JP6366681B2 - 帯電強化添加剤を含むエレクトレットウェブ - Google Patents

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Description

本開示は、帯電強化添加剤を含有する不織熱可塑性マイクロファイバーウェブ等の不織繊維ウェブを含む、エレクトレットウェブ及びその使用に関する。
エレクトレットは、準永久帯電を示す誘電材料である。エレクトレットは、例えば、食品包装用フィルム、エアフィルタ、濾過用面体及び呼吸用マスク等の様々なデバイスにおいて、並びに、マイクロフォン、ヘッドフォン及び静電記録装置等の電気音響装置における静電素子として有用である。
エアゾール濾過に使用されるマイクロファイバーウェブの性能は、繊維に電荷を付与し、エレクトレット材料を形成することによって改善することができる。特に、エレクトレットは、エアゾールフィルタにおける粒子捕捉を強化するのに有効である。マイクロファイバーウェブにおいてエレクトレット材料を形成するための、多数の方法が知られている。このような方法としては、例えば、ダイオリフィスから出て繊維が形成された時点で、メルトブローン繊維に電子又はイオン等の帯電粒子を衝突させる方法が挙げられる。他の方法としては、例えば、ウェブが形成された後で、コロナ放電によって繊維を帯電させる方法、又はカーディング及び/若しくはニードルタッキング(摩擦帯電)によって繊維マットに電荷を付与する方法が挙げられる。更に、濾過促進エレクトレット電荷を提供するのに十分な圧力で、ウォータージェット又は水滴流を不織ウェブに衝突させる方法(ハイドロチャージング)も記載されている。
ポリマー組成物の特性を改変するために、多数の物質がポリマー組成物に添加されてきた。例えば、米国特許第5,914,186号(Yauら)には、少なくとも1マイクロメートルの直径を有するマイクロ粒子接着剤がその上にコーティングされている基材を含む耐熱性帯電防止感圧性接着テープが記載されている。マイクロ粒子は、ポリマー電解質ベースポリマー、アルカリ又はアルカリ土類金属の少なくとも1つのイオン性塩、並びにヒンダードアミン、置換トルイミダゾールの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの熱安定剤から形成される導電性コーティングを有する。
添加された添加剤を有するエレクトレットの例としては、アミジン又はグアニジン基を含有するN−n−ブチルカルバミン酸3−9ヨード−2−プロピニルエステル、及び2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールについて記載している特開平08284063号、並びにヒンダードアミン化合物、窒素ヒンダードフェノール化合物、金属塩ヒンダードフェノール化合物、フェノール化合物、硫黄化合物、及びリン化合物について記載している国際公開第93/14510号に記載されているような抗菌性添加剤を含むエレクトレットが挙げられる。特開平06−254319号には、帯電量の減衰を減少させるために、ポリオレフィンエレクトレットにおいて長鎖有機酸の金属塩を使用することが記載されている。欧州特許公開第623,941号には、ポリマーエレクトレットにおいて様々な化学的分類の電荷制御剤を使用することが記載されている。
また、交互に少なくとも2サイクルの電荷の印加、次いで加熱を行うことを含むエレクトレットを製造する方法、また、極性高分子量化合物を含有するエレクトレットについて記載している欧州特許公開第447,166号、並びに非接触電圧印加電極と接地電極との間に繊維シートを配置し、それらの電極間に電気を供給することを含む方法について記載している米国特許第4,874,659号(Andoら)等に、高安定性エレクトレットを製造する方法が記載されている。
エレクトレットウェブ及びエレクトレット濾材について本明細書に記載する。エレクトレットウェブは、不織繊維ウェブ、又はフィルムであってよい。エレクトレットウェブは、熱可塑性樹脂と、アリールアミノ置換安息香酸又はアリールアミノ置換安息香酸塩を含む帯電強化添加剤(charge−enhancing additive)とを含む。エレクトレットウェブは、濾材として使用するのに好適である。
特性の改善されたエレクトレットウェブが依然として必要とされている。帯電強化添加剤を含有するエレクトレットウェブを本開示に提示する。これら帯電強化添加剤は、摩擦帯電、コロナ放電、ハイドロチャージング又はこれらの組み合わせ等の、様々な異なる帯電機構により容易に帯電するエレクトレットウェブを提供する。幾つかの実施形態では、本開示のエレクトレットウェブは、追加の帯電機構の必要なしに、コロナ放電のみ、特にDCコロナ放電によって帯電することができる。
本開示において有用なエレクトレットウェブは、熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤のブレンドを含む。このようなブレンドから調製されるウェブは、熱可塑性樹脂のみで調製されるウェブよりも向上した性質を示すことができる。有用な帯電強化添加剤は、アリールアミノ置換安息香酸又はアリールアミノ置換安息香酸塩を含む。
エレクトレットウェブは、様々な形態であってよい。例えば、ウェブは連続又は不連続フィルムであってもよく、繊維ウェブであってもよい。繊維ウェブは、濾材の形成に特に有用である。幾つかの実施形態では、ウェブは、不織マイクロファイバーウェブである。マイクロファイバーは、有効直径(又は走査型電子顕微鏡等の方法で測定する場合の平均直径)が、典型的には1〜100マイクロメートル、又はより典型的には2〜30マイクロメートルであり、マイクロファイバーは円形の断面を有する必要はない。
用語「a」、「an」及び「the」は、「少なくとも1つの」と互換的に用いられ、記載される要素の1つ以上を意味する。
用語「エレクトレット」は、準永久帯電を示す材料を指す。電荷は、実施例の項に記載する通り、X線放電試験によって特徴付けることができる。
用語「アルキル」とは、飽和炭化水素である、アルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキルは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであってよく、典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(t−ブチル)、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル及びエチルヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子を含有するアルキル基を指す。これらヘテロ原子は、ペンダント原子、例えば、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素等のハロゲン、又は窒素、酸素若しくは硫黄等のカテナリー原子であってよい。ヘテロアルキル基の例は、−CHCH(OCHCHOCHCH等のポリオキシアルキル基である。
用語「アルコキシ」とは、−OR(式中、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又はアラルキル基である)の種類の基を指す。
用語「置換アルキル」は、炭化水素骨格に沿って置換基を有するアルキル基を指す。これら置換基は、アルキル基、ヘテロアルキル基又はアリール基であってよい。置換アルキル基の一例は、ベンジル基である。
用語「アリール」は、1〜5個の環(連結又は縮合していてもよい)を有するラジカルである芳香族炭素環式基を指す。アリール基は、アルキル基又はヘテロアルキル基によって置換され得る。アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン基及びアントラセン基が挙げられる。
用語「ポリマー」及び「ポリマー材料」は、1つのモノマーから調製された材料(例えば、ホモポリマー)、又は2つ以上のモノマーから調製された材料(例えば、コポリマー、ターポリマー等)の両方を指す。同様に、用語「重合させる」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等であり得るポリマー材料の作製プロセスを指す。用語「コポリマー」及び「コポリマー材料」は、少なくとも2つのモノマーから調製されたポリマー材料を指す。
用語「室温」及び「周囲温度」は、互換的に用いられ、20℃〜25℃の範囲の温度を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「ホットメルト加工可能」とは、例えば、熱及び圧力によって固体から粘稠な流体へと変化することができる組成物を指す。組成物は、実質的に化学的に変化したり、分解したり、又は目的の用途に使用することができなくなったりすることなく、ホットメルト加工が可能でなければならない。
特に断りがない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」で使用される特徴の大きさ、量、及び物理的特性を表わす全ての数字は、いずれの場合においても「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、別途記載のない限り、記載される数は、本明細書で開示される教示を用いる所望の特性に応じ変化し得る近似値であり得る。
本開示において有用な熱可塑性樹脂としては、ウェブに形成し帯電させたときに、多量の捕捉された静電荷を保持することができる任意の熱可塑性非導電性ポリマーが挙げられる。典型的には、このような樹脂は、目的の用途の温度で、1014オームセンチメートル超のDC(直流)抵抗を有する。捕捉電荷を得ることができるポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリラクチドを含むポリエステル;並びに全フッ素化ポリマー及びにコポリマーが挙げられる。特に有用な材料としては、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、これらのブレンド、又はプロピレン及び4−メチル−1−ペンテンのうちの少なくとも1つから形成されるコポリマーが挙げられる。
好適な熱可塑性樹脂の例としては、例えば、ポリプロピレン樹脂が挙げられる:Exxon−Mobil Corporation(Irving,TX)から市販されているESCORENE PP 3746G;Total Petrochemicals USA Inc.(Houston TX)から市販されているTOTAL PP3960、TOTAL PP3860及びTOTAL PP3868;LyondellBasell Industries,Inc.(Rotterdam,Netherlands)から市販されているMETOCENE MF 650W;並びにMitsui Chemicals,Inc.(Tokyo,Japan)から市販されているポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂TPX−MX002。
帯電強化添加剤は、アリールアミノ置換安息香酸又はアリールアミノ置換安息香酸塩である。これら塩は、金属含有塩であってよく、また、一価、二価、又は三価の金属の塩であってよい。
アリールアミノ置換安息香酸は、以下に示す式1の一般構造によって記載することができる:
HOC−(C)−NR−(C
式1
式中、基HOC−は、カルボン酸基を表し;−(C)−は、二置換フェニル環を表し;基−(C)は、アリール環を表し;Rは、水素原子又はアルキル基を含み;基R、R、R、R、及びRは、独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアルキル基、置換アルキル基、置換アリール基、又はアルコキシ基を含む。アリールアミノ基は、安息香酸環の2位(オルト−アリールアミノ安息香酸)、安息香酸環の3位(メタ−アリールアミノ安息香酸)、又は安息香酸環の4位(パラ−アリールアミノ安息香酸)に位置し得る。同様に、安息香酸塩では、アリールアミノ基は、安息香酸環の2位(オルト−アリールアミノ安息香酸塩)、安息香酸環の3位(メタ−アリールアミノ安息香酸塩)、又は安息香酸環の4位(パラ−アリールアミノ安息香酸塩)に位置し得る。
幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸、3−フェニルアミノ安息香酸、4−フェニルアミノ安息香酸、又はこれらの組み合わせであるアリールアミノ置換安息香酸を含む。置換2−フェニルアミノ安息香酸とは、R〜Rのうちの少なくとも1つが、水素原子以外の基であることを意味する。好適なアリールアミノ置換安息香酸の例は、置換又は非置換のフェナム酸及びメフェナム酸である。フェナム酸は、2−(フェニルアミノ)安息香酸(上記式1を用いると、R〜R基が、それぞれ、H原子である)であり、メフェナム酸は、2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸(上記式1を用いると、R、R、R、及びR基が、それぞれ、H原子であり、R及びR基が、それぞれ、メチル基である)である。置換フェナム酸(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)又は置換メフェナム酸(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)も好適である。
幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、アリールアミノ置換安息香酸塩を含む。これら塩は、典型的に、金属含有塩であり、また、一価金属、二価金属、又は三価金属の塩であってよい。これら金属含有塩は、一般的に、以下の式2によって記載することができる。
[Mn+][OC−(C)−NR−(C)]
式2
式中、Mは、n価金属イオン(式中、n=1、2、又は3である)であり;基OC−は、カルボキシレート基を表し;−(C)−は、二置換フェニル環を表し;基−(C)は、アリール環を表し;Rは、水素原子又はアルキル基を含み;基R、R、R、R、及びRは、独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアルキル基、置換アルキル基、置換アリール基、又はアルコキシ基を含む。アリールアミノ基は、安息香酸環の2位(オルト−アリールアミノ安息香酸塩)、安息香酸環の3位(メタ−アリールアミノ安息香酸塩)、又は安息香酸環の4位(パラ−アリールアミノ安息香酸塩)に位置し得る。
幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、一価金属含有アリールアミノ置換安息香酸塩、すなわち、式2の塩(式中、n=1)である。一価金属イオンの例は、ナトリウムイオン及びリチウムイオンである。好適な塩の例としては、ナトリウム又はリチウムの置換又は非置換のフェナム酸塩又はメフェナム酸塩が挙げられる。フェナム酸塩は、2−(フェニルアミノ)安息香酸塩(上記式2を用いると、R〜R基が、それぞれ、H原子である)であり、メフェナム酸塩は、2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩(上記式2を用いると、R、R、R、及びR基が、それぞれ、H原子であり、R及びR基が、それぞれ、メチル基である)である。置換フェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)又は置換メフェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)も好適である。
幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、二価金属含有アリールアミノ置換安息香酸塩、すなわち、式2の塩(式中、n=2)である。二価金属イオンの例としては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及び亜鉛イオンが挙げられる。好適な塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、又は亜鉛の置換又は非置換のフェナム酸塩又はメフェナム酸塩が挙げられる。フェナム酸塩は、2−(フェニルアミノ)安息香酸塩(上記式2を用いると、R〜R基が、それぞれ、H原子である)であり、メフェナム酸塩は、2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩(上記式2を用いると、R、R、R、及びR基が、それぞれ、H原子であり、R及びR基が、それぞれ、メチル基である)である。置換フェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)又は置換メフェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)も好適である。二価金属イオンの置換又は非置換メフェナム酸塩は、特に好適な帯電強化添加剤である。
1つの特に好適な帯電強化添加剤は、メフェナム酸マグネシウム又はマグネシウム2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩である。この塩は、以下の式3によって記載され、この塩の調製は、以下の実施例の項に記載する。
[Mg2+][OC−(C)−NH−(C(Me))]
式3
式中、Mg2+は、二価マグネシウムイオンであり;基OC−は、カルボキシレート基を表し;−(C)−は、1,2−二置換フェニル環を表し;基−(C(Me))は、2,3−ジメチル置換アリール環を表す。本明細書に記載する他の帯電強化添加剤の多くは、公知の化合物であり、多くが市販されているが、この塩は、合成したものであり、これまで知られていなかった塩であると考えられる。
幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、三価金属含有アリールアミノ置換安息香酸塩、すなわち、式2の塩(式中、n=3)である。三価金属イオンの例は、アルミニウムイオンである。好適な塩の例としては、アルミニウムの置換又は非置換のフェナム酸塩又はメフェナム酸塩が挙げられる。フェナム酸塩は、2−(フェニルアミノ)安息香酸塩(上記式2を用いると、R〜R基が、それぞれ、H原子である)であり、メフェナム酸塩は、2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩(上記式2を用いると、R、R、R、及びR基が、それぞれ、H原子であり、R及びR基が、それぞれ、メチル基である)である。置換フェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)又は置換メフェナム酸塩(式中、R〜R基のうちの1つ以上は、H原子ではない)も好適である。
幾つかの実施形態では、アリールアミノ置換安息香酸又は塩は、アリールアミノ環にアルコキシ置換基を含有し得る。アルコキシ置換基の例としては、例えば、メトキシ(−OCH)、エトキシ(−OCHCH)、n−プロポキシ(−OCHCHCH)等が挙げられる。アルコキシ置換基は、アリールアミノ環の様々な位置に位置してよい。1つの特に好適な塩は、2−[(2−エトキシフェニル)アミノ]−安息香酸のマグネシウム塩である。
帯電強化添加剤は、任意の好適な量で添加してよい。本開示の帯電強化添加剤は、比較的少量であっても有効であることが示されている。典型的には、帯電強化添加剤は、熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤ブレンド中に、ブレンドの全重量に基づいて、約10重量%以下の量、より典型的には0.02〜5重量%の範囲の量で存在する。幾つかの実施形態では、帯電強化添加剤は、0.1〜3重量%、0.1〜2重量%、0.2〜1.0重量%、又は0.25〜0.5重量%の範囲の量で存在する。
熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤のブレンドは、周知の方法で調製することができる。典型的には、ブレンドは、溶融押出技術を使用して加工されるので、このブレンドをバッチプロセスで事前にブレンドしてペレットに成形するか、又は熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤を連続プロセスにて押出成形機内で混合してよい。連続プロセスを使用する場合、熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤を予め固体として混合するか、又は個別に押出成形機に添加して、溶融状態で混合してよい。
事前にブレンドしたペレットを形成するために使用してよい溶融混合機の例としては、分散混合、分配混合、又は分散混合と分配混合との組み合わせを提供するものが挙げられる。バッチ法の例としては、BRABENDER(例えばC.W.Brabender Instruments,Inc.(South Hackensack,NJ)から市販されているBRABENDER PREP CENTER)、又はBANBURY内部混合及びロールミリング装置(例えば、Farrel Co.(Ansonia,CT)から入手可能な装置)を使用するものが挙げられる。バッチ混合後、生成した混合物を直ちにクエンチし、後で加工するために、混合物の溶融温度未満で保管してよい。
連続方法の例としては、単軸押出成形、二軸押出成形、ディスク押出成形、往復単軸押出成形、及びピンバレル単軸押出成形が挙げられる。連続法としては、キャビティトランスファーミキサー(例えば、RAPRA Technology,Ltd.(Shrewsbury,England)から市販されているCTM)及びピン混合要素等の両分配要素、静的混合要素、又は分散混合要素(例えば、MADDOCK混合要素又はSAXTON混合要素として市販されている)を利用するものを挙げることができる。
バッチプロセスによって調製された、事前にブレンドしたペレットを押出成形するために使用できる押出成形機の例としては、前述した連続加工用の装置と同じ型が挙げられる。有用な押出成形条件は、一般的に、添加剤を含まない樹脂の押出成形に好適なものである。
熱可塑性樹脂及び帯電強化添加剤の押出成形されたブレンドを、任意の好適な技術を使用して、フィルム又はシートに流延又はコーティングしてもよく、あるいは繊維ウェブに成形してもよい。フィルムから、例えば、米国特許第6,524,488号(Insleyら)に記載の方法によって濾材を含む様々な物品を作製することができる。繊維ウェブは、例えば、メルトブローンマイクロファイバー、短繊維、解繊糸、及びこれらの組み合わせを含む様々な繊維種から作製することができる。繊維ウェブを調製する技術としては、例えば、エアレイドプロセス、湿式プロセス、水流交絡、スパンボンドプロセス、メルトブローンプロセス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。メルトブローン及びスパンボンド不織マイクロファイバーウェブは、濾材として特に有用である。
メルトブローン及びスパンボンド不織マイクロファイバーのエレクトレットフィルタは、濾過用面体等の呼吸用マスクのエアフィルタ要素として、又は家庭用及び工業用空調機、空気清浄機、真空掃除機、医療用エアラインフィルタ、乗り物用空調システム、並びにコンピュータ、コンピュータディスクドライブ及び電子機器等の一般装置用空調システム等の目的のために、特に有用である。幾つかの実施形態では、エレクトレットフィルタを、呼吸用マスクアセンブリと組み合わせて、ヒトが使用するよう設計された呼吸用マスクデバイスを形成する。呼吸用マスクの用途では、エレクトレットフィルタは、成形された、ひだのある若しくは折り畳まれた半面の呼吸用マスク、取り換え可能なカートリッジ若しくはキャニスター、又は前置フィルタの形態であってよい。
本開示において有用なメルトブローンマイクロファイバーは、Van A.Wente、「Superfine Thermoplastic Fibers」、Industrial Engineering Chemistry,vol.48,pp.1342〜1346及びthe Naval Research LaboratoriesのReport No.4364、1954年3月25日発行、標題「Manufacture of Super Fine Organic Fibers」、Van A.Wenteら著に記載されているようにして調製することができる。
スパンボンドマイクロファイバーは、例えば、米国特許第4,340,563号及び同第8,162,153号、並びに米国特許出願公開第2008/0038976号に記載されているように、1つ以上の連続ポリマーフリー繊維をコレクタに押出成形するスパンボンドプロセスを用いて形成することができる。
繊維エレクトレットフィルタのための有用なメルトブローン及びスパンボンドマイクロファイバーは、Davies,C.N.、「The Separation of Airborne Dust and Particles」、Institution of Mechanical Engineers,London,Proceedings 1B,1952に記載の方法に従って計算したとき、典型的には約1〜100マイクロメートル、より典型的には2〜30マイクロメートル、幾つかの実施形態では、約7〜15マイクロメートルの有効繊維直径を有する。
また、短繊維もウェブ中に存在してよい。一般的に、短繊維が存在することにより、ブローンマイクロファイバーのみのウェブよりも嵩高で、密度の小さいウェブとなる。一般的に、約90重量パーセント以下、より典型的には、約70重量パーセント以下の短繊維が存在する。短繊維を含有するウェブの例は、米国特許第4,118,531号(Hauser)に開示されている。
また、活性炭又はアルミナ等の吸着粒子材料もウェブ中に含まれてよい。このような粒子は、ウェブの内容物の約80体積パーセント以下の量で存在してよい。粒子装荷ウェブの例は、例えば、米国特許第3,971,373号(Braun)、米国特許第4,100,324号(Anderson)、及び米国特許第4,429,001号(Kolpinら)に記載されている。
例えば、顔料、光安定剤、一次及び二次酸化防止剤、金属不活化剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、脂肪酸金属塩、トリエステル亜リン酸塩、リン酸塩、フッ素含有化合物及びこれらの組み合わせを含む、種々の任意の添加剤を熱可塑性組成物とブレンドしてよい。特に好適な添加剤としては、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)及び酸化防止剤が挙げられるが、それは、これらが帯電強化添加剤としても作用し得るためである。更に、他の帯電強化添加剤を熱可塑性組成物と組み合わせてよい。可能な帯電添加剤としては、トリアジン環の窒素原子に加えて少なくとも1つの窒素原子を含有する、熱的に安定な有機トリアジン化合物又はオリゴマーが挙げられ、例えば、Rousseauらの米国特許第6,268,495号、同第5,976,208号、同第5,968,635号、同第5,919,847号及び同第5,908,598号を参照されたい。エレクトレットを強化することが知られている別の添加剤は、「CHIMASSORB 944:(ポリ[[6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル][[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]])(BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能)である。帯電強化添加剤は、N−置換アミノ芳香族化合物、特に、トリアミノ置換化合物、例えば、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(BASF(Ludwigshafen,Germany)から「UVINUL T−150」として市販)であってよい。別の帯電添加剤は、トリステアリルメラミン(「TSM」)としても知られている2,4,6−トリス−(オクタデシルアミノ)−トリアジンである。帯電強化添加剤の更なる例は、米国特許出願第61/058,029号、同第61/058,041号、米国特許第7,390,351号(Leirら)、同第5,057,710号(Nishiuraら)、並びに米国特許第4,652,282号及び同第4,789,504号(Ohmoriら)に提供されている。
更に、ウェブの表面を化学的に修飾するためにウェブを処理してもよい。表面のフッ素化は、ポリマー物品をフッ素含有化学種及び不活性ガスを含む雰囲気中に置き、次いで、放電させてポリマー物品の表面化学を変えることにより達成することができる。放電は、ACコロナ放電等のプラズマの形態であってよい。このプラズマフッ素化プロセスによって、フッ素原子がポリマー物品の表面上に存在するようになる。プラズマフッ素化プロセスは、多数の米国特許第6,397,458号、同第6,398,847号、同第6,409,806号、同第6,432,175号、同第6,562,112号、同第6,660,210号、及び同第6,808,551号(Jones/Lyonsら)に記載されている。高フッ素飽和比を有するエレクトレット物品は、Spartzらの米国特許第7,244,291号に記載されており、ヘテロ原子とともに低フッ素飽和比を有するエレクトレット物品は、Kirkらの米国特許第7,244,292号に記載されている。フッ素化技術を開示している他の公報としては、米国特許第6,419,871号、同第6,238,466号、同第6,214,094号、同第6,213,122号、同第5,908,598号、同第4,557,945号、同第4,508,781号及び同第4,264,750号;米国特許出願公開第2003/0134515 A1号及び同第2002/0174869 A1号;並びに国際公開第01/07144号が挙げられる。
本開示に従って調製されるエレクトレット濾材は、一般的に、約10〜500g/cm、幾つかの実施形態では、約10〜100g/cmの範囲の坪量(単位面積当たりの質量)を有する。メルトブローンマイクロファイバーウェブの作製において、坪量は、例えば、コレクタの速度又はダイの処理能力のいずれかを変化させることによって制御することができる。濾材の厚さは、典型的には約0.25〜20ミリメートルであり、幾つかの実施形態では約0.5〜2ミリメートルである。多層繊維エレクトレットウェブは、通常、フィルタ要素に使用される。繊維エレクトレットウェブの固体分は、典型的には約1%〜25%、より典型的には約3%〜10%である。固体分とは、ウェブの固体画分を規定する単位のないパラメーターである。一般的に、本開示の方法は、濾材の坪量、厚さ又は固体分に関係なく、一般的に、エレクトレットウェブ全体にわたって均一な電荷分布を有するエレクトレットウェブを提供する。エレクトレット濾材、及びそれを製造する樹脂を、その導電性を増大させる恐れのある任意の不必要な処理、例えば、電離放射線、ガンマ線、紫外線照射、熱分解、酸化等への曝露に供してはならない。
エレクトレットウェブは、それが形成された時点で帯電していてもよく、又はウェブは、ウェブを形成した後に帯電させてもよい。エレクトレット濾材において、媒体は、一般的に、ウェブを形成した後に帯電させる。一般に、当該技術分野において公知の任意の標準的な帯電方法を使用してよい。例えば、帯電は、摩擦帯電、コロナ放電及びハイドロチャージングを含む様々な方法で実施してよい。方法の組み合わせを使用してもよい。上述の通り、幾つかの実施形態では、本開示のエレクトレットウェブは、追加の帯電方法の必要なしに、コロナ放電のみ、特にDCコロナ放電によって帯電することができる望ましい特徴を有する。
好適なコロナ放電プロセスの例は、米国再発行特許第30,782号(van Turnhout)、米国再発行特許第31,285号(van Turnhout)、米国再発行特許第32,171号(van Turnhout)、米国特許第4,215,682号(Davisら)、米国特許第4,375,718号(Wadsworthら)、米国特許第5,401,446号(Wadsworthら)、米国特許第4,588,537号(Klaaseら)、米国特許第4,592,815号(Nakao)、及び米国特許第6,365,088号(Knightら)に記載されている。
エレクトレットウェブを帯電させるのに用いることができる別の技術は、ハイドロチャージングである。ウェブのハイドロチャージングは、繊維に電荷を付与するのに十分な方法で繊維を水と接触させ、次いで、ウェブを乾燥させることによって実施される。ハイドロチャージングの一例は、ウェブに濾過促進エレクトレット電荷を提供するのに十分な圧力で、ウォータージェット又は水滴流をウェブに衝突させ、次いで、ウェブを乾燥させることを含む。最適な結果を達成するために必要な圧力は、使用する噴霧器の種類、ウェブを形成するポリマーの種類、ポリマーへの添加剤の種類及び濃度、ウェブの厚さ及び密度、並びにハイドロチャージングの前に行われるコロナ表面処理等の前処理の実施の有無に依存して変動する。一般的に、約10〜500psi(69〜3450kPa)の範囲の水圧が好適である。ウォータージェット又は水滴流は、任意の好適な噴霧装置によって提供することができる。有用な噴霧装置の一例は、水流交絡繊維に使用される装置である。ハイドロチャージングの好適な方法の例は、米国特許第5,496,507号(Angadjivandら)に記載されている。他の方法は、米国特許第6,824,718号(Eitzmanら)、米国特許第6,743,464号(Insleyら)、米国特許第6,454,986号(Eitzmanら)、米国特許第6,406,657号(Eitzmanら)、及び米国特許第6,375,886号(Angadjivandら)に記載されている。また、ウェブのハイドロチャージングは、米国特許第7,765,698号(Sebastianら)に開示されている方法を用いて実施してもよい。
濾過性能を評価するために、様々な濾過試験プロトコルが開発されてきた。これら試験は、ジオクチルフタレート(DOP)等の標準曝露用エアゾールを使用したフィルタウェブのエアゾール浸透の測定を含み、これは、通常、フィルタウェブを貫通するエアゾール浸透のパーセント(% Pen)及びフィルタウェブ全域の圧力低下(ΔP)で表される。これら2つの測定値から、以下の等式によって品質係数(QF)として知られている量が算出され得る:
QF=−ln(Pen %/100)/ΔP
式中、lnは、自然対数を表す。QF値が大きいことは、濾過性能がより優れていることを示し、QF値が小さいことは、濾過性能の低下と事実上相関している。これらの値の測定についての詳細は、実施例の項に示す。典型的には、本開示の濾材は、毎秒6.9センチメートルの面速度にて0.3(mm HO)−1以上の測定QF値を有する。
特定の濾材が自然に静電的に帯電していることを証明するために、イオン化X線照射の前後にその性能を調べてよい。文献、例えば、R.C.BrownによるAir Filtration(Pergamon Press,1993)及び「Application of Cavity Theory to the Discharge of Electrostatic Dust Filters by X−Rays」、A.J.WAKER及びR.C.BROWN、Applied Radiation and Isotopes,Vol.39,No.7,pp.677〜684,1988に記載されているように、静電的に帯電しているフィルタをX線に曝露した場合、繊維間の気孔にX線により生成されるイオンが電荷の一部を中和するので、フィルタを貫通するエアゾールの浸透は、曝露前よりも曝露後の方が大きくなる。したがって、一定のレベルまで安定して増加し、その後は更に照射しても変化が起きない、累積X線曝露に対する浸透のプロットを得ることができる。この時点で、全ての電荷がフィルタから除去されてしまっている。
これらの観察から、濾過性能を特徴付けるための別の試験プロトコルであるX線放電試験を採用することにした。この試験プロトコルでは、試験する濾材片を選択し、X線照射に供してエレクトレットウェブを放電させる。この試験の1つの特性は、ウェブがエレクトレットであることを確認することである。X線がエレクトレットの電荷を消すことが知られているので、濾材をX線に曝露し、この曝露前後でフィルタ性能を測定し、フィルタ性能を比較することにより、濾材がエレクトレットであるかどうかが分かる。フィルタの性能がX線照射後に変化しない場合、これは電荷が消されなかったので、材料がエレクトレットではないことを示す。しかし、フィルタ性能がX線曝露後に低下した場合、これは、濾材がエレクトレットであることを示す。
試験を実行するとき、典型的には、濾材のX線照射への曝露前後に濾過性能を測定する。以下の実施例の項に記載する濾過性能試験方法に従って試験したとき、浸透比%は、以下の式により計算できる:浸透比%=(ln(初期DOP浸透%/100)/(ln(60分間のX線曝露後のDOP浸透%)))×100。ウェブがフィルタとして用いるのに十分な電荷を有するためには、浸透比%は、典型的に、少なくとも300%である。浸透比%が増加するにつれて、ウェブの濾過性能も増大する。幾つかの実施形態では、浸透比%は、少なくとも400%、500%又は600%である。特に好適な実施形態では、浸透比%は、少なくとも750%又は800%である。幾つかの実施形態では、ウェブは、少なくとも1000%又は少なくとも1250%の浸透比%を示す。
以下の実施例の項に記載する濾過性能試験方法に従って試験したとき、面速度6.9cm/sについての初期品質係数(X線への曝露前)は、典型的には少なくとも0.3(mm HO)−1、より典型的には少なくとも0.4、又は更には0.5(mm HO)−1である。幾つかの実施形態では、初期品質係数は、少なくとも0.6又は0.7(mm HO)−1である。他の実施形態では、初期品質係数は、少なくとも0.8、少なくとも0.90、少なくとも1.0、又は更には1.0(mm HO)−1超である。60分間のX線曝露後の品質係数は、典型的には、初期品質係数の50%未満である。幾つかの実施形態では、初期品質係数は、少なくとも0.5(mm HO)−1以上であり、60分間のX線曝露後の品質係数は、0.15(mm HO)−1未満である。
本開示は、以下の実施形態を含む。
エレクトレットウェブの実施形態が含まれる。第1の実施形態は、熱可塑性樹脂と、アリールアミノ置換安息香酸又はアリールアミノ置換安息香酸塩を含む帯電強化添加剤とを含む、エレクトレットウェブを含む。
実施形態2は、前記帯電強化添加剤が、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸、3−フェニルアミノ安息香酸、4−フェニルアミノ安息香酸、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態3は、前記帯電強化添加剤が、ジメチル置換2−フェニルアミノ安息香酸、ジメチル置換3−フェニルアミノ安息香酸、ジメチル置換4−フェニルアミノ安息香酸、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1又は2に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態4は、前記帯電強化添加剤が、2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸を含む、実施形態1〜3のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態5は、前記帯電強化添加剤が、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、3−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、4−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態6は、前記帯電強化添加剤が、二価カルシウム、二価マグネシウム、又は二価亜鉛の置換又は非置換のフェナム酸塩を含む、実施形態5に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態7は、前記帯電強化添加剤が、ジメチル置換2−フェニルアミノ安息香酸二価金属含有塩、ジメチル置換3−フェニルアミノ安息香酸二価金属含有塩、ジメチル置換4−フェニルアミノ安息香酸二価金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態8は、前記帯電強化添加剤が、二価金属の2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩を含む、実施形態5又は7に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態9は、前記帯電強化添加剤が、二価カルシウム、二価マグネシウム、又は二価亜鉛の置換又は非置換のメフェナム酸塩を含む、実施形態5、7、又は8に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態10は、前記帯電強化添加剤が、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、3−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、4−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態11は、前記帯電強化添加剤が、一価ナトリウム又は一価リチウムの置換又は非置換のフェナム酸塩を含む、実施形態5又は10に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態12は、前記帯電強化添加剤が、ジメチル置換2−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、ジメチル置換3−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、ジメチル置換4−フェニルアミノ安息香酸一価金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5又は10に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態13は、前記帯電強化添加剤が、一価ナトリウム又は一価リチウムの置換又は非置換のメフェナム酸塩を含む、実施形態5、10又は12に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態14は、前記帯電強化添加剤が、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、3−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、4−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態15は、前記帯電強化添加剤が、三価アルミニウムの置換又は非置換のフェナム酸塩を含む、実施形態5又は14に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態16は、前記帯電強化添加剤が、ジメチル置換2−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、ジメチル置換3−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、ジメチル置換4−フェニルアミノ安息香酸三価金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態5又は14に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態17は、前記帯電強化添加剤が、三価金属の2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩を含む、実施形態5、14又は16に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態18は、前記帯電強化添加剤が、三価アルミニウムの置換又は非置換のメフェナム酸塩を含む、実施形態5、14、16又は17に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態19は、前記帯電強化添加剤が、マグネシウムメフェナム酸塩を含む、実施形態5に記載のエレクトレットウェブである。
実施形態20は、前記ウェブが、不織繊維ウェブを含む、実施形態1〜19のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態21は、前記ウェブが、フィルムを含む、実施形態1〜19のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態22は、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリカーボネート;又はポリエステルを含む、実施形態1〜21のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態23は、前記帯電強化添加剤が、0.02〜5.0重量%のウェブを含む、実施形態1〜22のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態24は、前記ウェブが、静電荷を含み、前記電荷が、コロナ処理、ハイドロチャージング、又はこれらの組み合わせによって付与される、実施形態1〜23のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態25は、前記ウェブが、静電荷を含み、前記電荷が、コロナ処理によって付与される、実施形態1〜23のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
実施形態26は、前記ウェブが、顔料、光安定剤、一次及び二次酸化防止剤、金属不活化剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、脂肪酸金属塩、トリエステル亜リン酸塩、リン酸塩、フッ素含有化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの付加的な添加剤を更に含む、実施形態1〜25のいずれかに記載のエレクトレットウェブである。
また、エレクトレット濾材の実施形態も開示する。実施形態27は、実施形態1に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態28は、実施形態2に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態29は、実施形態3に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態30は、実施形態4に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態31は、実施形態5に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態32は、実施形態6に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態33は、実施形態7に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態34は、実施形態8に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態35は、実施形態9に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態36は、実施形態10に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態37は、実施形態11に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態38は、実施形態12に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態39は、実施形態13に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態40は、実施形態14に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態41は、実施形態15に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態42は、実施形態16に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態43は、実施形態17に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態44は、実施形態18に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態45は、実施形態19に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態46は、実施形態20に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態47は、実施形態22に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態48は、実施形態23に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態49は、実施形態24に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態50は、実施形態25に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態51は、実施形態26に記載のエレクトレットウェブを含むエレクトレット濾材である。
実施形態52は、X線放電試験に従って試験したとき、前記濾材が、毎秒6.9センチメートルの面速度において少なくとも300%の浸透比%を有する、実施形態27〜51のいずれかに記載のエレクトレット濾材である。
実施形態53は、X線放電試験に従って試験したとき、前記濾材が、毎秒6.9センチメートルの面速度において少なくとも0.3(mm HO)−1の初期品質係数を有し、60分間のX線曝露後に前記初期品質係数の50%未満の品質係数を有する、実施形態27〜52のいずれかに記載のエレクトレット濾材である。
実施形態54は、71℃で72時間のエージング後に品質係数を測定したとき、前記濾材が、少なくとも85%の濾過性能を保持する、実施形態27〜53のいずれかに記載のエレクトレット濾材である。
また、組成物の実施形態についても開示する。実施形態54は、二価マグネシウムメフェナム酸塩、又は二価マグネシウム2−(2,3−ジメチルフェニル)アミノ安息香酸塩を含む組成物である。
これら実施例は単に例示のためのものに過ぎず、添付の「特許請求の範囲」の範囲を限定することを意図するものではない。特に記載のない限り、実施例及び残りの明細書に記載される部、百分率、比率等は全て、重量による。使用される溶媒及び他の試薬は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)から入手した。以下の略語を使用する。mL=ミリリットル;M=モル濃度;RBF=丸底フラスコ;cm=センチメートル;mm=ミリリットル;min=分。
Figure 0006366681
合成例
合成例SE−1:マグネシウムメフェナム酸塩の調製
5.05グラム(0.021モル)のメフェナム酸(純度98%、TCIから購入、更に精製することなく用いた)のサンプルを丸底フラスコに添加し、化学量論的量の1M水酸化ナトリウム(21mL)に溶解させた。この溶液を80℃に加熱し、1時間撹拌した。1時間後、メフェナム酸が完全に溶解したようにみえるまで、付加的な1M水酸化ナトリウム溶液を滴下した。この溶液を500mLのビーカーに移し、室温まで冷却させた。21mLの1M MgCl溶液をビーカーに注いだ。1時間後、沈殿を真空濾取し、水で繰り返し洗浄した。濾液を真空オーブン内で乾燥させた。
合成例SE−2:アルミニウムメフェナム酸塩の調製
500mLのメスフラスコ内で、99.9グラムの三塩化アルミニウム六水和物を400mLの脱イオン水で溶解させることによって、塩化アルミニウムの原液を調製した。最終体積が500mLになるまで、この溶液を付加的な脱イオン水で希釈して、最終モル濃度を0.82Mにした。
60.00グラムのメフェナム酸を500mLのRBFに添加し、242mLの1M水酸化ナトリウム中で撹拌した。この溶液を80℃に加熱し、1時間撹拌した。1時間後、メフェナム酸が完全に溶解したようにみえるまで、付加的な1M水酸化ナトリウム溶液を滴下した。このメフェナム酸溶液を500mLのビーカーに移し、室温まで冷却させた。100mLの塩化アルミニウム原液をビーカーに添加し、1時間以上静置させた。沈殿を真空濾過し、水で繰り返し洗浄した。濾液を真空オーブン内で乾燥させた。
合成例SE−3:マグネシウム2−[(2−エトキシフェニル)アミノ]−安息香酸塩
3つ口RBFに還流カラムを取り付け、系を窒素でフラッシングした。0.9896グラムの銅粉末及び0.4398グラムの酸化第一銅粉末を3つ口RBFに添加し、次いで、25.01グラムのオルト−フェネチジン及び20グラムのエトキシエタノールを添加した。材料を撹拌し、27.10グラムのオルトクロロ安息香酸をRBFに添加し、次いで、24.0グラムの炭酸カリウムを添加した。付加的な20グラムのエトキシエタノールをRBFに添加した。反応を、窒素下で24時間138℃で還流させた。反応混合物を400mLの脱イオン水に注ぎ、少量の炭と共に撹拌し、CELITEで濾過した。溶液を500mLの1N HClで沈殿させ、真空濾過した。濾液を、50グラムの炭酸ナトリウムを含む400mLの水に再溶解させ、CELITEで再濾過した。発泡が停止するまで、溶液をHClで沈殿させた。沈殿を真空濾過し、真空オーブン内で乾燥させた。
合成例SE−1と同様の手順に従って、塩を調製した。
実施例E1〜E22及び比較例C1〜C8
実施例及び比較例の各々について、下記の手順を続けた。これら実施例のデータを、表1〜4に示す。
フィルムサンプルの調製
工程A−フラットフィルムの調製
フィルム実施例については、上記帯電添加剤のうちの1つ(0.2グラム)を選択し、1分間、5ゾーンの30mm二軸押出成形機において130グラムのポリプロピレンと配合した。配合後、材料を4インチ(10.2cm)のドロップダイから流延し、2つのシリコーンライナ間でコーティングした。名目コーティング重量は、1mil(25.4マイクロメートル)であった。押出温度は、185℃〜250℃の範囲であった。次いで、フィルム(実施例20〜22及び比較例C8)を、帯電方法1(以下を参照されたい)を用いて帯電させ、熱刺激放電電流測定(TSDC)(以下を参照されたい)を用いて試験した。フィルムサンプルについてのデータを表4及び5に要約する。
不織布サンプルの調製
工程A−メルトブローンマイクロファイバー不織ウェブの調製:
各実施例について、上記帯電添加剤の1つ(及び幾つかの実施例では、PMPを更に用いた)を選択し、表1に示す濃度の2等級のポリプロピレンのうちの1つと乾式ブレンドし、そのブレンドを、Van A.Wente、「Superfine Thermoplastic Fibers」、Industrial Engineering Chemistry,vol.48,pp.1342〜1346に記載されている通り押出成形した。押出温度は、約250℃〜300℃の範囲であり、押出成形機は、約2.5〜3kg/hr(5〜7lb/hr)の速度で動作するBRABENDER円錘二軸押出成形機(Brabender Instruments,Inc.から市販)であった。ダイの幅は25.4cm(10インチ)であり、1cm当たり10個の穴(1インチ当たり25個の穴)があった。約50〜60g/mの坪量、約6.5〜9.5マイクロメートルの有効繊維径、及び約0.75〜2ミリメートルの厚さを有するメルトブローンウェブを形成した。
工程B−エレクトレットの調製:
工程Aで調製した各メルトブローンウェブ(実施例1〜19及び比較例C1〜C7)を、ハイドロチャージング、コロナ帯電、又はコロナ前処理及びハイドロチャージングという3つのエレクトレット帯電法のうちの1つによって帯電させた。メルトブローンウェブサンプルについてのデータを、以下の表1、2、及び3に要約する。
帯電方法
帯電方法1−コロナ帯電:
DCコロナ放電によって、上で調製した選択されたメルトブローンウェブ又はフィルムを帯電させた。放電源の長さ1センチメートル当たり約0.01ミリアンペアのコロナ電流でブラシコロナ源の下の接地表面上を、毎秒約3センチメートルの速度でウェブを通すことによってコロナ帯電を達成した。コロナ源は、ウェブが運ばれる接地表面から約3.5センチメートル上方にあった。コロナ源は、DC正電圧により駆動した。
帯電方法2−ハイドロチャージング:
5マイクロS/cm未満の導電性を有する高純度水の微細スプレーを、896キロパスカル(130psig)の圧力及び約1.4リットル/分の流量で動作するノズルから連続的に発生させた。工程Aで調製した選択させたメルトブローンウェブを、ウェブを通して水を下方から減圧吸引しながら、多孔質ベルトによって約10センチメートル/秒の速度で水噴霧を通過させて搬送した。各メルトブローンウェブをハイドロチャージャーに2回通し(連続して、各面において1回)、次いで、フィルタ試験の前に一晩完全に乾燥させた。
帯電方法3−コロナ前処理及びハイドロチャージング:
工程Aで調製した選択されたメルトブローンウェブを、帯電法1に記載の通りDCコロナ放電によって前処理し、次いで、帯電方法2に記載の通りハイドロチャージングによって帯電させた。同様に、各比較例について、帯電添加剤を添加しないことを除いて、対応する実施例のウェブと同じ等級のポリプロピレンからメルトブローンウェブを調製した。各実施例について、特定のウェブ特性を表1に要約する。
試験方法
濾過試験、不織メルトブローンマイクロファイバーウェブ
サンプルを、DOP%及び/又はNaClエアゾール浸透%(Pen%)及び圧力低下(ΔP)について試験し、品質係数(QF)を算出した。不織マイクロファイバーウェブの濾過性能(Pen%及びQF)を、自動フィルタ試験機AFTモデル8127(TSI,Inc.(St.Paul,MN)から入手可能)を使用し、曝露用エアゾールとしてのジオクチルフタレート(DOP)又は塩化ナトリウム(NaCl)、及びフィルタ全域の圧力低下(ΔP(mm HO))を測定するMKS圧力変換器を使用して評価した。DOPエアゾールは、名目上、50〜200mg/mの上流濃度及び100mg/mの標的を有する、単分散の0.33マイクロメートル質量中央径(MMD)であった。NaClエアゾールのMMDは、0.26であり、上流濃度は12〜20mg/mであり、標的は15mg/mであった。DOPエアゾールについてはエアゾールイオン化装置を停止させ、NaClエアゾールについては稼働させた状態で、42.5リットル/分の較正流量(6.9cm/秒の面速度)にて、濾材のサンプルを通してエアゾールを押し出した。合計試験時間は23秒間であった(立ち上がり時間15秒、サンプル時間4秒及びパージ時間4秒)。DOP及びNaClエアゾールの濃度は、濾材の上流及び下流の両方にて、較正した光度計を使用して、光散乱により測定した。DOPのPen%は、以下の通り定義する:Pen%=100×(DOP下流濃度/DOP上流濃度)、NaClについても同様である。各材料について、メルトブローンウェブ上の異なる箇所で5回別個に測定を行い、結果を平均した。
Pen%及びΔPを使用して、以下の式によってQFを計算した:
QF=−ln(Pen %/100)/ΔP
式中、lnは、自然対数を表す。QF値が大きいことは、濾過性能がより優れていることを示し、QF値が小さいことは、濾過性能の低下と事実上相関している。他の環境に曝露されていない生成したままのウェブの品質係数は、典型的に、初期品質係数「Q」と表される。
熱刺激放電電流測定、フラットフィルム
TherMold Partners,L.P.(Stamford,CT)によって流通している、ピボット電極を備えるSolomat TSDC/RMA Model 91000分光計を用いて測定した絶対放電電流を積分することによって、フラットフィルムの有効電荷密度を測定した。サンプルを切断し、Solomat TSDC/RMAの下部固定電極と上部バネ式電極との間に固定した。上部電極の面積は、0.38cmである(直径約7mm)。TSDC/RMA機器において、温度計は、サンプルに近接しているが、接触しないように配置される。サンプルは、サンプルを通して見える穴がないように、光学的に密であった。電極の直径は約7mmであるので、サンプルを直径7mm超に切断した。電極との良好な電気接触を確保するために、サンプルを電極間で圧縮した。一連のフラッシング段階を通じてサンプルセルから空気及び水分を抜き、セルをヘリウムで約1100mbarまで充填し直した。サンプルセルを、特定の試験プロトコルによって必要に応じて液体窒素で冷却した。
5℃/分の制御された昇温速度で175℃までサンプルを加熱しながら、電流測定を行った。このような熱刺激放電中、エレクトレットに貯蔵されている電荷は可動性になり、反対の電荷と再結合することによって電極で又はバルクサンプル中で中和される。これにより、温度の関数として記録したときに多数のピークを示す外部電流が発生する。これらピークの形状及び位置は、電荷捕捉エネルギー準位、及び捕捉部位の物理的位置に依存する。温度に対する電流のプロットを積分することによって、有効電荷密度(pC/mm)を計算することができる。
台形公式を用いてフィルムを積分したが、ここでは、曲線を平均高さ×幅に等しい面積を有する一連の台形に分ける。面積を合計し、加熱速度で除して、電荷の量(クーロン)を得る。
加速エージング性能
濾過性能の安定性を決定するために、帯電させたメルトブローンウェブの初期品質係数を、異なった温度で異なった期間保管した後の品質係数と比較することによって、加速エージングを試験した。
ある試験では、ウェブを71℃で72時間空気中で保管する。この条件でエージングした後の品質係数は、典型的に、「Q」で表される。性能保持力は、以下の式により計算される:
保持率%(Q)=(Q(71℃で72時間エージング後)/Q(初期))×100%
X線放電試験
X線照射に曝露する前に、上記試験方法を使用して、試験されるサンプルウェブの品質係数及びPen%を測定した。初期品質係数は、「QF」で表す。サンプルウェブは、確実にサンプル全体が均一にX線放射に曝露されるように、下記システムを使用してそれぞれの面をX線に曝露した。X線曝露後、濾材のサンプルを再度試験して、そのフィルタ性能(QF及びPen %)を測定した。サンプルの静電荷が全て中和されたことを示す、フィルタ性能が平坦となるまで、この手順を繰り返した。浸透比%(Pen比%)も報告する。0分及び60分におけるPen %から式(式中、lnは自然対数を表す)を使用して、Pen比%を計算した。
Figure 0006366681
100KV、10mA定格の、ベリリウム窓(0.75mm固有濾過)を備える、1.5mm×1.5mmの焦点位置から50cmの位置において960レントゲン/分以下の出力である端末接地定電位発生装置からなるBaltograph 100/15 CP(Balteau Electric Corp.(Stamford,CT))X線曝露システムを使用して、X線曝露を行った。電圧は80KVに設定し、対応する電流は8mAであった。サンプルホルダーを、焦点位置から約57.2センチメートル(22.5インチ)の距離にセットし、約580レントゲン/分の曝露を与えた。
Figure 0006366681
Figure 0006366681
Figure 0006366681

1枚のフィルタについての値。表1中の値は、5枚以上のフィルタについて平均する。
Figure 0006366681
Figure 0006366681

90℃から155℃まで積分
65℃から145℃まで積分
90℃から156℃まで積分
65℃から155℃まで積分

Claims (5)

  1. エレクトレットウェブであって、
    熱可塑性樹脂と、
    アリールアミノ置換安息香酸又はアリールアミノ置換安息香酸塩を含む帯電強化添加剤と、を含む、エレクトレットウェブ。
  2. 前記帯電強化添加剤が、置換又は非置換の2−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、3−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、4−フェニルアミノ安息香酸金属含有塩、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のエレクトレットウェブ。
  3. 前記帯電強化添加剤が、二価カルシウム、二価マグネシウム、又は二価亜鉛の置換又は非置換のフェナム酸塩又はメフェナム酸塩を含む、請求項1に記載のエレクトレットウェブ。
  4. 前記帯電強化添加剤が、一価ナトリウム又は一価リチウムの置換又は非置換のフェナム酸塩又はメフェナム酸塩を含む、請求項1に記載のエレクトレットウェブ。
  5. 前記二価の置換又は非置換のメフェナム酸塩が、マグネシウムメフェナム酸塩を含む、請求項に記載のエレクトレットウェブ。
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