JP2020107682A - アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることができるセパレータおよび該セパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサを提供することを目的とする。【解決手段】コンデンサの一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、合成繊維、例えばポリアミド繊維及び又はフィブリル化ポリアミド繊維を含有し、片側表面および反対側表面の液滴消失時間が10〜350秒、液滴消失時間の比が1.0〜2.0、気密度が10〜350秒/100ml、平均孔径が0.1〜15.0μmであるアルミニウム電解コンデンサ用セパレータとする。前記合成繊維は、フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有し、かつ、フィブリル化天然セルロース繊維を20〜80質量%含有することを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよび該セパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称す。)、家庭用ゲーム機、自動車電装機器等の電子機器の高性能化が著しく進んでおり、それと同時にこれら機器等の小型化も強く求められている。そのため、これら電子機器に用いられる回路基板等に搭載される部品にも高性能化、小型化のニーズが高まっている。
回路基板に搭載される部品の一つにアルミニウム電解コンデンサがあるが、導電性高分子を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサ(以下、「固体電解コンデンサ」と称す。)は、電解液を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサ(以下、「非固体電解コンデンサ」と称す。)と比べ、ESR(等価直列抵抗)特性が良好であることから員数削減による小型化が可能であり、パソコンやゲーム機等に使用されている。
また、パソコン等ではCPUの高速化・高機能化が求められており、動作周波数が一段と高周波化している。
電解液を用いた非固体電解コンデンサの伝導機構はイオン伝導であるが、固体電解コンデンサの伝導機構は電子伝導であり、イオン伝導と比較して高伝導度を示す。つまり、蓄えた電子を放出する応答性が良いことから、低ESR特性となり、電源回路の中でもCPU周りに用いるコンデンサとしてメリットがある。
また昨今は、陰極材料として、導電性高分子と電解液とを共に用いた導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサ(以下、「ハイブリッド電解コンデンサ」と称す。)がコンデンサメーカー各社より上市されており、低ESR特性であることと、ショート不良がないことが必須要件である自動車電装機器用途にも用いられてきている。
上述したように、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサは、パソコンや家庭用ゲーム機をはじめ、高信頼性が要求される自動車電装機器等にも適用範囲が広がっている。
固体電解コンデンサは、電極箔とセパレータとを重ね合わせて巻回して素子巻を形成した後、電極箔のアルミニウム酸化皮膜の欠損部分の修復、および電極箔の切断面やタブ等の未化成部分の化成をおこない、導電性高分子層を形成した後、ケースに挿入、封口して作製している。ハイブリッド電解コンデンサにおいては、導電性高分子層を形成した後に、さらに電解液を含浸し、ケースに挿入、封口して作製している。
固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの陰極材料である導電性高分子をコンデンサ素子内に保持させる方法として、コンデンサ素子内にて導電性高分子を重合させる方法と、あらかじめ重合した導電性高分子をコンデンサ素子内に含浸させる方法とがある。
コンデンサ素子内において導電性高分子を重合させる場合、モノマーおよび酸化剤を含む溶液(以下、「重合液」と称す。)をコンデンサ素子に含浸後、加熱・乾燥し重合させて、導電性高分子層をコンデンサ素子内に形成させる。
あらかじめ重合した導電性高分子を含浸させる場合、導電性高分子を水に分散させた懸濁液(以下、「分散液」と称す。)をコンデンサ素子に含浸後、加熱・乾燥し、導電性高分子層をコンデンサ素子内に形成させる。
重合液と分散液の何れの場合においても、コンデンサ素子内部の導電性高分子層の形成状態の良し悪し、即ち、セパレータの重合液や分散液に対する含浸性が固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの電気特性を決定付けることとなる。
さらに、近年では固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの車載用途での使用も増加している。特に、自動車の電装化が進み、自動車の様々な機能をコントロールする電子制御機器であるElectronic Control Unit(以下、「ECU」と称す。)の数量が増加傾向にある。
さらに、カーナビゲーションシステムやエアバッグシステムなど車室内の搭載製品が増加したことで、従来、車室内搭載であったECUなどが車室外へ追い出されることになり、基板の小型化に伴い、限られたスペースに最大限に高密度実装する必要も生じている。このため、搭載される部品にも、小型化、高機能化が求められるようになった。これら要求に対応するために、ECU等に搭載される部品のひとつである固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサにおいても、更なるESRの低減および静電容量の向上が求められている。
また、自動車に用いられる部品は、パソコンや家庭用ゲーム機に用いられる部品と比較すると外部からの振動や衝撃が加えられる場合があり、そこで用いられるコンデンサには過酷な環境下においても長期間に渡って耐え得るような耐ショート性が要求される。このため、それらコンデンサに用いられるセパレータにおいては、両極間の高い遮蔽性が要求される。
このように、車載用コンデンサにおいては、高い耐ショート性を維持したまま、更なるESRの低減および静電容量の向上が求められている。
これまでにセパレータとして、合成繊維からなるセパレータや天然セルロース繊維からなるセパレータ、合成繊維と天然セルロース繊維とをともに含有したセパレータが用いられており、アルミニウム電解コンデンサや固体電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等の耐ショート性とESRの低減等を目的として、例えば、特許文献1乃至5に記載された技術が開示されている。
特許文献1には、天然繊維パルプまたは再生セルロース繊維の1種または2種以上を原料とし、高密度層と低密度層の二層構造とした電解紙を使用することで、耐電圧を高く維持すると共に、インピーダンス特性を向上させた電解コンデンサを提供する技術が開示されている。
特許文献2には、叩解可能な再生セルロース繊維を70質量%以上含有させた、長網または短網抄紙された繊維層Aと、円網抄紙された繊維層Bとからなる二層構造を有したセパレータが提案されている。このセパレータを用いることによって、内部抵抗、漏れ電流特性に悪影響を与えることなく、生産性を向上させることが可能な蓄電デバイスを提供する技術が開示されている。
特許文献3には、アクリル短繊維とフィブリル化セルロースを含有させることで、導電性高分子の重合液の含浸性を良好なものにすることができ、結果、低ESR化を図ることのできる固体電解コンデンサ用セパレータを提供する技術が開示されている。
特許文献4には、湿式法により作製されたポリエステル樹脂又はその誘導体を含有する不織布を用いた固体電解コンデンサが提案されている。このセパレータは固体電解質の密着性と接着性に優れ、物理的強度と耐熱性が高いため、このセパレータを用いることで、インピーダンス特性と漏れ電流特性に優れた固体電解コンデンサを提供する技術が開示されている。
特許文献5には、繊維径0.1〜4μmを有する極細繊維で構成される不織布層(I層)と、繊維径6〜30μmを有する熱可塑製樹脂繊維で構成される繊維層(II層)とを含み、かつ該不織布層(II層)が2層の該不織布層(I層)の間に存在する積層不織布が提案されている。このセパレータを用いることによって、より高性能の固体電解コンデンサを提供する技術が開示されている。
特開平6−168848号公報 特開2016−25211号公報 特開2009−59730号公報 特開2002−246270号公報 特開2013−80828号公報
しかしながら、特許文献1のようなセパレータは、セルロース繊維のみで構成されており、固体電解コンデンサに用いられる導電性高分子の重合液や分散液を含浸すると、セルロース繊維が酸性条件下において徐々に分解されるため、セパレータの機械的強度の低下が顕著になる場合や、セルロース繊維と重合液の酸化剤とが反応することで、導電性高分子の重合を阻害する場合があった。
さらに、高密度層が非常に緻密であり、導電性高分子の重合液や分散液の含浸が困難であった。このため、セパレータの機械的強度が低下することによって、固体電解コンデンサのショート不良が増加する場合や、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が悪化することによって、固体電解コンデンサのESRが悪化する場合があった。
仮に、特許文献1のセパレータを導電性高分子の重合液や分散液に対する機械的強度の低下を回避するために、合成繊維を配合した場合、セルロース繊維間に合成繊維が介在することにより、セルロース繊維同士の水素結合を阻害することで、セパレータの機械的強度が低下し、セパレータ形成時やコンデンサ素子形成時において、破断等が発生するという問題が起こる場合があった。また、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を向上させるために、高密度層の密度を低くした場合、セパレータを構成する繊維同士の間隙が過度に広くなることで、緻密性が低下し、ショート不良が増加する場合があった。
また、特許文献2のような繊維径の細いフィブリルを有する再生セルロース繊維を含有させたセパレータは、緻密性が非常に高く、遮蔽性が高いため、耐ショート性には優れるが、緻密性が高くなり過ぎ、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性の更なる向上が困難であり、このため、固体電解コンデンサの更なるESRの低減および静電容量の向上が困難であった。
さらに、再生セルロースはセルロースを溶解し、紡糸した繊維であり、天然セルロース繊維と比較して、セルロースの重合度が低いため、導電性高分子の重合液や分散液への耐性がより低下し、セパレータの機械的強度が低下することによって、コンデンサのショート不良が増加する場合があった。
仮に、特許文献2のセパレータの緻密性を低くして、ESRの低減、静電容量の向上を目的に非フィブリル化繊維の配合を多くした場合、セパレータの緻密性が低くなることで、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、このセパレータを用いた固体電解コンデンサは、耐ショート性が低くなる。また、導電性高分子の重合液や分散液に対する機械的強度の低下を回避するために、合成繊維を配合した場合、セルロース繊維間に合成繊維が介在することにより、セルロース繊維同士の水素結合を阻害することで、セパレータの機械的強度が低下し、セパレータ形成時やコンデンサ素子形成時において、破断等が発生するという問題が起こる場合があった。
更に、特許文献3のようなアクリル短繊維を含有させたセパレータは、含浸性は高いが、緻密性が低いため、低ESR化には優れるが、耐ショート性が低いといった課題があった。
仮に、特許文献3のセパレータの緻密性を高くして、耐ショート性の向上を目的にフィブリル化繊維の配合を多くした場合、セパレータの緻密性が高くなることで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が悪化し、ESR特性および静電容量を向上させることができない。
更にまた、特許文献4のような非フィブリル化繊維のみからなるセパレータを用いた固体電解コンデンサにおいては、緻密性が低いため、耐ショート性の更なる向上が困難であった。
仮に、特許文献4のセパレータの緻密性を高くして、耐ショート性の向上を目的にフィブリル化繊維を配合した場合、セパレータの緻密性が高くなることで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が悪化し、ESRの低減および静電容量を向上させることができない。
更に、特許文献5のようなメルトブロウン法などによって製造された長繊維で構成される乾式不織布をセパレータとして用いた固体電解コンデンサにおいては、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性は高いが、セパレータの地合いが悪く、近年の要求に対しては、耐ショート性が満足できないといった場合があった。
仮に、特許文献5のセパレータの緻密性を高くして、耐ショート性の向上を目的に繊維径0.1〜4μmを有する極細繊維で構成される不織布層のみでセパレータを構成した場合、セパレータが過剰に緻密になり、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が悪化し、ESRの低減および静電容量を向上させることができない。
上述したように、従来のセパレータでは、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサにおいて、高い耐ショート性を維持したまま、近年求められるような更なるESRの低減および静電容量の向上に応えることができないという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサに用いることで高い耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることができるセパレータおよび該セパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、上記した目的を達成する一手段として本発明に係る実施の形態は、例えば、以下の構成を備える。
即ち、一対の電極の間に介在する、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、合成繊維を含有し、片側表面および反対側表面の液滴消失時間が10〜350秒、液滴消失時間の比が1.0〜2.0であることを特徴とする。
そして例えば、気密度が10〜350秒/100ml、平均孔径が0.1〜15.0μmであることを特徴とする。また例えば、前記合成繊維は、ポリアミド繊維であることを特徴とする。
更に例えば、前記ポリアミド繊維は、フィブリル化ポリアミド繊維であることを特徴とする。あるいは、前記合成繊維は、フィブリル化繊維のみからなることを特徴とする。
更に例えば、前記合成繊維は、フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有し、かつ、フィブリル化天然セルロース繊維を20〜80質量%含有することを特徴とする。
又は、上記いずれかに記載のセパレータを用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサとする。
そして、陰極材料に導電性高分子を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、高い遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液に対して高い含浸性を有するセパレータが得られる。このセパレータを固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサに用いることで、耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明を実施するための形態のアルミニウム電解コンデンサによれば、セパレータとして、例えば、合成繊維を含有し、セパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を一定範囲に制御することで、セパレータを構成する繊維同士の間隙を適切に形成できるため、遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を高めることができる。このため、セパレータとして、耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることができる。
さらに、上記したセパレータの気密度、平均孔径を一定範囲に制御することによって、セパレータの緻密性を制御することができ、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を阻害することなく、高い耐ショート性を維持できる。
また、上記した合成繊維をポリアミド繊維とすることで、セパレータの耐熱性、耐薬品性を高めることができる。
そして、上記したポリアミド繊維をフィブリル化ポリアミド繊維とすることで、セパレータの均質性を高めることができ、耐ショート性を向上させることができる。
さらにまた、上記したセパレータをフィブリル化繊維のみで構成することによって、セパレータ全体の緻密性を高めることができ、耐ショート性を向上させることができる。
そしてまた、上記したセパレータは、フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有し、かつ、フィブリル化天然セルロース繊維を20〜80質量%含有することで、導電性高分子の重合液や分散液に対する耐性と機械的強度とを両立させることができる。
本発明の実施の形態に係るセパレータは、一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、該セパレータは、合成繊維を含有し、該セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間を10〜350秒、液滴消失時間の比を1.0〜2.0に制御することで特に良好な結果が得られる。
セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間は、セパレータの導電性高分子の重合液や分散液の濡れ広がり性を示す。
セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間は10〜350秒の範囲が好ましく、より好ましくは10〜250秒の範囲、さらに好ましくは10〜200秒の範囲である。
液滴消失時間が10秒未満では、繊維同士の間隙が過剰に広く、含浸時に毛細管現象が働きにくくなり、濡れ広がり性が悪化し、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されない。
また、液滴消失時間が350秒超では、繊維同士の間隙が過度に緻密であるため、導電性高分子の重合液や分散液がセパレータに含浸されず、電子伝導経路となる導電性高分子層を形成することができない。
このため、セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間が10秒未満、350秒超の何れの場合も、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサとしたときにESRの低減および静電容量を向上させることができない。
セパレータの液滴消失時間の比は、セパレータ表面および内部の繊維構造の均質性を示す。
セパレータの液滴消失時間の比は1.0〜2.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5の範囲である。液滴消失時間の比が2.0超では、セパレータ表面およびセパレータ内部を構成する繊維同士の間隙が疎らになり、セパレータ全体としての均質性が低く、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されない。このため、液滴消失時間の比が2.0超の場合、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサとしたときにESRの低減および静電容量を向上させることができない。
セパレータに合成繊維を配合することで、セパレータの耐酸性や耐酸化性が向上し、導電性高分子の重合液や分散液によるセパレータの機械的強度の低下を抑制できる。さらに、合成繊維は天然セルロース繊維のように繊維間で水素結合を発現しないことから、繊維間の間隙が過剰に閉塞することを抑制できるため、導電性高分子層をセパレータ全体に均一に形成することができる。
本発明を実施するための形態のセパレータは、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性と耐ショート性を考慮すると、セパレータの気密度を10〜350秒/100mlの範囲が好ましく、より好ましくは10〜250秒/100mlの範囲、さらに好ましくは10〜200秒/100mlの範囲である。また、セパレータの平均孔径を0.1〜15.0μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲である。
セパレータの気密度を10〜350秒/100ml、平均孔径を0.1〜15.0μmの範囲とすることで、セパレータの緻密性を制御できる。
セパレータの気密度が10秒/100ml未満、平均孔径が15.0μm超では、セパレータの緻密性が不足し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなるため、ショート不良率を低減できない場合がある。
セパレータの気密度が350秒/100ml超、平均孔径が0.1μm未満では、セパレータが過度に緻密であるため、導電性高分子の重合液や分散液の含浸が困難になり、固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサとしたときにESRの低減および静電容量を向上させることができない場合がある。
セパレータを構成する合成繊維種は、耐薬品性、耐熱性の観点から、ポリアミド繊維が好ましい。
さらに、ポリアミド繊維として、フィブリル化ポリアミド繊維とすることで、セパレータの均質性を高めることができる。ここで、セパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を満足できれば、フィブリル化ポリアミド繊維のバインダー効果は特に限定はない。
また、耐ショート性を考慮すると、セパレータ全体としての緻密性を高めることができるフィブリル化繊維のみで構成されていることが好ましい。
セパレータを構成するフィブリル化繊維として、フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有し、かつ、フィブリル化天然セルロース繊維を20〜80質量%含有することが好ましい。
フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有させることでセパレータの耐酸性や耐酸化性が向上し、導電性高分子の重合液や分散液によるセパレータの機械的強度の低下を抑制できる。
フィブリル化ポリアミド繊維の含有量が20質量%未満、すなわち、フィブリル化天然セルロース繊維の含有量が80質量%を超過すると、セパレータの耐酸性、耐酸化性が低下し、導電性高分子の重合液や分散液含浸後のセパレータの機械的強度が低下することで、コンデンサのショート不良率が増加する場合がある。
また、フィブリル化ポリアミド繊維の含有量が80質量%超、すなわち、フィブリル化天然セルロース繊維の含有量が20質量%未満の場合は、水酸基の作用によるセパレータの導電性高分子の重合液や分散液との親和性が低下し、導電性高分子層をコンデンサ素子内部まで均一に形成できず、ESRの低減と静電容量の向上ができない。
また、セルロース繊維間の水素結合を合成繊維であるフィブリル化ポリアミド繊維が阻害することでセパレータの機械的強度が低下し、コンデンサ素子巻回工程でセパレータが切れる等の巻回不良が生じる場合や、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、コンデンサのショート不良率が増加する場合がある。
セパレータを構成するフィブリル化ポリアミド繊維の中でも、耐熱性の観点から、フィブリル化アラミド繊維が好ましい。
フィブリル化天然セルロース繊維材料としては特に制限はなく、例えば、木材や非木材等からサルフェート(クラフト)法、サルファイト法、あるいはアルカリ法によって蒸解し、抽出された製紙用化学パルプを用いることができる。この中でも、セパレータの機械的強度および導電性高分子の重合液や分散液の含浸性の観点から、天然セルロース繊維として、ジュートパルプ、サイザル麻パルプ、マニラ麻パルプが好ましい。
なお、ここでのフィブリルとは、例えば、繊維の機械的外力などで処理した時に発生するもとの繊維より細いひげ状の糸状体のことである。
繊維のフィブリル化の手段としては、例えば叩解処理を挙げることができる。繊維の叩解に用いる設備には特に限定はない。一般的にはビーター、コニカルリファイナー、ディスクリファイナー、高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。また、本実施の形態で使用する各繊維は、単独で叩解したものを抄紙前に混合してもよく、混合したものを叩解してもよい。
本実施の形態例では、セパレータの緻密性および導電性高分子の重合液や分散液の含浸性の観点に加えて、セパレータとして十分な機械的強度の付与、均一な地合形成を目的として、セパレータを構成する繊維のCSFの値を0〜500mlの範囲とした。しかしながら、セパレータとして十分な機械的強度の付与、均一な地合形成が出来れば、セパレータを構成する繊維のCSF値に特に限定はない。
セパレータの形成時の必要性や、取扱時の機械的強度を考慮して、例えば、ポリビニルアルコールのような湿熱融着樹脂やポリアクリルアミドのような紙力増強剤をバインダー材料として用いることができる。所望のセパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を満足できればバインダー材料の含有量に特に限定はないが、30質量%程度までであれば、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性に影響を与えにくい。
本発明の実施の形態では、セパレータの厚さおよび密度は、セパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を考慮して任意の厚さおよび密度とできる。一般的には、厚さ20〜70μm、密度0.200〜0.600g/cm3程度であれば、セパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を好ましい範囲としやすいが、この範囲に限定されるものではない。
さらに、本実施の形態のセパレータは、引張強さが7.0N/15mm以上であることが好ましい。引張強さが7.0N/15mmより低いと、セパレータ形成時やコンデンサ形成時にセパレータが破断しやすくなる。また、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、耐ショート性も低くなる。
本発明の実施の形態例において、セパレータは抄紙法を用いて形成した湿式不織布を採用した。セパレータの抄紙形式は、セパレータの片側表面と反対側表面との液滴消失時間、液滴消失時間の比を満足することができれば特に限定はなく、長網抄紙や短網抄紙、円網抄紙といった抄紙形式が使用できるが、例えば、これらの抄紙形式によって形成された層を重ね合わせたような多層構造とすることで、繊維同士の間隙をより適切に形成できるため、遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性をより高めることができる。
多層構造とする際、例えば、セパレータとして、繊維層Aと繊維層Bとからなる二層構造である場合、該繊維層Aを構成する繊維のCSFの値を0〜100mlとすることで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を維持しつつ、遮蔽性を高めることができる。また、該繊維層Bを構成する繊維のCSF値を100ml以上500ml以下とすることで、遮蔽性を維持しつつ、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を高めることができる。さらに、繊維層Aと繊維層Bを構成する繊維のCSFの値の差を50〜400mlの範囲とすることで、繊維層A及び繊維層Bの界面の歪みが小さく、セパレータ内部に形成される導電性高分子層をより均一に形成することができる。
さらに、抄紙に際しては、コンデンサ用セパレータに影響を与えない程度の不純物含有量であれば、分散剤や消泡剤、紙力増強剤等の添加剤を加えてもよく、紙層形成後に紙力増強加工、親液加工、カレンダ加工、エンボス加工等の後加工を施してもよい。
ただし、抄紙法による湿式不織布に限定するものではなく、製膜法で用いられるような、繊維分散液をキャスティングにより製膜する等の方法でも問題はない。
そして、本実施の形態のアルミニウム電解コンデンサは、セパレータとして上記構成のセパレータを用いて、一対の電極の間にセパレータを介在させ、陰極材料として導電性高分子を使用した。
以上の構成を採用した本発明の実施の形態のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサは高い遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液に対して高い含浸性を有する。つまり、このセパレータを固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサに用いることで、耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることができる。
〔セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサの特性の測定方法〕
本実施の形態のセパレータおよびアルミニウム電解コンデンサの各特性の具体的な測定は、以下の条件および方法で行った。
〔CSF〕
CSFは、「JIS P8121−2『パルプ−ろ水度試験法−第2部:カナダ標準ろ水度法』(ISO5267−2『Pulps−Determination of drainability−Part2:“Canadian Standard”freeness method』)」に従
って測定した。
〔厚さ〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 5.1 厚さ」に規定された、「5.1.1 測定器および測定方法 a外側マイクロメータを用いる場合」のマイクロメータを用いて、「5.1.3 紙を折り重ねて厚さを測る場合」の10枚に折り重ねる方法で、セパレータの厚さを測定した。
〔密度〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙-第2部:試験方法』 7.0A 密度」のB法に規定された方法で、絶乾状態のセパレータの密度を測定した。
〔引張強さ〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙−第2部:試験方法』 8 引張強さ及び伸び」に規定された方法でセパレータの縦方向の引張強さを測定した。
〔液滴消失時間および液滴消失時間の比〕
セパレータの液滴消失時間は、セパレータに純水50μlの液滴を測定面から10〜50mmの位置から、一粒の水滴を落下させるように滴下する。この滴下された液滴がセパレータに染み込み、完全に消失するまでの時間を測定し、これを液滴消失時間とした。この測定は片側表面および反対側表面でそれぞれ行った。なお、測定中、セパレータと机面が接しないように、セパレータと机面の間に空間ができるように治具に保持して測定する。
液滴消失時間の比の算出は、セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間の大きいほうの値を小さいほうの値で除した値をセパレータの液滴消失時間の比とした。なお、液滴消失時間の測定は、室温20℃、相対湿度65%環境で行った。
〔気密度〕
「JIS P 8117 『紙および板紙‐透気度および透気抵抗度試験方法(中間領域)‐ガーレー法』」に規定された方法で、B形試験機を用いて100mlの空気が透過するのに適した時間をセパレータの透気抵抗度として測定した。但し、穴の部分の直径が6mmであるアダプタを使用した。
〔平均孔径〕
セパレータの平均孔径は、PMI社製Parm−Porometerを用いて、バブルポイント法(ASTMF316−86,JIS K3832)により測定される孔径分布から、その平均孔径(μm)を求めた。なお、平均孔径の測定には試験液としてGALWICK(Porous Materials,Inc社製)を用いた。
〔固体電解コンデンサの作製工程〕
各実施例、各従来例のセパレータを用いて定格電圧6.3V、直径8.0mm×高さ7.0mmと、定格電圧50V、直径8.0mm×高さ10.0mmとの二種類の固体電解コンデンサを作製した。
具体的な固体電解コンデンサの作製方法は、以下の通りである。
エッチング処理および酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないようにセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥させた。
定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサの場合、コンデンサ素子に導電性高分子重合液を含浸後、加熱・重合させ、溶媒を乾燥させて導電性高分子層を形成した。定格電圧50Vの固体電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子層を形成した。そして、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、それぞれの固体電解コンデンサを得た。
〔ハイブリッド電解コンデンサの作製工程〕
各実施例、各従来例のセパレータを用いて定格電圧16V、直径10.0mm×高さ10.5mmと、定格電圧80V、直径8.0mm×高さ10.0mmとの二種類のハイブリッド電解コンデンサを作製した。
具体的なハイブリッド電解コンデンサの作製方法は、以下の通りである。
エッチング処理および酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないようにセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥させた。
定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサの場合、コンデンサ素子に導電性高分子重合液を含浸後、加熱・重合させ、溶媒を乾燥させて導電性高分子層を形成する。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子層を形成する。そして、上記コンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させ、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、それぞれのハイブリッド電解コンデンサを得た。
〔ESR〕
作製したコンデンサ素子のESRは、温度20℃、周波数100kHzの条件にてLCRメータを用いて測定した。
〔静電容量〕
静電容量は、「JIS C 5101−1 『電子機器用固定コンデンサー第1部:品目別通則』」に規定された、「4.7 静電容量」の方法により求めた。
〔ショート不良率〕
ショート不良率は、巻回したコンデンサ素子を用いて、エージング中に生じたショート不良数を計数し、ショート不良となった素子数を、エージングを実施したコンデンサ素子数で除して、百分率をもってショート不良率とした。
〔実施例〕
以下、本発明の実施の形態に係るセパレータの具体的な実施例等について表1乃至表4も参照して説明する。
表1は、実施例1〜7、参考例1〜4、比較例1〜3、従来例1〜5の各セパレータの原料と配合とを示し、表2は、各セパレータ単体の評価結果を示す。また、表3は表1及び表2に示すセパレータを用いた固体電解コンデンサの性能評価結果を示し、表4は表1及び表2に示すセパレータを用いたハイブリッド電解コンデンサの性能評価結果を示す。
〔実施例1〕
フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値0mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値400mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例1の二層セパレータを作製した。
完成した実施例1のセパレータの厚さは20μm、密度は0.500g/cm3、引張強さは9.8N/15mm、液滴消失時間は片側表面17秒、反対側表面10秒、液滴消失時間の比は1.7、気密度は280秒/100ml、平均孔径は0.1μmであった。
〔実施例2〕
フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値20mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値300mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例2の二層セパレータを作製した。
完成した実施例2のセパレータの厚さは70μm、密度は0.300g/cm3、引張強さは14.3N/15mm、液滴消失時間は片側表面200秒、反対側表面150秒、液滴消失時間の比は1.3、気密度は350秒/100ml、平均孔径は0.5μmであった。
〔実施例3〕
フィブリル化アラミド繊維50質量%とフィブリル化天然セルロース繊維50質量%とを混合したCSF値40mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維50質量%とフィブリル化天然セルロース繊維50質量%とを混合したCSF値250mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例3の二層セパレータを作製した。
完成した実施例3のセパレータの厚さは40μm、密度は0.250g/cm3、引張強さは7.0N/15mm、液滴消失時間は片側表面250秒、反対側表面200秒、液滴消失時間の比は1.3、気密度は200秒/100ml、平均孔径は3.0μmであった。
〔実施例4〕
フィブリル化アラミド繊維35質量%とフィブリル化天然セルロース繊維35質量%とを混合したCSF値40mlの原料にバインダー材料としてポリビニルアルコール30質量%を混合した原料と、フィブリル化アラミド繊維50質量%とフィブリル化天然セルロース繊維50質量%とを混合したCSF値250mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例4の二層セパレータを作製した。
完成した実施例4のセパレータの厚さは35μm、密度は0.600g/cm3、引張強さは12.5N/15mm、液滴消失時間は片側表面350秒、反対側表面200秒、液滴消失時間の比は1.8、気密度は50秒/100ml、平均孔径は15.0μmであった。
〔実施例5〕
フィブリル化アラミド繊維40質量%とフィブリル化天然セルロース繊維60質量%とを混合したCSF値60mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維60質量%とフィブリル化天然セルロース繊維40質量%とを混合したCSF値200mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例5の二層セパレータを作製した。
完成した実施例5のセパレータの厚さは60μm、密度は0.200g/cm3、引張強さは11.7N/15mm、液滴消失時間は片側表面150秒、反対側表面150秒、液滴消失時間の比は1.0、気密度は10秒/100ml、平均孔径は13.0μmであった。
〔実施例6〕
フィブリル化アラミド繊維30質量%とフィブリル化天然セルロース繊維70質量%とを混合したCSF値80mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維70質量%とフィブリル化天然セルロース繊維30質量%とを混合したCSF値250mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例6の二層セパレータを作製した。
完成した実施例6のセパレータの厚さは30μm、密度は0.400g/cm3、引張強さは13.1N/15mm、液滴消失時間は片側表面120秒、反対側表面80秒、液滴消失時間の比は1.5、気密度は250秒/100ml、平均孔径は1.0μmであった。
〔実施例7〕
フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値100mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値150mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、実施例7の二層セパレータを作製した。
完成した実施例7のセパレータの厚さは50μm、密度は0.350g/cm3、引張強さは10.5N/15mm、液滴消失時間は片側表面100秒、反対側表面50秒、液滴消失時間の比は2.0、気密度は150秒/100ml、平均孔径は10.0μmであった。
〔参考例1〕
フィブリル化アラミド繊維質量80%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値0mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値50mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、参考例1の二層セパレータを作製した。
完成した参考例1のセパレータの厚さは30μm、密度は0.300g/cm3、引張強さは12.0N/15mm、液滴消失時間は片側表面280秒、反対側表面250秒、液滴消失時間の比は1.1、気密度は400秒/100ml、平均孔径は0.5μmであった。
〔参考例2〕
フィブリル化アラミド繊維質量20%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値0mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値50mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、参考例2の二層セパレータを作製した。
完成した参考例2のセパレータの厚さは50μm、密度は0.350g/cm3、引張強さは16.0N/15mm、液滴消失時間は片側表面330秒、反対側表面300秒、液滴消失時間の比は1.1、気密度は340秒/100ml、平均孔径は0.08μmであった。
〔参考例3〕
フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値200mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維20質量%とフィブリル化天然セルロース繊維80質量%とを混合したCSF値500mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、参考例3の二層セパレータを作製した。
完成した参考例3のセパレータの厚さは35μm、密度は0.500g/cm3、引張強さは9.9N/15mm、液滴消失時間は片側表面50秒、反対側表面40秒、液滴消失時間の比は1.3、気密度は15秒/100ml、平均孔径は18.0μmであった。
〔参考例4〕
フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値200mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維80質量%とフィブリル化天然セルロース繊維20質量%とを混合したCSF値500mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、参考例4の二層セパレータを作製した。
完成した参考例4のセパレータの厚さは40μm、密度は0.400g/cm3、引張強さは8.5N/15mm、液滴消失時間は片側表面120秒、反対側表面100秒、液滴消失時間の比は1.2、気密度は5秒/100ml、平均孔径は14.0μmであった。
〔比較例1〕
フィブリル化アラミド繊維10質量%とフィブリル化天然セルロース繊維90質量%とを混合したCSF値300mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維10質量%とフィブリル化天然セルロース繊維90質量%とを混合したCSF値600mlの原料とを用いて円網短網抄紙し、比較例1の二層セパレータを作製した。
完成した比較例1のセパレータの厚さは50μm、密度は0.300g/cm3、引張強さは10.5N/15mm、液滴消失時間は片側表面10秒、反対側表面7秒、液滴消失時間の比は1.4、気密度は12秒/100ml、平均孔径は17.0μmであった。
〔比較例2〕
フィブリル化アラミド繊維30質量%とフィブリル化天然セルロース繊維30質量%とを混合したCSF値0mlの原料にバインダー材料としてポリビニルアルコール40質量%を混合した原料と、フィブリル化アラミド繊維50質量%とフィブリル化天然セルロース繊維50質量%とを混合したCSF値50mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、比較例2の二層セパレータを作製した。
完成した比較例2のセパレータの厚さは40μm、密度は0.350g/cm3、引張強さは16.8N/15mm、液滴消失時間は片側表面400秒、反対側表面220秒、液滴消失時間の比は1.8、気密度は110秒/100ml、平均孔径は0.09μmであった。
〔比較例3〕
フィブリル化アラミド繊維90質量%とフィブリル化天然セルロース繊維10質量%とを混合したCSF値50mlの原料と、フィブリル化アラミド繊維90質量%とフィブリル化天然セルロース繊維10質量%とを混合したCSF値500mlの原料と、を用いて円網短網抄紙し、比較例3の二層セパレータを作製した。
完成した比較例3のセパレータの厚さは30μm、密度は0.400g/cm3、引張強さは5.8N/15mm、液滴消失時間は片側表面240秒、反対側表面80秒、液滴消失時間の比は3.0、気密度は9秒/100ml、平均孔径は11.0μmであった。
〔従来例1〕
特許文献1の実施例3に記載の方法と同様の方法で製造したセパレータを作製し、従来例1のセパレータとした。
従来例1のセパレータは、フィブリル化天然セルロース繊維100質量%(CSF値0ml)の原料と、フィブリル化天然セルロース繊維100質量%(CSF値700ml)の原料と、からなる長網円網二層セパレータであり、厚さは50μm、密度は0.639g/cm3、引張強さは55.0N/15mm、液滴消失時間は片側表面1100秒、反対側表面60秒、液滴消失時間の比は18.3、であった。なお、気密度、平均孔径は、セパレータの緻密性が非常に高く、測定できなかった。
〔従来例2〕
特許文献2の実施例7に記載の方法と同様の方法で製造したセパレータを作製し、従来例2のセパレータとした。
従来例2のセパレータは、再生セルロース繊維であるリヨセル繊維100質量%(CSF値200ml*CSF値が一旦0mlまで低下した後、上昇した値)の原料と、再生セルロース繊維であるリヨセル繊維100質量%(CSF値100ml)の原料と、からなる長網円網二層セパレータであり、厚さは40μm、密度は0.400g/cm3、引張強さは12.7N/15mm、液滴消失時間は片側表面160秒、反対側表面60秒、液滴消失時間の比は2.7、気密度は200秒/100ml、平均孔径は0.5μmであった。
〔従来例3〕
特許文献3の実施例1に記載の方法と同様の方法で製造したセパレータを作製し、従来例3のセパレータとした。
従来例3のセパレータは、アクリル短繊維99.5質量%とフィブリル化セルロース繊維0.5質量%とを混合したCSF値600mlの原料からなる円網一層セパレータであり、厚さは40μm、密度は0.300g/cm3、引張強さは8.5N/15mm、液滴消失時間は片側表面6秒、反対側表面5秒、液滴消失時間の比は1.2、気密度は2秒/100ml、平均孔径は16.0μmであった。
〔従来例4〕
特許文献4の実施例1に記載の方法と同様の方法で製造したセパレータを作製し、従来例4のセパレータとした。
従来例4のセパレータは、PET繊維100質量%の原料からなる湿式法による単層セパレータであり、厚さは40μm、密度は0.630g/cm3、引張強さは17.6N/15mm、液滴消失時間は片側表面8秒、反対側表面7秒、液滴消失時間の比は1.1、気密度は1.0秒/100ml、平均孔径は17.0μmであった。
〔従来例5〕
特許文献5の実施例1に記載の方法と同様の方法で製造したセパレータを作製し、従来例5のセパレータとした。
従来例5のセパレータは、メルトブロウン法により紡糸したPET繊維層Aにスパンボンド法により紡糸したPET繊維層Bを積層し、更に、メルトブロウン法により紡糸したPET繊維層Aを積層したPET繊維100%からなる乾式法による三層セパレータであり、厚さは39μm、密度は0.510g/cm3、引張強さは24.0N/15mm、液滴消失時間は片側表面9秒、反対側表面8秒、液滴消失時間の比は1.1、気密度は2.0秒/100ml、平均孔径は6.7μmであった。
表1は、実施例1〜7、参考例1〜4、比較例1〜3、従来例1〜5の各セパレータの原料と配合とを示す。
Figure 2020107682
表2は、各セパレータ単体の評価結果を示す。
Figure 2020107682
上記の各実施例、各参考例、各比較例、各従来例のセパレータを用いて作製したアルミニウム電解コンデンサは、低電圧用の定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサと、高電圧用の定格電圧50Vの固体電解コンデンサとである。また、上記の各実施例、各参考例、各比較例、各従来例のセパレータを用いて作製したハイブリッド電解コンデンサとして低電圧用の定格電圧16Vのコンデンサと、高電圧用の定格電圧80Vのコンデンサとを作製した。
以下、各実施例、各参考例、各比較例、各従来例について、評価結果を詳細に説明する。
〔実施例1〕
実施例1のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR9mΩ、静電容量720μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR13mΩ、静電容量55μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例1のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR10mΩ、静電容量415μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR18mΩ、静電容量40μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例2〕
実施例2のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR12mΩ、静電容量675μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR17mΩ、静電容量51μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例2のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR13mΩ、静電容量375μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量38μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例3〕
実施例3のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR14mΩ、静電容量630μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR20mΩ、静電容量48μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例3のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR16mΩ、静電容量360μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR28mΩ、静電容量35μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例4〕
実施例4のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR16mΩ、静電容量585μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量44μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例4のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR18mΩ、静電容量325μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR32mΩ、静電容量33μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例5〕
実施例5のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR10mΩ、静電容量720μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR13mΩ、静電容量54μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例5のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR9mΩ、静電容量400μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR19mΩ、静電容量41μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例6〕
実施例6のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR14mΩ、静電容量630μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR20mΩ、静電容量49μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例6のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR16mΩ、静電容量350μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR27mΩ、静電容量36μF、ショート不良率0.0%であった。
〔実施例7〕
実施例7のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR16mΩ、静電容量585μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量44μF、ショート不良率0.0%であった。
実施例7のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR18mΩ、静電容量325μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR32mΩ、静電容量33μF、ショート不良率0.0%であった。
〔参考例1〕
参考例1のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR17mΩ、静電容量563μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量43μF、ショート不良率0.0%であった。
参考例1のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR21mΩ、静電容量313μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR34mΩ、静電容量31μF、ショート不良率0.0%であった。
〔参考例2〕
参考例2のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR18mΩ、静電容量540μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量42μF、ショート不良率0.0%であった。
参考例2のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR21mΩ、静電容量310μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR35mΩ、静電容量30μF、ショート不良率0.0%であった。
〔参考例3〕
参考例3のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR13mΩ、静電容量650μF、ショート不良率0.1%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR19mΩ、静電容量50μF、ショート不良率0.2%であった。
参考例3のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR15mΩ、静電容量360μF、ショート不良率0.1%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量36μF、ショート不良率0.1%であった。
〔参考例4〕
参考例4のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR14mΩ、静電容量660μF、ショート不良率0.2%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR20mΩ、静電容量51μF、ショート不良率0.1%であった。
参考例4のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR13mΩ、静電容量355μF、ショート不良率0.1%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR26mΩ、静電容量36μF、ショート不良率0.1%であった。
〔比較例1〕
比較例1のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR20mΩ、静電容量500μF、ショート不良率0.3%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR29mΩ、静電容量39μF、ショート不良率0.4%であった。
比較例1のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR22mΩ、静電容量290μF、ショート不良率0.4%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR38mΩ、静電容量28μF、ショート不良率0.3%であった。
〔比較例2〕
比較例2のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR21mΩ、静電容量505μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR28mΩ、静電容量38μF、ショート不良率0.0%であった。
比較例2のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量292μF、ショート不良率0.0%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR37mΩ、静電容量28μF、ショート不良率0.0%であった。
〔比較例3〕
比較例3のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR20mΩ、静電容量500μF、ショート不良率0.5%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR28mΩ、静電容量38μF、ショート不良率0.4%であった。
比較例3のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR22mΩ、静電容量290μF、ショート不良率0.4%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR38mΩ、静電容量28μF、ショート不良率0.5%であった。
〔従来例1〕
従来例1のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR24mΩ、静電容量450μF、ショート不良率0.7%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR33mΩ、静電容量34μF、ショート不良率0.8%であった。
従来例1のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR26mΩ、静電容量250μF、ショート不良率0.8%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR45mΩ、静電容量25μF、ショート不良率0.8%であった。
〔従来例2〕
従来例2のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量495μF、ショート不良率0.8%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR31mΩ、静電容量35μF、ショート不良率0.6%であった。
従来例2のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量275μF、ショート不良率0.8%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR41mΩ、静電容量26μF、ショート不良率0.7%であった。
〔従来例3〕
従来例3のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR23mΩ、静電容量480μF、ショート不良率0.3%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR30mΩ、静電容量36μF、ショート不良率0.3%であった。
従来例3のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量275μF、ショート不良率0.4%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR41mΩ、静電容量25μF、ショート不良率0.3%であった。
〔従来例4〕
従来例4のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR22mΩ、静電容量495μF、ショート不良率0.4%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR31mΩ、静電容量37μF、ショート不良率0.3%であった。
従来例4のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR25mΩ、静電容量280μF、ショート不良率0.3%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR41mΩ、静電容量25μF、ショート不良率0.3%であった。
〔従来例5〕
従来例5のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESR22mΩ、静電容量518μF、ショート不良率0.3%であった。定格電圧50Vの固体電解コンデンサは、ESR30mΩ、静電容量38μF、ショート不良率0.4%であった。
従来例5のセパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR24mΩ、静電容量288μF、ショート不良率0.3%であった。定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサは、ESR40mΩ、静電容量27μF、ショート不良率0.4%であった。
表3は、固体電解コンデンサの性能評価結果を示す。
Figure 2020107682
表4は、ハイブリッド電解コンデンサの性能評価結果を示す。
Figure 2020107682
表3および表4より、実施例1〜7のセパレータを用いた定格電圧6.3Vの固体電解コンデンサは、ESRが9〜16mΩと低く、静電容量が585〜720μFと高く、ショート不良率が0.0%と低いことがわかる。また、同セパレータを用いた定格電圧50Vの固体電解コンデンサも、ESRが13〜23mΩと低く、静電容量が44〜55μFと高く、ショート不良率が0.0%と低いことがわかる。
さらに、同セパレータを用いた定格電圧16Vのハイブリッド電解コンデンサも、ESRが9〜18mΩと低く、静電容量が325〜415μFと高く、ショート不良率が0.0%と低い。さらにまた、同セパレータを用いた定格電圧80Vのハイブリッド電解コンデンサもESRが18〜32mΩと低く、静電容量が33〜41μFと高く、ショート不良率が0.0%と低い。
実施例1〜7のセパレータは、片側表面および反対側表面の液滴消失時間10〜350秒、液滴消失時間の比が1.0〜2.0であった。このことから、本実施の形態のセパレータは、セパレータを構成する繊維同士の間隙を適切に形成できるため、遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を高めることができる。このため、セパレータとして、耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量を向上させることが可能となる。
参考例1のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ESRが若干高く、静電容量が若干低くなっている。これは、参考例1のセパレータの気密度が400秒/100mlと高く、セパレータが過度に緻密であるため、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が低下したことが原因であると考えられる。参考例1と実施例2との比較から、セパレータの気密度は350秒/100ml以下が好ましいとわかる。
参考例2のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ESRが若干高く、静電容量が若干低くなっている。これは、参考例2のセパレータの平均孔径が0.08μmと小さく、セパレータが過度に緻密であるため、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が低下したことが原因であると考えられる。参考例2と実施例1との比較から、セパレータの平均孔径は0.1μm以上が好ましいとわかる。
参考例3のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ショート不良率が若干高くなっている。これは、参考例3のセパレータの平均孔径が18.0μmと大きく、セパレータの緻密性が不足し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなったことが原因であると考えられる。参考例3と実施例4との比較から、セパレータの平均孔径は15.0μm以下が好ましいとわかる。
参考例4のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ショート不良率が若干高くなっている。これは、参考例3のセパレータの気密度5秒/100mlと低く、セパレータの緻密性が不足し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなったことが原因であると考えられる。参考例4と実施例5との比較から、セパレータの気密度は10秒/100ml以上が好ましいとわかる。
比較例1のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ESRが高く、静電容量が低くなっている。これは、比較例1のセパレータの液滴消失時間が7秒と短く、セパレータを構成する繊維同士の間隙が過剰に広く、導電性高分子の重合液や分散液の含浸時に毛細管現象が働きにくくなり、濡れ広がり性が悪化し、含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されなかったことが原因であると考えられる。比較例1と実施例1との比較から、セパレータの液滴消失時間は10秒以上が好ましいとわかる。
さらに、比較例1のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ショート不良率が高くなっている。これは、比較例1のセパレータの平均孔径が17.0μmと大きく、セパレータの緻密性が不足し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなったことが原因であると考えられる。
比較例2のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能
は、各実施例の性能と比較して、ESRが高く、静電容量が低くなっている。これは、比較例2のセパレータの液滴消失時間が400秒と長く、セパレータを構成する繊維同士の間隙が過度に緻密であるため、導電性高分子の重合液や分散液がセパレータに含浸されず、電子伝導経路となる導電性高分子層を形成することができなかったことが原因であると考えられる。比較例2と実施例4との比較から、セパレータの液滴消失時間は350秒以下が好ましいとわかる。
比較例3のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ESRが高く、静電容量が低くなっている。これは、比較例3のセパレータの液滴消失時間の比が3.0と高く、セパレータ表面およびセパレータ内部を構成する繊維同士の間隙が疎らになり、セパレータ全体としての均質性が低く、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されなかったことが原因であると考えられる。比較例3と実施例7の比較から、セパレータの液滴消失時間の比は2.0以下が好ましいとわかる。
さらに、比較例3のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能は、各実施例の性能と比較して、ショート不良率が高くなっている。これは、比較例3のセパレータの気密度が9秒/100ml、引張強さが5.8N/15mmと低く、セパレータの緻密性が不足したことやセパレータの強度不足によって、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなったことが原因であると考えられる。比較例3と実施例3との比較から、セパレータの引張強さは7.0N/15mm以上が好ましいとわかる。
従来例1のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はESRが低く、静電容量が高くなっている。これは、従来例1のセパレータは、セパレータの片側表面の液滴消失時間が1100秒と長いことから、従来例1のセパレータは繊維同士の間隙が過度に緻密であり、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性が悪く、電子伝導経路となる導電性高分子層を形成できないことが考えられる。
また、液滴消失時間の比が18.3と高いため、セパレータ全体としての均質性が低く、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されないことが考えられる。このため、従来例1のセパレータでは、ESRの低減および静電容量を向上できなかった。
さらに、従来例1のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はショート不良率が低くなっている。これは、従来例1のセパレータは、フィブリル化天然セルロース繊維のみでセパレータが構成されているため、セルロース繊維が酸性条件下において徐々に分解されるため、セパレータの機械的強度が低下し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなったと考えられる。
従来例2のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はESRが低く、静電容量が高くなっている。これは、従来例2のセパレータは、液滴消失時間の比が2.7と高いため、セパレータ全体としての均質性が低く、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されないことが考えられる。このため、従来例2のセパレータでは、ESRの低減および静電容量を向上できなかった。
さらに、従来例2のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はショート不良率が低くなっている。これは、従来例2のセパレータは、再生セルロース繊維のみでセパレータが構成されているため、再生セルロース繊維が酸性条件下において徐々に分解されるため、セパレータの機械的強度が低下し、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなったと考えられる。
従来例3のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はESRが低く、静電容量が高くなっている。これは、従来例3のセパレータは、セパレータの片側表面の液滴消失時間が6秒、反対側表面の液滴消失時間が5秒と短いため、繊維同士の間隙が過剰に広く、含浸時に毛細管現象が働きにくくなり、濡れ広がり性が悪化したことで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されなかったと考えられる。このため、従来例3のセパレータでは、ESRの低減および静電容量を向上できなかった。
さらに、従来例3のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサと各実施例の性能を比較すると、各実施例はショート不良率が低くなっている。これは、従来例3のセパレータは、セパレータを構成する繊維として非フィブリル化繊維である合成短繊維が用いられているため、セパレータの緻密性が低く、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなったと考えられる。
従来例4のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はESRが低く、静電容量が高くなっている。これは、従来例4のセパレータは、セパレータの片側表面の液滴消失時間が8秒、反対側表面の液滴消失時間が7秒と短いため、繊維同士の間隙が過剰に広く、含浸時に毛細管現象が働きにくくなり、濡れ広がり性が悪化したことで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されなかったと考えられる。このため、従来例4のセパレータでは、ESRの低減および静電容量を向上できなかった。
さらに、従来例4のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサと各実施例の性能を比較すると、各実施例はショート不良率が低くなっている。これは、従来例4のセパレータは、非フィブリル化繊維である合成短繊維のみでセパレータが構成されているため、セパレータの緻密性が低く、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなったと考えられる。
従来例5のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサの性能と各実施例の性能を比較すると、各実施例はESRが低く、静電容量が高くなっている。これは、従来例5のセパレータは、セパレータの片側表面の液滴消失時間が9秒、反対側表面の液滴消失時間が8秒と短いため、繊維同士の間隙が過剰に広く、含浸時に毛細管現象が働きにくくなり、濡れ広がり性が悪化したことで、導電性高分子の重合液や分散液の含浸ムラが生じ、電子伝導経路となる導電性高分子層が均一に形成されなかったと考えられる。このため、従来例5のセパレータでは、ESRの低減および静電容量を向上できなかった。
さらに、従来例5のセパレータを用いた固体電解コンデンサおよびハイブリッド電解コンデンサと各実施例の性能を比較すると、各実施例はショート不良率が低くなっている。これは、従来例5のセパレータは、長繊維で構成される乾式不織布であり、湿式不織布と比較し、セパレータの地合いが悪いため、電極箔のバリ等がセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなったと考えられる。
実施例1〜4の比較から、セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間は、10〜350秒の範囲が好ましく、より好ましくは10〜250秒の範囲、さらに好ましくは10〜200秒の範囲であることがわかる。
また、実施例5〜7の比較から、液滴消失時間の比は1.0〜2.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5の範囲であることがわかる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、合成繊維を含有したセパレータであって、セパレータの片側表面および反対側表面の液滴消失時間を10〜350秒、液滴消失時間の比を1.0〜2.0に制御することで、セパレータを構成する繊維同士の間隙を適切に形成することができるため、セパレータに高い遮蔽性を維持したまま、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性を高めることができる。本発明のセパレータを用いることによって、高い耐ショート性を維持したまま、ESRの低減および静電容量の向上を実現したアルミニウム電解コンデンサとすることができる。

Claims (8)

  1. 一対の電極の間に介在する、アルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、
    合成繊維を含有し、片側表面および反対側表面の液滴消失時間が10〜350秒、液滴消失時間の比が1.0〜2.0であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  2. 気密度が10〜350秒/100ml、平均孔径が0.1〜15.0μmであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  3. 前記合成繊維は、ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  4. 前記ポリアミド繊維は、フィブリル化ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項3記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  5. 前記合成繊維は、フィブリル化繊維のみからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  6. 前記合成繊維は、フィブリル化ポリアミド繊維を20〜80質量%含有し、かつ、フィブリル化天然セルロース繊維を20〜80質量%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセパレータを用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  8. 陰極材料に導電性高分子を用いたことを特徴とする請求項7記載のアルミニウム電解コンデンサ。
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