JP2020108945A - 印字ユニット及びサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】紙ジャムを容易に解除すること。【解決手段】印字ユニット8は、固定刃34と、可動刃22と、駆動機構24と、操作レバー25と、戻し機構26とを備えている。駆動機構は可動刃を切断位置P1と待機位置P2とに移動させる。戻し機構は操作レバーと連動して可動刃を待機位置側に移動させる。戻し機構は、可動刃が切断位置で停止している状態において、ロック位置P3から解除位置P5に向けた操作レバーの操作に伴う動力を駆動機構に伝達して可動刃を待機位置に向けて移動させ、且つ、操作された操作レバーを解除位置側からロック位置に復帰させるレバー復帰機構62を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、印字ユニット及びサーマルプリンタに関する。
例えば、サーマルプリンタには印字ユニットが備えられている。印字ユニットは、可動刃を待機位置から切断位置まで移動させることにより、可動刃と固定刃との間で紙を切断するユニットである。可動刃を切断位置まで移動させて紙の切断を行う際、可動刃と固定刃との間に紙ジャム(すなわち、紙詰まり)が発生する場合があり、可動刃が固定刃に乗り上げた位置で止まってしまうことが考えられる。
このような紙ジャムを解除するために、例えば操作レバーを操作することにより、可動刃と固定刃との間に隙間を開ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。可動刃と固定刃との間に隙間を設けることにより、紙ジャムの負荷を取り除くことができるので、可動刃をバネの弾性復元力によりホームポジション(以下、待機位置という)に戻すことが可能とされている。
特開2014−40077号公報
しかしながら、固定刃と可動刃との間に隙間を設ける従来の構成では、隙間より大きな紙ジャムが発生した場合に、紙ジャムの負荷を完全に取り除くことが難しい。このため、操作レバーの1回の操作で固定刃と可動刃との間に隙間を設けたとしても、可動刃が戻らないおそれがある。そのため、操作レバーを何度も操作して紙ジャムを解除する必要があり、紙ジャムの解除性が低い。
さらに紙ジャムが解除できない場合には、可動刃が固定刃に乗り上げた位置で止まったままの状態が維持される。そのため、固定刃が取り付けられたプリンタのカバーを開くことができず、固定刃及び可動刃を外部に露出させることもできない。従って、隙間より大きな紙ジャムが発生した場合には、この紙ジャムを解除することが難しく、改良の余地が残されていた。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、紙ジャムを容易に解除することができる印字ユニット及びサーマルプリンタを提供することである。
(1)本発明に係る印字ユニットは、記録紙に印字するサーマルヘッドを有するヘッドユニットと、前記記録紙を搬送するプラテンローラを有し、前記ヘッドユニットに分離可能に組み合わされるプラテンユニットと、前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうちの一方に設けられた固定刃と、前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうちの他方に設けられ、前記固定刃に対して相対移動可能な可動刃と、前記可動刃に連結された駆動ラックを有し、前記固定刃から離れた待機位置と、前記固定刃に乗り上げた切断位置との間で前記可動刃を移動させる駆動機構と、前記ヘッドユニットに対して前記プラテンユニットをロックするロック位置と、前記ヘッドユニットに対する前記プラテンユニットのロックを解除する解除位置との間で移動可能な操作レバーと、前記可動刃が前記切断位置に止められた状態において、前記操作レバーと連動して、前記駆動ラックを介して前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置側に移動させる戻し機構と、を備え、前記戻し機構は、前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記ロック位置から前記解除位置に向けた前記操作レバーの操作に伴う動力を前記駆動機構に伝達して、前記可動刃を前記待機位置に向けて移動させ、且つ、操作された前記操作レバーを前記解除位置側から前記ロック位置に復帰させるレバー復帰機構を備えていることを特徴とする。
本発明に係る印字ユニットによれば、可動刃が待機位置に位置している場合には、操作レバーを操作して、ロック位置から解除位置まで移動させることで、プラテンユニットのロックを解除することができる。
これに対して、固定刃と可動刃との間に発生した紙ジャムによって可動刃が切断位置に停止した場合には、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて操作することで、操作レバーに連動して戻し機構を作動させることができる。すなわち、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて操作することで、戻し機構によって操作レバーの操作に伴う動力を駆動機構に伝達することができ、可動刃を待機位置側に向けて移動させることができる。さらに戻し機構はレバー復帰機構を備えているので、操作した操作レバーを解除位置側からロック位置に復帰させることができる。そのため、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて再び操作することができ、戻し機構により可動刃を待機位置側に向けてさらに移動させることができる。
従って、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて複数回繰り返し操作することが可能となるうえ、操作レバーの1回の操作毎に可動刃を待機位置側に向けて移動させることができる。従って、操作レバーの複数回の操作によって、可動刃を待機位置まで確実に移動させることができ、可動刃が固定刃に対して乗り上がった状態を解除することができる。そのため、固定刃に対する可動刃の乗り上がりが解除されたタイミングで操作レバーを解除位置まで移動させることができ、プラテンユニットのロックを解除することができる。その結果、固定刃と可動刃との間に発生した紙ジャムを解除することができる。
特に、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて複数回繰り返し操作することができると共に、操作レバーの1回の操作毎に可動刃を待機位置側に向けて移動させることができる。そのため、操作レバーの1回の操作ストローク量を小さく抑えることができ、紙ジャムが発生せずに、可動刃が待機位置に位置している通常の場合において、操作レバーを大きく操作せずにプラテンユニットのロックを解除することができる。従って、印字ユニットが搭載される端末(プリンタ)の小型化やレイアウト性の向上化を図ることができる。さらに、プラテンユニットのロックを解除するための操作レバーを戻し機構に連動させているので、紙ジャム解除用のレバーとして兼用することができる。これにより、部品点数の増加を抑えることができ、構成の簡素化を図ることができる。
(2)前記レバー復帰機構は、前記操作レバーの移動に伴って回転すると共に第1係合部を有するクラッチ部材と、前記クラッチ部材を囲むように形成されると共に、前記クラッチ部材が一方向に回転したときに前記第1係合部が係合する第2係合部を有し、前記駆動機構との間で動力を伝達可能なラチェットホイールと、前記操作レバーを前記解除位置側から前記ロック位置に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記ロック位置から前記解除位置側に向けて前記操作レバーが操作されたときに、前記第1係合部と前記第2係合部との係合によって前記クラッチ部材及び前記ラチェットホイールが共に回転し、前記ラチェットホイールから前記駆動機構に動力を伝達させ、前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記付勢部材によって前記解除位置側から前記ロック位置側に向けて前記操作レバーが移動したときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが非係合状態とされ、前記ラチェットホイールに対して前記クラッチ部材が空転しても良い。
この場合には、紙ジャムの発生により、可動刃が切断位置で停止しているときに、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて操作することで、第1係合部と第2係合部との係合によって、クラッチ部材及びラチェットホイールを共に回転させることができる。これにより、ラチェットホイールを介して、操作レバーの操作に伴う動力を駆動機構に伝達することができ、可動刃を待機位置側に向けて移動させることができる。
また、付勢部材を備えているので、解除位置側に移動した操作レバーをロック位置に向けて付勢することができ、操作レバーをロック位置に移動させることができる。このとき、第1係合部と第2係合部とを非係合状態とすることができ、ラチェットホイールに対してクラッチ部材を空転させることができる。従って、ラチェットホイールを静止させた状態で、クラッチ部材と共に操作レバーを回転させることができ、操作レバーをロック位置に復帰させることができる。特に、ラチェットホイールを静止させた状態に維持できるので、待機位置側に向けて移動させた可動刃の位置を、該位置に留まらせることができる。
従って、可動刃を待機位置に向かう途中の位置に保持した状態で、操作レバーをロック位置に復帰させることができるので、操作レバーを複数回繰り返して操作することにより、可動刃を待機位置に確実に移動させることができる。
(3)前記戻し機構は、前記駆動ラックに形成された戻しラックと、前記戻しラックのラック歯に噛み合う戻しピニオンと、を備え、前記ラチェットホイールには、前記戻しピニオンと噛み合う外歯が形成されても良い。
この場合には、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて操作して、ラチェットホイールを回転させることで、戻しピニオン及び戻しラックを介して、駆動ラックに操作レバーの操作に伴う動力を確実に伝達することができる。これにより、可動刃を待機位置側に向けて確実に移動させることができる。
(4)前記戻し機構は、前記操作レバーの回転軸線と同軸上に配置された状態で、前記回転軸線回りに回転可能に支持され、前記クラッチ部材に連結されたサンギアと、前記サンギアに噛み合うと共に、前記操作レバーの移動に伴って公転するプラネタリギアと、前記プラネタリギアの公転時に、前記プラネタリギアが噛み合うインターナルギアと、を備え、前記プラネタリギアは、前記操作レバーが前記ロック位置に位置するときに、前記インターナルギアに対する噛み合いが外れて空転が許容されても良い。
この場合には、紙ジャムが発生した際、操作レバーをロック位置から解除位置に向けて操作することにより、操作レバーの移動に伴ってプラネタリギアを公転させることができる。このとき、プラネタリギアをインターナルギアに噛み合わせながら公転させることができるので、プラネタリギアを自転させながら公転させることができる。そのため、プラネタリギアの自転に伴ってサンギアを回転させることができると共に、サンギアと共にクラッチ部材を回転させることができる。これにより、第1係合部と第2係合部との係合により、クラッチ部材と共にラチェットホイールを回転させることができ、戻しピニオン及び戻しラックを介して、駆動ラックに操作レバーの操作に伴う動力を確実に伝達することができる。その結果、可動刃を待機位置側に向けて確実に移動させることができる。
特に、プラネタリギアを利用しているので、操作レバーの操作ストローク量に対してラチェットホイールの回転量を大きく確保することができる。従って、操作レバーの操作ストローク量をより小さく抑えた状態で、可動刃を待機位置側に戻すために必要なラチェットホイールの回転量を確保することができる。これにより、操作レバーの操作性を良好に確保できる。
なお、プラネタリギアは、操作レバーがロック位置に位置するときにインターナルギアに対する噛み合いが外れて空転が許容されている。そのため、例えば通常の記録紙の切断過程において、駆動ラック側からの動力によってプラネタリギアが回転したとしても、インターナルギアとの噛み合いによって公転することがない。
(5)前記戻し機構は、前記プラネタリギアの公転時、前記インターナルギアに対して所定の噛み合い関係で前記プラネタリギアが噛み合うように、前記インターナルギアに対する前記プラネタリギアの姿勢を矯正する矯正部材を備えても良い。
この場合には、操作レバーをロック位置から解除位置に向けて操作してプラネタリギアを公転させた際、矯正部材によってインターナルギアに対するプラネタリギアの姿勢を矯正することができる。これにより、インターナルギアに対して、常に所定の噛み合い関係でプラネタリギアを噛み合わせることができる。つまり、インターナルギアに対する噛み合い時におけるプラネタリギアの位相を適正な状態に維持することができ、インターナルギアの第1歯目に対して、プラネタリギアを毎回適切に噛み合わせることができる。これにより、例えばインターナルギア及びプラネタリギアの歯先同士が突き当たるといった不都合(インターナルギア及びプラネタリギア同士の干渉)が生じてしまうことを防止することができると共に、突き当りに起因するプラネタリギアの不具合及び回転不良や、プラネタリギア周辺の不具合及び動作不良等を防止することができる。従って、操作レバーの動作性を向上することができ、より安定したレバー操作を行える。
(6)前記矯正部材は、前記プラネタリギアにおけるプラネタリ歯部と、前記インターナルギアにおけるインターナル歯部のうち前記プラネタリギアが最初に噛み合う第1歯目のインターナル歯部と、の歯先同士が非接触となる噛み合い関係となるように、前記プラネタリギアの姿勢を矯正しても良い。
この場合には、矯正部材によってインターナルギアに対するプラネタリギアの姿勢を矯正することで、プラネタリ歯部と第1歯目のインターナル歯部との歯先同士が非接触となる噛み合い関係となるように、インターナルギアに対してプラネタリギアを噛み合わせることができる。従って、インターナル歯部及びプラネタリ歯部の歯面同士が接触するように適切に噛み合わせることができ、例えばインターナルギア及びプラネタリギアの歯先同士が突き当たってしまうことをより効果的に防止することができる。
(7)前記矯正部材は、前記インターナルギアよりも前記操作レバーの前記ロック位置側に配設され、前記プラネタリ歯部が摺接する弾性体とされ、前記弾性体は、前記プラネタリ歯部の摺接時に弾性変形すると共に、弾性復元変形に伴って前記プラネタリギアの位相をずらしても良い。
この場合には、操作レバーをロック位置から解除位置に向けて操作してプラネタリギアを公転させた際、プラネタリ歯部がインターナル歯部に対して噛み合う前に、プラネタリ歯部を弾性体に摺接させることができる。これにより、弾性体上でプラネタリ歯部を滑らすことが可能となる。しかも、プラネタリ歯部の摺接時に弾性体を弾性変形させることが可能であるので、プラネタリギアの全体に、弾性体の弾性復元力を作用させることができる。
これらのことから、プラネタリギアの位相を強制的にずらすことができる。従って、インターナルギアに対する噛み合い時におけるプラネタリギアの位相を、より確実に適正な状態に維持することができ、インターナルギアに対してプラネタリギアを毎回適切に噛み合わせることができる。特に、弾性体を利用するだけの簡便な構成で済むので、構成の簡略化及び低コスト化に繋げることができる。
(8)前記ラック歯は、前記可動刃が前記切断位置に位置したときに前記戻しピニオンに対して噛み合い、且つ前記可動刃が前記待機位置に位置したときに前記戻しピニオンに対する噛み合いが解除されるように、前記可動刃における刃先の反対側に形成されても良い。
この場合には、可動刃が待機位置に位置したときに、戻しラックのラック歯と戻しピニオンとの噛み合いを解除できるので、操作レバーを利用してプラテンユニットのロックを解除するときに、戻しピニオンを空転させることができる。これにより、可動刃を待機位置に確実に維持させた状態でプラテンユニットのロックを解除することができる。
(9)前記可動刃が前記切断位置に止められた際、前記ロック位置から前記解除位置に向けた前記操作レバーの操作ストローク量は、前記操作レバーによる複数回の操作で、前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置に戻すように設定されても良い。
この場合には、操作レバーの1回の操作における操作ストローク量を小さく抑えることができる。
(10)前記操作ストローク量は、前記操作レバーによる2回の操作で、前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置に戻すように設定されても良い。
この場合には、紙ジャムが発生した際、操作レバーによる2回の操作で可動刃を待機位置に戻すことができるので、操作レバーの操作ストローク量をさらに小さく抑えることができる。
(11)本発明に係るサーマルプリンタは、前記印字ユニットと、前記記録紙を収容する記録紙収容部を有すると共に、前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうち前記可動刃が設けられたユニットが取り付けられたプリンタ本体と、前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうち前記固定刃が設けられたユニットが取り付けられ、前記プリンタ本体に対して回動可能に連結されたプリンタカバーと、を備えていることを特徴とする。
本発明に係るサーマルプリンタによれば、操作レバーをロック位置から複数回繰り返して操作することにより、固定刃と可動刃との間に発生した紙ジャムを容易に解除することができると共に、操作レバーをロック位置から解除位置側に向けて操作する際の操作ストローク量を小さく抑えることができる。従って、小型化及びレイアウト性の向上化を図ることができる。さらに、可動刃を駆動する駆動機構をプリンタカバー側ではなく、プリンタ本体側に設けているので、プリンタカバーの軽量化を図ることができ、プリンタカバーを開閉する際の操作性を良好に確保することができる。
本発明によれば、操作レバーの操作によって、固定刃と可動刃との間に発生した紙ジャムを容易に解除することができる。さらに操作レバーの1回の操作ストローク量を小さく抑えることができるので、印字ユニットが搭載される端末(プリンタ)の小型化やレイアウト性の向上化を図ることができる。
本発明の実施形態に係るサーマルプリンタの斜視図であって、プリンタカバーを閉じた状態を示す斜視図である。 図1に示すプリンタカバーが開いた状態におけるサーマルプリンタの斜視図である。 図2に示す印字ユニットの斜視図である。 図3に示す印字ユニットの固定刃と可動刃との間で記録紙を切断する状態を示す斜視図である。 図3に示すV−V線に沿った印字ユニットの断面図である。 図3に示す印字ユニットの要部を示す斜視図である。 図3に示す印字ユニットの戻し機構及び操作レバーを示す斜視図である。 図3に示す印字ユニットの戻し機構を示す斜視図である。 図3に示す印字ユニットのロック解除機構を示す斜視図である。 可動刃が待機位置に位置した状態を示す印字ユニットの断面図である。 図10に示す状態から操作レバーを操作して、プラテンユニットのロックを外す際の動作を説明する断面図である。 図11に示す状態から、操作レバーをロック位置に復帰させる動作を説明する断面図である。 可動刃と固定刃との間に紙ジャムが発生する動作を説明する断面図である。 図13に示す状態から操作レバーを操作(1回目の操作)する際の動作を説明する断面図である。 図14に示す状態から、操作レバーをロック位置に復帰させる動作を説明する断面図である。 図15に示す状態から、操作レバーを再度操作(2回目の操作)する際の動作を説明する断面図である。 本実施形態の変形例を示す図あって、戻し機構及び操作レバーを示す斜視図である。 図17に示す状態からコイルばねを取り外した状態を示す図である。 可動刃が待機位置に位置し、且つ操作レバーがロック位置に位置している状態を示す印字ユニットの断面図である。 図17に示す矢印W方向から見たコイルばね周辺の拡大側面図である。 図20に示す状態からプラネタリギアがインターナルギアに向けて公転した状態を示す側面図である。 図21に示す状態からプラネタリギアがさらに公転した状態を示す側面図である。 図22に示す状態からプラネタリギアがさらに公転して、プラネタリ歯部がインターナルギアの第1歯目のインターナル歯部に対して噛み合った状態を示す側面図である。 本実施形態の変形例を示す図あって、戻し機構及び操作レバーを示す側面図である。 図24に示す状態から弾性体を取り外した状態を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
<サーマルプリンタの構成>
図1、図2に示すように、サーマルプリンタ1は、ロール紙Rから引き出された記録紙P(例えば感熱紙)に印刷を行って、記録紙Pをチケットやレシート等として利用することができるプリンタ(端末)である。
サーマルプリンタ1は、ケーシング(本発明に係るプリンタ本体)2と、プリンタカバー3と、プリンタカバー3側に設けられたプラテンユニット4と、ケーシング2側に設けられたヘッドユニット5と、を備えている。プラテンユニット4及びヘッドユニット5で印字ユニット8が構成されている。
なお、実施形態においては、図1に示すプリンタカバー3の閉位置において、紙面に対して左下側(プリンタカバー3側)を前方(矢印FW方向)、右上側(ケーシング2側)を後方(矢印BA方向)、上側を上方、下側を下方とする。また、記録紙Pは前方FWに排出されるものとする。さらに、前後方向L1及び上下方向L2に対して直交する方向を左右方向L3とする。
(ケーシング)
ケーシング2は、例えば樹脂材料や金属材料、或いはこれらを適宜組み合わせることで、前方FWに開口するキューブ状に形成されている。ただし、ケーシング2の形状は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
ケーシング2は、基本骨格となるフレーム体と、フレーム体を覆う外装カバーと、で構成されている。ケーシング2の内部には、ロール紙Rが収容される記録紙収容部10が形成され、プリンタカバー3を開けることで記録紙収容部10が前方FWに開放される。
記録紙収容部10は、上述したフレーム体の一部により構成された前方FWに向けて開口する箱型とされ、その内側にロール紙Rが幅方向を左右方向L3に一致させた状態で収容される。
ケーシング2の開口縁における下部には、左右方向L3に沿って延在する第1回動軸11が配設されている。第1回動軸11には、プリンタカバー3がケーシング2に対して回動可能に連結されている。プリンタカバー3は、ケーシング2の開口部を閉塞する閉位置(図1に示す位置)と、ケーシング2の開口部を開放する開位置(図2に示す位置)との間で90度程度の角度範囲で回動する。これにより、ケーシング2の開口部(すなわち、記録紙収容部10)がプリンタカバー3で開閉される。
なお、プリンタカバー3が開位置のときに、例えばロール紙Rを記録紙収容部10内に投入することが可能とされる(いわゆるドロップイン方式)。
サーマルプリンタ1は、プリンタカバー3が閉位置に位置しているときに、プリンタカバー3の先端部とケーシング2との間に、若干の隙間が空くように構成されている。記録紙Pは、この隙間を利用してケーシング2の内部から前方FWに引き出される。よって、若干の隙間は記録紙Pの排出口12として機能する。
ケーシング2及びプリンタカバー3は、プリンタカバー3が閉位置に位置しているときに、プラテンユニット4とヘッドユニット5との組み合わせに伴ってロックされる。ケーシング2における上部前側に位置する角部のうち、左右方向L3の一方側に位置する角部には、プラテンユニット4とヘッドユニット5との組み合わせ(ロック)を解除して、プリンタカバー3の開操作を行うための操作レバー13が設けられている。
(印字ユニット)
図2及び図3に示すように、ヘッドユニット5は、サーマルヘッド(図示せず)及び可動刃22が主に組み込まれたユニットであって、ケーシング2内における上部前側に配設されている。ヘッドユニット5は、ケーシング2の上面から下方に向けて延設された図示しない内部プレート上に固定され、記録紙収容部10よりも前方FWで保持されている。
ヘッドユニット5は、ヘッドフレーム23と、サーマルヘッドと、可動刃22と、駆動機構24と、操作レバー25と、戻し機構26と、ロック解除機構27と、を主に備えている。
ヘッドフレーム23は、例えば金属製のフレームで形成されている。サーマルヘッドは、左右方向L3に沿ってライン状に並んだ複数の発熱素子を有している。
プラテンユニット4は、プリンタカバー3の内面の上部において、補強部材31と前後方向L1で重なる位置に取り付けられ、プリンタカバー3の開閉動作に伴ってヘッドユニット5に分離可能に組み合わせられている。
具体的には、プラテンユニット4はプラテンローラ33と、固定刃34と、プラテンフレーム35とを備えている。
プラテンローラ33は、記録紙Pをプリンタカバー3の外部に搬送するローラである。固定刃34は、プリンタカバー3の内部に設けられ、プラテンローラ33に対して前方FWに配置されている。プラテンフレーム35は、プラテンローラ33及び固定刃34を支持するフレームである。
このように、固定刃34はプリンタカバー3に設けられている。よって、可動刃22を駆動する駆動機構24をプリンタカバー3に設ける必要がない。これにより、プリンタカバー3の軽量化が図れ、プリンタカバー3を開閉する際の操作性を良好に確保できる。
なお、サーマルヘッドは、プリンタカバー3が閉位置に位置しているときに、プラテンローラ33に対向し、プラテンローラ33との間に記録紙Pを通過可能とさせている。さらに、サーマルヘッドとプラテンローラ33との間には、サーマルヘッドを下方(プラテンローラ33側)に向けて付勢するコイルバネが介在されている。これにより、プラテンローラ33によって送り出される記録紙Pに対してサーマルヘッドを確実に押し付けることができ、印字ユニット8による良好な印刷が可能とされている。
図3及び図4に示すように、可動刃22は、駆動機構24を介してケーシング2(図2参照)に設けられている。なお、図4は可動刃22を移動させて、固定刃34と可動刃22との間で記録紙Pを切断する状態を示す斜視図である。
可動刃22は、プリンタカバー3が閉位置(図1参照)に配置されて、ヘッドユニット5とプラテンユニット4とが組み合わされた状態において、固定刃34に前後方向L1で対向するように配設されている。可動刃22は、根元22aから刃先22bまでの長さが両端から中央に向かって漸次短くなるように形成されたV字状の板状刃とされている。
可動刃22は、可動刃ホルダ29を介して駆動機構24の駆動ラック46に取り付けられている。可動刃22は、駆動機構24の動作によってヘッドフレーム23に対して上下方向L2に移動可能に構成されている。これにより、可動刃22は固定刃34に対して上下方向L2に移動可能に支持されている。
図3及び図5に示すように、駆動機構24は、切断位置P1と待機位置P2とに可動刃22を移動させる機構である。切断位置P1とは、可動刃22が固定刃34に乗り上げて、可動刃22が固定刃34と共に記録紙Pを切断する位置(図4参照)である。待機位置P2とは、固定刃34から可動刃22が離れた位置(図3参照)である。
具体的には、駆動機構24は、駆動用モータM1と、第1〜第4の駆動歯41〜44と、駆動ピニオン45と、駆動ラック46とを備えている。
駆動用モータM1は、正逆回転可能なモータである。第1駆動歯41は、駆動用モータM1の駆動軸に連結されている。第1駆動歯41は、第2〜第4の駆動歯42〜44を介して駆動ピニオン45に連結されている。
駆動ピニオン45は、ピニオン支持軸48に同軸上に取り付けられている。ピニオン支持軸48は駆動ピニオン45と共に一体に回転する。駆動ピニオン45は、左右方向L3にそれぞれ一対設けられている。一対の駆動ピニオン45は、左右方向L3の駆動ラック46に噛み合わされている。一対の駆動ピニオン45は、ピニオン支持軸48により連結されている。
駆動ラック46には、待機位置P2側の端部(上端部)から切断位置P1側の端部(下端部)に亘って複数の駆動ラック歯47が形成されている。すなわち、駆動ラック46には、全域に亘って駆動ラック歯47が形成されている。
駆動ラック46は、可動刃ホルダ29の左右方向L3に沿う両端部に取り付けられ、上下方向L2に沿って延在されている。すなわち、駆動ラック46には可動刃ホルダ29を介して可動刃22が取り付けられている。
以下、構成の理解を容易にするために、駆動用モータM1側の駆動ピニオン45及び駆動ラック46について詳細に説明し、駆動用モータM1とは左右方向L3の反対側に位置する駆動ピニオン45及び駆動ラック46については説明を省略する。
駆動用モータM1が正転することにより、駆動用モータM1の回転が第1〜第4の駆動歯41〜44を経て駆動ピニオン45に伝えられる。これにより、駆動ピニオン45が図3に示す矢印A方向に回転して、駆動ラック46が戻し機構26の戻しラック64(後述する)と共に図3及び図5に示す矢印B方向に移動する。駆動ラック46が移動することにより、駆動ラック46と共に可動刃22が矢印B方向に直線移動する。これにより、可動刃22を切断位置P1まで移動させることができる。
一方、駆動用モータM1が逆転することにより、駆動用モータM1の回転が第1〜第4の駆動歯41〜44を経て駆動ピニオン45に伝えられる。これにより、駆動ピニオン45が図3に示す矢印C方向に回転して、駆動ラック46が図3及び図5に示す矢印D方向に移動する。駆動ラック46が移動することにより、駆動ラック46と共に可動刃22が矢印D方向に直線移動する。これにより、可動刃22を待機位置P2まで移動させることができる。
図6及び図7に示すように、操作レバー25は、ヘッドフレーム23の側壁部23a側にレバー支持軸52を介して回動可能に支持されている。
操作レバー25は、図6に示す操作力F1によりレバー支持軸52を軸にしてロック位置P3から、後述する当接位置P4や解除位置P5へ向けて後方(矢印BA方向)に押込み操作可能に構成されている。レバー支持軸52は、ケーシング2の外装カバー53から内側へ向けて突出されている。
ロック位置P3とは、ヘッドユニット5に対してプラテンユニット4がロック状態に保持される位置をいう。当接位置P4とは、操作レバー25の後述するレバー突部57が後述するリリースカム91のカム突部97に当接する位置をいう。解除位置P5とは、ヘッドユニット5に対するプラテンユニット4のロック状態が解除される位置をいう。
図6に示すように、操作レバー25は、外側面25aからプラネタリ軸55が外側へ向けて突出され、外側面25aに係止溝部56が形成されている。さらに図7に示すように、操作レバー25は、内側面25bからレバー突部57が内側へ向けて突出されている。
なお、プラネタリ軸55、係止溝部56及びレバー突部57については後に詳細に説明する。
さらに操作レバー25は、後述するクラッチ部材73及びサンギア66に対してレバー支持軸52を介して同軸上に回転自在に支持されている。つまり、クラッチ部材73及びサンギア66は、操作レバー25の回転軸線と同軸上に回転自在に支持されている。クラッチ部材73及びサンギア66は、戻し機構26の一部を構成する部材である。
操作レバー25の先端部25cは、操作レバー13における連結体16(図2参照)の内側に嵌合されている。そのため、操作レバー25は、操作レバー13の操作に連動して操作される。これにより、操作レバー13をロック位置からリリース位置に操作することにより、操作レバー25がロック位置P3から解除位置P5に向けて操作される。
図5に示すように、戻し機構26は、可動刃22を切断位置P1から待機位置P2側に向けて戻す機構である。具体的には、図5及び図8に示すように、戻し機構26は、加速機構61と、レバー復帰機構62と、戻しピニオン63と、戻しラック64と、を主に備えている。
戻し機構26は、紙ジャムの発生によって可動刃22が切断位置P1に止められた状態において、操作レバー25と連動して可動刃22を待機位置P2側に向けて移動させる。
加速機構61は、サンギア66と、プラネタリギア67と、インターナルギア68とを備えている。
サンギア66は、後述するラチェット機構72のクラッチ部材73と共に作動するようにレバー支持軸52に回転可能に支持されている。サンギア66は、クラッチベース77の内面77aに一体形成され、クラッチ部材73に対して同軸上に配置されている。すなわち、サンギア66及びラチェット機構72は、操作レバー25の回転中心に対して同軸上に回転可能に支持されている。サンギア66に噛み合うようにプラネタリギア67が配置されている。
プラネタリギア67は、操作レバー25にプラネタリ軸55(図6参照)を介して回転自在に支持されている。プラネタリ軸55は、レバー支持軸52に対してオフセットされた位置に配置されている。よって、操作レバー25がレバー支持軸52を軸にして回転することにより、操作レバー25の移動に追従してプラネタリ軸55(すなわち、プラネタリギア67)がレバー支持軸52を中心にして公転する。
プラネタリギア67にインターナルギア68が噛合い可能に設けられている。インターナルギア68は、カバー湾曲部53aの内周に円弧状に形成されている。カバー湾曲部53aは、印字ユニット8(図6参照)の側部を覆う外装カバー53に一体に形成されている。
インターナルギア68は、操作レバー25がロック位置P3に位置する状態において、プラネタリギア67との噛合いが回避されるように形成されている。具体的には、操作レバー25がロック位置P3に位置する状態において、カバー湾曲部53aの内周部53bにプラネタリギア67が配置されている。これにより、操作レバー25がロック位置P3に位置する状態において、プラネタリギア67の空転が許容されている。
このように構成された加速機構61によれば、操作レバー25がロック位置P3から当接位置P4や解除位置P5へ向けて操作されることにより、操作レバー25の移動に追従してプラネタリギア67がインターナルギア68に向けて公転する。プラネタリギア67が公転することによりインターナルギア68に噛み合う。そして、さらなる操作レバー25の操作により、プラネタリギア67がインターナルギアに噛み合いながら回転(自転)する。プラネタリギア67が回転することにより、操作レバー25の移動に追従してサンギア66が回転する。
レバー復帰機構62は、ラチェット機構72と、付勢部材75と、を含んでいる。ラチェット機構72は、クラッチ部材73と、ラチェットホイール74と、を含んでいる。
レバー復帰機構62は、可動刃22が切断位置P1で停止している状態において、操作レバー25がロック位置P3から当接位置P4や解除位置P5に向けて操作される際に、操作レバー25の操作力(押付力)F1を駆動機構24に伝達する。具体的には、操作力F1を戻しラック64を経て駆動ラック46に伝達する。操作力F1が駆動機構24に伝達されることにより、可動刃22が待機位置P2側へ向けて移動する。
さらにレバー復帰機構62は、当接位置P4や解除位置P5まで操作された操作レバー25を付勢部材75によりロック位置P3に復帰させる。
図6及び図8に示すように、クラッチ部材73は、クラッチベース77と、一対のクラッチ歯部(本発明に係る第1係合部)78と、を有する。クラッチベース77は、円板状の内面77aにサンギア66が同軸上に一体形成されている。クラッチベース77は、サンギア66と共に回転可能にレバー支持軸52に支持されている。クラッチベース77の外周部77bに、一対のクラッチ歯部78が軸対称に一体形成されている。
クラッチ歯部78は、アーム部78aと、噛合爪78bと、を有する。アーム部78aは、クラッチベース77の外周部77bにアーム基部78cが一体に形成され、アーム基部78cから外周部77bに対して一定の間隔をおいて配置されている。
具体的には、アーム部78aは、左右方向L3の外側から見た状態において、アーム基部78cからクラッチベース77の外周部77bに沿って噛合爪78bまで反時計回り方向へ向けて湾曲に延びている。すなわち、アーム部78aは、クラッチベース77の外周部77bにアーム基部78cで片持支持され、アーム基部78cを支点にして外周部77bへ向けて弾性変形可能に形成されている。アーム部78aの先端には噛合爪78bが形成されている。噛合爪78bは、半径方向外側の先端がラチェットホイール74の内歯74a(後述する)に噛み合い可能に反時計回り方向へ向けて突出するように形成されている。
図5及び図8に示すように、クラッチベース77がサンギア66と一体にレバー支持軸52に対して回転自在に支持されているので、クラッチ部材73は、レバー支持軸52に回転自在に支持されている。レバー支持軸52には、操作レバー25、サンギア66及びクラッチ部材73の各回転中心が同軸上に支持されている。クラッチ部材73は、サンギア66と共に作動するように、サンギア66に対して同軸上に一体形成されている。
サンギア66は、操作レバー25の移動に追従して回転する。よって、サンギア66と共に、クラッチ部材73が操作レバー25の移動に追従して回転する。クラッチ部材73に噛合い可能にラチェットホイール74が配置されている。
ラチェットホイール74は、ホイールベース81(図3参照)と、ラチェット部82と、を有する。ホイールベース81は、サンギア66及びクラッチ部材73に対して同軸上に円板状に形成され、クラッチ部材73に対して左右方向L3の外側に配置されている。ホイールベース81は、サンギア66及びクラッチ部材73と同様に、レバー支持軸52に回転自在に支持されている。ホイールベース81の外周部にラチェット部82が同軸上に一体形成されている。
ラチェット部82は、クラッチ部材73の径方向の外側(すなわち、一対のクラッチ歯部78)を覆うように環状に形成され、クラッチ部材73に対して同軸上に配置されている。ラチェット部82は、内周面に環状に形成された複数の内歯(本発明に係る第2係合部)74aと、外周面に環状に形成された複数の外歯74bと、を有する。
内歯74a及び外歯74bの個数は、操作レバー25の操作量(操作ストローク量)を考慮して適宜選択される。
外歯74bは、ラチェット部82の外周面に形成され、戻しピニオン63に噛み合わされている。内歯74aは、左右方向L3の外側から見た状態において、クラッチ部材73が反時計回り方向へ回転することにより噛合爪78bに噛み合うように形成されている。
すなわち、クラッチ部材73及びラチェットホイール74は、一対の噛合爪78bと内歯74aとが互いに噛合うことによって連結する噛み合いクラッチが構成されている。
よって、操作レバー25がロック位置P3から当接位置P4や解除位置P5側へ向けて操作される際に、左右方向L3の外側から見た状態において、サンギア66が反時計回り方向に回転する。よって、サンギア66と共にクラッチ部材73が反時計回り方向に回転する。クラッチ部材73の噛合爪78bがラチェットホイール74の内歯74aに噛み合い、クラッチ部材73と共にラチェットホイール74が反時計回り方向に回転する。
なお、ラチェットホイール74は、加速機構61により、操作レバー25に対して個別に回転する。よって、操作レバー25の操作ストローク量に対してラチェットホイール74の回転量を大きく確保できる。すなわち、操作レバー25の操作ストローク量を小さく抑えた状態で、可動刃22を待機位置P2に戻すために必要なラチェットホイール74の回転量を確保できる。これにより、可動刃22を待機位置P2に戻す際に、操作レバー25の操作性を良好に確保できる。
また、内歯74aは、左右方向L3の外側から見た状態において、クラッチ部材73が時計回り方向へ回転することにより、アーム部78aの弾性変形により噛合爪78bが内歯74aを乗り越える。これにより、内歯74aは、クラッチ部材73が時計回り方向へ回転することにより、噛合爪78bとの噛合いが解除される。内歯74aと噛合爪78bとの噛み合いが解除されることにより、クラッチ部材73が時計回り方向へ空転する。
操作レバー25は、当接位置P4や解除位置P5からロック位置P3へ向けて付勢部材75の付勢力で復帰するように構成されている。操作レバー25がロック位置P3へ向けて復帰する際に、プラネタリギア67を介してサンギア66が、左右方向L3の外側から見た状態において、時計回り方向に回転する。よって、サンギア66と共にクラッチ部材73が、操作レバー25の移動に追従して時計回り方向に回転する。この際、内歯74aと噛合爪78bとの噛み合いが解除されることにより、クラッチ部材73が時計回り方向へ空転する。
以下、左右方向L3の外側から見た状態において、クラッチ部材73の反時計回り方向への回転を「反時計回り方向への回転」と略記し、クラッチ部材73の時計回り方向への回転を「時計回り方向への回転」と略記する。
図6に示すように、付勢部材75は、支持ピン85に支持されたコイル部75aと、外装カバー53に係止された第1端部75bと、操作レバー25の係止溝部56に係止された第2端部75cと、を有する。これにより、操作レバー25は、付勢部材75の付勢力でレバーストッパ(図示せず)に当接した状態に保持されることによりロック位置P3に位置決めされる。
ただし、付勢部材75としては上述の構成に限定されるものではなく、例えば板ばね等であっても構わない。
さらに操作レバー25は、ロック位置P3から当接位置P4や解除位置P5まで付勢部材75の付勢力に抗して操作された状態において、操作レバー25から操作力F1が除去されることにより、操作レバー25が付勢部材75の弾性復元力(付勢力)によってロック位置P3に復帰する。
図5に示すように、ラチェットホイール74の外歯74bは、戻しピニオン63に噛み合わされている。
図6に示すように、戻しピニオン63は、駆動ピニオン45の外側において同軸上に配置され、ピニオン支持軸48に回転自在に支持されている。戻しピニオン63は、ラチェットホイール74の回転に連動することによりピニオン支持軸48を軸にして回転する。ラチェットホイール74は操作レバー25に連動可能に連結されている。よって、戻しピニオン63は、操作レバー25に連動可能に連結されている。
戻しピニオン63は、戻しラック64の複数のラック歯59に噛み合うように形成されている。戻しラック64は、駆動機構24の駆動ラック46の外側に配置された状態において駆動ラック46に一体に形成されている。戻しラック64は、可動刃22の刃先22b(図3参照)の反対側にのみラック歯59が形成されている。
よって、戻しラック64は、可動刃22が切断位置P1に位置したときに戻しピニオン63と噛み合い、可動刃22が待機位置P2に位置したときに戻しピニオン63との噛み合いが解除される。
ラチェットホイール74は、クラッチ部材73を介して操作レバー25に連動可能に連結されている。従って、操作レバー25を操作することにより、クラッチ部材73、ラチェットホイール74、戻しピニオン63及び戻しラック64を介して、可動刃22を待機位置P2に確実に戻すことが可能とされている。
さらに、駆動ラック46に戻しラック64を形成することにより、駆動ラック46と戻しラック64とを一体に形成でき、部品点数を増やすことなく戻しラック64を備えることができる。これにより、印字ユニット8やサーマルプリンタ1の構成の簡素化を図ることができると共に、コストを抑えることができる。
複数のラック歯59のうち、可動刃22の刃先22b(図3参照)側に位置するラック歯59は、変位可能なラック歯59とされている。以下、この変位可能なラック歯59を、ラック歯59Aと略記して説明する。
ラック歯59Aは、ラックアーム65の先端部に形成されている。ラックアーム65の基端部は、戻しラック64のうち可動刃22の刃先22b側に位置する端部64aに連結されている。ラックアーム65は、基端部を支点にして戻しピニオン63から離れる方向に弾性変形可能に形成されている。
従って、ラックアーム65を戻しピニオン63から離れる方向に弾性変形させることにより、ラック歯59Aを戻しピニオン63の径方向外側へ退避させることができる。
戻しラック64のラック歯59Aを戻しピニオン63の径方向外側へ退避可能に形成した理由について、簡単に説明する。
例えば、戻しラック64が図3に示す矢印B方向に移動する際に、戻しラック64のラック歯59Aが戻しピニオン63の刃先に当接することが考えられる。この場合、戻しラック64の移動が戻しピニオン63の刃先で阻止されるおそれがある。そのため、ラック歯59Aをラックアーム65の先端部に形成するようにした。そして、ラックアーム65を弾性変形させることにより、ラック歯59Aを戻しピニオン63の径方向外側へ退避させて戻しピニオン63の刃先を乗り越えるようにした。ラック歯59Aが戻しピニオン63の刃先を乗り越えた後、ラックアーム65の復元力でラック歯59Aが元の位置に復帰する。すると復帰したラック歯59Aが、戻しピニオン63におけるつぎの刃先に噛み合う。これにより、戻しピニオン63を戻しラック64のラック歯59で好適に回転させることが可能とされている。
図5及び図8に示すように、レバー復帰機構62にクラッチ部材73と、ラチェットホイール74と、付勢部材75と、を具備させているので、操作レバー25が当接位置P4、解除位置P5側に向けて操作される際に、クラッチ部材73をラチェットホイール74の内歯74aに噛み合わせてラチェットホイール74を回転させることができる。これにより、ラチェットホイール74の外歯74bを介して、操作レバー25の操作に伴う動力(操作力F1)を、戻しピニオン63から戻しラック64(すなわち、駆動機構24)に伝達することが可能となる。
これに対して、紙ジャムの発生により、可動刃22が待機位置P2に戻っていない場合には、操作レバー25を例えば当接位置P4まで操作した後、操作レバー25から操作力F1を外すと、操作レバー25は付勢部材75の弾性復元力によりロック位置P3に向けて復帰しようとするものの、ラチェットホイール74は回転が規制されて、静止した状態となっている。
そのため、クラッチ部材73がラチェットホイール74の内歯74aとの間で空転する。これにより、ラチェットホイール74を静止状態に保ちながら、クラッチ部材73を空転させることができ、これにより可動刃22を待機位置P2に向かう途中の位置に保持した状態で、操作レバー25をロック位置P3に復帰させることができる。従って、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4側に向けて再び操作することができる。そのため、操作レバー25を複数回、繰り返して操作することが可能になり、可動刃22を待機位置P2まで確実に戻すことができる。
このように、レバー復帰機構62にクラッチ部材73、ラチェットホイール74、及び付勢部材75を備える簡素な構成で、固定刃34と可動刃22との間に発生した紙ジャムを容易に解除できる。さらに、簡素な構成で、操作レバー25をロック位置P3から解除位置P5まで操作する際の操作ストローク量を小さく抑えることができる。
なお、操作ストローク量とは、操作レバー25をロック位置P3から解除位置P5まで操作する際の操作レバー25の移動距離をいう。
図5及び図9に示すように、操作レバー25の内側にはロック解除機構27が配置されている。
ロック解除機構27は、操作レバー25の回動動作に連動してプリンタカバー3のロックを解除する機構である。つまり、ヘッドユニット5に対するプラテンユニット4のロックが操作レバー25で解除される。ロック解除機構27は、リリースカム91と、レバー突部57と、カムストッパ92とを備えている。
リリースカム91は、操作レバー25の内側に配置されている。リリースカム91は、基部91aがカム軸94に回転可能に支持されている。カム軸94は、ケーシング2から外側に向けて突出されている。リリースカム91は、カムストッパ92とベアリング96との間に挟持されることにより静止位置(図9に示す状態)に保持されている。なお、ベアリング96は、プラテンローラ33を回転可能に支持する軸受けとして機能する。
リリースカム91にはカム突部97が下方へ向けて突出されている。カム突部97の下方に、図7に示すレバー突部57が配置されている。レバー突部57は、カム突部97に対向するように操作レバー25に形成されている。
図10に示すように、リリースカム91が静止位置に位置し、且つ操作レバー25がロック位置P3に位置している状態では、レバー突部57とカム突部97との間の突部間隔L1は、比較的小さく設定されている。
そして、操作レバー25がロック位置P3から当接位置P4まで操作されることにより、レバー突部57がカム突部97に当接する。さらに、操作レバー25が当接位置P4を超えて解除位置P5まで操作されることにより、リリースカム91がカム軸94を軸にして静止位置からリリース位置まで移動する。これにより、リリースカム91を利用して、ベアリング96を持ち上げることができ、ヘッドユニット5に対するプラテンユニット4のロックを解除することが可能とされている。
なお、レバー突部57とカム突部97との突部間隔L1を比較的小さく設定することで、可動刃22が待機位置P2に位置している状態において、プリンタカバー3のロックを操作レバー25で解除する際に、操作レバー25の操作ストローク量を小さく抑えることができる。
また、ラック歯59は可動刃22の刃先22bの反対側にのみ形成されているので、プリンタカバー3のロックが解除された後、戻しラック64のラック歯59と戻しピニオン63との噛み合いが解除されている。従って、可動刃22が待機位置P2に位置している状態において、プリンタカバー3のロックを操作レバー25で解除する際に、戻しピニオン63を空転させることができ、可動刃22を待機位置P2に保つことができる。
以上説明したように、本実施形態の印字ユニット8によれば、固定刃34と可動刃22との間に発生した紙ジャムによって可動刃22が切断位置P1に停止した場合には、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて操作することで、操作レバー25に連動して戻し機構26を作動させることができる。
すなわち、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて操作することで、戻し機構26によって操作レバー25の操作に伴う動力(操作力F1)を駆動機構24に伝達することができ、可動刃22を待機位置P2側に向けて移動させることができる。
さらに戻し機構26はレバー復帰機構62を備えているので、操作した操作レバー25を当接位置P4及び解除位置P5側からロック位置P3に復帰させることができる。そのため、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて再び操作することができ、戻し機構26により可動刃22を待機位置P2側に向けてさらに移動させることができる。
従って、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて複数回繰り返し操作することが可能となるうえ、操作レバー25の1回の操作毎に可動刃22を待機位置P2側に向けて移動させることができる。従って、操作レバー25の複数回の操作によって、可動刃22を待機位置P2まで確実に移動させることができ、可動刃22が固定刃34に対して乗り上がった状態を解除することができる。そのため、固定刃34に対する可動刃22の乗り上がりが解除されたタイミングで操作レバー25を解除位置P5まで移動させることができ、プラテンユニット4のロックを解除することができる。その結果、固定刃34と可動刃22との間に発生した紙ジャムを解除することができる。
特に、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて複数回繰り返し操作することができると共に、操作レバー25の1回の操作毎に可動刃22を待機位置P2側に向けて移動させることができる。そのため、操作レバー25の1回の操作ストローク量を小さく抑えることができ、紙ジャムが発生せずに、可動刃22が待機位置P2に位置している通常の場合において、操作レバー25を大きく操作せずにプラテンユニット4のロックを解除することができる。従って、印字ユニット8が搭載されるサーマルプリンタ1の小型化やレイアウト性の向上化を図ることができる。
さらに、プラテンユニット4のロックを解除するための操作レバー25を戻し機構26に連動させているので、紙ジャム解除用のレバーとして兼用することができる。これにより、部品点数の増加を抑えることができ、構成の簡素化を図ることができる。
さらに、固定刃34をプリンタカバー3に設け、可動刃22をケーシング2に設けているので、可動刃22を駆動する駆動機構24をプリンタカバー3に設ける必要がない。これにより、プリンタカバー3の軽量化が図れ、プリンタカバー3を開閉する際の操作性を良好に確保できる。
次に、サーマルプリンタ1の操作レバー25を操作することにより、プリンタカバー3のロックを解除してプリンタカバー3を開放する動作について、図10〜図16を参照して説明する。
なお、戻し機構26を作動させる操作レバー25は、操作レバー13に連動するように構成されているが、図10〜図16においては、戻し機構26の動作の理解を容易にするために、操作レバー25の操作から先に説明する。
はじめに、可動刃22が待機位置P2に位置している通常時(すなわち紙ジャムが発生していない状態)において、操作レバー25を操作することにより、ヘッドユニット5に対するプラテンユニット4のロックを解除して、プリンタカバー3を開放する動作について説明する。
図10に示すように、可動刃22が待機位置P2に位置している場合には、戻しピニオン63が戻しラック64のラック歯59から離れた位置に配置されている。なお、この状態において、操作レバー25のレバー突部57と、リリースカム91のカム突部97との突部間隔L1は比較的小さく設定されている。
図10に示す状態から図11に示すように、操作レバー25に操作力F1を作用させることにより、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて付勢部材75の付勢力に抗して操作する。これにより、操作レバー25の移動に伴ってプラネタリギア67をインターナルギア68に向けて公転させることができ、プラネタリギア67をインターナルギア68に噛み合わせることができる。
これにより、操作レバー25のさらなる操作によって、プラネタリギア67をインターナルギア68に噛み合いながら回転(自転)させることができる。すると、プラネタリギア67の回転によって、操作レバー25の移動に伴ってサンギア66が反時計回り方向へ回転する。これにより、サンギア66の回転に伴って、サンギア66と共にクラッチ部材73を矢印E方向に回転させることができる。
このとき、クラッチ部材73がラチェットホイール74の内歯74aに噛み合うので、クラッチ部材73と共にラチェットホイール74を矢印E方向に回転させることができる。そのため、ラチェットホイール74の外歯74bに噛み合う戻しピニオン63を、矢印F方向に回転させることができる。
先に述べたように、戻しピニオン63は、戻しラック64のラック歯59から離れた位置に配置されているので、戻しピニオン63をフリーの状態で空転させることができる。これにより、戻しラック64側に操作レバー25側から動力が伝達されることがない。
また、ラチェットホイール74は、操作レバー25に対して加速機構61により個別に回転するので、操作レバー25の操作ストローク量に対してラチェットホイール74の回転量を大きく確保することができる。
操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4まで操作することにより、レバー突部57がカム突部97に当接する。そして、操作レバー25を、当接位置P4を超えて解除位置P5までさらに操作することにより、レバー突部57を利用してカム突部97を押し上げることができる。これにより、リリースカム91を図10に示す静止位置からリリース位置まで矢印G方向へ移動させることができると共に、リリースカム91を利用して、ベアリング96を持ち上げることができる。その結果、ヘッドユニット5に対するプラテンユニット4のロックを解除することができ、プリンタカバー3を開けることが可能となる。
なお、操作レバー25のレバー突部57と、リリースカム91のカム突部97との突部間隔L1(図10参照)を比較的小さく設定しているので、操作レバー25をロック位置P3から解除位置P5まで操作する際の操作ストローク量を小さく抑えることができる。
続いて、図12に示すように、プラテンユニット4のロックが解除された後、操作レバー25に作用させていた操作力F1を外すことで、付勢部材75による弾性復元力(付勢力F2)を利用して、操作レバー25を解除位置P5側からロック位置P3に向けて矢印H方向へ移動させることができる。このとき、操作レバー25が移動することにより、プラネタリギア67がインターナルギア68に噛み合いながら回転(自転)する。また、プラネタリギア67が回転することによりサンギア66が時計回り方向へ回転する。これにより、サンギア66と共にクラッチ部材73を矢印I方向に回転させることができる。
このとき、先に述べたように、戻しピニオン63は戻しラック64のラック歯59から離れた位置に配置されているので、ラチェットホイール74の外歯74bには戻しピニオン63からの負荷が作用していない。従って、ラチェットホイール74をクラッチ部材73と共に矢印I方向に回転させることができる。なお、ラチェットホイール74が回転することにより、戻しピニオン63は矢印J方向にフリーの状態で空転する。
以上のことにより、付勢部材75からの弾性復元力(付勢力F2)を利用して、操作レバー25をロック位置P3まで復帰させることができる。
次に、図13〜図16を参照して、可動刃22と固定刃34との間に紙ジャム95が発生した場合に、操作レバー25を操作することにより、プラテンユニット4のロックを解除してプリンタカバー3を開放する動作について説明する。
なお、図13〜図16では、操作レバー25の操作を複数回繰り返す好ましい操作回数として、操作を2回繰り返す例について説明する。
なお、紙ジャム95が発生する前段階として、可動刃22を切断位置P1まで移動させて記録紙Pを切断する動きについて、最初に簡単に説明する。
図13に示すように、操作レバー25がロック位置P3に位置している場合には、プラネタリギア67とインターナルギア68との噛合いが回避されているので、プラネタリギア67の空転が許容されている。従って、駆動用モータM1を駆動して駆動ラック46を移動させて、可動刃22を切断位置P1まで矢印K方向に移動させることができる。なお、駆動ラック46の移動に伴って戻しラック64が移動するので、戻しピニオン63を矢印L方向に回転させることができる。
戻しピニオン63が回転することにより、ラチェットホイール74を矢印M方向に回転させることができるので、ラチェットホイール74の内歯74aがクラッチ部材73に噛み合う。そのため、クラッチ部材73と共にサンギア66(図12参照)を矢印M方向に回転させることができる。サンギア66が回転することにより、プラネタリギア67が矢印N方向にフリーの状態で空転する。
以上のことにより、可動刃22を切断位置P1まで移動させることができるので、固定刃34と可動刃22との間で記録紙Pを切断することができる。
このとき、可動刃22と固定刃34との間に紙ジャム95が発生した場合には、この紙ジャム95によって、可動刃22が固定刃34に乗り上げた位置で止まってしまう。
図14に示すように、可動刃22が紙ジャム95で止まった状態において、操作レバー25を操作力F1でロック位置P3から当接位置P4側に向けて操作する。この操作によって、プラネタリギア67がインターナルギア68に向けて公転し、インターナルギア68に噛み合う。そのため、プラネタリギア67を自転させながら公転させることができる。これにより、サンギア66を介してクラッチ部材73を矢印O方向に回転させることができる。このとき、クラッチ部材73がラチェットホイール74の内歯74aに噛み合っているので、クラッチ部材73と共にラチェットホイール74を矢印O方向に回転させることができる。そのため、ラチェットホイール74の外歯74bに噛み合っている戻しピニオン63を矢印P方向に回転させることができる。従って、戻しピニオン63に噛み合っている戻しラック64と共に、駆動ラック46を可動刃22の待機位置P2側に向けて矢印Q方向に移動させることができる。
上述の過程において、ラチェットホイール74は、操作レバー25に対して加速機構61により個別に回転するので、操作レバー25の操作ストローク量に対してラチェットホイール74の回転量を大きく確保できる。つまり、操作レバー25の操作ストローク量を小さく抑えた状態で、可動刃22を待機位置P2に戻すために必要なラチェットホイール74の回転量を確保できる。
そして操作レバー25を当接位置P4まで操作することにより、レバー突部57がカム突部97に当接する。しかしながら、この状態においては、可動刃22と固定刃34との間の紙ジャム95がまだ解除されていないため、可動刃22が固定刃34に乗った状態となっている。従って、プラテンユニット4の開放が可動刃22によって阻止される。
従って、カム突部97に当接したレバー突部57の移動がカム突部97で阻止される。従って、操作レバー25のそれ以上の操作が阻止され、操作レバー25の1回目の操作が完了する。
この状態において、操作レバー25に作用させていた操作力F1を外すことで、図15に示すように、付勢部材75の弾性復元力(付勢力F2)を利用して、操作レバー25をロック位置P3に向けて矢印R方向に移動させることができる。操作レバー25がロック位置P3に向けて移動することにより、プラネタリギア67がインターナルギア68に噛み合いながら回転(自転)するので、サンギア66を介してクラッチ部材73を矢印S方向に回転させることができる。
このとき、ラチェットホイール74の外歯74bに戻しピニオン63が噛み合い、戻しピニオン63に戻しラック64のラック歯59が噛み合わされている。ところが、可動刃22は、紙ジャム95により待機位置P2に戻る途中で止まっている。そのため、戻しピニオン63及びラチェットホイール74は静止状態に保たれる。
従って、静止したラチェットホイール74に対してクラッチ部材73が矢印S方向に回転しようとするので、アーム部78aが弾性変形しながら噛合爪78bが内歯74aを乗り越えて、内歯74aと噛合爪78bとの噛み合いが解除される。そのため、クラッチ部材73が空転することになり、矢印S方向に回転する。
そのため、付勢部材75の弾性復元力(付勢力F2)を利用して、操作レバー25をロック位置P3まで復帰させることができる。
従って、図16に示すように操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて移動させるように、2回目の操作を行うことができる。
図16に示すように、ロック位置P3に復帰した操作レバー25を操作力F1で再度操作する。これにより、先ほど説明した場合と同様に、プラネタリギア67がインターナルギア68に向けて公転し、インターナルギア68に噛み合った後、自転しながら公転する。そのため、サンギア66、クラッチ部材73及びラチェットホイール74を矢印T方向に回転させることができる。そのため、ラチェットホイール74の外歯74bに噛み合っている戻しピニオン63を矢印U方向に回転させることができ、戻しラック64と共に駆動ラック46を矢印Y方向に移動させることができる。
その結果、図16に示す状態から可動刃22をさらに移動させることができ、待機位置P2まで移動させることができる。そのため、固定刃34に対して可動刃22が重なった状態を解消することができる。
そして、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4まで操作することによって、先に述べたようにレバー突部57がカム突部97に当接する。このとき、可動刃22は、上述のように待機位置P2に移動しているので、操作レバー25を、図16に示す当接位置P4を超えて解除位置P5まで操作することができる。そのため、カム突部97を利用してレバー突部57で押し上げることができ、リリースカム91を利用してベアリング96を持ち上げることができる。
その結果、プラテンユニット4のロックを解除することができ、可動刃22と固定刃34との間に発生した紙ジャム95を解除することができる。
以上説明したように、操作レバー25の操作を2回繰り返すことにより、可動刃22を待機位置P2に確実に戻すことができる。これにより、固定刃34と可動刃22との間に発生した紙ジャム95を容易に解除できる。さらに、操作レバー25の操作を2回繰り返すことにより、操作レバー25をロック位置P3から操作する際の操作ストローク量を小さく抑えることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記実施形態では、固定刃34をプリンタカバー3(具体的にはプラテンユニット4)に設け、可動刃22をケーシング2(具体的にはヘッドユニット5)に設けた例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば固定刃34をケーシング2側に設け、可動刃22をプリンタカバー3側に設けても構わない。
さらに上記実施形態では、固定刃34を固定した状態に保持し、操作レバー25で可動刃22を待機位置P2に戻すことにより、紙ジャム95を取り除く例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、操作レバー25で可動刃22を待機位置P2に戻す際に、固定刃34を可動刃22から離間するように構成しても良い。この場合には、例えば固定刃34を可動刃22から離す動作についても、操作レバー25で操作できるように構成しても良い。
さらに上記実施形態では、操作レバー25を操作レバー13の回動動作に連動させた例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、操作レバー25の先端部25cをケーシング2の外側に露出させて、ケーシング2の外側から操作レバー25を直接操作できるように構成しても良い。
さらに上記実施形態では、戻しラック64を駆動ラック46に一体に形成した例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば戻しラック64を駆動ラック46とは別体に備えることも可能である。この場合には、戻しラック64を可動刃22に取り付けておけばよい。
さらに上記実施形態では、戻しラック64を駆動ラック46の外側に配置した例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば戻しラック64を駆動ラック46の内側に配置することも可能である。
さらに上記実施形態では、加速機構61をサンギア66、プラネタリギア67及びインターナルギア68で構成した例について説明したが、例えば加速機構61を他の構成とすることも可能である。
さらに上記実施形態では、ラチェット機構72のクラッチ部材73に一対のクラッチ歯部78(すなわち、噛合爪78b)を備えた例について説明したが、噛合爪78bの爪数は任意に選択可能であると共に、噛合爪78bの形状も任意に選択可能である。さらに、ラチェットホイール74の内歯74aの歯数、内歯74aの形状等は、任意に選択可能である。つまり、噛合爪78b及び内歯74aの数や形状は、ラチェット機構72が任意の方向にのみ回転動作を伝達できるように設定されていればよい。
さらに上記実施形態では、ラチェットホイール74の内側にクラッチ部材73を配置した例について説明したが、ラチェットホイール74の外側にクラッチ部材73を配置することも可能である。さらに、ラチェットホイール74の内周面に内歯74aを設け、クラッチ部材73に噛合爪78bを設けた例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、ラチェットホイール74に爪部を設け、クラッチ部材73に歯部を設けることも可能である。
さらに上記実施形態では、ラチェット機構72をクラッチ部材73とラチェットホイール74とで構成した例について説明したが、この場合に限定されるものではなく、例えばラチェット機構を他の構成とすることも可能である。
さらに上記実施形態では、操作レバー25の操作を複数回繰り返す好ましい操作回数として、操作を2回繰り返す例について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、操作レバー25の操作を3回以上繰り返すように構成することも可能である。
さらに上記実施形態において、インターナルギア68とプラネタリギア67とが常に所定の噛み合い関係で噛み合うように、インターナルギア68に対するプラネタリギア67の姿勢を矯正して、インターナルギア68との噛み合い時におけるプラネタリギア67の位相を適正な状態にする矯正部材をさらに具備させても構わない。
この場合について、以下に詳細に説明する。
図17〜図19に示すように、この場合の印字ユニット8は、戻し機構26が、操作レバー25の操作(ロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けた操作)に伴うプラネタリギア67の公転時、インターナルギア68に対して所定の噛み合い関係でプラネタリギア67が噛み合うように、インターナルギア68に対するプラネタリギア67の姿勢を矯正するコイルばね(本発明に係る弾性体、矯正部材)100を備えている。
具体的には、コイルばね100は、インターナルギア68よりも操作レバー25のロック位置P3側に配設され、プラネタリギア67におけるプラネタリ歯部67aが摺接可能とされている。
コイルばね100は、レバー支持軸52に対して略平行に配置され、外装カバー53におけるカバー湾曲部53aに形成された取付孔101内に固定されている。取付孔101は、インターナルギア68におけるインターナル歯部68aのうち、プラネタリギア67が最初に噛み合う第1歯目のインターナル歯部68aよりも操作レバー25のロック位置P3側に位置しており、カバー湾曲部53aの内周部53bに半円状に凹むように形成されている。図示の例では、取付孔101は第1歯目のインターナル歯部68aに対して隣接するように形成されていると共に、レバー支持軸52に対して略平行に延びるように形成されている。
コイルばね100は、取付孔101内に内側から差し込まれるように取り付けられており、例えば接着剤等を利用して固着されている。図示の例では、コイルばね100はカバー湾曲部53aよりも内側に突出する長さとされているが、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
上述のように、取付孔101を利用してレバー支持軸52に対して略平行にコイルばね100を配設しているので、コイルばね100はプラネタリギア67の径方向に弾性変形可能とされている。また、操作レバー25の操作に伴ってプラネタリギア67が公転した際に、プラネタリ歯部67aはコイルばね100を径方向に弾性変形させながら、コイルばね100の外周面上を滑るように摺接することが可能とされている。
なお、コイルばね100は、弾性復元変形に伴ってプラネタリ歯部67aを介して、例えばプラネタリギア67の取り付け誤差分だけ径方向或いは周方向にプラネタリギア67を押圧するように弾性復元力を付与することで、プラネタリギア67の位相をずらすことが可能とされている。
従って、コイルばね100は、プラネタリギア67におけるプラネタリ歯部67aと、第1歯目のインターナル歯部68aとの歯先同士が非接触となる噛み合い関係となるように、プラネタリギア67の姿勢を矯正することが可能とされている。
上述のように構成されたコイルばね100を有する戻し機構26の作用について、図20〜図23を参照して説明する。なお、図20〜図23は、図17に示す矢印W方向から見たコイルばね100周辺の拡大側面図である。
先に述べたように、操作レバー25がロック位置P3に位置している場合には、図17、図19及び図20に示すように、プラネタリギア67とインターナルギア68との噛合いが回避されているので、プラネタリギア67の空転が許容されている。そのため、この段階において、プラネタリギア67の回転姿勢は決まった状態に維持されるわけではない。従って、この後に行われる操作レバー25の操作に伴ってプラネタリギア67が公転する際、インターナルギア68に向かうプラネタリギア67の回転姿勢は変化してしまう。
そのため、例えばプラネタリギア67の回転姿勢によっては、例えばインターナル歯部68a及びプラネタリ歯部67aの歯先同士が接触してインターナル歯部68a及びプラネタリ歯部67aが互いに突き当たるように、プラネタリギア67が公転する可能性がある。
しかしながら、本実施形態によれば、インターナルギア68における第1歯目のインターナル歯部68aよりも操作レバー25のロック位置P3側にコイルばね100を設けているので、操作レバー25をロック位置P3から当接位置P4及び解除位置P5側に向けて操作してプラネタリギア67を公転させた際、コイルばね100によってインターナルギア68に対するプラネタリギア67の姿勢を矯正することができる。
具体的には、図21に示すように、プラネタリギア67を矢印X方向に公転させた際、プラネタリ歯部67aが第1歯目のインターナル歯部68aに対して噛み合う前に、プラネタリ歯部67aをコイルばね100に摺接させることができる。これにより、コイルばね100の外周面上でプラネタリ歯部67aを滑らすことが可能となる。しかも、プラネタリ歯部67aの摺接時にコイルばね100を弾性変形させることが可能である。
そして、プラネタリギア67は、操作レバー25のさらなる操作に伴って、コイルばね100を弾性変形させながら、矢印X方向にコイルばね100の外周面上を滑るように引き続き公転する。この間、プラネタリギア67の全体に、コイルばね100の弾性復元力を作用させることができる。
特に、図22に示すように、プラネタリギア67のさらなる公転によって、コイルばね100に接触しているプラネタリ歯部67aがコイルばね100を乗り越えるように移動すると、プラネタリギア67は、コイルばね100の外周面上での滑りに加え、コイルばね100からの矢印F3に示す弾性復元力を受ける。
これらのことにより、プラネタリギア67は、第1歯目のインターナル歯部68aに向けてプラネタリギア67の取り付け誤差分だけ強制的に押し出されて、インターナル歯部68aに対する接触角度が変化する。
その結果、プラネタリギア67の位相を強制的にずらすことができ、図23に示すように、インターナルギア68に対して、常に所定の噛み合い関係でプラネタリギア67を噛み合わせることができる。つまり、インターナルギア68に対する噛み合い時におけるプラネタリギア67の位相を適正な状態に維持することができ、インターナルギア68の第1歯目に対して、プラネタリギア67を毎回適切に噛み合わせることができる。
具体的には、第1歯目のインターナル歯部68aとプラネタリ歯部67aとの歯先同士が非接触となる噛み合い関係となるように、インターナルギア68に対してプラネタリギア67を噛み合わせることができる。従って、インターナル歯部68a及びプラネタリ歯部67aの歯面同士が接触するように適切に噛み合わせることができ、例えばインターナル歯部68a及びプラネタリ歯部67aの歯先同士が突き当たるといった不都合を防止することができる。
従って、インターナルギア68に対する噛み合い時におけるプラネタリギア67の位相を、より確実に適正な状態に維持することができ、インターナルギア68に対してプラネタリギア67を毎回適切に噛み合わせることができる。
そのため、上述したように、インターナルギア68及びプラネタリギア67の歯先同士が突き当たるといった不都合(インターナルギア68及びプラネタリギア67同士の干渉)が生じてしまうことを防止するだけでなく、突き当りに起因するプラネタリギア67の不具合及び回転不良や、プラネタリギア67周辺の不具合及び動作不良等を防止することができる。
その結果、操作レバー25の動作性を向上することができ、より安定したレバー操作を行うことができる。しかも、コイルばね100を利用するだけの簡便な構成で済むので、構成の簡略化及び低コスト化に繋げることができる。
なお、プラネタリ歯部67aがコイルばね100の外周面に摺接した際、コイルばね100の形状によって、線接触状態で両者が摺接する。そのため、プラネタリ歯部67aとコイルばね100との間の摩擦抵抗を低く抑えることができ、上述した作用効果をより一層効果的に奏功することができる。
なお、上述した実施形態では、矯正部材である弾性体の一例としてコイルばね100を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。
弾性を有し、且つ滑り性に優れた特性を有していれば弾性体として利用することができ、コイルばね100を利用した場合と同等の作用効果を奏功することができる。例えば、ゴムやウレタン(ウレタンゴム或いはウレタン樹脂)等を利用した弾性部材、線ばね、又はトーションばね等を弾性体として利用することも可能である。
さらには、図24及び図25に示すように、合成樹脂材料で一体形成した弾性体110としても構わない。
この場合の弾性体110は、外装カバー53に対して着脱自在に取り付けられたアーム支持部111と、アーム支持部111に対して片持ち支持されると共に、プラネタリギア67の径方向に弾性変形可能なアーム片112と、を備えている。
アーム支持部111は、外装カバー53に形成された取付孔115内に嵌合される嵌合突起113を備えている。アーム支持部111は、取付孔115内に嵌合突起113が嵌合されていることで、抜け止めがされた状態で外装カバー53に一体的に取り付けられている。
アーム片112は、基端部がアーム支持部111に連結され、先端部にプラネタリギア67側に突出した爪部112aが形成されている。爪部112aは、第1歯目のインターナル歯部68aに対して隣接するように配置されている。
このように構成された弾性体110の場合であっても、操作レバー25の操作に伴ってプラネタリギア67が公転した際に、プラネタリ歯部67aがアーム片112を弾性変形させながら、爪部112a上を滑るように摺接することが可能とされている。従って、上述したコイルばね100を利用した場合と同等の作用効果を奏功することができる。
P…記録紙
P1…切断位置
P2…待機位置
P3…ロック位置
P5…解除位置
1…サーマルプリンタ
2…ケーシング(プリンタ本体)
3…プリンタカバー
4…プラテンユニット
5…ヘッドユニット
8…印字ユニット
10…記録紙収容部
22…可動刃
24…駆動機構
25…操作レバー
26…戻し機構
27…ロック解除機構
33…プラテンローラ
34…固定刃
46…駆動ラック
59…ラック歯
62…レバー復帰機構
63…戻しピニオン
64…戻しラック
66…サンギア
67…プラネタリギア
68…インターナルギア
72…ラチェット機構
73…クラッチ部材
74…ラチェットホイール
74a…内歯(第2係合部)
74b…外歯
75…付勢部材
78…クラッチ歯部(第1係合部)
67a…プラネタリ歯部
68a…インターナル歯部
100…コイルばね(矯正部材、弾性体)
110…弾性体

Claims (11)

  1. 記録紙に印字するサーマルヘッドを有するヘッドユニットと、
    前記記録紙を搬送するプラテンローラを有し、前記ヘッドユニットに分離可能に組み合わされるプラテンユニットと、
    前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうちの一方に設けられた固定刃と、
    前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうちの他方に設けられ、前記固定刃に対して相対移動可能な可動刃と、
    前記可動刃に連結された駆動ラックを有し、前記固定刃から離れた待機位置と、前記固定刃に乗り上げた切断位置との間で前記可動刃を移動させる駆動機構と、
    前記ヘッドユニットに対して前記プラテンユニットをロックするロック位置と、前記ヘッドユニットに対する前記プラテンユニットのロックを解除する解除位置との間で移動可能な操作レバーと、
    前記可動刃が前記切断位置に止められた状態において、前記操作レバーと連動して、前記駆動ラックを介して前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置側に移動させる戻し機構と、を備え、
    前記戻し機構は、
    前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記ロック位置から前記解除位置に向けた前記操作レバーの操作に伴う動力を前記駆動機構に伝達して、前記可動刃を前記待機位置に向けて移動させ、且つ、操作された前記操作レバーを前記解除位置側から前記ロック位置に復帰させるレバー復帰機構を備えていることを特徴とする印字ユニット。
  2. 請求項1に記載の印字ユニットにおいて、
    前記レバー復帰機構は、
    前記操作レバーの移動に伴って回転すると共に第1係合部を有するクラッチ部材と、
    前記クラッチ部材を囲むように形成されると共に、前記クラッチ部材が一方向に回転したときに前記第1係合部が係合する第2係合部を有し、前記駆動機構との間で動力を伝達可能なラチェットホイールと、
    前記操作レバーを前記解除位置側から前記ロック位置に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
    前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記ロック位置から前記解除位置側に向けて前記操作レバーが操作されたときに、前記第1係合部と前記第2係合部との係合によって前記クラッチ部材及び前記ラチェットホイールが共に回転し、前記ラチェットホイールから前記駆動機構に動力を伝達させ、
    前記可動刃が前記切断位置で停止している状態において、前記付勢部材によって前記解除位置側から前記ロック位置側に向けて前記操作レバーが移動したときに、前記第1係合部と前記第2係合部とが非係合状態とされ、前記ラチェットホイールに対して前記クラッチ部材が空転する、印字ユニット。
  3. 請求項2に記載の印字ユニットにおいて、
    前記戻し機構は、
    前記駆動ラックに形成された戻しラックと、
    前記戻しラックのラック歯に噛み合う戻しピニオンと、を備え、
    前記ラチェットホイールには、前記戻しピニオンと噛み合う外歯が形成されている、印字ユニット。
  4. 請求項3に記載の印字ユニットにおいて、
    前記戻し機構は、
    前記操作レバーの回転軸線と同軸上に配置された状態で、前記回転軸線回りに回転可能に支持され、前記クラッチ部材に連結されたサンギアと、
    前記サンギアに噛み合うと共に、前記操作レバーの移動に伴って公転するプラネタリギアと、
    前記プラネタリギアの公転時に、前記プラネタリギアが噛み合うインターナルギアと、を備え、
    前記プラネタリギアは、前記操作レバーが前記ロック位置に位置するときに、前記インターナルギアに対する噛み合いが外れて空転が許容される、印字ユニット。
  5. 請求項4に記載の印字ユニットにおいて、
    前記戻し機構は、前記プラネタリギアの公転時、前記インターナルギアに対して所定の噛み合い関係で前記プラネタリギアが噛み合うように、前記インターナルギアに対する前記プラネタリギアの姿勢を矯正する矯正部材を備えている、印字ユニット。
  6. 請求項5に記載の印字ユニットにおいて、
    前記矯正部材は、前記プラネタリギアにおけるプラネタリ歯部と、前記インターナルギアにおけるインターナル歯部のうち前記プラネタリギアが最初に噛み合う第1歯目のインターナル歯部と、の歯先同士が非接触となる噛み合い関係となるように、前記プラネタリギアの姿勢を矯正する、印字ユニット。
  7. 請求項6に記載の印字ユニットにおいて、
    前記矯正部材は、前記インターナルギアよりも前記操作レバーの前記ロック位置側に配設され、前記プラネタリ歯部が摺接する弾性体とされ、
    前記弾性体は、前記プラネタリ歯部の摺接時に弾性変形すると共に、弾性復元変形に伴って前記プラネタリギアの位相をずらす、印字ユニット。
  8. 請求項3から7のいずれか1項に記載の印字ユニットにおいて、
    前記ラック歯は、前記可動刃が前記切断位置に位置したときに前記戻しピニオンに対して噛み合い、且つ前記可動刃が前記待機位置に位置したときに前記戻しピニオンに対する噛み合いが解除されるように、前記可動刃における刃先の反対側に形成されている、印字ユニット。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の印字ユニットにおいて、
    前記可動刃が前記切断位置に止められた際、前記ロック位置から前記解除位置に向けた前記操作レバーの操作ストローク量は、前記操作レバーによる複数回の操作で、前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置に戻すように設定されている、印字ユニット。
  10. 請求項9に記載の印字ユニットにおいて、
    前記操作ストローク量は、前記操作レバーによる2回の操作で、前記可動刃を前記切断位置から前記待機位置に戻すように設定されている、印字ユニット。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の印字ユニットと、
    前記記録紙を収容する記録紙収容部を有すると共に、前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうち前記可動刃が設けられたユニットが取り付けられたプリンタ本体と、
    前記ヘッドユニット及び前記プラテンユニットのうち前記固定刃が設けられたユニットが取り付けられ、前記プリンタ本体に対して回動可能に連結されたプリンタカバーと、を備えていることを特徴とするサーマルプリンタ。
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