JP2020106583A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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裕一 山本
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理人 伊藤
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Motoki Tanaka
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Abstract

【課題】本発明の課題は、染料を使用したカラーフィルタ用着色組成物において、異物が無く、堅牢性(耐熱性・耐光性)に優れ、高明度・高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用着色組成物の提供を可能とすることである。【解決手段】上記課題は、着色剤、金属錯体化合物、及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、およびこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは、輝度やコントラストなどの性能をより高めることが要求されており、カラー液晶表示装置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる透過度の向上、コントラストの高度化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、フォトレジストによるパターン形成の後、パターンを染色する染色法や、予め所定パターンの透明電極を形成しておき、電圧印加により溶媒に溶解・分散された顔料含有樹脂をイオン化させパターン形成する電着法、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂を含むインクを用いてオフセット印刷等する印刷法、フォトレジスト材料に顔料等の着色剤を分散させたカラーレジスト剤を使用する顔料分散法、などが知られており、最近では、顔料分散法が主流になっている。しかし、顔料を着色剤として用いたカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶によって制御された偏光度合いを乱してしまい、その結果、カラー液晶表示装置の輝度やコントラストの低下を招きやすいという問題がある。
この問題を解消する技術として、硬化性組成物の媒体中に溶解した状態で存在し得る染料を着色剤とした染料系の硬化性組成物の実用化が検討、提案されている(例えば、特許文献1参照)。とりわけ赤色着色組成物としては、輝度向上の観点から、キサンテン系染料やメチン系染料が、有望視されている。(特許文献2、3)しかし、カラーフィルタ用途に適用するには、これら染料の堅牢性(耐熱性、耐光性)不足や、有機溶剤への溶解性不良による異物発生という課題があった。
堅牢性不足や異物発生の課題に加え、キサンテン系染料やメチン系染料は蛍光発光特性を示す(例えば特許文献4、5、6参照)ため、コントラスト比が低くなるという問題があった。
すなわちカラーフィルタ用着色組成物にキサンテン系染料・メチン系色素を適用するために、有機溶剤への溶解性向上による異物の抑制、堅牢性の向上、蛍光発光の抑制による高コントラスト化が求められている。
特開2013−067776号公報 特開2013−14750号公報 特開2015−125395号公報 特開2012−194523号公報 特開平6−222059号公報 特開2011−102841号公報
本発明は、染料を使用したカラーフィルタ用着色組成物において、異物が無く、堅牢性(耐熱性・耐光性)に優れ、高明度・高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用着色組成物の提供を可能とすることである。
本発明は、着色剤、金属錯体化合物、及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
一般式(1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12およびR13はそれぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは2価のカチオン性連結基を表し、Yは1価のアニオン性基を表す。
+はカチオン性染料由来のカチオンであり、
はアニオン性化合物由来の、
下記一般式(2a)で表わされるアニオン、
下記一般式(2b)で表わされるアニオン、
下記一般式(2c)で表わされるアニオン、または
下記一般式(2d)で表わされるアニオンを表す。

一般式(2a)において、Rはハロゲン化炭化水素基を示し、Pはリン原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。cは0〜6の整数を示す。

〔一般式(2b)において、Rはハロゲン化炭化水素基、シアノ基、またはニトロ基で置換されたフェニル基もしくはシアノ基で置換されたフェニル基を示し、Bはホウ素原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。dは0〜4の整数を示す。〕

〔一般式(2c)において、RおよびRはそれぞれ独立に、スルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基、シアノ基またはFSO基を示し、RおよびRが共にスルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。ただし、RおよびRの少なくとも一つはハロゲン化炭化水素基またはシアノ基である。〕

〔一般式(2d)において、Rは、窒素原子または酸素原子を有する連結基により連結されていても良いハロゲン化炭化水素基を示す。〕
また、本発明は、前記一般式(1)におけるXが、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される2価の連結基である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(2)

[一般式(2)において、R14およびR15は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
一般式(3)

[一般式(3)において、R16およびR17は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
また、本発明は、前記一般式(1)におけるXが、前記一般式(2)で表される2価の連結基である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)におけるYが、−CO またはSO である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料が、カチオン性基を有するキサンテン系染料もしくはメチン系染料を含む前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記金属錯体化合物が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロムもしくはコバルトを中心金属とする金属錯塩染料である前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記着色剤が、さらに顔料を含む前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および光重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記カラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタに関する。
本発明により、染料の溶剤溶解性の向上、堅牢性(耐熱性、耐光性)の向上、蛍光発光抑制効果により、異物が無く、堅牢性(耐熱性・耐光性)に優れ、高明度・高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作成することで、高明度・高コントラスト比を有するカラーフィルタを形成することが可能となる。
以下、本発明の構成要件について詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、または「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリルおよび/またはメタクリル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、または「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物(以下、着色組成物という場合がある)は、着色剤、金属錯体化合物、バインダー樹脂および有機溶剤を含み、前記着色剤が、少なくとも一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)を含有する染料を含有することを特徴とする。
<着色剤>
本発明における着色剤は、少なくとも一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料である。一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)は、同一分子内にカチオン性部位とアニオン性部位を有する両性イオン構造を有する樹脂のカチオン性部位にアニオン性化合物由来のアニオンZが、アニオン性部位にカチオン性染料由来のカチオンBとが選択的に共造塩した造塩構造を有する。これにより、高い保存安定性、耐熱性、耐光性を有し、かつ溶剤溶解性やアルカリ溶解性(現像性)およびガラス密着性にも優れた効果を発生する。また、着色剤は、有機顔料、染料等のその他着色剤を含んでもよい。
[一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)]
一般式(1)
[一般式(1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12およびR13はそれぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは2価のカチオン性連結基を表し、Yは1価のアニオン性基を表す。
+はカチオン性染料由来のカチオンであり、
はアニオン性化合物由来の、
下記一般式(2a)で表わされるアニオン、
下記一般式(2b)で表わされるアニオン、
下記一般式(2c)で表わされるアニオン、または
下記一般式(2d)で表わされるアニオンを表す。]
〔一般式(2a)において、Rはハロゲン化炭化水素基を示し、Pはリン原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。cは0〜6の整数を示す。〕
〔一般式(2b)において、Rはハロゲン化炭化水素基、シアノ基、またはニトロ基で置換されたフェニル基もしくはシアノ基で置換されたフェニル基を示し、Bはホウ素原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。dは0〜4の整数を示す。〕

〔一般式(2c)において、RおよびRはそれぞれ独立に、スルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基、シアノ基またはFSO基を示し、RおよびRが共にスルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。ただし、RおよびRの少なくとも一つはハロゲン化炭化水素基またはシアノ基である。〕
〔一般式(2d)において、Rは、窒素原子または酸素原子を有する連結基により連結されていても良いハロゲン化炭化水素基を示す。〕
(一般式(1)のR12およびR13:2価の連結基)
一般式(1)のR12およびR13における2価の連結基としては、
2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と炭素原子および水素原子以外の原子を含む連結基とを組み合わせてなる基、または、これらの基の水素原子の一部がハロ基で置換された基等を挙げることができる。なお、ハロ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
このような2価の連結基としては、例えば、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアリーレンアルカンジイル基、または、炭素数1〜10のアルカンジイル基および炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−(Rbは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルカンジイル基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基を挙げることができる。
炭素数6〜10アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基等を挙げることができる。
アリーレンアルカンジイル基とは、アリーレン基とアルカンジイル基とを組み合わせてなる2価の基であり、例えば、フェニレンメチレン基、フェニレンジメチレン基、フェニレントリメチレン基、フェニレンテトラメチレン基、フェニレンペンタメチレン基、フェニレンヘキサメチレン基等のフェニレンC1-6アルカンジイル基を挙げることができる。
また、炭素数1〜10のアルカンジイル基および炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−(Rbは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基および炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−COO−およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基が好ましく、炭素数1〜10のアルカンジイル基および炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基がより好ましい。なお、Rbに係る炭素数1〜8のアルキル基の具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等を挙げることができる。
一般式(1)のR12における2価の連結基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、または、炭素数1〜10のアルカンジイル基および炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基が好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基、または、炭素数1〜8のアルカンジイル基および炭素数6〜10のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と−O−、−COO−、−CONRb−およびSO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基がより好ましく、特に好ましくは、炭素数1〜8のアルカンジイル基と、−COO−またはCONRb−と、を組み合わせてなる基である。
中でも、一般式(1)のR12における2価の連結基としては、−COOCHCH−*、−CONHCHCH−*が最も好ましい。*は、Xとの結合手を表す。
なお、炭素数1〜10のアルカンジイル基または炭素数6〜20のアリーレン基がXに結合することが好ましい。
また、一般式(1)のR13における2価の連結基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、または、炭素数7〜20のアリーレンアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜5のアルカンジイル基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基が更に好ましい。
(一般式(1)のX:カチオン性の2価の連結基)
一般式(1)のXにおけるカチオン性の2価の連結基としては、下記一般式(2)、下記一般式(3)またはP(R201)(R202)−、等で表される基が挙げられる。R201およびR202は、それぞれ独立に1価の有機基を表す。
一般式(2)
[一般式(2)において、R14およびR15は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
一般式(3)
[一般式(3)において、R16およびR17は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
一般式(2)のR14、R15、一般式(3)のR16、R17、R201およびR202における1価の有機基としては、
1価の炭化水素基が挙げられ、このような1価の炭化水素基としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。また、1価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状および分岐状のいずれの形態であってもよく、1価の脂肪族炭化水素基および1価の脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。なお、不飽和炭化水素基の不飽和結合の位置は、分子鎖内および分子鎖末端のいずれでもよく、任意の位置に有することができる。ここで、本明細書において「脂環式炭化水素基」とは、環状構造を有さない脂肪族炭化水素基を除く概念である。また、本明細書において「脂環式炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」とは、環構造のみからなる基だけでなく、当該環構造に更に2価の脂肪族炭化水素基が置換した基をも包含する概念であり、その構造中に少なくとも脂環式炭化水素または芳香族炭化水素を含んでいればよい。また、1価の炭化水素基は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していてもよい。置換基の位置および数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。置換基としては、ハロ基、シアノ基、ホルミル基、ニトロ基、トリアルキルシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基等を挙げることができる。ハロ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜12である。アルキル基の市販品は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルデシル基、ドデシル基、1−メチルウンデシル基、1−エチルデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、tert−ドデシル基、ペンタデシル基、1−ヘプチルオクチル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等を挙げることができる。アルケニル基の市販品は、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−オクテニル基、(4−エテニル)−5−ヘキセニル基、2−デセニル基等を挙げることができる。また、アルキニル基の市販品は、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−エチル-2−ブチニル基、2−オクチニル基、(4−エチニル)−5−ヘキシニル基、2−デシニル基等を挙げることができる。
1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、スピロ炭化水素基、環状テルペン炭化水素基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜20、更に好ましくは3〜12である。シクロアルキル基の市販品は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、シクロアルケニル基の市販品は、例えば、1−シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、縮合多環炭化水素基の市販品は、例えば、トリシクロデカニル基、デカヒドロ−2−ナフチル基、アダマンチル基等が挙げられ、橋かけ環炭化水素基の市販品は、例えば、トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デカン−8−イル基、ペンタシクロペンタデカニル基、イソボニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロペンテニル基等が挙げられる。更に、スピロ炭化水素基としては、例えば、スピロ[3,4]ヘプタン、スピロ[3,4]オクタンから水素原子を1つ除いた1価の基等が挙げられ、環状テルペン炭化水素基としては、例えば、p−メンタン、ツジャン、カラン等から水素原子を1つ除いた1価の基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10である。アリール基の市販品は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニレン基、アズレニル基、9−フルオレニル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基等が挙げられる。
一般式(1)のXにおけるカチオン性の二価の連結基としては、好ましくは、一般式(2)または一般式(3)で表される基であり、より好ましくは一般式(2)で表される基である。また、R14、R15、R16およびR17は、好ましくは1価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜5の1価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基あり、特に好ましくはメチル基である。
(一般式(1)のY:アニオン性の1価の基)
一般式(1)のYにおけるアニオン性の1価の基としては、CO 、SO またはHPO 等が挙げられるが、原料の入手容易性および耐熱性の観点から、CO またはSO が好ましく、SO が特に好ましい。
(一般式(1)のカチオン性染料由来のカチオン(B))
本発明のカチオン性染料由来のカチオンにおけるカチオン性染料としては、上述した重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂とイオン結合するカチオン性染料が好ましく、分子中に少なくとも1つのオニウム塩基、もしくは広義のアミノ基(−NH、−NHR,−NR)を有するものであれば、特に限定はなく、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、本組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して適宜選択することができる。
カチオン性染料における好適なオニウム塩構造は、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、およびホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、およびスルホニウム塩であることがより好ましく、アンモニウム塩がより好ましい。
カチオン性染料としては、例えば、アントラキノン系カチオン性染料、モノアゾ系カチオン性染料、ジスアゾ系カチオン性染料、オキサジン系カチオン性染料、アミノケトン系カチオン性染料、キサンテン系カチオン性染料中でもローダミン系カチオン性染料、キノリン系カチオン性染料、トリアリールメタン系カチオン性染料、ジアリールメタン系カチオン性染料、チアジン系カチオン性染料、アクリジン系カチオン性染料、アジン系カチオン性染料、メチン系カチオン性染料などが挙げられる。これらのカチオン性染料の中でも、好ましくは塩基性染料の態様である。
(塩基性染料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いられる塩基性染料としては、トリアリールメタン系塩基性染料、キサンテン系塩基性染料、フラビン系塩基性染料、オーラミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、フロキシン系塩基性染料、チアジン系塩基性染料、アクリジン系塩基性染料、アジン系塩基性染料、メチン系塩基性染料、メチレンブルー系塩基性染料およびスクアリリウム系塩基性染料等が挙げられる。中でも、キサンテン系塩基性染料およびメチン系塩基性染料が特に好ましい。
またキサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同3、同8(ローダミンG)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)、C.I.ベーシック バイオレット11等が挙げられる。中でもC.I.ベーシック レッド1、同バイオレット10、11を用いることが好ましい。
メチン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、C.I.ベーシック イエロー11、同21、同28、以下一般式(20)記載のメチン系塩基性染料を用いることが好ましい。
一般式(20)
一般式(20)において、Aは置換基もしくは水素原子を有する炭素原子、または硫黄原子を表す。R3〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。R11は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表す。R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、重合性官能基を有する有機基、または置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは、無機または有機のアニオン化合物を表す。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、クオーターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
これらのアリール基は置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アリール基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、エタノイル基、プロパノイル基、イソプロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
本発明で言う重合性官能基を有する有機基は、重合性官能基を含み、全体で炭素原子-水素原子結合を含み、また必要に応じて炭素以外の原子を含んでも良い原子団で構成される基を示す。具体的には、重合性官能基のみからなる場合と、重合性官能基と連結基と含む場合がある。
ここで、重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。
また、連結基としては(シアニン骨格から見て)、アルキレン基(以下、−X−と表す。)、−XO−基、−XNH−基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、−XCONH−基、−XCOO−基、−XOCO−基、−XCOOX−基、−XOCOX−基、−XCOOXCOO−基、−XOCOXCOO−基、などが挙げられる。
一般式(20)のAの炭素原子とR、RとR、RとR、RとR、RとR12、Aの炭素原子とR、RとR、RとR、RとR10、R10とR13はそれぞれ独立に/または同時に脂肪族飽和炭化水素系もしくは芳香族系の環状構造を形成しても良い。
メチン系塩基性染料の具体例としては、下記に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(メチン系塩基性染料1)

(メチン系塩基性染料2)

(メチン系塩基性染料3)
(メチン系塩基性染料4)

(メチン系塩基性染料5)

(メチン系塩基性染料6)

(メチン系塩基性染料7)
(メチン系塩基性染料8)

(メチン系塩基性染料9)

(メチン系塩基性染料10)

(メチン系塩基性染料11)

カチオン性染料の態様としては、前記塩基性染料の態様以外に、油溶性染料の態様で用いることもできる。例えば、C.I.ソルベント レッド49等が好ましいものである。
(一般式(1)のアニオン性化合物由来の、下記一般式(2a)〜(2d)で表わされるアニオン(Z))
一般式(1)のZにおける、アニオン性化合物由来の一般式(2a)〜(2d)で表わされるアニオンについて詳細に説明する。
(一般式(2a)で表わされるアニオン)
一般式(2a)において、Rはハロゲン化炭化水素基を示し、Pはリン原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。cは0〜6の整数を示す。
一般式(2a)のHalとしては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基を挙げることができ、フルオロ基であることが好ましい。
一般式(2a)のRにおけるハロゲン化炭化水素基としては、好ましくはハロゲン原子で置換されたアルキル基またはハロゲン原子で置換されアリール基であり、より好ましくは、フッ化アルキル基またはフッ化アリール基である。さらに好ましくはフッ化アリール基であり、特に好ましくはペンタフルオロフェニル基である。
一般式(2a)で表わされるアニオンの代表例としては、例えば、(CFPF 、(CPF 、(CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF、(n−CPF 、(n−CPF 、(n−CPF 、(C)(CFPF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF、(n−CPF 、(n−CPF 、(CH)(CFPF 、(CPF 、(C)(CFPF 等が挙げられる。中でも、PF 、(CPF 、(CPF 、(n−CFPF 、(n−CPF 、[(CFCF]PF 、[(CFCF]PF 、[(CFCFCFPF 、[(CFCFCFPF が好ましい。
(一般式(2b)で表わされるアニオン)
一般式(2b)において、Rはハロゲン化炭化水素基、シアノ基、またはニトロ基で置換されたフェニル基もしくはシアノ基で置換されたフェニル基を示し、Bはホウ素原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。dは0〜4の整数を示す。
一般式(2b)のHalは、上述の一般式(2a)のHalと同義である。
一般式(2b)のRにおけるハロゲン化炭化水素基は、上述の一般式(2a)のRにおけるハロゲン化炭化水素基と同義である。一般式(2b)のRは、ハロゲン化炭化水素基であることが好ましく、フッ化アルキル基またはフッ化アリール基であることが好ましい。
一般式(2b)で表わされるアニオンの代表例としては、例えば、(CF、CFBF、(CFBF 、(CF)BF 、(C、(CBF、(C)BF 、(CBF 、(CF)(CBF、(C、[(CF、(CF、(CBF 、(C)BF 、(C、B(CN) 、B(CN)F 、B(CN) 、B(CN)、(CFB(CN)、(CFB(CN) 、(CB(CN)、(CB(CN) 、(n−CB(CN)、(n−CB(CN)、(n−CB(CN) 、(n−C13B(CN)、(CHFB(CN)、(CHFB(CN) 、(CHCFB(CN)、(CHCFB(CN) 、(CHB(CN)、(CHB(CN) 、(CHCHB(CN) 、(n−CCHB(CN) 、(CB(CN)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン等が挙げられる。中でも、BF 、B(CN)、(CF、(C、[(CF、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンが好ましい。
(一般式(2c)で表わされるアニオン)
一般式(2c)において、RおよびRはそれぞれ独立に、スルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基、シアノ基またはFSO基を示し、RおよびRが共にスルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。ただし、RおよびRの少なくとも一つはハロゲン化炭化水素基またはシアノ基である。
一般式(2c)のRおよびRにおけるハロゲン化炭化水素基は、上述の一般式(2a)のRにおけるハロゲン化炭化水素基と同義である。また、RおよびRは、脂肪族飽和炭化水素系の環状構造を形成しても良い。スルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基におけるスルホニル基は、NとRまたはNとRの連結基である。RおよびRは、それぞれ独立に、スルホニル基で連結されるハロゲン化炭化水素基が好ましく、より好ましくはフッ化アルキルスルホニル基またはフッ化アリールスルホニル基であり、特に耐熱性に優れたものとなる。
一般式(2c)で表わされるアニオンの代表例としては、例えば、[(FSON]、[(FSO)N(CFSO)]、[(FSO)N(CFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFSO}]、[(FSO)N(CFCFCFSO)]、[(FSO)N(CFCFCFCFSO)]、[(FSO)N{(CFCFCFSO}]、[(FSO)N{CFCF(CF)CFSO}]、[(FSO)N{(CFCSO}]、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFCFCFSON]、(CFCFCFCFSON]、[{(CFCFCFSON]、[{CFCF(CF)CFSON]、[{(CFCSON]、または下記化合物等を挙げることができる。
(一般式(2d)で表わされるアニオン)
一般式(2d)において、R は、窒素原子または酸素原子を有する連結基により連結されていても良いハロゲン化炭化水素基を示す。
一般式(2d)のRにおけるハロゲン化炭化水素基は、上述の一般式(2a)のRにおけるハロゲン化炭化水素基と同義である。ハロゲン化炭化水素基は、−O−、―CO−、−COO−、−CO−NH−等により連結されていても良い。
は、好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはフッ化アルキルスルホニル基またはフッ化アリールスルホニル基であり、特に耐熱性に優れたものとなる。
一般式(2d)で表わされるアニオンの代表例としては、例えば、下記に表すアニオンを挙げることができる。


一般式(1)のZとしては、好ましくは、一般式(2b)または(2c)で表わされるアニオンである。また、好適に用いることができるアニオンの具体例を下記に示す。
式(2a−1):(一般式(2a)で表されるアニオンに該当)
式(2b−1):(一般式(2b)で表されるアニオンに該当)
式(2b−2):(一般式(2b)で表されるアニオンに該当)
式(2c−1):(一般式(2c)で表されるアニオンに該当)

式(2c−2):(一般式(2c)で表されるアニオンに該当)
式(2c−3):(一般式(2c)で表されるアニオンに該当)

式(2d−1):(一般式(2d)で表されるアニオンに該当)
[一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)製造方法]
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)は、公知の合成方法を用いて合成できる。合成方法の一例を以下説明する。
本発明の重合体(A)は、重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂を溶解させた水または水溶性溶媒に溶解させた溶液と、本願の一般式(2a)〜(2d)で表わされるアニオン(Z)を有するアニオン性化合物とを溶解させた水または水溶性溶媒に溶解させた溶液とを、混合攪拌させ、次いで、本願のカチオン(B)を有するカチオン性染料を溶解させた水または水溶性溶媒に溶解させた溶液を滴下し混合攪拌させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、両性イオン樹脂のカチオン性基と本願のアニオン性化合物の特定アニオン(Z)、および、両性イオン樹脂のアニオン性基とカチオン性染料のカチオン(B)が、それぞれイオン結合することで非水溶性となり造塩化合物が析出する。アニオン性化合物およびカチオン性染料は使用する順序が逆でも良く、また使用する両性樹脂、アニオン性化合物、およびカチオン性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
両性イオン樹脂:アニオン性化合物:カチオン性染料 の比率は、両性イオン樹脂中カチオン性基とアニオン性化合物とのモル比が10/1〜1/10の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、5/1〜1/5の範囲であればより好ましく、2/1〜1/2の範囲であればさらに好ましい。また、両性イオン樹脂中アニオン性基とカチオン性化合物とのモル比が10/1〜1/10の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、5/1〜1/5の範囲であればより好ましく、2/1〜1/2の範囲であればさらに好ましい。
(重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂の製造方法)
重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂は、公知の合成方法を用いて合成できる。好ましい製造方法としては、下記方法(i)(ii)が挙げられる。
≪製造方法(i)≫
一般式(1)で表される繰り返し単位の前駆体であるエチレン性不飽和単量体(b1)と、その他エチレン性不飽和単量体(b3)とを公知の重合反応により重合する方法。
≪製造方法(ii)≫
変性種(b4)と反応可能なエチレン性不飽和単量体(b2)と、その他エチレン性不飽和単量体(b3)とを公知の重合反応により得られた中間体ポリマー(a)に、変性種(b4)を反応させる方法。
以下に各製造方法について説明する。
≪製造方法(i)≫
一般式(1)で表される繰り返し単位の前駆体であるエチレン性不飽和単量体(b1)としては下記一般式(4)で表されるモノマーが挙げられる。
(エチレン性不飽和単量体(b1))
一般式(4)
一般式(4)において、R41は、水素原子またはメチル基を表し、R42およびR43は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、下記一般式(5)または一般式(6)で表される基を表し、Yは、CO またはSO を表す。
一般式(5)
一般式(5)において、R51およびR52は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*はR42との結合手を表し、*はR43との結合手を表す。
一般式(6)
一般式(6)において、R61およびR62は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR42との結合手を表し、*はR43との結合手を表す。
一般式(4)のR42およびR43における2価の連結基は、一般式(1)のR12およびR13における2価の連結基と同義である。
一般式(5)のR51およびR52における1価の有機基は、一般式(2)のR14およびR15における1価の有機基と同義である。
一般式(6)のR61およびR62における1価の有機基は、一般式(3)のR16およびR17における1価の有機基と同義である。
一般式(4)で表される化合物としては、例えば以下の(4−1〜4−24)に示す化合物が挙げられる。
中でも化合物(4−1)、(4−2)、(4−9)、(4−10)、(4−11)、(4−12)、(4−17)、(4−18)、(4−21)、(4−22)、(4−23)が好ましく、より好ましくは(4−1)、(4−2)、(4−9)、(4−10)、(4−11)、(4−12)、(4−23)であり、さらに好ましくは(4−9)、(4−10)、(4−11)、(4−12)、(4−23)であり、最も好ましくは(4−9)、(4−10)である。
(その他エチレン性不飽和単量体(b3))
その他エチレン性不飽和単量体(b3)としては、アクリル単量体、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、その他単量体が挙げられる。
アクリル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、およびラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ9アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、およびアダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、および3−メチルオキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環式置換基を有する(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、およびパラクミルフェノキシエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等の芳香族置換基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;並びに、
(メタ)アクリルアミド(なお、「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドを示すものとする。以下同じ。)、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、およびアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプラロラクトン付加アクリル酸、ε−カプラロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびクロトン酸等が挙げられる。
その他単量体は、例えば、スチレン、およびα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、およびイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、酢酸ビニル、およびプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
その他エチレン性不飽和単量体(b3)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
≪製造方法(ii)≫
変性種(b4)と反応可能なエチレン性不飽和単量体(b2)としては、下記一般式(7)で表されるモノマー等が挙げられる。
(エチレン性不飽和単量体(b2))
一般式(7)
一般式(7)において、 R71は、水素原子またはメチル基を表し、R72は、2価の有機基を表す。一般式(7)におけるZは、−N(R73)(R74)、またはP(R75)(R76)、または下記一般式(8)で表される基を表し、 R73〜R76は、それぞれ独立に、1価の有機基を示す。
一般式(8)
[一般式(8)において、R81およびR82は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。]
一般式(7)のR72における2価の有機基は、一般式(1)のR12における2価の連結基と同義である。
一般式(7)のR73〜R76における1価の有機基は、一般式(2)および(3)における1価の有機基と同義である。
一般式(8)のR81およびR82における1価の有機基は、一般式(3)のR16およびR17における1価の有機基と同義である。
一般式(7)で表されるエチレン性不飽和単量体(b2)は、例えば、N ,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレート等の二級または三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;等が挙げられる。これらの中でもN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート)、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレートが好ましく、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレートがより好ましい。
(変性種(b4))
変性種(b4)としては、重合中間体ポリマー(a)の構成モノマーである一般式(7)中のZと反応が可能であり、反応後、一般式(1)の構造を与えるものであれば特に制限はなく、例えば下記一般式(9)で示される化合物、または下記一般式(10)で示される化合物などが挙げられる。
一般式(9)
(化50)
X−(CH−Q
一般式(9)中、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜4の整数を表し、QはCO 、SO またはPO を表す。
一般式(10)
一般式(10)中、R101は炭素またはS=Oを表し、nは2〜6の整数を表す。
一般式(9)で表される化合物としては、例えば、クロロ酢酸、フッ化酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、クロロプロピオン酸、フッ化プロピオン酸、ブロモプロピオン酸、ヨードプロピオン酸、クロロブタン酸、フッ化ブタン酸、ブロモブタン酸、ヨードブタン酸
クロロメタンスルホン酸、フッ化メチルスルホン酸、ブロモメタンスルホン酸、ヨードメタンスルホン酸、クロロプロパンスルホン酸、フッ化プロパンスルホン酸、ブロモプロパンスルホン酸、ヨードプロパンスルホン酸、クロロブタンスルホン酸、フッ化ブタンスルホン酸、ブロモブタンスルホン酸、ヨードブタンスルホン酸クロロメタンホスホン酸、フッ化メチルホスホン酸、ブロモメタンホスホン酸、ヨードメタンホスホン酸、クロロプロパンホスホン酸、フッ化プロパンホスホン酸、ブロモプロパンホスホン酸、ヨードプロパンホスホン酸、クロロブタンホスホン酸、フッ化ブタンホスホン酸、ブロモブタンホスホン酸、ヨードブタンホスホン酸等が挙げられるが、ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロ酢酸が好ましく、中でもクロロ酢酸が特に好ましいものとして挙げられる。
一般式(10)で表される化合物としては、例えば、プロパンスルトン、ブタンスルトン、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトンおよびδ-バレロラクトンε-カプロラクトン等が挙げられる。これらの中でもプロパンスルトン、ブタンスルトンが好ましい。
本発明に使用される重合体(A)の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した質量平均分子量1,000〜500,000が好ましく、3,000〜15,000がより好ましい。
また、本発明に好適な重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の前駆体となる、エチレン性不飽和単量体(b1)に由来する構造単位もしくはエチレン性不飽和単量体(b2)を含む中間体ポリマー(a)に、変性種(b4)を反応させて得られる構造単位の総含有量は、特に制限はないが、重合体(A)に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、5質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。適量含有すると造塩化合物の溶剤溶解性と着色力が向上し、基材に対する密着性や被膜の各種耐久性もより向上する。
本発明に好適な一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂および中間体ポリマー(a)を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、およびリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
<その他着色剤>
本発明の着色組成物には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記造塩化合物以外の着色剤(顔料・染料)を併用できる。
[顔料]
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに顔料を添加し、カラーフィルタ用着色組成物として使用することができる。顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、97、122、123、146、149、150、168、169、176、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、209、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、268、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291等の赤色顔料を用いることができる。また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、51、55、59、61、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、または231等の黄色顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58、62、63等の緑色顔料を用いることができる。また、アルミフタロシアニン顔料を用いることも好ましく、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもできる。また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、または231等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料を用いることができる。また青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。また、アルミフタロシアニン顔料を用いることも好ましく、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもできる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント バイオレット 1、19、C.I.ピグメント レッド 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト
緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
その他着色剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<顔料の微細化>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、コントラストの観点から微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法等が挙げられる。これらの中でも湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5〜90nmが好ましく、10〜70nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散性が向上し、コントラスト比もより向上する。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらに中でも安価な塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部がより好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部が好ましい。
<色素誘導体>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、従来公知の種々の色素誘導体を任意に選択して含有することができる。色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2003−167112号公報、特開2004−091497号公報、特開2004−307854号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用できるがこれらに限定されない。色素誘導体はソルトミリング処理などの顔料化のときに添加しても良いし、分散時に添加しても良い。
<金属錯体化合物>
本発明の着色組成物に含まれる金属錯体化合物は、蛍光消光能を有するものであり、蛍光発光能を有する染料と併用することで、着色組成物のコントラスト比を増大させる効果がある。
本発明において使用する金属錯体化合物は、遷移金属原子による錯体化合物が好ましい。遷移金属イオンを構成する遷移金属としては、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、等が挙げられる。
遷移金属の好ましい例としては、遷移金属が第一系列(即ち第4周期)に属するもの、すなわちスカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)で構成されたものが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)であり、特に好ましいのは、クロム(Cr)、コバルト(Co) である。
(金属錯塩染料)
本発明の着色組成物に含まれる金属錯体化合物として、特に好ましいのが、分子中に金属原子と錯塩化し得る基を含む染料分子と、金属原子とを錯塩化した金属錯塩染料である。中でも、アゾ染料、メチン染料を配位子とし、クロム、コバルトを中心金属とする、金属錯塩染料が好ましい。
また、金属錯塩染料としては、金属原子と染料分子との結合比が1:1である1:1形金属錯塩染料と、該比が1:2である1:2形金属錯塩染料とが挙げられ、1:2形金属錯塩染料が好ましい。
金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー13、19、21、25、25:1、62、79、81、82、83、83:1、88、89、90、151、161、C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99、C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243;C.I.ソルベントバイオレット2、21、21:1、46、49、58、61;C.I.ソルベントブルー137;C.I.ソルベントブラウン28、42、43、44、53、62、63;C.I.アシッドイエロー59、121;C.I.アシッドオレンジ74、162;C.I.アシッドレッド211が挙げられる。これらの中でも、染料の蛍光発光抑制の観点から、C.I.ソルベントイエロー 21、79、81、82、C.I.ソルベントオレンジ 41、54、56、62、99、C.I.ソルベントレッド 8、118、122、127が好ましく、蛍光発光抑制効果と明度の両立を考えると、C.I.ソルベントオレンジ41、56、62、99が特に好ましい。これらの金属錯塩染料は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属錯塩染料のもっとも好ましい形態としては、下記一般式(11)、一般式(12)、一般式(13)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(11)
一般式(11)中、R510〜R527は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR530、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。R528及びR529は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基、−SO2NHR530、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。R530は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。A1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。
*は、Mとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。
一般式(11)中、R510〜R527、R530で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。R510〜R527のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。R528及びR529は、メチル基、または−SO3Hが好ましい。
530で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(11)において、D以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。すなわち、R510〜R518のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR530、−SO3H、及び−SO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、R519〜R527のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR530、−SO3H、及び−SO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、R528及びR529がメチル基または−SO3Hであり、R530が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、A1〜A4のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、MはCrであり、nは1となる組合せが好ましい。
一般式(12)
一般式(12)中、R60〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR641、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。R69は、水素原子、メチル基又はエチル基、−SO2NHR641、−SO3H又は−SO2CH3、ハロゲン基を表す。R641は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。A5及びA6は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM1との結合手を表す。M1は、Cr又はCoを表す。n1は、0〜2の整数を表す。D1は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。
一般式(12)中、R60〜R68、R641で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。R60〜R68のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
641で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(12)において、D1以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。すなわち、R60〜R68のうち1つがニトロ基であり、1つがSO2NHR641、−SO3H、及びSO2CH3、ハロゲン基から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、R69がメチル基であり、R641が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、A5〜A6のうち1つが*−O−、残りが*−O−又は*−O−CO−であり、M1はCr又はCoであり、n1は0又は1となる組合せが好ましい。
一般式(13)
一般式(13)中、 R70は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR77、−CO−OR77、−O−COR77、−CONR7778、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−及び−CO−の少なくとも1つで置き換わっていてもよい。R71は、水素原子、−CN、又は−CONH2を表す。
72は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
一般式(13)中、R73〜R76は、互いに独立に、−R77、−OR77、−CO−OR77、−COR77、−OCO−OR77、−O−COR77、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR7778又は−NR792793を表す。R73及びR74、R74及びR75、並びにR75及びR76は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。R77及びR78は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR79で置換されていてもよい。R79は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。R792及びR793は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R792及びR793は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
一般式(13)中、A7〜A10は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。M2は、Cr又はCoを表す。n2は、1〜5の整数を表す。D2は、ヒドロン、1価の金属カチオンを表す。
一般式(13)中、R70で表される炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状飽和炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、メチルペンチル基、エチルブチル基、メチルヘキシル基、エチルペンチル基、プロピルブチル基、(メチルエチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)プロピル基、メチルヘプチル基、エチルヘキシル基、プロピルペンチル基、(メチルエチル)ペンチル基、ブチルブチル基、(ブチル)(メチル)ブチル基、(ジメチルエチル)(ブチル)ブチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、(エチル)(メチル)プロピル基、ジメチルペンチル基、(エチル)(メチル)ブチル基、ジメチルヘキシル基、(エチル)(メチル)ペンチル基、(プロピル)(メチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)ブチル基、ジエチルブチル基等の分枝鎖状飽和炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
一般式(13)中、R72で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が4以下の直鎖状飽和炭化水素基、炭素数が4以下の分枝鎖状飽和炭化水素基が例示できる。
77、R79、R792及びR793で表される炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。さらには、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−メチルプロペニル基等も挙げられる。
77及びR78における炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。R77、R78及びR79における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
79で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、R70で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。
792及びR793における炭素数2〜8のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基等が挙げられる。
一般式(13)中、R70において、−CH2−が−O−又は−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基としては、例えば、アセチル基、オキソブチル基、オキソペンチル基、オキソヘキシル基等のオキソ基を含有する飽和炭化水素基;
フェナシル基、オキソ(ナフチル)エチル基、オキソ(ヒドロキシフェニル)エチル基、オキソ(ヒドロキシナフチル)エチル基、オキソ(メトキシフェニル)エチル基、オキソ(フェニル)プロピル基、オキソ(ナフチル)プロピル基等の芳香族基で置換されたオキソ基含有飽和炭化水素基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基;並びに
2−[2−(アセチルオキシ)アセトキシ]エチル基、2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、2−[2−(メトキシカルボニル)エチルカルボニルオキシ]エチル基等のアルキル基、アルキレン基、及びエステル結合とで形成される基;
2−ベンゾイルオキシエチル基等のアルキレン基、芳香族環、及びエステル結合とで形成される基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられ、1つの−CH2−が−O−で置き換えられた飽和炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(13)において、D2以外の各基の好ましい組合せは、
70が、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;アルキル基とアルキレン基と2つのエステル結合とで形成される基、アルキレン基と芳香族環と1つのエステル結合とで形成される基のいずれかであり、R71が−CNであり、R72が炭素数1〜4のアルキル基であり、R73〜R76のうち3つが水素原子であるR77であり、残る一つが水素原子であるR77又は−NR792793であり、この−NR792793を構成するR792及びR793のうち一方は水素原子であり、他方は炭素数2〜4のアシル基であり、A11〜A14のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、M2はCrであり、n2は1となる組合せである。
、D1、D2で表される1価の金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。
(一般式(11)で表される金属錯塩染料)
一般式(11)で表される金属錯塩染料としては、C.I.ソルベントレッド130、C.I.ソルベントオレンジ41、C.I.ソルベントオレンジ62等が挙げられる。
(一般式(12)で表される金属錯塩染料)
一般式(12)で表される金属錯塩染料としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ56等が挙げられる。
(一般式(13)で表される金属錯塩染料)
一般式(13)で表される金属錯塩染料としては、式(13−1)〜(13−6)で表されるような化合物が挙げられる。
<バインダー樹脂>
本発明の着色組成物はバインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂は、被膜形成に必要な化合物であり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などが挙げられる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂は、熱硬化性を有することも好ましい。バインダー樹脂は、現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
本発明の着色組成物中のバインダー樹脂の含有量は、着色剤100質量部に対して、20〜400質量部が好ましく、50〜250質量部がより好ましい。適量含有すると被膜形成が容易になり、良好な色特性が得やすい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂である。アルカリ可溶性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、透明性がより向上する酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましく、酸性基を有するアクリル樹脂がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂に光反応性を付与するためエチレン性不飽和活性二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を使用することが好ましい。これにより硬化後の被膜は、耐溶剤性がより向上する。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)〜や(c)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、および3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、または無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
[方法(b)]
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
この方法では、方法(a)に比べ、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体由来の水酸基が多く生成する。本発明の造塩化合物を得る際に使用する、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に、熱架橋性官能基としてオキセタニル基、t−ブチル基が含まれている場合は、バインダー樹脂として方法(b)によって得られる樹脂を使用すると、より高い耐熱性を発現するため、好ましい。
[方法(c)]
方法(c)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、またはシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、および/または(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、またはグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
バインダー樹脂の質量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂を感光性組成物として使用する場合、顔料および造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、および耐熱性の観点から、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全質量を基準(100質量%)として、30質量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500質量%以下の量で用いることが好ましい。
(熱硬化性化合物)
本発明の着色組成物においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含んでもよい。熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物および/または樹脂、オキセタン化合物および/または樹脂、ベンゾグアナミン化合物および/または樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物および/または樹脂、ロジン変性フマル酸化合物および/または樹脂、メラミン化合物および/または樹脂、尿素化合物および/または樹脂、フェノール化合物および/または樹脂、が挙げられる。
<有機溶剤>
有機溶剤は、着色剤の分散を補助し、着色組成物の粘度を適宜調整するために使用する。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール、3−メトキシブタノール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
着色剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の着色膜を形成できることから、着色剤100質量部に対して、500〜4000質量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合性化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100質量部に対して、5〜400質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましい。適量配合すると光硬化性および現像性がより向上する。
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光重合開始剤を含有できる。これによりフォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光硬化が容易になる。光重合開始剤の配合量は、着色剤100質量部に対して、5〜200質量%が好ましく、10〜150質量%がより好ましい。適量配合すると光硬化性および現像性がより向上する。
光重合開始剤は、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、または3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1−(N−4−ベンゾイルフェニル−カルバゾール−3−イル)−ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−アセタート、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
光重合開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤に使用量は、着色剤100質量部に対して、5〜200質量%が好ましく、10〜150質量%がより好ましい。適量使用すると光硬化性および現像性がより向上する。
<増感剤>
本発明の着色組成物は、光重合開始剤と増感剤を併用できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3'または4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
また、大河原信ら編「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられる。
増感剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤の使用量は、光重合開始剤100質量部に対して、3〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。適量使用すると光硬化性、現像性がより向上する。
<アミン系化合物>
本発明の着色組成物は、アミン系化合物を含有できる。アミン系化合物は溶存している酸素を還元できる。
アミン系化合物は、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物は、レベリング剤を含有できる。これにより塗工性がより向上し、被膜の表面平滑性がより向上する。
レべリング剤は、例えば、ジメチルシロキサンに加え、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系(界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの各種界面活性剤が挙げられる。
ジメチルシロキサンは、主鎖にポリエーテル構造および/またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの市販品は、東レ・ダウコーニング社製FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの市販品は、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
カオチン性界面活性剤は、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
レベリング剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
レベリング剤の含有量は、着色組成物100質量%中、0.003〜0.5質量%が好ましい。
<エポキシ化合物>
本発明の着色組成物は、エポキシ化合物を含有できる。
エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品は、例えば、DIC社製エピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775、ダウ・ケミカル社製D.E.N438、日本化薬社製RE−306、三菱ケミカル社製jER152、jER154等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品は、DIC社製エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−680、エピクロンN−695、エピクロンN−665−EXP、エピクロンN−672−EXP、日本化薬社製EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、ユニオンカーバイド社製UVR−6650、住友化学工業社製ESCN−195等が挙げられる。
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品は、日本化薬社製EPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H、ダウ・ケミカル社製TACTIX−742、三菱ケミカル社製jER E1032H60等が挙げられる。
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂の市販品は、DIC社製エピクロンEXA−7200、ダウ・ケミカル社製TACTIX−556等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品は、三菱ケミカル社製jER828、jER1001、ユニオンカーバイド社製UVR−6410、ダウ・ケミカル7社製D.E.R−331、新日化エポキシ製造社製YD−8125等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ユニオンカーバイド社製UVR−6490、新日化エポキシ製造社製YDF−8170等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ樹脂の市販品は、日本化薬社製NC−3000、NC−3000H等のビフェノール型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製jER YX−4000、jER YL−6121等のビキシレノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂の市販品は、DIC社製エピクロンN−880、三菱ケミカル社製jER E157S75等が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂の市販品は、日本化薬社製NC−7000、NC−7300、DIC社製EXA−4750等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂の市販品は、株式会社ダイセル製セイキサイド2021P、2081、2000、エポリードPB3600、PB4700、GT401、EHPE−3150、サイクロマーM100等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂の市販品は、日産化学工業社製TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
エポキシ化合物の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。適量含有すると耐熱性がより向上する。
<オキセタン化合物>
本発明の着色組成物は、オキセタン化合物を含有できる。オキセタン化合物は、オキセタン基を1官能、2官能、および3官能以上の化合物が挙げられる。
オキセタン基が1官能の化合物は、例えば、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、 (3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−メタクリロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。市販品は、大阪有機化学工業社製OXE−10、OXE−30東亞合成社製OXT−101、212等が挙げられる。
オキセタン基が2官能の化合物は、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル−3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−フェノキシメチル)オキセタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。市販品は、宇部興産社製、OXBP、OXTP、東亞合成社製OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
オキセタン基が3官能以上の化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE−30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
オキセタン化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
オキセタン化合物の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。適量含有すると耐熱性がより向上する。
<硬化剤、硬化促進剤>
本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、硬化剤、硬化促進剤を含有できる。
硬化剤は、例えば、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましい。
硬化促進剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
硬化剤、硬化促進剤は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
硬化剤、硬化促進剤の使用量は、それぞれ、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量%が好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明の着色組成物には、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、およびサリシレート系有機化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5〜70質量%が好ましい。光感度と解像性を高度に両立できる。なお、着色組成物が増感剤を含む場合、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含む。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜20質量%が好ましい。光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量が上記より少ない場合、密着性が弱まり画素はがれが発生し、上記より多い場合には、感度が高すぎ解像性が悪くなることがある。
ベンゾトリアゾール系有機化合物は、例えば、2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖および直鎖アルキルエステルの化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールが挙げられる。
市販品は、BASF社製「TINUVIN P」、「TINUVIN PS」、「TINUVIN 109」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 328」、「TINUVIN 329」、「TINUVIN 360」、「TINUVIN 384−2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」、「TINUVIN 99−2」、「TINUVIN 1130」、ADEKA社製「アデカスタブLA−29」、大塚化学社製「RUNA−93」等が挙げられる。
トリアジン系有機化合物は、例えば、2−[4,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン等が挙げられる。
市販品は、ケミプロ化成社製「KEMISORB 102」、BASF社製「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 460」、「TINUVIN 477−DW」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 1577」、ADEKA社製「アデカスタブLA−46」、「アデカスタブLA−F70」、サンケミカル社製「CYASORB UV−1164」等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物は、例えば、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、ケミプロ化成社製「KEMISORB 10」、「KEMISORB 11」、「KEMISORB 11S」、「KEMISORB 12」、「KEMISORB 111」、シプロ化成社製「SEESORB 101」、「SEESORB 107」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」等が挙げられる。
<チオール系連鎖移動剤>
本発明の着色組成物は、チオール系連鎖移動剤を含有できる。チオール系連鎖移動剤を光重合開始剤とともに使用すると、光照射後のラジカル重合過程で、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、光感度が向上する。これにより被膜表面から被膜の深部までの光硬化性がより向上する。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
チオール系連鎖移動剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、1〜10%が好ましく、2〜8%がより好ましい。適量使用すると光感度が向上し、良好な形状の被膜が得られる。
<酸化防止剤>
本発明の着色組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、着色組成物から形成される被膜が、熱硬化等の加熱工程によって酸化し黄変することを抑制し、被膜の透過率を維持できる。特に感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、相対的に架橋成分が少なくなるため、高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取ると熱工程の黄変が強くなるためである。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品はADEKA社製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40,AO50、AO60、AO80、AO320、ケミプロ社製KEMINOX101、179、76、9425、BASF社製IRGANOX1010、1035、1076、1098、1135、1330、1726、1425WL、1520L、245、259、3114、5057、565、サンケミカル社製サイアノックスCY−1790、CY−2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87、LA−402F、LA−502XP、ケミプロ化成社製KAMISTAB29、62、77、29、94、BASF社製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル社製サイアソーブUV−3346、UV−3529、UV−3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブPEP−36、PEP−8、HP−10、アデカスタブ2112、1178、1500、C、3013、TPP、BASF社製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製HostanoxP-EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,2−ビス{〔3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイルビス〔3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブAO−412S、AO−503、ケミプロ化成社製KEMINOXPLSなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等を使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA−29、LA−31RG、LA−32、LA−36、−412S、ケミプロ化成社製KEMISORB71、73、74、79、279、BASF社製TINUVIN PS、99−2、384−2、900、928、1130等が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブ1413、ケミプロ化成社製KEMISORB10、11、11S、12、111、サンケミカル社製UV−12、UV−329等が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
市販品は、ADEKA社製アデカスタブLA−46、F70、ケミプロ化成社製KEMISORB102、BASF社製TINUVIN400、405、460、477、479、サンケミカル社製サイアソーブUV−1164等が挙げられる。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプおよびポリマータイプの化合物等も使用することができる。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、分光特性、および感度が良好であるためより好ましい。
<その他添加剤>
本発明の着色組成物には、その他添加剤として、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有できる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤の使用量は、着色剤100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤の使用量は、着色剤100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料、バインダー樹脂、および有機溶剤を含む混合物を、例えば、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することが好ましい。また、本発明の着色組成物は、複数の着色剤を使用する場合、別々に分散体を作製してから、これら分散剤を混合して製造することもできる。染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散する工程を行わなくてもよい。なお、前記混合物が顔料を含む場合、色素誘導体等の分散助剤を併用することが好ましい。
また、本発明の着色組成物をレジスト材として用いる場合、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することが好ましい。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体および/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、および添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
着色剤を着色組成物中に分散する際、適宜、色素誘導体、分散剤(例えば、樹脂型分散剤)、分散助剤(例えば、界面活性剤)等を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。なお、色素誘導体は、既に説明した通りである。
<分散剤>
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤以外の成分に相溶性のある部位とを有する。樹脂型分散剤は、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
本発明で使用する分散剤としては、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4060、4406、4408、450、451、453、4540、4800、5070、7500、7554、1101、120、150、1502、Efka PU 4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4061、4063、4080、Efka PA 4400、4401、4402、4403、4414、4450、Efka PX 4300、4310、4320、4330、4340、4350、4700、4701、4731、4732、Efka FA4610、4665、4666、Dispex Ultra PA 4501、4503、4550、4560、4580、4590等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が好ましい。
分散剤は単独または2種類以上を併用して使用できる。
分散剤の使用量は、着色剤100質量部に対して、5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。適量使用すると成膜性がより向上する。
<分散助剤>
(界面活性剤)
本発明の着色組成物に使用できる界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
分散助剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
分散助剤の使用量は、着色剤100質量部に対し、0.1〜55質量部が好ましく、0.1〜45質量部がより好ましい。適量使用すると分散性がより向上する。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材、ならびに赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを備えることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを備えることもできる。本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントのうち少なくとも1つが、本発明の着色組成物を使用して形成されることが好ましく、緑色フィルタセグメントを形成することがより好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、印刷法、フォトリソグラフィー法等で作製できるところ、フォトリソグラフィー法が好ましい。
フィルタセグメントの形成は、フォトリソグラフィー法が好ましい。フォトリソグラフィー法は、例えば、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗工方法を使用して、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗工する。前記被膜は、所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスの重合を促進するため、必要に応じて加熱できる。フォトリソグラフィー法は、印刷法と比較して精度の高いフィルタセグメントが形成できる。
現像には、例えば、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液;ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機アルカリが挙げられる。また、現像液は、消泡剤や界面活性剤を使用できる。現像処理方法は、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等が挙げられる。
なお、紫外線への露光感度を高めるため、感光性着色組成物から形成したレジスト被膜上に、水溶性またはアルカリ可溶性樹脂(例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等)を被膜形成できる。これによりレジスト被膜の紫外線硬化を阻害する酸素を防止できる。
基板は、例えば、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板;ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板が挙げられる。また、基板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等で形成された透明電極を備えることが好ましい。また、カラーフィルタが固体撮像素子用途の場合、基板は、シリコンウエハーが好ましい。基板は、用途により透過基板および反射基板がある。
基板の厚みは、0.01〜3mm程度である。
フィルタセグメントの膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましい。塗工に際し、乾燥工程ができる。乾燥装置は、例えば、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等が挙げられる。
基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスは、例えば、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜を形成できる。
本発明のカラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、カラー液晶表示装置が製造される。このカラー液晶表示装置は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー撮像素子、有機EL表示装置、電子ペーパー等の製造に使用することもできる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」は、「質量部」、および「%」は「質量%」を意味する。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(バインダー樹脂および分散剤の質量平均分子量)
樹脂の質量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)である。
(バインダー樹脂および分散剤の酸価)
樹脂酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
(重合体Aおよび中間体ポリマー(a)の分子量)
重合体Aの数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)は、装置としてHLC−8320GPC(東ソー社製)を用い、カラムとして SUPER−AW3000を使用し、溶離液として30mMトリエチルアミンおよび10mM LiBrのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および質量平均分子量(Mw)である。
(重合体Aおよび中間ポリマー(a)のアミン価)
塩基性樹脂型分散剤のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
<バインダー樹脂溶液の製造>
(バインダー樹脂溶液1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にメトキシプロピルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、質量平均分子量26,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を調製した。
(バインダー樹脂溶液2)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにメトキシプロピルアセテート370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気で置換し、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部およびハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け不揮発分酸価0.5となったところで反応を終了し、共重合体溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させ樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液2を調製した。質量平均分子量(Mw)は19,000であった。
<微細化顔料の製造>
(赤色微細化顔料(PR254−1))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド254(BASFジャパン社製「IRGAZINRED2030」)200部、粉砕した食塩1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水8000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して食塩および溶剤を除いた後、85℃で24時間乾燥し、190部の赤色微細化顔料(PR254−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(微細化緑色顔料(PG58−1)の製造)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は25.6nmであった。
(黄色微細化顔料(PY138−1))
黄色顔料C.I.ピグメントイエロー138を200部、粉砕した食塩1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混合物を温水8000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、190部の黄色微細化顔料(PY138−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は27.1nmであった。
(青色微細化顔料(PB15:6−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(PB15:6−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色微細化顔料(PV23−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(PV23−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製Efka PX 4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1として使用した。
<顔料分散体の製造方法>
(PR254・顔料分散体(GP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(GP−1)を作製した。
微細化PR254顔料(PR254−1) :11.0部
バインダー樹脂溶液1 :17.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :66.5部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(PG58・顔料分散体(GP−2))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPG58−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPG58・顔料分散体(GP−2)を作製した。
(PY138・顔料分散体(GP−3))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPY138−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPY138・顔料分散体(GP−3)を作製した。
(PB15:6・顔料分散体(GP−4))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPB15:6−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPB15:6・顔料分散体(GP−4)を作製した。
(PV23・顔料分散体(GP−5))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPV23−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPV23・顔料分散体(GP−5)を作製した。
<重合体(A)の前駆体である両性イオン樹脂の製造>
(重合体J−1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にイソプロピルアルコール100部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、イソプロピルアルコール50部、N ,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート15部、メタクリル酸メチル40部、t−ブチルアクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、メタクリル酸5部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル6.0部の混合溶液を2時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、ポリマー中間体(j−1)の溶液を得た。続いて1,3−プロパンスルトン11.7部を上記容器内に投入し、80℃で6時間反応を続け不揮発分アミン価が消失したところで反応を終了した。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるようにイソプロピルアルコールを添加して、側鎖に両性イオンを有する重合体(J−1)溶液を調製した。
(重合体J−2〜J−8の調製)
表1に記載した原料に変更した以外は重合体(J−1)と同様にして、側鎖に両性イオンを有する重合体(J−2)−(J−8)溶液を得た。
以下に、表1中の略称を示す。
DMAEMA:メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル
DEAEMA:メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル
DMAPMA:メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)プロピル
LA82:メタクリル酸1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル
MMA:メタクリル酸メチル
t−BA:アクリル酸t−ブチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
MAA:メタクリル酸
OXMA:(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート
MOI−BM:メタクリル酸 2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル
<側鎖にアニオン性基のみを有する重合体の製造>
(重合体JH−Aの調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にイソプロピルアルコール100部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、イソプロピルアルコール50部、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸15部、メタクリル酸メチル40部、t−ブチルアクリレート30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、メタクリル酸5部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル6.0部の混合溶液を2時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、質量平均分子量7000の比較重合体(JH−2)の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が30%になるように酢酸プロピルを添加して、側鎖にアニオン性基のみを有する比較重合体(JH−A)溶液を調製した。
以下に、表2中の略称を示す。
ATBS:アクリルアミドt−ブチルスルホン酸
MMA:メタクリル酸メチル
t−BA:t−アクリル酸ブチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
<重合体(A)を含有する染料の製造>
(重合体(A−1)を含有する染料)
側鎖に両性イオンを有する重合体(J−1)溶液39.0部に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム:2.80部(アニオン換算、前述の式(2c−1)で表される構造)を添加し、メタノール117.0部を加え室温攪拌しこれを溶かした。ここに水780.0部を室温攪拌しながら60分掛けて滴下し、滴下終了後さらに60分室温攪拌した。次いでC.I.ベーシックバイオレット10を4.44部(カチオン換算、下記式(B−1)で表される構造)を水222.0部に溶解し、これを上記反応液に室温攪拌しながら60分掛けて滴下し、滴下終了後さらに60分室温攪拌した。反応液をろ紙に滴下して、にじみがなくなったところを終点として、共造塩化合物が得られたものと判断した。その後、吸引濾過を行い、水洗後、ろ紙上に残った共造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、側鎖に両性イオンを有する重合体(J−1)と、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよびベーシックバイオレット10との共造塩化合物である重合体(A−1)を含有する染料を得た。
(重合体(A−2)〜(A−21)を含有する染料)
以下、側鎖に両性イオンを有する重合体(J)、カチオン性染料(B)、および、アニオン性化合物(Z)を表3−1、表3−2に示すものに変更した以外はA−1と同様にして、側鎖に両性イオンを有する重合体(J)と、カチオン性染料(B)およびアニオン性化合物(Z)との共造塩化合物である重合体(A−2)〜重合体(A−21)を含有する染料を製造した。
以下に、表3−1、表3−2中のカチオン性染料を以下に示す。



<アニオン性重合体とカチオン性染料(B)との造塩化合物の製造>
(造塩化合物(AHA−1))
重合体(JH−A)溶液46部に水920部を添加し、60分室温攪拌を行った。次いでC.I.ベーシックバイオレット10:4.44部(カチオン換算、式(B−1)で表される構造)を水222部に溶解し、これを上記反応液に室温攪拌しながら60分掛けて滴下し、滴下終了後さらに60分室温攪拌した。ろ紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。その後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、重合体JH−Aと、C.I.ベーシックバイオレット10との単独造塩物AHA−1を得た。
(造塩化合物(AHA−2))
以下、カチオン性染料(B)を表4に示すものに変更した以外はAHA−1と同様にして、カチオン性染料(B)単独の造塩化合物AHA−2を作製した。

<染料溶液の製造方法>
[実施例1]
(染料溶液・SY−1の製造)
下記に従って、各種材料を混合した後、1時間超音波照射を行うことで、染料溶液SY−1を得た。
重合体(A−1)を含有する染料 : 3.8部
金属錯体化合物・ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)Co(II)水和物
(東京化成社製) : 0.2部
バインダー樹脂溶液1 :30.0部
シクロヘキサノン :16.0部
[実施例2〜43、比較例1〜3]
(染料溶液 SY−2〜46の製造)
染料溶液(SY−1)の製造における、重合体(A−1)を含有する染料、金属錯体化合物を表5に記載した材料へ変更した以外は、染料溶液(SY−1)の場合と同様の方法で、染料溶液 SY−2〜46 を得た。
以下に、表5中の略称を示す。
S.O.41 : C.I.ソルベントオレンジ41
S.O.54 : C.I.ソルベントオレンジ54
S.O.56 : C.I.ソルベントオレンジ56
S.O.62 : C.I.ソルベントオレンジ62
S.O.99 : C.I.ソルベントオレンジ99
S.R.8 : C.I.ソルベントレッド8
S.R.91 : C.I.ソルベントレッド91
S.R.118 : C.I.ソルベントレッド118
S.R.122 : C.I.ソルベントレッド122
S.R.127 : C.I.ソルベントレッド127
S.Y.21 : C.I.ソルベントイエロー21
S.Y.62 : C.I.ソルベントイエロー62
S.Y.79 : C.I.ソルベントイエロー79
S.Y.81 : C.I.ソルベントイエロー81
S.Y.82 : C.I.ソルベントイエロー82
S.Y.83 : C.I.ソルベントイエロー83
S.Y.83:1 : C.I.ソルベントイエロー83:1
<染料溶液の評価>
得られた染料溶液(SY−1〜46)を用いて、塗膜のコントラスト比(CR)、耐熱性、塗膜上異物の評価を下記方法で行った。表6に評価結果を示す。
(塗膜のコントラスト比(CR)評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。

(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)

従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
染料溶液(SY−1〜46)をそれぞれ、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、膜厚が1.5μmとなるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:9000以上
○:6000以上〜9000未満
△:3000以上〜6000未満
×:3000未満
(耐熱性評価)
染料溶液(SY−1〜46)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、得られた塗膜の膜厚が1.5μmとなるよう調整した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として220℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準に従って判定した。
ΔEab* = √((L*(2)−L*(1))2+(a*(2)−a*(1))2+(b*(2)−b*(1))2)
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(異物評価)
異物発生の評価は、透明基板上に乾燥塗膜が約1.5μmとなるように染料溶液(SY−1〜46)を塗布し、オーブンで70℃20分間加熱、放冷することで得た塗膜基板の塗膜中の異物の数を計測した。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を計測した。
◎:異物の数が3個未満:極めて良好
○:異物の数が3個以上、20個未満:良好
△:異物の数が21個以上、100個未満:実用可能
×:異物の数が100個以上:不良
表6に示すように、本発明の染料を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、いずれも耐熱性に優れかつ高コントラスト比であった。本発明の染料溶液と金属錯体化合物と組み合わせることで高コントラスト化と耐熱性付与を実現している。また、塗膜上の異物も少ないことから、溶剤への溶解性が高い点も立証されている。一方、比較例1は、金属錯体化合物が含まれていないため、蛍光消光効果がなく、コントラスト比が低い。また、比較例2、3では重合体造塩化合物として、アニオン性化合物(Z)を有していないため、耐熱性が劣っていて、異物も発生する結果となっている。
<感光性着色組成物の製造>
[実施例44]
(赤色感光性着色組成物(RR−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−1)を得た。
(染料溶液/顔料分散体) (計62.5部)
PR254・顔料分散体(GP−1) :42.5部
染料溶液(SY−7) :20.0部
バインダー樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例45〜60、比較例4〜6]
(赤色感光性着色組成物(RR−2〜20))
染料溶液を、表7に示す種類に変更した以外は、赤色感光性着色組成物(RR−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(RR−2〜20)を得た。各感光性着色組成物においては、染料溶液と顔料分散体の合計の62.5部の内訳を、それぞれの着色組成物の評価用の塗膜基板がC光源においてx=0.658、y=0.325になるように、比率を調整し、赤色感光性着色組成物100部を調製した。
<感光性着色組成物の評価>
得られた赤色感光性着色組成物(RR−1〜20)を用いて、作製した赤色塗膜の明度の評価を下記方法で行った。表7に評価結果を示す。
(明度評価)
感光性着色組成物(RR−1〜20)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.658、y=0.325になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
◎ ・・・ 19.2以上
○ ・・・ 19.0以上19.2未満
△ ・・・ 18.8以上19.0未満
× ・・・ 18.8未満
(コントラスト比評価)
感光性着色組成物(RR−1〜20)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源においてx=0.658、y=0.325になるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:16000以上
○:14000以上〜16000未満
△:12000以上〜14000未満
×:12000未満
(耐光性評価)
感光性着色組成物(RR−1〜20)をそれぞれ、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃ で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、膜厚が1.5μmとなるよう調整した。その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「C OLORED OPTICAL GLASSL38 」)を貼り、470W/m2 のキセノンランプを用いて紫外光を150時間照射した前後の色を測定し、耐熱性評価のときと同様の方法で、色差ΔEab*を算出した。判断基準は、耐熱性評価の時と同様である。
表7に示すように、本発明の染料を使用したカラーフィルタ用着色組成物は、感光性着色組成物においても、高明度・高コントラスト比を達成することができた。また、耐光性にも優れた結果であった。一方、比較例4は金属錯体化合物が含まれていないため、蛍光消光効果がなく、コントラスト比が低い。また、比較例5、6は重合体造塩化合物中にアニオン性化合物(Z)が含まれていないため、明度と耐光性が劣る結果となっている。
<カラーフィルタの作製>
(緑色感光性着色組成物(RG−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
PG58・顔料分散体(GP−2) : 32.0部
PY138・顔料分散体(GP−3) : 18.0部
バインダー樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物(RB−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
PB15:6・顔料分散体(GP−4) :45.0部
PV23・顔料分散体(GP−5) : 5.0部
バインダー樹脂溶液2 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.3部
シクロヘキサノン :39.0部
本発明の赤色感光性着色組成物(RR−1)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色感光性着色組成物(RG−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(RB−1)を使用して赤色着色画素層と同様にして青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
本発明の赤色着色組成物を使用したカラーフィルタは明度が高く、コントラスト比も優れた結果であり、本発明の効果が立証された。





Claims (9)

  1. 着色剤、金属錯体化合物、及びバインダー樹脂を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)

    [一般式(1)において、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12およびR13はそれぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは2価のカチオン性連結基を表し、Yは1価のアニオン性基を表す。
    +はカチオン性染料由来のカチオンであり、
    はアニオン性化合物由来の、
    下記一般式(2a)で表わされるアニオン、
    下記一般式(2b)で表わされるアニオン、
    下記一般式(2c)で表わされるアニオン、または
    下記一般式(2d)で表わされるアニオンを表す。]


    〔一般式(2a)において、Rはハロゲン化炭化水素基を示し、Pはリン原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。cは0〜6の整数を示す。〕


    〔一般式(2b)において、Rはハロゲン化炭化水素基、シアノ基、またはニトロ基で置換されたフェニル基もしくはシアノ基で置換されたフェニル基を示し、Bはホウ素原子を示し、Halはハロ基を示し、R、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。dは0〜4の整数を示す。〕


    〔一般式(2c)において、RおよびRはそれぞれ独立に、スルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基、シアノ基またはFSO基を示し、RおよびRが共にスルホニル基で連結されていても良いハロゲン化炭化水素基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。ただし、RおよびRの少なくとも一つはハロゲン化炭化水素基またはシアノ基である。〕


    〔一般式(2d)において、Rは、窒素原子または酸素原子を有する連結基により連結されていても良いハロゲン化炭化水素基を示す。〕
  2. 前記一般式(1)におけるXが、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される2価の連結基である請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(2)

    [一般式(2)において、R14およびR15は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
    はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]

    一般式(3)


    [一般式(3)において、R16およびR17は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
    はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
  3. 前記一般式(1)におけるXが、前記一般式(2)で表される2価の連結基である請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 前記一般式(1)におけるYが、−CO またはSO である請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)を含有する染料が、カチオン性基を有するキサンテン系染料もしくはメチン系染料を含む請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 前記金属錯体化合物が、アゾ染料もしくはメチン染料を配位子とし、クロムもしくはコバルトを中心金属とする金属錯塩染料である請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 前記着色剤が、さらに顔料を含む請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. さらに光重合性単量体および光重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。

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