JP2020108206A - 充電器および充電器の異常要因判定方法 - Google Patents

充電器および充電器の異常要因判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部の給電設備から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器において、過電圧が検出された場合にその要因を切り分ける。【解決手段】充電器は、充電器内の電圧VHを検出する電圧センサと、給電設備から入力される系統電圧VINを検出する電圧センサと、電圧VHが第1閾値を超えた場合に過電圧信号をオン状態に保持し、ラッチ解除条件が成立した場合に過電圧信号をオフ状態に切り替える過電圧検出回路と、処理装置(CPU)とを備える。処理装置は、ラッチ解除条件の成立後も過電圧信号のオン状態が継続している場合に、VH過電圧が検出された要因が過電圧検出回路の異常であると判定する。一方、過電圧信号がオン状態に保持された状態でラッチ解除条件が成立していない場合で、かつ電圧VINが第2閾値を超えた履歴がある場合に、VH過電圧が検出された要因が系統電圧VINの異常であると判定する。【選択図】図5

Description

本開示は、外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器およびその充電器の異常検出方法に関する。
特開2008−289307号公報(特許文献1)には、車両外部の商用電源から供給される電力で車載の蓄電装置を充電する充電器(外部充電インターフェース)を備えた電気自動車が開示されている。この電気自動車においては、充電器の充電機能についての診断を行なう機能を有しており、その診断結果を表示部に表示させる。これにより、ユーザは充電機能についての診断結果を容易に認識することができる。
特開2008−289307号公報 特開平2−294237号公報
しかしながら、特許文献1に開示された診断においては、たとえば過電圧の異常が生じた場合、過電圧の異常が、外部電源側(充電器の外部)の要因で生じているのか、それとも充電器の内部の要因で生じているのかを判別することはできない。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器において、過電圧が検出された場合にその要因を切り分けることである。
(1) 本開示による充電器は、外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器であって、充電器内に設けられるコンデンサの電圧を検出するように構成された第1電圧センサと、外部電源から充電器に入力される電圧を検出するように構成された第2電圧センサと、第1電圧センサの検出値が第1閾値を超えた場合に過電圧信号をオン状態に保持し、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合に過電圧信号をオフ状態に切り替えるように構成された過電圧検出回路と、過電圧信号に基づいて過電圧が検出された場合に過電圧が検出された要因を判定するように構成された処理装置とを備える。処理装置は、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合で、かつ解除条件の成立後にも過電圧信号がオン状態に保持されている状態が継続している場合に、過電圧が検出された要因が過電圧検出回路の異常であると判定する。処理装置は、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立していない場合で、かつ第2電圧センサの検出値が第2閾値を超えた履歴がある場合に、過電圧が検出された要因が外部電源から充電器に入力される電圧の異常であると判定する。
上記構成によれば、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合で、かつ解除条件の成立後にも過電圧信号がオン状態に保持されている状態が継続している場合には、過電圧が検出された要因が過電圧検出回路の異常(充電器の内部の異常)であると判定される。一方、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立していない場合で、かつ第2電圧センサの検出値(外部電源から充電器に入力される電圧)が第2閾値を超えた履歴がある場合には、過電圧が検出された要因が外部電源から充電器に入力される電圧の異常(充電器の外部の異常)であると判定される。これにより、過電圧が検出された要因が、過電圧検出回路の異常(充電器の内部の異常)であるのか、それとも、外部電源から充電器に入力される電圧の異常(充電器の外部の異常)であるのかを切り分けることができる。
(2) ある形態においては、解除条件は、第1電圧センサの検出値が第1閾値未満に低下してから所定時間が経過したという条件を含む。処理装置は、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合で、かつ解除条件の成立後に過電圧信号がオン状態に保持されている状態が解消している場合に、過電圧の異常は生じていないと判定する。
(3) ある形態においては、解除条件は、第1電圧センサの検出値が第1閾値未満に低下してから所定時間が経過したという条件を含む。処理装置は、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立していない場合で、かつ第1電圧センサの検出値が第2閾値を超えた履歴がない場合には、過電圧が検出された要因がコンデンサの電圧の異常であると判定する。
(4) 本開示による異常要因判定方法は、外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器の異常要因判定方法である。充電器は、充電器内に設けられるコンデンサの電圧を検出するように構成された第1電圧センサと、外部電源から充電器に入力される電圧を検出するように構成された第2電圧センサと、第1電圧センサの検出値が第1閾値を超えた場合に過電圧信号をオン状態に保持し、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合に過電圧信号をオフ状態に切り替えるように構成された過電圧検出回路とを備える。異常要因判定方法は、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合で、かつ解除条件の成立後にも過電圧信号がオン状態に保持されている状態が継続している場合に、過電圧が検出された要因が過電圧検出回路の異常であると判定するステップと、過電圧信号がオン状態に保持された状態で解除条件が成立していない場合で、かつ第2電圧センサの検出値が第2閾値を超えた履歴がある場合に、過電圧が検出された要因が外部電源から充電器に入力される電圧の異常であると判定するステップとを含む。
本開示によれば、外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器において、過電圧が検出された場合にその要因を切り分けることができる。
充電器を備える充電システムの全体構成の一例を示す図である。 充電器の回路構成を示す図である。 過電圧検出回路の構成の一例を示す図である。 電圧VHおよびVH過電圧信号の変化の様子の一例を示す図である。 制御装置が実行する処理手順の一例を模式的に示す図である。 系統電圧VINおよび系統過電圧状態フラグの変化の様子の一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態による充電器200を備える充電システムの全体構成の一例を示す図である。充電システムは、車両10と、給電設備100とを備える。
給電設備100は、車両外部の交流電源110と、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)115と、コネクタ120とを含む。交流電源110は、たとえば商用系統電源によって構成されるが、これに限定されるものではなく、種々の電源を適用可能である。EVSE115は、交流電源110から車両10へ電力を供給するための充電ケーブルや、充電ケーブルを介して車両10へ電力を供給するための充電スタンド内に設けられる。
車両10は、蓄電装置12と、システムメインリレー(以下「SMR(System Main Relay)」ともいう)15と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」ともいう)20と、動力出力装置25と、駆動輪30とを含む。
蓄電装置12は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池によって構成される。蓄電装置12には、給電設備100の交流電源110(後述)から供給される電力の他、動力出力装置25において発電された電力が蓄えられる。なお、蓄電装置12として、大容量のキャパシタも採用可能である。SMR15は、蓄電装置12と電力線L1との間に設けられる。SMR15は、蓄電装置12と電力線L1との電気的な接続/切離を行なうためのリレーである。
PCU20は、蓄電装置12から電力を受けて動力出力装置25を駆動するための電力変換装置を総括して示したものである。たとえば、PCU20は、動力出力装置25に含まれるモータを駆動するためのインバータや、蓄電装置12から出力される電力を昇圧するコンバータ等を含む。動力出力装置25は、駆動輪30を駆動するための装置を総括して示したものである。たとえば、動力出力装置25は、駆動輪30を駆動するモータやエンジン等を含む。また、動力出力装置25は、駆動輪30を駆動するモータによって車両の制動時等に発電し、その発電された電力をPCU20へ出力する。
車両10は、さらに、インレット40と、充電リレー50と、充電器200とを含む。
インレット40は、充電器200の入力線L2に接続される。インレット40は、給電設備100のコネクタ120に接続可能に構成される。充電リレー50は、電力線L1と充電器200の出力線L3との電気的な接続/切離を行なうためのリレーである。
給電設備100のコネクタ120が車両10のインレット40に接続された状態において、充電器200の入力線L2には、給電設備100からの交流が入力される。充電器200は、給電設備100から供給される電力による蓄電装置12の充電(以下「外部充電」ともいう)の実行時、入力線L2から入力される交流電力を直流電力に変換して出力線L3に出力する。出力線L3に出力された直流電力は、充電リレー50およびSMR15を介して蓄電装置12に供給される。これにより、蓄電装置12が充電される。
図2は、充電器200の回路構成を示す図である。なお、図2に示す回路構成はあくまで一例であって、充電器200の回路構成は図2に示す構成に限定されるものではない。
充電器200は、フィルタ回路205と、PFC回路210と、インバータ215と、絶縁トランス220と、整流回路225と、制御装置250と、コンデンサC1と、放電抵抗R1とを含む。フィルタ回路205、PFC回路210、インバータ215、絶縁トランス220、および整流回路225は、入力線L2から出力線L3までの電路に、この順に直列的に接続される。
フィルタ回路205は、交流電源110から入力線L2に入力される交流電力に含まれるノイズを除去し、ノイズが除去された交流電力をPFC回路210へ出力する。
PFC回路210は、制御装置250からの制御信号に基づいて、フィルタ回路205から供給される交流電力を直流電力に変換してインバータ215へ出力する。PFC回路210は、交流電力を直流電力に変換するためのスイッチング回路と、スイッチング回路の入力側に設けられるリアクトル212とを含む。PFC回路210のスイッチング回路はリアクトル212とともに昇圧チョッパ回路を構成し、インレット40から入力される電力を昇圧することができる。
インバータ215は、正極線PLおよび負極線NL(直流電力線対)によってPFC回路210と接続される。インバータ215は、制御装置250からの制御信号に基づいて、PFC回路210から受ける直流電力を交流電力に変換して絶縁トランス220へ出力する。インバータ215は、たとえば単相ブリッジ回路によって構成される。
コンデンサC1は、正極線PLと負極線NLとの間に接続される。コンデンサC1は、正極線PLと負極線NLとの間の電圧変動を平滑化する。
放電抵抗R1は、正極線PLと負極線NLとの間に、コンデンサC1とは並列に接続される。放電抵抗R1は、たとえば外部充電が停止された場合に、コンデンサC1が蓄える電力を放電する。
絶縁トランス220は、磁性材から成るコアと、コアに巻回された一次コイルおよび二次コイルを含む。一次コイルおよび二次コイルは、電気的に絶縁されており、それぞれインバータ215および整流回路225に接続される。そして、絶縁トランス220は、インバータ215からの交流電力を一次コイルおよび二次コイルの巻数比に応じた電圧に変換して整流回路225へ出力する。
整流回路225は、絶縁トランス220から受ける交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を出力線L3に出力する。整流回路225から出力線L3に出力された直流電力は蓄電装置12に供給される。
充電器200は、さらに、電圧センサ41,42,43,44、電流センサ51,52、温度センサ61,62を備える。電圧センサ(第1電圧センサ)43は、インバータ215の入力側の電圧VHを検出する。電圧センサ(第2電圧センサ)41は、フィルタ回路205の入力側の電圧VIN(以下「系統電圧VIN」ともいう)を検出する。電圧センサ42は、PFC回路210の入力側の電圧VACを検出する。電圧センサ44は、整流回路225の出力側の電圧VCHGを検出する。電流センサ51は、PFC回路210内のリアクトル212を流れる電流IACを検出する。電流センサ52は、インバータ215の出力側の電流IVHを検出する。温度センサ61は、PFC回路210の温度Tpfcを検出する。温度センサ62は、インバータ215の温度Tinvを検出する。各センサは、検出結果を示す信号を制御装置250に出力する。
制御装置250は、CPU(Central Processing Unit、処理装置)252と、メモリ254と、各種信号を入出力するためのI/F装置256とを含んで構成される。制御装置250は、I/F装置256から入力される各種信号、及びメモリ254に記憶された情報に基づいて、CPU252により所定の演算処理を実行し、演算結果に基づいてPFC回路210およびインバータ215を制御することにより外部充電を実行する。
<充電器の過電圧保護>
外部充電の実行中に、充電器200内の電圧が予め定められた許容値(以下「第1閾値V1」ともいう)を超えると、充電器200が故障する可能性がある。本実施の形態では、充電器200を過電圧から保護するための過電圧保護制御が行なわれる。
具体的には、充電器200は、過電圧検出回路260をさらに含む。なお、図2には過電圧検出回路260が制御装置250の内部に設けられる例が示されているが、過電圧検出回路260は制御装置250の外部に設けられてもよい。過電圧検出回路260は、電圧センサ43から電圧VHの検出値を受ける。そして、過電圧検出回路260は、外部充電の実行中に、電圧VHの検出値に基づいて電圧VHの過電圧を検出する。
過電圧検出回路260によって過電圧が検出された場合には、制御装置250は、PFC回路210およびインバータ215を停止することによって外部充電を停止する。なお、制御装置250は、上記の外部充電の停止により過電圧が解消すると、PFC回路210およびインバータ215を再度作動させて外部充電のリトライを行なう。
図3は、図2に示した過電圧検出回路260の構成の一例を示す図である。過電圧検出回路260は、コンパレータ264と、ラッチ回路266と、タイマ268とを含む。
コンパレータ264は、電圧センサ43からの電圧VHを第1閾値V1と比較する。そして、コンパレータ264は、電圧VHが第1閾値V1を超えると、ラッチ要求信号をラッチ回路266へ出力する。
ラッチ回路266は、コンパレータ264からラッチ要求信号を受けると、電圧VHが第1閾値V1を超えている状態(以下「VH過電圧」ともいう)であることを示す「VH過電圧信号」をCPU252に出力する。
コンパレータ264は、電圧VHが第1閾値V1を超えた状態から第1閾値V1未満に低下すると、タイマ開始要求信号をタイマ268に出力する。
タイマ268は、コンパレータ264からタイマ開始要求信号を受けると計時を開始し、予め定められた時間(ラッチ期間M1)が経過すると、ラッチ解除要求信号をラッチ回路266へ出力する。
ラッチ回路266は、タイマ268からラッチ解除要求信号を受けると、VH過電圧信号の出力を停止する。
図4は、電圧VHおよびVH過電圧信号の変化の様子の一例を示す図である。図4において、上段の縦軸は電圧VHを示し、下段の縦軸はVH過電圧信号の状態を示し、上段および下段の横軸は時間を示す。
時刻t1にて電圧VHが第1閾値V1を超えると、コンパレータ264がラッチ要求信号をラッチ回路266へ出力する。これにより、ラッチ回路266は、VH過電圧信号をCPU252に出力する。すなわち、VH過電圧信号がオフ状態からオン状態に切り替えられる。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T1(たとえば数十msec)継続した時刻t2にて、制御装置250(より詳しくはCPU252)は、過電圧検出回路260によって電圧VHの過電圧が検出されたと判定する。
過電圧検出回路260によって電圧VHの過電圧が検出されたと判定されると、上述のように制御装置250は外部充電を停止するが、ラッチ回路266は、タイマ268からラッチ解除要求信号を受けるまでは、VH過電圧信号をオン状態に保持(ラッチ)する。
外部充電の停止によって時刻t3にて電圧VHが第1閾値V1未満に低下すると、コンパレータ264からタイマ開始要求信号がタイマ268に出力され、タイマ268による計時が開始される。そして、タイマ268による計時が開始されてからラッチ期間M1が経過した時刻t4にて、タイマ268からラッチ解除要求信号がラッチ回路266へ出力される。ラッチ回路266は、タイマ268からラッチ解除要求信号を受けると、VH過電圧信号をオン状態からオフ状態に切り替える(ラッチ解除)。VH過電圧信号がオフ状態になったことに伴って過電圧が解消すると、上述のように制御装置250は外部充電のリトライを行なう。
<過電圧が検出された要因の切り分け>
上述のように、本実施の形態においては、VH過電圧が検出された場合、充電器200を過電圧から保護するための過電圧保護制御が行なわれる。しかしながら、VH過電圧が検出された要因が全く不明であると、要因の調査に多くの時間を要したり、不必要な部品交換をしてしまったりする可能性がある。
そこで、本実施の形態による制御装置250は、VH過電圧が検出された要因が、給電設備100側(給電設備100から入力される系統電圧VIN)にあるのか、それとも充電器200内にあるのかを切り分ける処理を実行する。
図5は、VH過電圧が検出された要因を切り分ける際に制御装置250(より詳しくはCPU252)が実行する処理手順の一例を模式的に示す図である。
制御装置250は、VH過電圧信号のオン状態が所定時間T1(たとえば数十msec)以上継続しているか否かを判定する(ステップS10)。VH過電圧信号のオン状態が所定時間T1以上継続していない場合(ステップS10においてNO)、制御装置250は、異常なしと判定する(ステップS90)。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T1以上継続している場合(ステップS10においてYES)、制御装置250は、VH過電圧が検出されたと判定する(ステップS12)。
VH過電圧が検出されたと判定されると、制御装置250は、以下の手順でVH過電圧が検出された要因を判定する。
まず、制御装置250は、VH過電圧判定回数が所定回数(たとえば数回程度)以上であるか否かを判定する(ステップS20)。VH過電圧判定回数は、1回の外部充電の期間(外部充電が開始されてから外部充電が正常に完了するまでの期間)において、VH過電圧が検出されたと判定された回数である。VH過電圧判定回数が所定回数以上である場合(ステップS20においてYES)、何らかの異常が実際に生じていることが想定されるため、制御装置250は、処理をステップS50に移す。
一方、VH過電圧判定回数が所定回数以上でない場合(ステップS20においてNO)、制御装置250は、ステップS12においてVH過電圧が検出されたと判定された後に、上述のラッチ解除要求信号(図4参照)が出力された履歴があるか否かを判定する(ステップS30)。
ラッチ解除要求信号が出力された履歴がある場合(ステップS30においてYES)、制御装置250は、ラッチ解除要求信号が出力されてからVH過電圧信号のオン状態が所定時間T2(たとえば数秒程度)以上継続しているか否かを判定する(ステップS32)。ここで、所定時間T2は、ラッチ期間M1よりも長い時間に設定される。すなわち、この判定は、ラッチ解除要求信号の出力後(ラッチ解除条件の成立後)からラッチ期間M1が経過しても、VH過電圧信号がオン状態に保持されている状態が継続しているか否かを判定する処理である。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T2以上継続している場合(ステップS32においてYES)、ラッチ解除要求信号によるVH過電圧信号のラッチ解除機能が正常に機能していないことが想定されるため、制御装置250は、VH過電圧が検出された要因が、過電圧検出回路260の異常であると判定する(ステップS80)。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T2以上継続していない場合(ステップS32においてNO)、制御装置250は、異常なしと判定する(ステップS90)。
一方、ラッチ解除要求信号が出力された履歴がない場合(ステップS30においてNO)、制御装置250は、ラッチ解除要求信号が出力されてからVH過電圧信号のオン状態が所定時間T3(たとえば数十秒程度)以上継続しているかを判定する(ステップS40)。所定時間T3は、電圧VHが第1閾値V1を超えている状態から、放電抵抗R1によるコンデンサC1の放電によって電圧VHが第1閾値V1未満に低下するように要する時間に設定される。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T3以上継続していない場合(ステップS40においてNO)、制御装置250は、異常なしと判定する(ステップS90)。
VH過電圧信号のオン状態が所定時間T3以上継続している場合(ステップS40においてYES)、制御装置250は、系統電圧VINが予め定められた許容値(以下「第2閾値V2」ともいう)を超えるVIN過電圧が検出された履歴があるか否かを判定する(ステップS50)。なお、第2閾値V2は、第1閾値V1と同じ値であっても違う値であってもよい。VIN過電圧が検出された履歴があるか否かは、たとえば系統過電圧状態フラグを用いて判定することができる。
図6は、系統電圧VINおよび系統過電圧状態フラグの変化の様子の一例を示す図である。図6において、上段の縦軸は系統電圧VIN(瞬時値)を示し、下段の縦軸は系統過電圧状態フラグの状態を示し、上段および下段の横軸は時間を示す。時刻t11にて系統電圧VINの瞬時値が第2閾値V2を超えると、系統過電圧状態フラグは、オフ状態からオン状態に切り替えられる。系統過電圧状態フラグのオン状態は、リセット時間(たとえば数十分程度の十分長い時間)が経過するまで維持される。このような系統過電圧状態フラグを用いる場合、制御装置250は、系統過電圧状態フラグがオン状態である場合にVIN過電圧が検出された履歴があると判定することができる。
図5に戻って、VIN過電圧が検出された履歴がある場合(ステップS50においてYES)、制御装置250は、VH過電圧が検出された要因が、系統電圧VINの過電圧異常であると判定する(ステップS60)。
VIN過電圧が検出された履歴がない場合(ステップS50においてNO)、制御装置250は、VH過電圧が検出された要因が、VH過電圧の異常(実際に電圧VHの過電圧が生じていること)であると判定する(ステップS70)。
以上のように、本実施の形態による制御装置250(CPU252)は、VH過電圧が検出されたと判定された場合、その要因を切り分ける処理を行なう。具体的には、制御装置250は、VH過電圧信号がオン状態に保持された状態でラッチ解除要求信号が出力された(ラッチ解除条件が成立した)場合で、かつラッチ解除要求信号の出力後(ラッチ解除条件の成立後)にもVH過電圧信号のオン状態が所定時間T2以上継続している場合に、VH過電圧が検出された要因が過電圧検出回路260の異常であると判定する。一方、VH過電圧信号がオン状態に保持された状態でラッチ解除要求信号が出力されていない(ラッチ解除条件が成立していない)場合で、かつ電圧センサ41によって検出された系統電圧VINが第2閾値V2を超えた履歴がある場合に、VH過電圧が検出された要因が系統電圧VINの異常であると判定する。これにより、VH過電圧が検出された要因が、過電圧検出回路260の異常(充電器200の内部の異常)であるのか、それとも、給電設備100から充電器200に入力される系統電圧VINの異常(充電器200の外部の異常)であるのかを切り分けることができる。
さらに、本実施の形態においては、ラッチ解除要求信号が出力される条件(ラッチ解除条件)が、電圧センサ43によって検出される電圧VHが第1閾値V1未満に低下してからラッチ期間M1が経過したという条件に設定される。そして、制御装置250(CPU252)は、VH過電圧信号がオン状態に保持された状態でラッチ解除要求信号が出力された(ラッチ解除条件が成立した)場合で、かつラッチ解除要求信号の出力後(ラッチ解除条件の成立後)にVH過電圧信号のオン状態が解消している場合には、VH過電圧の異常は生じていないと判定する。
さらに、制御装置250は、VH過電圧信号がオン状態に保持された状態でラッチ解除要求信号が出力されていない(ラッチ解除条件が成立していない)場合で、かつ系統電圧VINが第2閾値V2を超えた履歴がない場合には、VH過電圧が検出された要因がVH過電圧の異常(実際に電圧VHの過電圧が生じていること)であると判定する。
上記のような制御により、本実施の形態においては、VH過電圧が検出された場合にその要因を適切に切り分けることができる。その結果、VH過電流の要因の調査に要する時間を短縮したり、不必要な部品交換を防止したりすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、12 蓄電装置、20 PCU、25 動力出力装置、30 駆動輪、40 インレット、41〜44 電圧センサ、50 充電リレー、51,52 電流センサ、61,62 温度センサ、100 給電設備、110 交流電源、115 EVSE、120 コネクタ、200 充電器、205 フィルタ回路、210 PFC回路、212 PFCリアクトル、215 インバータ、220 絶縁トランス、225 整流回路、250 制御装置、252 CPU、254 メモリ、256 I/F装置、260 過電圧検出回路、264 コンパレータ、266 ラッチ回路、268 タイマ、C1 コンデンサ、R1 放電抵抗。

Claims (4)

  1. 外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器であって、
    前記充電器内に設けられるコンデンサの電圧を検出するように構成された第1電圧センサと、
    前記外部電源から前記充電器に入力される電圧を検出するように構成された第2電圧センサと、
    前記第1電圧センサの検出値が第1閾値を超えた場合に過電圧信号をオン状態に保持し、前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合に前記過電圧信号をオフ状態に切り替えるように構成された過電圧検出回路と、
    前記過電圧信号に基づいて過電圧が検出された場合に前記過電圧が検出された要因を判定するように構成された処理装置とを備え、
    前記処理装置は、
    前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立した場合で、かつ前記解除条件の成立後にも前記過電圧信号が前記オン状態に保持されている状態が継続している場合に、前記過電圧が検出された要因が前記過電圧検出回路の異常であると判定し、
    前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立していない場合で、かつ前記第2電圧センサの検出値が第2閾値を超えた履歴がある場合に、前記過電圧が検出された要因が前記外部電源から前記充電器に入力される電圧の異常であると判定する、充電器。
  2. 前記解除条件は、前記第1電圧センサの検出値が前記第1閾値未満に低下してから所定時間が経過したという条件を含み、
    前記処理装置は、前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立した場合で、かつ前記解除条件の成立後に前記過電圧信号が前記オン状態に保持されている状態が解消している場合に、前記過電圧の異常は生じていないと判定する、請求項1に記載の充電器。
  3. 前記解除条件は、前記第1電圧センサの検出値が前記第1閾値未満に低下してから所定時間が経過したという条件を含み、
    前記処理装置は、前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立していない場合で、かつ前記第1電圧センサの検出値が前記第2閾値を超えた履歴がない場合には、前記過電圧が検出された要因が前記コンデンサの電圧の異常であると判定する、請求項1に記載の充電器。
  4. 外部電源から供給される電力で蓄電装置を充電する充電器の異常要因判定方法であって、
    前記充電器は、
    前記充電器内に設けられるコンデンサの電圧を検出するように構成された第1電圧センサと、
    前記外部電源から前記充電器に入力される電圧を検出するように構成された第2電圧センサと、
    前記第1電圧センサの検出値が第1閾値を超えた場合に過電圧信号をオン状態に保持し、前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で解除条件が成立した場合に前記過電圧信号をオフ状態に切り替えるように構成された過電圧検出回路とを備え、
    前記異常要因判定方法は、
    前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立した場合で、かつ前記解除条件の成立後にも前記過電圧信号が前記オン状態に保持されている状態が継続している場合に、過電圧が検出された要因が前記過電圧検出回路の異常であると判定するステップと、
    前記過電圧信号が前記オン状態に保持された状態で前記解除条件が成立していない場合で、かつ前記第2電圧センサの検出値が第2閾値を超えた履歴がある場合に、前記過電圧が検出された要因が前記外部電源から前記充電器に入力される電圧の異常であると判定するステップとを含む、充電器の異常要因判定方法。
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