JP2020110810A - 表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型 - Google Patents

表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型 Download PDF

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Abstract

【課題】温度変化が繰り返された場合であっても、凹凸構造が形成された改質領域とそれ以外の非改質領域との境界において、クラックの発生を防止する。【解決手段】表面が平坦面で構成される非改質領域14と、非改質領域14に隣接して設けられ表面に凹凸構造が形成された改質領域12と、を有し、溶湯90が流れる方案部に改質領域12が設けられた鋳造用金型10であって、改質領域12と非改質領域14との境界には、凹凸構造の深溝16の深さが改質領域12から非改質領域14に向けて徐々に浅くなった境界領域22が形成されている表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、金属の表面に凹凸構造を形成する表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型に関する。
金属製品の所定箇所、例えば鋳造用金型の方案部等、に微細な深溝を形成することで、液体との接触面積及び熱伝導性を低下させて、溶湯の湯流れ性向上及び方案部の体積の削減を図る技術が提案されている。例えば、特許文献1には、鋳造用金型の表面にパルスレーザーを照射して凹凸構造を形成する技術が記載されている。
特開2016−16432号公報
従来の凹凸構造を有する金属部品では、平坦部分(非改質領域とも呼ぶ)と微細な凹凸構造が形成された部分(改質領域とも呼ぶ)との境界において、温度変化が繰り返されるとクラックが発生することが判明した。
そこで、本発明は、温度変化が繰り返された場合であっても、凹凸構造が形成された改質領域とそれ以外の非改質領域との境界において、クラックの発生を防止できる表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型を提供することを目的とする。
本発明の一観点は、非改質領域に隣接した改質領域にパルスレーザーを照射して複数の溝状凹部を有する凹凸構造を形成する表面改質方法であって、前記非改質領域を覆うとともに、前記改質領域に開口部を有するマスクを金属表面に対向して配置する工程と、前記マスクの開口部を通じて前記金属表面にパルスレーザーを照射して前記溝状凹部を形成する工程と、を有し、前記マスクは、前記開口部に面する開口部側端面が、前記パルスレーザーの入射側から出射側に向けて逆テーパ状に広がる傾斜面で構成されている、表面改質方法にある。
本発明の別の一観点は、上記観点の表面改質方法を行う鋳造用金型の製造方法にある。
本発明のさらに別の一観点は、表面が平坦面で構成される非改質領域と、前記非改質領域に隣接して設けられ、表面に複数の溝状凹部が形成された改質領域と、を有し、少なくとも溶湯を供給する方案部に前記改質領域が設けられた鋳造用金型であって、前記改質領域と前記非改質領域との境界には、前記溝状凹部の深さが前記改質領域から前記非改質領域に向けて徐々に浅くなった境界領域が形成されている、鋳造用金型にある。
上記観点の表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型によれば、凹凸構造が形成された改質領域と、それに隣接する非改質領域との間に、凹凸構造を構成する溝状凹部の深さが徐々に変化する領域を形成することができる。その結果、改質領域と非改質領域との境界の断熱性が徐々に変化することにより、改質領域と非改質領域との境界のクラックの成長を抑制できる。
図1Aは、実施形態に係る鋳造用金型の部分拡大斜視図であり、図1Bは図1Aの鋳造用金型の改質領域と溶湯とを示す部分断面図である。 図1Aの鋳造用金型の境界領域の断面構造と、鋳造時の熱振幅の関係とを示す説明図である。 比較例に係る鋳造用金型の境界領域の断面構造と、鋳造時の熱振幅との関係を示す説明図である。 図4Aは、実施形態に係る鋳造用金型の製造方法において、窒化処理工程を示す断面図であり、図4Bは、パルスレーザーを照射して深溝(溝状凹部)を形成する凹凸構造形成工程を示す断面図である。 図4Bの深溝(溝状凹部)を形成するパルスレーザー照射工程において、マスクを設置してパルスレーザーを照射する様子を示す断面図である。 比較例に係るマスクを用いた深溝を形成する工程を示す断面図である。 図5のマスクの開口部側端面付近の拡大断面図である。 マスクの上端の開口部側端面の位置と、パルスレーザーの回折による照射位置の広がりとの関係を求めた例を示すグラフである。 図9Aは、実施形態に係る鋳造用金型の製造方法においてパルスレーザーを照射して微細突起を形成する微細突起形成工程を示す断面図であり、図9Bは断熱膜を形成する工程を示す断面図である。 その他の実施形態に係る鋳造用金型の製造方法における、深溝を形成する方法を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る鋳造用金型10は、例えばアルミニウム合金等の鋳造に用いる金属製の金型であり、型合わせすることでキャビティが形成される可動型と固定型から構成される。この可動型及び固定型には、例えば、ダイス鋼(SKD材)が用いられている。
図1A及び図1Bに部分的に拡大して示すように、鋳造用金型10は、本体20の表面20aに凹凸構造が形成された改質領域12と、表面が平坦面14aで構成される非改質領域14とを備えている。非改質領域14の平坦面14aは、機械加工又は鏡面加工が施された面であり、例えば、溶湯90を所定形状に形成するためのキャビティ部の表面等を構成する。
また、改質領域12は、例えば、鋳造用金型10の内部において溶湯をキャビティに導く方案部に用いられるものである。改質領域12には、溶湯90との濡れ性及び接触面を減少させて断熱性及び湯流れ性を向上させるべく、表面に微小な凹凸が形成されている。改質領域12は、格子状に配置された複数の深溝16(溝状凹部)と、深溝16の間に形成された複数の凸部18とを備えている。深溝16は、溶湯90が入り込まない程度の20〜40μm程度の幅に形成されている。また、凸部18の表面には、溶湯90との濡れ性を低下させるべく、微細突起18aが形成されている。微細突起18aは、幅及び深さ数μmと微小であるのに対し、深溝16及び凸部18は幅及び深さが100〜200μm程度と大きくなっている。
深溝16の深さは、境界領域22を除き、略一定の深さ(例えば数10μm)に形成される。本実施形態の鋳造用金型10においては、改質領域12と非改質領域14との境界部分に境界領域22が設けられている。境界領域22では、深溝16の深さが、改質領域12から非改質領域14に向かうにつれて徐々に浅くなるように形成されている。
また、図1Bに示すように、改質領域12の表面には、断熱膜24が形成されている。断熱膜24は、アルミニウム合金等の溶湯90に対する濡れ性が低い多孔質炭素膜よりなり、深溝16を埋めるとともに、凸部18の上を覆うように形成されている。断熱膜24は、深溝16及び凸部18の凹凸構造を反映した凹凸状の表面を有している。このような断熱膜24に溶湯90が接触すると、溶湯90は凹凸構造によって撥かれて、凸部18の上に突き出た微細突起18aで点接触するため、溶湯90の熱が本体20に伝わるのを防ぐことができる。これにより、改質領域12において、溶湯90の保温性及び湯流れ性が確保される。
以上のように構成された本実施形態の鋳造用金型10において、図2に示すように、表面に深溝16が形成された改質領域12と、表面が平坦面14aで構成された非改質領域14との間に、境界領域22が形成されている。この境界領域22では、深溝16の深さが非改質領域14に向けて徐々に浅くなるように形成されている。それにともなって、深溝16を埋める断熱膜24の厚みも薄くなっている。すなわち、境界領域22においては、溶湯90に対する断熱性が、改質領域12から非改質領域14に向けて徐々に低下するように構成されている。
鋳造用金型10においては、溶湯90の流入による温度上昇と、型開きして鋳造製品を取り出した後に実施される離型剤塗布等の金型冷却による温度低下といった温度変化が繰り返し発生する。本実施形態の鋳造用金型10では、境界領域22において、断熱性が改質領域12から非改質領域14に向けて徐々に低下するように構成されている。その結果、図の下段のグラフに示すように、最高温度と最低温度との間の熱振幅の幅も、緩やかに変化する。すなわち、熱による大きな歪を発生させるヒートショック境界の原因となる急激な熱振幅変化が抑制される。そのため、本実施形態の鋳造用金型10によれば、鋳造を繰り返しても、改質領域12と非改質領域14との境界部分のクラック発生を防止できる。
これに対し、図3の比較例に示す鋳造用金型80では、改質領域12と非改質領域14との間に境界領域22が設けられておらず、非改質領域14との境界まで、一定の深さの深溝16が形成されている。そのため、改質領域12と非改質領域14との間で断熱性が急激に変化しており、図の下段のグラフに示すように、熱振幅の幅が急激に変化している。そのため、比較例の鋳造用金型80では、ヒートショック境界が発生しており、非改質領域14との境界に形成された深溝16aからクラックが成長してしまう。
本実施形態の鋳造用金型10は、上記の深溝16を起点とするクラックの発生を防ぐことができる。
本実施形態の鋳造用金型10は以上のように構成され、以下その製造方法を表面改質方法とともに説明する。
図4Aに示すように、ダイス鋼(SKD材)等を所定形状に成形した本体20の改質領域12の表面に窒化処理を行ない、窒化層26を形成する。窒化処理により、本体20の表面20aの光吸収率が上昇し、レーザー加工を効率よく行うことができる。
その後、図4Bに示すように、本体20の改質領域12にパルスレーザー28を照射して深溝16(溝状凹部)を形成する。深溝16の形成には、パルス幅が10ピコ秒以下のパルスレーザーを用いる。10ピコ秒以下のパルスレーザーを用いることで、SKD材等よりなる本体20をアブレーション加工(非加熱加工)できる。パルスレーザー28の照射条件は、照射域外への熱拡散を抑えるため、パーフルエンスが0.2J/cm2〜10J/cm2の範囲内であり、且つ、パルスラップ率が95%以下の条件とすることが好ましい。
本工程で形成される深溝16は、パルスレーザー28の集光径と同等又はそれよりも大きいサイズとなる。深溝16は、幅方向に位置をかえて複数回のパルスレーザーを走査することで形成してもよい。深溝16の形成にともなって、深溝16の間に凸部18が形成される。
本実施形態では、図4Bのパルスレーザー28の照射において、図5に示すように、本体20の上にマスク34を配置して行う。必要に応じてマスク34と本体20の表面20aとの間にスペーサ32を配置する。マスク34は、非改質領域14の上を覆うとともに、改質領域12に対応する部分に開口部36を有している。改質領域12へのパルスレーザー28の照射は、マスク34の開口部36を通じて行われる。
本実施形態のマスク34は開口部36に面した開口部側端面34bが、マスク34の上面34cに対して傾斜している。すなわち、開口部側端面34bは、その下端部34d(パルスレーザー28の出射側)が上端部34a(パルスレーザー28の入射側)よりも非改質領域14側に広がるように逆テーパ状に傾斜した傾斜面で構成される。図中の曲線36aは、開口部36を通過したパルスレーザー28の照射エネルギーの分布を模式的に示し、曲線36bは開口部側端面34b付近を通過したパルスレーザー28の照射エネルギー分布を示している。
逆テーパ状に傾斜した開口部側端面34bを有するマスク34を使用すると、改質領域12と非改質領域14との境界領域22に照射されるパルスレーザー28の照射エネルギーが曲線36bに示すように徐々に減衰する。深溝16は、パルスレーザー28の照射エネルギーに応じた深さに形成される。そのため、形成される深溝16の深さが改質領域12から非改質領域14に向けて徐々に減少し、境界領域22が形成される。
一方、図6の比較例のように、開口部側端面134bがマスク134の上面134cに対して垂直な面とした場合には、パルスレーザー28の広がりにより、開口部側端面134bでパルスレーザー28が反射される。その結果、曲線36bに示すように、改質領域12と非改質領域14との境界においてかえって照射エネルギーが増大してしまい、深溝16aの深さが増大してしまう(図3参照)。この場合には、深溝16aの深さが徐々に変化する境界領域22が形成されず、境界に他よりも深さが深い深溝16aが形成されてしまい、クラックが入りやすくなってしまう。
これに対し、本実施形態のマスク34は、開口部側端面34bを傾斜面としているので、上記の比較例のような不具合を防ぐことができる。
図7に示すように、開口部側端面34bの傾斜角θを開口部側端面34bとマスク34の上面34cとの為す角度とすると、傾斜角θはパルスレーザー28の回折による広がり角度(回折角度)と干渉しない範囲に設定することが好ましい。
パルスレーザー28の回折による広がり角度は、あらかじめ実験的に求めることができる。すなわち、図5の仮想線で示すように、マスク34を様々な高さD1〜D4に配置してパルスレーザー28を照射し、パルスレーザー28の照射範囲がどの程度変化するかを調べることで、求められる。
例えば、図8に示すように、D1が5mm、D2が10mm、D3が15mm、及びD4が20mmとして、照射位置の変化をそれぞれ求める。そして、図8のグラフの傾きから、パルスレーザー28の回折角が1.432°と求まる。この場合には、マスク34の開口部側端面34bの傾斜角θは、90°−1.432°=88.5°よりも小さくすればよいことがわかる。開口部側端面34bの傾斜角θはパルスレーザー28の回折角よりも十分小さな値としてもよく、例えば60°程度としてもよい。
以上のようにして深溝16の形成が完了する。その後、図9Aに示すように、深溝16の間に形成される凸部18の上端にパルスレーザー28を照射して凹凸構造を形成する。凸部18の上面は、図4Aに示す窒化処理工程において窒化されているが、局所的に窒素含有量が高い部分が偏在している。窒化物濃度が高い部分は、パルスレーザー28の吸収率がより高くなるため、選択的に加熱される。また、加熱された際に窒化物が分解されて窒素が噴出することで、窒化物濃度が高い部分において優先的にアブレーションが進む。その結果、凸部18の上面にパルスレーザー28の照射範囲よりも小さな微細突起18aが形成される。
その後、図9Bに示すように、深溝16、凸部18及び微細突起18aが形成された本体20の表面20aに、アセチレンガスを含むガスを接触させて、カーボン複合窒化膜よりなる断熱膜24を形成する。この断熱膜24は、窒化と同時に多孔質炭素膜を形成する複合処理である。これにより、深溝16を埋めるようにして断熱膜24が形成される。また、断熱膜24の一部は凸部18の微細突起18aを覆う。本体20の表面20aには、深溝16及び凸部18を反映した凹凸構造が現れる。以上により、金属よりなる本体20の表面改質が完了し、鋳造用金型10の製造が完了する。
本実施形態の表面改質方法、鋳造用金型の製造方法及び鋳造用金型10は、以下の効果を奏する。
本実施形態の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法は、改質領域12に開口部36を有するマスク34を用いて、開口部36を通じてパルスレーザー28を照射して深溝16を形成する。そのマスク34は、開口部36に面する開口部側端面34bが、上端部34aから下端部34dに向けて逆テーパ状に広がる傾斜面で構成されている。このように構成されたマスク34を使用することにより、改質領域12と非改質領域14との間に、非改質領域14に向けて深溝16の深さが徐々に減少する境界領域22を形成することができる。これにより、繰り返し使用してもクラックが発生しにくい鋳造用金型10が得られる。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、マスク34の開口部側端面34bが、パルスレーザー28の回折角よりも大きく傾斜している。これにより、開口部側端面34bによるパルスレーザー28の反射を防いで、改質領域12の周縁部において深溝16が過剰に深くなる不具合を防ぐことができる。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、マスク34の開口部側端面34bとマスク34の上面34cとの為す角度を88.5°以下とすることができる。これにより、パルスレーザー28が開口部側端面34bで反射されて深溝16が過剰に深くなる不具合を防止できる。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、マスク34は、金属(金型)表面から離間して配置されてもよい。マスク34を金属表面から離間させることにより、境界領域22におけるパルスレーザー28の照射エネルギー分布の変化を緩やかにすることができる。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、マスク34は金属表面から5mm以上離間して設置してもよい。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、凹凸構造を形成する工程は、パルス幅が10ピコ秒以下のパルスレーザーを前記金属表面を走査しつつ照射する照射工程を含み、前記照射工程は、パーフルエンスが0.2J/cm2〜10J/cm2の範囲内で、且つ、パルスラップ率が95%以下の条件で、複数回行なってもよい。これにより、金属表面をアブレーション加工することができる。
上記の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法において、深溝16は、前記マスク34の開口部36よりも広い範囲に形成されてもよい。
本実施形態の鋳造用金型10は、表面が平坦面14aで構成される非改質領域14と、非改質領域14に隣接して設けられ、表面に深溝16が形成された改質領域12と、を有し、少なくとも溶湯90を供給する方案部に改質領域12が設けられた鋳造用金型10であって、改質領域12と非改質領域14との境界には、深溝16の深さが改質領域12から非改質領域14に向けて徐々に浅くなった境界領域22が形成されている。これにより、鋳造を繰り返した際の熱振幅が急変するヒートショックポイントの発生を防ぐことができ、深溝16を起点とするクラックの発生を防ぐことができる。
上記の鋳造用金型10において、深溝16は、格子状に設けられていてもよい。
上記の鋳造用金型10において、改質領域12が多孔質炭素膜よりなる断熱膜24で覆われていてもよい。これにより、鋳造用金型10において、方案部における溶湯90の温度低下を防ぐことができて好適である。
(その他の実施形態)
以下、本発明のその他の実施形態について、図10を参照しつつ説明する。第1の実施形態では、図5に示すように、傾斜した開口部側端面34bを有するマスク34を用いることで、深溝16の深さが徐々に変化する境界領域22を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。図10に示すように、改質領域12の周縁部において、深溝16を形成する際のパルスレーザー28の走査回数(パス数)を、改質領域12側から非改質領域14側に向けて徐々に減少させることにより、深溝16の深さが徐々に変化する境界領域22を形成してもよい。
また、深溝16を形成する際のパルスレーザー28の走査回数を変化させる代わりに、深溝16を形成する際のパルスレーザー28の強度を、場所に応じて変化させることで、深溝16の深さを徐々に変化させるようにしてもよい。これらの実施形態によっても、第1の実施形態の表面改質方法及び鋳造用金型の製造方法と同様の効果が得られる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…鋳造用金型 12…改質領域
14…非改質領域 16…深溝
18…凸部 20…本体
22…境界領域 24…断熱膜
28…パルスレーザー 34…マスク
34b…開口部側端面 36…開口部

Claims (11)

  1. 非改質領域に隣接した改質領域にパルスレーザーを照射して複数の溝状凹部を有する凹凸構造を形成する表面改質方法であって、
    前記非改質領域を覆うとともに、前記改質領域に開口部を有するマスクを金属表面に対向して配置する工程と、
    前記マスクの開口部を通じて前記金属表面にパルスレーザーを照射して前記溝状凹部を形成する工程と、を有し、
    前記マスクは、前記開口部に面する開口部側端面が、前記パルスレーザーの入射側から出射側に向けて逆テーパ状に広がる傾斜面で構成されている、
    表面改質方法。
  2. 請求項1記載の表面改質方法であって、前記開口部側端面は、前記パルスレーザーの回折角よりも大きく傾斜している、表面改質方法。
  3. 請求項2記載の表面改質方法であって、前記開口部側端面と、前記マスクの上面との為す角度が88.5°以下である、表面改質方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面改質方法であって、前記マスクは、前記金属表面から離間して配置される、表面改質方法。
  5. 請求項4記載の表面改質方法であって、前記マスクは前記金属表面から5mm以上離間して設置される、表面改質方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面改質方法であって、前記凹凸構造を形成する工程は、パルス幅が10ピコ秒以下のパルスレーザーを前記金属表面を走査しつつ照射する照射工程を含み、前記照射工程は、
    パーフルエンスが0.2J/cm2〜10J/cm2の範囲内で、且つ、パルスラップ率が95%以下の条件で、複数回行なわれる、表面改質方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面改質方法であって、前記溝状凹部は、前記マスクの開口部よりも広い範囲に形成される、表面改質方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面改質方法を行う鋳造用金型の製造方法。
  9. 表面が平坦面で構成される非改質領域と、前記非改質領域に隣接して設けられ、表面に複数の溝状凹部が形成された改質領域と、を有し、少なくとも溶湯を供給する方案部に前記改質領域が設けられた鋳造用金型であって、
    前記改質領域と前記非改質領域との境界には、前記溝状凹部の深さが前記改質領域から前記非改質領域に向けて徐々に浅くなった境界領域が形成されている、
    鋳造用金型。
  10. 請求項9記載の鋳造用金型であって、前記溝状凹部は、格子状に設けられている、鋳造用金型。
  11. 請求項10記載の鋳造用金型であって、前記改質領域が多孔質炭素膜よりなる断熱膜で覆われた、鋳造用金型。
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