JP2020105600A - スパッタリングターゲット - Google Patents

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Akira Sakawaki
彰 坂脇
晴章 内田
Haruaki Uchida
晴章 内田
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Abstract

【課題】マンガン酸リチウムからなる正極層をスパッタで形成する場合に、成膜レートの低下を抑制するとともに放電容量を向上させることが可能なスパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池における正極層の成膜に用いられるスパッタリングターゲット100は、複数の粒子110の焼結体で構成される。このスパッタリングターゲット100、リチウム(Li)、マンガン(Mn)および酸素(O)を含むとともに、リチウム、マンガンおよび酸素のモル比が、化学量論組成を満たさない関係に設定される。【選択図】図3

Description

本発明は、スパッタリングターゲットに関する。
携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する、小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池が知られている。リチウムイオン二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオン伝導性を示し且つ正極および負極の間に配置される電解質とを有している。
また、リチウムイオン二次電池を薄膜の積層体で構成することが検討されており、薄膜の形成方法としてスパッタ法が注目されている。
ここで、特許文献1には、チタン薄膜からなる正極集電体層上に、LiMnの焼結体ターゲットを用い、RFマグネトロンスパッタリング法(RFスパッタ)によって、マンガン酸リチウム膜からなる正極活物質層を成膜することが記載されている。
特開2010−182643号公報
ここで、リチウム、マンガンおよび酸素を含むマンガン酸リチウムをスパッタリングターゲットとして用いる場合、スパッタリングターゲットの電気的な抵抗値が高くなりやすいため、RFスパッタによる成膜を行わざるを得ないことが多い。そして、RFスパッタによる成膜を行う場合、一般に、DCスパッタによる成膜を行う場合と比べて、成膜レートが低下しやすくなり、その分、生産効率が低下することになってしまう。
本発明は、マンガン酸リチウムからなる正極層をスパッタで形成する場合に、成膜レートの低下を抑制するとともに放電容量を向上させることが可能なスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明は、リチウムイオン二次電池における正極層の形成に用いられるスパッタリングターゲットであって、リチウム、マンガンおよび酸素を含むとともに、これらリチウム、マンガンおよび酸素のモル比が、化学量論組成を満たさないように設定された焼結体で構成されている。
このようなスパッタリングターゲットにおいて、リチウムを、モル比で、マンガンよりも多く含んでいることを特徴とすることができる。
また、前記焼結体が、LiMn(2<x)なる組成を有していることを特徴とすることができる。
また、リチウムを、モル比で、マンガンよりも少なく含んでいることを特徴とすることができる。
また、前記焼結体が、LiMn(1<x<2)なる組成を有していることを特徴とすることができる。
本発明によれば、マンガン酸リチウムからなる正極層をスパッタで形成する場合に、成膜レートの低下を抑制するとともに放電容量を向上させることが可能なスパッタリングターゲットを提供することができる。
実施の形態のリチウムイオン二次電池の断面構成を示す図である。 実施の形態のリチウムイオン二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲットの構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で参照する図面における各部の大きさや厚さ等は、実際の寸法とは異なっている場合がある。
[リチウムイオン二次電池の構成]
図1は、本実施の形態のリチウムイオン二次電池1の断面構成を示す図である。
図1に示すリチウムイオン二次電池1は、基板10と、基板10上に積層される正極層20と、正極層20上に積層される固体電解質層30と、固体電解質層30上に積層される負極層40と、負極層40上に積層される負極集電体層50とを備えている。
次に、上記リチウムイオン二次電池1の各構成要素について、より詳細な説明を行う。
(基板)
基板10は、正極層20〜負極集電体層50を、成膜プロセスによって積層するための土台となるものである。
基板10を構成する材料は、特に限定されるものではなく、金属、ガラス、セラミックス、樹脂など、各種材料を採用することができる。
ここで、本実施の形態では、基板10を、電子伝導性を有する金属製の板材で構成している。これにより、本実施の形態では、基板10を、正極層20への集電を行う正極集電体層として機能させるようになっている。より具体的に説明すると、本実施の形態では、基板10として、銅やアルミニウム等と比較して機械的強度が高いステンレス箔(板)を用いている。また、基板10として、錫、銅、クロム等の導電性金属でめっきした金属箔を用いてもよい。
基板10の厚さは、例えば20μm以上2000μm以下とすることができる。基板10の厚さが20μm未満であると、リチウムイオン二次電池1の強度が不足するおそれがある。一方、基板10の厚さが2000μmを超えると、電池の厚さおよび重量の増加により体積エネルギー密度および重量エネルギー密度が低下する。
(正極層)
正極層20は、固体薄膜であって、充電時にはリチウムイオンを放出するとともに放電時にはリチウムイオンを吸蔵する正極活物質を含むものである。
ここで、本実施の形態の正極層20は、リチウム(Li)、マンガン(Mn)および酸素(O)を含む正極活物質を有している。より具体的に説明すると、本実施の形態の正極層20は、マンガン酸リチウム(LiMn)で構成されている。なお、以下の説明においては、各種マンガン酸リチウムのことを、「Li−Mn−O」と表記することがある。
正極層20の厚さは、例えば100nm以上40μm以下とすることが望ましい。正極層20の厚さが100nm未満であると、得られるリチウムイオン二次電池1の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、正極層20の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、リチウムイオン二次電池1に要求される電池容量が大きい場合には、正極層20の厚さを40μm超としてもかまわない。
また、正極層20は、結晶構造を持つものであっても、結晶構造を持たない非晶質構造であってもかまわないが、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う膨張および収縮がより等方的になるという点で、非晶質構造であることが好ましい。
さらに、正極層20の製造方法としては、各種PVD(物理的蒸着)や各種CVD(化学的蒸着)など、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法(スパッタリング)を用いることが望ましい。また、各種スパッタ法の中でも、RFスパッタ法と比べて成膜レートを向上させやすい、DCスパッタ法を用いることが好ましい。
なお、本実施の形態では、上述したように、基板10が正極集電体層を兼ねる構成となっているため、基板10上に直接、正極層20を積層している。ただし、絶縁体で構成された基板10を用いる場合には、基板10上に電子伝導性を有する正極集電体層(図示せず)を積層するとともに、正極集電体層上に正極層20を形成することになる。
(固体電解質層)
固体電解質層30は、固体薄膜であって、外部から加えられた電場によってリチウムイオンを移動させることのできる固体電解質(この例では無機固体電解質)を含むものである。
ここで、固体電解質層30を構成する無機固体電解質については、リチウムイオン伝導性を示すものであれば、特に限定されるものではなく、酸化物、窒化物、硫化物など、各種材料で構成されたものを用いることができる。
固体電解質層30の厚さは、例えば10nm以上10μm以下とすることができる。固体電解質層30の厚さが10nm未満であると、得られたリチウムイオン二次電池1において、正極層20と負極層40との間での電流の漏れ(リーク)が生じやすくなる。一方、固体電解質層30の厚さが10μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなり、高速での充放電には不利である。
また、固体電解質層30は、結晶構造を持つものであっても、結晶構造を持たない非晶質構造であってもかまわないが、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う膨張および収縮がより等方的になるという点で、非晶質構造であることが好ましい。
さらに、固体電解質層30の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
(負極層)
負極層40は、固体薄膜であって、充電時にはリチウムイオンを吸蔵するとともに放電時にはリチウムイオンを放出する負極活物質を含むものである。
ここで、負極層40を構成する負極活物質としては、例えば、炭素やシリコンを用いることができる。また、負極層40には、各種ドーパントを添加してもよい。
負極層40の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。負極層40の厚さが10nm未満であると、得られるリチウムイオン二次電池1の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、負極層40の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、リチウムイオン二次電池1に要求される電池容量が大きい場合には、負極層40の厚さを40μm超としてもかまわない。
また、負極層40は、結晶構造を持つものであっても、結晶構造を持たない非晶質構造であってもかまわないが、リチウムイオンの吸蔵および放出に伴う膨張および収縮がより等方的になるという点で、非晶質構造であることが好ましい。
さらに、負極層40の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
(負極集電体層)
負極集電体層50は、電子伝導性を有する固体薄膜であって、負極層40への集電を行うものである。ここで、負極集電体層50を構成する材料は、電子伝導性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、各種金属や、各種金属の合金を含む導電性材料を用いることができる。
負極集電体層50の厚さは、例えば5nm以上50μm以下とすることができる。負極集電体層50の厚さが5nm未満であると、耐腐食性および集電機能が低下し、実用的ではなくなる。一方、負極集電体層50の厚さが50μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなり、高速での充放電には不利である。
また、負極集電体層50の製造方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
[リチウムイオン二次電池の動作]
続いて、図1に示すリチウムイオン二次電池1の動作(充電動作および放電動作)について説明を行う。
(充電動作)
放電状態にあるリチウムイオン二次電池1を充電する場合、正極集電体層を兼ねる基板10には直流電源の正極が、負極集電体層50には直流電源の負極が、それぞれ接続される。そして、正極層20で正極活物質を構成するリチウムイオンが、固体電解質層30を介して負極層40へと移動し、負極層40で負極活物質に収容される。
(放電動作)
また、充電状態にあるリチウムイオン二次電池1を使用(放電)する場合、正極集電体層を兼ねる基板10には負荷の正極が、負極集電体層50には負荷の負極が、それぞれ接続される。そして、負極層40で負極活物質に収容されるリチウムイオンが、固体電解質層30を介して正極層20へと移動し、正極層20で正極活物質を構成する。これに伴い、負荷には直流電流が供給される。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
次に、図1に示すリチウムイオン二次電池1の製造方法について説明を行う。
図2は、本実施の形態のリチウムイオン二次電池1の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、リチウムイオン二次電池1の製造に先立ち、基板10を準備するとともに図示しないスパッタ装置に装着する準備工程を実行する(ステップ10)。より具体的に説明すると、準備工程では、スパッタ装置に、正極層20の形成に用いられるスパッタリングターゲットを取り付けておくとともに、上述した基板10における各層の積層面を、このスパッタリングターゲットに対峙させる。
次に、上記スパッタ装置にて、基板10上に、正極層20を形成する正極層形成工程を実行する(ステップ20)。ここで、本実施の形態の正極層形成工程では、化学量論組成を満たさないマンガン酸リチウムをスパッタリングターゲットとして用い、DCスパッタにて、正極層20の形成(成膜)を行う。
続いて、上記スパッタ装置にて、正極層20上に、固体電解質層30を形成する固体電解質層形成工程を実行する(ステップ30)。
次いで、上記スパッタ装置にて、固体電解質層30上に、負極層40を形成する負極層形成工程を実行する(ステップ40)。
それから、上記スパッタ装置にて、負極層40上に、負極集電体層50を形成する負極集電体層形成工程を実行する(ステップ50)。
そして、基板10上に、正極層20、固体電解質層30、負極層40および負極集電体層50を積層してなるリチウムイオン二次電池1を、スパッタ装置から取り出す取出工程を実行する(ステップ60)。
なお、このようにして得られたリチウムイオン二次電池1の具体的な構造や特性等については、後段の実施例で説明する。
[正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲットの構成]
図3は、ステップ20の正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲット100の構成を示す図である。
図3に示すスパッタリングターゲット100は、原料となる粉体を焼結してなる焼結体で構成されている。この例において、スパッタリングターゲット100は、長方形状且つ板状の形状を有している。このスパッタリングターゲット100は、それぞれが正極活物質を含む複数の粒子110を有している。ここで、粒子110の粒径は、例えば0.2μm〜5.0μmであり、0.5μm〜1.0μmが中心である。
また、本実施の形態のスパッタリングターゲット100は、リチウム(Li)、マンガン(Mn)および酸素(O)を含むとともに、その組成比が化学量論組成を満たさない焼結体で構成されている。ここで、Li−Mn−O系の酸化物としては、例えばLiMnやLiMn等が知られているが、本実施の形態のスパッタリングターゲット100は、このような組成比を有していない。ただし、スパッタリングターゲット100を構成するLi−Mn−O系の酸化物は結晶化しており、各々の粒子110にはLiMnやLiMn等が含まれているものと考えられる。また、各々の粒子110には、リチウムを含まないマンガン酸化物や、マンガンを含まないリチウム酸化物が含まれている場合も有り得る。
そして、このスパッタリングターゲット100は、各種リチウム化合物と各種マンガン化合物とを混合した後に焼成することで製造することができる。ここで、リチウム化合物としては炭酸リチウム(例えばLiCO)を例示することができ、また、マンガン化合物としては酸化マンガン(例えばMn)を例示することができる。さらに、スパッタリングターゲット100は、原料に含まれる不可避不純物を含んでいてもよい。
[その他]
なお、本実施の形態では、スパッタリングターゲット100を長方形状としていたが、これに限られるものではなく、他の形状(例えば円形状)としてもかまわない。
また、本実施の形態では、基板10上に、スパッタ法を用いて、正極層20、固体電解質層30、負極層40および負極集電体層50を、この順に積層することで、リチウムイオン二次電池1を製造していた。ただし、これに限られるものではなく、基板10上に、スパッタ法を用いて、負極層40、固体電解質層30および正極層20を、この順に積層するようにしてもよい。この場合には、固体電解質層30上に、スパッタリングターゲット100を用いて、正極層20が形成されることになる。なお、この場合は、正極層20の上に、電子伝導性を有する正極集電体層をさらに積層するとよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明者は、正極層20の形成に用いるスパッタリングターゲット100の構成を異ならせて、複数のリチウムイオン二次電池1を製造し、得られた各リチウムイオン二次電池1に関する評価を行った。
[リチウムイオン二次電池の構成]
表1は、実施例1、2および比較例1、2のリチウムイオン二次電池1における各層の構成を示している。
Figure 2020105600
各実施例および各比較例では、基板10として、ステンレスの一種であるSUS316Lを用いた。そして、基板10の厚さは1mmとした。
各実施例および各比較例では、スパッタ法(DCスパッタ法またはRFスパッタ法)を用いて、正極層20の形成を行った。ここで、各実施例および各比較例では、正極層20として、Li−Mn−O系の酸化物(マンガン酸リチウム)を用いた。ただし、各実施例および各比較例では、正極層20の形成に使用するスパッタリングターゲット100やスパッタ条件等が異なるため、得られた正極層20におけるリチウム、マンガンおよび酸素の組成比は、異なるものとなった。そして、正極層20の厚さは600nmとした。
各実施例および各比較例では、スパッタ法(DCスパッタ法)を用いて、固体電解質層30の形成を行った。ここで、各実施例および比較例では、固体電解質層30として、リン酸リチウム(LiPO)における酸素の一部を窒素に置き換えたLiPON(LiPOcc)を用いた。そして、固体電解質層30の厚さは600nmとした。
各実施例および各比較例では、スパッタ法(DCスパッタ法)を用いて、負極層40の形成を行った。ここで、各実施例および各比較例では、負極層40として、ホウ素(B)が添加されたシリコン(Si)を用いた(表には、「Si(B)」と記載)。そして、負極層40の厚さは200nmとした。
各実施例および各比較例では、スパッタ法(DCスパッタ法)を用いて、負極集電体層50の形成を行った。ここで、各実施例および各比較例では、負極集電体層50として、チタン(Ti)を用いた。そして、負極集電体層50の厚さは300nmとした。
[正極層の成膜条件]
表2は、実施例1、2および比較例1、2のリチウムイオン二次電池1における、正極層20の成膜条件を示している。より具体的に説明すると、表2は、各実施例および各比較例のそれぞれの正極層形成工程(ステップ20)で用いた、スパッタリングターゲット100の組成および抵抗値と、スパッタ電力の供給形態(DCあるいはRF)と、正極層20の成膜レート(nm/sec)との関係を示している。ここで、スパッタリングターゲット100の抵抗値は、JOHN FLUKE MFG. CO. INC.社製のFLUKE 77を用いて測定した。なお、FLUKE 77で測定できる抵抗値の上限は50MΩである。
Figure 2020105600
(実施例1)
実施例1では、正極層20の成膜に用いるスパッタリングターゲット100として、Li1.5Mnなる組成を有するもの、すなわち、化学量論組成を満たさないものを用いた。以下では、実施例1の正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲット100を、「1.5−2−4ターゲット」と称することがある。この「1.5−2−4ターゲット」は、LiCOとMnとを、0.9:1(モル比)で混合した後に焼結することで得た。この「1.5−2−4ターゲット」の抵抗値は、0.5MΩであった。
また、実施例1では、「1.5−2−4ターゲット」の抵抗値が0.5MΩと比較的低いことから、DCスパッタによる正極層20の成膜を行うことが可能であった。そして、実施例1における正極層20の成膜レート(DCスパッタ)は0.41(nm/sec)であった。
(実施例2)
実施例2では、正極層20の成膜に用いるスパッタリングターゲット100として、Li2.1Mnなる組成を有するもの、すなわち、化学量論組成を満たさないものを用いた。以下では、実施例2の正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲット100を、「2.1−2−4ターゲット」と称することがある。この「2.1−2−4ターゲット」は、LiCOとMnとを、1.3:1(モル比)で混合した後に焼結することで得た。この「2.1−2−4ターゲット」の抵抗値は、20MΩであった。
また、実施例2では、「2.1−2−4ターゲット」の抵抗値が20MΩと比較的低いことから、DCスパッタによる正極層20の成膜を行うことが可能であった。そして、実施例2における正極層20の成膜レート(DCスパッタ)は0.74(nm/sec)であり、実施例1よりも高かった。
(比較例1)
比較例1では、正極層20の成膜に用いるスパッタリングターゲット100として、LiMnなる組成(表2には「Li1.0Mn」と表記)を有するもの、すなわち、化学量論組成を満たすものを用いた。以下では、比較例1の正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲット100を、「1−2−4ターゲット」と称することがある。この「1−2−4ターゲット」は、LiCOとMnとを、0.6:1(モル比)で混合した後に焼結することで得た。この「1−2−4ターゲット」の抵抗値は、5MΩであった。
また、比較例1では、「1−2−4ターゲット」の抵抗値が5MΩと比較的低いことから、DCスパッタによる正極層20の成膜を行うことが可能であった。そして、比較例1における正極層20の成膜レート(DCスパッタ)は1.01(nm/sec)であり、実施例1、2よりも高かった。
(比較例2)
比較例2では、正極層20の成膜に用いるスパッタリングターゲット100として、LiMnなる組成(表2には「Li2.0Mn」と表記)を有するもの、すなわち、化学量論組成を満たすものを用いた。以下では、比較例2の正極層形成工程で用いたスパッタリングターゲット100を、「2−2−4ターゲット」と称することがある。この「2−2−4ターゲット」は、LiCOとMnとを、1.2:1(モル比)で混合した後に焼結することで得た。この「2−2−4ターゲット」の抵抗値は50MΩ以上であり、実施例1、2および比較例1よりも高かった。
また、比較例2では、「2−2−4ターゲット」の抵抗値が50MΩ以上と比較的高いことから、DCスパッタによる正極層20の成膜を行うことが不可能であった。このため、比較例2では、実施例1、2および比較例1とは異なり、RFスパッタによる正極層20の成膜を行わざるを得なかった。そして、比較例2における正極層20の成膜レート(RFスパッタ)は0.07(nm/sec)であり、実施例1、2および比較例1よりも著しく低かった。
[リチウムイオン二次電池の評価]
ここでは、実施例1、2および比較例1、2のリチウムイオン二次電池1を評価するための尺度として、リチウムイオン二次電池1の結晶構造と、リチウムイオン二次電池1の放電容量とを用いた。ここで、リチウムイオン二次電池1の結晶構造の解析には、X線回折(XRD)を用いた。また、リチウムイオン二次電池1の放電容量の測定には、北斗電工株式会社製 充放電装置HJ1020mSD8を用いた。放電容量の測定においては、電流密度を4μA/cmに設定した。そして、得られた測定結果より、各リチウムイオン二次電池1における正極層20の単位体積あたりの放電容量(μAh/cm)を求めた。
(結晶構造)
各実施例および各比較例のリチウムイオン二次電池1において、基板10および負極集電体層50は結晶化していたが、正極層20、固体電解質層30および負極層40は非晶質化していた。
(放電容量)
表3は、実施例1、2および比較例1、2のリチウムイオン二次電池1における、正極層20の成膜に用いたスパッタリングターゲット100のターゲット組成と、放電容量との関係を示している。
Figure 2020105600
正極層20の成膜に、化学量論組成を満たさない「1.5−2−4ターゲット」を用いた実施例1では、放電容量の値が850(μAh/cm)であった。また、正極層20の成膜に、同じく化学量論組成を満たさない「2.1−2−4ターゲット」を用いた実施例2では、放電容量の値が、実施例1の約2倍となる1700(μAh/cm)であった。
これに対し、正極層20の成膜に、化学量論組成を満たす「1−2−4ターゲット」を用いた比較例1では、放電容量の値が、実施例1の3分の1以下(実施例2の6分の1以下)となる252(μAh/cm)であった。また、正極層20の成膜に、化学量論組成を満たす「2−2−4ターゲット」を用いた比較例2では、放電容量の値が、実施例1と同等となる850(μAh/cm)であった。
以上の結果から、比較例1は、成膜レートに関しては、実施例1に近いレベルを確保できているものの、放電容量に関しては、実施例1、2に対し著しく低下してしまうことがわかる。また、比較例2は、放電容量に関しては、実施例1と同等のレベルを確保できているものの、成膜レートに関しては、実施例1、2に対し著しく低下してしまうことがわかる。これは、比較例2では、「2−2−4ターゲット」の抵抗値が高いために、DCスパッタではなくRFスパッタを採用せざるを得ないことに起因するものと考えられる。したがって、実施例1、2は、比較例1、2と比べて、成膜レートが高く、且つ、放電容量も大きいことが理解される。さらに、実施例2は、成膜レートに関しては、実施例1よりも高いレベルを確保でき、放電容量に関しても、実施例1よりも高いレベルを確保できていることがわかる。
なお、本発明者が、実施例1のリチウムイオン二次電池1における正極層20に対し、ICP−AES(Inductively coupled plasma atomic emission spectroscopy:誘導結合プラズマ発光分析)を用いて、リチウム(Li)およびマンガン(Mn)を測定し、これらのモル比を算出したところ、Li:Mn比は2.1:2.0(1回目)、および、1.9:2.0(2回目)であった。すなわち、実施例1のリチウムイオン二次電池1における正極層20では、マンガンに対するリチウムのモル比が、スパッタリングターゲット100よりも増加していた。
1…リチウムイオン二次電池、10…基板、20…正極層、30…固体電解質層、40…負極層、50…負極集電体層、100…スパッタリングターゲット、110…粒子

Claims (5)

  1. リチウムイオン二次電池における正極層の形成に用いられるスパッタリングターゲットであって、
    リチウム、マンガンおよび酸素を含むとともに、これらリチウム、マンガンおよび酸素のモル比が、化学量論組成を満たさないように設定された焼結体で構成されているスパッタリングターゲット。
  2. リチウムを、モル比で、マンガンよりも多く含んでいることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記焼結体が、LiMn(2<x)なる組成を有していることを特徴とする請求項2記載のスパッタリングターゲット。
  4. リチウムを、モル比で、マンガンよりも少なく含んでいることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記焼結体が、LiMn(1<x<2)なる組成を有していることを特徴とする請求項4記載のスパッタリングターゲット。
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