JP2020117097A - 航空機用部材、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の他の目的は、軽量であり、且つ断熱性、難燃性、吸音性、遮音性、及び耐薬品性に優れる航空機用部材を提供することである。
本発明の他の目的は、軽量であり、且つ断熱性、難燃性、吸音性、遮音性、耐薬品性、及び加工性に優れる航空機用部材を提供することである。
本発明の他の目的は、前記航空機用部材の製造方法を提供することである。
従って、本発明の航空用部材は、軽量性、断熱性、難燃性、吸音性、遮音性、耐薬品性、及び加工性を兼ね備える。そのため、本発明の航空機用部材は、例えば、防火断熱材、防音断熱材、結露防止材、内装材、エアフィルター等として好適に使用することができる。
そして、前記の通り優れた特性を有する航空機用部材を備える航空機は、安全性、快適性を備えつつ、低燃費且つ低環境負荷を実現できる。
本発明の航空機用部材は、PEEKファイバーが絡み合わさってなる不織布を少なくとも備える。
尚、前記試験は、垂直に保持した試料の下端に10秒間ガスバーナーの炎を接炎させる。燃焼が30秒以内に止まったならば、さらに10秒間接炎させる方法により行われる。そして、V−0グレードは、以下の基準を満たすものである。
<V−0グレード基準>
1.いずれの接炎の後も、10秒以上燃焼を続ける試料がない
2.5個の試料に対する10回の接炎に対する総燃焼時間が50秒を超えない
3.固定用クランプの位置まで燃焼する試料がない
4.試料の下方に置かれた脱脂綿を発火させる燃焼する粒子を落下させる試料がない
5.2回目の接炎の後、30秒以上赤熱を続ける試料がない
本発明の航空機用部材は、非結晶性のPEEKを主成分とする高分子シートに帯状レーザー光を照射して前記高分子シートの端部を線状に加熱溶融させるとともに、溶融した帯状溶融部と繊維捕集板との間に電位差を設けることにより、前記帯状溶融部に針状突出部を形成し、前記針状突出部から吐出されるPEEKファイバーを前記繊維捕集板方向に飛翔させ、繊維捕集板上にて捕集することによりPEEKファイバーが絡み合わさってなる不織布を得る工程をへて製造することができる。
前記高分子シートは、非結晶性のPEEK樹脂を主成分とする高分子化合物によって形成されたシートである。前記高分子シートの結晶化度は、例えば25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。上記結晶化度が25%以下であると、結晶化度の低いPEEKファイバーを得ることができる。尚、高分子シートの結晶化度は、上述のPEEKファイバーの結晶化度と同じ方法により求めることができる。
400℃で測定したシェアレート(せん断速度)121.6(1/s)の時の溶融粘度は、キャピラリーレオメーター(商品名「キャピログラフ 1D」、(株)東洋精機製作所製)にて、キャピラリー径1mm、長さ10mmの冶具を用いて測定した。
そして、DSC測定で求めた熱量から、以下の式を用いて結晶化度を求めた。
結晶化度(%)={(試料の融解熱[J/g])−(試料の再結晶化熱[J/g])}/完全結晶の融解熱(130[J/g])×100
尚、DSC測定は、示差走査熱量計(DSC−Q2000/TA社製)を用い、基準材料はアルミナを用い、窒素雰囲気下、温度範囲は0〜420℃、昇温速度20℃/minの条件で行った。
PEEK樹脂(A)(ダイセル・エボニック(株)製、商品名「VESTAKEEP 1000G」、400℃溶融粘度:151Pa・s)に、PEEK樹脂(B)(ダイセル・エボニック(株)製、商品名「VESTAKEEP 4000G」、400℃溶融粘度:1012Pa・s)をPEEK樹脂(A)100重量部に対して、1.5重量部配合し、約400℃に加熱溶融後、混練した。これをラボプラストミルTダイ押出成形装置((株)東洋精機製作所製)にて、ダイス幅150mm、リップ幅0.4mmのTダイを用いて、押出温度345〜360℃でシート状に押出し、引き取りロール温度140℃、巻き取り速度1.0〜2.0m/minで巻き取って、厚さ0.1mmの高分子シート(1)を作製した。得られた高分子シート(1)の結晶化度は13.0%であり、400℃溶融粘度は166Pa・sであった。
調製例1で得られた高分子シート(1)を使用し、以下の方法によりPEEKファイバーを製造し、不織布を得た。
図1に示した装置のレーザー発生源として、CO2レーザー(ユニバーサルレーザーシステムズ社製、波長10.6μm、出力45W、空冷型、ビーム径φ4mm)を使用した。ビームエキスパンダー及びホモジナイザーとして、倍率2.5倍のビームエキスパンダーと、ホモジナイザー(入射ビーム径φ12mm(設計値)、出射ビーム径φ12mm(設計値))と、コリーメンションレンズとして、コリーメンションレンズ(入射ビーム径φ12mm(設計値)、出射ビーム径φ12mm(設計値))と、シリンドリカルレンズ群としてシリンドリカルレンズ(平凹レンズ、f−30mm)及びシリンドリカルレンズ(平凸レンズ、f−300mm)とをこの順で所定の位置に配置したものを使用した。これらの光路調節部材を介することにより、スポット状のレーザー光を幅約150mm、厚さ約1.4mmの帯状レーザー光に変換して高分子シートの帯状溶融部(端部)に照射した。このときのレーザー光の出力は60W/13cmであり、高分子シートの送り速度は4mm/minであり、保持部材と繊維捕集板の間の電位差は6kV/cmであった。
これにより、高分子シートを構成する樹脂が溶融により落下することや樹脂が飛翔していかないことがなく、安定して均一な繊維径を有するPEEKファイバー(1)が得られた。
得られたPEEKファイバー(1)の平均繊維径(繊維径)は10.0μm、結晶化度は24.0%であった。
得られた不織布(1)の平均繊維径は10.0μm、平均孔径は3μm、空孔率50%であった。また、得られた不織布(1)の耐熱性は340℃、UL94試験(垂直燃焼性試験)による難燃性は、V−0グレードであった。
<評価基準>
○:重量変化が5重量%以下であり、耐薬品性極めて良好
△:重量変化が5重量%を超え、10%未満であり、耐薬品性が良好
×:重量変化が10重量%超であり、耐薬品性不良
2 ビームエキスパンダー及びホモジナイザー
3 コリーメンションレンズ
4 シリンドリカルレンズ群
5 帯状レーザー光
6 高分子シート
6a 帯状溶融部
6b 針状突出部
7 保持部材
8 繊維捕集板
9 サーモグラフィー
10 高電圧発生装置
11 捕集部材
12 プーリー
13 捕集部材の移動方向
Claims (12)
- PEEKファイバーが絡み合わさってなる不織布を備える航空機用部材。
- PEEKファイバーの平均繊維径が100nm〜20μmである、請求項1に記載の航空機用部材。
- PEEKファイバーの結晶化度が30%以下である、請求項1又は2記載の航空機用部材。
- 不織布の空孔率が30〜70%である、請求項1〜3の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 不織布の平均孔径が1〜20μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 不織布の坪量が0.001〜100g/m2である、請求項1〜5の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 防火断熱材である、請求項1〜6の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 防音断熱材である、請求項1〜6の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 結露防止材である、請求項1〜6の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 航空機用内装材である、請求項1〜6の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 航空機用エアフィルターである、請求項1〜6の何れか1項に記載の航空機用部材。
- 非結晶性のPEEKを主成分とする高分子シートに帯状レーザー光を照射して前記高分子シートの端部を線状に加熱溶融させるとともに、溶融した帯状溶融部と繊維捕集板との間に電位差を設けることにより、前記帯状溶融部に針状突出部を形成し、前記針状突出部から吐出されるPEEKファイバーを前記繊維捕集板方向に飛翔させ、繊維捕集板上にて捕集することによりPEEKファイバーが絡み合わさってなる不織布を得る工程を経て、請求項1〜11の何れか1項に記載の航空機用部材を得る、航空機用部材の製造方法。
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