JP2020105604A - 気相成長装置およびiii族窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

気相成長装置およびiii族窒化物単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 排ガス処理装置における排ガスの除害の課題、および排気配管中の固体の析出による閉塞の課題を解決し、高品質のIII族窒化物単結晶層を安定的に製造することが可能な気相成長装置を提供する。【解決手段】III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域を有する成長部、及び該成長部を経たガスを排出する排出部を備えた気相成長装置であって、前記排出部が、前記成長部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する捕集部と、該捕集部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する排ガス処理装置とを備えることを特徴とする気相成長装置を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、気相成長装置および該気相成長装置を用いたIII族窒化物単結晶の製造方法に関する。詳しくは高品質のIII族窒化物単結晶を安定的に製造することが可能な気相成長装置および該気相成長装置を用いたIII族窒化物単結晶の製造方法に関する。
窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウムといったIII族窒化物半導体は任意の組成の混晶半導体をつくることが可能であり、その混晶組成によって、バンドギャップの値を変えることが可能である。したがって、III族窒化物半導体結晶を用いることにより、原理的には赤外光から紫外光までの広範囲な発光素子を作ることが可能となる。特に、近年ではアルミニウム系III族窒化物半導体(主に窒化アルミニウムガリウム混晶)を用いた発光素子の開発が精力的に進められている。
上記III族窒化物単結晶基板の製造方法としては、昇華(PVT:Physical Vapor Transport)法や有機金属気相成長(MOCVD:Metalorganic Chimical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等の気相成長法が知られている。PVT法とは、固体のIII族窒化物を高温で昇華させ、低温のベース基板上で析出させることでIII族窒化物単結晶を成長させる方法である。高い成長速度で厚膜を成長することが可能であるというメリットがある。一方、MOCVD法や、HVPE法は、ベース基板上に、III族源ガス(例えば塩化アルミニウムガス等)と窒素源ガス(例えば、アンモニアガス等)とを反応させて、単結晶を製造する方法である。
上記の気相成長法の課題として、ベース基板表面或いは該III族窒化物単結晶層中への異物の混入がある。異物が結晶成長表面に付着した状態で結晶成長を行うと、付着した異物周辺における結晶成長異常による結晶欠陥の発生や成長層の膜厚異常の要因となり、III族窒化物単結晶層上に積層される発光素子における発光効率の低下等の性能低下の要因となることが知られている。さらに、異物が付着した箇所は他の領域と比べて機械強度が著しく低下し、研磨加工時においてピット(窪み)を形成するばかりでなく、発光素子層を積層させた後にチップ形状に切断加工する際に、加工割れの起点となりやすく、該基板を用いて製造される発光素子の歩留を大きく低下させる要因となることも知られている。従って、III族窒化物単結晶積層体の製造時における異物の混入は可能な限り低減させることが望まれている。
ここで、異物の混入の主な原因は、原料ガスの輸送あるいは反応中に副生するIII族窒化物やIII族金属等の固体粒子がベース基板に付着することであると考えられており、固体粒子の生成を防ぎながら、結晶成長を行う方法は種々提案されている。例えば、窒化アルミニウム単結晶の製造方法として原料ガスであるハロゲン化アルミニウムガスと窒素源ガスとを塩化水素ガスのようなハロゲン系ガス存在下で反応させることにより、一ハロゲン化アルミニウムガスの平衡分圧を格段に下げて単結晶を製造する方法(特許文献1参照)、反応器内のガスの流れを調整することにより、気相反応で生じた粒子が結晶成長面に付着するのを防止し、高品質な単結晶を製造する方法(特許文献2参照)、原料ガスを供給する前にハロゲン系ガスを供給することで、反射X線トポグラフにより明点として観察される結晶欠陥を低減できる方法(特許文献3、4参照)、等が知られている。上記の方法により気相成長法における異物の混入、副反応の抑制がある程度達成され、高品質なIII族窒化物単結晶層が製造できるようになってきている。
特開2015−017030号 国際公開WO2014/031119号 特開2016−216342 国際公開WO2016/076270号
気相成長装置において、原料ガスは、成長部の種基板上での結晶成長や、気相成長を行う反応管を構成する部材の壁面や気相中での寄生反応により消費される。しかしながら、上記反応に供される原料ガスは、反応管に供給される原料ガスの一部であり、多くの原料ガスはそのまま排気される。
気相成長反応を行った際に排出される排ガスは、気相成長装置に接続される湿式スクラバー等の排ガス処理装置に送られ排ガス処理装置にて排ガス中の原料ガス等の有害成分を吸収させることで除害する構成になっていることが一般的である。
しかしながらIII族窒化物単結晶の成長条件によっては、排ガス処理装置での排ガスの除害が十分に行えずに大気中に排気されてしまう場合や、反応管から排ガス処理装置へ通ずる排気配管中で固体の析出が生じ、III族窒化物単結晶層の成長中に上記排気配管の閉塞が生じる場合があることが本発明者らの検討により判明した。そして、閉塞が生じると、圧力が上がるためそれ以上の時間の成長が行えないことのほか、排ガスが逆流することによってIII族窒化物単結晶中への異物の混入の原因にもなることが分かった。
従って、本発明の目的は、排ガス処理装置における排ガスの除害の課題、および排気配管中の固体の析出による閉塞の課題を解決し、高品質のIII族窒化物単結晶層を安定的に製造することが可能な気相成長装置及び該気相成長装置を用いたIII族窒化物単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するために検討を行った。III族ハロゲン化物ガスとアンモニアガスを用いてIII族窒化物単結晶を成長する反応管より排出される排ガスの組成およびそれらのガスを冷却した場合に析出する固体の組成を熱力学解析により求めた。その結果、排ガス中には、主にIII族ハロゲン化物ガス、アンモニアガス、ハロゲン化水素ガスおよびキャリアガスが含まれることが分かった。また、冷却した場合の析出物には、主にIII族窒化物、ハロゲン化アンモニウムおよびIII族ハロゲン化物が含まれることが分かった。そしてそれらの組成は、原料ガスやキャリアガスの供給流量および冷却温度によって変化することが分かった。さらにそれらのガスまたは析出物が排ガス処理装置である湿式スクラバーへ供給された場合に生じる反応を解析したところ、塩化ガリウムや塩化アルミニウム等のガス状或いは固体状のIII族ハロゲン化物が、スクラバー中の水と接触すると激しい発熱反応により塩化水素を発生し、発熱による排ガス処理装置への負荷が懸念されることが推測された。通常は排ガス処理装置内は室温であるため、III族ハロゲン化物がガスの状態で該排ガス処理装置内に供給されることは殆どないが、排ガス処理装置へ通じる配管内に析出したIII族ハロゲン化物の固体が気流にのって排ガス処理装置内へ供給されることはあると考えられる。これらのことから、排ガスの除害の課題および排ガス処理装置への負荷の懸念は、主としてIII族ハロゲン化物が原因であると推測された。また、閉塞の課題にあたっては、III族窒化物ではなく、比較的密度の低いIII族ハロゲン化物およびハロゲン化アンモニウムが原因であると推測された。従って、III族窒化物単結晶を成長する反応管から排ガス処理装置に至るまでに該反応管より排出される排ガス中のIII族ハロゲン化物ガス、およびハロゲン化アンモニウムの原料となるハロゲン系ガスとアンモニウムガスのいずれかの成分を捕集することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち第一の本発明は、III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域を有する成長部、及び該成長部を経たガスを排出する排出部を備えた気相成長装置であって、
前記排出部が、前記成長部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する捕集部と、該捕集部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する排ガス処理装置とを備える
ことを特徴とする気相成長装置である。
上記本発明の気相成長装置では、以下の態様を取ることが好ましい。
1)前記捕集部の温度が190℃以下であること。
2)前記成長部と捕集部の間、或いは、捕集部の少なくともいずれかに、前記成長部を経た排出ガスの少なくとも一種の成分と反応する反応性ガスを供給し、成長部を経た排出ガス中の該成分と該反応性ガスとを反応せしめる排出部反応域を有すること。
3)前記反応性ガスを供給する反応性ガス供給口を複数有すること。
4)前記成長部が、III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域を有する反応管と、前記成長部反応域に配設され、基板を保持する保持台と、III族原料ガスを前記反応域へ供給する、III族原料ガス供給ノズルと、窒素源ガスを反応域へ供給するための窒素源ガス供給ノズルとを有し、さらに、ハロゲン化水素ガス、及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを成長部反応域へ供給する構造となっていること。
5)III族原料ガスが、ハロゲン化アルミニウムガスであり、窒素源ガスがアンモニアガスであり、III族窒化物単結晶が窒化アルミニウム単結晶であること。
6)前記反応性ガスがアンモニアガスであること。
また、第二の本発明は、上記の気相成長装置の前記成長部反応域にIII族原料ガスと窒素源ガスを供給することにより、前記III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させる工程を有し、
該工程において、ハロゲン化水素ガス及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを前記成長部反応域に供給することを特徴とするIII族窒化物単結の製造方法である。
上記本発明のIII族窒化物単結晶の製造方法では、以下の態様を取ることが好ましい。
I)III族原料ガスが、ハロゲン化アルミニウムガスであり、窒素源ガスがアンモニアガスであり、III族窒化物単結晶が窒化アルミニウム単結晶であること。
本発明の気相成長装置は、III族窒化物単結晶を気相成長法により製造する際に排出されるガスを排ガス処理装置で処理する前に該排ガス中に含有される塩化ガリウムガスや塩化アルミニウムガス等のIII族ハロゲン化物ガス、あるいはハロゲン化アンモニウム析出の原料となるハロゲン系ガスあるいはアンモニアガスを予め捕集する捕集部を設けることが特徴である。このような構造とすることによりIII族ハロゲン化物の排ガス処理装置への流入を抑制し、該排ガス処理装置中の水とIII族ハロゲン化物との反応を抑制することができ、排ガス処理装置における排ガスの除害の課題、および、III族ハロゲン化物やハロゲン化アンモニウムが排気配管中に析出することによる閉塞の課題を解決し、高品質のIII族窒化物単結晶を安定的に製造することが可能である。
特に、ハロゲン系ガス共存化でIII族窒化物単結晶を成長する前記特許文献1に記載の方法にてIII族窒化物単結晶を製造する場合には、III族ハロゲン化物ガスが多量に排ガス中に含有される傾向にあることから当該方法を採用する場合には本発明の気相成長装置を用いることで高品質のIII族窒化物単結晶を安定的に製造することが可能である。
上記本発明の気相成長装置により上記課題が解決できる理由について、本発明者らは以下のとおり推測している。成長部に供給されるガスとして、アンモニアガスが少ない場合(例えばIII族ハロゲン化物ガスとアンモニアガスを当モル使用した場合など)や塩化水素ガスが多い場合(例えば特許文献1のようにハロゲン系ガスを供給した場合など)には、排ガス処理装置に供給されるガスは、III族ハロゲン化物ガス、塩化水素ガス、及びキャリアガス(例えば水素)の混合ガスとなる。これらのガスが排ガス処理装置で処理されるが、III族ハロゲン化物はスクラバー等の排ガス処理装置中の水と接触すると激しく反応して塩化水素を発生するため、排ガス処理装置での塩化水素ガスの吸収除害が十分に行えずに大気中に排気されてしまうものと推測される。そこで、排ガス処理装置で処理する前に、成長部反応域から排出されるガスのうち、III族ハロゲン化物を捕集することにより排ガス処理装置へのIII族ハロゲン化物の流入および排気配管内でのIII族ハロゲン化物による閉塞を抑制できるため、上記課題が解決できるものと推測される。一方、成長部に供給されるガスとして、III族ハロゲン化物ガスに対してアンモニアガスが多い場合、成長部では、III族ハロゲン化物ガスに対してアンモニアガスとの反応により目的物であるIII族窒化物が生成すると共に塩化水素ガスが副生する。ここで、成長部反応域に供給されるIII族ハロゲン化物ガスに対してアンモニアガスが過剰であるため、副生する塩化水素ガスは、残留したアンモニアガスと反応し、固体の塩化アンモニウムとなり、閉塞の原因となる。そこで、本発明において、捕集部にて塩化アンモニウムの原料となる塩化水素ガスあるいはアンモニアガスを捕集することで、排気配管内に塩化アンモニウムが析出することを抑制し、閉塞を抑制することが可能となり、上記課題を解決できるものと推測する。よって、いかなるIII族窒化物単結晶成長条件においても閉塞を抑制することができるものと推測される。
本発明の気相成長装置の一例の概略図である。 本発明の気相成長装置の一部である成長部の一例の概略図である。 ハロゲン系ガスをIII族原料ガスノズルから供給する態様を説明する模式図である。 ハロゲン系ガスを窒素源ガスノズルから供給する態様を説明する模式図である。 本発明の気相成長装置の一部である排出部の一例の概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。
<I.本発明の気相成長装置>
本発明の第1の態様に係る気相成長装置について説明する。図1は本発明の気相成長装置の構成の概略図である。図1に示すとおり、本発明の気相成長装置100は、成長部200と排出部300とで構成され、さらに排出部300は捕集部340と排ガス処理装置360とで構成されていることが特徴である。成長部200と捕集部340、及び捕集部340と排ガス処理装置360とは、それぞれ排出ガス供給管311、及び350で接続されている。成長部200から排出される排出ガスは排出ガス供給管311を経て捕集部340に導入され、該捕集部340にて排出ガス中の少なくとも一種の成分が捕集される。捕集部340を経た排出ガスは排出ガス供給管350を経て排ガス処理装置360に導入され、該排ガス処理装置360にて排出ガス中の他の成分が捕集され、系外に排出される。以下、本発明の気相成長装置における各構成について詳細に説明する。
<成長部>
成長部200は、III族原料ガス及び窒素源ガスを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる装置である。図2は成長部200の一例を示す概略図である。成長部200は、III族窒化物単結晶を成長させる基板(ベース基板)220を保持する基板保持台203を有し、III族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域201を有する反応管202と、III族原料ガスを成長部反応域201へ供給する、III族原料ガス供給ノズル211と、窒素源ガスを成長部反応域201へ供給する、窒素源ガス供給ノズル210で構成される。
基板保持台203に保持される基板220上に供給されるIII族原料ガス及び窒素源ガスのガス流の乱流を抑制させる点、成長部反応域201を経た排出ガスの排出を効率的に行う点から、排出ガス供給管311は、基板保持台203に対し、III族原料ガス供給ノズル211及び、窒素源ガス供給ノズル210の反対側、すなわち基板保持台203の下流側に設けることが好ましい。
上記成長部200における基板保持台203は、III族窒化物単結晶の成長時に該保持台に保持された基板220を回転させるための機構(図2では非表示)を備えていても良く、また基板保持台203を加熱し該保持台からの伝熱により基板220を加熱するための加熱手段204を有しても良い。該加熱手段204として具体的には、高周波コイルによる加熱手段、抵抗式ヒータ等、公知の加熱手段が挙げられる。
また、前記反応管202を加熱し反応管202内の成長部反応域201を加熱する外部加熱手段205を設けることもできる。
さらに成長部反応域201には、III族原料ガスや窒素源ガスの他に、ハロゲン化水素ガス及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガス(以下単に「ハロゲン系ガス」とも言う。)を供給する手段を有していても良い。ハロゲン系ガスの供給手段としては、図2に示すようにハロゲン系ガス供給ノズル212を設置し該ノズルより供給しても良い。又は、図3に示すように、III族原料ガス供給ノズル211の、一方の端部であるIII族原料ガス供給ノズル吹き出し口から他方の端部である原料部までの任意の位置に、前記ハロゲン化水素ガス及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガス(以下、このIII族原料ガスに追加するハロゲン系ガスを「III族追加ハロゲン系ガス」ということがある。)を供給するための追加ハロゲン系ガス供給ノズルを設置し、III族原料ガス供給ノズル211内でIII族原料ガスとIII族追加ハロゲン系ガスとが合流する構造となっていてもよい。
或いは図4に示すように、窒素源ガス供給ノズル210の任意の位置に、前記ハロゲン化水素ガス及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガス(以下、この窒素源ガスに追加するハロゲン系ガスを「窒素源追加ハロゲン系ガス」ということがある。)を供給するための追加ハロゲン系ガス供給ノズルを設置し、窒素源ガス供給ノズル210内で窒素源ガスとIII族追加ハロゲン系ガスとが合流する構造となっていてもよい。ハロゲン系ガスを供給しない構造とすることもできるが、本発明においては、ハロゲン系ガスを供給する構造とし、結晶成長時にハロゲン系ガスを供給する条件で結晶成長を行う場合に特に効果を発揮する。
本発明の気相成長装置を用いて、例えばIII族原料ガス供給ノズル211より供給されるIII族原料ガスとしてIII族ハロゲン化物ガス(例えば塩化アルミニウムガスや塩化ガリウムガス等)を用い、窒素源ガス供給ノズル210より供給される窒素源ガスとしてアンモニアガスを用いて、HVPE法によってIII族窒化物単結晶を成長させることができる。成長部反応域201を通過したガスは排出ガス供給管311から成長部200の外部に排出される。III族原料ガスとしては、III族ハロゲン化物ガスのほか、III族有機金属化合物ガス(例えばトリメチルアルミニウムガスやトリメチルガリウムガス等)やIII族金属ガス(例えばアルミニウムガスやガリウムガス等)を使用することもできる。以下、III族ハロゲン化物ガスを用いたHVPE法の場合について説明する。
III族原料ガスであるIII族ハロゲン化物ガスは、III族原料ガス供給ノズル211の上流側に設けた原料部(不図示)で発生することができる。例えば、原料部に配置したIII族金属にハロゲン系ガス(例えば塩化水素ガスや塩素ガス等)を供給することによりIII族ハロゲン化物ガス(例えば塩化アルミニウムガスや塩化ガリウムガス等)が生成する。この生成反応を進行させるため、原料部は反応に適した温度((例えば塩化アルミニウムガスの発生においては通常150〜1000℃程度、好ましくは300〜660℃程度、より好ましくは300〜600℃程度であり、塩化ガリウムガスの発生においては通常300〜1000℃程度等である。)に加熱される。また、原料部には、III族ハロゲン化物の固体を配置し、これを加熱して昇華させることでIII族ハロゲン化物ガスを発生することもできる。
III族ハロゲン化物ガス(III族原料ガス)は、III族原料ガス供給ノズル211によって反応管202内の成長部反応域201に導かれる。III族原料ガス供給ノズル211は、III族ハロゲン化物ガス(III族原料ガス)を基板保持台203の側上方から基板保持台203の上方へ向けて吹き出すように配設されている。
III族原料ガス供給ノズル211、或いは、III族追加ハロゲン系ガスを供給するための追加ハロゲン系ガス供給ノズルを構成する材料としては、耐熱ガラス、石英ガラス、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、またインコネル等の耐腐食性合金等を例示でき、中でも、石英ガラスを好ましく用いることができる。
窒素源ガス供給ノズル210は、III族原料ガス供給ノズル211の吹き出し口の上方から基板保持台203の上方へ向けて窒素源ガスを吹き出すように配設されている。窒素源ガス供給ノズル210の吹き出し口をIII族原料ガス供給ノズル211の吹き出し口よりも上方に配設することにより、基板保持台203上に均一に窒素源ガス(窒素源ガス)を供給することができるため好ましい。また、窒素源ガスとしてアンモニアガスを使用する場合には、アンモニアガスは比較的拡散し易いため、窒素源ガス供給ノズル210の吹き出し口をIII族原料ガス供給ノズル211の吹き出し口の下方に配設してもよい。窒素源ガス供給ノズル210、或いは、窒素源追加ハロゲン系ガスを供給するための追加ハロゲン系ガス供給ノズルを構成する材料としては、耐熱ガラス、石英ガラス、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、またインコネル等の耐腐食性合金等を例示でき、中でも、石英ガラスを好ましく用いることができる。
III族原料ガス供給ノズル211から供給されたIII族原料ガスと、窒素源ガス210から供給された窒素源ガスとが、成長部における成長部反応域201において反応することにより、基板保持台203上に設置された基板220上にIII族窒化物単結晶が成長する。この反応を進行させるため、基板220は反応に適した温度(例えば窒化アルミニウム単結晶の成長においては通常1000〜1700℃程度、好ましくは1200〜1700℃程度、より好ましくは1350〜1650℃程度であり、窒化ガリウム単結晶の成長においては通常800〜1100℃程度等である。)に加熱される。基板の加熱手段としては基板保持台203を加熱することにより、該保持台からの伝熱により基板220を加熱する加熱手段204を用いてもよく、反応管202の外部に外部加熱装置205を設置して、反応管202全体を加熱する手段を用いてもよい。加熱手段204および外部加熱装置205は各々単独で用いてもよく、併用してもよい。
反応管202は、成長部反応域201を内部に有することから、石英ガラス、アルミナ、サファイア、耐熱ガラス等の耐熱性かつ耐酸性の非金属材料で構成されることが好ましい。反応管202の外周に外チャンバ(不図示)を設けてもよい。外チャンバは、反応管202と同様の材質で構成してもよいが、外チャンバは成長部反応域201に直接には接していないので、一般的な金属材料、たとえばステンレス鋼等で構成することも可能である。
また例えばHVPE法によって混晶を成長させる場合においては、原料部反応器(不図示)に複数種類のIII族金属原料を配置してハロゲン化物ガスの供給によりIII族ハロゲン化物の混合ガスを発生させ、該混合ガスをIII族原料ガス供給ノズル211を通じて成長部反応域201に導入することも可能である。一方で、III族金属原料を配置しない形態の原料部反応器とすること、すなわち、ハロゲン化物ガスとIII族金属との反応を行うことなく、別途III族ハロゲン化物の混合ガスを生成し、該混合ガスを加熱装置により所望の温度(例えば150〜1000℃等。)まで昇温して、III族原料ガスとして供給する形態の原料部反応器を採用することも可能である。
本発明に関する上記説明では、成長部反応域201内部にIII族原料ガス供給ノズル211単管が存在する形態の気相成長装置100を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、III族原料ガス供給ノズル211の外周を覆うようにIII族原料ガスの流路の外側にバリアガスの流路(不図示)が形成され、III族原料ガス供給ノズルの吹き出し口を取り囲むようにバリアガス吹き出し口が形成されていてもよい。バリアガスとしては、例えば、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム等のバリアガスとして一般的なガスを特に制限なく用いることができる。バリアガスは、III族原料ガスと窒素源ガスとが成長部反応域201において混合する位置を制御することを可能にする他、意図しない位置における窒素源ガスとIII族原料ガスとの混合や反応を未然に防止することを可能にするので、ノズルへの析出物を大幅に低減することを可能にする。また、III族原料ガス供給ノズル211の軸心(ノズルの高さ方向の中心位置)は、結晶成長に悪影響を与えない範囲において、バリアガスノズルの軸心に対して高さ方向にオフセットして(ずれて)いてもよい。
また、気相成長装置100は、押し出しガスを供給する構造を有していてもよい。すなわち、III族原料ガス、窒素源ガス、及びバリアガスが、排出ガス供給管311が設けられた側へ、反応管202内で逆流することなく一様に流通するように、押し出しガスを反応管202内に導入する、押し出しガス導入口(不図示)が設けられていてもよい。押し出しガスとしては、例えば水素、窒素、アルゴン、ヘリウム等の一般的なガスを用いることができる。さらに、III族原料ガス、窒素源ガス、及びバリアガスが、排出ガス供給管311が設けられた側へ、反応管202内で逆流することなく一様に流通するように、反応管202内部を減圧排気する機構(不図示)を排出部に設けることにより、反応管202内部のガス流の逆流を抑制してもよい。減圧排気する機構は、捕集部と排ガス処理装置の間に配置することが好ましい。反応管202内部の圧力は、結晶成長に悪影響を与えない範囲において選択される。反応管202内部の圧力は通常0.1〜1.5atmであり、一般的には0.2atm〜大気圧である。
窒素源ガス供給ノズル210の吹き出し口、及びIII族原料ガス供給ノズル211の吹き出し口の断面形状は特に制限されるものではなく、円形、楕円形、矩形等、供給する基板の寸法に応じて自由に形状を選択することが可能である。
<排出部>
以下、排出部300について説明する。排出部300は、成長部200から供給される排出ガスを大気中に排出するための処理を行う目的で設けられる。図5は排出部300の一例を示す概略図である。
排出ガス供給管311は、成長部200(図2)の下流側に接続され、成長部反応域201内のガスは、該排出ガス供給管311を通って捕集部340に供給される。捕集部340は、前記成長部を経たガス中の少なくとも一種の成分を捕集する。また、捕集部340を経た排出ガスは、排出ガス供給管350を通って、排ガス処理装置360に供給され、排ガス処理装置360にて排出ガス中の他の成分が捕集され、系外に排出される。
排出ガス供給管311は、成長部を加熱している影響を引き継いだ成り行きの温度とすることもできるが、外部加熱手段または外部冷却手段312によって該排出ガス供給管311の温度を制御することもできる。前述したように、成長部を経たガス中の少なくとも一種の成分は捕集部340で捕集されるが、排出部300の温度と構造によっては、排出ガス供給管311で析出する場合もある。本発明においては、排出部の析出による閉塞を抑制するため、固体の析出は捕集部340にて生じることが好ましい。よって、排出ガス供給管311の温度は、固体が析出しない温度とすることが好ましい。ただし、本発明者らの検討により、成長部反応域201の温度より高温にすると、排出ガス供給管311から成長部反応域201へガスが逆流する場合があることがわかっている。これはIII族窒化物単結晶を成長している間のみならず、成長部の昇温中や降温中、あるいは成長部を加熱していない間においても生じる現象である。よって、排出ガス供給管311の温度は、成長部反応域201の温度以下に保つことが好ましい。従って、外部加熱手段または外部冷却手段312によって、適宜温度を調節することが好ましい。具体的に、成長中の排出ガス供給管311の温度は、50℃以上400℃以下であることが好ましく、50℃以上300℃以下であることがさらに好ましい。
捕集部340における排出ガス中の少なくとも一成分の捕集手段としては、捕集する成分の性状に応じて適宜選択すればよい。図5では固体分として捕集する手段としてフィルター341を図示しているが、該捕集部340に水や有機溶媒等の捕集成分を溶解せしめる溶媒を充填し、排出ガスを該溶媒に通気せしめて排出ガス中の少なくとも一成分を該溶媒に溶解させて捕集する手段を採用しても良い。これらの手段の中でもガスのみを通過し、固体を通過しないメッシュ状のフィルターを用いる方法が好ましく採用できる。捕集すべき固体の塩化アンモニウムや塩化アルミニウムは、温度や周囲のガス雰囲気にもよるが、粉末状であることが通常である。そのため、フィルターのろ過精度は1〜500μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。
さらに、排出ガス中の成分によっては、排出部300が排出ガス供給管311と捕集部340のみで構成されている場合は、捕集部340での捕集が十分に行われない場合がある。このため、捕集部340にて捕集されるまでに、排出ガス中の一成分と反応する反応性ガスを供給し、成長部200を経た排出ガス中の該成分と該反応性ガスとを反応せしめた後、生成物を捕集部340にて捕集する構成としても良い。図5では、捕集部340の前に排出ガスが反応性ガスと反応する空間、すなわち排出部反応域320を設置し、該排出部反応域320に反応性ガスを供給するための反応性ガス供給管321が設置されている。反応性ガスは反応性ガス供給管321における反応性ガス供給口322より該排出部反応域320に供給され、排出ガスと反応性ガスが接触することで排出ガス中の少なくとも一成分と反応する。排出部反応域320は、前記成長部200と捕集部340の間、或いは、捕集部340の少なくともいずれかにあれば良い。排出ガス供給管311中に反応性ガス供給口322を設け排出ガス供給管311内を排出部反応域320としても良いし、或いは捕集部340中に反応性ガス供給管321を設置し、捕集部340内を排出部反応域320としても良い。排出ガス中の少なくとも一成分と反応性ガスとを効率良く反応させる点から、成長部200と捕集部340との間に排出部反応域320を設ける構造とすることが好ましい。この場合、排出部反応域320と捕集部340は、排出ガス供給管330で接続される。また、排出部反応域320にて排出ガス中の少なくとも一成分と反応した反応生成物が排出ガス供給管330中で析出することを抑制するため、外部加熱手段または外部冷却手段331によって、排出ガス供給管330内の温度を適宜調節することが好ましい。
捕集部340は、上記反応生成物を確実に捕集するために、外部冷却手段342により冷却することが好ましい。
また、排ガス処理装置360としては、スクラバー等の、捕集液に排出ガスを吸収せしめて該ガス中の成分を捕集する手段等を採用することができる。排ガス処理装置360に供給されるガスの成分は、窒素ガスや水素ガスといったキャリアガスのほかには、主に、排出部反応域320に供給した反応性ガスの未反応分である。該排ガス処理装置360内で該反応性ガスが溶解度の高い捕集液を循環させ、該反応性ガスと該捕集液とを接触させることで該反応性ガスを捕集することができる。捕集液は、水のほか、酸性水溶液、塩基性水溶液または有機溶媒を用いることができる。または、排出部反応域320のように、反応性ガスと反応する、第二の反応性ガスを供給することで、該排ガス処理装置360内で捕集液への溶解のみならず、該溶媒の中和反応も発生させることもできる。例えば、成長部200から供給された塩化水素ガスを捕集部340で捕集するために排出部反応域320にアンモニアガスを供給し、該アンモニアガスの未反応分を排ガス処理装置360で捕集するために排ガス処理装置360に塩化水素ガスを供給することができる。該塩化水素ガスは、例えば、気相成長装置のIII族原料ガス供給ノズル211、ハロゲン系ガス供給ノズル212とは別に設けた、塩化水素ガスのバイパス配管(ガスボンベを開けてから成長部200に供給するまでにガスを流通させる配管や、成長部200への供給を停止してからガスボンベを閉じるまでにガスを流通させる配管)を排ガス処理装置360に直接接続しておくことで、排ガス処理装置に塩化水素ガスを無駄なく供給することができる。この際、捕集液が少なかったり、排出ガス供給管350の供給口と第二の反応性ガス供給管の供給口との距離が近かったりすると、気相中あるいは排ガス処理装置360壁面で析出が生じるため、捕集液の量を十分に保つこと、両配管の供給口の距離を十分に保つことが好ましい。また、排出部300を構成する配管は、ステンレス鋼や石英ガラス、塩化ビニル等が用いられるが、強度の観点からステンレス鋼を用いることが好ましい。
<排ガスの捕集方法>
以下、III族ハロゲン化物ガスを用いたHVPE法の場合についての排出ガス中の成分の捕集方法について説明する。
成長部200より排出される排出ガスには、水素ガスや窒素ガス等の押し出しガス、未反応のIII族原料ガス、未反応の窒素源ガスおよび、副生したハロゲン系ガスが存在する可能性がある。さらに、成長部反応域201にハロゲン系ガスを供給した場合には、該ハロゲン系ガスも存在すると考えられる。例えば、III族原料ガスとして一塩化ガリウムガスを、窒素源ガスとしてアンモニアガスを用いて窒化ガリウム単結晶を成長する場合には、成長部では、GaCl(g)+NH3(g)→GaN(s)+HCl(g)+H2(g)の反応が起こり、排出部には塩化水素ガスおよび水素ガスが供給される。また、一般的に窒化ガリウム単結晶の成長条件として、塩化ガリウムガス(III族原料ガス)に比べてアンモニアガス(窒素源ガス、V族原料ガス)を過剰に供給する場合もある。かかる場合には、未反応のアンモニアガスも排出ガス中に含有される。そして、該未反応のアンモニアガスと上記反応で副生した塩化水素ガスとが反応すると塩化アンモニウムの固体が生成する。塩化アンモニアの昇華点は常圧で338℃であるため、塩化アンモニウムの固体を確実に捕集部340にて捕集させるためには捕集部340の温度は338℃以下にすることが好ましい。そうすることにより、排ガス処理装置360へ供給されるガスは、押し出しガスのほか、未反応のアンモニアガスのみとなる。アンモニアガスと塩化水素ガスがともに捕集部340で捕集されずに通過した場合、排出ガス供給管350で塩化アンモニウムの固体が析出して閉塞の危険性がある。
一方、例えば、III族原料ガスとして三塩化アルミニウムガスを、窒素源ガスとしてアンモニアガスを用いて窒化アルミニウム単結晶を成長する場合には、窒化ガリウム単結晶に比べて、アンモニアガス供給流量が小さい成長条件が用いられる場合がある。この場合、成長部ではAlCl3(g)+NH3(g)→AlN(s)+3HCl(g)が起こる。そして、排出部には副生した塩化水素ガスのほか、未反応の塩化アルミニウムガスが供給される場合がある。塩化アルミニウムの昇華点は190℃であるため、捕集部を190℃以下にすることが好ましく、安定して固体化するためには、150℃以下にすることがさらに好ましい。塩化アルミニウムが捕集部340で捕集されずに通過した場合、排出ガス供給管350で塩化アルミニウムの固体が析出して閉塞の危険性がある。さらに、排ガス処理装置360の捕集液として水あるいは水溶液が使用される場合、塩化アルミニウムと水が反応して高熱とともにHClの白煙が生じるため危険である。捕集部340で塩化アルミニウムを確実に捕集することにより、安全かつ安定的に窒化アルミニウム単結晶を成長することができる。
上記のように、アンモニアガス供給流量が少ない場合のほか、アンモニアガス供給流量が多い場合であっても、特許文献1のように原料ガス以外にハロゲン系ガスを供給する場合においては、排出ガスに塩化アルミニウムガスが残留しやすいことが、本発明者らによる熱力学解析および元素分析によりわかった。これは、塩化水素ガスが多いことにより、AlCl3(g)+NH3(g)→AlN(s)+3HCl(g)の反応の平衡が左に移動するためである。この平衡移動は、400℃以下で顕著であり、塩化水素ガスを供給しない場合には塩化アルミニウムガスはアンモニアガスと反応して窒化アルミニウムの固体を生成しやすいが、塩化水素ガスを過剰に供給する場合には400℃以下では窒化アルミニウムの固体が生成されず、ガス成分に塩化アルミニウムガスが残留する。そのため、成長部反応域201に供給するアンモニアガスが少ない場合と同様に、捕集部340を190℃以下にすることが好ましいと考えられる。そして、この温度にすることにより、未反応のアンモニアガスおよび塩化水素ガスが塩化アンモニウムの固体となる反応も起こり、捕集部340には塩化アルミニウムおよび塩化アンモニウムが捕集されることとなる。そして、排ガス処理装置360へ供給されるガスは、押し出しガスのほか、塩化水素ガスのみとなる。
排出部300を構成する配管、特に排出ガス供給配管350にステンレス鋼を用い、排ガス処理装置360の捕集液として水を用いる場合、耐腐食性の観点から、排ガス処理装置360へ供給するガスには酸性ガスが含まれないほうが好ましい。酸性ガスが含まれると、排ガス処理装置360の水分または接触する可能性がある大気中の水分と酸性ガスが反応して酸性水溶液となり、ステンレス鋼を腐食する可能性があるためである。また、安定的に捕集させるためには、排ガス処理装置360へ供給するガスに含まれる、排ガス処理装置360で捕集すべきガスの水への溶解度が高いことが好ましい。上記で説明した例においては、アンモニアガスが排ガス処理装置360へ供給される場合と、塩化水素ガスが排ガス処理装置360へ供給される場合を挙げたが、これらの観点から、排ガス処理装置360へ供給されるガスとしてより好ましいのはアンモニアガスである。
そのため、成長部反応域201に供給するアンモニアガスが少ない場合や成長部反応域201に塩化水素ガスを供給する場合においては、排ガス処理装置360に供給される前に塩化水素ガスを除去するために、該塩化水素ガスと、塩化水素ガスと反応する反応性ガスを接触させて捕集部340で捕集したのちに排ガス処理装置360へ供給することが望ましい。例えば、排出部反応域320にアンモニアガスを供給し、塩化水素ガスと接触させることで、塩化アンモニウムとして捕集部340で捕集することができる。この場合、排ガス処理装置360へ供給されるガスは、未反応のアンモニアガスとなる。
排出部反応域320においては、その温度によっては塩化アンモニウムの固体が生成するため、できるだけ広い領域(壁面から離れた位置)に、反応性ガス供給口322を複数設けることが好ましい。狭い領域あるいは、ひとつの供給口のみから大量に反応性ガスを供給すると、その部分に集中して塩化アンモニウムが析出するため、閉塞の恐れがある。また、捕集部340で確実に塩化水素ガスを塩化アンモニウムとして捕集するためには、塩化水素ガスと、排出部反応域320に供給したアンモニアガスの接触効率を高めることが好ましい。そのためにも、反応性ガス供給口322は複数あったほうが好ましく、また、排出部反応域320は捕集部340よりも上流にあることが好ましい。排出部反応域320と捕集部340との距離、つまり排出ガス供給管330の長さは、塩化水素ガスとアンモニアガスが完全に接触し反応する距離であればよいが、装置サイズおよび装置の管理の観点をふまえると、好ましくは5cm以上3m以下、さらに好ましくは、10cm以上2m以下である。
排出部反応域320に供給する反応性ガスは、III族窒化物単結晶を成長するための原料ガスと同じものが好ましい。具体的には、上記の例のように、塩化アルミニウムガスとアンモニアガスを原料ガスとしてIII族窒化物単結晶を成長する場合には、排出部反応域320に供給するガスはアンモニアガスであることが好ましい。
排出部300を構成する配管がステンレス鋼製であり排ガス処理装置360の捕集液が水である場合において好ましい状態を示したが、配管の材質や排ガス処理装置360での捕集方法によっては、排ガス処理装置360へ供給するガスを酸性ガスとすることも可能であるし、そのために、排出部反応域320に供給するガスを酸性ガスとすることも可能である。
<2.III族窒化物単結晶の製造方法>
本発明の第2の態様に係るIII族窒化物単結晶の製造方法は、上記本発明の第1の態様に係るIII族窒化物単結晶製造装置の成長部反応域にIII族原料ガス及び窒素源ガスを供給することにより、III族原料ガスと該窒素源ガスとを反応させる工程(以下において単に工程(a)ということがある。)を有する。工程(a)において、III族原料ガスと窒素源ガスとの反応により、基板上にIII族窒化物単結晶が成長する。
以下においては、本発明の第1の態様に係るIII族窒化物単結晶製造装置として、上記説明したIII族窒化物単結晶製造装置100を用いる形態を例に挙げて説明する。
III族窒化物単結晶製造装置100の成長部200(図2)においてIII族原料ガス供給ノズル211から供給するIII族原料ガスとしては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、塩化ガリウム等のハロゲン化ガリウム、塩化インジウム等のハロゲン化インジウム、等のIII族ハロゲン化物ガスや、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム等のIII族有機金属化合物ガスを特に制限なく採用可能である。混晶を製造する場合には、複数のIII族原料ガスを含有する混合ガスを使用する。HVPE法を採用する場合、上記の通り、III族原料ガス供給ノズル211の上流側の原料部反応器にIII族金属原料を配置し、外部加熱装置によって原料部反応器を加熱(例えば塩化アルミニウムガスを発生させる場合には通常150〜1000℃程度、好ましくは300〜660℃程度、より好ましくは300〜600℃程度であり、塩化ガリウムガスを発生させる場合には通常300〜1000℃程度等である。)しながら原料部反応器にハロゲン系ガス(例えば塩化水素ガスや塩素ガス等。)を供給することにより原料部反応器において生成するIII族ハロゲン化物ガスを、III族原料ガス供給ノズル211を通じて成長部反応域201内に導入することができる。
本発明においては、III族原料ガスと窒素源ガスとを成長部反応域に供給しIII族窒化物を製造する際に、ハロゲン系ガスも供給する場合において、好適である。ハロゲン系ガスは、ハロゲン系ガス供給ノズル212から供給することができる。また、III族原料ガス供給ノズル211のIII族原料ガス吹き出し口からIII族原料ガスとともに成長部反応域201に供給してもよいし、窒素源ガス供給ノズル210の窒素源ガス吹き出し口から窒素源ガスとともに成長部反応域201に供給してもよい。該ハロゲン系ガスとしては、塩化水素ガス、塩素ガス等を用いることができるが、原料部に供給するハロゲン系ガスと同一のガスであることが好ましい。
原料部で生成したIII族ハロゲン化物ガスにハロゲン系ガスを合流させることにより、III族ハロゲン化物ガスとハロゲン系ガスとのガス組成比を任意の組成比に制御することができる。ただし、III族原料ガスとしてハロゲン化ガリウムガスを使用して窒化ガリウム単結晶を製造する場合には、III族追加ハロゲン系ガスとハロゲン化ガリウムガスとの同時の供給量の比率:(III族追加ハロゲン系ガス中のハロゲン原子の物質量)/(ハロゲン化ガリウムガス中のハロゲン原子の物質量)は、好ましくは0.01〜10であり、より好ましくは0.05〜1である。また、III族原料ガスとしてハロゲン化アルミニウムを用いて窒化アルミニウム単結晶を成長する場合には、III族追加ハロゲン系ガスとハロゲン化アルミニウムガスとの同時の供給量の比率:(III族追加ハロゲン系ガス中のハロゲン原子の物質量)/(ハロゲン化アルミニウムガス中のハロゲン原子の物質量)は、好ましくは0.1〜1000、より好ましくは0.5〜100である。上記の比率の算出も、結晶成長装置においてガスの供給量の制御に一般的に使用される質量流量(単位時間当たり与えられた面を通過する物質の質量)に基づいて行うことができる。III族追加ハロゲン系ガスとIII族原料ガスとを共存させることにより、例えば塩化アルミニウムガスや塩化ガリウムガスの不均化反応によるIII族金属の析出を抑制することができる。
他方、III族金属原料を配置される形態の原料部に代えて、別途生成されたIII族原料ガス(HVPE法の場合にはIII族ハロゲン化物ガス、MOCVD法の場合にはIII族有機金属化合物ガス。)を供給し、これを加熱装置により所望の温度(例えば室温〜200℃。)まで昇温する形態のIII族原料供給部を採用することも可能である。
これらのIII族原料ガスやIII族追加ハロゲン系ガスは、通常、キャリアガスによって希釈した状態で供給する。キャリアガスとしては、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、若しくはアルゴンガス、又はこれらの混合ガスを特に制限なく用いることができ、水素ガスを含むキャリアガスを用いることが好ましい。III族原料ガスをキャリアガスで希釈された状態で供給する場合には、III族原料ガスの濃度は、III族原料ガスと該III族原料ガスを希釈するキャリアガスとの合計量を基準(100体積%)として、例えば0.0001〜10体積%とすることができる。III族原料ガスの供給量は、例えば0.005〜500sccmとすることができる。なおIII族原料ガスは、ハロゲン系ガスの基板220上への供給を開始した後に、成長部反応域201(基板220上)に供給することが好ましい。
窒素源ガス供給ノズル210から成長部反応域201に供給する窒素源ガスは、通常キャリアガスによって希釈した状態で供給する。窒素源ガスとしては、窒素を含有する反応性ガスを特に制限なく採用可能であるが、コストと取扱の容易性の点で、アンモニアガスを好ましく用いることができる。キャリアガスとしては、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、若しくはアルゴンガス、又はこれらの混合ガスを特に制限なく用いることができ、水素ガスを含むキャリアガスを用いることが好ましい。窒素源ガスをキャリアガスによって希釈した状態で成長部反応域201に供給する場合には、装置の大きさ等に基づいて、窒素源ガスの供給量、およびキャリアガスの供給量を決定することができる。III族窒化物単結晶の製造のし易さ等を考慮すると、キャリアガスの供給量は50〜10000sccmであることが好ましく、100〜5000sccmであることがより好ましい。窒素源ガスの濃度は、窒素源ガスと該窒素源ガスを希釈するキャリアガスとの合計量を基準(100体積%)として、例えば0.0000001〜10体積%とすることができる。また、窒素源ガスの供給量は、例えば0.01〜1000sccmとすることができる。窒素源ガスを基板220上に供給する順番は、特に制限されるものではないが、ハロゲン系ガス及びIII族原料ガスが成長部反応域201(基板220上)に供給される前に窒素源ガスを反応域201(基板220上)に供給することが好ましい。
ハロゲン系ガスの成長部反応域201への供給は、III族原料ガスが成長部反応域201に供給される前に開始することが好ましい。より詳しくは、III族原料ガスが基板220上に供給される前にハロゲン系ガスの基板220上への供給を開始することが好ましい。つまり、III族原料ガスと窒素源ガスとが基板220上に供給されて両者が反応する前に、ハロゲン系ガスの基板220上への供給を開始することが好ましい。III族原料ガスを基板220上に供給する前にハロゲン系ガスの基板220上への供給を開始することにより、同一の上記III族窒化物単結晶製造装置100を用いて工程(a)を繰り返して行うことにより複数のIII族窒化物単結晶を製造する工程(工程(b))を含む形態のIII族窒化物単結晶の製造方法において、製造されるIII族窒化物単結晶の品質のばらつきを低減し、安定して良好な品質のIII族窒化物単結晶を製造することが可能になる。
III族原料ガスが基板220上に供給される前にハロゲン系ガスの基板220上への供給を開始する場合、ハロゲン系ガスがノズルの吹き出し口を出てから基板220上に供給されるまでの時間は、ハロゲン系ガスが供給されるノズルの吹き出し口部分から基板220へ到達するまでの反応器202内の体積をハロゲン系ガスの供給流量(又は、ハロゲン系ガスが例えばキャリアガス等の他のガスと同時に供給される場合には、該他のガスとハロゲン系ガスとの合計の供給流量。)(cm/分)で除して求めることができる。また、ハロゲン系ガスの導入を開始してからハロゲン系ガスがノズルの吹き出し口に到達するまでの時間は、ハロゲン系ガスが導入されるノズルの導入口から吹き出し口に至るまでのハロゲン系ガスの移動経路を構成する配管内の総容積をハロゲン系ガスの供給流量(又は、ハロゲン系ガスと例えばキャリアガス等の他のガスとが同一の配管に同時に流通される場合には、該他のガスとハロゲン系ガスとの合計の供給流量。)で除して求めることができる。ハロゲン系ガスの反応器202内への導入を開始した後、この方法で算出した時間が経過した後にIII族原料ガスの供給を開始することにより、III族原料ガスが基板220上に供給される前に確実にハロゲン系ガスを基板220上に供給できる。
III族原料ガスを金属アルミニウムや有機金属ガスと原料生成用ハロゲン系ガスとの反応により得る場合には、金属アルミニウムや有機金属ガスと原料生成用ハロゲン系ガスとの反応を、意図的に未反応のガスが残留するように反応率を制御することにより、III族原料ガスとハロゲン系ガスとの混合ガスを生成して、該混合ガスを成長部反応域201に供給することも可能である。
III族窒化物単結晶製造装置100の成長部反応域201においてIII族原料ガス供給ノズル211から流出するIII族ハロゲン化物ガス(III族原料ガス)のフローと、窒素源ガス供給ノズル210から流出する窒素源ガスのフローとの間には、バリアガスのフローを介在させてもよい。III族原料ガスのフローと窒素源ガスのフローとの間に流出させるバリアガスとしては、不活性である点、及び、分子量が大きいためにIII族原料ガスや窒素源ガスのバリアガスへの拡散が遅い(バリア効果が高い)点で、窒素ガス若しくはアルゴンガス、又はこれらの混合ガスを好ましく用いることができる。ただしバリアガスの効果を調整するために、窒素ガス若しくはアルゴンガス又はこれらの混合ガスに、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の、不活性な(すなわち、III族原料ガス及び窒素源ガスと反応しない)低分子量ガスを混合してもよい。バリアガスの供給量は、装置の大きさ、混合を抑制する効果等に基づいて決定され、特に制限されるものではないが、例えば50〜10000sccmとすることができ、好ましくは例えば100〜5000sccmとすることができる。
III族窒化物単結晶を析出させる基板220の材質としては、例えばサファイア、シリコン、シリコンカーバイド、酸化亜鉛、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、ガリウムヒ素、ホウ素化ジルコニウム、ホウ素化チタニウム等を特に制限なく採用できる。また、ベース基板の厚みも特に制限されるものではなく、例えば100〜2000μmとすることができる。また、基板12を構成する結晶の面方位も特に制限されるものではなく、例えば+c面、−c面、m面、a面、r面等とすることができる。
その後、窒素源ガス供給ノズル210を通じて窒素源ガスを成長部反応域201に導入しながら、III族原料ガス供給ノズル211を通じてIII族原料ガスを成長部反応域201に導入し、加熱された基板220上にIII族窒化物単結晶を成長させる。このとき、上記したように、ハロゲン系ガスが基板220上に供給された後に、III族原料ガスの供給を開始して、III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させて結晶成長を開始することが好ましい。
結晶成長時の基板220の加熱温度は、結晶成長を行うIII族窒化物単結晶の種類、或いは原料として用いるIII族原料ガス及び窒素源ガスの種類に応じて適宜決定すれば良い。例えば、HVPE法により窒化アルミニウム単結晶を製造する場合には1000〜1700℃、特に好ましくは1200〜1650℃であり、MOCVD法により窒化アルミニウム単結晶を製造する場合には好ましくは1000〜1600℃である。本発明のIII族窒化物単結晶の製造方法におけるIII族窒化物単結晶の成長は、HVPE法を用いる場合(すなわちIII族原料ガスとしてIII族ハロゲン化物ガスを用いる場合。)には、通常、大気圧付近の圧力下(すなわち、反応器内部、III族原料ガス供給ノズル内部、及び窒素源ガス供給ノズル内部の圧力が、0.1〜1.5atmとなる条件下。窒化アルミニウム単結晶を製造する場合には好ましくは0.2atm〜大気圧となる条件下。)で行われ、MOCVD法を用いる場合(すなわちIII族原料ガスとしてIII族有機金属化合物ガスを用いる場合。)には通常100Pa〜大気圧の圧力下で行われる。
HVPE法を用いる場合、III族原料ガス(III族ハロゲン化物ガス)の供給量は、供給分圧(供給される全ガス(キャリアガス、III族原料ガス、窒素源ガス、バリアガス、押し出しガス)の標準状態における体積の合計に対するIII族原料ガスの標準状態における体積の割合。)に換算して通常1Pa〜1000Paである。MOCVD法を用いる場合、III族原料ガス(III族有機金属化合物ガス)の供給量は、供給分圧換算で通常0.1〜100Paである。窒素源ガスの供給量は特に制限されるものではないが、一般的には、供給する上記III族原料ガスの0.5〜1000倍であり、好ましくは1〜200倍である。
成長時間は所望の成長膜厚が達成されるように適宜調節される。一定時間結晶成長を行った後、III族原料ガスの供給を停止することにより結晶成長を終了する。その後、基板220を室温まで降温する。以上の操作により、基板220上にIII族窒化物単結晶を成長させることができる。
本発明のIII族窒化物単結晶製造装置及びIII族窒化物単結晶の製造方法は、特に制限されるものではないが、基板220上に膜厚20μm以上のIII族窒化物単結晶、とりわけ窒化アルミニウム単結晶を成長させる場合に好ましく採用でき、基板220上に膜厚100μm以上のIII族窒化物単結晶、とりわけ窒化アルミニウム単結晶を成長させる場合に特に好ましく用いることができる。III族窒化物単結晶の厚みの上限は、特に制限されるものではないが、例えば2000μm以下とすることができる。また、III族窒化物単結晶、とりわけ窒化アルミニウム単結晶の大きさは、特に制限されるものではないが、該基板上にIII族窒化物単結晶が成長する面積(結晶成長面の面積)として好ましくは100mm以上、より好ましくは400mm以上、さらに好ましくは1000mm以上である。結晶成長面の面積の上限値は特に制限されるものではないが、例えば10000mm以下とすることができる。
III族窒化物単結晶製造装置100の排出部300(図5)において、前述したように、固体析出の抑制のためには、排出ガス供給管311は、50℃以上400℃以下であることが好ましく、50℃以上300℃以下であることがさらに好ましい。
排出部反応域320では、塩化アンモニウムや塩化アルミニウムを捕集部340で完全に捕集するために、成長部200から排出されたガスと反応する反応性ガスを供給することができる。供給する反応性ガスは、塩化水素ガス、塩素ガス、アンモニアガス等、排出部を構成する部材の材質やIII族窒化物単結晶成長条件によって適宜選択できるが、成長部反応域201に供給するガスから選ばれる少なくとも一種のガスを含むことが好ましい。反応性ガスの供給流量は、成長部200から排出されたガスのうち、該反応性ガスと反応するガス成分(以下、「ガス成分A」とも言う。)がすべて反応しきる量以上であることが好ましい。成長部200から排出されるガスのうちのガス成分Aの量は、III族窒化物単結晶の成長速度および寄生反応の反応速度により推定することができるが、寄生反応の反応速度を算出することは困難であるため、以下のように制御することが好ましい。例えば、ガス成分Aが、排出部反応域に供給する反応性ガス以外に、成長部反応域に供給する任意のガスと反応する場合は、成長部反応域201に供給するガス成分Aと反応するガスと、排出部反応域320に供給する該反応性ガスとの合計量が、成長部に供給したガスのうちのガス成分Aと成長部で副生するガス成分Aの最大量(反応の歩留まりが100%という前提での副生量)との合計量と過不足なく反応する量以上とすればよい。より好ましくは1.1倍以上、さらに好ましくは1.2倍以上である。そうすることにより、ガス成分Aと反応性ガスの接触効率が高まり、捕集部でガス成分A起因の析出物を捕集することができる。該反応性ガスは、窒素ガスや水素ガス等のキャリアガスとともに供給することもできる。排出部反応域340に反応性ガス供給口322を複数設けた場合、反応性ガスの合計供給量は、成長部に供給したガスのうちのガス成分Aと成長部で副生するガス成分Aの最大量(反応の歩留まりが100%という前提での副生量)との合計量と過不足なく反応する量以上とすればよい。例えば、成長部反応域201にハロゲン系ガスを供給しながら塩化アルミニウムガスとアンモニアガスを供給して窒化アルミニウムを成長させる場合、排出部反応域320にアンモニアガスを供給して、成長部反応域で副生した塩化水素と反応させて塩化アンモニウムとして捕集することができる。この場合、成長部反応域201に供給するハロゲン系ガスを100sccm、塩化アルミニウムガスを10sccm、アンモニアガスを40sccmとすると、排出部反応域320に供給するアンモニアガスは90sccm以上であることが好ましく、99sccm以上であることがさらに好ましく、108sccm以上であることがさらに好ましい。
また、上述したように、基板220上でIII族原料ガスと窒素源ガスを反応させてIII族窒化物を成長する前に成長部反応域201にハロゲン系ガス、III族原料ガス、窒素源ガスを供給する場合には、成長前においても、排出部反応域320に反応性ガスを供給することが好ましい。この場合、成長前に供給する反応性ガスと成長中に供給する反応性ガスは同一ガスであることが好ましい。
前述したように、捕集部340における捕集の手段は限定されないが、固体を通過させずガスのみを通過させるフィルター341を設ける場合、ガスから固体に昇華することにより捕集するため、該捕集部340を外部冷却手段342により冷却することが好ましい。具体的には、190℃以下が好ましく、150℃以下がさらに好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
<製造後の処理>
得られたIII族窒化物単結晶は、アルミニウム系III族窒化物半導体(主に窒化アルミニウムガリウム混晶)を用いた発光素子や、ショットキーバリアダイオードや高電子移動トランジスター等の電子デバイス等に好適に用いることができる。上記本発明の製造方法により得られるIII族窒化物単結晶は、必要に応じて、所望する厚さに研削し、次いで、研削加工により、表面を平坦化させ、その後化学的機械的研磨(CMP)で、表面の研削による研磨ダメージ層を除去することで、表面の平坦なIII族窒化物単結晶とすることができる。また、ベース基板を機械切断やレーザー切断、研削等の公知の加工方法により除去し、ベース基板上に積層したIII族窒化物単結晶層のみからなる新たなIII族窒化物単結晶とすることもできる。研削加工、化学的機械的研磨(CMP)の方法については公知の方法を採用することができる。使用する研磨剤は、シリカ、アルミナ、セリア、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド等の材質を含む研磨剤を用いることができる。また、研磨剤の性状は、アルカリ性、中性、または酸性のいずれでもよい。中でも、窒化アルミニウムは、窒素極性面(−c面)の耐アルカリ性が低いため、強アルカリ性の研磨剤よりも、弱アルカリ性、中性または酸性の研磨剤、具体的には、pH9以下の研磨剤を用いることが好ましい。もちろん、窒素極性面に保護膜を設置すれば強アルカリ性の研磨剤も問題なく使用することも可能である。研磨速度を高めるために酸化剤等の添加剤を追加することも可能であり、研磨パットの材質や硬度は市販のものを使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(窒化アルミニウム単結晶層の成長)
(ベース基板の準備)
昇華法により作製された、直径22mm、厚さ510μmの市販の窒化アルミニウム単結晶基板をベース基板として使用した。このベース基板である窒化アルミニウム単結晶基板をアセトンとイソプロピルアルコールで超音波洗浄したのち、窒化アルミニウム単結晶基板のAl極性側が成長面になるように、該窒化アルミニウム単結晶基板をHVPE装置内のBNコートグラファイト製サセプタ上に設置した。
(窒化アルミニウム単結晶の製造条件)
窒化アルミニウム単結晶層の成長には、図1に示した態様のHVPE装置(III族窒化物単結晶製造装置100)において、III族原料ガス供給ノズル211の先端から上流側250mmのフローチャネル内部に整流隔壁を設けた装置を使用した。整流隔壁は直径3mmの貫通孔が24個設けられた石英ガラス製の板であり、石英ガラス製フローチャネルの内壁に溶接して設けられた。
整流隔壁の貫通孔を通して、フローチャネルのさらに上流側から押し出しキャリアガスを流通した。押し出しキャリアガスには、水素と窒素を7:3の割合で混合した混合キャリアガス6500sccmを使用した。
また、バリアガスノズルから窒素ガス1500sccmを供給した。成長中の系内の圧力は0.9atmに保持した。
III族原料ガス供給ノズル211よりさらに上流部の原料部反応器内に、6Nグレードの高純度アルミニウムを配置した。原料部反応器内部を400℃に加熱した。基板220を1500℃に加熱した。
(排出部の構造)
中央に、直径10mmの反応性ガス供給口322を10個有する反応性ガス供給管321を有する、内容積5000cm3の排出部反応域320と、該排出部反応域320の下流端に接続された直径70mm、長さ1000mmの排出ガス供給配管330と、該排出ガス供給配管330の他方端に接続された捕集部340を有する。該捕集部340は、内容積5000cm3であり、その内部に市販のフィルター341(ポール社製ダイナメッシュPWC70−10SDOE)を2個有する。フィルター341を通過したガスは直径23mmの排出ガス供給管350を通って排ガス処理装置360へ供給される。捕集部340から排ガス処理装置360の間にドライポンプを設置し、成長部反応域201が0.9atmになるよう制御して減圧した。捕集部340からドライポンプまでの配管の任意の位置に圧力計を設けた。該圧力計より上流側に固体の析出があり、配管径が狭くなると、圧損が生じるため、析出箇所より上流側と下流側で差圧が生じる。本実施例では、該差圧をモニタリングし、差圧が生じたときに閉塞の兆候が出たとの判断にした。排出ガス供給管311は、成り行きの温度とし、排出部反応域320および捕集部340は、外部冷却装置323、342にて50℃に制御した。排ガス処理装置360には水7リットルを循環させた。排ガス処理装置360へ接続される排出ガス供給配管350は一部を除いてステンレス鋼製である。該一部とは、排ガス処理装置360へ接続される30cmのみであり、該一部は塩化ビニル製とした。
(ベース基板の温度と窒化アルミニウム単結晶の成長)
原料部反応器が400℃、基板220が1500℃になった時点で、窒素源ガス供給ノズル210からは、アンモニアガス50sccmと水素キャリアガス150sccmの合計で200sccmを成長部反応域201へ供給した。その30秒後に、原料部反応器にキャリアガスとともに塩化水素ガスを30sccm供給することにより、塩化アルミニウムガスを10sccm発生させた。水素窒素混合キャリアガス1790sccmを含めた合計1800sccmの混合ガスとして、該混合ガスをIII族原料供給ノズル吹き出し口から成長部反応域201に導入した。また、排出部反応域320へ、反応性ガス供給管321を通して、原料部反応器への塩化水素ガスの供給と同時にアンモニアガスを10sccm供給した。上記条件で、窒化アルミニウム単結晶層を40時間成長した。窒化アルミニウム単結晶層の成長後、塩化アルミニウムガス、塩化水素ガスおよびアンモニアガスの供給を停止して、基板220を室温まで冷却した。
(排出部閉塞状態および排ガス処理装置からの排ガスの分析)
窒化アルミニウム単結晶成長40時間中、差圧は生じなかった。また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、析出物はなかった。成長開始40時間後の成長終了直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH7を示した。
<実施例2>
III族原料ガスおよびハロゲン系ガスの供給において、図3に示すように、発生した塩化アルミニウムガスに、III族追加ハロゲン系ガス供給ノズルから塩化水素ガスを100sccm供給し、水素窒素混合キャリアガス1690sccmを含めた合計1800sccmの混合ガスとして、該混合ガスをIII族原料供給ノズル吹き出し口から成長部反応域201に導入したことおよび、排出部反応域320にアンモニアガスを100sccm供給したこと以外は実施例1と同様の成長方法で窒化アルミニウム単結晶を成長した。
窒化アルミニウム単結晶成長40時間中、差圧は生じなかった。また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、析出物はなかった。成長開始40時間後の成長終了直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH7を示した。
<実施例3>
実施例2で用いた排出部反応域320および排出ガス供給配管330を取り外し、捕集部340の外壁上流側から1個の反応性ガス供給口322を設け、捕集部340と排出部反応域320を兼ねる構造としたこと以外は実施例2と同様の成長方法にて窒化アルミニウム単結晶を成長した。
窒化アルミニウム単結晶成長40時間中、差圧は生じなかった。また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、配管350内に塩化アンモニウムの析出物がわずかにあった。成長開始40時間後の成長終了直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH7を示した。
<実施例4>
捕集部340の温度を200℃にしたこと以外は実施例3と同様の成長方法にて窒化アルミニウム単結晶を成長した。
窒化アルミニウム単結晶成長40時間中、差圧は生じなかった。また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、塩化アルミニウムおよび塩化アンモニウムの析出物がわずかにあった。成長開始40時間後の成長酋長直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH7を示した。
<比較例1>
排出部反応域320、捕集部340および排出ガス供給配管330を設けなかったことと反応性ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の成長方法にて窒化アルミニウム単結晶を成長した。
13時間成長後に差圧が生じ、成長を停止した。また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、塩化アルミニウムおよび塩化アンモニウムの析出物があった。成長開始13時間後の成長終了直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH7を示した。
<比較例2>
排出部反応域320、捕集部340および排出ガス供給配管330を設けなかったことと反応性ガスを供給しなかったこと以外は実施例2と同様の成長方法にて窒化アルミニウム単結晶を成長した。
6時間成長後に差圧が生じ、また、成長後に排出ガス供給配管350を大気開放したところ、塩化アルミニウムおよび塩化アンモニウムの析出物があった。成長開始40時間後の成長終了直前に、超純水で湿らせたpH試験紙を排ガス処理装置360の排気口361に近づけたところ、pH6.5を示した。
100.気相成長装置(HVPE装置)
200.成長部
201.成長部反応域
202.反応管
203.基板保持台
204.加熱手段
205.外部加熱手段
210.窒素源ガス供給ノズル
211.III族原料ガス供給ノズル
212.ハロゲン系ガス供給ノズル
220.基板
300.排出部
311.排出ガス供給管
312.外部加熱手段または外部冷却手段
320.排出部反応域
321.反応性ガス供給管
322.反応性ガス供給口
330.排出ガス供給管
331.外部加熱手段または外部冷却手段
340.捕集部
341.フィルター
342.外部冷却手段
350.排出ガス供給管
360.排ガス処理装置
361.排気口

Claims (9)

  1. III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域を有する成長部、及び該成長部を経たガスを排出する排出部を備えた気相成長装置であって、
    前記排出部が、前記成長部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する捕集部と、該捕集部を経た排出ガス中の少なくとも一種の成分を捕集する排ガス処理装置とを備えることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記捕集部の温度が190℃以下であることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記成長部と捕集部の間、或いは、捕集部の少なくともいずれかに、前記成長部を経た排出ガスの少なくとも一種の成分と反応する反応性ガスを供給し、成長部を経た排出ガス中の該成分と該反応性ガスとを反応せしめる排出ガス反応域を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の気相成長装置。
  4. 前記反応性ガスを供給する反応性ガス供給口を複数有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の気相成長装置。
  5. 前記成長部が、III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させることにより基板上にIII族窒化物単結晶を成長させる成長部反応域を有する反応管と、
    前記成長部反応域に配設され、基板を保持する保持台と、
    III族原料ガスを前記反応域へ供給する、III族原料ガス供給ノズルと、
    窒素源ガスを反応域へ供給するための窒素源ガス供給ノズルと
    を有し、
    さらに、ハロゲン化水素ガス、及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを成長部反応域へ供給する構造となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の気相成長装置。
  6. III族原料ガスが、ハロゲン化アルミニウムガスであり、窒素源ガスがアンモニアガスであり、III族窒化物単結晶が窒化アルミニウム単結晶である請求項1〜5のいずれか一項に記載の気相成長装置。
  7. 前記反応性ガスがアンモニアガスである請求項1〜6のいずれか一項に記載の気相成長装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の気相成長装置の前記反応域にIII族原料ガスと窒素源ガスを供給することにより、前記III族原料ガスと窒素源ガスとを反応させる工程を有し、
    該工程において、ハロゲン化水素ガス及びハロゲンガスから選ばれる少なくとも1種のハロゲン系ガスを前記反応域に供給することを特徴とするIII族窒化物単結晶の製造方法。
  9. III族原料ガスが、ハロゲン化アルミニウムガスであり、窒素源ガスがアンモニアガスであり、III族窒化物単結晶が窒化アルミニウム単結晶である請求項8に記載のIII族窒化物単結晶の製造方法。
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