評価試験を実施した。
以上の評価試験の結果の平均値を算出し、これを表27に示す。
表22より、比較例1及び2と比較して、変換ケラチンであるヒドロキシドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチンを配合した改質剤(a)で処理した実施例1及び2では、毛髪の特性を改善する効果に関して、最も優れた結果が得られた。特筆すべきは、KES表面特性試験及び水分量で最も優れた結果が得られたことである。比較例1のアミノエチルジスルフィドケラチンと変換ケラチンとの相違は、変換ケラチンでは特定のアルキル基が付加されている点である。毛髪が有する脂質は毛髪の質感(例えば、さらさら感及びしっとり感など)に与える影響が大きい。さらさら感はKES表面特性試験で評価し、しっとり感は水分量で評価している。特定のアルキル基を付加したことによって、前記(2−4)の洗浄処理に耐えうる程、毛髪内への脂質の定着性が優れていることが分かる。
表24より、変換ケラチンであるヒドロキシドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチンを配合した改質剤(a)で処理した毛髪の特性(実施例2及び3)が、健常毛(比較例8)と非常に類似していることを示している。また、表22及び表24より、実施例1及び2を比較すると、改質剤(A)及び酸化剤を含む組成物で毛髪を処理した実施例2が、毛髪特性の改質に関して優れた作用を示すことが分かる。更に、表24より、実施例2及び3を比較すると、組成物(A)、還元剤を含む組成物及び酸化剤を含む組成物で処理した実施例3が、毛髪特性の改質に関して、更に優れた作用を示すことが分かる。これは、ヒドロキシドデシルPGアミノエチルジスルフィドケラチンに含まれるジスルフィド結合が、還元剤によってチオール基に変換され、酸化剤によって毛髪内部のケラチンタンパク質とジスルフィド結合を介して強固に定着したことが要因と推察される。本発明の変換ケラチンを含む組成物は酸化剤を含む組成物及び/又は還元剤を含む組成物と毛髪を処理した方が、更に優れた効果を発揮することができると示された。
表25及び表27の結果より、変換ケラチンは毛髪内部への染料の定着性も高めることが示唆された。染料は疎水的な性質を示すため、特定のアルキル基を付加して疎水的な性質が高まった変換ケラチンにより、毛髪の染料の堅牢度が格段に向上したことが推察される。
これらの結果は、前記(I)及び(II)を満たす変換ケラチンであれば、同様の結果を得ており、目的に応じて前記(I)及び(II)の処理方法を変更して適用することができる。
上記の通り、従来の技術であるアミノエチルジスルフィドケラチンよりも疎水的な性質を向上した変換ケラチンは、脂質及び/又はその他疎水的物質を繊維内部に定着させることに優れている。よって、本発明の繊維改質剤は、用途が広く実用的であり、繊維業界や化粧品業界の分野において利用価値が高い。

Claims (5)

  1. (I)ケラチン中のジスルフィド結合(−S−S−)の一部又は全てが、システアミン、システイン、アミジノシステイン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、及びチオグリセリンからなる群から選択されるチオール化合物並びに亜硫酸のうち少なくとも1つで変換され、且つ
    (II)ケラチン中のアミノ基(−NH)及び/又はヒドロキシ基(−OH)の一部又は全てにC6〜C22アルキル基が付加されている、ケラチン誘導体又はケラチン加水分解物を含有する、繊維改質剤。
  2. 請求項1に記載の繊維改質剤により繊維を処理する工程及び1種以上の酸化剤を含有する組成物により繊維を処理する工程を含む、繊維の処理方法。
  3. 更に、1種以上の還元剤を含有する組成物で繊維を処理する工程を含む、請求項2に記載の繊維の処理方法。
  4. 更に、1種以上の酸化染料及び/又は直接染料を含有する組成物で繊維を処理する工程を含む、請求項2又は3に記載の繊維の処理方法。
  5. 前記繊維が毛髪である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の繊維の処理方法。
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