JP2020115423A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層電極体の膨張収縮による外装体の破損を防止できる技術を提供する。【解決手段】ここに開示される全固体電池は、正極13と負極17との間に固体電解質層14が配置された積層電極体10と、積層電極体10を収容するラミネートフィルム製の外装体30とを備え、正極13が箔状の正極集電体11を有している。ここに開示される全固体電池では、厚み方向Zにおける最外側に配置された正極集電体11と外装体30との間に無機フィルム20が配置されている。また、無機フィルム20は、短辺方向Yにおける長さが正極集電体11よりも長くなるように、長辺方向に沿った複数の折れ目m1〜m3、v1〜v4が形成された状態で折り畳まれている。これにより、積層電極体10の膨張収縮による応力が外装体30に伝わることを防止できるため、伸縮の疲労によって外装体30が破損することを防止できる。【選択図】図4

Description

本発明は、全固体電池に関する。詳しくは、ラミネートフィルム製の外装体の内部に積層電極体が収容された全固体電池に関する。
電解質として固体電解質を使用したいわゆる全固体電池(固体電解質電池ともいう。)は、高機能化、高信頼性を有し、さらには液漏れの恐れがない安全でクリーンなエネルギーが得られることから、重要性がますます高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られる全固体リチウムイオン電池(「固体電解質リチウムイオン電池」ともいう。)は、車両搭載用高出力電源に好ましく用いられるものとして期待されている。
一般的に、全固体電池は、ラミネートフィルム製の外装体の内部に電極体を収容することによって構築される。かかる全固体電池用の電極体としては、正極と負極との間に固体電解質層が配置された積層電極体が挙げられる。かかる積層電極体を備えた全固体電池の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1では、第1の金属層と、第2の金属層と、アルミニウム層とを有した先行短絡層が設けられている。このような先行短絡層を積層電極体の外側に配置することによって、電池の出力低下を抑制できると共に、内部短絡が生じた際のジュール発熱を抑制できる。
特開2017−103123号公報
ところで、全固体電池では、充放電に伴う積層電極体の膨張収縮によって外装体が破損し、電池内部への水分の浸入によって電池性能の低下やガスの発生などが生じるおそれがある。具体的には、一般的な構造の全固体電池では、ラミネートフィルム製の外装体と積層電極体とが密着しているため、積層電極体の膨張収縮に追従して外装体が伸縮する可能性がある。この充放電に伴う外装体の伸縮が繰り返されると、外装体に疲労が蓄積して破損する可能性がある。
本発明は、かかる問題を解決するべく創出されたものであり、その目的は、充放電に伴う積層電極体の膨張収縮による外装体の破損を防止できる技術を提供することである。
ここに開示される全固体電池は、平面視矩形状の全固体電池である。かかる全固体電池は、正極と負極との間に固体電解質層が配置された積層電極体と、積層電極体を収容するラミネートフィルム製の外装体とを備え、正極が、箔状の正極集電体と、該正極集電体の表面に形成された正極合材層とを有している。そして、ここに開示される全固体電池では、厚み方向における最外側に配置された正極の正極集電体と外装体との間に無機フィルムが配置されており、無機フィルムは、短辺方向における長さが正極集電体よりも長くなるように、長辺方向に沿った複数の折れ目が形成された状態で折り畳まれている。
ここに開示される全固体電池では、最外側の正極の正極集電体(すなわち、積層電極体の外側面)と外装体との間に無機フィルムが配置されている。これによって、外装体と積層電極体とが密着することを防止し、積層電極体の膨張収縮による応力が外装体に直接加えられることを防止できる。
そして、ここに開示される全固体電池における無機フィルムは、複数の折れ目が形成されるように折り畳まれている。このため、上記膨張収縮による応力が無機フィルムに掛かると、当該折れ目を支点に無機フィルムが撓み、無機フィルム同士が重なった部分が滑る。これによって、積層電極体の膨張収縮による応力を無機フィルムにおいて吸収できるため、当該応力が外装体まで伝わることを防止できる。
なお、本発明者の検討によると、平面視矩形状の全固体電池では、短辺方向における膨張収縮の度合いが大きくなる傾向がある。この短辺方向への膨張収縮に対して上述の応力吸収効果が適切に発揮されるように、ここに開示される全固体電池では、複数の折れ目が長辺方向に沿って形成されていると共に、折り畳んだ後の無機フィルムの短辺方向における長さが正極集電体よりも長くなっている。
以上のとおり、ここに開示される全固体電池によると、積層電極体の膨張収縮による応力が外装体に伝わることを確実に防止できるため、伸縮に伴う疲労によって外装体が破損することを好適に防止できる。
本発明の一実施形態に係る全固体電池の平面図である。 本発明の一実施形態に係る全固体電池の正面図である。 本発明の一実施形態に係る全固体電池の側面図である。 図2中のIV−IV線における矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係る全固体電池に用いられる無機フィルムの平面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、ここで開示される全固体電池の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。また、本明細書中の数値範囲A〜B(A、Bは任意の数)は、A以上B以下を示すものとする。
なお、本明細書において「(正負極)活物質」とは、正極側または負極側において電荷担体(例えばリチウムイオン二次電池においてはリチウムイオン)の吸蔵および放出に関与する物質をいう。また、以下の説明では、ここで開示される全固体電池の一例として、固体電解質層を備えたリチウムイオン二次電池(全固体リチウムイオン二次電池)を挙げている。しかし、ここで開示される技術の適用対象は、リチウムイオン二次電池に限られない。ここで開示される全固体電池の種類としては、他の金属イオンを電荷担体とするもの、例えば、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、等を構成する全固体電池であってもよい。
1.全体構成
図1は、本実施形態に係る全固体電池の平面図である。図2は、本実施形態に係る全固体電池の正面図である。図3は、本実施形態に係る全固体電池の側面図である。また、図4は、図2中のIV−IV線における矢視断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る全固体電池1は、平面視矩形状(平面視において長方形)の電池である。本明細書の各図における符号Xは当該全固体電池1の長辺方向を示し、符号Yは短辺方向を示し、符号Zは厚み方向を示す。
本実施形態に係る全固体電池1では、ラミネートフィルム製の外装体30の内部に、積層電極体10が収容されている。図4に示すように、積層電極体10は、シート状の正極13および負極17と、当該正極13と負極17との間に配置された固体電解質層14とを備えており、これらを複数積層させることによって構成されている。上記正極13は、正極集電体11と、その表面に形成された正極合材層12とを備えている。また、負極17は、負極集電体15と、その表面に形成された負極合材層16とを備えている。正極13および負極17の各々は、正極合材層12と負極合材層16とが対向するように積層される。そして、正極合材層12と負極合材層16との間に固体電解質層14が配置される。
また、図2に示すように、本実施形態に係る全固体電池1では、長辺方向Xにおける一方の端部に正極端子42が取り付けられ、他方の端部に負極端子44が取り付けられている。具体的には、正極端子42は、一端が外装体30の内部において正極集電体11と接続されており、他端が外装体30の外部に露出している。同様に、負極端子44は、一端が外装体30の内部において負極集電体15と接続されており、他端が外装体30の外部に露出している。これらの正極端子42および負極端子44は、車両のモーター等の外部機器と接続される。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る全固体電池1では、無機フィルム20が外装体30の内部に収容されている。詳しくは後述するが、この無機フィルム20を、積層電極体10と外装体30との間に配置することによって、積層電極体10の膨張収縮による外装体30の破損を防止できる。
以下、本実施形態に係る全固体電池1を構成する各層について詳細に説明する。
2.正極
正極13は、この種の電池で使用されているものを特に制限なく用いることができる。正極13は、正極集電体11と、当該正極集電体11の表面に形成された正極合材層12とを備えたシート状の電極である。図2に示すように、この正極13の長辺方向Xにおける一方の側縁部には、正極合材層12が形成されておらず、正極集電体11が露出した正極露出部11aが形成されている。この全固体電池1では、複数の正極13の各々の正極露出部11aが束ねられた状態で正極端子42に接続されている。
(1)正極集電体
正極集電体11は、この種の電池の正極集電体として用いられ得るものを特に制限なく使用できる。典型的には、正極集電体11は、良好な導電性を有する金属、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属材から構成される。特にアルミニウム(例えばアルミニウム箔)が好ましい。正極集電体11の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm〜50μm程度が適当であり、8μm〜30μm程度がより好ましい。
(2)正極合材層
図4に示される正極合材層12は、正極活物質と固体電解質とを含有する。この正極合材層12の厚みは、特に限定されず、典型的には、10μm〜500μmであり得る。
正極活物質には、この種の電池で従来から用いられている種々の化合物を使用することができる。好適例として、例えば、LiCoO、LiNiO、LiNiCoMn(1−x−y)(ここで0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)等に代表される層状構造の複合酸化物が挙げられる。あるいは、LiNiMn、LiMn、Li1+xMn2−y(ここでMは存在しないか若しくはAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる一種以上の金属元素、0≦x<1、0≦y<2)で表されるようなスピネル構造の複合酸化物、LiFePO等のオリビン構造の複合化合物、等が挙げられる。
正極活物質の平均粒子径は、例えば0.5μm〜20μm程度が適当であり、1μm〜10μm程度が特に好ましい。なお、本明細書における「平均粒子径」は、レーザ回折・散乱法によって測定した粒度分布に基づいて算出されたものである。
上記したように、全固体電池の正極合材層12には、正極活物質の他に、固体電解質が含まれている。固体電解質には、この種の電池で従来から用いられている種々の化合物を使用できる。なお、高いイオン伝導性を有するという観点から、固体電解質は、硫化物固体電解質を含むと好ましい。かかる硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−SiS系、LiS−P系、LiS−P系、LiS−GeS系、LiS−B系、LiPO−P系、LiSiO−LiS−SiS系、等のガラス若しくはガラスセラミックスが挙げられる。また、より高いイオン伝導性を実現するという観点から、硫化物固体電解質には、LiSとハロゲン化リチウム(例えばLiCl、LiBr、LiI)とから構成されるLiSベースの固溶体が好ましく用いられる。このような硫化物固体電解質の好適例として、LiBr−LiS−P、LiI−LiS−P、LiBr−LiI−LiS−P、等が挙げられる。
また、固体電解質の平均粒子径は、例えば0.5μm〜10μm程度が適当であり、1μm〜5μm程度が特に好ましい。また、正極合材層12中の正極活物質と固体電解質との配合比は特に限定されない。典型的には、正極活物質(P)と固体電解質(E)との質量比(P:E)は、50:50〜95:5程度であり得る。
なお、従来のこの種の電池の正極合材層と同様に、正極合材層12には、上述した正極活物質や固体電解質の他に、種々の任意成分を必要に応じて含ませることができる。かかる任意成分としては、例えば、導電材やバインダ等が挙げられる。導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト、カーボンナノチューブ等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダや、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダを好適に使用することができる。
3.負極
図4に示すように、負極17は、負極集電体15と、当該負極集電体15の表面に形成された負極合材層16とを備えたシート状の電極である。そして、上述した正極13と同様に、負極17にも電極端子(負極端子44)を接続するための領域である負極露出部15a(図2参照)が設けられている。具体的には、負極17の長辺方向Xにおける一方の側縁部には、負極合材層16が形成されておらず、負極集電体15が露出した負極露出部15aが形成されている。この全固体電池1では、複数の負極17の各々の負極露出部15aが束ねられた状態で負極端子44に接続されている。
(1)負極集電体
負極集電体15は、安価であり、かつ、良好な導電性を有するという観点から、銅または銅合金を少なくとも含む材料によって構成されている。また、負極集電体15の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm〜50μm程度が適当であり、8μm〜30μm程度がより好ましい。
(2)負極合材層
図4に示される負極合材層16は、負極活物質と固体電解質とを含有する。かかる負極合材層16の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm〜500μmであり得る。
負極活物質には、この種の電池で従来から用いられている種々の化合物を使用することができる。負極活物質の平均粒子径は、例えば1μm〜20μm程度が適当であり、2μm〜10μm程度が特に好ましい。かかる負極活物質の一例として、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)のような炭素系の負極活物質が挙げられる。
また、負極活物質の好適例として、ケイ素(Si)を含む負極活物質(Si系負極活物質)や、スズ(Sn)を含む負極活物質(Sn系負極活物質)が挙げられる。
Si系負極活物質としては、Si、SiO(ここで0.05<a<1.95)で表される酸化ケイ素、SiC(0<b<1)で表される炭化ケイ素、SiN(0<c<4/3)で表される窒化ケイ素、等を含む負極活物質が挙げられる。また、Si系負極活物質のその他の例として、ケイ素とケイ素以外の元素とからなる合金材料が挙げられる。ケイ素以外の元素としては、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Ti等が挙げられる。
一方、Sn系負極活物質としては、例えば、スズ、スズ酸化物、スズ窒化物、スズ含有合金等、及びこれらの固溶体等を含む負極活物質が挙げられる。また、これらに含有されるスズ原子の一部が1種又は2種以上の元素で置換されていてもよい。スズ酸化物としては、SnO(0<d<2)で表される酸化スズ、二酸化スズ(SnO)等が挙げられる。スズ含有合金としては、Ni−Sn合金、Mg−Sn合金、Fe−Sn合金、Cu−Sn合金、Ti−Sn合金等が挙げられる。スズ化合物としては、SnSiO、NiSn、MgSn等が挙げられる。
上述したSi系負極活物質やSn系負極活物質は、エネルギー密度が高い一方で充放電における膨張収縮の度合いが大きいという特徴を有している。例えば、Si系負極活物質を使用した負極合材層16は、満充電時の体積が充電前の体積の2〜3倍に膨張する。このため、これらの負極活物質を使用すると、充放電時の外装体の伸縮の度合いも大きくなるため、外装体の破損が生じやすくなる。しかし、本実施形態によると、積層電極体10の膨張収縮によって生じた応力が外装体30に伝わることを防止できるため、外装体30を破損させることなく、Si系負極活物質やSn系負極活物質を使用できる。
また、負極合材層16には、負極活物質の他に固体電解質が含まれている。負極合材層16に含まれる固体電解質には、正極合材層12に含まれる固体電解質と同様のもの(例えば、硫化物固体電解質)を使用することができるため、重複した説明は省略する。なお、負極合材層16中の負極活物質と固体電解質との配合比は特に限定されない。典型的には、負極活物質(N)と固体電解質(E)との質量比(N:E)は、50:50〜95:5程度であり得る。
なお、従来のこの種の電池の負極合材層と同様に、負極合材層16には、負極活物質や固体電解質以外の種々の任意成分を含ませることができる。例えば、正極合材層12と同様に、導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト、カーボンナノチューブ等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、PVDF、PTFE等のフッ素系バインダや、SBR等のゴム系バインダを好適に使用することができる。
3.固体電解質層
固体電解質層14には固体電解質が含まれている。固体電解質層14に含まれる固体電解質には、正極合材層12や負極合材層16に含まれる固体電解質と同様のもの(例えば、硫化物固体電解質)を使用することができるため、重複した説明は省略する。なお、従来のこの種の電池の固体電解質層と同様に、固体電解質層14には、固体電解質以外の種々の任意成分を含ませることができる。例えば、固体電解質層14は、負極合材層16と同種のバインダ等を含んでいてもよい。
4.外装体
上述したように、本実施形態に係る全固体電池1は、積層電極体10を収容するラミネートフィルム製の外装体30を備えている。かかる外装体30には、例えば、金属箔34の表面に樹脂層32が形成された樹脂ラミネート金属箔が用いられる。樹脂層32は、電池内部に配置される層であり、積層電極体10の厚み方向Zにおける最外側の層(正極集電体11および負極集電体15)と対向する。樹脂層32には、所定の機械的強度を有する樹脂材料が使用される。例えば、樹脂層32は、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成されていると好ましい。一方、金属箔34は、電池外部に配置される層であり、樹脂層32の保護の観点から、所定の強度を有する金属材料が使用される。例えば、金属箔34は、アルミニウム、アルミニウム合金等から構成されていると好ましい。
5.無機フィルム
上述したように、本実施形態に係る全固体電池1は、無機フィルム20を備えている。図4に示すように、無機フィルム20は、厚み方向Zにおける最外側に配置された正極13の正極集電体11と、外装体30の樹脂層32との間に配置されている。
無機フィルム20は、正極集電体11に対する摩擦係数が、正極集電体11と樹脂層32との間の摩擦係数よりも低くなる無機材料であれば、種々の無機材料を特に制限なく使用することができる。かかる無機フィルム20の材料の好適例として、金属材料やセラミック材料などが挙げられる。なお、正極集電体11に対する摩擦係数を考慮すると、無機フィルム20は、正極集電体11と同じ材料、すなわち、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属材料を好ましく用いることができる。このような正極集電体11に対する摩擦係数が低い材料を使用することによって、無機フィルム20と正極集電体11とが密着することを防止し、積層電極体10の膨張収縮による応力が無機フィルム20を介して外装体30に伝わることを防止できる。
図5は、本実施形態において用いられる無機フィルムの平面図である。この図5に示されるように、本実施形態における無機フィルム20は、シート状の無機フィルムを長辺方向Xに沿った複数の折れ目m1〜m3、v1〜v4が形成されるように折り畳むことによって作製される。具体的には、無機フィルム20は、図5中の山折り線m1〜m3において凸形状に癖付けされ、谷折り線v1〜v4において凹形状に癖付けされている。図4に示すように、このようにして折り畳まれた無機フィルム20には、上面が平坦な凸部22と底面が平坦な凹部24とが形成される。この無機フィルム20の凹部24の底面は、積層電極体10の正極集電体11と接触し、凸部22の上面は、外装体30の樹脂層32と接触する。なお、図5に示すように、これらの凸部22と凹部24は、長辺方向Xに延び、かつ、短辺方向Yにおいて交互に連続するように形成される。
なお、ここに開示される技術において、無機フィルム20を折り畳む回数(折れ目の数)は、特に限定されない。ただし、折り畳まれた後の無機フィルム20の短辺方向Yの長さが、正極集電体11の短辺方向Yの長さよりも長くなるように、無機フィルム20を折り畳む回数を調節することが求められる。詳しくは後述するが、これによって、積層電極体10の短辺方向Yへの膨張収縮によって生じた応力が外装体30に伝わることを防止できる。
上述した無機フィルム20を正極集電体11と樹脂層32との間に配置することによって、積層電極体10の膨張収縮による外装体30の破損を好適に防止できる。以下、本実施形態による破損防止効果について具体的に説明する。
まず、本実施形態に係る全固体電池1では、正極集電体11と樹脂層32との間に無機フィルム20が配置されている。これによって、積層電極体10と外装体30とが密着することを防止し、積層電極体10の膨張収縮による応力が外装体30に直接伝わることを防止できる。
次に、本実施形態では、積層電極体10の膨張収縮による応力が無機フィルム20を介して外装体30に伝わることを防止するために、下記の構成を有している。
第1に、本実施形態では、正極集電体11と樹脂層32との間に介在させる部材として、無機材料からなる無機フィルム20を用いているため、無機フィルム20と正極集電体11とが密着しにくくなっている。このため、膨張収縮した積層電極体10に対して、無機フィルム20の凹部24の底面が滑るため、膨張収縮による応力が無機フィルム20に伝わりにくい。
第2に、本実施形態では、無機フィルム20に複数の折り目m1〜m4、v1〜v4が形成されている。このため、上記膨張収縮による応力が無機フィルム20に伝わった場合、折り目m1〜m4、v1〜v4を支点にして無機フィルム20が撓み、折り畳まれた無機フィルム20同士が滑るため、上記応力が無機フィルム20において吸収される。このため、本実施形態では、無機フィルム20に応力が伝わったとしても、当該応力が外装体30に伝達されにくくなっている。
第3に、本実施形態では、上記折り目m1〜m4、v1〜v4が長辺方向Xに沿って形成されていると共に、折り畳まれた後の無機フィルム20の短辺方向Yにおける長さが正極集電体11よりも長くなっている。これによって、積層電極体10の膨張収縮の度合いが大きい短辺方向Yにおいて、折り目を形成することによる応力吸収効果を発揮させることができる。
以上のように、本実施形態に係る全固体電池1では、積層電極体10の膨張収縮による応力が外装体30に直接伝わることを防止するだけでなく、無機フィルム20を介して外装体30に応力が伝達されることも防止できる。このため、本実施形態によると、積層電極体10の膨張収縮に追従して外装体30が伸縮することを確実に防止し、疲労の蓄積による外装体30の破損を好適に防止できる。
なお、本実施形態では、正極集電体11と外装体30との間のみに無機フィルム20が配置されているが、無機フィルムは、少なくとも正極集電体と外装体との間に配置されていればよく、他の部分に無機フィルムを追加することを制限するものではない。例えば、正極集電体と外装体との間に加え、最外側の負極集電体と外装体との間に無機フィルムを配置してもよい。これによって、より好適に外装体の破損を防止できる。
また、本実施形態では、底面が平坦な凸部22と上面が平坦な凹部24が形成されるように無機フィルム20が折り畳まれている。しかし、無機フィルムの折り畳み方は、本実施形態に限定されない。例えば、山折りと谷折りを交互に形成することによって、先端が鋭角な凸部と凹部が交互に形成された無機フィルムを形成してもよい。樹脂層32や正極集電体11の保護という観点からは、図4に示されるような凸部22と凹部24が形成されるように無機フィルム20を折り畳む方が好ましい。
以上、本発明の一実施形態に係る全固体電池を説明したが、上述の説明は例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 全固体電池
10 積層電極体
11 正極集電体
11a 正極露出部
12 正極合材層
13 正極
14 固体電解質層
15 負極集電体
15a 負極露出部
16 負極合材層
17 負極
20 無機フィルム
22 凸部
24 凹部
30 外装体
32 樹脂層
34 金属箔
42 正極端子
44 負極端子

Claims (1)

  1. 平面視矩形状の全固体電池であって、
    正極と負極との間に固体電解質層が配置された積層電極体と、
    前記積層電極体を収容するラミネートフィルム製の外装体と
    を備え、
    前記正極は、箔状の正極集電体と、該正極集電体の表面に形成された正極合材層とを有し、
    厚み方向における最外側に配置された前記正極の前記正極集電体と前記外装体との間に無機フィルムが配置されており、
    前記無機フィルムは、短辺方向における長さが前記正極集電体よりも長くなるように、長辺方向に沿った複数の折れ目が形成された状態で折り畳まれている、全固体電池。
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