JP2020117287A - 蓋材 - Google Patents

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小野 光正
Mitsumasa Ono
光正 小野
久保 耕司
Koji Kubo
耕司 久保
孝之 吉田
Takayuki Yoshida
孝之 吉田
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Teijin Ltd
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Abstract

【課題】医療機器を収納するための包装容器の蓋材であって、包装容器の滅菌時に当該蓋材で密封された当該包装容器の内部にガス滅菌剤が侵入することを防止することができ、かつ、蓋材の剥離時に接着成分が脱離して医療機器に混入することを回避することができる、蓋材の提供。【解決手段】医療機器を収納するための包装容器にヒートシールするための蓋材であって、ガーレー秒数が10000sec/100cc以上である、熱可塑性樹脂からなるフィルム層と、アンカーコート層と、ポリエチレン系樹脂層と、エチレン−アクリル酸メチル共重合体から成るシーラント層とをこの順で積層してなり、前記包装容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂から成る、蓋材。【選択図】図1

Description

本発明は、医療機器を収納するための包装容器、特に複数の医療機器をまとめて収納するための包装容器にヒートシールするための蓋材に関する。
シリンジやバイアルなどの医療機器をまとめて収納するための包装容器が知られている(特許文献1及び特許文献2)。このような包装容器の蓋材として、合成樹脂材料から成る不織布(例えば、デュポン社のタイベック (登録商標)として知られる高密度ポリエチレン不織布)が広く使用されている。
特開2012−71046号公報 国際公開第2014/102987号
医療機器を収納するための包装容器の蓋材として使用される不織布は、高い通気性を有する。したがって、医療機器を収納する包装容器を当該不織布でシールすることによって得られる包装製品をH22ガスのようなガス滅菌剤を用いて滅菌した場合に、当該包装製品の内部にガス滅菌剤が侵入して、医療機器を滅菌することが可能である。しかしこの場合、医療機器にガス滅菌剤が付着して残存することがあり、当該ガス滅菌剤に対して不安定な医薬品(例えばバイオ製剤)を充填するための医療機器を収納する包装容器に対しては、当該不織布の使用が適していないという問題点があった。
また、医療機器を収納する包装容器の蓋材には、当該包装容器に対して十分な接着性を有することが求められる。また、当該包装容器から剥離される際に、蓋材のシーラント層が凝集破壊を起こして接着成分が脱離して医療機器に付着する可能性があるため、これを防止する必要がある。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、包装容器の蓋材として低通気性の熱可塑性樹脂フィルムを用いることで、医療機器を収納する包装容器を当該蓋材でヒートシールすることによって得られる包装製品をガス滅菌剤で滅菌する際に、当該ガス滅菌剤が包装製品内部へ侵入することを防止できることを見出した。また、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)から成るシーラント層と当該シーラント層の機械特性を調整するためのポリエチレン系樹脂層とを組み合わせることで、特定の熱可塑性樹脂から成る包装容器の表面上で、シーラント層の凝集破壊を引き起こすことなく、包装容器とシーラント層との間の界面剥離を生じさせることができることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の<1>〜<5>を含む。
<1>
医療機器を収納するための包装容器にヒートシールするための蓋材であって、
ガーレー秒数が10,000sec/100cc以上である、熱可塑性樹脂からなる低通気性フィルム層と、
アンカーコート層と、
ポリエチレン系樹脂層と、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体から成るシーラント層と
をこの順で積層してなり、
前記包装容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂から成る、
蓋材。
<2>
低通気性フィルム層のガーレー秒数が100,000sec/100cc以上である、<1>に記載の蓋材。
<3>
低通気性フィルム層がポリエステル系樹脂フィルムである、<1>又は<2>に記載の蓋材。
<4>
厚さが1μm〜1,000μmである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の蓋材。
<5>
前記医療機器が、医薬品充填用のシリンジ外筒又はバイアルである、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の蓋材。
本発明の蓋材は低通気性であるため、包装容器を当該蓋材で密閉した後にガス滅菌剤による滅菌を行っても、当該包装容器内にガス滅菌剤が侵入することはない。したがって、包装容器内部の医療機器にガス滅菌剤が付着して残存することはない。また、蓋材の剥離時にシーラント層が凝集破壊を起こさない。そのため、接着成分が包装容器中に収納された医療機器に混入することはない。
図1は、本発明の蓋材の層構成を示す図である。 図2は、複数のシリンジ外筒を収納するための包装容器を本発明の蓋材でヒートシールすることによって得られる包装製品の斜視図である。 図3は、図2の包装製品の内部形態を説明するための説明図である。 図4は、図2のA−A線の断面図である。 図5は、90度剥離試験の手順を示す図である。
<<蓋材>>
本発明の蓋材は、熱可塑性樹脂からなる低通気性フィルム層と、アンカーコート層と、ポリエチレン系樹脂層と、エチレン−アクリル酸メチル共重合体から成るシーラント層とをこの順で積層してなる、医療機器を収納するための包装容器にヒートシールするための蓋材である。
図1は、本発明の蓋材の積層構造を示す断面図である。蓋材1は、最外層としての熱可塑性樹脂からなる低通気性フィルム層2、アンカーコート層3、中間層としてのポリエチレン系樹脂層4、及び最内層としてのシーラント層5を有する。
本発明の蓋材の厚さは特に限定されないが、例えば1μm〜1,000μmであり、好ましくは10μm〜300μm、さらに15〜200μmである。
<低通気性フィルム層>
本発明の蓋材における低通気性フィルム層は、包装容器を蓋材でヒートシールすることによって得られる包装製品の内部に、ガス滅菌剤が侵入することを防止する機能を有する。ガス滅菌剤の侵入を良好に防止する観点から、低通気性フィルム層のガーレー秒数の下限は、10,000sec/100cc、50,000sec/100cc、又は100,000sec/100ccであり、その上限は、特に限定されない。ガーレー秒数が大きいほど通気性は低い。ガーレー秒数は、JIS P 8117:2009(紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法)a)ガーレー試験機法、に規定されている方法により得ることができる。
なお、医療機器を収納するための包装容器に広く使用されるデュポン社のタイベック(登録商標)のガーレー秒数は、8〜36sec/100cc又は9〜35sec/100ccである。したがって、本発明の蓋材に使用される低通気性フィルム層の通気性は、タイベック(登録商標)と比較してはるかに低い。
本発明の蓋材において、低通気性フィルム層の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm〜1,000μmであり、好ましくは10μm〜300μmである。
低通気性フィルム層を構成する熱可塑性樹脂は、ガーレー秒数が10,000sec/100cc以上となる低通気性フィルム層が形成できる限り特に限定されないが、例えばポリエステル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂が挙げられる。好ましくは、低通気性フィルム層はポリエステル系樹脂フィルムである。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを反応させて得られるものである。多価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、1,4−ジシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ドデカンジオン酸、エイコ酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびそれらの誘導体などが挙げられる。多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ビスフェノールおよびそれらの誘導体などが挙げられる。さらに、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステル系樹脂が挙げられる。これらポリエステル系樹脂のなかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレートが好ましい。熱可塑性樹脂は、従来公知の方法で製造することができる。
低通気性フィルム層は、熱可塑性樹脂を使用して、例えば押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法などの製膜化法を用いて製造することができる。また、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式などを利用して1軸ないし2軸方向に延伸して製造することができる。
低通気性フィルム層とアンカーコート層との密着性を向上させるために、低通気性フィルム層のアンカーコート層側の面は、コロナ処理、イオンボンバードメント処理、低温プラズマ処理、溶剤処理などの表面処理が施されても良く、好ましくは、コロナ処理が施される。
<アンカーコート層>
本発明の蓋材におけるアンカーコート層は、低通気性フィルム層とポリエチレン系樹脂層との接着性を確保する機能を有する。アンカーコート層は、低通気性フィルム層の片面にアンカーコート剤を塗布することにより形成することができる。アンカーコート剤としては、低通気性フィルム層とポリエチレン系樹脂層との接着性を確保しうるものであれば特に限定されないが、ポリエチレン系樹脂層との良好な接着性の観点から好ましいものとして例えば、有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ウレタン系アンカーコート剤、エポキシ系アンカーコート剤、酸変性アンカーコート剤、又はポリブタジエン系アンカーコート剤を例示することができる。
本発明の蓋材において、アンカーコート層の厚さは特に限定されないが、例えば0.05μm〜20μmであり、好ましくは0.5μm〜10μmである。
<ポリエチレン系樹脂層>
本発明の蓋材におけるポリエチレン系樹脂層は、シーラント層の機械特性を調整する機能を有する。当該ポリエチレン系樹脂層とシーラント層とを組み合わせることで、蓋材の開封時に包装容器の表面上でシーラント層の凝集破壊を引き起こすことなく、包装容器とシーラント層との間の界面剥離を生じさせることができることができる。
ポリエチレン系樹脂層を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの種々のポリエチレンが挙げられる。加工性及び接着性などの観点から、低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明の蓋材において、ポリエチレン系樹脂層の厚さは特に限定されないが、例えば1μm〜100μmであり、好ましくは10μm〜50μmである。
<シーラント層>
本発明の蓋材におけるシーラント層は、包装容器の開口部周辺にヒートシールすることができる層であり、エチレン−アクリル酸メチル共重合体から成る。エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂は、エチレンモノマーにアクリル酸メチルモノマーを共重合させた樹脂である。エチレン−アクリル酸メチル共重合体の酸成分(アクリル酸メチルに由来する構造単位)の含有率は、包装容器との接着性の観点から、好ましくは5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であり、かつ95質量%以下、90質量%以下、又は85質量%以下である。本発明の蓋材におけるシーラント層は、エチレン−アクリル酸メチル共重合体の他の樹脂を含有していてもよいが、その含有量は50質量%以下であることが好ましい。また、本発明の蓋材におけるシーラント層は、粘着付与剤、ワックス剤を含有していてもよい。
本発明の蓋材において、シーラント層の厚さは特に限定されないが、例えば5μm〜100μmであり、好ましくは10μm〜50μmである。
シーラント層の凝集破壊を防止するために、シーラント層構成樹脂の破断強度が2MPa以上であって、かつ破断伸度が100%以上であることが好ましい。このようなシーラント層構成樹脂を用いることでシーラント層の破壊が起こりにくくなる。なお、破断強度及び破断伸度は、厚み100μm×幅10mmのシーラント層構成樹脂単独のシートを作成し、引張速度100mm/分で引張り、破断に至るまでの最大強度、及び破断までの伸びをそれぞれ測定して得られる。
また、シーラント層の凝集破壊を防止するために、ポリエチレン系樹脂層の厚さとシーラント層の厚さの比(ポリエチレン系樹脂層の厚さ/シーラント層の厚さ)が20%〜500%であることが好ましく、50%〜150%であることがより好ましい。
<医療機器を収納するための包装容器>
本発明で使用される包装容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂から成る。包装容器に使用される樹脂としては、包装容器を本発明の蓋材でヒートシールすることで得られる包装製品の滅菌時に、当該包装製品内部へのガス滅菌剤の侵入を防止できる程度に十分に本発明の蓋材と接着できる樹脂であること、そして本発明の蓋材の剥離時にシーラント層の凝集破壊が防止できる樹脂であることが必要とされる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレン単独重合体;プロピレンとエチレンとの共重合体;プロピレンと1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンその他のα−オレフィンから選ばれる1種又は2種以上との共重合体;及びこれら各重合体よりなる群から選択された2種以上の混合物などが挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン単独重合体;スチレンとエチレンとの共重合体;スチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンその他のα−オレフィンとの共重合体;スチレンとアクリロニトリルとの共重合体;及びこれら各重合体よりなる群から選択された2種以上の混合物が挙げられる。当該包装容器に使用される樹脂には、ポリブタジエンなどのゴム成分が含有されていても良い。当該包装容器に収容される医療機器の数は特に限定されないが、好ましくは複数の医療機器である。
<医療機器>
本発明において医療機器は、手術、治療又は診断に使用される機器全般のことであり、例えば、シリンジ(医薬品充填用のシリンジを含む)又はその外筒、シリンジ針、医薬品充填用の容器(バイアル、アンプルなど)又はその蓋、採血管、輸液容器、輸液チューブ、噴霧器などが挙げられる。好ましくは医薬品充填用のシリンジ外筒又はバイアルである。より好ましくは、プレフィルドシリンジ外筒である。ここで「プレフィルドシリンジ」とは、注射剤が充填されたシリンジのことである。この場合、注射剤を使用する現場で、注射剤をシリンジに充填する工程が省略できるため、より無菌状態を保ちやすく、また効率的に注射剤を投与することができる。
<<蓋材の製造方法>>
本発明の蓋材は、例えば以下の工程を含む方法により製造するができる。
(1)低通気性フィルム層の片面にアンカーコート層を形成して、第一の積層体を得る工程;
(2)前記第一の積層体の前記アンカーコート層にポリエチレン系樹脂層を積層して、第二の積層体を得る工程;
(3)前記第二の積層体の前記ポリエチレン系樹脂層にシーラント層を積層して、本発明の第三の積層体を得る工程、
(4)前記第三の積層体を、包装容器の開口部の形状に合わせて打ち抜いて、蓋材を得る工程。
上記工程(1)のアンカーコート層の形成工程は、ウエットコート法などの一般的な方法でアンカーコート剤を低通気性フィルム層に塗布することにより行うことができる。
上記工程(2)及び(3)の積層工程は、例えば押出コート法により行うことができる。
上記工程(4)は、例えば、ロータリーカッターで第三の積層体をシートの形態に切断し、裁断機で複数の枚葉にしてから、打ち抜き装置で枚葉を個別に蓋材の形状に打ち抜くことにより行うことができる。
<<包装製品>>
本発明の蓋材を、医療機器を収納する包装容器の開口部に被せてヒートシールすることにより、蓋材と、1又は複数の医療器具と、包装容器とを含む包装製品を製造することができる。シール温度は、好ましくは70℃〜200℃であり、より好ましくは100℃〜150℃である。シール圧力は、好ましくは0.05MPa〜200MPaで、より好ましくは1MPa〜10MPaである。シール時間は、好ましくは0.02秒〜60秒であり、より好ましくは0.5秒〜10秒である。得られる包装製品にガス滅菌剤を適用しても、当該包装製品内部に当該ガス滅菌剤が侵入することはない。
本発明の蓋材の包装容器への良好な接着性の観点から、本発明の蓋材を包装容器から剥離する際の剥離強度は、好ましくは0.5N/20mm〜200N/20mmであり、より好ましくは2N/20mm〜20N/20mmである。剥離強度の測定は、例えば図5に示すような引張試験機を用いた90°剥離試験により行うことができる。
図5を参照しながら、90°剥離試験について詳細に説明する。本発明の蓋材1のシーラント層側の面と包装容器に使用される樹脂からなる板状材14の片面を重ね合わせ、ヒートシールして試料15を作成する。その際、蓋材1の端部に非シール部16を設ける。板状材14が十分な剛性を持たない場合は、別の剛性の高い板状材を板状材14のヒートシールされていない面に貼り付けて補強しても良い。
チャックを備える移動端17と、90°剥離試験用治具19を取り付けた固定端20とを備える引張試験機21を用いて90°剥離試験を行う。90°剥離試験用治具19は、少なくとも3本のフリーロール18を具備しており、フリーロールの1本は、側面が移動端〜固定端の中心線22に接する位置にある。試料15を治具19中に挿入し、続いて蓋材の非シール部16を移動端17のチャックで掴む。試料の板状材14がフリーロール18に接して支えられ、中心線22と90°の角をなす状態となるように移動端17の位置を調整し、一定の速度で移動端17を上方向に引き上げる。移動端17を引き上げた距離の分だけ板状材7が側方に移動し、試料15と中心線22が90°の角度を保ったまま剥離が行われる。試験中の引張荷重をもって、剥離荷重とする。
図2〜4は、包装容器を本発明の蓋材でヒートシールすることにより得られる包装製品の一実施形態を示す。図2及び4の包装製品6は、シリンジ外筒8と外筒保持部材9とを含む包装容器7を本発明の蓋材1でヒートシールすることにより得られる。図3及び4のシリンジ外筒8は、外筒本体11と、外筒本体11の先端部に設けられたノズル部を封止するキャップ12を備える。また、外筒本体11の基端部には、フランジ13が設けられている。フランジ13は、外筒本体11の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。包装容器7は、シリンジ外筒8を保持可能な外筒保持部材9を含む。外筒保持部材9は、複数の筒状部10を有する。シリンジ外筒8の外筒本体11は筒状部10を通過するが、フランジ13が当該筒状部10を通過できないために、シリンジ外筒8は外筒保持部材9に保持される。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
材料
材料として、以下のものを使用した。
アンカーコート剤:東洋インキ製E−530
ポリエチレン系樹脂:日本ポリエチレン製ノバテックLD(MFR:8.0)
エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂:アクリル酸エチル含有率25%のエチレンアクリル酸エチル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製エバフレックスA−704、MFR275g/10分)
包装容器:結晶性ポリプロピレン射出成型品。開口部に幅20mmのフランジ状の蓋材接着しろを持つ。
<<実施例1:蓋材の製造>>
通常の溶融重縮合法にて得られた極限粘度0.6のポリエチレンテレフタレートチップを乾燥して水分を50ppm以下としてから、285℃にて溶融し、冷却したドラム上に溶融押出して未延伸フィルムとした。次いで100℃にて縦方向に3.5倍に延伸した後、クリップで両端を把持してテンターオーブンに導入し、120℃の雰囲気下で横方向に3.8倍延伸した。その後テンターオーブン内で210℃にて15秒間熱固定を行い、その際横方向に4.0%の幅入れを行った後にテンターオーブンから導出し、室温まで冷やして二軸配向ポリエステルフィルム(ガーレー秒数200,000sec/100cc以上)を得た。
得られたポリエステルフィルムの片面にコロナ放電処理を施したのち、該面上にアンカーコート剤をグラビアコーティングにより塗工した。その後、別の冷却したドラム上に導入したポリエステルフィルムのアンカーコート層の上にポリエチレン系樹脂を押出コートした。
得られた積層フィルムをさらに別の冷却したドラム上に導入し、積層フィルムのポリエチレン系樹脂層の上に、シーラント層としてエチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂を押出コートし、蓋材用の積層フィルムを得た。該積層フィルムの厚み構成は、ポリエステルフィルム/アンカーコート剤層/ポリエチレン層/シーラント層=38μm/5μm/20μm/20μmであった。
得られた積層フィルムをロータリーシェアカッター、および裁断機で複数の枚葉にしてから、打ち抜き装置で枚葉を個別に蓋材の形状に打ち抜き、蓋材を得た。
<<実施例2:包装製品の製造>>
蓋材のシーラント層側と容器開口部が対向するように被せ、容器フランジ部固定治具および熱板にて両者のシール部分を挟み、120℃、3MPaの圧力で2秒にわたって押圧し、容器の開口部に蓋材をヒートシールすることにより、包装製品を製造した。
<<評価1>>
包装製品に対するH22ガスの透過性試験
22ガス検出キットを封入した包装製品を作成し、密封されたグローブボックス内に設置した。グローブボックス内とガス導入路で接続されたH22ガス発生装置を用い、グローブボックス内を50%RH、H22ガス濃度=500ppmに調整し8時間保持した。次いで包装製品をグローブボックス外に取り出したのち開封し、H22ガス検出キットのガス検出有無を確認した。
<<評価2>>
蓋材の剥離試験
蓋材から25mm幅×200mm長の試験片を切り出した。一方、包装容器の成形条件を同様の条件にて包装容器用素材の板状材を得、該板状材から25mm幅の試験片を切り出した。両者を蓋材シーラント層〜包装容器用素材を接触させて重ね合わせ、受け側治具および20mm幅の熱板にて両者のシール部分を挟み、120℃、3MPaの圧力で2秒にわたって押圧し、剥離試験用の試料を得た。その際蓋材試験片の端部50mm分は圧着しないよう熱板の位置を調整した。
試料を、引張試験機に取り付けた治具に(図5)に示す状態にセットし、不滞在の非圧着部分を引張試験機のチャックに固定し、100mm/分で引張ることで、90°剥離試験を行い、剥離後のシール部分を観察することで評価した。
評価1の結果、本発明の蓋材を使用した場合、包装製品内部にH22が検出されなかった。一方、比較例として不織布(タイベック(登録商標))を使用した場合、包装製品内部にH22が検出された。また評価2の結果、本発明の蓋材を使用した場合、接着成分の脱離は観察されなかった。
本発明の蓋材は、例えば不安定な医薬品(例えばバイオ製剤)を充填するための容器を収納する包装容器に対して好適に使用することができる。
1 蓋材
2 低通気性フィルム層
3 アンカーコート層
4 ポリエチレン系樹脂層
5 シーラント層
6 包装製品
7 包装容器
8 シリンジ外筒
9 外筒保持部材
10 筒状部
11 外筒本体
12 キャップ
13 フランジ
14 板状材
15 試料
16 蓋材の非シール部
17 移動端
18 フリーロール
19 90°剥離試験用治具
20 固定端
21 引張試験機
22 中心線

Claims (5)

  1. 医療機器を収納するための包装容器にヒートシールするための蓋材であって、
    ガーレー秒数が10,000sec/100cc以上である、熱可塑性樹脂からなる低通気性フィルム層と、
    アンカーコート層と、
    ポリエチレン系樹脂層と、
    エチレン−アクリル酸メチル共重合体から成るシーラント層と
    をこの順で積層してなり、
    前記包装容器は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂から成る、
    蓋材。
  2. 低通気性フィルム層のガーレー秒数が100,000sec/100cc以上である、請求項1に記載の蓋材。
  3. 低通気性フィルム層がポリエステル系樹脂フィルムである、請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 厚さが1μm〜1,000μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材。
  5. 前記医療機器が、医薬品充填用のシリンジ外筒又はバイアルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋材。
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