JP2017043866A - 滅菌紙、滅菌紙の製造方法、滅菌用包装材料、滅菌用包装袋及び滅菌用蓋材 - Google Patents
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Abstract
【課題】微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成される滅菌紙であって、十分な気体透過性とヒートシール強度とを有し、しかも、剥離開封の際に紙剥けを起こすことのない滅菌紙を提供すること。【解決手段】逆格子状グラビア版を使用してヒートシール剤を塗布することにより、ヒートシール層12を網目パターンに構成し、かつ、滅菌紙1のJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccとなるように塗布する。【選択図】図1
Description
本発明は、医療器具等を包装する包装材料に好適な滅菌紙に関するものである。
一般に、医療器具等は包装袋等に収容して密閉した後、滅菌処理を施して出荷されている。
滅菌処理としては、例えばエチレンオキサイドガス(EOG)による滅菌処理が用いられている。このEOG滅菌処理を施す際には、前述の包装袋等がEOGを透過する材質で構成されていなくてはならない。
また、滅菌処理として、紫外線、ガンマ線、電子線等の放射線を照射することもある。この場合には、前述の包装袋等が放射線を透過することが必要であるが、こうして放射線照射された医療器具等から、あるいは包装袋等の内面から、低分子量成分がガスとして発生することがある。この低分子量成分を包装袋等の外部に放出するため、放射線滅菌の場合にも、包装袋等は気体を透過する性質を必要とする。
そして、このように気体を透過し、しかも、外部からの微生物の侵入を防止するため、これら包装袋等には、紙あるいは不織布等の基材シートにヒートシール剤をグラビア塗工した滅菌紙が用いられていることが通常である(特許文献1参照)。そして、例えば、包装袋を構成する2枚のシートのうち、一方のシート(表面側シート)をこの滅菌紙で構成し、他方のシート(裏面側シート)を微生物も気体も透過しないプラスチックフィルムで構成して、これら表面側シートと裏面側シートとを重ねて周縁でヒートシールして包装袋としている。この包装袋から内部の医療器具等を取り出す際には、包装袋周縁のヒートシール部で表裏のシートを剥離して開封することが通常である。
しかしながら、前述のヒートシール剤の塗工量が多いと気体透過性が低下する。一方、ヒートシール剤の塗工量が少ないと、ヒートシール強度が劣り、また、表裏のシートを剥離したときに紙又は不織布等からなる基材シートの繊維がほぐれて、いわゆる紙剥けを起こすことがあった。
そこで、本発明は、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成される滅菌紙であって、十分な気体透過性とヒートシール強度とを有し、しかも、剥離開封の際に紙剥けを起こすことのない滅菌紙を提供することを目的とする。
なお、本発明の滅菌紙は、これを使用して包装袋や包装容器を製造することが可能である。
すなわち、請求項1に記載の発明は、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートに
ヒートシール層を設けて構成される滅菌紙であって、
前記ヒートシール層が網目パターンに構成されており、JIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌紙である。
ヒートシール層を設けて構成される滅菌紙であって、
前記ヒートシール層が網目パターンに構成されており、JIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌紙である。
次に、請求項2に記載の発明は、前記基材シートが紙又は不織布から成ることを特徴とする請求項1に記載の滅菌紙である。
また、請求項3に記載の発明は、前記ヒートシール層をポリオレフィンに重ねてヒートシールしたとき、その剥離強度が1.0〜5.0N/15mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の滅菌紙である。
また、請求項4に記載の発明は、単位面積当たりの前記ヒートシール層の量が5〜20g/m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の滅菌紙である。
また、請求項5に記載の発明は、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートに、逆格子状グラビア版を使用して、ヒートシール剤を網目パターンに塗布することを特徴とする滅菌紙の製造方法である。
また、請求項6に記載の発明は、気体不透過性の包装フィルムと滅菌紙とから成り、この包装フィルムの周縁と滅菌紙の周縁とがヒートシールによってつなぎ合わされている滅菌用包装材料であって、
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装材料である。
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装材料である。
また、請求項7に記載の発明は、気体不透過性の包装フィルムと滅菌紙とから成り、この包装フィルムの周縁と滅菌紙の周縁とをヒートシールして内部を密閉して成る包装袋であって、
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装袋である。
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装袋である。
また、請求項8に記載の発明は、容器開口部にヒートシールして密閉する蓋材であって、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用蓋材である。
本発明の滅菌紙においては、ヒートシール層が網目パターンに構成されており、しかも、その網目パターンは、滅菌紙の透気度が500秒/100cc以下となるように構成されているから、十分な気体透過性を有している。なお、JIS P8117に定める透気度は、一定量の気体が透過する時間を表したもので、その数値が小さいほど透過速度が速く、気体透過性に優れている。
そして、本発明の滅菌紙はヒートシール層が網目パターンに構成されているため、例えばこの滅菌紙をプラスチックフィルム等に重ねてヒートシールした場合にも、網目パターンに従ってヒートシールされる。そして、このため、そのヒートシール強度は必要以上に
大きくならず、剥離開封する際にも、いわゆる紙剥けを起こすことなく、滅菌紙とプラスチックフィルム等との間で容易に剥離できるのである。
大きくならず、剥離開封する際にも、いわゆる紙剥けを起こすことなく、滅菌紙とプラスチックフィルム等との間で容易に剥離できるのである。
本発明の滅菌紙は基材シートにヒートシール層を設けて構成されるものである。図1はこの滅菌紙1に係るもので、図1(a)はその平面説明図、図1(b)は断面説明図である。なお、説明の便宜のため、これら図1(a)及び(b)において、その一部を拡大して示している。
基材シート11は、微生物を透過せず、気体を透過するものである。紙又は不織布で構成することができる。紙としては、水に分散させたパルプを抄紙したものが使用できる。パルプ100%のものであってよいが、熱可塑性樹脂から成る繊維を混抄したものを使用することも可能である。坪量50〜100g/mm2の紙が望ましい。また、不織布としては、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂をノズルから繊維状に押出し、網状フィブリルを形成させた後、繊維同士を熱融着させたものを使用することができる。
ヒートシール層12は、基材シート11の片面にヒートシール剤を塗布することによって形成することができる。このヒートシール層12は、図1(a)及び図1(b)から分かるように、網目パターンに構成することが重要である。このように網目パターン状のヒートシール層12を形成することにより、基材シート11の気体透過性を損なうことなく、滅菌紙1に適度のヒートシール性を付与して、剥離開封時の紙剥けを防止することができる。
すなわち、包装袋を構成する表面側シートとしてこの滅菌紙1を使用し、裏面側シートとしてプラスチックフィルムを使用して、両者を周縁でヒートシールしたとき、これら両者は網目パターン状ヒートシール層で接合する。このため、表面側シートと裏面側シートとの剥離強度を調整することが可能なのである。そして、このため、ヒートシール線から剥離して開封するときにも、紙剥けを生じることがないのである。
なお、基材シート11にヒートシール層12を形成して得られた滅菌紙1の気体透過性は、JIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることが適切である。この透気度は、サンプル面積645mm2を空気100mlが透過する時間を示すもので、その数値が小さいほど気体透過性が高い。この透気度の値が30秒/100ccより小さい場合、気体透過性は高いが、微生物の侵入の危険も大きくなる。一方、透気度の値が500秒/100ccより大きい場合、気体透過性が低く、EOG滅菌が困難となり、あるいは、内部で発生した低分子量成分を包装袋の外部に放出することが困難となる。
また、ヒートシール層12は、この滅菌紙1を各種条件でポリオレフィンにヒートシー
ルしたとき、最大の90度剥離強度が1.0〜5.0N/15mmであることが望ましい。医療器具等を収容する包装容器は、その衛生性を高める必要から、内面を官能基のないポリオレフィンで構成することが通常である。そして、このポリオレフィンに対して5.0N/15mm以下の剥離強度を有する場合、少ない力で容易に剥離開封することが可能となる。もちろん、このように小さい力で開封した場合、いわゆる紙剥けも生じない。なお、剥離強度が1.0N/15mmに満たない場合、滅菌処理の工程等で不用意に剥離してしまうことがある。ヒートシール層12の量は5〜20g/m2であればよい。
ルしたとき、最大の90度剥離強度が1.0〜5.0N/15mmであることが望ましい。医療器具等を収容する包装容器は、その衛生性を高める必要から、内面を官能基のないポリオレフィンで構成することが通常である。そして、このポリオレフィンに対して5.0N/15mm以下の剥離強度を有する場合、少ない力で容易に剥離開封することが可能となる。もちろん、このように小さい力で開封した場合、いわゆる紙剥けも生じない。なお、剥離強度が1.0N/15mmに満たない場合、滅菌処理の工程等で不用意に剥離してしまうことがある。ヒートシール層12の量は5〜20g/m2であればよい。
次に、ヒートシール層12の網目パターンは微細なものであることが望ましい。網目パターンのピッチが前述の包装袋周縁のヒートシール線の幅より小さい場合、このヒートシール線で内部を密閉することが可能である。
このような網目パターン状ヒートシール層12は、逆格子状グラビア版を使用してヒートシール剤を塗布することによって形成することができる。なお、逆格子状グラビア版の版深は100〜200μmが適切である。このような版深の逆格子状グラビア版を使用して塗布することにより、50〜20g/m2の網目パターン状ヒートシール層12を形成することができる。なお、ヒートシール剤としては、市販のヒートシール剤の中から、ポリオレフィンに対して適度の剥離性を有するヒートシール剤を選択して使用すればよいが、例えば、DICグラフィック(株)製M750を使用できる。
この滅菌紙1は、前述のように、医療器具等を包装する包装容器の一部として利用できる。図2はこのような包装袋の例を示すもので、図2(a)はその斜視図、図2(b)は断面説明図である。
この例では、滅菌紙1を表面側シートとして用いている。裏面側シートは気体不透過性の包装フィルム2であり、もちろん微生物も透過しない。これら滅菌紙1と包装フィルム2とは同形同大の矩形であり、滅菌紙1のヒートシール層12が包装フィルム2に接するように互いに重ねあわされている。そして、周縁の4辺のうち3辺をヒートシールしてヒートシール線b,c,dが形成されている。残る1辺aにはヒートシール線が形成されていないが、この辺aより内側にV字状ヒートシール線eを形成して、4本のヒートシール線b〜eで密閉している。ヒートシール線のない端縁aとV字状ヒートシール線eとの間の領域xは剥離開封の際のタブである。すなわち、この領域xでは滅菌紙1と包装フィルム2とがヒートシールされていないから、両者を摘んで引き剥がすことにより、V字状ヒートシール線eから剥離して開封することができる。なお、図示を省略しているが、これら4本のヒートシール線b〜eで囲まれた内部領域には医療器具等が収容されている。
包装フィルム2としてはポリオレフィンフィルムを好適に使用することができる。また、内面にポリオレフィン樹脂層を有する多層フィルムを使用することも可能である。例えば、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルムの内面にポリオレフィン樹脂層を積層した多層フィルムである。また、その層構成中に、金属蒸着層や無機蒸着層を有する多層フィルムを使用することも可能である。
次に、図3〜図4は表面側シートの一部に滅菌紙1を使用した例を示している。図3は包装材料、すなわち、表面側シートの断面図である。この例では、2枚の包装フィルム3と1枚の滅菌紙1を使用し、中央に滅菌紙1が配置して、その両側周縁に2枚の包装フィルム3の周縁をヒートシールすることにより、これらをつなぎ合わせている。
図4は、このように滅菌紙1と包装フィルム3とをつなぎ合わせた包装材料を表面側シートとして使用した包装袋の例を示すもので、図4(a)はその斜視図、図4(b)は断面図である。
次に、本発明の滅菌紙1は、成形容器の開口部にヒートシールして密閉する蓋材として使用することもできる。図5はこのような例を示す断面図で、真空成形容器4の開口部周縁に滅菌紙1をヒートシールして密閉した例を示している。この他、本発明の滅菌紙1は、ブロー成形容器、射出成形容器等、任意の容器の蓋材として使用できる。いずれのものでも、容器の内面はポリオレフィンから構成されていることが望ましい。
(実施例)
基材シート11としてDIC坪量64.9g/m2の紙(日本製紙(株)製KFD)を使用した。そして、ヒートシール剤としてDICグラフィック(株)製M750を使用し、線数21ライン/インチ、版深170μmの逆格子状グラビア版を使用して、網目パターンに塗布してヒートシール層を形成することにより、実施例の滅菌紙1を製造した。塗布量は、乾燥重量で10g/m2である。
基材シート11としてDIC坪量64.9g/m2の紙(日本製紙(株)製KFD)を使用した。そして、ヒートシール剤としてDICグラフィック(株)製M750を使用し、線数21ライン/インチ、版深170μmの逆格子状グラビア版を使用して、網目パターンに塗布してヒートシール層を形成することにより、実施例の滅菌紙1を製造した。塗布量は、乾燥重量で10g/m2である。
(比較例1)
グラビア版として、線数55ライン/インチ、版深165μmの彫刻版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で16g/m2である。
グラビア版として、線数55ライン/インチ、版深165μmの彫刻版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で16g/m2である。
(比較例2)
グラビア版として、線数175ライン/インチ、版深40μmの版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で8g/m2である。
グラビア版として、線数175ライン/インチ、版深40μmの版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で8g/m2である。
(比較例3)
グラビア版として、線数175ライン/インチ、版深40μmの版を使用して、ヒートシール剤を塗布し、続いて、その塗布面に重ねて、線数55ライン/インチ、版深165μmの彫刻版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で合計24g/m2である。
グラビア版として、線数175ライン/インチ、版深40μmの版を使用して、ヒートシール剤を塗布し、続いて、その塗布面に重ねて、線数55ライン/インチ、版深165μmの彫刻版を使用して、ヒートシール剤を塗布した他は、実施例と同様に滅菌紙1を製造した。なお、塗布量は、乾燥重量で合計24g/m2である。
(気体透過性評価試験)
これら実施例及び比較例1〜3の滅菌紙1について、その気体透過性を評価した。気体透過性は、ガーレー試験法(JIS P8117)に基づいて、透気度を測定することにより行った。
これら実施例及び比較例1〜3の滅菌紙1について、その気体透過性を評価した。気体透過性は、ガーレー試験法(JIS P8117)に基づいて、透気度を測定することにより行った。
(ヒートシール強度及び紙剥けの有無の評価試験)
これら実施例1及び比較例1〜3の滅菌紙1をポリプロピレンフィルムにヒートシールした後、このポリプロピレンフィルムから剥離して、そのヒートシール強度を測定した。また、この剥離試験の際に紙剥けの有無を肉眼で観察した。なお、ヒートシール条件は、150℃、3kgf/cm2、1秒である。また、ヒートシール強度の測定は、90度剥離によって行った。
これら実施例1及び比較例1〜3の滅菌紙1をポリプロピレンフィルムにヒートシールした後、このポリプロピレンフィルムから剥離して、そのヒートシール強度を測定した。また、この剥離試験の際に紙剥けの有無を肉眼で観察した。なお、ヒートシール条件は、150℃、3kgf/cm2、1秒である。また、ヒートシール強度の測定は、90度剥離によって行った。
これら気体透過性評価試験、ヒートシール強度、紙剥けの有無の評価試験の結果を表1に示す。
(考察)
彫刻版を使用して16g/m2のヒートシール剤を塗布した比較例1の滅菌紙においては、気体透過性が低く(透気度の値が大きい)、また、ヒートシール強度が高くて紙剥け
を生じる等、その品質が劣っている。また、ヒートシール剤を二度塗りした比較例3の滅菌紙においても、その気体透過性が劣っている。一方、線数175ライン/インチ、版深40μmのグラビア版を使用して8g/m2のヒートシール剤を塗布した比較例2の滅菌紙においては、ヒートシール剤の塗布量が少ないため、高い気体透過性を示す(透気度の値が小さい)ものの、ヒートシール強度に劣り、滅菌処理の工程等で不用意に剥離してしまうおそれがある。
彫刻版を使用して16g/m2のヒートシール剤を塗布した比較例1の滅菌紙においては、気体透過性が低く(透気度の値が大きい)、また、ヒートシール強度が高くて紙剥け
を生じる等、その品質が劣っている。また、ヒートシール剤を二度塗りした比較例3の滅菌紙においても、その気体透過性が劣っている。一方、線数175ライン/インチ、版深40μmのグラビア版を使用して8g/m2のヒートシール剤を塗布した比較例2の滅菌紙においては、ヒートシール剤の塗布量が少ないため、高い気体透過性を示す(透気度の値が小さい)ものの、ヒートシール強度に劣り、滅菌処理の工程等で不用意に剥離してしまうおそれがある。
これに対して、逆格子状グラビア版を使用して、網目パターンにヒートシール剤を塗布した実施例の滅菌紙においては、気体透過性が高く(透気度の値が小さく)、しかも、ヒートシール強度が十分高いにも拘わらず必要以上に高くならず、このため、紙剥けが生じていない。このように、逆格子状グラビア版を使用して網目パターンにヒートシール剤を塗布することにより、気体透過性とヒートシール強度とのバランスをとって、しかも、剥離開封の際に紙剥けを起こすことがないことが理解できる。
1:滅菌紙 11:基材シート 12:ヒートシール層
2:包装フィルム
3:包装フィルム
4:真空成形容器
2:包装フィルム
3:包装フィルム
4:真空成形容器
Claims (8)
- 微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成される滅菌紙であって、
前記ヒートシール層が網目パターンに構成されており、JIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌紙。 - 前記基材シートが紙又は不織布から成ることを特徴とする請求項1に記載の滅菌紙。
- 前記ヒートシール層をポリオレフィンに重ねてヒートシールしたとき、その剥離強度が1.0〜5.0N/15mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の滅菌紙。
- 単位面積当たりの前記ヒートシール層の量が5〜20g/m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の滅菌紙。
- 微生物を透過せず、気体を透過する基材シートに、逆格子状グラビア版を使用して、ヒートシール剤を網目パターンに塗布することを特徴とする滅菌紙の製造方法。
- 気体不透過性の包装フィルムと滅菌紙とから成り、この包装フィルムの周縁と滅菌紙の周縁とがヒートシールによってつなぎ合わされている滅菌用包装材料であって、
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装材料。 - 気体不透過性の包装フィルムと滅菌紙とから成り、この包装フィルムの周縁と滅菌紙の周縁とをヒートシールして内部を密閉して成る包装袋であって、
この滅菌紙が、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用包装袋。 - 容器開口部にヒートシールして密閉する蓋材であって、微生物を透過せず、気体を透過する基材シートにヒートシール層を設けて構成されており、かつ、前記ヒートシール層が網目パターンに構成されていて、滅菌紙がJIS P8117による透気度が30〜500秒/100ccであることを特徴とする滅菌用蓋材。
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WO2018180318A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2018-10-04 | ニチバン株式会社 | 滅菌包装容器及びその製造方法 |
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