JP2019128540A - カラーフィルタ用感光性着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、顔料濃度が高くてもパターン形状がオーバーハングとならず、現像時間による線幅の変化が小さく、薬品耐性が良好なカラーフィルタ用感光性着色組成物、及びそれを用いて形成されたカラーフィルタを提供することにある。【解決手段】上記課題は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性単量体(C)、及び光重合開始剤(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下であるカラーフィルタ用感光性着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性着色組成物、並びにこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間に液晶物質と画素を介在させ、画素ごとに電圧を印加して液晶物質の配向状態を変化させ、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを変化させ、2枚目の偏光板を通過する透過光を制御して画面表示する表示装置である。
この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになった。そして近年、カラー液晶表示装置の高画質、低消費電力が求められておりカラーフィルタに対しても高画質、低消費電力を達成する設計が求められている。
カラーフィルタは、ガラス板などの透明な基板に透過光の混色を防ぎ、表示コントラストを高める目的で格子状の遮光膜ブラックマトリクス(以下BM)を設け、次に画素ごとに複数色(通常 赤、緑、青)のフィルタセグメントが設けられている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、フィルタセグメントの配列には、2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状に配置したもの(ストライプ配列)、あるいは縦横一定の配列で配置したもの(デルタ配列)がある。フィルタセグメント及びBMは、着色組成物を塗布し一般に200℃以上、好ましくは230℃の高温で加熱焼成される。さらに、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、その上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色材とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法の場合、感光性樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物(顔料レジスト)をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
近年、カラー液晶表示装置は、様々な用途で広く普及しておりさらなる高輝度、高コントラスト、またデジタルシネマ(DCI)規格やAdobe規格といった高色域の要望が高まっている。
カラーフィルタの高色域化のためには、着色組成物中の顔料の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、顔料の含有量を多くする方法及び膜厚を厚くする方法ともに、膜底部まで露光されず、テーパー部の直線性悪化や矩形化されずに逆テーパー(オーバーハング)形状になるといったパターン形状不良の問題が発生する。
このような問題を解決方法として、一つはカラーフィルタ用着色組成物の高感度化が必要であり、特許文献1に記載される光重合性単量体や光重合開始剤、連鎖移動剤の選択あるいは増量が挙げられる。また、パターン形状の矩形化のために体質顔料を用いる方法もある。(特許文献2)
一方カラーフィルタの製造工程上、現像時間を変えても線幅が変化しない着色組成物の要望が強くなっている。さらに、配向膜の形成プロセスにおいてN−メチルピロリドン(NMP)などに対する薬品耐性が求められるが、上記課題との両立は困難であった。
特開2002−167404号公報 特開2015−125235号公報
本発明は以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、顔料濃度が高くてもパターン形状がオーバーハングとならず、現像時間による線幅の変化が小さく、さらに薬品耐性が良好なカラーフィルタ用感光性着色組成物、及びそれを用いて形成されたカラーフィルタを提供することにある。
本発明者は、前記諸問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下とすることで顔料濃度が高くてもパターン形状がオーバーハングとならず、現像時間による線幅の変化が小さく、さらに薬品耐性が良好であることを見出した。本願発明は以下の通りである。
<1>着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性単量体(C)、及び光重合開始剤(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下であるカラーフィルタ用感光性着色組成物。
<2>着色剤(A)が赤色顔料を含有する上記のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
<3>着色剤(A)が、さらに、C.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー185からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記カラーフィルタ用感光性着色組成物。
<4>光重合開始剤(D)がオキシムエステル系化合物(D1)を含有する上記カラーフィルタ用感光性着色組成物。
<5>光重合性単量体(C)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを含有する上記カラーフィルタ用感光性着色組成物。
<6>基材上に、上記カラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
本発明の感光性着色組成物は、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、かつ膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下であることで、塗膜表面は固まるが、基材界面の過剰硬化は発生せず、顔料濃度が高くてもパターン形状がオーバーハングとならず、現像時間による線幅の変化が小さく、さらに薬品耐性に優れるという格別な効果を奏するものである。これにより、高色域のカラーフィルタを精度よく製造できる。よって、本発明は、カラー液晶表示装置、カラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタの製造における作業性、生産性を向上させるため、技術的価値の非常に高いものである。
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性単量体(C)、光重合開始剤(D)を含有し、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下であることを特徴とする。
以下に、本発明の感光性着色組成物の各構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物>
<着色剤(A)>
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)を含有する。本発明の感光性着色組成物は赤色顔料及び黄色顔料を含む場合に特に有効である。
本発明で使用することができる顔料は、赤色顔料としては例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、221、224、226、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、公開2014-112527に記載のアゾ顔料、公開2013-161026号公報に記載のアゾ顔料、又は特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらのなかでも、高い透過率の点で、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177が好ましく、より好ましくはC.I.ピグメントレッド177である。また、その他併用する赤色顔料で好ましいものは、公開2014-112527に記載のナフトールアゾ顔料、アントラキノン系、キノフタロン系、イソインドリン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系、C.I.ピグメントレッド254以外のジケトピロロピロール系の顔料である。
黄色顔料では例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、特開2012‐226110号公報に記載されているキノフタロン化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの中でも、カラーフィルタの色域を再現する上で、C.I.ピグメント イエロー138、139、150、185、特開2012‐226110号公報に記載されているキノフタロン化合物が好ましく、特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー185からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明では所望される色相により赤色顔料、黄色顔料以外の顔料を使用することができる。
橙色顔料では例えばC.I.ピグメント オレンジ36、38、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。これらの中でも、カラーフィルターの色域を再現する上で、C.I.ピグメント オレンジ71が好ましい。
緑色顔料では、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58、59、62、63を挙げることができ、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、特開2004−333817号公報、特開2012−247588号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることができる。これらの中でも、明度及び着色力の観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63である。
青色顔料では、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができる。
紫色顔料では例えば、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができる。
黒色顔料では例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的には C.I. ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。
また、無機顔料としては、酸化ケイ素、酸化ジルコニア、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物は着色剤(A)として、染料を用いることもできる。染料としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、又はこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた着色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、又は酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
<顔料の微細化>
本発明の感光性着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<色素誘導体>
本発明に用いる感光性着色組成物には、必要に応じて色素誘導体を添加することができる。
本発明に用いる色素誘導体としては、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001−220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017−156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007−226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平10−265697号公報、特開2007−079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48−54128号公報、特開平03−9961号公報、特開2000−273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011−162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007−314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61−246261号公報、特開平11−199796号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2004−217842号公報、特開2007−314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009−57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012−208329号公報、特開2014−5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報、酸性置換基としては、特開2004−307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002−201377号公報、特開2003−171594号公報、特開2005−181383号公報、特開2005−213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
これら色素誘導体は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
より具体的には、以下の色素誘導体が好ましい。
[ジケトピロロピロール系色素誘導体]
Figure 2019128540
[フタロシアニン系色素誘導体]
Figure 2019128540
[アントラキノン系色素誘導体]
Figure 2019128540
[キナクリドン系色素誘導体]
Figure 2019128540
[ジオキサジン系色素誘導体]
Figure 2019128540
[チアジンインジゴ系色素誘導体]
Figure 2019128540
[トリアジン系色素誘導体]
Figure 2019128540
[ベンゾイソインドール系色素誘導体]
Figure 2019128540
[キノフタロン系色素誘導体]
Figure 2019128540
Figure 2019128540
[ナフトール系色素誘導体]
Figure 2019128540
[アゾ系色素誘導体]
Figure 2019128540
一般式(101)〜(112)、(114)〜(128)、(130)〜(133)中、
101〜R117、R129、R130、R141〜R145はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、ハロゲン基、一般式(150)〜(155)、(158)、又は(159)で表される基である。m及びnはそれぞれ独立に、正の整数を表す。但し、1分子中に複数の置換基を有する場合、1つ以上は水素原子以外の置換基である。また、1分子中に置換基が1つのみの場合は、水素原子以外の置換基である。
一般式(113)中、R118は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SO2177、又は−NR178179である。ただし、R177は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、又はハロゲン原子であり、R178及びR179は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、又はR178とR179とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
119は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアシル基を表す。
120、R121、R123〜R128は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、又はNR180181である。ただし、R180及びR181は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又はR180とR181とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
122は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、又は一般式(150)〜(155)で表される基を表す。
一般式(129)中、R131〜R140は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシル基又は一般式(150)、(153)若しくは(159)で表される基を表す。R131〜R140の隣接する基は、−NHCONH−基によって結合してベンズイミダゾロン環を形成しても良い。R131〜R140のうち少なくとも1つは、一般式(150)、(153)又は(159)で表される基である。
Figure 2019128540
一般式(150)〜(155)中、
1は、直接結合、−SO2 −、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CONHC64CO−、又は−CONHC64−を表す。
1は、直接結合、−NR170SO2−、−SO2NR170−、−CONR170−、− NR170CO−、又は−CH2NR170COCH2NR170−を表す。
2は、直接結合、置換基を有してもよいアリーレン基、又は置換基を有してもよい複素芳香環を表し、これらの基は、−NR170− 、−O−、−SO2−又はCO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。
3は、直接結合、−NR170− 又は−O−を表す。
oは、0〜20の整数を表す。
1は、水素原子、銅原子、亜鉛原子、マンガン原子、ニッケル原子、コバルト原子、鉄原子を表す。
2は、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子又はアルミニウム原子を表す。
iは、M2の価数を表す。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はR150とR151 とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む置換基を有してもよい複素環を表す。
152〜R156、R159〜R162は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。
157及びR158は、それぞれ独立に、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH2o−R171、−OR172 、−NR173174 、−Cl、−F又はY3−Y2−Y1−Qを表し、R157及びR158のいずれか一方は、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH2o−R171、−OR172 、又はNR173174である。
170は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表す。
171は、置換基を有してもよい複素環残基を表し、R172〜R174はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Qは有機色素残基を表す。
Figure 2019128540
一般式(156)中、Z1は直接結合、−NR170−、−CONH−又は−O−を表し、Z2は、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、これらの基は、−NR170−、−O−、−SO2−又はCO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。ただし、R170は、一般式(150)〜(155)におけるR170と同義である。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、又はR150とR151 とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む置換基を有してもよい複素環を表す。
Figure 2019128540
一般式(157)中、Z3は、トリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR175−、−NR175−Z4−CO−、−NR175−Z4−CONR176− 、−NR175−Z4−SO2−、−NR175−Z4− SO2NR176−、−O−Z4−CO−、−O−Z4−CONR175−、−O−Z4−SO2−、又はO−Z4−SO2NR175−を表し、R175及びR176は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Z4は、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
152〜R156は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。
Figure 2019128540
Figure 2019128540
一般式(159)中、X2は、−SO2−、−CO−、−NH−、−SO2NH−、−NHSO2−、−CONH−又は−NHCO−を表し、R163〜R167は、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基又は一般式(150)〜(155)で表される基である。
置換基を有してもよいアルキル基は、アルキル基としては炭素数1から20の直鎖アルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基は、アルキル基としては炭素数が1から3のアルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいアシル基は、アルキル基としては炭素数が1から10のアシル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいアルコキシ基は、アルキル基としては炭素数が1から5の直鎖アルコキシ基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいアルケニル基又はアルケニレン基は、有してもよい置換基としては水素、炭素数1から10の直鎖アルキル基が好ましい。
置換基を有してもよいフェニル基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよいアリーレン基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよい複素環は、複素環としてはアザシクロブタン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピランが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよい複素芳香環は、複素芳香環としてはピロール、ピリジン、フラン、チオフェンが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
顔料に色素誘導体を添加し二本ロール、三本ロール、ビーズを用いた湿式分散などの分散処理を行うことで、色素誘導体が顔料表面に吸着し顔料表面が極性を持ち樹脂型分散剤の吸着が促進され、顔料、色素誘導体、樹脂型分散剤、溶媒、その他添加剤との相溶性が向上し、着色組成物や着色硬化性組成物とした時の分散安定性や経時粘度安定性が向上する。また、相溶性が向上することで着色硬化性組成物をガラス基板等に塗工した際の塗膜経時安定性に優れ、着色硬化性組成物の塗布から露光までの待ち時間(PCD:Post Coating Delay)や露光から熱処理までの待ち時間(PED:Post Exposure Delay)に対するパターン形状などの安定性・特性依存性や、線幅感度安定性が良好となる。さらに現像時間ばらつきや現像残渣も抑制される。
<樹脂型分散剤>
本発明の感光性着色組成物は、顔料を安定に分散させるために樹脂型分散剤を含んで もよい。
樹脂型分散剤とは、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤としては、公知の樹脂型分散剤を用いることができる。
樹脂型分散剤の好ましい例としては、少なくとも1つの末端に水酸基を有する重合体と
トリカルボン酸無水物又はテトラカルボン酸二無水物との反応生成物である樹脂型分散 剤(S1)又は(S2)が挙げられる。
(S1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤。
(S2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
[樹脂型分散剤(S1)]
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報等の公知の方法で製造することができる。水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましく、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体として得ることができる。水酸基を有する化合物(q)としては、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物であることが好ましい。末端の水酸基は複数であることが好ましいため、中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)が好適に用いられる。
すなわち、より好ましい一例である、片末端に2つの水酸基を有する重合体は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体(p1)として得ることができる。水酸基を有する重合体(p)の水酸基は、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基と反応してエステル結合を形成する一方、無水環は開環し、カルボン酸を生じる。
[樹脂型分散剤(S2)]
樹脂型分散剤(S2)は、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報等の公知の方法で製造することができ、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体であることが好ましい。
(S1)と(S2)は、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
<その他の分散剤>
上記以外の樹脂型分散剤として以下のものを含有してもよい。
具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また上記の他にも、その他の分散剤としては、塩基性官能基を有する高分子分散剤、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などを含むことができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164又はAnti−Terra−U、203、204、又はBYK−P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon−WS又はBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が好ましい。
樹脂型分散剤は、着色剤全量に対して5〜200質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100質量%程度で使用することがより好ましい。さらには、現像工程における良好なリソグラフィー(解像性)に優れるため、10〜40質量%程度が最も好ましい。
樹脂型分散剤は、2種以上含まれていても良い。その場合にはその合計量が上記範囲となることが好ましい。
樹脂型分散剤の分子量Mwは、現像性の観点から5,000以上30,000以下が好ましい。5,000以上20,000以下がさらに好ましく、5,000以上10,000以下が最も好ましい。酸価は現像性付与と分散性のバランスの観点から、10以上150以下が好ましく、40以上120以下がさらに好ましい。
<バインダー樹脂(B)>
本発明の感光性着色組成物は、バインダー樹脂(B)を含む。バインダー樹脂(B)は、400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いる。バインダー樹脂(B)には、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよく、さらに現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性でない熱可塑性樹脂を含んでもよく、これについてもアルカリ可溶性であることが好ましい。これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
<熱可塑性樹脂>
バインダー樹脂(B)として用いることができる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂はアルカリ可溶性であることが好ましく、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基及び/又は水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、現像性、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性着色組成物は、現像性、耐熱性、透明性の点から、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基及び/又は水酸基を有する。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂を用いることがさらに好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量は、現像性の観点から、感光性着色組成物の固形分100質量部に対し3質量部以上、好ましくは5質量部以上であることが好ましい。
<エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性着色組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、
下記一般式(8)で表される化合物、具体的にはEO変性クレゾールアクリレート、n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(8)
Figure 2019128540
(一般式(8)中、R6は、水素原子、又はメチル基であり、R7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。)
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
又、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
<エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂>
本発明の赤色感光性着色組成物は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2,000以上40,000以下であり、3,000以上300,00以下が好ましく、4,000以上20,000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために30以上〜200以下(KOHmg/g)であり、40以上180以下の範囲が好ましく、より好ましくは50以上170以下の範囲である。酸価が30未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
本発明の感光性着色組成物中のバインダー樹脂(B)の含有量は、着色剤の全重量を基準(100質量部)として、好ましくは5〜400質量部、さらに好ましくは10〜250質量部である。成膜性及び諸耐性が良好なことから、5質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、400質量部以下の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体(C)>
本発明の赤色感光性着色組成物は、光重合性単量体(C)を含み、光重合性単量体(C)の含有量は、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上である。
本発明の組成物は、光重合性単量体(C)の含有量を上記所定範囲量とし、かつ膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下とすることで、塗膜表面は固まるが、基材界面の過剰硬化は発生せず、顔料濃度が高くてもパターン形状がオーバーハングとならず、現像時間による線幅の変化が小さく、さらに薬品耐性に優れるという効果を発揮するものである。光重合性単量体(C)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R−128H、KAYARAD R526、KAYARAD PEG400DA、KAYARAD MAND、KAYARD NPGDA、KAYARAD R−167、KAYARAD HX−220、KAYARAD R−551、KAYARAD R712、KAYARAD R−604、KAYARAD R−684、KAYARAD GPO−303、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPEA−12、KAYARAD DPHA−2C、KAYARAD D−310、KAYARAD D−330、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120、及び東亜合成社製のアロニックスM−303、M−305、M−306、M−309、M−310、M−321、M−325、M−350、M−360、M−313、M−315、M−400、M−402、M−403、M−404、M−405、M−406、M−450、M−452、M−408、M−211B、M−101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、ビスコート#335HP、ビスコート#700、ビスコート#295、ビスコート#330、ビスコート#360、ビスコート#GPT、ビスコート#400、ビスコート#405、新中村化学社製のNKエステルA−9300等を好適に使用することができる。
(酸基を有する光重合性単量体)
本発明における光重合性単量体(C)は、酸基を有する光重合性単量体を含有してもよい。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。
酸基を有する光重合性単量体としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、大阪有機社製のビスコート#2500P、及び東亜合成社製M−5300、M−5400、M−5700、M−510、M−520等を好適に使用することができる。
(ウレタン結合を有する光重合性単量体)
本発明における光重合性単量体(C)は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含有する光重合性単量体を含有してもよい。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、アルコールの構造に制限はないが、多価アルコールを使用した場合、硬化塗膜の架橋度が高くなり、塗膜耐性が上がるため好ましい。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらの市販品としては、共栄社化学社製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業社製のUA−160TM、大阪有機化学工業社製のUV−4108F、UV−4117F等を好適に使用することができる。
光重合性単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の光重合性単量体(C)は、好ましくは多官能(メタ)アクリレートであり、より好ましくは、トリメチロールプロパトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリンEO変性(メタ)アクリレート、又は多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマーであり、さらに好ましくは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及び多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましくはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。
多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマーとしては、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーである、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。
光重合性単量体(C)の含有量は、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、現像時間に対する線幅変異性及び断面形状の観点から、好ましくは28質量%以上である。また、光重合性単量体(C)の含有量は、感光性着色組成物の全固形分に対して好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは34質量%以下である。
<光重合開始剤(D)>
本発明の感光性着色組成物は、光重合開始剤(D)を含む。光重合開始剤(D)を含むことで、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成することができる。光重合開始剤(D)を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することが好ましい。
光重合開始剤(D)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、アセトフェノン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、「IRGACURE 369」(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)、「IRGACURE 379」2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ホスフィン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 819」(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「IRGACURE TPO」(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、などが挙げられる。
(オキシムエステル系化合物(D1))
本発明の感光性着色組成物においては、これらの中でも、オキシムエステル系化合物(D1)を含有することが好ましい。オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系化合物は高い量子効率を持つため好適に使用される。
オキシムエステル系化合物の市販品としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)(いずれもBASF社製)、アデカオプトマーN−1919、アデカアークルズNCI−831(いずれもADEKA社製)、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−305、TRONLY TR−PBG−309(いずれも常州強力新材料社製)等が市販されている。また、この他に、式2、式3で表される化合物や特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤を用いることも可能である。
Figure 2019128540
光重合開始剤(D)の含有量は、感光性着色組成物100質量部に対し、0.001〜10質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から0.003〜7質量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記増感剤の中で、特に好適に増感しうる増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、「KAYACURE DETX-S」(2,3−ジエチルチオキサントン 日本化薬社製)、「EAB-F」(4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 保土ヶ谷化学工業社製)などが挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤を使用する際の含有量は、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤(D)100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<溶剤>
本発明の感光性着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤は、感光性着色組成物の塗布性が良好であることに加え、感光性着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、及び感光性着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、ブタンジオールジアセテート等のアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブタノール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチル、等を用いることが好ましい。
また溶剤は、感光性着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の着色膜を形成できることから、着色剤100質量部に対して、500〜4000質量部の量で用いることが好ましい。
<エポキシ化合物>
本発明の感光性着色組成物には、エポキシ化合物を含むことができる。使用されるエポキシ化合物としては、エポキシ基を有する公知の化合物を、特に限定されず使用することができる。
エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのなかでも、エポキシ化合物が脂環式エポキシ樹脂であることが、水シミの改善、もしくは耐熱性や耐薬品性の観点から好ましい。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、DIC株式会社製エピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775、ダウ・ケミカル株式会社製D.E.N438、日本化薬株式会社製RE−306、三菱ケミカル株式会社製jER152、jER154等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、DIC株式会社製エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−680、エピクロンN−695、エピクロンN−665−EXP、エピクロンN−672−EXP、日本化薬株式会社製EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、ユニオンカーバイド株式会社製UVR−6650、住友化学工業社製ESCN−195等が挙げられる。
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂の具体例としては、日本化薬株式会社製EPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H、ダウ・ケミカル株式会社製TACTIX−742、三菱ケミカル株式会社製jER E1032H60等が挙げられる。
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、DIC株式会社製エピクロンEXA−7200、ダウ・ケミカル株式会社製TACTIX−556等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル株式会社製jER828、jER1001、ユニオンカーバイド株式会社製UVR−6410、ダウ・ケミカル7株式会社製D.E.R−331、新日化エポキシ製造株式会社製YD−8125等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ユニオンカーバイド株式会社製UVR−6490、新日化エポキシ製造株式会社製YDF−8170等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、日本化薬株式会社製NC−3000、NC−3000H等のビフェノール型エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社製jER YX−4000、jER YL−6121等のビキシレノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、DIC株式会社製エピクロンN−880、三菱ケミカル株式会社製jER E157S75等が挙げられる。
ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂の具体例としては、日本化薬株式会社製NC−7000、NC−7300、DIC株式会社製EXA−4750等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、株式会社ダイセル製セイキサイド2021P、2081、2000、エポリードPB3600、PB4700、GT401、EHPE−3150、サイクロマーM100等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂の具体例としては、日産化学工業株式会社製TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の感光性着色組成物に用いられるエポキシ化合物の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。エポキシ化合物の含有量が、前記の範囲にあると耐熱性が高く、優れた塗膜が得られるため好ましい。
<オキセタン化合物>
本発明の感光性着色組成物には、オキセタン化合物を含むことができる。オキセタン化合物としては、オキセタン基を有する公知の化合物を特に限定されず使用することができる。オキセタン化合物は、オキセタン基が1官能であるもの、オキセタン基が2官能であるもの、オキセタン基が2官能以上であるものが挙げられる。
オキセタン基が1官能のものとしては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、 (3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−メタクリロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
具体例としては、大阪有機化学工業株式会社製OXE−10、OXE−30東亞合成株式会社製OXT−101、212等が挙げられる。
オキセタン基が2官能のものとしては、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル−3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−フェノキシメチル)オキセタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
具体例としては、宇部興産株式会社製、OXBP、OXTP、東亞合成株式会社製OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
オキセタン基が2官能以上であるものとしては、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE−30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。このような重合体は、公知の重合法を用いて得ることができる。
本発明の感光性着色組成物に用いられるオキセタン化合物の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。オキセタン化合物の含有量が、前記の範囲にあると水シミが良好で、かつ耐薬品性が高い優れた塗膜が得られるため好ましい。
<チオール系連鎖移動剤>
本発明の感光性着色組成物は連鎖移動剤として、チオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる感光性着色組成物は高感度となる。
また、SH基が2個以上あるメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。より好ましくは、SH基が4個以上ある多官能脂肪族チオールである。官能基数が増えることで、重合開始機能が向上し、パターンにおける表面から基材付近まで硬化させることができる。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらのチオール系連鎖移動剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、チオール系連鎖移動剤の含有量は、着色組成物の全固形分中1〜10%であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0%である。この範囲において、連鎖移動剤の効果が大きくなり、感度、テーパー形状やシワ、膜縮率等が良好になる。
<紫外線吸収剤(E)>
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤(E)を含んでも良い。紫外線吸収剤とは、紫外線吸収機能を有する有機化合物である。紫外線吸収剤(E)としてはトリアジン系化合物(E1)が好ましい。たとえば、2−[4,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン等が挙げられる。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製「KEMISORB 102」、BASF社製「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 460」、「TINUVIN 477−DW」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 1577」、ADEKA社製「アデカスタブLA−46」、「アデカスタブLA−F70」、サンケミカル社製「CYASORB UV−1164」等が挙げられる。
その他の紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系有機化合物としては2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルの化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、が挙げられる。
さらに具体的には、BASF社製「TINUVIN P」、「TINUVIN PS」、「TINUVIN 109」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 328」、「TINUVIN 329」、「TINUVIN 360」、「TINUVIN 384−2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」、「TINUVIN 99−2」、「TINUVIN 1130」、ADEKA社製「アデカスタブLA−29」、大塚化学社製「RUNA−93」等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物としては、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製「KEMISORB 10」、「KEMISORB 11」、「KEMISORB 11S」、「KEMISORB 12」、「KEMISORB 111」、シプロ化成社製「SEESORB 101」、「SEESORB 107」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」等が挙げられる。
紫外線吸収剤(E)の含有量は、波長350nm〜400nmの光における最大透過率が1%以下となるように配合する。紫外線吸収剤の含有量を増やすほど波長350nm〜400nmの光における最大透過率は小さくなるが、塗膜の感度の低下を招くため感光性着色組成物100質量%中、5質量%以下が好ましい。紫外線吸収剤(E)は上記のものを複数混合して用いてもよい。
<重合禁止剤>
本発明の感光性着色組成物には、露光時にマスクの回折光による感光を防ぐために、重合禁止剤を含有させることができる。重合禁止剤を添加することで感光による連鎖重合で所望のパターン外まで硬化が進行しないようにする効果が得られる。
重合禁止剤としては、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、着色組成物の溶剤を除いた重量100質量部に対して、0.01〜0.4質量部が好ましい。この範囲において、重合禁止剤の効果が大きくなり、テーパーの直線性や塗膜のシワ、パターン解像性等が良好になる。
<酸化防止剤>
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。特に着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜架橋成分量が少なくなるため高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取るため熱工程の黄変が強くなる現象が見られる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、ラジカル補足機能、又は、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、及びトリアジン系の化合物があげられ、酸化防止剤等が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては株式会社ADEKA製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40,AO50、AO60、AO80、AO320、ケミプロ株式会社製KEMINOX101、179、76、9425、株式会社BASF社製IRGANOX1010、1035、1076、1098、1135、1330、1726、1425WL、1520L、245、259、3114、5057、565、サンケミカル株式会社製サイアノックスCY−1790、CY−2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87、LA−402F、LA−502XP、ケミプロ化成株式会社製KAMISTAB29、62、77、29、94、株式会社BASF製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル株式会社製サイアソーブUV−3346、UV−3529、UV−3853等があげられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブPEP−36、PEP−8、HP−10、アデカスタブ2112、1178、1500、C、3013、TPP、株式会社BASF製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ株式会社製HostanoxP−EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,2−ビス{〔3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイルビス〔3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブAO−412S、AO−503、ケミプロ化成株式会社製KEMINOXPLSなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−29、LA−31RG、LA−32、LA−36、−412S、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB71、73、74、79、279、株式会社BASF製TINUVIN PS、99−2、384−2、900、928、1130等が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブ1413、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB10、11、11S、12、111、サンケミカル株式会社製UV−12、UV−329等が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
具体例としては、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−46、F70、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB102、株式会社BASF製TINUVIN400、405、460、477、479、サンケミカル株式会社製サイアソーブUV−1164等が挙げられる。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分100質量%中、0.1〜5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<密着向上剤>
本発明の感光性着色組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好であるためより好ましい。
<レベリング剤>
本発明の感光性着色組成物には、透明基板上での組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好することを目的として、レべリング剤を添加することが好ましい。レべリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系(界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
具体例としては、ビックケミー社製BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−313、BYK−315N、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−342、BYK−345/346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−377、BYK−378、BYK−3455、BYK−UV3510、BYK−3570、東レ・ダウコーニング株式会社製、FZ−7001、FZ−7002、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2123],FZ−2191、FZ−5609、信越化学工業株式会社製X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−351A、K354L、KF−355A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、X−22−6191、X−22−4515、KF−6004等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する(界面活性、又はレべリング)剤が挙げられる。
具体例としては、AGCセイミケミカル株式会社製サーフロンS−242、S−243、S−420、S−611、S−651、S−386、DIC株式会社製メガファックF−253、F−477、F−551、F−552、F−555、F−558、F−560、F−570、F−575,F−576、R−40−LM、R−41、RS−72−K、DS−21、住友スリーエム株式会社製FC−4430、FC−4432、三菱マテリアル電子化成株式会社製EF−PP31N09、EF−PP33G1、EF−PP32C1、株式会社ネオス製フタージェント602A等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンエスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンオルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキイエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリンやアルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン等が挙げられる。
具体例としては、花王株式会社製エマルゲン103、エマルゲン104P、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン130K、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン210P、エマルゲン220、エマルゲン306P、エマルゲン320P、エマルゲン350、エマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲン409PV、エマルゲン420、エマルゲン430、エマルゲン705、エマルゲン707、エマルゲン709、エマルゲン1108、エマルゲン1118S−70、エマルゲン1135S−70、エマルゲン1150S−60、エマルゲン2020G−HA、エマルゲン2025G、エマルゲンLS−106、エマルゲンLS−110、エマルゲンLS−114、エマルゲンMS−110、エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンB−66、エマルゲンPP−290、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、ラテムルPD−430S、ラテムルPD450、レオドールSP−L10、レオドールSP−P10、レオドールSP−S10V、レオドールSP−S20、レオドールSP−S30V、レオドールSP−O10V、レオドールSP−O30V、レオドールスーパーSP−L1、レオドールAS−10V、レオドールAO−10V、レオドールAO−15V、レオドールTW−L120、レオドールTW−L106、レオドールTW−P120、レオドールTW−S120V、レオドールTW−L106V、レオドールTW−S320V、レオドールTW−O120V、レオドールTW−O106V、レオドールTW−IS399C、レオドールスーパーTW−L120、レオドール430V、レオドール440V、レオドール460V、レオドールMS−50、レオドールMS−60、レオドールMO−60、レオドールMS−165V、エマノーン1112、エマノーン3199V、エマノーン3299V、エマノーン3299RV、エマノーン4110、エマノーンCH−25、エマノーンCH−40、エマノーンCH−60(K)、アミート102、アミート105、アミート105A、アミート302、アミート320、アミノーンPK−02S、アミノーンL−02、ホモゲノールL−95、株式会社ADEKA社製アデカプルロニックL−23、31、44、61、62、64、71、72、101、121、アデカプルロニックTR−701、702、704、913R等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としてはアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
具体例としては、花王株式会社製アセタミン24、26、コータミン24P、86Pコンク、信越化学工業株式会社製KP341、共栄社化学株式会社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
具体例としては、株式会社ネオス製フタージェント100、150、株式会社ADEKA社製アデカホープYES−25、アデカコールTS−230E、PS−440E、EC−8600等が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、本発明の感光性着色組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。この範囲内であることで、感光性着色組成物の塗布性とパターン密着性、透過率のバランスが良好となる。本発明の感光性着色組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法>
本発明の感光性着色組成物に含まれる着色剤分散体は、着色剤を、分散剤、バインダー樹脂などの着色剤担体及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<分散助剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有することができる。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度、コントラスト、保存安定性が良好になる。色素誘導体と分散剤に関しては、前記に説明した通りである。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤を添加する場合には、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。界面活性剤の配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼす場合がある。
<粗大粒子の除去>
本発明の感光性着色組成物もしくはそれに含まれる着色分散体は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<塗膜の透過率>
本発明の感光性着色組成物は、パターン形成時のパターン断面形状が良好となるよう、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下になるものである。塗膜の形成方法としてはガラス基板上にスピンコート等により均一に塗布したのち乾燥し、得られた塗膜を高圧水銀灯等で露光し、未露光部が除去されるまで溶剤、アルカリ現像液等で現像する。この時露光量は露光量をこれ以上高くしても現像後の膜厚が変化しない露光量(飽和露光量)以上で露光する。得られた現像後塗膜を230℃60分加熱焼成する。こうして得られた塗膜の透過率を紫外可視分光光度計を用いて測定する。波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以上の場合、露光時に塗膜の硬化反応が塗膜内部まで十分に進行するため、現像後加熱焼成後のパターン形状がオーバーハング形状となる場合がある。透過率の調整は着色剤や紫外線吸収剤の配合量の調整により行うことができる。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備する。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、及び黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。そのうち少なくとも1色が本発明の感光性着色組成物よりなるものである。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して露光(放射線の照射)を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の感光性着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
本発明のカラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、カラー液晶表示装置が製造される。このカラー液晶表示装置は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等の製造に使用することもできる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。まず、樹脂の重量平均分子量(Mw)、及び樹脂の酸価の測定方法について説明する。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GELSUPERHZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
<樹脂の酸価>
樹脂の酸価は、JISK0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液1)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、1段目の合成として、メタクリル酸メチル90部、アクリル酸エチル60部、アクリル酸t−ブチル40部、メタクリル酸10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部を添加した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を20回に分けて30分ごとに加え、80℃のまま12時間反応し、固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、2段目の合成として、ピロメリット酸無水物18部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.4部を追加し、120℃で7時間反応させた。98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを滴定で確認し反応を終了した。このようにして、固形分当たりの酸価42mgKOH/g、重量平均分子量9,800の樹脂型分散剤溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が40質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、酸性の樹脂型分散剤溶液1を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細化処理顔料(PR−1))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(PD−1−1)を10部、塩化ナトリウム1000部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で8時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、赤色微細化処理顔料(PR−1)を得た。
(赤色微細化処理顔料(PR−2))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)をC.I.ピグメントレッド254(PR254)(BASF社製「イルガフォアレッドB−CF」)に、色素誘導体(PD−1−1)を色素誘導体(PD−2−1)に変えた以外は、赤色微細化処理顔料(PR−1)の製造と同様に行い、赤色微細化処理顔料(PR−2)を得た。
(赤色微細化処理顔料(PR−3))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)をC.I.ピグメントレッド269(PR269)(Clariant社製「Toner Magenta F8B」)に、色素誘導体(PD−1−1)を色素誘導体(PD−3−1)に変えた以外は、赤色微細化処理顔料(PR−1)の製造と同様に行い、赤色微細化処理顔料(PR−3)を得た。
(黄色微細化処理顔料(PY−1))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)をC.I.ピグメントイエロー139(PY139)(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)に、色素誘導体(PD−1−1)を色素誘導体(PD−3−1)に変えた以外は、赤色微細化処理顔料(PR−1)の製造と同様に行い、黄色微細化処理顔料(PY−1)を得た。
(黄色微細化処理顔料(PY−2))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)をC.I.ピグメントイエロー185(PY185)(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)に、色素誘導体(PD−1−1)を色素誘導体(PD−4−1)に変えた以外は、赤色微細化処理顔料(PR−1)の製造と同様に行い、黄色微細化処理顔料(PY−2)を得た。
(黄色微細化処理顔料(PY−3))
C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「クロモフタルレッドA2B」)をC.I.ピグメントイエロー150(PY150)(ランクセス(株)社製「E4GN)に、色素誘導体(PD−1−1)を色素誘導体(PD−4−1)に変えた以外は、赤色微細化処理顔料(PR−1)の製造と同様に行い、黄色微細化処理顔料(PY−3)を得た。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(DR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体(DR−1)を作製した。
赤色微細化処理顔料(PR−1) :11.9部
色素誘導体(PD−1−2) : 1.1部
色素誘導体(PD−1−3) : 1.0部
樹脂型分散剤溶液1 :15.0部
PGMAC :71.0部
(顔料分散体(DR−2〜3、DY−1〜3))
以下、微細化顔料、色素誘導体、酸性樹脂型分散剤溶液、溶剤を表1に示す種類、及び配合量(質量部)に変更した以外は感光性赤着色組成物(R−1)と同様にして、感光性赤色、及び黄色着色組成物(DR−2〜3、DY−1〜3)を作製した。
Figure 2019128540
表1中の色素誘導体について表2に示す。
Figure 2019128540
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(バインダー樹脂溶液(B−1))
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにメトキシプロピルアセテート196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液(B−1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
(バインダー樹脂溶液(B−2))
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにメトキシプロピルアセテート370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させ、重量平均分子量(Mw)19,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加して活性エネルギー線硬化性樹脂であるアクリル樹脂溶液(B−2)を調製した。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(感光性赤色組成物(RR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し感光性赤色組成物(RR−1)を作製した。
顔料分散体(DR−1) :44.23部
顔料分散体(DY−1) :11.06部
バインダー樹脂溶液(B−1) : 3.50部
バインダー樹脂溶液(B−2) : 3.50部
光重合性単量体(C−1) : 5.40部
(東亞合成社製「アロニックスM402」)
下記構造で表される光重合開始剤(D−1) : 0.14部
Figure 2019128540
PGMAC :32.18部
[実施例2〜17、比較例1〜4]
(感光性赤色組成物(RR−2〜21)
以下、顔料分散体、バインダー樹脂溶液、光重合性単量体、光重合開始剤、紫外線吸収剤、溶剤を表3及び4に示す種類、及び配合量(質量部)に変更した以外は感光性赤色組成物(RR−1)と同様にして、感光性赤色組成物(RR−2〜21)を作製した。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の評価>
実施例及び比較例で得られた感光性着色組成物の透過率、現像時間に対する線幅変異性、及び断面形状の評価を下記の方法で行った。結果を表3及び4に示す。
<透過率>
得られた感光性赤色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、加熱焼成後3.2μmになる回転数で塗布した。減圧乾燥後、高圧水銀ランプを用い、積算光量50mJ、照度20mWで紫外線露光を行った。その後、0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、40秒間の現像時間で現像した。その後、230℃で60分加熱焼成し評価基板1を作成した。得られた評価基板1を用い、透過率測定を行った。透過率は分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製「U−3900」)を用いて行った。得られたレジストの分光について、300nmから1nm毎に500nmまで測定した350nmから400nmにおける最大透過率で評価した。
<現像時間に対する線幅変異性>
得られた感光性赤色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて加熱焼成後の膜厚が3.2μmになる回転数で塗布した。
減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用い、100μmストライプ型パターンと50μmの細線パターンを含むフォトマスクを介して積算光量50mJ、照度20mWで紫外線露光を行った。その後、0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、塗膜の未露光部分が現像により除去された時点からさらに10秒間の現像時間で現像し、パターンを形成させた。その後、230℃で60分加熱焼成し評価基板2を作成した。
現像時間を塗膜の未露光部が現像により除去された時点からさらに40秒間に変えた以外は、評価基板2の製造と同様に行い、評価基板3を作成した。
得られた評価基板2及び3について、50μmの細線部分を、光学顕微鏡を用い線幅の測定を行い、その差を線幅変異として算出した。評価は下記の3段階で評価した。
◎:線幅変異が2μm未満
○:線幅変異が2μm以上、6μm未満
×:線幅変異が6μm以上
<パターン断面形状>
評価基板2を用い、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S−3000H」)にてパターン形状を確認した。評価は幅100μmのストライプ型パターンのSEM画像を取り込み、テーパー部分の角度を分度器を用いて以下のように評価した。
評価は下記の3段階で評価した。
◎:良好なテーパー形状(テーパー角が70°未満)
○:実用可能なテーパー形状(テーパー角が70°以上、90°未満)
×:オーバーハング(テーパー角が90°以上)
<薬品耐性>
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分のパターンのC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。その後、N−メチルピロリドン溶液に30分浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾した。100μmフォトマスク部分でのパターンについて光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。剥がれのないものについて、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔE***を求めた。
ΔE*** = {(L*(2)−L*(1))2+(b*(2)−b*(1))2+(a*(2)−a*(1))20.5
評価は下記の4段階で評価した。
◎:剥がれなし、ΔE***が1.0未満
○:剥がれなし、ΔE***が1.0以上、3.0未満
△:剥がれなし、ΔE***が3.0以上
×:剥がれあり
Figure 2019128540
Figure 2019128540
表3及び4の略語について下記に記す。
光重合性単量体(C−1):東亞合成社製「アロニックスM402」、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(ペンタアクリレート含有量(%):30−40)
光重合性単量体(C−2):東亞合成社製「アロニックスM309」、トリメチロールプロハントリアクリレート
光重合性単量体(C−3):東亞合成社製「アロニックスM520」、多塩基酸変性アクリルオリゴマー
光重合開始剤(D−2):エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製「IRGACUREOXE02」)
光重合開始剤(D−3):ADEKA社製「アデカアークルズNCI−831」
光重合開始剤(D−4):(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社製「IRGACURE 369」)
紫外線吸収剤(E−1):2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASFジャパン(株)社製「TINUVIN 460」)
紫外線吸収剤(E−2):2−[5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(BASFジャパン(株)社製「TINUVIN 326」)
光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下である本発明の感光性着色組成物(実施例1−17)は、現像時間に対する線幅変異性が良好で、断面形状も良好で、耐薬品性も良好であった。一方、比較例1は現像時間に対する線幅変異性が不良で、耐薬品性が不良で、比較例2〜4は断面形状が不良で、耐薬品性が不良であった。中でも実施例1と比較例1、2を比べると、現像時間に対する線幅変異性と断面形状が良好であることに加え、耐薬品性も向上していることが分かった。その理由は光重合単量体を多くすることで表面付近での感度を上げて色差変化を抑え、350〜400nmにおける透過率を下げることで基材との界面での過剰な光硬化を抑え密着性を付与しているためと考えられる。
<カラーフィルタの作製>
本発明の感光性着色組成物と組み合わせてカラーフィルタの作製に使用する緑色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。
(感光性緑色組成物(RG−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色組成物(DG−1)を作製した。
緑色顔料(C.I.ピグメントグリーン58) :12.0部
樹脂型分散剤(BASFジャパン社製「EFKA4300」) : 1.0部
バインダー樹脂溶液(B−1) :35.0部
PGMAC :52.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性緑色組成物(RG−1)を作製した。
緑色組成物(DG−1) :34.0部
バインダー樹脂溶液(B−1) :15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) : 3.3部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「IRGACURE907」 : 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :45.1部
(感光性青色組成物(RB−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物(DB−1)を作製した。
青色顔料(C.I.ピグメントグリーン15:6) :12.0部
樹脂型分散剤(BASFジャパン社製「EFKA4300」) : 1.0部
バインダー樹脂溶液(B−1) :35.0部
PGMAC :52.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、感光性青色組成物(RB−1)を作製した。
青色組成物(DB−1) :34.0部
バインダー樹脂溶液(B−1) :15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) : 3.3部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「IRGACURE907」 : 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) : 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート :45.1部
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで本発明の感光性赤色組成物(RR−1)を加熱処理後3.2μmになるように塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて50mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱処理して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、感光性緑色組成物(RG−1)を膜厚が加熱処理後3.2μmになるようにして緑色フィルタセグメントを形成し、次いで、感光性青色組成物(RB−1)を用いて加熱処理後3.2μmになるような膜厚にそれぞれ塗布し、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物により、優れた断面形状であるカラーフィルタを現像プロセスの影響を受けることなく高い歩留りで製造できることが確認できた。

Claims (6)

  1. 着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性単量体(C)、及び光重合開始剤(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、光重合性単量体(C)の含有量が、感光性着色組成物の全固形分に対して25質量%以上であり、膜厚3.2μmの膜を形成した際に波長350〜400nmの光における最大透過率が1%以下であるカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  2. 着色剤(A)が赤色顔料を含有する請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  3. 着色剤(A)が、さらに、C.I.ピグメントイエロー139及びC.I.ピグメントイエロー185からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  4. 光重合開始剤(D)がオキシムエステル系化合物(D1)を含有する請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  5. 光重合性単量体(C)が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  6. 基材上に、請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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