JP5346224B2 - 油性毛髪処理剤およびその使用方法 - Google Patents
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ーブ処理による毛髪の損傷を防止し、処理後の毛髪の手触りおよび毛先のまとまりを良好なものとするとともに、酸化染毛剤およびヘアマニキュアの毛髪への浸透性を向上させ、またパーマ処理前の毛髪の状態を整えて、ウエーブ形成効果を高めることを目的とする。
[1]トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、
前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、
前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、
前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10であることを特徴とする油性毛髪処理剤。
[2]さらに25℃での粘度が100mPa・s〜10000mPa・sの油剤(C)0.5〜10重量%(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)を含有することを特徴とする[1]に記載の油性毛髪処理剤。
[3]前記トリグリセライド(A)が、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリルおよびトリ(カプリル・カプリン)酸グリセリルの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]または[2]に記載の油性毛髪処理剤。
[4]酸化染毛剤による染毛処理の前処理剤であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の油性毛髪処理剤。
[5]ヘアマニキュアによる染毛処理の前処理剤であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の油性毛髪処理剤。
[6]パーマネントウェーブ処理の前処理剤であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の油性毛髪処理剤。
[7][1]〜[3]のいずれかに記載された油性毛髪処理剤を毛髪に塗布した後、そのまま酸化染毛剤による染毛処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。
[8][1]〜[3]のいずれかに記載された油性毛髪処理剤を毛髪に塗布し、次いで毛髪をシャンプーで洗った後、ヘアマニキュアによる染毛処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。
[9][1]〜[3]のいずれかに記載された油性毛髪処理剤を毛髪に塗布し、次いで毛髪をシャンプーで洗った後、パーマネントウェーブ処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。
色力が上がり白髪を効果的に染めることができるとともに、毛髪にハリコシ感を与える。また、パーマネントウェーブ処理の前に使用すると毛髪に弾力を与え、ウエーブを形成するのに好ましい状態とすることができる。
<油性毛髪処理剤>
本発明の油性毛髪処理剤(以下、単に「処理剤」ともいう。)は、トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10であることを特徴とする。
本発明の処理剤に用いられる(A)成分は、トリグリセライドである。
本発明の処理剤に用いられる(B)成分は、エステル油であり、25℃での粘度が30mPa・s以下である。
ましい。パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチルがさらに頭皮への染まりを向上させる点または弾力を与える点、髪への伸ばしやすさの点でより好ましい。
本発明の処理剤は、(A)成分および(B)成分の他に、好ましくは25℃での粘度が100mPa・s〜10000mPa・sの油剤(C)を含有してもよい。上記(C)成分を含有することにより、毛髪に滑らかさや毛先のまとまりを与える。
ル)、ダイマージリノール酸(イソステアリル/フィトステリル)などが挙げられる。中で
もテトライソステアリン酸ペンタエリスリチルが、毛先のまとまり感の点から好ましい。
に応じて適切に選択されるが、通常100mPa・s〜1000mPa・sには、ロータNo.2、回転数30rpm、1000mPa・s〜10000mPa・sには、ロータNo.3、回転数12rpmが用いられる。
本発明の油性毛髪処理剤には、必要に応じて、一般的な毛髪処理剤に用いられている各種成分を、任意成分(D)として配合することができる。たとえば、このような任意成分(D)としては、軽質流動イソパラフィンのような粘度1mPa・s以上100mPa・s未満の(A)成分および(B)成分以外の油剤、高級アルコール、グリセリン、香料、窒素や炭酸ガス等スプレー剤用ガス等が挙げられる。これらは、本発明の目的を損なわない範囲内の量で、本発明の処理剤に適宜、配合できる。
本発明の処理剤は、上述した各成分を、公知の方法で適宜、撹拌、混合、加熱、冷却、溶解することによって製造できる。
本発明の処理剤は、毛髪を処理するために用いられるが、好ましくは、(i)酸化染毛剤による染毛処理、(ii)ヘアマニキュアによる染毛処理、(iii)パーマネントウェーブ処理における前処理剤として用いられる。
毛髪に吸着されていると考えられている。
、次いで1度通常のシャンプーをしてからヘアマニキュアによる染毛処理を行うことが好ましい。なぜなら、ヘアマニキュア処理においては、毛髪の表面に本発明の処理剤が残留していない方が好ましいからである。その一方で、本発明の処理剤は一度毛髪に塗布すると毛髪内に浸透し吸着されるため、浸透した本発明の処理剤はシャンプーによっても除かれることはなく、効果を発揮するからである。
下記評価はいずれもモデル10人に対して、専門のテスターが評価した。また、(B)成分、(C)成分の粘度は各成分の説明の項で記載した方法により測定した値である。
[実施例1〜17、比較例1〜6]
実施例1〜17、比較例1〜6および参考例1において用いた酸化染毛剤(A)の組成は、下記の通りである。
酸化染毛剤(A)の組成
(第1剤) 重量%
パラフェニレンジアミン・・・・・・・・・・・0.2
レゾルシン・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0
パラアミノフェノール・・・・・・・・・・・・0.5
2,6−ジアミノピリジン・・・・・・・・・・0.2
セチルアルコール・・・・・・・・・・・・・・5.0
ポリエチレングリコール・・・・・・・・・・・5.0
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル・・8.0
ラウリル硫酸ナトリウム・・・・・・・・・・・1.2
強アンモニア水(28%)・・・・・・・・・・5.0
アスコルビン酸・・・・・・・・・・・・・・・0.5
精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残 量
(第2剤)
過酸化水素(35%)・・・・・・・・・・・17.0
精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残 量
第1剤および第2剤それぞれの全体を100重量%とする。
白髪30%混じりの中国人毛髪1g、10cm(ビューラックス製 BM-MIX-A)に表1
に記載の組成の油性毛髪処理剤を0.3g塗布した後、第1剤と第2剤を1:1で混合し
た酸化染毛剤(A)を3g塗布し、染色した。30分放置後、水洗し、シャンプーを行い、ドライヤーで乾かし、専門テスター(美容師)による官能評価を行い、目視による黒髪と白髪の染毛の程度について、下記基準
◎:白髪が十分に染まり、黒髪と白髪が均一に見える
○:白髪が染まり、黒髪と白髪がほぼ均一に見える
△:白髪への染まりが薄く、黒髪と白髪の均一性がない
×:白髪への染まりが悪く、白髪が目立っている
で判断し、評価した。結果を表1に示す。
白髪混じりのミディアムヘアのモニター(人)の毛髪に、表1に記載の組成の油性毛髪処理剤を5g塗布した後、第1剤と第2剤を1:1で混合した酸化染毛剤(A)を80g
根元からしっかり塗布し、放置し、人肌程度の温度のお湯で流し、シャンプーを行い、乾燥させた。その仕上がりの毛髪について専門テスター(美容師)による官能評価を行い、頭皮の染まりを、下記基準:
◎:お湯で流し時にほとんど、頭皮の染まりが落ち、頭皮の染まりが全くない
○:お湯で流し後、シャンプー時に、頭皮の染まりが落ち、頭皮の染まりがない
△:お湯で流し後、シャンプーしても、頭皮の染まりがややある
×:お湯で流し後、シャンプーしても、頭皮の染まりが除去できない
で判断し、評価した。結果を表1に示す。
中国人毛髪10g、30cm(ビューラックス製BS-B3A)に表1に記載の組成の油性毛
髪処理剤を1.5g塗布した後、第1剤と第2剤を1:1で混合した酸化染毛剤(A)を
20g塗布し、放置し、人肌程度の温度のお湯で流し、シャンプーを行い、乾燥させた。その仕上がりの毛髪について専門テスター(美容師)による官能評価を行い、毛髪の滑らかさを、下記基準:
◎:毛髪が非常に滑らかでつるっとしている
○:毛髪が滑らかでつるっとしている
△:毛髪が滑らかさがあまり感じない
×:毛髪が滑らかでなく、ざらつきがある
で判断し、評価した。結果を表1に示す。
評価3に用いた毛髪と同様の条件で処理した毛髪について、専門テスター(美容師)による官能評価を行い、毛先のまとまりを、下記基準:
◎:毛先が非常にまとまり、おさまり感がある
○:毛先がまとまっている
△:毛先がやや広がっている
×:毛先が広がり、まとまりがない
で判断し、評価した。結果を表1に示す。
中国人毛髪10g、30cm(ビューラックス製BS-B3A)に表1に記載の組成の油性毛
髪処理剤を1.5gを毛髪に塗布し、指やコームで毛先まで伸ばしたときの伸びやすさを、専門テスター(美容師)による官能評価を行い、下記基準:
◎:処理剤が毛先まで非常に伸びやすく、滑らかである
○:処理剤が毛先まで伸びる
△:処理剤がのびが悪い
×:処理剤がのびが非常に悪く、きしみ感がある
で判断し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例18〜34、比較例7〜12]
実施例18〜34、比較例7〜12および参考例2において用いたパーマネントウェーブ剤(B)の組成は、下記の通りである。
パーマネントウェーブ剤(B)の組成
一般のミディアムヘアのモニターの毛髪に、表4に記載の組成の油性毛髪処理剤を10g塗布した後、シャンプーをし、その後上記パーマネントウェーブ剤(B)を用いて、通常のパーマネントウェーブ処理をした。具体的には、毛髪をワインディングし、パーマネントウェーブ剤(B)の第1剤を60g塗布し、15分放置し、中間水洗をし、第2剤を
30g塗布し7分放置し、さらに第2剤を30g塗布し、7分放置し、水洗し、乾燥させ
た。その後の、毛髪を握ったときの弾力感について専門テスター(美容師)による官能評価を行い、下記基準で判断し、評価した。結果を表4に示す。
◎:非常に弾力があり、ボリュームが出ている
○:弾力がある
△:弾力がない
×:弾力が全くなく、ウェーブが出ていない
また、評価7の毛髪の滑らかさについては評価3と同様の基準で、評価8の毛先のまとまりについては評価4と同様の基準で、評価し判断した。結果を表4に示す。
一般のミディアムヘアのモニターの毛髪に、表4に記載の組成の油性毛髪処理剤を10g塗布した際の、指やコームで毛先まで伸ばしたときの伸びやすさを専門テスター(美容師)による官能評価を行い、評価5と同様の基準で、評価し判断した。結果を表4に示す。
[実施例35〜51、比較例13〜18]
実施例35〜51、比較例13〜18および参考例3において用いたヘアマニキュア(C)の組成は、下記の通りである。
毛先のまとまり]
ミディアムヘアの白髪混じりのモニターの毛髪に、表6に記載の組成の油性毛髪処理剤を10g塗布した後、シャンプーを行った。その後上記ヘアマニキュア組成物(C)を用いて、通常行われるヘアマニキュア処理をした。具体的には、毛髪にヘアマニキュア組成物(C)を塗布し、ローラーボールで加温しながら15分放置し、その後常温で5分放置した。その後、水洗し、シャンプーを行い、ドライヤーで乾かした。仕上がった毛髪の染色性、ハリコシ感について専門テスター(美容師)による官能評価を行い、下記基準で判断し、評価した。結果を表6に示す。
◎:白髪がしっかり染まっている
○;白髪が染まっている
△:白髪があまり染まっていない
×:白髪が全く染まっていない
[評価11:ハリコシ感]
◎:毛髪にハリコシがあり、ボリューム感がある
○:毛髪にハリコシがややある
△:毛髪にハリコシがない
×:毛髪にハリコシがなく、ボリュームがない
ここで、ハリコシとは、ヘアスタイルを形成し、適度なボリュームが出るのに足りる毛髪の硬さである。
ミディアムヘアの白髪混じりのモニターの毛髪に、表6に記載の組成の油性毛髪処理剤を10g塗布した際の、指やコームで毛先まで伸ばしたときの伸びやすさを専門テスター(美容師)による官能評価を行い、評価5と同様の基準で、評価し判断した。結果を表6に示す。
油性毛髪処理剤として実施例13と同じものを用い、該油性毛髪処理剤の各毛髪への塗布後、次いでシャンプーをした後に酸化染毛剤の毛髪への塗布を行ったこと以外は同様にして、評価1〜5を行った。結果を表1に示す。
[参考例2]
油性毛髪処理剤として実施例30と同じものを用い、該油性毛髪処理剤を各毛髪に塗布した後、パーマネントウェーブ処理前にシャンプーを行わなかったこと以外は同様にして
、評価6〜9を行った。結果を表4に示す。なお、評価6〜8いずれに用いた毛髪もパーマネントウェーブ処理に期待する毛髪へのウェーブのかかりが悪かった。
[参考例3]
油性毛髪処理剤として実施例47と同じものを用い、該油性毛髪処理剤を各毛髪に塗布した後、ヘアマニキュアによる染毛処理前にシャンプーを行わなかったこと以外は同様にして、評価10〜14を行った。結果を表6に示す。
Claims (6)
- トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、
前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、
前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、
前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10であり、
酸化染毛剤による染毛処理の前処理剤、ヘアマニキュアによる染毛処理の前処理剤、およびパーマネントウェーブ処理の前処理剤のいずれかとして用いられることを特徴とする油性毛髪処理剤。 - さらに25℃での粘度が100mPa・s〜10000mPa・sの油剤(C)0.5〜10重量%(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)を含有することを特徴とする請求項1に記載の油性毛髪処理剤。
- 前記トリグリセライド(A)が、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリルおよびトリ(カプリル・カプリン)酸グリセリルの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性毛髪処理剤。
- トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、
前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、
前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、
前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10である油性毛髪処理剤を毛髪に塗布した後、そのまま酸化染毛剤による染毛処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。 - トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、
前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、
前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、
前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10である油性毛髪処理剤を毛髪に塗布し、次いで毛髪をシャンプーで洗った後、ヘアマニキュアによる染毛処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。 - トリグリセライド(A)と、25℃での粘度が30mPa・s以下のエステル油(B)とを含有する油性毛髪処理剤であって、
前記(A)成分が、炭素数8〜12の直鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステルであり、
前記(A)成分および(B)成分の合計の含有量が80重量%以上(油性毛髪処理剤全体を100重量%とする。)であり、
前記(A)成分と(B)成分の重量の比が、10:90〜90:10である油性毛髪処理剤を毛髪に塗布し、次いで毛髪をシャンプーで洗った後、パーマネントウェーブ処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。
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