JP2020117219A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動運転中において車両の周辺に確実に報知可能な車両制御装置を提供する。【解決手段】車両制御装置(100)は、自動運転により車両(M)の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、車両の自動運転に関わる機能に故障が発生しているか否かを診断する故障診断手段(20)と、故障診断手段により故障と診断結果が得られるとき機能を部分的に停止させた状態のまま自動運転を継続する縮退運転管理手段(62)と、車両が縮退制御中であるという情報を発光により車両の周辺に報知する発光手段(106)と、発光手段の作動状態を検出する作動状態検出部(110)と、作動状態検出部により発光手段が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を許可する一方、作動状態検出部により発光手段が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部(112)と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、自動運転により車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置に関する。
従来から、自動運転により車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置が知られている。例えば、渋滞に接近した場合における対処技術が種々開発されている。
特許文献1(段落[0009]、図1)では、渋滞に接近しつつある前方状態を検知し、且つ、自動運転が選択されている場合、ハザードランプの点灯及び減速・停車を自動的に行う装置が提案されている。ハザードランプを点灯することで、車両の周辺(特に後方)に対して渋滞中である旨を報知することができる。
特開2016−168919号公報
しかしながら、特許文献1では、ハザードランプが正常であることを前提にしているが、ハザードランプを含む灯体が正常に作動しない事態について何ら考慮されていない。特に自動運転中、ドライバは、ハザードランプの作動状態にまで意識が及ばない可能性があるので、車両の周辺に対して確実に報知するためのシステム設計が望ましい。
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、自動運転中において車両の周辺に確実に報知可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による車両制御装置は、自動運転により車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、前記車両の前記自動運転に関わる機能に故障が発生しているか否かを診断する故障診断手段と、前記故障診断手段により故障と診断結果が得られるとき前記機能を部分的に停止させた状態のまま前記自動運転を継続する縮退運転管理手段と、前記車両が縮退制御中であるという情報を発光により前記車両の周辺に報知する発光手段と、前記発光手段の作動状態を検出する作動状態検出部と、前記作動状態検出部により前記発光手段が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を許可する一方、前記作動状態検出部により前記発光手段が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部と、を備える。
本発明の他の態様による車両制御装置は、自動運転により車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置であって、前記車両の前記自動運転に関わる機能に故障が発生しているか否かを診断する故障診断手段と、前記故障診断手段により故障と診断結果が得られるとき前記機能を部分的に停止させた状態のまま前記自動運転を継続する縮退運転管理手段と、発光により前記車両の周辺に報知するハザードランプと、前記ハザードランプの作動状態を検出する作動状態検出部と、前記作動状態検出部により前記ハザードランプが正常に作動する旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を許可する一方、前記作動状態検出部により前記ハザードランプが正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部と、を備える。
このように、発光手段が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を禁止することで、装置のインターロック機能が発揮される。これにより、発光手段が正常に作動する状態下、自動運転中において車両の周辺に確実に報知できる。
本発明に係る車両制御装置によれば、自動運転中において車両の周辺に確実に報知できる。
第1実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す車両制御装置の動作説明に供されるフローチャートである。 図2のステップS4、S10における発光制御に関する詳細フローチャートである。 第2実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。 図4に示す車両制御装置の動作説明に供されるフローチャートである。
以下、本発明に係る車両制御装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置10について、図1−図3を参照しながら説明する。
<車両制御装置10の全体構成>
図1は、第1実施形態に係る車両制御装置10の構成を示すブロック図である。車両制御装置10は、車両Mに組み込まれており、且つ、自動運転又は手動運転により車両Mの走行制御を行う。この「自動運転」は、車両Mの走行制御をすべて自動で行う「完全自動運転」のみならず、走行制御を部分的に自動で行う「部分自動運転」を含む概念である。
車両制御装置10は、基本的には、入力系装置群と、制御システム12と、出力系装置群とから構成される。入力系装置群及び出力系装置群をなす各々の装置は、制御システム12に通信線を介して接続されている。
入力系装置群は、外界センサ14と、通信装置16と、ナビゲーション装置18と、車両センサ19と、故障診断装置20と、自動運転スイッチ22と、操作デバイス24に接続された操作検出センサ26と、を備える。
出力系装置群は、図示しない車輪を駆動する駆動力装置28と、当該車輪を操舵する操舵装置30と、当該車輪を制動する制動装置32と、車両Mの周辺に報知するハザードランプ36と、ハザードランプ36とは別の灯体38と、ドライバに報知する報知装置40と、を備える。
<入力系装置群の具体的構成>
外界センサ14は、車両Mの外界状態を示す情報(以下、外界情報)を取得し、当該外界情報を制御システム12に出力する。外界センサ14は、具体的には、複数のカメラ42と、複数のレーダ43と、複数のLIDAR44(Light Detection and Ranging;光検出と測距/Laser Imaging Detection and Ranging;レーザ画像検出と測距)を含んで構成される。
通信装置16は、路側機、他車両、及びサーバを含む外部装置と通信可能に構成されており、例えば、交通機器に関わる情報、他車両に関わる情報、プローブ情報又は最新の地図情報48を送受信する。この地図情報48は、記憶装置46の所定メモリ領域内に、或いはナビゲーション装置18に記憶される。
ナビゲーション装置18は、車両Mの現在位置を検出可能な衛星測位装置と、ユーザインタフェース(例えば、タッチパネル式のディスプレイ、スピーカ及びマイク)を含んで構成される。ナビゲーション装置18は、車両Mの現在位置又はユーザによる指定位置に基づいて、指定した目的地までの経路を算出し、制御システム12に出力する。ナビゲーション装置18により算出された経路は、記憶装置46の所定メモリ領域内に、経路情報49として記憶される。
車両センサ19は、車両Mの走行速度(車速)を検出する速度センサ、加速度を検出する加速度センサ、横Gを検出する横Gセンサ、垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、向き・方位を検出する方位センサ、勾配を検出する勾配センサを含み、各々のセンサからの検出信号を制御システム12に出力する。これらの検出信号は、記憶装置46の所定メモリ領域内に、自車情報50として記憶される。
故障診断装置20は、ECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)又は車両部品(以下、総称して「コンポーネント」ともいう)の動作状態、一例として、コンポーネントの故障又は電気配線の破断がないか否かを診断するための装置である。本図の例では、車両Mに搭載されている構成(OBD;On-Board Diagnostics)を示しているが、通信装置16を介して車外から接続される構成であってもよい。
自動運転スイッチ22は、例えば、インストルメントパネルに設けられた押しボタンスイッチである。自動運転スイッチ22は、ドライバを含むユーザのマニュアル操作により、自動運転の度合いが異なる複数の運転モードを切り替え可能に構成される。
操作デバイス24は、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー、及び方向指示レバーを含んで構成される。操作デバイス24には、ドライバによる操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。
操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込量(アクセル開度)、ステアリング操作量(操舵量)、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を車両制御部60に出力する。
<出力系装置群の具体的構成>
駆動力装置28は、駆動力ECUと、エンジン・駆動モータを含む駆動源から構成される。駆動力装置28は、車両制御部60から入力される車両制御値に従って車両の走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介して、或いは直接的に車輪に伝達する。
操舵装置30は、EPS(電動パワーステアリングシステム)ECUと、EPS装置とから構成される。操舵装置30は、車両制御部60から入力される車両制御値に従って車輪(操舵輪)の向きを変更する。
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであって、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータとから構成される。制動装置32は、車両制御部60から入力される車両制御値に従って車輪を制動する。
駆動回路34は、所望の駆動電流を供給することでハザードランプ36を発光させる電気回路であり、ハザードランプ36の発光状態を検出する状態センサを含んで構成される。この状態センサは、ハザードランプ36を通過する電流量を検出する電流センサであってもよいし、ハザードランプ36からの発光量を検出する光センサであってもよい。
ハザードランプ36は、例えば、車体の前後左右にある4つの方向指示器からなり、緊急時又は停車時に使用される非常点滅表示灯である。灯体38は、車両Mの様々な位置に設けられた、ハザードランプ36とは別のランプである。ハザードランプ36及び灯体38はいずれも、車両Mの外側から発光状態を視認可能な位置に設けられており、車両Mの周辺に報知可能な発光手段として機能する。
灯体38は、車両Mに通常搭載される種々のランプ、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ポジションランプ、ハイマウントストップランプ、リアフォグランプ、ライセンスランプ、及びルームランプのうち少なくとも1つである。或いは、灯体38は、自動運転車に対して固有に搭載されるランプ、例えば、自動運転の状態を報知するためのパイロットランプであってもよい。
報知装置40は、報知ECUと、表示装置と、音響装置とから構成される。報知装置40は、制御システム12(具体的には、失陥対処部56)から出力される報知指令に応じて、自動運転又は手動運転に関わる報知動作(後述するTORを含む)を行う。
<運転モード>
ここで、自動運転スイッチ22が押される度に、「自動運転モード」と「手動運転モード」(非自動運転モード)が順次切り替わるように設定されている。これに代わって、ドライバの意思確認を確実にするため、例えば、2度押しで手動運転モードから自動運転モードに切り替わり、1度押しで自動運転モードから手動運転モードに切り替わるように設定することもできる。
自動運転モードは、ドライバが、操作デバイス24(具体的には、アクセルペダル、ステアリングホイール及びブレーキペダル)の操作を行わない状態で、車両Mが制御システム12による制御下に走行する運転モードである。換言すれば、自動運転モードは、制御システム12が、逐次作成される行動計画に従って、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32の一部又は全部を制御する運転モードである。
なお、ドライバが、自動運転モードの実行中に操作デバイス24を用いた所定の操作を行うと、自動運転モードが自動的に解除されると共に、自動運転の度合いが相対的に低い運転モード(手動運転モードを含む)に切り替わる。以下、自動運転から手動運転へ移行させるために、ドライバが自動運転スイッチ22又は操作デバイス24を操作することを「オーバーライド操作」ともいう。
<制御システム12の構成>
制御システム12は、1つ又は複数のECUにより構成され、上記した記憶装置46の他、各種機能実現部を備える。この実施形態では、機能実現部は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)が、非一過性の記憶装置46に記憶されているプログラムを実行することにより機能が実現されるソフトウエア機能部である。これに代わって、機能実現部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路からなるハードウエア機能部であってもよい。
制御システム12は、記憶装置46及び車両制御部60の他、外界認識部52と、行動計画作成部54と、失陥対処部56と、軌道生成部58と、を含んで構成される。
外界認識部52は、入力系装置群により入力された各種情報(例えば、外界センサ14からの外界情報)を用いて、車両Mの両側にあるレーンマーク(白線)を認識し、停止線・信号機の位置情報、又は走行可能領域を含む「静的」な外界認識情報を生成する。また、外界認識部52は、入力された各種情報を用いて、駐停車車両等の障害物、人・他車両等の交通参加者、又は信号機の灯色を含む「動的」な外界認識情報を生成する。
行動計画作成部54は、外界認識部52による認識結果に基づいて走行区間毎の行動計画(イベントの時系列)を作成し、必要に応じて行動計画を更新する。イベントの種類として、例えば、減速、加速、分岐、合流、レーンキープ、レーン変更、追い越しが挙げられる。ここで、「減速」「加速」は、車両Mを減速又は加速させるイベントである。「分岐」「合流」は、分岐地点又は合流地点にて車両Mを円滑に走行させるイベントである。「レーン変更」は、車両Mの走行レーンを変更させるイベントである。「追い越し」は、車両Mに前走車両を追い越させるイベントである。
また、「レーンキープ」は、走行レーンを逸脱しないように車両Mを走行させるイベントであり、走行態様との組み合わせによって細分化される。走行態様として、具体的には、定速走行、追従走行、減速走行、カーブ走行、或いは障害物回避走行が含まれる。
失陥対処部56は、各々のコンポーネントの失陥対処に関わる処理を行うと共に、行動計画作成部54、車両制御部60、駆動回路34、灯体38又は報知装置40に向けて信号を出力する。具体的には、失陥対処部56は、縮退運転管理部62、発光制御部64、及び引継要求部66として機能する。
軌道生成部58は、記憶装置46から読み出した地図情報48、経路情報49及び自車情報50を用いて、行動計画作成部54により作成された行動計画に従う走行軌道(目標挙動の時系列)を生成する。この走行軌道は、具体的には、位置、姿勢角、速度、加速度、曲率、ヨーレート、操舵角をデータ単位とする時系列データセットである。
車両制御部60は、軌道生成部58により生成された走行軌道(目標挙動の時系列)に従って、車両Mを走行制御するための各々の車両制御値を決定する。そして、車両制御部60は、得られた各々の車両制御値を、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32に出力する。
<車両制御装置10の動作>
第1実施形態における車両制御装置10は、以上のように構成される。続いて、車両Mの縮退運転に関わる車両制御装置10の動作について、図2のフローチャートを主に参照しながら説明する。ここでは、車両制御装置10を搭載した車両Mが、自動運転又は手動運転によりレーンを走行する場合を想定する。
ステップS1において、制御システム12は、自動運転モードが「オン」であるか否かを判定する。「オン」ではない(「オフ」である)と判定された場合(ステップS1:NO)、自動運転モードが「オン」になるまでステップS1に留まる。一方、「オン」であると判定された場合(ステップS1:YES)、次のステップ(S2)に進む。
ステップS2において、制御システム12(より詳しくは、失陥対処部56)は、故障診断装置20からの診断情報を取得し、コンポーネントの故障が発生しているか否かを判定する。故障が発生していないと判定された場合(ステップS2:NO)、ステップS1に戻って、以下、ステップS1及びS2を順次繰り返す。一方、故障が発生していると判定された場合(ステップS2:YES)、次のステップ(S3)に進む。
ステップS3において、縮退運転管理部62は、コンポーネントの故障状況に応じた縮退動作を開始する。ここで「縮退動作」とは、自動運転に関わる機能又は性能を部分的に停止させた状態のまま稼働を継続することを意味し、例えば、駆動力装置28による車両Mの加速動作を禁止した運転状態である。
ステップS4において、発光制御部64は、ステップS3にて縮退動作を開始した旨を車両Mの周辺に報知するため、少なくともハザードランプ36に対して発光制御を行う。この発光制御の詳細については後述する。
ステップS5において、引継要求部66は、ドライバに対して手動運転への引き継ぎ(テイクオーバー)を要求する要求動作を行う。そうすると、報知装置40は、引継要求部66からの要求動作(報知指令)に応じて、ドライバに対して引き継ぎを行うべき旨を報知する。以下、この要求動作から報知動作までの一連の動作のことを「TOR」(テイクオーバーリクエスト)という場合がある。
ステップS6において、制御システム12(例えば、車両制御部60)は、ドライバによるオーバーライド操作を受け付けたか否かを判定する。未だ受け付けていない場合(ステップS6:NO)、次のステップ(S7)に進む。
ステップS7において、引継要求部66は、TORの開始始点から所定時間が経過したか否かを判定する。未だ経過していない場合(ステップS7:NO)、ステップS5に戻って以下、ステップS5−S7を順次繰り返す。ステップS6にてオーバーライド操作を受け付けた場合(ステップS6:YES)、ステップS8に進む。
ステップS8において、縮退運転管理部62は、縮退動作を伴う自動運転から手動運転に移行する。その後、車両制御装置10は、手動による車両Mの走行制御を継続する。
一方、ステップS7に戻って、TORの開始始点から所定時間が経過した場合(ステップS7:YES)、ステップS9に進む。
ステップS9において、車両制御部60は、走行中の車両Mを路肩に退避させながら停止させる停止制御を開始する。この制御に先立ち、失陥対処部56は、車両Mを路肩に停止させる旨を行動計画作成部54に通知する。軌道生成部58は、行動計画の変更に伴って、路肩に近づく方向に操舵しながら停止するための走行軌道を生成する。これにより、車両Mは、軌道生成部58により生成された走行軌道に従って走行する。
ステップS10において、発光制御部64は、ステップS9にて停止制御を開始した旨を車両Mの周辺に報知するため、少なくともハザードランプ36に対して発光制御を行う。この発光制御の詳細については後述する。
ステップS11において、車両制御部60は、ドライバによるオーバーライド操作を受け付けたか否かを判定する。未だ受け付けていない場合(ステップS11:NO)、ステップS10に戻って、以下、発光制御(ステップS10)を継続する。
一方、オーバーライド操作を受け付けた場合(ステップS11:YES)、車両制御部60は、停止制御を実行中である自動運転から、手動運転に移行する(ステップS8)。その後、車両制御装置10は、手動による車両Mの走行制御を継続する。
以上のようにして、車両制御装置10は、車両Mの縮退運転に関わる動作を終了する。なお、このフローチャートでは、「コンポーネントの故障」(ステップS2参照)がトリガとなって縮退動作を開始しているが、開始条件はこれに限られない。例えば、この開始条件は、走行環境の変化に伴ってコンポーネントの機能が一時的に失陥した状態(つまり、機能失陥)の発生であってもよいし、走行環境の変化に伴って自動による走行制御を継続することが困難な状態(つまり、性能限界)の発生であってもよい。
<発光制御による動作例>
続いて、発光制御部64による発光制御(図2のステップS4、S10)について、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
上述した通り、発光制御部64は、自動運転中に所定条件を満たす場合に発光制御を行う。この所定条件とは、[1]縮退動作を開始したこと(ステップS3)、[2]手動運転への引き継ぎがなく、TORの開始時点から所定時間が経過したこと(ステップS7)であるが、緊急時又は停止時を含む、車両Mの周辺に報知することが望ましい状況を示す任意の条件であってもよい。
ステップS21において、発光制御部64は、故障診断装置20からの診断情報の中に、ハザードランプ36の故障情報が含まれているか否かを判定する。故障情報を含まないと判定された場合(ステップS21:YES)、次のステップS22に進む。
ステップS22において、発光制御部64は、ハザードランプ36を発光させる発光制御を行う。具体的には、発光制御部64は、ハザードランプ36の発光指令を駆動回路34に向けて出力する。これにより、ハザードランプ36は、もし正常であれば、駆動回路34から供給される駆動電流に応じて、所望のタイミングで発光(点灯又は点滅)する。
ステップS23において、発光制御部64は、駆動回路34から出力された検出値に基づいて、ハザードランプ36が正常に発光しているか否かを判定する。正常に発光している場合(ステップS23:YES)、ステップS4、S10の発光制御を終了する。この場合、ハザードランプ36が正常に作動するため、車両Mの周辺に報知することができる。
一方、ハザードランプ36の故障情報を含むと判定された場合(ステップS21:NO)、或いは、ハザードランプ36が正常に発光しないと判定された場合(ステップS23:NO)、ステップS24に進む。
ステップS24において、発光制御部64は、ハザードランプ36に代わって発光させる灯体38(以下、代替灯体ともいう)を1つ又は複数選択する。ここで、発光制御部64は、予め定められた規則に従って灯体38を静的に選択してもよいし、状況に応じて灯体38を動的に選択してもよい。
ステップS25において、発光制御部64は、ステップS24で選択された代替灯体を発光させる発光制御を行う。これにより、代替灯体は、発光制御部64の制御に従って、所望のタイミングで発光(点灯又は点滅)する。ハザードランプ36及び代替灯体に対して同時に発光制御を行うことで、ハザードランプ36が正常に作動しない場合であっても、代替灯体(灯体38)を用いて車両Mの周辺に報知することができる。
<具体例>
以上のようにして、発光制御部64は、ハザードランプ36又は灯体38(代替灯体)の発光制御を行う。続いて、発光の視認性又は持続性を高めるための具体例について説明する。
(1.灯体38の選択方法)
灯体38の選択方法は、例えば、車種、灯体38の種類・位置関係、縮退動作の状態(故障のレベル)、走行環境(周囲の状況、天候、地域、時間帯)に応じて異ならせてもよい。
配設位置の観点から、[1]後方、側方、前方の順に高い優先度に従って灯体38を選択してもよい。視認性の観点から、[2]照射面積が大きい灯体38、[3]緊急性・異常性を示す色(例えば赤色)の灯体38、を優先的に選択してもよい。
また、複数の灯体38を選択する場合、[4]位置が近い同士の複数の灯体38、[5]彩度又は色相が近い同士の複数の灯体38、[6]輝度が近い同士の複数の灯体38、を優先的に選択してもよい。上記した複合的な観点から、好適な例として、リアコンビネーションランプにおけるブレーキランプ又はハイマウントストップランプが挙げられる。
(2.灯体38の制御方法)
例えば、車種、灯体38の種類・位置関係、縮退動作の状態(故障のレベル)、走行環境(周囲の状況、天候、地域、時間帯)に応じて、発光制御に関わる制御パラメータを異ならせてもよい。この制御パラメータには、例えば、発光輝度、点灯デューティ比、点滅周期、又は制御時間(開始時点、終了時点、実行時間)が含まれる。
一般的に言えば、[1]発光輝度が高いほど、[2]点灯デューティ比が50%に近いほど、[3]点滅周期が短いほど、若しくは[4]実行時間が長いほど、視認性が相対的に高い表示形態になる。また、複数の灯体38を同時に発光させる場合、[5]各々の灯体38の点滅周期を等しくし又は異ならせ、若しくは[6]各々の灯体38の発光位相を等しくし又は異ならせることで、発光の視認性が高まる。
(3.減速/停止時における発光制御)
発光制御部64は、車両Mが減速している間、代替灯体として選択されたブレーキランプを発光(例えば、点灯)させる発光制御を行ってもよい。特に、減速度が閾値よりも高い場合にブレーキランプを点滅させることで、後行車両のドライバに対してより強い注意喚起を行うことができる。
また、発光制御部64は、車両Mが停止している間、代替灯体として選択された複数の灯体38を同時に点灯させる発光制御を行ってもよい。特に、選択し得るすべての灯体38を同時に点灯させることで、車両Mの存在及び位置を広範囲にわたって報知することができる。
(4.周辺状況に応じた発光制御)
発光制御部64は、ドライバの視認性が相対的に低い周辺状況において、当該視認性が相対的に高い周辺状況と比べて、選択する灯体38の個数を増やし、及び/又は、視覚的に強調された形態にて発光制御を行ってもよい。
例えば、発光制御部64は、車両Mがトンネル内を走行している間、トンネルの照明(低圧ナトリウムランプの発光色)との加法混色の影響を抑制するため、赤色系の灯体38を発光させる発光制御を行ってもよい。また、発光制御部64は、車両Mの周辺にて霧が発生している場合、後行車両に対して確実に報知するため、代替灯体として選択されたリアフォグランプを発光させる発光制御を行ってもよい。
また、発光制御部64は、車両Mの周囲が暗い場合、互いに等しい点滅周期・発光位相により、複数の灯体38を同時に点滅させてもよい。これにより、明滅の差を大きくすることが可能となり、発光の視認性が高まる。
(5.故障度合いに応じた発光制御)
発光制御部64は、コンポーネントの故障度合いに応じて異なる発光制御を行ってもよい。例えば、車両Mが備えるバッテリ及び発電機の作動状態の組み合わせに応じて発光制御を異ならせてもよい。例えば、バッテリ及び発電機が両方とも正常状態である場合、発光制御部64は、電力の需給に関する制約を受けることなく、予め決められた(通常の)発光制御を行うことができる。
これに対して、バッテリのみが正常状態である場合、発光制御部64は、バッテリの電力残量を考慮して、消費電力が相対的に少ない灯体38を選択して発光させてもよい。これにより、灯体38の発光を長時間持続させることができる。
或いは、発電機のみが正常状態である場合、発光制御部64は、発電機の発電能力を考慮して、消費電力の平準化(ピーク電力の抑制)を図るべく、制御パラメータを変更した発光制御を行ってもよい。これにより、灯体38の発光状態を途切れなく持続させることができる。
<車両制御装置10による効果>
以上のように、車両制御装置10は、自動運転により車両Mの走行制御を少なくとも部分的に自動で行う装置であって、[1]車両Mの周辺に報知するハザードランプ36と、[2]自動運転中に所定条件を満たす場合にハザードランプ36を発光させる発光制御を行う発光制御部64と、を備え、[3]発光制御部64は、ハザードランプ36を発光させると共に、ハザードランプ36が正常でない場合にハザードランプ36とは別の、車両Mの周辺に報知する灯体38を発光させる発光制御を行う。
また、車両制御装置10を用いた車両制御方法では、[1]自動運転中に所定条件を満たす場合にハザードランプ36を発光させる発光制御を行う発光制御ステップ(S4、S10)を1つ又は複数のCPUに実行させ、[2]発光制御ステップでは、ハザードランプ36を発光させる(S22)と共に、ハザードランプ36が正常でない場合に(S21、S23:NO)、ハザードランプ36とは別の、車両Mの周辺に報知する灯体38を発光させる(S25)。
このように、自動運転中に所定条件を満たしており、且つ、ハザードランプ36が正常でない場合に別の灯体38を発光することで、報知機能の冗長化が図られる。これにより、ハザードランプ36が正常であるか否かにかかわらず、自動運転中において車両Mの周辺に確実に報知できる。
<第1実施形態の変形例>
なお、車両制御装置10の動作は、図2及び図3に示すフローチャートの形態に限られることなく、種々の変形例を採用してもよい。
図2では、コンポーネントの故障が発生していると判定された場合に縮退動作を開始しているが(ステップS3)、縮退動作の開始条件はこれに限られない。例えば、ドライバの異変を検出した場合であってもよいし、地震・津波・気象等に関する災害情報を外部から取得した場合であってもよい。
図2では、車両Mが走行中であって停止する前に発光制御(S10)を行っているが、車両Mが完全に停止した後に発光制御を開始してもよい。同様に、発光制御の終了時点も任意に設定してもよく、自動的に又は手動操作に応じて自動的に灯体38を消灯してもよい。また、ステップS4及びS10にて発光制御をそれぞれ実行しているが、いずれか一方のみのタイミングで発光制御を実行してもよい。
図3では、ステップS4及びS10の発光制御を特段の区別なく説明しているが、それぞれ異なる形態の発光制御を行ってもよい。また、ハザードランプ36の状態判定を二重に行うことなく(S21、S23)、発光制御(S22)の実行前(S21)或いは実行後(S23)のうち、いずれか一方のみの状態判定を行ってもよい。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る車両制御装置100について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、第1実施形態(車両制御装置10)と同様の構成には同一の参照符号を付すると共に、その構成に関する説明を省略する場合がある。
<車両制御装置100の構成>
図4は、第2実施形態に係る車両制御装置100の構成を示すブロック図である。車両制御装置100は、車両Mに組み込まれており、且つ、自動運転又は手動運転により車両Mの走行制御を行う。
車両制御装置100は、入力系装置群と、制御システム102と、出力系装置群とから構成される。入力系装置群及び出力系装置群をなす各々の装置は、制御システム102に通信線を介して接続されている。ここで、入力系装置群の構成に関して、第1実施形態(図1)の場合と基本的に同じであり、構成の説明を省略する。
出力系装置群は、駆動力装置28と、操舵装置30と、制動装置32と、ハザードランプ36と、灯体38と、報知装置40と、発光制御ユニット104と、を備える。つまり、第2実施形態の出力系装置群は、駆動回路34に代わって発光制御ユニット104を備える点で、第1実施形態(図1)とは異なる構成を採用している。
発光制御ユニット104は、所望の駆動電流を供給することでハザードランプ36又は灯体38(以下、総称して「発光手段106」ともいう)を発光させる制御ユニットであり、発光状態を検出する状態センサを含んで構成される。この状態センサは、駆動回路34(図1)の場合と同様に、電流センサ又は光センサであってもよい。
制御システム102は、記憶装置46及び車両制御部60の他、外界認識部52と、行動計画作成部54と、軌道生成部58と、失陥対処部108と、を含んで構成される。つまり、第2実施形態の制御システム102は、処理機能が異なる失陥対処部108を備える点で、第1実施形態(図1)とは異なる構成を採用している。
失陥対処部108は、各々のコンポーネントの失陥対処に関わる処理を行うと共に、車両制御部60、発光制御ユニット104又は報知装置40に向けて信号を出力する。具体的には、失陥対処部108は、作動状態検出部110及び自動運転許否決定部112として機能する。
<車両制御装置100の動作>
第2実施形態における車両制御装置100は、以上のように構成される。続いて、車両制御装置100の動作(特に、自動運転モードの許否決定動作)について、図5のフローチャートを主に参照しながら説明する。
ステップS31において、作動状態検出部110は、故障診断装置20からの診断情報の中に、ハザードランプ36の故障情報が含まれているか否かを判定する。故障情報を含まないと判定された場合(ステップS31:YES)、次のステップS32に進む。
ステップS32において、作動状態検出部110は、ハザードランプ36を発光させる発光制御を行う。具体的には、作動状態検出部110は、ハザードランプ36の発光指令を発光制御ユニット104に向けて出力する。これにより、ハザードランプ36は、もし正常であれば、発光制御ユニット104から供給される駆動電流に応じて、所望のタイミングで発光(点灯又は点滅)する。
ステップS33において、作動状態検出部110は、発光制御ユニット104から出力された検出値に基づいて、ハザードランプ36が正常に発光しているか否かを判定する。ハザードランプ36が正常に作動する旨の検出結果が得られた場合(ステップS33:YES)にはステップS34に進む一方、正常に作動しない旨の検出結果が得られた場合(ステップS33:NO)にはステップS35に進む。
ステップS34において、自動運転許否決定部112は、自動運転の実行を「許可」する旨を決定する。これにより、制御システム102は、自動運転スイッチ22の操作に応じて、手動運転モードから自動運転モードに移行する。
ステップS35において、自動運転許否決定部112は、自動運転の実行を「禁止」する旨を決定する。これにより、制御システム102は、自動運転スイッチ22の操作を受け付けた場合であっても、自動運転モードに移行せずに手動運転モードをそのまま維持する。
<車両制御装置100による効果>
以上のように、車両制御装置100は、自動運転により車両Mの走行制御を少なくとも部分的に自動で行う装置であって、[1]発光により車両Mの周辺に報知するハザードランプ36(発光手段)と、[2]ハザードランプ36の作動状態を検出する作動状態検出部110と、[3](3a)ハザードランプ36が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を許可する一方、(3b)ハザードランプ36が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部112と、を備える。
また、車両制御装置100を用いた車両制御方法では、[1]ハザードランプ36(発光手段)の作動状態を検出する検出ステップ(S31、S33)と、[2](2a)ハザードランプ36が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を許可する一方、(2b)ハザードランプ36が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を禁止する決定ステップ(S34、S35)と、を備える。
このように、ハザードランプ36が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき自動運転の実行を禁止することで、装置のインターロック機能が発揮される。これにより、ハザードランプ36が正常に作動する状態下、自動運転中において車両Mの周辺に確実に報知できる。
<第2実施形態の変形例>
なお、車両制御装置100の動作は、図5に示すフローチャートの形態に限られることなく、種々の変形例を採用してもよい。
図5では、作動状態検出部110は、ハザードランプ36(1種類の灯体)の作動状態を検出・判定しているが(ステップS31、S33)、判定対象の個数又は種類の組み合わせはこれに限られない。つまり、判定対象は、車両Mの外側から発光状態を視認可能な位置に設けられており、車両Mの周辺に報知可能な発光手段106であればよい。
また、第1実施形態の場合と同様に、発光手段106の状態判定を二重に行うことなく(S31、S33)、発光制御(S32)の実行前(S31)或いは実行後(S33)のうち、いずれか一方のみの状態判定を行ってもよい。
[補足]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。或いは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。

Claims (2)

  1. 自動運転により車両(M)の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置(100)であって、
    前記車両(M)の前記自動運転に関わる機能に故障が発生しているか否かを診断する故障診断手段(20)と、
    前記故障診断手段(20)により故障と診断結果が得られるとき前記機能を部分的に停止させた状態のまま前記自動運転を継続する縮退運転管理手段(62)と、
    前記車両が縮退制御中であるという情報を発光により前記車両(M)の周辺に報知する発光手段(106)と、
    前記発光手段(106)の作動状態を検出する作動状態検出部(110)と、
    前記作動状態検出部(110)により前記発光手段(106)が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を許可する一方、前記作動状態検出部(110)により前記発光手段(106)が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部(112)と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置(100)。
  2. 自動運転により車両(M)の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置(100)であって、
    前記車両(M)の前記自動運転に関わる機能に故障が発生しているか否かを診断する故障診断手段(20)と、
    前記故障診断手段(20)により故障と診断結果が得られるとき前記機能を部分的に停止させた状態のまま前記自動運転を継続する縮退運転管理手段(62)と、
    発光により前記車両(M)の周辺に報知するハザードランプ(36)と、
    前記ハザードランプ(36)の作動状態を検出する作動状態検出部(110)と、
    前記作動状態検出部(110)により前記ハザードランプ(36)が正常に作動する旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を許可する一方、前記作動状態検出部(110)により前記ハザードランプ(36)が正常に作動しない旨の検出結果が得られるとき前記自動運転の実行を禁止する自動運転許否決定部(112)と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置(100)。
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