以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1(a)及び図1(b)において、携帯端末10は、装置本体11と、撮像手段としてのカメラ機能を有する撮像部12と、を有する。
装置本体11は、例えば、タッチパネル方式のカラー液晶ディスプレイからなり各種情報や各種メッセージ等を表示するとともに操作者が各種操作を行える表示手段としての表示部13と、操作者が操作可能な操作ボタン等の操作部14とを備えている。
撮像部12は、装置本体11の上部(図1(a)及び図1(b)中の上部)に設けられており、装置本体11において表示部13の表示面が設けられた表面の反対側、すなわち背面に、カメラレンズ12Aを備えている。例えば、操作者が、操作部14による操作で表示部13に適宜のアイコン等を表示させ、指で当該アイコンを押して選択するとタッチパネル機能により撮像部12が起動し、対象物を撮影(動画撮影又は静止画撮影の選択が可能)することが可能となる。
図2において、ラベル作成装置20は、装置本体21を有している。装置本体21は、例えば、液晶ディスプレイからなり各種情報や各種メッセージを表示する表示部22と、操作者が各種操作を可能な複数のボタンスイッチ等を有する操作部23と、装置本体21の内部に配設したカッタ31(後述の図3参照)を駆動するためのレバー24と、を備えている。
操作部23は、文字、記号、及び数字等を入力するための入力キーを初めとする種々の機能キー23a、文字入力時のカーソル位置の移動キーやモード選択時の遷移キーとして機能する移動キー23b、等を含む。なお、操作部23は、一つのキーで複数の機能を兼用することができる。
図3おいて、携帯端末10は、上述した撮像部12、表示部13、操作部14、に加えて、制御回路部15と、各種情報を記憶する記憶部16と、カメラ機能を使用する際のピント合わせ等に利用可能な距離測定等のための測距部17と、通信制御部18と、を有する。なお、表示部13のうち、タッチパネル方式によって操作機能を受け付けるタッチパネル部分と各種キーを有する操作部14とが、各請求項記載の操作手段として機能する。
制御回路部15は、図示しないCPU(演算手段)、RAM、及びROMを備えている。この制御回路部15は、CPUの演算機能により、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された各種プログラムを実行する。この各種プログラムには、本発明の仮想ラベル表示処理プログラムが含まれている。また、制御回路部15は、通信制御部18を介し、無線通信によりラベル作成装置20と接続されており、ラベル作成装置20と各種情報や各種データの送受が可能となっている。
記憶部16は、記憶内容の追加及び消去が可能な、例えば、Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)等の不揮発性メモリから構成されている。この記憶部16には、制御回路部15(のCPU)が実行する本発明に係る仮想ラベル表示処理プログラムに加えてラベルLの作成及びカメラ機能を用いた適合性判定(後述するフロー参照)のための各種プログラムが記憶されている。
通信制御部18は、無線を介して接続されたラベル作成装置20との間で行われる、情報通信の制御を行う。
図3において、ラベル作成装置20は、上述した表示部22、操作部23、レバー24、カッタ31に加えて、制御回路部25と、各種情報を記憶する記憶部26と、通信制御部27と、カートリッジホルダ32と、搬送手段としての搬送装置33と、印字手段としての印字ヘッド34と、を有する。
制御回路部25は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えている。この制御回路部25は、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された各種プログラムを実行する。これにより、制御回路部25は、ラベル作成装置20全体の制御を行う。また、制御回路部25は、通信制御部27を介して携帯端末10と接続されており、携帯端末10と各種データの送受が可能となっている。
記憶部26は、記憶内容の追加及び消去が可能な、例えば、Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)等の不揮発性メモリから構成されている。この記憶部26には、携帯端末10から送信された印字データを格納可能となっている。
通信制御部27は、上記のように無線を介して接続された携帯端末10との間で行われる、情報通信の制御を行う。
カートリッジホルダ32は、被印字テープ35を供給可能なカートリッジ36を着脱可能に構成されている。カートリッジ36は、被印字テープ35を図示しないリール部材の周りに巻回したテープロール37(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を備えている。カートリッジホルダ32は、セットしたカートリッジ36のテープ色情報(テープ色とテープ幅)を取得し、制御回路部25に送信する。
搬送装置33は、印字ヘッド34に対向して設けられている。この搬送装置33は、制御回路部25により制御されて、カートリッジホルダ32に装着したカートリッジ36から供給される、すなわち当該カートリッジ36のテープロール37から繰り出される、被印字テープ35を搬送する。
印字ヘッド34は、制御回路部25により制御されて、テープロール37から繰り出され搬送装置33により搬送される被印字テープ35に対し所望の印字を行う。
カッタ31は、操作者によりレバー24が操作されることで、印字ヘッド34による印字が終了した被印字テープ35を所定の長さに切断して印字付きの1つのラベルL(後述の図5等参照)とする。
上記ラベル作成装置20によるラベルLの作成手順について図4を用いて説明する。
図4において、このフローに示す処理は、携帯端末10が、ラベル作成装置20に対しラベル作成指示を出力することにより開始する(「START」位置)。まずステップS1で、制御回路部25は、搬送装置33に制御信号を出力し、カートリッジホルダ32に装着されたカートリッジ36のテープロール37からの被印字テープ35の繰り出し、すなわち被印字テープ35の搬送を開始させる。
そして、ステップS2に移り、制御回路部25は、被印字テープ35が所定量だけ搬送されたかどうかを判定する。なお、この所定量とは、例えば、被印字テープ35の図示しない印字領域の先端が、印字ヘッド34とほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離(いわゆる前余白用の搬送量)である。所定量搬送されるまでステップS2の判定が満たされず(ステップS2:No)、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS2の判定が満たされて(ステップS2:Yes)、ステップS3に移る。
ステップS3では、制御回路部25は、印字ヘッド34に制御信号を出力し、搬送装置33により搬送される被印字テープ35の印字領域に対し、記憶部26に格納された印字データの印字を開始させる。
その後、ステップS4で、制御回路部25は、上記ステップS3で開始した印字ヘッド34による被印字テープ35の印字領域への印字データの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまでステップS4の判定が満たされず(ステップS4:No)、ループ待機し、印字がすべて完了したらステップS4の判定が満たされて(ステップS4:Yes)、ステップS5に移る。
ステップS5では、制御回路部25は、被印字テープ35がさらに所定量(例えば、印字領域のすべてがカッタ31を所定の長さ分越えるだけの搬送距離。いわゆる後余白用の搬送量)だけ搬送されたかどうかを判定する。所定量搬送されるまでステップS5の判定が満たされず(ステップS5:No)、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS5の判定が満たされて(ステップS5:Yes)、ステップS6に移る。
ステップS6では、制御回路部25は、搬送装置33に制御信号を出力し、ステップS2で開始させたテープロール37からの被印字テープ35の繰り出し、すなわち被印字テープ35の搬送を停止させる。
そして、ステップS7では、制御回路部25は、表示部22に表示信号を出力し、レバー24を操作することにより被印字テープ35を切断可能な状態である旨の表示を行わせる。その後、このフローに示す処理を終了する。上記表示に応じて操作者がレバー24を操作すると、カッタ31が作動して被印字テープ35が切断される。このカッタ31による切断によって、被印字テープ35から印字ヘッド34による印字が行われた部分が切り離されて、1つのラベルLとなる。
上記のようにして作成されたラベルLは、図5に示すように、幅Lw、長さLgを有する長方形状のラベルである。この例では、ラベルLの表面には、印字データに対応した印字RR(「UENO−TECH−10450」の文字列)が印刷されている。
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、図5に示すようなラベルLをラベル作成装置20が実際に作成するより前に、携帯端末10が、ラベルLと同等の仮想的なラベルの姿(以下適宜、「仮想ラベル」という)を、撮像部12で撮影された背景物の画像とともに表示することによって、背景物に実際にラベルLを貼るのが好ましいか否かの適合性の判定を携帯端末10にさせるようにしたものである。以下、その詳細を順を追って説明する。
<画面の表示状態の推移>
まず、操作者による、表示部13や操作部14を介した適宜の操作入力により、図6に示す「レイアウト」画面が表示部13の画面上に表示される。この「レイアウト」画面での表示部13の画面上には、作業内容表示欄13aに「レイアウト」の文字が表示され、印字テープを模した印字データ記入欄13bに入力文字等の印字データRが表示され、操作ボタン欄13cにタッチパネル機能によってスイッチ操作される「ラベル作成」ボタン及び「仮想貼り付け」ボタンが表示される。
そして、この「レイアウト」画面の表示状態で、操作者は、図6に示すように、印字データ記入欄13bの欄内(逆に欄外でもよい)でタッチパネル機能を利用して指でなぞって筆記する等の操作により、所望のテキスト文字(図示の例では「UENO−TECH−10450・・・」の文字列。末尾にはカーソルCが表示されている)を入力し、印字データRを設定する。
このとき、この印字データRの内容(例えば、文字数)に対応して、制御回路部15によってラベルLの長さが設定される。なお、ラベルLの幅については、予め固定的に定められているか、図示しない記入欄(又は別画面、ウィンドウ等でもよい)において上記と同様の操作者の操作によって設定される。この例では、ラベルLの長さ寸法は35[mm]、幅寸法は9.5[mm]となっており、その旨が印字データ記入欄13bの欄外付近等の表示部13の画面上に表示されている。このような編集操作により設定されたラベルLの印字データRの内容や、ラベルLの長さ寸法・幅寸法は、記憶部16に格納される。
上記編集操作の終了後、操作者により操作ボタン欄13cの「ラベル作成」ボタンが押される(タッチされる)ことによって、上述のようにして生成された印字データRが、通信制御部18を介してラベル作成装置20に送信される。これにより、図4に示したフローが実行され、ラベル作成装置20によって、図5に示したような、印字データRに対応した印字RRが印刷されたラベルLが作成される。
一方、上記編集操作の終了後、操作者は、操作ボタン欄13cの「仮想貼り付け」ボタンを押す。これにより、表示部13の画面が、図7に示す「仮想ラベル表示」画面に切り替えられる。この「仮想ラベル表示」画面での表示部13の画面上には、作業内容表示欄13aに「仮想ラベル表示」の文字が表示され、仮想ラベルLIが表示され、操作ボタン欄13cにタッチパネル機能によってスイッチ操作されるビデオアイコンが表示される。なお、ビデオアイコンは動画撮影を行うために開始・終了時に押される(タッチされる)ものである。この際、このビデオアイコンに替えて静止画撮影を行うためのカメラアイコンを表示してもよい、また、ビデオアイコンとカメラアイコンとを表示してもよい。
切り替えられた「仮想ラベル表示」画面においては、図6の「レイアウト」画面での編集操作を反映した仮想ラベルLI、すなわち、実際に作成されるラベルLのイメージ像として表示部13の画面上の中央部に所定の大きさで表示される。この際、仮想ラベルLIは、この「仮想ラベル表示」画面において表示位置は固定である。そして、操作者は、携帯端末10のカメラ機能を利用して、実際のラベルLを貼り付けようと意図する貼り付け対象物、すなわち、適合性の判定の対象とする対象物(例えば、後述の電気ポットP)を、撮像部12の視野に入る位置に配置し、操作ボタン欄13cのビデオアイコンを押す。これにより、撮像部12による貼り付け対象物の動画撮影が開始される。
図8は、このようにして動画撮影が開始された後の表示部13の表示状態の一例を表している。例えば、図8(a)に示すように、撮像部12により貼り付け対象物(例えば、電気ポットP)を対象として撮影すると、図8(b)に示すように、撮影された実画像(以下適宜、単に「対象物画像PI」という)が、仮想ラベルLIの背景として仮想ラベルLIと重畳するように「貼り付け位置設定(探索)」画面が表示される。なお、撮影中は、操作ボタン欄13cのビデオアイコンの近傍に、録画中であることを報知する「REC」マークが表示される。なお、録画中であることが認識できれば報知態様は任意である。
そして、操作者が携帯端末10を手で持って貼り付け対象物との位置関係を変えることにより、表示部13の画面上に表示される対象物画像PIの位置や大きさもリアルタイムで変化するが、仮想ラベルLIは、引き続き中央部での所定の大きさでの固定的な表示が維持される。これにより、携帯端末10の制御回路部15は、対象物画像PIと仮想ラベルLIとの相対位置関係を考慮して、「この対象物のこの場所になら作成したラベルLを貼り付けるのが好ましい(目立つ・目立たない)」との適合性の判定を、対象物画像PIに仮想ラベルLIを仮想貼り付けによって置き換えて適合性を判定することができる。
この際、表示部13の画面上には、生成した仮想ラベルLIの文字の色やテープ色の変更が可能となるように、テープ色と文字色とをペアとした複数のカラー選択アイコンACが表示される。なお、カラー選択アイコンACは、予め設定した文字色とテープ色とをペアとしたものである。カラー選択アイコンAC、操作者が見た目で選択が可能となるようにしている。例えば、左側にテープ色のカラー、右側に文字色のカラー、を一覧形式で表示部13に表示している。なお、このカラー選択アイコンACを表示部13に表示させるためのアイコン情報はアプリケーションに含ませることができる。この際、携帯端末10は、例えば、アプリケーションの更新情報の一部としてラベル作成装置20から取得してもよい。また、携帯端末10は、例えば、ラベル作成装置20に対してカートリッジホルダ32にセットしたカートリッジ36の種類をカートリッジホルダ32で識別させたうえで現在のテープ色情報(テープ色とテープ幅)を取得してもよい。これにより、携帯端末10は、表示部13のカラー選択アイコンACの表示のうち、現在装着中のテープ色に対応したアイコン表示を他のアイコン表示と異ならせる(例えば、大きくする)などにより操作者に認識させることができる。このように、携帯端末の10の制御回路部15は、例えば、仮想ラベルLIのテープ色及び文字色に対して、撮影した対象物画像PIの色等との相性に基づいて、ラベルLを対象物に貼り付けるのが好ましいか否かの適合性を判定し、少なくとも、好ましいとの判定結果を得たときに、その旨を報知する(詳細は後述する)。
このような基本構成において、印刷するラベルLが印字データRとしてできあがっており、印刷する文字や図形等の内容と被印字テープ35の色やサイズといった姿外観が決まっているときに、操作者が、カメラ付きスマートフォン等の携帯端末10で撮影しながら移動し、撮影した背景画像にラベルLの仮想画像(仮想ラベルLI)をリアルタイムに重ねて表示することによって、ラベルLを貼るのに一番適する部位を探してまわるシミュレーションを可能としたものである。これにより、刻々と変わる背景画像の色情報とラベルの色情報とを対比して、適合性が高いと制御回路部15が判定(若しくは、適合性の高低を判定)した場合、その旨のメッセージMが表示されるか、音声か、振動で操作者に報知することにより、ラベルを貼るのに最もふさわしい場所を探し出すことができ、ユーザにとっての利便性を向上することができるようにしたものである。
制御回路部15は、例えば、記憶部16にカラーコーディネートの適合性を示すサンプルデータをテーブル方式等で記憶しており、その記憶したサンプルデータを利用して、仮想ラベルLIと対象物画像PIとの適合性を判定することができる。なお、対象物の色合いは、撮像部12に設けた2次元のカラー撮像素子(CCD)によって認識することができる。
<制御内容>
上記のような表示内容(シミュレーション)を実行するために、制御回路部15(詳細には上記CPU)が実行する制御内容を図9のフロー図を用いて説明する。
図9において、まずステップS11で、制御回路部15は、表示部13に表示信号を出力し、操作編集用の画面としての「レイアウト」画面を表示(図6参照)させたうえで、ラベルLを作成又は編集するための操作者による操作入力内容に応じて印字データRを取得する。その後、前述の「仮想貼り付け」ボタンの操作に対応して、ステップS12に移る。なお、操作者によるラベルLの作成又は編集を行わない場合、すなわち、既に作成済みの印字データRを用いる場合には、その印字データRを記憶部16から取得するだけでよい。また、ラベルLの印字RR等が固定的に定まっている場合(テンプレート等を利用)、或は、他の装置を用いて作成・編集が行われる場合等においては、このステップS11における作成・編集操作に関連する制御回路部15のルーチンは省略され、例えば、現在のテープ色情報を含む印字データRを取得する。なお、このステップS11が各請求項記載の編集受付手順に相当する。
ステップS12では、制御回路部15は、ステップS11で取得した現在のテープ色情報を含む印字データRに基づき、ラベルLのイメージ像に対応する仮想ラベルLIを表示部13の画面上に表示させるための仮想画像データを生成してステップS13に移る。なお、生成した仮想画像データは表示部13に出力され、表示部13の画面において仮想ラベルLIが表示される(図7参照)。なお、このステップS12が各請求項記載の仮想画像生成手順に相当する。
ステップS13では、制御回路部15は、操作者が撮像部12で撮影した対象物(電気ポットP)を含む所望の視野の実画像データ(対象物画像PIの画像データを含む)を取得する。このステップS13が、各請求項記載の実画像取得手順を構成する。その後、ステップS14に移る。
ステップS14では、制御回路部15は、ステップS12で生成した仮想画像データとステップS13で取得した実画像データとを合成して合成画像データを生成する。このステップS14が、各請求項記載の合成画像生成手順を構成する。その後、ステップS15に移る。
ステップS15では、制御回路部15は、ステップS14で生成した合成画像データを表示部13に出力し、表示部13の画面上において仮想ラベルLIと対象物画像PIとを重畳して表示させる(図8参照)。なお、このステップS15が各請求項記載の重畳画像生成手順及び合成画像出力手順に相当する。
そして、ステップS16に移り、制御回路部15は、操作者の携帯端末10の操作によって、適合性の判定を制御回路部15で判定させる際のモード設定を受け付けるとともに、受け付けたモードに応じた適合性判定とするための条件の少なくとも一部とする。なお、このステップS16が各請求項記載の適合性選択手順に相当する。
例えば、制御回路部15が公知の画像認識処理機能を備えている場合には、上記ステップS13において取得した実画像データを解析し、輪郭、縁部、凹凸部、隅部、黒色部等の他の部位とは異なる特徴をもつ少なくとも2点を抽出して特徴点を設定する。この例では、対象物画像PIのうち、電気ポットPの取っ手部分の2点を特徴点として設定する(図8参照)。なお、この特徴点についても、上記同様、表示部13の画面上の適宜の操作によって操作者が任意に所望の位置に行えるようにしてもよい。
そして、ステップS17に移り、制御回路部15は、ステップS16で設定したモードに応じた条件に基づいて、ステップS12で生成した仮想ラベルLIの仮想画像データと、ステップS13で取得した実画像データとに基づき、貼り付け対象物の外観とラベルLの外観とが所望の適合性を満たすか否かを判定する。制御回路部15は、所望の適合性を満たすと判定した場合には、ステップS18に移る。一方、制御回路部15は、所望の適合性を満たすと判定しなかった場合には、適合性を満たすと判定するまでこのルーチンを繰り返す。ただし、制御回路部15は、操作者がこの適合性判定を強制的に終了させる操作を行った場合、或は、所定回数以上満たすと判定しなかった場合、このルーチンを終了する。なお、所望の適合性を満たすか否かは、動画撮影の場合には操作者の所定の判定開始操作をトリガーとして判定を行う。この際、動画撮影の場合にはリアルタイムで常に適合性の判定を行っていてもよい。ここで、制御回路部15は、実画像データの色情報と印字データのラベルを含む色情報とを抽出し、これら2つの色情報の適合性(ラベルLを背景の壁や物に対しくっきり目立たせたいモードの場合はそのような組合せになっているか、ラベルLを背景の壁や物に埋没させたいモードの場合はそのような組合せになっているか)が刻々とCPUによって演算又は比較することで判定が可能である。なお、このステップS17が各請求項記載の判定手順に相当する。
そして、ステップS18に移り、制御回路部15は、所望の適合性を満たしているとして、操作者に報知を行って、このルーチンを終了する。なお、報知の手法としては、表示部13の表示画面上に、その旨のメッセージMを表示するのでもよいし、音声の目移動等でもよい。具体的には、適合性に係わる判定結果があるしきい値以上となったことにより、「このラベルを貼るべきベストの場所はここ!」と見なされ、その時点で直ちにスマホ画面中に「This is the best place for your label」などと表示されるか、ラベル仮想画像が点滅表示するか、音声で報知されるか、バイブレーションで報知される。なお、このステップS18が各請求項記載の報知手順に相当する。なお、ステップS17で適合性を満たしていると判定されなかった場合においても、逐次、ここには適さないラベルLである旨のメッセージ等を報知することも可能である。
これによって、操作者は、ラベルを貼るべき最適な場所を認識することができる。この際、仮想ラベルLIと対象物との適合性の判定には、背景、すなわち、貼り付け対象物の色として明暗に伴う色変化を含ませることができる。また、ラベルLの色は、主に被印字テープ35の色に加え、ラベルLに印字形成されるインクの色を考慮してもよい。判定方法の色情報としてはRGB値を用いて計算する。この際、適合性の判定には、単なる色合いだけでなく、時間帯や季節等に応じた色合いで判定させることも可能である。これにより、例えば、ホテルのモーニングビュッフェに出す際の調理内容のラベルと、同じ調理物でも夜に出す場合のラベルと、で好感度の色合いは変わってくる。したがって、判定基準にはこのような条件を含ませてもよい。
さらに、適合性の判定には、ラベルLの利用目的、例えば、背景に対してラベルをくっきりと目立たせたい場合と、逆に、なるべく目立たないようにラベルを背景に対し埋没させたい場合、とを想定することができる。例えば、印字の内容が「傘の忘れ注意!」等の文字であった場合、テープの色を青とすると、その青に見合った対象物を探すことによって、場所だけでなく目的に応じたイメージを含む適合性を判定することができる。
ここで、背景に対してラベルをくっきり目立たせたい場合には、背景の色(RGB値)とテープの色(RGB値)とが、かなり大きめに設定した所定のしきい値以上であるか否かによって的お剛性を判定することができる。これとは逆に、なるべく目立たないようにラベルLを背景に対し埋没させたい場合には、背景の色(RGB値)とテープの色(RGB値)とが、所定の範囲(例えば、0に近い所定のしきい値以上でかつそれよりは大きいがかなり小さめのしきい値以下)であるか否かによって判定することができる。なお、上述したカラーコーディネートの組み合わせによって判定してもよい。したがって、このような適合性の判定は、作成済みの印字データR全般、すなわち、「ラベルLに合う背景探し」だけでなく、「背景に合うラベル探し」の技術においても適用可能である。
さらに、目立つ・目立たない適合性の判定には、貼り付け対象物とラベルLとの相対的な大きさも要因とすることができる。すなわち、同じ大きさのラベルLであっても、狭い場所に貼る場合は目立ち、広い場所に貼る場合には目立ちにくくなる。したがって、このような対象物とラベルLとの面積比等を判定条件に含ませることが可能である。
なお、測距部17は、例えば、光センサー等の公知の距離測定の手法により携帯端末10と対象物との間の距離を測定し、画角により対象物の外形寸法、凹凸形状等の実際の大きさを取得する。これにより、制御回路部15は、取得した対象物の外形寸法等に応じて、仮想ラベルLIを変倍して表示させてもよい。
このように、携帯端末10は、仮想画像データを生成する仮想画像生成手順(ステップS12)と、撮像部12により撮影された、貼り付け対象物を含む所望の視野の実画像データを取得する実画像取得手順(ステップS13)と、実画像取得手順で取得した実画像データと仮想画像生成手順で生成した仮想画像データとを合成して合成画像データを生成する合成画像生成手順(ステップS14)と、合成画像生成手順で生成された合成画像データを表示部13に出力し、表示部13において所望の視野の画像中に仮想ラベルLIを重畳させて表示する合成画像出力手順(ステップS15)と、実画像取得手順で取得した実画像データと仮想画像生成手順で生成した仮想画像データとに基づき、貼り付け対象物の外観とラベルLの外観とが所望の適合性を満たすか否かを判定する判定手順(ステップS17)と、判定手順で適合性を満たすと判定された場合に、所定の適合報知(表示部13での表示;音声報知;振動報知)を行う報知手順(ステップS18)と、を実行するものである。
したがって、仮想ラベル表示処理プログラムは、操作者が作成する予定のラベルLを貼るのに最もふさわしい場所を探すのに用いられる。すなわち、仮想ラベル表示処理プログラムが携帯端末10の制御回路部15で実行されると、まず仮想画像データが生成される(仮想画像生成手順)。このデータは、例えば適宜の編集画面において操作者が表示部13のタッチパネルを介し編集操作を行った結果を反映したものでもよいし、予め完成された状態のラベルLの印字データであってもよい。そして操作者が携帯端末10の撮像部12により、貼り付け対象物を含む所望の視野を撮影すると、その撮影結果に対応した実画像データが取得される(実画像取得手順)。これによって、仮想画像データと実画像データとが合成され(合成画像生成手順)、その合成画像データが表示部13に出力される(合成画像出力手順)。これにより、表示部13において、所望の視野の画像中に仮想ラベルLIが重なった状態で表示されるので、操作者は、視野画像中の貼り付け対象物に対しラベルLが貼り付けられたときの仮想外観態様を、視覚的に容易にイメージすることができる。
ここで、携帯端末10においては、このような貼り付け対象物の外観と、それに貼られるラベルLの外観との、所望の適合性を判定することができる。適合性の例としては、ラベルLを貼り付け対象物に貼り付けたときにラベルLがくっきりと浮かびあがって見える(くっきり感としての明瞭度)か否か、あるいは逆に、ラベルLを貼り付け対象物に貼り付けたときにラベルLがほどよく埋没して見える(目立たない感としての埋没度)か否か、等が考えられる。実画像データと仮想画像データとに基づき、判定手順において、所望の適合性を満たすか否かが判定される。そして、判定が満たされた場合には、報知手順において、操作者に対し、適合性を満たす旨の適合報知が行われる。
以上のような処理が行われることにより、操作者は、作成予定の仮想ラベルLIを表示部13に表示させた状態で、携帯端末10を動かしたり手に持って移動して種々の場所を撮像してまわることで、その「ラベルLを貼るのに最もふさわしい場所を探し出すことができる。この結果、操作者にとっての利便性を向上することができる。
この際、表示部13における仮想ラベルLIの表示位置は、視野の変動にかかわらず略固定となる、合成画像データを生成することにより、操作者が携帯端末10を動かしたり手に持って移動しつつ撮像して、表示部13に表示されている視野が刻々と変化した場合であっても、仮想ラベルLIは変わることなく表示部13中の同一位置に表示させることができる。
なお、図8(b)の3か所の黒点で示すように、対象物画像PIと仮想ラベルLIとの間に三角形の位置相関を設定すれば、ある固定的な対応関係を維持することが可能となる。これにより、撮像部12の撮像する視野が変動して表示部13で表示される対象物画像PIが動いたり大きさが変わったとしても、それに追従するように仮想ラベルLIを動かしたり大きさを変えることができる。この結果、現実世界では貼り付け対象物(この例では電気ポットP)にまだラベルLが貼り付けられていない状態にもかかわらず、表示部13の表示において、あたかもラベルLを対象物に貼り付けたかのような状態を仮想的に実現することができる。これにより、実際にラベルLを対象物を貼り付けるより前に、貼り付けた時の態様を視覚的にシミュレーションすることができる。また、視野を変えた種々の状態で仮想ラベルLIをシミュレーションできるので、操作者はより実際の貼り付け状態に近い感覚を得ることができ、利便性を向上することができる。
また、実画像データのうち所望の視野よりも狭くかつ貼り付け対象物を含む所定範囲(貼り付け部位)の色情報と、仮想画像データの色情報とに基づき、適合性を判定することにより、例えば色情報としてのRGB値等を用いることで、数値的な演算処理によって適合性の判定を行うことができる。
所望の適合性として、少なくとも、ラベルLを貼り付け対象物に貼り付けたときのラベルLの明瞭度(くっきり感)が所定のしきい値以上であるか否かを判定することにより、操作者が作成予定のラベルLを貼ったときに最もくっきりと見える、最適な場所を探し出すことができる。
逆に、所望の適合性として、少なくとも、ラベルLを貼り付け対象物に貼り付けたときのラベルLの埋没度(目立たない感)が所定の範囲内であるか否かを判定することにより、操作者が作成予定のラベルLを貼ったときにほどよく埋没する、最適な場所を探し出すことができる。
このように、制御回路部15に対し、表示部13のタッチパネルを介した、所望の適合性の内容の選択入力を受け付ける適合性選択手順(ステップS16)をさらに実行させ、貼り付け対象物の外観とラベルLの外観とが、適合性選択手順で受け付けた所望の適合性を満たすか否かを判定することにより、操作者は、例えば、作成予定のラベルLを貼ったときに最もくっきりと見える場所を探すのか、あるいは、作成予定のラベルLを貼ったときにほどよく埋没する場所を探すのか、を選択入力することができる。
制御回路部15は、実画像データに基づく貼り付け対象物の外観に基づき、ラベルLの外観サイズを変倍した態様の仮想画像データと当該実画像データとを合成して重畳させた、合成画像データを生成することにより、例えば貼り付け対象物の色や形状等により、所望の適合性(くっきり目立たせたい、若しくは、ほどよく埋没させたい)を満たすためにラベルLを変倍(拡大又は縮小)したほうがベターである場合に、その旨を操作者に対し視覚的に認識させることができる。
しかも、制御回路部15に対し、さらに、ラベルLの印字内容に対する編集操作を受け付ける編集受付手順(ステップS11)を実行させ、編集受付手順で受け付けた編集操作を反映した仮想画像データを生成することにより、操作者がラベルLにおいて印字表記するために行った編集操作結果を反映した形で、表示部13中に仮想ラベルLIを表示することができる。
また、本実施形態では特に、表示部13に表示したレイアウト画面(図6参照)において、操作者は、編集操作を行うことで、印字RR等のラベルLの態様を所望に設定することができる。この結果、のように操作者が所望に印字RR等を設定したラベルLに対応した仮想ラベルLIを、(実際にラベルLを作成する前に)仮想的に対象物に貼り付けた状態で表示させることができる。
なお、以上においては、撮像部12により撮像しつつ、貼り付け対象物(の例では電気ポットP)に対して携帯端末10で撮影することによって、予め作成したラベルLのための印字データRに基づく仮想ラベルLIを生成し、その仮想ラベルLIを貼るのにふさわしい場所を探すことを例にとって説明した(図8参照)。
しかしながらこれに限られず、例えば、予め作成した印字データRは一つに限定されるものではない。すなわち、印字する内容は全く同じであっても、ラベルLのサイズや色、文字の色等を変えて複数種類のラベルLのための印字データRを作成する場合がある。このような場合、ラベルLを貼りたい場所が既に決まっているときに、操作者が、携帯端末10でその場所を撮影すると、表示部13の画面上に表示した撮影背景画像の脇に、上述したカラー選択アイコンACに替えて、すでに作成した印字データRに基づく仮想ラベルLIを一覧表示される。そして、そのうちの1つ選択すると、その選択した仮想ラベルLIが対象物画像PIを背景としてリアルタイムに重ねて表示される。別のテープを選択すると、選択した仮想ラベルLIと入れ替わる。これを繰り返すことで、その場所に貼るのに一番適したテープ色の仮想ラベルLIとの適合性を制御回路部15に判定させてもよい。
具体的に、操作者がラベルLを貼る場所を先に決定した後で、既に作成したどの色のラベルLが適合するかの一例を説明する。
この場合、携帯端末10により、ラベルLを貼る場所(壁や物や装置など)を撮影し、その撮影画像を表示部13の画面上に表示させる。
その後、操作者が携帯端末10を適宜に操作することで、記憶部16に予め記憶していた複数種類のラベルLに対する仮想ラベルLIが、表示部13の画面上に一覧表示される(対象物画像PIとは重ならず別枠で表示するが、重なって表示しても良い)。
そして、操作者が、表示部13の画面上に一覧表示したいずれか1つのラベルLの見本を選択することにより、制御回路部15が対応した仮想ラベルLIを画面上の中央に表示切り替えする。これにより、あたかも対象物画像PIにラベルLが貼られているかのような重なったバーチャル表示がリアルタイムで行われると同時に、適合性を判定することができる。
なお、図3に示すブロック図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図4、図9に示すフロー図のルーチンは本発明を上記ルーチンに限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS16に示した適法性判定のための条件設定(適合性選択手順)は、ステップS11におけるラベルLの作成・編集と同時、或は、その直後に受け付けるようにしてもよい。すなわち、制御回路部15によって適合性を判定する前のルーチンであって印字データRを取得した後であればどのタイミングで行ってもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。また、携帯端末10は。カメラ機能、表示機能、通信機能、を有していて携帯性に優れたものであれば、上述したスマートフォンに限らず、例えば、タブレット端末は勿論、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等でもよい。さらに、図10に示すように、スマートフォン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、などの表示部13のタッチパネルを操作部14として用いることができるため、ラベル作成装置20の表示部22並びに操作部23を廃止(若しくは省略)することができる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。