JP2020113388A - 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー - Google Patents
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Abstract
【課題】熱源の種々の形態に順応可能であって、軽量で、弾性変形性に富み、放熱効率に優れ、かつ、複数の熱源各々における放熱性の均一化を高めることが可能な放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーを提供する。【解決手段】バッテリー1は、熱源20からの放熱を高める複数の放熱部材28が連結された放熱構造体25であって、放熱部材28は、熱源20からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シートと、熱伝導シートの環状裏面に備えられ、熱伝導シートに比べて熱源20の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材と、熱伝導シートの巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路と、を備える。複数の放熱部材28の長さ方向両側に、貫通路に挿入可能な複数の凸部を有する位置決め部材を備える放熱構造体25を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、放熱構造体およびそれを備えるバッテリーに関する。
自動車、航空機、船舶あるいは家庭用若しくは業務用電子機器の制御システムは、より高精度かつ複雑化してきており、それに伴って、回路基板上の小型電子部品の集積密度が増加の一途を辿っている。この結果、回路基板周辺の発熱による電子部品の故障や短寿命化を解決することが強く望まれている。
回路基板からの速やかな放熱を実現するには、従来から、回路基板自体を放熱性に優れた材料で構成し、ヒートシンクを取り付け、あるいは放熱ファンを駆動するといった手段を単一で若しくは複数組み合わせて行われている。これらの内、回路基板自体を放熱性に優れた材料、例えばダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)、立方晶窒化ホウ素(cBN)等から構成する方法は、回路基板のコストを極めて高くしてしまう。また、放熱ファンの配置は、ファンという回転機器の故障、故障防止のためのメンテナンスの必要性や設置スペースの確保が難しいという問題を生じる。これに対して、放熱フィンは、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)を用いた柱状あるいは平板状の突出部位を数多く形成することによって表面積を大きくして放熱性をより高めることのできる簡易な部材であるため、放熱部品として汎用的に用いられている(特許文献1を参照)。
ところで、現在、世界中で、地球環境への負荷軽減を目的として、従来からのガソリン車あるいはディーゼル車を徐々に電気自動車に転換しようとする動きが活発化している。特に、フランス、オランダ、ドイツをはじめとする欧州諸国の他、中国でも、2040年までにガソリン車とディーゼル車から完全に電気自動車に切り替えることを宣言している。電気自動車の普及には、高性能バッテリーの開発の他、多数の充電スタンドの設置などが必要となる。特に、リチウム系の自動車用バッテリーの充放電機能を高めるための技術開発が重要である。上記自動車バッテリーは、摂氏60度以上の高温下では充放電の機能を十分に発揮できないことが良く知られている。このため、先に説明した回路基板と同様、バッテリーにおいても、放熱性を高めることが重要視されている。
バッテリーの速やかな放熱を実現するには、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属製の筐体に水冷パイプを配置し、当該筐体にバッテリーセルを多数配置し、バッテリーセルと筐体の底面との間に密着性のゴムシートを挟んだ構造が採用されている。このような構造のバッテリーでは、バッテリーセルは、ゴムシートを通じて筐体に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。
しかし、上述のような従来のバッテリーにおいて、ゴムシートは、アルミニウムやグラファイトと比べて熱伝導性が低いため、バッテリーセルから筐体に効率よく熱を移動させることが難しい。また、ゴムシートに代えてグラファイト等のスペーサを挟む方法も考えられるが、複数のバッテリーセルの下面が平らではなく段差を有することから、バッテリーセルとスペーサとの間に隙間が生じ、伝熱効率が低下する。かかる一例にもみられるように、バッテリーセルは種々の形態(段差等の凹凸あるいは表面状態を含む)をとり得ることから、バッテリーセルの種々の形態に順応可能であって高い伝熱効率を実現することの要望が高まっている。また、高い伝熱効率を実現するためには、多数のバッテリーセルの温度が均一となるように、多数のバッテリーセル各々から均一に放熱させることが望ましい。さらには、バッテリーセルの容器の材質をより軽量で弾性変形することが要望されており、バッテリーセルの軽量化やバッテリーセルを除去したときに元の形状に近い形状に戻る放熱構造体が望まれている。これは、バッテリーセルのみならず、回路基板、電子部品あるいは電子機器本体のような他の熱源にも通じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱源の種々の形態に順応可能であって、軽量で、弾性変形性に富み、放熱効率に優れ、かつ複数の熱源各々における放熱性の均一化を高めることが可能な放熱構造体、および当該放熱構造体を備えるバッテリーを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る放熱構造体は、熱源からの放熱を高める複数の放熱部材が連結された放熱構造体であって、前記放熱部材は、前記熱源からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シートと、前記熱伝導シートの環状裏面に備えられ、前記熱伝導シートに比べて前記熱源の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材と、前記熱伝導シートの巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路と、を備え、前記複数の放熱部材の長さ方向両側に、前記貫通路に挿入可能な複数の凸部を有する位置決め部材を備える。
(2)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記位置決め部材は、複数の前記放熱部材が、その長さ方向と直交する方向であって前記複数の放熱部材が並んだ方向に長い長尺部材と、前記長さ方向に直交する方向に沿って前記長尺部材に所定間隔で配列される前記複数の凸部と、を備える。
(3)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記クッション部材は、前記長さ方向に前記貫通路を有する筒状クッション部材であって、前記熱伝導シートは、前記筒状クッション部材の外側面をスパイラル状に巻回している。
(4)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記クッション部材は、前記熱伝導シートの前記環状裏面に沿ってスパイラル状に巻回しているスパイラル状クッション部材である。
(5)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記位置決め部材は、前記複数の放熱部材の前記貫通路それぞれに挿入可能な前記複数の凸部を有する。
(6)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記複数の放熱部材は、前記長さ方向と直交する方向に並んだ状態で、前記位置決め部材により連結される。
(7)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記複数の放熱部材を前記長さ方向と直交する方向に並べた状態で連結する連結部材を備え、前記連結部材は、糸で構成される。
(8)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記連結部材は、前記複数の放熱部材の間に、撚りが加えられた撚り部を備える。
(9)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記凸部が前記貫通路に挿入された状態において、前記凸部と前記貫通路との間に隙間を有する。
(10)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記位置決め部材は、前記長さ方向と直交する方向において、2以上に分割可能に構成される。
(11)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記複数の放熱部材を前記長さ方向と直交する方向に並べて形成される放熱連結体が2以上連結して構成されており、前記位置決め部材は、1つの前記放熱連結体の前記貫通路と当該1つの放熱連結体と異なる他の前記放熱連結体の前記貫通路とに挿入可能な複数の前記凸部を有し、前記1つの放熱連結体と前記他の放熱連結体とを連結する。
(12)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記熱伝導シートの表面に、当該表面に接触する熱源から当該表面への熱伝導性を高めるための熱伝導性オイルを有する。
(13)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記熱伝導性オイルは、シリコーンオイルと、前記シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。
(14)一実施形態に係るバッテリーは、冷却部材を流す構造を持つ筐体内に、1または2以上の熱源としてのバッテリーセルを備えたバッテリーであって、前記バッテリーセルと前記筐体との間に、上述のいずれか1項に記載の放熱構造体を備える。
(15)別の実施形態に係るバッテリーでは、好ましくは、前記位置決め部材は、隣り合う前記凸部の間隔を変化させて備え、複数の前記バッテリーセルのうち、温度の高い位置に前記放熱部材を密集させている。
本発明によれば、熱源の種々の形態に順応可能であって、軽量で、弾性変形性に富み、放熱効率に優れ、かつ複数の熱源各々における放熱性の均一化を高めることが可能な放熱構造体、および当該放熱構造体を備えるバッテリーを提供できる。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放熱構造体の一部分解斜視図を示す。図2は、第1実施形態に係る放熱構造体の平面図(2A)、当該(2A)におけるA−A線断面図(2B)、および当該断面図中の領域Bの拡大図(2C)をそれぞれ示す。図3は、第1実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(3A)および当該(3A)中のバッテリーセルによって放熱構造体を圧縮する前後の放熱構造体の形態変化の断面図(3B)をそれぞれ示す。
図1は、第1実施形態に係る放熱構造体の一部分解斜視図を示す。図2は、第1実施形態に係る放熱構造体の平面図(2A)、当該(2A)におけるA−A線断面図(2B)、および当該断面図中の領域Bの拡大図(2C)をそれぞれ示す。図3は、第1実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(3A)および当該(3A)中のバッテリーセルによって放熱構造体を圧縮する前後の放熱構造体の形態変化の断面図(3B)をそれぞれ示す。
バッテリー1は、図3に示すように、冷却部材15を接触させる筐体11内に複数のバッテリーセル20を備えた構造を有する。放熱構造体25は、好ましくは、熱源の一例であるバッテリーセル20の冷却部材15に近い側の端部(下端部)と冷却部材15に近い側の筐体11の一部(底部12)との間に備えられている。ここでは、放熱構造体25は、11個のバッテリーセル20を載置しているが、放熱構造体25に載置するバッテリーセル20の個数は11個に限定されない。また、バッテリー1に備えられる放熱構造体25を構成する放熱部材28の個数についても、特に限定されない。
放熱構造体25は、バッテリーセル20からの放熱を高める複数の放熱部材28が連結された構造体である。放熱部材28は、バッテリーセル20からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シート30と、熱伝導シート30の環状裏面に備えられ、熱伝導シート30に比べてバッテリーセル20の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材31と、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路32と、を備える。また、放熱構造体25は、複数の放熱部材28の長さ方向(図1のY方向)両側に、貫通路32に挿入可能な複数の凸部52を有する位置決め部材50を備える。ここでは、熱伝導シート30は、好ましくは、クッション部材31に比べて熱伝導性に優れる材料からなる。クッション部材31は、好ましくは、その長さ方向に貫通路32を有する筒状クッション部材である。熱伝導シート30は、当該筒状クッション部材の外側面をスパイラル状に巻回している。また、放熱構造体25は、好ましくは、複数の放熱部材28の長さ方向と直交する方向(図1のX方向)に並べた状態で連結する連結部材35を備える。また、放熱構造体25は、好ましくは、熱伝導シート30の表面および/またはその内部に、当該表面に接触するバッテリーセル20から当該表面への熱伝導性を高めるための熱伝導性オイルを有する。放熱構造体25を構成する複数の放熱部材28は、バッテリーセル20を載置していない状態では略円筒形状を有しているが、バッテリーセル20を載置するとその重さで圧縮され扁平の形態になる。
熱伝導シート30は、放熱部材28の外側面をスパイラル状に巻回しながら略円筒の長さ方向に進行する帯状のシートである。熱伝導シート30は、金属、炭素若しくはセラミックスの少なくとも1つを含むシートであってバッテリーセル20からの熱を冷却部材15へと伝導させる機能を有する。なお、本願では、「断面」あるいは「縦断面」とは、バッテリー1の筐体11の内部14における上方開口面から底部12へと垂直に切断する方向の断面を意味する。
次に、バッテリー1の概略構成および放熱構造体25の構成部材について、より詳しく説明する。
(1)バッテリーの構成の概略
この実施形態において、バッテリー1は、例えば、電気自動車用のバッテリーであって、多数のバッテリーセル(単に、セルと称しても良い。)20を備える。バッテリー1は、一方に開口する有底型の筐体11を備える。筐体11は、好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム基合金から成る。バッテリーセル20は、筐体11の内部14に配置される。バッテリーセル20の上方には、電極(不図示)が突出して設けられている。複数のバッテリーセル20は、好ましくは、筐体11内において、その両側からネジ等を利用して圧縮する方向に力を与えられて、互いに密着するようになっている(不図示)。筐体11の底部12には、冷却部材15の一例である冷却水を流すために、1または複数の水冷パイプ13が備えられている。冷却部材は、冷却媒体あるいは冷却剤と称しても良い。バッテリーセル20は、底部12との間に、放熱構造体25を挟むようにして筐体11内に配置されている。このような構造のバッテリー1では、バッテリーセル20は、放熱構造体25を通じて筐体11に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。なお、冷却部材15は、冷却水に限定されず、液体窒素、エタノール等の有機溶剤も含むように解釈される。冷却部材15は、冷却に用いられる状況下にて、液体であるとは限らず、気体あるいは固体でも良い。
この実施形態において、バッテリー1は、例えば、電気自動車用のバッテリーであって、多数のバッテリーセル(単に、セルと称しても良い。)20を備える。バッテリー1は、一方に開口する有底型の筐体11を備える。筐体11は、好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム基合金から成る。バッテリーセル20は、筐体11の内部14に配置される。バッテリーセル20の上方には、電極(不図示)が突出して設けられている。複数のバッテリーセル20は、好ましくは、筐体11内において、その両側からネジ等を利用して圧縮する方向に力を与えられて、互いに密着するようになっている(不図示)。筐体11の底部12には、冷却部材15の一例である冷却水を流すために、1または複数の水冷パイプ13が備えられている。冷却部材は、冷却媒体あるいは冷却剤と称しても良い。バッテリーセル20は、底部12との間に、放熱構造体25を挟むようにして筐体11内に配置されている。このような構造のバッテリー1では、バッテリーセル20は、放熱構造体25を通じて筐体11に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。なお、冷却部材15は、冷却水に限定されず、液体窒素、エタノール等の有機溶剤も含むように解釈される。冷却部材15は、冷却に用いられる状況下にて、液体であるとは限らず、気体あるいは固体でも良い。
(2)熱伝導シート
熱伝導シート30は、好ましくは炭素を含むシートであり、さらに好ましくは炭素フィラーと樹脂とを含むシートである。樹脂を合成繊維とすることもでき、その場合には、好適に、アラミド繊維を用いることもできる。本願でいう「炭素」は、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、膨張黒鉛、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。熱伝導シート30は、この実施形態では、樹脂に、グラファイト繊維やカーボン粒子を配合分散した材料を硬化させた薄いシートとすることができる。熱伝導シート30は、メッシュ状に編んだカーボンファイバーであっても良く、さらには混紡してあっても混編みしてあっても良い。なお、グラファイト繊維、カーボン粒子あるいはカーボンファイバーといった各種フィラーも、すべて、炭素フィラーの概念に含まれる。
熱伝導シート30は、好ましくは炭素を含むシートであり、さらに好ましくは炭素フィラーと樹脂とを含むシートである。樹脂を合成繊維とすることもでき、その場合には、好適に、アラミド繊維を用いることもできる。本願でいう「炭素」は、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、膨張黒鉛、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。熱伝導シート30は、この実施形態では、樹脂に、グラファイト繊維やカーボン粒子を配合分散した材料を硬化させた薄いシートとすることができる。熱伝導シート30は、メッシュ状に編んだカーボンファイバーであっても良く、さらには混紡してあっても混編みしてあっても良い。なお、グラファイト繊維、カーボン粒子あるいはカーボンファイバーといった各種フィラーも、すべて、炭素フィラーの概念に含まれる。
熱伝導シート30に樹脂を含む場合には、当該樹脂が熱伝導シート30の全質量に対して50質量%を超えていても、あるいは50質量%以下であっても良い。すなわち、熱伝導シート30は、熱伝導に大きな支障が無い限り、樹脂を主材とするか否かを問わない。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、熱源の一例であるバッテリーセル20からの熱を伝導する際に溶融しない程度の高融点を備える樹脂が好ましく、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリアミド(アラミド繊維)等を好適に挙げることができる。樹脂は、熱伝導シート30の成形前の状態において、炭素フィラーの隙間に、例えば粒子状あるいは繊維状に分散している。熱伝導シート30は、炭素フィラー、樹脂の他、熱伝導をより高めるためのフィラーとして、AlNあるいはダイヤモンドを分散していても良い。また、樹脂に代えて、樹脂よりも柔軟なエラストマーを用いても良い。熱伝導シート30は、また、上述のような炭素に代えて若しくは炭素と共に、金属および/またはセラミックスを含むシートとすることができる。金属としては、アルミニウム、銅、それらの内の少なくとも1つを含む合金などの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。また、セラミックスとしては、AlN、cBN、hBNなどの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。
熱伝導シート30は、導電性に優れるか否かは問わない。熱伝導シート30の熱伝導率は、好ましくは10W/mK以上である。この実施形態では、熱伝導シート30は、好ましくは、グラファイト、アルミニウム、アルミニウム合金、銅あるいはステンレススチールの帯状の板であり、熱伝導性と導電性に優れる材料から成る。熱伝導シート30は、湾曲性(若しくは屈曲性)に優れるシートであるのが好ましく、その厚さに制約はないが、0.02〜3mmが好ましく、0.03〜0.5mmがより好ましい。ただし、熱伝導シート30の熱伝導率は、その厚さが増加するほど低下するため、シートの強度、可撓性および熱伝導性を総合的に考慮して、その厚さを決定するのが好ましい。
(3)クッション部材
クッション部材31の重要な機能は変形容易性と、回復力である。回復力は、弾性変形性による。変形容易性は、バッテリーセル20の形状に追従するために必要な特性であり、特にリチウムイオンバッテリーなどの半固形物、液体的性状も持つ内容物などを変形しやすいパッケージに収めてあるようなバッテリーセル20の場合には、設計寸法的にも不定形または寸法精度があげられない場合が多い。このため、クッション部材31の変形容易性や追従力を保持するための回復力の保持は重要である。
クッション部材31の重要な機能は変形容易性と、回復力である。回復力は、弾性変形性による。変形容易性は、バッテリーセル20の形状に追従するために必要な特性であり、特にリチウムイオンバッテリーなどの半固形物、液体的性状も持つ内容物などを変形しやすいパッケージに収めてあるようなバッテリーセル20の場合には、設計寸法的にも不定形または寸法精度があげられない場合が多い。このため、クッション部材31の変形容易性や追従力を保持するための回復力の保持は重要である。
クッション部材31は、この実施形態では貫通路32を備える筒状クッション部材である。クッション部材31は、複数のバッテリーセル20の下端部が平坦でない場合でも、熱伝導シート30と当該下端部との接触を良好にする。さらに、貫通路32は、クッション部材31の変形を容易にし、加えて放熱構造体25の軽量化に寄与し、また、熱伝導シート30とバッテリーセル20の下端部との接触を高める機能を有する。クッション部材31は、バッテリーセル20と底部12との間にあってクッション性を発揮させる機能の他に、熱伝導シート30に加わる荷重によって熱伝導シート30が破損等しないようにする保護部材としての機能も有する。この実施形態では、クッション部材31は、熱伝導シート30に比べて低熱伝導性の部材である。なお、この実施形態では、貫通路32は、断面円形状に形成されているが、貫通路32の断面形状は円に限定されず、例えば、多角形、楕円形、半円形、頂点が丸みを帯びた略多角形等であっても良い。また、貫通路32は、例えば、断面円形状が上下または左右に2つに分割された2の断面半円形状の貫通路等、複数の貫通路から構成されていても良い。
クッション部材31は、好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を含むように構成される。クッション部材31は、熱伝導シート30を伝わる熱によって溶融あるいは分解等せずにその形態を維持できる程度の耐熱性の高い材料から構成されるのが好ましい。この実施形態では、クッション部材31は、より好ましくは、ウレタン系エラストマー中にシリコーンを含浸したもの、あるいはシリコーンゴムにより構成される。クッション部材31は、その熱伝導性を少しでも高めるために、ゴム中にAlN、cBN、hBN、ダイヤモンドの粒子等に代表されるフィラーを分散して構成されていても良い。クッション部材31は、その内部に気泡を含むものの他、気泡を含まないものでも良い。また、「クッション部材」は、柔軟性に富み、熱源の表面に密着可能に弾性変形可能な部材を意味し、かかる意味では「ゴム状弾性体」と読み替えることもできる。さらに、クッション部材31の変形例としては、上記ゴム状弾性体ではなく、金属を用いて構成することもできる。例えば、クッション部材31は、バネ鋼で構成することも可能である。さらに、クッション部材31として、コイルバネを配置することも可能である。また、スパイラル状に巻いた金属をバネ鋼にしてクッション部材として熱伝導シート30の環状裏面に配置しても良い。また、クッション部材31は、樹脂やゴム等から形成されたスポンジあるいはソリッド(スポンジのような多孔質ではない構造のもの)で構成することも可能である。
(4)連結部材
連結部材35は、例えば、糸やゴム等、少なくとも複数の放熱部材28の間に位置する部分が変形自在な材料で構成された部材である。本実施形態において、連結部材35は、糸で構成されることが好ましく、バッテリーセル20からの放熱による温度上昇に耐え得る糸であることがより好ましい。より具体的には、連結部材35は、120℃程度の高温に耐え得る糸であって、天然繊維、合成繊維、カーボン繊維、金属繊維等の繊維からなる撚糸で構成されることが好ましい。また、連結部材35は、好ましくは、複数の放熱部材28の間に、撚りが加えられた撚り部37を備える(図2(2C)参照)。放熱構造体25は、放熱部材28がバッテリーセル20により圧縮され扁平した形態となっても、放熱部材28の変形に追従して連結部材35が撓むため、バッテリーセル20の表面に追従・密着することができる。また、放熱構造体25は、複数の放熱部材28の間に撚り部37を備えることにより、バッテリーセル20の表面への追従・密着性をより高めることができる。なお、連結部材35は、必ずしも、撚り部37を有していなくても良い。
連結部材35は、例えば、糸やゴム等、少なくとも複数の放熱部材28の間に位置する部分が変形自在な材料で構成された部材である。本実施形態において、連結部材35は、糸で構成されることが好ましく、バッテリーセル20からの放熱による温度上昇に耐え得る糸であることがより好ましい。より具体的には、連結部材35は、120℃程度の高温に耐え得る糸であって、天然繊維、合成繊維、カーボン繊維、金属繊維等の繊維からなる撚糸で構成されることが好ましい。また、連結部材35は、好ましくは、複数の放熱部材28の間に、撚りが加えられた撚り部37を備える(図2(2C)参照)。放熱構造体25は、放熱部材28がバッテリーセル20により圧縮され扁平した形態となっても、放熱部材28の変形に追従して連結部材35が撓むため、バッテリーセル20の表面に追従・密着することができる。また、放熱構造体25は、複数の放熱部材28の間に撚り部37を備えることにより、バッテリーセル20の表面への追従・密着性をより高めることができる。なお、連結部材35は、必ずしも、撚り部37を有していなくても良い。
(5)位置決め部材
位置決め部材50は、放熱部材28の長さ方向(図1のY方向)両側に設けられる部材である(図1を参照)。位置決め部材50は、バッテリーセル20からの放熱による温度上昇に耐え得る樹脂あるいはゴムで形成されることが好ましい。また、位置決め部材50は、好ましくは、放熱部材28の長さ方向に直交する方向であって複数の放熱部材28が並んだ方向(図1のX方向)に長い長尺部材51と、放熱部材28の長さ方向に直交する方向(長尺部材51の長さ方向)に沿って長尺部材51に所定間隔で配置される複数の凸部52と、を備える。複数の凸部52は、好ましくは、複数の放熱部材28の貫通路32それぞれに挿入される。すなわち、放熱構造体25を構成する複数の放熱部材28の貫通路32には、位置決め部材50の凸部52がそれぞれ挿入されていることが好ましい。位置決め部材50は、放熱部材28の貫通孔32に凸部52が挿入されることにより、放熱構造体25における複数の放熱部材28の位置決めを行い、かつ複数の放熱部材28を連結する役割を担う。高い伝熱効率を実現するためには、多数のバッテリーセル20各々の温度が均一となるように、多数のバッテリーセル20各々から均一に放熱させることが望ましい。そのためには、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28の数が均一となるように、複数の放熱部材28を配置することが好ましい。放熱構造体25は、位置決め部材50により複数の放熱部材28が位置決めされるため、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28の数が均一となるよう放熱部材28を配置できる。したがって、放熱構造体25は、多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることができ、高い伝熱効率を実現できる。なお、位置決め部材50は、バッテリーセル20からの放熱により変形しない材料であれば、樹脂あるいはゴムに限定されず、例えば、金属、プラスチック、木材、セラミックス等で形成されていても良い。また、ここでは、位置決め部材50は、5個の凸部52を有しているが、凸部52の個数は5個に限定されない。また、凸部52は、円柱形状に限定されず、貫通路32に挿入可能な形状であれば種々の形状を採ることができる。また、凸部52は、その長さに特に制約はなく、少なくとも複数の放熱部材28の貫通路32に挿入した場合に放熱部材28を位置決め可能な長さであれば良い。
位置決め部材50は、放熱部材28の長さ方向(図1のY方向)両側に設けられる部材である(図1を参照)。位置決め部材50は、バッテリーセル20からの放熱による温度上昇に耐え得る樹脂あるいはゴムで形成されることが好ましい。また、位置決め部材50は、好ましくは、放熱部材28の長さ方向に直交する方向であって複数の放熱部材28が並んだ方向(図1のX方向)に長い長尺部材51と、放熱部材28の長さ方向に直交する方向(長尺部材51の長さ方向)に沿って長尺部材51に所定間隔で配置される複数の凸部52と、を備える。複数の凸部52は、好ましくは、複数の放熱部材28の貫通路32それぞれに挿入される。すなわち、放熱構造体25を構成する複数の放熱部材28の貫通路32には、位置決め部材50の凸部52がそれぞれ挿入されていることが好ましい。位置決め部材50は、放熱部材28の貫通孔32に凸部52が挿入されることにより、放熱構造体25における複数の放熱部材28の位置決めを行い、かつ複数の放熱部材28を連結する役割を担う。高い伝熱効率を実現するためには、多数のバッテリーセル20各々の温度が均一となるように、多数のバッテリーセル20各々から均一に放熱させることが望ましい。そのためには、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28の数が均一となるように、複数の放熱部材28を配置することが好ましい。放熱構造体25は、位置決め部材50により複数の放熱部材28が位置決めされるため、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28の数が均一となるよう放熱部材28を配置できる。したがって、放熱構造体25は、多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることができ、高い伝熱効率を実現できる。なお、位置決め部材50は、バッテリーセル20からの放熱により変形しない材料であれば、樹脂あるいはゴムに限定されず、例えば、金属、プラスチック、木材、セラミックス等で形成されていても良い。また、ここでは、位置決め部材50は、5個の凸部52を有しているが、凸部52の個数は5個に限定されない。また、凸部52は、円柱形状に限定されず、貫通路32に挿入可能な形状であれば種々の形状を採ることができる。また、凸部52は、その長さに特に制約はなく、少なくとも複数の放熱部材28の貫通路32に挿入した場合に放熱部材28を位置決め可能な長さであれば良い。
位置決め部材50は、好ましくは、放熱部材28の長さ方向に直交する方向(図1のX方向)において、2以上に分割可能に構成される。位置決め部材50は、長尺部材51のその長さ方向に直交する方向(図1のY方向)の両側面に連結用突起53と連結孔54とをそれぞれ有する(図1を参照)。このように構成することにより、複数の位置決め部材50は、1つの位置決め部材50の連結用突起53が当該1つの位置決め部材50に隣接する位置決め部材50の連結孔54に挿入されて連結される。放熱構造体25は、好ましくは、連結用突起53及び連結孔54により連結された複数の位置決め部材50を、複数の放熱部材28の長さ方向(図2(2A)のY方向)両側に備える。なお、位置決め部材50は、1つの部材で構成されていても良い。
放熱部材28間の距離L1は、放熱部材28がバッテリーセル20からの押圧を受けて潰れる際に、狭くなる。放熱部材28がほとんど潰れない場合には、熱伝導シート30とバッテリーセル20および底部12との密着性が低くなる可能性がある。かかるリスクを低減するのに適切な放熱部材28の上下方向、すなわちバッテリーセル20の底から底部12の面に向かう垂線方向に圧縮されたときの厚みは、少なくとも、放熱部材28の管径(=円換算直径:D)の80%である。ここで、「円換算直径」とは、放熱部材28をその長さ方向と垂直に切断したときの管断面の面積と同じ面積の真円の直径を意味する。放熱部材28が真円の断面をもった円筒の場合には、その直径は円換算直径と同一である。放熱部材28は、上記の圧縮を受けると、バッテリーセル20および底部12と接する面を平面とし、放熱部材28間の距離L1の方向を略円弧断面とするように変形するとみなすことができる(図2(2C)を参照)。放熱部材28が円換算直径Dの80%に相当する0.8Dの厚さに潰れた場合、放熱部材28がどの程度、距離L1の方向に拡がるかを計算する。図2(2C)に示すように、潰れた放熱部材28において、その左右方向に存在する半円弧の長さの総長は、0.8πDである。また、底部12に接する平面の長さは、放熱部材28の管円周から、上記の半円弧の長さの総長を差し引いた長さの半分であるから、(πD−0.8πD)/2=0.314Dである。平面の左右方向に拡張した円弧部分の長さは、0.4D×2=0.8Dである。したがって、潰れた放熱部材28が元の放熱部材28から距離L1の方向に拡がった距離は、0.314D+0.8D−D=0.114Dとなる。距離L1を十分に大きくすれば、放熱部材28は隣の放熱部材28と接触しない。逆に、距離L1が小さすぎると、放熱部材28が上下方向に圧縮されても、隣の放熱部材28に接触して、それ以上に潰れなくなる可能性がある。距離L1を放熱部材28の円換算直径Dの11.4%以上にすれば、放熱部材28が円換算直径Dの80%の厚さに圧縮されて変形する際に、放熱部材28同士が接触して、当該変形の障害となることを防止できる。なお、この実施形態では、距離L1を0.6Dとしている。
放熱構造体25は、凸部52が貫通路32に挿入された状態において、凸部52と貫通路32との間に隙間80を有する(図2(2C)を参照)。この隙間80により、凸部52が挿入されている部分を含む放熱部材28がバッテリーセル20からの押圧を受けて潰れるため、複数のバッテリーセル20の下端部が平坦でない場合でも、熱伝導シート30と当該下端部との接触が良好になる。凸部52は、この実施形態では、放熱部材28が潰れても、その形状を保持しているが、放熱部材28と共に潰れて扁平になっても良い。また、放熱部材28は位置決め部材50により位置決めされているので、バッテリーセル20からの押圧を受けて潰れた際にも放熱部材28間の距離L1のばらつきが小さくなり、多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることができる。なお、放熱構造体25は、凸部52が貫通路32に挿入された状態において、凸部52と貫通路32との間に隙間80を有していなくても良い。この場合、放熱部材28のうち凸部52が挿入されていない部分がバッテリーセル20の表面に追従して潰れるため、バッテリーセル20を当該凸部52が挿入されていない部分に接触するよう配置することにより、複数のバッテリーセル20の下端部が平坦でない場合でも、熱伝導シート30と当該下端部との接触を良好にすることができる。なお、位置決め部材50における複数の凸部52は、長尺部材51の長さ方向(図1のX方向)に等間隔に配置されることに限定されず、隣接する2つの凸部52の間隔Pは、当該凸部52に挿入可能な貫通路32を有する複数の放熱部材28間の距離L1に応じて適宜設計されれば良い(図1を参照)。位置決め部材50は、好ましくは、隣り合う凸部52の間隔Pを変化させて備え、より好ましくは、複数のバッテリーセル20のうち温度の高いバッテリーセル20の位置に放熱部材28を密集させるように間隔Pを変化させて複数の凸部52を備える。すなわち、放熱構造体25は、温度の高いバッテリーセル20に接触する放熱部材28の数がその他のバッテリーセル20に接触する放熱部材28の数より多くなるように、当該温度の高いバッテリーセル20に接触する放熱部材28間の距離L1を小さくすることが好ましい。よって、位置決め部材50は、当該温度の高いバッテリーセル20側に備える凸部52の間隔Pを小さくし、当該温度の高いバッテリーセル20側に凸部52を密集させることが好ましい。このように構成することにより、バッテリー1は、多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化をさらに高めることができる。
(6)熱伝導性オイル
熱伝導性オイルは、好ましくは、シリコーンオイルと、シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。熱伝導シート30は、微視的に、隙間(孔あるいは凹部)を有する。通常、当該隙間には空気が存在し、熱伝導性に悪影響を及ぼす可能性が有る。熱伝導性オイルは、その隙間を埋めて、空気に代わって存在することになり、熱伝導シート30の熱伝導性を向上させる機能を有する。
熱伝導性オイルは、好ましくは、シリコーンオイルと、シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。熱伝導シート30は、微視的に、隙間(孔あるいは凹部)を有する。通常、当該隙間には空気が存在し、熱伝導性に悪影響を及ぼす可能性が有る。熱伝導性オイルは、その隙間を埋めて、空気に代わって存在することになり、熱伝導シート30の熱伝導性を向上させる機能を有する。
熱伝導性オイルは、熱伝導シート30の表面、少なくともバッテリーセル2と熱伝導シート30とが接触する面に備えられている。本願において、熱伝導性オイルの「オイル」は、非水溶性の常温(20〜25℃の範囲の任意の温度)で液状若しくは半固形状の可燃物質をいう。「オイル」という文言に代え、「グリース」あるいは「ワックス」を用いることもできる。熱伝導性オイルは、バッテリーセル20から熱伝導シート30に熱を伝える際に熱伝導の障害にならない性質のオイルである。熱伝導性オイルには、炭化水素系のオイル、シリコーンオイルを用いることができる。熱伝導性オイルは、好ましくは、シリコーンオイルと、シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。
シリコーンオイルは、好ましくは、シロキサン結合が2000以下の直鎖構造の分子から成る。シリコーンオイルは、ストレートシリコーンオイルと、変性シリコーンオイルとに大別される。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルを例示できる。変性シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイルを例示できる。反応性シリコーンオイルは、例えば、アミノ変性タイプ、エポキシ変性タイプ、カルボキシ変性タイプ、カルビノール変性タイプ、メタクリル変性タイプ、メルカプト変性タイプ、フェノール変性タイプ等の各種シリコーンオイルを含む。非反応性シリコーンオイルは、ポリエーテル変性タイプ、メチルスチリル変性タイプ、アルキル変性タイプ、高級脂肪酸エステル変性タイプ、親水性特殊変性タイプ、高級脂肪酸含有タイプ、フッ素変性タイプ等の各種シリコーンオイルを含む。シリコーンオイルは、耐熱性、耐寒性、粘度安定性、熱伝導性に優れたオイルであるため、熱伝導シート30の表面に塗布して、バッテリーセル20と熱伝導シート30との間に介在させる熱伝導性オイルとして特に好適である。
熱伝導性オイルは、好ましくは、油分以外に、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーを含む。金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、ベリリウム、タングステンなどを例示できる。セラミックスとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、キュービック窒化ホウ素、ヘキサゴナル窒化ホウ素などを例示できる。炭素としては、ダイヤモンド、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブなどを例示できる。
熱伝導性オイルは、バッテリーセル2と熱伝導シート30との間に介在する他、熱伝導シート30と筐体11との間に介在する方が好ましい。熱伝導性オイルは、熱伝導シート30の全面に塗布されていても、熱伝導シート30の一部分に塗布されていても良い。熱伝導性オイルを熱伝導シート30に存在させる方法は、特に制約はなく、スプレーを用いた噴霧、刷毛等を用いた塗布、熱伝導性オイル中への熱伝導シート30の浸漬など、如何なる方法によるものでも良い。なお、熱伝導性オイルは、放熱構造体25あるいはバッテリー1にとって必須の構成ではなく、好適に備えることのできる追加的な構成である。これは、第2実施形態以降でも同様である。
図4は、図1の放熱構造体の製造方法の一部を説明するための図を示す。
まず、クッション部材31を成形する。次に、帯状の熱伝導シート30をクッション部材31の外側面にスパイラル状に巻く。このとき、クッション部材31が完全には硬化していない未硬化状態で、熱伝導シート30をクッション部材31の外側面に巻き、その後、加温によりクッション部材31を完全に硬化させる。そして、帯状の熱伝導シート30のクッション部材31の両端からはみ出した部分があればカットする。最後に、熱伝導シート30の表面に、熱伝導性オイルを塗布する。放熱部材28をこのように製造することにより、熱伝導シート30の微視的な隙間に未硬化状態のクッション部材31が入り込んだ状態で硬化されるため、接着剤等を使用しなくともクッション部材31と熱伝導シート30とを強固に固定することができる。
こうして出来上がった放熱部材28は、クッション部材31の外側面よりも熱伝導シート30の厚さ分だけ突出した形態を有する。ただし、熱伝導シート30とクッション部材31とは、面一であっても良い。また、熱伝導性オイルは、熱伝導シート30のうち少なくともバッテリーセル20と接触する面に塗布されれば良い。熱伝導シート30のクッション部材31の両端からはみ出した部分をカットする工程および熱伝導性オイルを塗布する工程は、上述のタイミングで行うことに限定されず、少なくともクッション部材31に熱伝導シート30を巻いた後であれば、いつ行ってもよい。また、熱伝導シート30は、クッション部材31を完全に硬化させた状態で、その外側面に巻いてもよい。この場合、クッション部材31の外側面が粘着性を有していなければ、接着剤等を使用して熱伝導シート30をクッション部材31に固定してもよい。
放熱構造体25は、上述の製造方法により製造された複数の放熱部材28を、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向(放熱部材28の長さ方向)と直交する方向に並べた状態で、連結部材35で連結し、放熱部材28の長さ方向両側から位置決め部材50の凸部52を貫通路32に挿入することにより製造される。より具体的には、放熱構造体25は、複数の放熱部材28を並べた状態で、手縫いで糸を縫い付けることにより連結される。このとき、複数の放熱部材28は、放熱部材28間の距離L1を0.114D以上として並べられることが好ましい(図2(2C)参照)。また、複数の放熱部材28の間に、撚り部37が形成されるように縫い付けることが好ましい。また、放熱構造体25は、放熱部材28の長さ方向両側から、貫通孔32に凸部52が挿入されることにより位置決め部材50が固定される。このように、放熱構造体25は、複数の放熱部材28が簾状に連結されるため、バッテリーセル20で圧縮された状態においてはバッテリーセル20の表面に追従して放熱部材28が上下左右方向に潰れ、且つ、バッテリーセル20を除いた状態においては放熱部材28の弾性力により元の形状に戻ることができる。また、放熱構造体25は、複数の放熱部材28が簾状に連結され、かつ位置決め部材50により位置決めされることにより、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28の数が均一になるよう放熱部材28が配置される。このため、放熱構造体25は、例えば、自動車の振動等により放熱部材28が偏在する事態を抑制でき、かつ多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることができる。また、放熱構造体25は、各放熱部材28がクッション部材31の外側面に熱伝導シート30をスパイラル状に巻いた構造を有しているため、クッション部材31の変形に対して過度に拘束しない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。第1実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。第1実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係る放熱構造体の一部分解斜視図を示す。
第2実施形態に係る放熱構造体25aは、第1実施形態に係る放熱構造体25と異なり、複数の放熱部材28をその長さ方向と直交する方向(図5のX方向)に並べて形成される放熱連結体27が、当該長さ方向(図5のY方向)に2以上連結して構成されている。放熱構造体25aは、1つの放熱連結体27の貫通路32と当該1つの放熱連結体27と異なる他の放熱連結体27の貫通路32とに挿入可能な複数の凸部52aを有する位置決め部材50aを備える。位置決め部材50a以外の構成については、第1実施形態と共通するので、説明を省略する。なお、図5では、放熱連結体27は、5個の放熱部材28を備えているが、放熱連結体27を形成する放熱部材28の個数は5個に限定されない。
位置決め部材50aは、放熱部材28の長さ方向(図5のY方向)に並ぶ2つの放熱連結体27を連結する部材である。位置決め部材50aは、長尺部材51のその長さ方向(図5のX方向)の両側面に、当該長さ方向に所定間隔で配列され、当該長さ方向に直交する方向(図5のY方向)に突出する複数の凸部52aを有する。位置決め部材50aは、凸部52a以外の構成については第1実施形態に係る位置決め部材50と共通するので、説明を省略する。位置決め部材50aは、放熱部材28の長さ方向に並ぶ2つの放熱連結体27のうち、1つの放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32と、他の放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32と、に複数の凸部52aがそれぞれ挿入される。これにより、位置決め部材50aは、当該1つの放熱連結体27と当該他の放熱連結体27とを連結する。このような形態の放熱構造体25aも、また、上述の放熱構造体25と同様の作用効果を奏する。なお、放熱構造体25aは、放熱部材28の長さ方向に連結する放熱連結体27の数に特に制約はなく、放熱部材28の長さとバッテリーセル20の大きさとに応じて適宜設計することができる。また、図5では図示を省略しているが、放熱構造体25aは、1の放熱連結体27のうち、放熱部材28の長さ方向(図5のY方向)において、他の放熱連結体27が隣接していない側には、第1実施形態に係る位置決め部材50を備える。すなわち、放熱構造体25aは、2つの放熱連結体27が隣接している部分に第2実施形態に係る位置決め部材50aを備え、それ以外の部分に第1実施形態に係る位置決め部材50を備える。よって、放熱構造体25aは、放熱構造体25aを構成するすべての放熱連結体27に対し、放熱部材28の長さ方向の両側から、当該放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32に凸部52,52aが挿入される。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
次に、第3実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図6は、第3実施形態に係る放熱構造体の一部分解斜視図を示す。
第3実施形態に係る放熱構造体25bは、第2実施形態に係る放熱構造体25aと異なり、複数の放熱連結体27が互いに略直交するように連結して構成されている。放熱構造体25bは、1つの放熱連結体27の貫通路32と当該1つの放熱連結体に略直交する他の放熱連結体27の貫通路32とに挿入可能な複数の凸部52bを有する位置決め部材50bを備える。位置決め部材50b以外の構成については、前述の各実施形態と共通するので、説明を省略する。なお、図6では、放熱連結体27は、5個の放熱部材28を備えているが、放熱連結体27を形成する放熱部材28の個数は5個に限定されない。
位置決め部材50bは、互いに略直交する2つの放熱連結体27を連結する部材である。位置決め部材50bは、長尺部材51のその長さ方向(図6のX方向)に所定間隔で配列され、互いに略直交する2つの放熱連結体27のうち、1つの放熱連結体27を構成する放熱部材28の長さ方向(図6のY方向)、および、他の放熱連結体27を構成する放熱部材28の長さ方向(図6のZ方向)にそれぞれ突出する複数の凸部52bを有する。本明細書において、「略直交」とは、2つの線または面が、互いに直交である場合のみならず、60度以上120度以下の角度で配置されている状態も含む。すなわち、位置決め部材50bは、好ましくは、図6のY方向に突出する凸部52bと図6のZ方向に突出する凸部52bとがなす角度Rが60度以上120度以下となるよう構成されている。位置決め部材50bは、凸部52b以外の構成については前述の各実施形態に係る位置決め部材50,50aと共通するので、説明を省略する。位置決め部材50bは、互いに略直交する2つの放熱連結体27のうち、1つの放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32と、他の放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32と、に複数の凸部52bがそれぞれ挿入される。これにより、位置決め部材50bは、当該1つの放熱連結体27と当該他の放熱連結体27とを連結する。このような形態の放熱構造体25bも、また、上述の放熱構造体25と同様の作用効果を奏する。なお、図6では図示を省略しているが、放熱構造体25bは、1の放熱連結体27のうち、放熱部材28の長さ方向において、他の放熱連結体27が略直交するよう配置されていない側には、第1実施形態に係る位置決め部材50を備える。すなわち、放熱構造体25bは、2つの放熱連結体27が互いに略直交している部分に第3実施形態に係る位置決め部材50bを備え、それ以外の部分に第1実施形態に係る位置決め部材50を備える。よって、放熱構造体25bは、放熱構造体25bを構成するすべての放熱連結体27に対し、放熱部材28の長さ方向両側から、当該放熱連結体27を構成する複数の放熱部材28の貫通路32に凸部52,52bが挿入される。また、放熱構造体25bは、複数の放熱連結体27のうち、少なくとも2つの放熱連結体27が互いに略直交するように連結して構成されていれば、その他の放熱連結体27の配置に特に制約はなく、例えば、第2実施形態と同様に、図6のY方向に複数の放熱連結体27がさらに連結していても良いし、図6のZ方向に複数の放熱連結体27がさらに複数連結していても良い。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
次に、第4実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図7は、第4実施形態に係る放熱構造体の平面図(7A)、当該(7A)におけるC−C線断面図(7B)、および当該断面図中の領域Eの拡大図(7C)をそれぞれ示す。
第4実施形態に係る放熱構造体25cは、第1実施形態に係る放熱構造体25と異なり、複数の放熱部材28が連結部材35aで連結されている。連結部材35a以外の構成については、第1実施形態と共通するので、説明を省略する。
連結部材35aは、第1実施形態と同様に、例えば、糸やゴム等、少なくとも複数の放熱部材28の間に位置する部分が変形自在な材料で構成された部材である。本実施形態において、連結部材35は、糸で構成されることが好ましく、バッテリーセル20からの放熱による温度上昇に耐え得る糸であることがより好ましい。連結部材35aは、ミシン等を用いて複数の放熱部材28を縫い付ける部材である。連結部材35aの縫い方は、特に限定されず、手縫い、本縫い、千鳥縫い、単環縫い、二重環縫い、縁かがり縫い、扁平縫い、安全縫い、オーバーロック等の如何なる縫い方でも良い。また、JIS L 0120の規定する表示記号によれば、好適な縫い方として、「101」、「209」、「301」、「304」、「401」、「406」、「407」、「410」、「501」、「502」、「503」、「504」、「505」、「509」、「512」、「514」、「602」および「605」の各種縫い目を構成する縫い方を例示できる。なお、連結部材35aは、第1実施形態に係る連結部材35と異なり、複数の放熱部材28の間に撚り部37を備えていない。
放熱構造体25cは、第1実施形態と同様の製造方法により製造された複数の放熱部材28を、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向と直交する方向に並べた状態で、連結部材35aで連結することにより製造される。より具体的には、放熱構造体25cは、複数の放熱部材28を並べた状態で、ミシン等を用いて糸で縫い付けることにより連結される。このとき、放熱部材28は、複数の放熱部材28間の距離L2が先に述べたL1より小さくなるように離間して並べられている(図7(7C)参照)。具体的には、距離L2を、放熱部材28の円換算直径Dの11.4%の距離(=0.114D)に設定している。この条件下では、放熱部材28は、上下方向で、円換算直径Dの約80%の厚さまで潰れることが可能となる。距離L2を0.114D以上にすれば、放熱部材28がその円換算直径Dの80%以下の厚さに圧縮変形する際に、隣の放熱部材28が当該変形の障害にならない。なお、複数の放熱部材28間の距離L2が狭いほど、ミシン等で縫い付ける際に複数の放熱部材28をより安定して連結することができる。放熱部材28は、隣り合う放熱部材28同士が接触する位置までは上下左右方向に潰れる余地があり、バッテリーセル20の表面へ追従し、且つ、密着することができる。また、放熱構造体25cは、バッテリーセル20を除いた状態においては放熱部材28の弾性力により元の形状に戻ることができる。また、放熱構造体25cは、複数の放熱部材28が簾状に連結されることにより、例えば、自動車の振動等により放熱部材28が偏在する事態を抑制でき、施工性が高くなる。特に、放熱構造体25cは、ミシン等を用いて複数の放熱部材28を連結部材35aで連結するため、放熱構造体25cを構成する放熱部材28の個数が多い場合に、施工性がより高くなる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
次に、第5実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーについて説明する。前述の各実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図8は、第5実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図を示す。図9は、第5実施形態に係る放熱構造体の製造状況の一部(9A)および当該(9A)の製造方法によって完成した放熱構造体の平面図(9B)をそれぞれ示す。
第5実施形態に係るバッテリー1aは、第1実施形態に係るバッテリー1内に配置される放熱構造体25と異なる放熱構造体25dを備え、その他についてはバッテリー1と共通した構造を有する。この実施形態に用いられる放熱構造体25dは、第1実施形態に係る放熱部材28と異なる放熱部材28aが、連結部材35により複数連結している。放熱部材28aは、クッション部材31を、筒状クッション部材とせずに、熱伝導シート30の裏側に備えられる帯状のクッション部材であって熱伝導シート30と共にスパイラル状に巻回されているスパイラル状のクッション部材とする。
上述のスパイラル状のクッション部材31(「スパイラル状クッション部材」とも言う)を備える放熱構造体25dの製造方法の一例は、次の通りである。
まず、略同等の幅を持つ熱伝導シート30およびクッション部材31の二層からなる積層体40を製造する。次に、熱伝導シート30の表面に、熱伝導性オイルを塗布する。そして、熱伝導性オイルが塗布された積層体40をスパイラル状(コイル状と称しても良い)に、一方向に進行するように巻回する。こうして、積層体40をスパイラル状に巻回した細長い形状の放熱部材28aが完成する。なお、熱伝導性オイルは、積層体40を製造する前に熱伝導シート30上に塗布しても良いし、最後に熱伝導シート30上に塗布しても良い。また、積層体40は、好ましくは、クッション部材31が完全には硬化していない未硬化状態で、熱伝導シート30をクッション部材31に積層し、その後、加温によりクッション部材31を完全に硬化させて形成される。
放熱構造体25dは、複数の放熱部材28aを、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向(放熱部材28aの長さ方向)と直交する方向に並べた状態で、連結部材35で連結し、放熱部材28aの長さ方向両側から位置決め部材50の凸部52を貫通路32に挿入することにより製造される。なお、複数の放熱部材28aを連結部材35で連結する方法および位置決め部材50を設置する方法は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
放熱部材28aは、その長さ方向に貫通する貫通路33を備えているが、第1実施形態に係る放熱部材28と異なり、放熱部材28aの外側面方向にも貫通している。放熱部材28aは、スパイラル状であるため、上述の放熱部材28に比べて、放熱部材28aの長さ方向(図9(9B)の白矢印方向)に伸縮容易である。
放熱構造体25dは、バッテリーセル20と筐体11の底部12との間のみならず、バッテリーセル20と筐体11の内側面との隙間、および/またはバッテリーセル20同士の隙間にも配置可能である。
(各実施形態の作用・効果)
以上説明したように、放熱構造体25,25a,25b,25c,25d(放熱構造体を総称する場合には、「放熱構造体25等」とも称する。)は、バッテリーセル20からの放熱を高める複数の放熱部材28,28aが連結された放熱構造体であって、放熱部材28,28aは、バッテリーセル20からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シート30と、熱伝導シート30の環状裏面に備えられ、熱伝導シート30に比べてバッテリーセル20の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材31と、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路32,33と、を備える。また、放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aの長さ方向両側に、貫通路32,33に挿入可能な複数の凸部52,52a,52b(凸部を総称する場合には、「凸部52等」とも称する。)を有する位置決め部材50,50a,50b(位置決め部材を総称する場合には、「位置決め部材50等」とも称する。)を備える。
以上説明したように、放熱構造体25,25a,25b,25c,25d(放熱構造体を総称する場合には、「放熱構造体25等」とも称する。)は、バッテリーセル20からの放熱を高める複数の放熱部材28,28aが連結された放熱構造体であって、放熱部材28,28aは、バッテリーセル20からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シート30と、熱伝導シート30の環状裏面に備えられ、熱伝導シート30に比べてバッテリーセル20の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材31と、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路32,33と、を備える。また、放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aの長さ方向両側に、貫通路32,33に挿入可能な複数の凸部52,52a,52b(凸部を総称する場合には、「凸部52等」とも称する。)を有する位置決め部材50,50a,50b(位置決め部材を総称する場合には、「位置決め部材50等」とも称する。)を備える。
放熱構造体25等をこのように構成することによって、バッテリーセル20の種々の形態に順応可能であって、弾性変形性および放熱効率に優れ、かつ複数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることが可能な構造体となる。また、放熱構造体25等は、貫通路32,33に起因してより軽量になる。
また、位置決め部材50等は、複数の放熱部材28,28aが、その長さ方向と直交する方向であって複数の放熱部材28,28aが並んだ方向に長い長尺部材51と、長さ方向に直交する方向に沿って長尺部材51に所定間隔で配列される複数の凸部52等と、を備える。このため、放熱構造体25等は、位置決め部材50等により複数の放熱部材28,28aが位置決めされるため、各バッテリーセル20に接触する放熱部材28,28aの数が均一となるよう放熱部材28,28aを配置できる。よって、放熱構造体25等は、多数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることができ、高い伝熱効率を実現できる。
また、放熱構造体25等を構成するクッション部材31は、その長さ方向に貫通路32を有する筒状クッション部材であって、熱伝導シート30は、筒状クッション部材の外側面をスパイラル状に巻回している。バッテリー1,1aは、かかる放熱構造体25等をバッテリーセル20に接触させて筐体11に備える。熱伝導シート30は、筒状クッション部材の外側面を部分的に覆っていて、かつスパイラル状に筒状クッション部材の長さ方向に巻回している。バッテリー1,1aは、放熱構造体25等を、少なくともバッテリー20と冷却部材15との間に配置している。このため、放熱構造体25等は、熱伝導シート30による拘束を受けにくく、バッテリーセル20の表面の凹凸等に追従して変形可能となる。
また、放熱構造体25dにおいて、クッション部材31は、熱伝導シート30の環状裏面に沿ってスパイラル状に巻回しているスパイラル状クッション部材である。バッテリー1aは、放熱構造体25dを、少なくともバッテリー20と冷却部材15との間に配置している。放熱構造体25dは、筐体11の内側面とバッテリーセル20との間および/またはバッテリーセル20同士の間に配置されていても良い。放熱構造体25dは、その全体がスパイラル形状になっているので、バッテリーセル20の種々のサイズに、より適応しやすい。より具体的には、次のとおりである。剛性の高い熱伝導シート30を備える場合でも、低荷重で熱伝導シート30を変形させ、バッテリーセル20の表面に追従・密着させることができる。さらに、部分的に異なる量の変形量であっても、密着追従性が良くなる。また、クッション部材31もスパイラル状に切れているので、1回転ずつのスパイラルが概略独立しているかのような変形を起こすことができる。したがって、放熱構造体25dは、局所的な変形の自由度を高くできる。加えて、放熱構造体25dは、貫通路33のみならず、貫通路33から側面にも貫通するスパイラル状の貫通溝を備えているので、より軽量になる。
また、位置決め部材50等は、複数の放熱部材28,28aの貫通路32,33それぞれに挿入可能な複数の凸部52等を有する。すなわち、放熱構造体25等を構成する複数の放熱部材28,28aの貫通路32,33には、位置決め部材50等の凸部52等がそれぞれ挿入される。このため、放熱構造体25等は、位置決め部材50等により複数の放熱部材28,28aを連結し、かつ位置決めすることができる。
また、複数の放熱部材28,28aをその長さ方向と直交する方向に並べた状態で連結する連結部材35,35aを備え、連結部材35,35aは、糸で構成される。よって、放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aが簾状に連結されるため、例えば、自動車の振動等により放熱部材28,28aが偏在する事態を抑制でき、施工性が高くなる。
また、連結部材35,35aは、複数の放熱部材28,28aの間に、撚りが加えられた撚り部37を備えるため、バッテリーセル20の表面への追従・密着性をより高めることができる。
また、放熱部材25等は、凸部52等が貫通路32,33に挿入された状態において、凸部52等と貫通路32,33との間に隙間80を有する。この隙間80により、凸部52等が挿入されている部分を含む放熱部材28,28a全体がバッテリーセル20からの押圧を受けて潰れるため、複数のバッテリーセル20の下端部が平坦でない場合でも、熱伝導シート30と当該下端部との接触を良好にすることができる。
また、位置決め部材50等は、放熱部材28,28aの長さ方向と直交する方向において、2以上に分割可能に構成されるため、放熱構造体25等をバッテリー1,1aに設置する際における施工性が高くなる。
また、放熱構造体25a,25bは、複数の放熱部材28をその長さ方向と直交する方向に並べて形成される放熱連結体27が2以上連結して構成されている。また、位置決め部材50a,50bは、1つの放熱連結体27の貫通路32と当該1つの放熱連結体27と異なる他の放熱連結体27の貫通路32とに挿入可能な複数の凸部50a,50bを有し、1つの放熱連結体27と他の放熱連結体27とを連結する。このため、バッテリーセル20の形態に応じて、位置決め部材50a,50bにより放熱連結体27を連結することができるため、バッテリーセル20の種々の形態に容易に順応することができる。
また、熱伝導シート30の表面に、当該表面に接触するバッテリーセル20から当該表面への熱伝導性を高めるための熱伝導性オイルを有する。熱伝導シート30は、微視的に、隙間(孔あるいは凹部)を有する。通常、当該隙間には空気が存在し、熱伝導性に悪影響を及ぼす可能性が有る。熱伝導性オイルは、その隙間を埋めて、空気に代わって存在することになり、熱伝導シート30の熱伝導性を向上させる機能を有する。
また、熱伝導性オイルは、シリコーンオイルと、シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。シリコーンオイルは、耐熱性、耐寒性、粘度安定性、熱伝導性に優れたオイルであるため、熱伝導シート30の表面に塗布して、バッテリーセル20と熱伝導シート30との間に介在させる熱伝導性オイルとして特に好適である。また、熱伝導性オイルは、熱伝導性フィラーを含むため、熱伝導シート30の熱伝導性を高めることができる。
バッテリー1,1aは、冷却部材15を流す構造を持つ筐体11内に、1または2以上の熱源としてのバッテリーセル20を備えたバッテリーであって、上述の放熱構造体25等を備える。放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aが連結されており、放熱部材28,28aに、バッテリーセル20からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シート30と、熱伝導シート30の環状裏面に備えられ、熱伝導シート30に比べてバッテリーセル20の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材31と、熱伝導シート30の巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路32,33と、を備える。放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aの長さ方向両側に、貫通路32,33に挿入可能な複数の凸部52,52a,52bを有する位置決め部材50,50a,50bを備える。バッテリー1,1aをこのように構成することによって、バッテリーセル20の種々の形態に順応可能であって、弾性変形性および放熱効率に優れ、かつ複数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化を高めることが可能な構造体となる。また、放熱構造体25等は、貫通路32,33に起因してより軽量になる。
また、位置決め部材50等は、隣り合う凸部52の間隔Pを変化させて備える。また、バッテリー1,1aは、複数のバッテリーセル20のうち、温度の高い位置に放熱部材28,28aを密集させている。バッテリー1,1aをこのように構成することによって、温度の高いバッテリーセル20に接触する放熱部材28の数をその他のバッテリーセル20に接触する放熱部材28の数より多くすることができるため、複数のバッテリーセル20各々における放熱性の均一化をより高めることができる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
図10は、放熱構造体の上に、バッテリーセルの側面を接触させるように横置きにしたときの断面図、その一部拡大図および充放電時にバッテリーセルが膨張した際の一部断面図をそれぞれ示す。
先述の各実施形態では、バッテリーセル20を縦にしてその下端に放熱構造体25等を接触せしめている状況について説明したが、バッテリーセル20の配置形態は、これに限定されない。図10に示すように、バッテリーセル20の側面を放熱構造体25等の各放熱部材28,28aに接触させるように、バッテリーセル20を配置しても良い。バッテリーセル20は、充電および放電の際に温度上昇する。バッテリーセル20の容器自体が柔軟性に富む材料にて形成されていると、バッテリーセル20の特に側面が膨らむ可能性がある。そのような場合でも、図10に示すように、放熱構造体25等の構成している各放熱部材28,28aがバッテリーセル20の外面の形状に合わせて変形できるので、充放電時にも放熱性を高く維持できる。
例えば、熱源は、バッテリーセル20のみならず、回路基板や電子機器本体などの熱を発する対象物を全て含む。例えば、熱源は、キャパシタおよびICチップ等の電子部品であっても良い。同様に、冷却部材15は、冷却用の水のみならず、有機溶剤、液体窒素、冷却用の気体であっても良い。また、放熱構造体25等は、バッテリー1等以外の構造物、例えば、電子機器、家電、発電装置等に配置されていても良い。
また、放熱構造体25等は、連結部材35,35aを備えなくても良い。この場合、放熱構造体25等を構成する複数の放熱部材28,28aの貫通路32,33には、位置決め部材50等の凸部52等がそれぞれ挿入されていることが好ましい。この位置決め部材50等は、放熱構造体25における複数の放熱部材28,28aの位置決めを行い、かつ複数の放熱部材28,28aを連結する役割を担う。
また、放熱構造体25等は、複数の放熱部材28,28aの貫通路32,33の全てに、位置決め部材50等の凸部52等が挿入されていなくても良い。すなわち、放熱構造体25等は、凸部52等が挿入されていない放熱部材28,28aを備えていても良い。この場合、放熱構造体25等を構成する複数の放熱部材28,28aは、例えば、1つ飛ばしで貫通路32,33に凸部52等が挿入されていても良いし、2つ以上飛ばして貫通路32,33に凸部52等が挿入されていても良い。また、放熱部材28,28aの長さ方向両側に設けられた2つの位置決め部材50等の凸部52等を複数の放熱部材28,28aの貫通路32,33に1つ飛ばしで挿入し、放熱部材28,28aは、一方の位置決め部材50等の凸部52等のみが挿入されるように構成されていても良い。すなわち、一方の位置決め部材50等の凸部52等が挿入された1の放熱部材28,28aに隣接する放熱部材28,28aは、当該一方の位置決め部材50等の凸部52等は挿入されず、他方の位置決め部材50等の凸部52等が反対側から挿入され、貫通路32,33に挿入された凸部52等が互い違いになるよう配置されていても良い。
また、位置決め部材50等は、バッテリー1,1aの筐体11に放熱構造体25等を位置決めするためのボス、リブ、穴等を備えていても良い。
また、位置決め部材50等は、放熱部材28,28aの長さ方向の片側にのみ設けられていても良い。
また、放熱部材28aにおけるスパイラル状のクッション部材31は、熱伝導シート30の幅と同一に限定されず、熱伝導シート30の幅に対して大きくても、あるいは小さくても良い。
また、上述の各実施形態の複数の構成要素は、互いに組み合わせ不可能な場合を除いて、自由に組み合わせ可能である。例えば、第3実施形態に係る放熱構造体25bを、第1実施形態に係る放熱構造体25に代えて配置しても良い。
本発明に係る放熱構造体は、例えば、自動車用バッテリーの他、自動車、工業用ロボット、発電装置、PC、家庭用電化製品などの各種電子機器にも利用することができる。また、本発明に係るバッテリーは、自動車用のバッテリー以外に、家庭用の充放電可能なバッテリー、PC等の電子機器用のバッテリーにも利用できる。
1,1a・・・バッテリー、11・・・筐体、15・・・冷却部材、20・・・バッテリーセル(熱源の一例)、25,25a,25b,25c,25d・・放熱構造体、27・・・放熱連結体、28,28a・・・放熱部材、30・・・熱伝導シート、31・・・クッション部材、32,33・・・貫通路、35,35a・・・連結部材、37・・・撚り部、50,50a,50b・・・位置決め部材、51・・・長尺部材、52,52a,52b・・・凸部、80・・・隙間、P・・・凸部の間隔。
Claims (15)
- 熱源からの放熱を高める複数の放熱部材が連結された放熱構造体であって、
前記放熱部材は、
前記熱源からの熱を伝えるためのスパイラル状に巻回しながら進行する形状の熱伝導シートと、
前記熱伝導シートの環状裏面に備えられ、前記熱伝導シートに比べて前記熱源の表面形状に合わせて変形容易なクッション部材と、
前記熱伝導シートの巻回しながら進行する方向に貫通する貫通路と、
を備え、
前記複数の放熱部材の長さ方向両側に、前記貫通路に挿入可能な複数の凸部を有する位置決め部材を備える放熱構造体。 - 前記位置決め部材は、
複数の前記放熱部材が、その長さ方向と直交する方向であって前記複数の放熱部材が並んだ方向に長い長尺部材と、
前記長さ方向に直交する方向に沿って前記長尺部材に所定間隔で配列される前記複数の凸部と、
を備える請求項1に記載の放熱構造体。 - 前記クッション部材は、前記長さ方向に前記貫通路を有する筒状クッション部材であって、
前記熱伝導シートは、前記筒状クッション部材の外側面をスパイラル状に巻回している請求項1または2に記載の放熱構造体。 - 前記クッション部材は、前記熱伝導シートの前記環状裏面に沿ってスパイラル状に巻回しているスパイラル状クッション部材である請求項1または2に記載の放熱構造体。
- 前記位置決め部材は、前記複数の放熱部材の前記貫通路それぞれに挿入可能な前記複数の凸部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の放熱構造体。
- 前記複数の放熱部材は、前記長さ方向と直交する方向に並んだ状態で、前記位置決め部材により連結される請求項5に記載の放熱構造体。
- 前記複数の放熱部材を前記長さ方向と直交する方向に並べた状態で連結する連結部材を備え、
前記連結部材は、糸で構成される請求項1から6のいずれか1項に記載の放熱構造体。 - 前記連結部材は、前記複数の放熱部材の間に、撚りが加えられた撚り部を備える請求項7に記載の放熱構造体。
- 前記凸部が前記貫通路に挿入された状態において、前記凸部と前記貫通路との間に隙間を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の放熱構造体。
- 前記位置決め部材は、前記長さ方向と直交する方向において、2以上に分割可能に構成される請求項1から9のいずれか1項に記載の放熱構造体。
- 前記複数の放熱部材を前記長さ方向と直交する方向に並べて形成される放熱連結体が2以上連結して構成されており、
前記位置決め部材は、1つの前記放熱連結体の前記貫通路と当該1つの放熱連結体と異なる他の前記放熱連結体の前記貫通路とに挿入可能な複数の前記凸部を有し、前記1つの放熱連結体と前記他の放熱連結体とを連結する請求項1から10のいずれか1項に記載の放熱構造体。 - 前記熱伝導シートの表面に、当該表面に接触する熱源から当該表面への熱伝導性を高めるための熱伝導性オイルを有する請求項1から11のいずれか1項に記載の放熱構造体。
- 前記熱伝導性オイルは、シリコーンオイルと、前記シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む請求項12に記載の放熱構造体。
- 冷却部材を流す構造を持つ筐体内に、1または2以上の熱源としてのバッテリーセルを備えたバッテリーであって、前記バッテリーセルと前記筐体との間に、請求項1から13のいずれか1項に記載の放熱構造体を備えるバッテリー。
- 前記位置決め部材は、隣り合う前記凸部の間隔を変化させて備え、
複数の前記バッテリーセルのうち、温度の高い位置に前記放熱部材を密集させている請求項14に記載のバッテリー。
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