JP2020105088A - ポリエステル樹脂の加水分解物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうちの1つ又は2つが、それぞれ独立に、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルケニル基を示し、残りの3つ又は2つが、それぞれ独立に、炭素数7〜10のアラルキル基、グリシジル基、炭素数1〜4の炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基を示し、X−が対イオンを示す。
−(A1O)n−H (2)
{式(2)中、A1は炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数2〜4のアルケニレン基を示し、nは1〜12の整数を示し、化合物の分子内におけるnの総和は12以下であり、nが2以上の場合、複数のA1は同一であっても、異なっていてもよい。}]
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうちの1つ又は2つが、それぞれ独立に、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルケニル基を示し、残りの3つ又は2つが、それぞれ独立に、炭素数7〜10のアラルキル基、グリシジル基、炭素数1〜4の炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基を示し、X−が対イオンを示す。
−(A1O)n−H (2)
{式(2)中、A1は炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数2〜4のアルケニレン基を示し、nは1〜12の整数を示し、上記化合物の分子内におけるnの総和は12以下であり、nが2以上の場合、複数のA1は同一であっても、異なっていてもよい。}]
ポリエステル樹脂は、特に制限されず、例えば、多価アルコール及び多価カルボン酸の重合物、オキシカルボン酸の重合物、並びに多価アルコール、多価カルボン酸及びオキシカルボン酸の重合物等が挙げられる。ポリエステル樹脂は、芳香環を有する芳香族ポリエステル樹脂又は芳香環を有しない脂肪族ポリエステル樹脂であってもよく、脂肪族芳香族ポリエステル樹脂であってもよい。また、ポリエステル樹脂は、2種以上のポリエステル樹脂を含む混合物であってもよい。
アルカリ剤は、有機物を含む有機系アルカリ剤及び有機物を含まない無機系アルカリ剤が挙げられる。ポリエステル樹脂の加水分解物を高収率で得る観点から、無機系アルカリ剤を用いることが好ましい。
次に、本実施形態の化合物(1)について説明する。
<R1、R2、R3及びR4のうちの1つが炭素数5〜36のアルキル基(又はアルケニル基)であり、残りの3つがそれぞれ独立に、炭素数7〜10のアラルキル基、グリシジル基、炭素数1〜4の炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基である化合物>
このような化合物は、例えば、下記に示される方法等により得ることができる。
(ii)トリエタノールアミンにアルキレンオキシドを付加し、その後、炭素数5〜36のアルキル(又はアルケニル)ハライドを反応させる方法。
(iii)炭素数5〜36のモノアルキル(又はモノアルケニル)アミンにアルキレンオキシドを付加し、その後、下記一般式(a−1)で示される化合物、炭素数1〜4のアルキルハライド、炭素数1〜4のアルケニルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、塩化ベンジル及びエピクロロヒドリンなどを用いて4級化する方法。
Y−R10−OH (a−1)
[式(a−1)中、Yはハロゲン原子を示し、R10は炭素数2〜4のアルキレン基(又はアルケニレン基)を示す。]
(iv)炭素数5〜36のモノアルキル(又はモノアルケニル)アミンにアルキレンオキシドを付加し、その後、酸で中和した後、アルキレンオキシドを反応させて4級化する方法。
(v)炭素数5〜36のアルキル基(又はモノアルケニル基)、並びに炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基及び水酸基を有する炭素数1〜4のアルケニル基からなる群より選択される基を2つ有する三級アミンを上記一般式(a−1)で示される化合物、炭素数1〜4のアルキルハライド、炭素数1〜4のアルケニルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、塩化ベンジル又はエピクロロヒドリンなどを用いて4級化する方法。
(vi)炭素数5〜36のアルキル基(又はアルケニル基)、並びに炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜4のアルケニル基からなる群より選択される基を2つ有する三級アミンを酸で中和した後、アルキレンオキシドを反応させて4級化する方法。
このような化合物は、例えば、下記に示される方法等により得ることができる。
(ii)炭素数5〜36のモノアルキル(又はモノアルケニル)アミンにアルキレンオキシドを付加し、その後、炭素数5〜36のアルキル(又はアルケニル)ハライドを反応させ4級化する方法。
(iii)炭素数5〜36のジアルキル(又はジアルケニル)アミンにアルキレンオキシドを付加し、その後、上記一般式(a−1)で示される化合物、炭素数1〜4のアルキルハライド、炭素数1〜4のアルケニルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、塩化ベンジル及びエピクロロヒドリンなどを用いて4級化する方法。
(iv)炭素数5〜36のアルキル基及び炭素数5〜36のアルケニル基のうち一方を2つ又は両方を1つずつ、並びに炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基及び水酸基を有する炭素数1〜4のアルケニル基からなる群より選択される基を1つ有する三級アミンを酸で中和した後、アルキレンオキシドを反応させて4級化する方法。
(v)炭素数5〜36のアルキル基及び炭素数5〜36のアルケニル基のうち一方を2つ又は両方を1つずつ、並びに炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、水酸基を有する炭素数1〜4のアルキル基及び水酸基を有する炭素数1〜4のアルケニル基からなる群より選択される基を1つ有する三級アミンに、上記一般式(a−1)で示される化合物、炭素数1〜4のアルキルハライド、炭素数1〜4のアルケニルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート、塩化ベンジル又はエピクロロヒドリンなどを用いて4級化する方法。
処理液に含まれる化合物(1)の含有量は、ポリエステル樹脂の分解効果、コストの観点から、処理液の全量に対して0.001〜5質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜2質量%であることが更に好ましい。
本実施形態で用いられる処理液は、その用途に応じて、純水、イオン交換水、井戸水及び水道水などの水;メタノール、エタノール及びプロパノールなどの炭素数1〜6の低級アルコール並びにこれら低級アルコールのアルキレンオキシド付加物;エチレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングルコールなどのグリコール類;更には、加水分解後の異物を除去するために、3−メチル−3−メトキシブタノールなどの有機溶剤;オレンジオイルなどの天然溶剤、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、化合物(1)以外のカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、鉱物油等のその他の成分を含有することができる。これらは、単独で又は二種以上を組み合わせて配合することができる。
本実施形態の加水分解工程は、ポリエステル樹脂を処理液に接触させることができれば、特に制限されない。ポリエステル樹脂を処理液に接触させる方法としては、例えば、ポリエステル樹脂を処理液に浸漬させる方法、ポリエステル樹脂に処理液を噴霧する方法、ポリエステル樹脂に処理液を滴下する方法などが挙げられる。ポリエステル樹脂を処理液に接触させる方法がポリエステル樹脂を処理液に浸漬させる方法である場合、処理液を攪拌しても、攪拌せず静置してもよい。攪拌方法としては、例えば、攪拌羽根によって攪拌する方法、エアーバブリング攪拌する方法、分解釜(槽)の回転及び振動によって攪拌する方法等が挙げられる。また、本実施形態のポリエステル樹脂を処理液に接触させて加水分解する工程において、ポリエステル樹脂を浸漬させた処理液に超音波をあててもよい。
本実施形態の加水分解工程により、ポリエステル樹脂の加水分解物を得ることができる。加水分解物は、多価カルボン酸及び多価アルコール並びにオキシカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含むことができる。多価カルボン酸、多価アルコール及びオキシカルボン酸としては、上述したポリエステル樹脂における多価カルボン酸、多価アルコール及びオキシカルボン酸と同様のものが挙げられる。
本実施形態のポリエステル樹脂の加水分解物の製造方法は、ポリエステル樹脂を加水分解して得られた加水分解物を分離して精製する工程(以下、「精製工程」という場合もある。)を更に備えていてもよい。
本実施形態のポリエステル樹脂の加水分解物の製造方法は、上述した加水分解工程及び精製工程に加えて、その他の工程を更に備えていてもよい。例えば、ポリエステル樹脂の加水分解をより促進するために、加水分解工程の前に、ポリエステル樹脂の裁断工程や殺菌洗浄工程などの工程を有していてもよい。
{化合物(E1)〜(E10)及び(CE1)〜(CE4)の調製}
下記式(3)で表される第4級アンモニウム塩について、表1及び2に示されるように第4級アンモニウム基の置換基や対イオンの種類を変更した化合物をそれぞれ調製した。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にラウリルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、リン酸を0.97モル当量混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85〜95℃でエチレンオキシド1.1モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E1)を得た。得られた化合物(E1)の酸価は0.2であった。1H−NMR及び13C−NMR[JMN−ECZ500R(日本電子(株))]を用いて化合物(E1)を分析し、化合物(E1)が、一般式(1)中、R1がラウリル基、R2及びR3がメチル基、R4が−(EO)1Hである化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E1)の不揮発分は、60.8質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E1)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にラウリルアミンを1モル当量仕込み、その後、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ラウリルアミンのエチレンオキシド2モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でジメチル硫酸を1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E2)を得た。得られた化合物(E2)のアミン価は0.1であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E2)を分析し、化合物(E2)が、一般式(1)中、R1がラウリル基、R2及びR3が−(EO)1H、R4がメチル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E2)の不揮発分は、43.0質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E2)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にラウリルアミンを1モル当量仕込み、その後、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ラウリルアミンのエチレンオキシド2モル付加物である中間体化合物を得た。中間体化合物と重量比で同量の蒸留水を中間体化合物に添加し、さらにパラトルエンスルホン酸を0.97モル当量混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、これに再度85〜95℃でエチレンオキシド1.1モル当量を吹き込んだ。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E3)を得た。得られた化合物(E3)の酸価は0であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E3)を分析し、化合物(E3)が、一般式(1)中、R1がラウリル基、R2、R3及びR4が−(EO)1Hである化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E3)の不揮発分は、64.1質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E3)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にステアリルアミンを1モル当量仕込み、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ステアリルアミンのエチレンオキシド2モル付加物を得た。さらに、触媒として水酸化ナトリウムをステアリルアミンの5/1000質量分を仕込んだ。そして、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量吹き込み、4時間熟成を行い、ステアリルアミンのエチレンオキシド4モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でジエチル硫酸を1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E4)を得た。得られた化合物(E4)のアミン価は0.3であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E4)を分析し、化合物(E4)が、一般式(1)中、R1がステアリル基、R2及びR3が、結合手2つ有する窒素原子1モルに対して合計で4モルのEOが付加した構造、R4がエチル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E4)の不揮発分は、40.8質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E4)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
環流コンデンサー付きの4つ口フラスコにラウリルジメチルアミンを1モル当量及び重量比で倍量の蒸留水を仕込み、85〜95℃で塩化ベンジルを1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E5)を得た。得られた化合物(E5)のアミン価0.3であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて化合物(E5)を分析し、化合物(E5)が、一般式(1)中、R1がラウリル基、R2及びR3がメチル基、R4がベンジル基である化合物であることを確認した。また、得られた化合物(E5)の不揮発分は、45.2質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E5)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にラウリルアミンを1モル当量仕込み、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行った。さらに触媒として水酸化ナトリウムをラウリルアミンの5/1000質量分を仕込み、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した。その後、120〜130℃でエチレンオキシド4モル当量を吹き込み、4時間熟成を行い、さらに、プロピレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間熟成を行い、ラウリルアミンのエチレンオキシド6モル、プロピレンオキシド2モルブロック付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、さらに85〜95℃で塩化ベンジルを1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E6)を得た。得られた化合物(E6)のアミン価は0.3であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて、上記中間体化合物及び化合物(E6)を分析し、化合物(E6)が、一般式(1)中、R1がラウリル基、R2及びR3が、結合手2つ有する窒素原子1モルに対して合計で6モルのEO及び2モルのPOがそれぞれブロックで付加した構造、R4がベンジル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E6)の不揮発分は、38.4質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E6)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にトリエタノールアミンを1モル当量と触媒として水酸化ナトリウムをトリエタノールアミンの5/1000質量分を仕込み、オートクレーブを窒素置換した。その後、120〜130℃でエチレンオキシド9モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、トリエタノールアミンのエチレンオキシド9モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と、中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水とを還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込んだ。その後、85〜95℃でステアリルクロリド1.1モル当量を4つ口フラスコに徐々に仕込んだ。仕込み終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E7)を得た。得られた化合物(E7)のアミン価は0.3であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E7)を分析し、化合物(E7)が一般式(1)中、R1がステアリル基、R2、R3及びR4が、結合手3つ有する窒素原子1モルに対して合計で12モルのEOが付加した構造である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E7)の不揮発分は、44.2質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E7)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にヘキシルアミンを1モル当量仕込み、その後、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ヘキシルアミンのエチレンオキシド2モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で同量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃で塩化ベンジルを1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E8)を得た。得られた化合物(E8)のアミン価は0.3であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E8)を分析し、化合物(E8)が、一般式(1)中、R1がヘキシル基、R2及びR3が−(EO)1H、R4がベンジル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E8)の不揮発分は、63.5質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E8)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
ジデシルメチルアミンを1モル当量と、ジデシルメチルアミンと重量比で同量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でジメチル硫酸1.1モル当量を4つ口フラスコに徐々に仕込んだ。仕込み終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E9)を得た。得られた化合物(E9)化合物のアミン価は0.1であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて化合物(E9)を分析し、化合物(E9)が、一般式(1)中、R1及びR2がデシル基、R3及びR4がメチル基である化合物であることを確認した。また、得られた化合物(E9)の不揮発分は、59.1質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E9)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にジラウリルアミンを1モル当量と触媒として水酸化ナトリウムをジラウリルアミンの5/1000質量分を仕込んだ。その後、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した。次いで、120〜130℃でエチレンオキシド4モル当量を吹き込み、その後、4時間の熟成を行い、ジラウリルアミンのエチレンオキシド4モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でジメチル硫酸を1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E10)を得た。得られた化合物(E10)のアミン価は0.1であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(E10)を分析し、化合物(E10)が、一般式(1)中、R1、R2がラウリル基、R3が−(EO)4H、R4がメチル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(E10)の不揮発分は、38.6質量%であった。これを水で希釈して、化合物(E10)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
化合物(CE1)としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いた。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの10%メタノール溶液(東京化成工業製)を、化合物(CE1)を10質量%含む分散液としてそのまま用いた。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にトリエタノールアミンを1モル当量と触媒として水酸化ナトリウムをトリエタノールアミンの5/1000質量分を仕込んだ。その後、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した。次いで、120〜130℃でエチレンオキシド7モル当量を吹き込み、その後、4時間の熟成を行った。熟成後、さらに、プロピレンオキシド10モル当量を吹き込み、再び4時間の熟成を行い、トリエタノールアミンのエチレンオキシド10モル、プロピレンオキシド10モルブロック付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と、中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水とを還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込んだ。その後、85〜95℃でオレイルクロリド1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(CE2)を得た。得られた化合物(CE2)のアミン価は0.4であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(CE2)を分析し、化合物(CE2)が一般式(1)中、R1がオレイル基、R2、R3及びR4が、結合手3つ有する窒素原子1モルに対して合計で10モルのEO及び10モルのPOがそれぞれブロックで付加した構造である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(CE2)の不揮発分は、39.5質量%であった。これを水で希釈して、化合物(CE2)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にステアリルアミンを1モル当量仕込み、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ステアリルアミンのエチレンオキシド2モル付加物を得た。さらに、触媒として水酸化ナトリウムをステアリルアミンの5/1000質量分を仕込んだ。そして、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した。その後、120〜130℃でエチレンオキシド28モル当量吹き込み、4時間の熟成を行い、ステアリルアミンのエチレンオキシド30モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と、中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水とを還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でジメチル硫酸を1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(CE3)を得た。得られた化合物(CE3)のアミン価は0.1であった。また1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(CE3)を分析し、化合物(CE3)が、一般式(1)中、R1がステアリル基、R2及びR3が、結合手2つ有する窒素原子1モルに対して合計で30モルのEOが付加した構造であり、R4がメチル基である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(CE3)の不揮発分は、35.2質量%であった。これを水で希釈して、化合物(CE3)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
耐圧反応容器(オートクレーブ)にラウリルアミンを1モル当量仕込み、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシド2モル当量を吹き込んだ。その後、4時間の熟成を行い、ラウリルアミンのエチレンオキシド2モル付加物を得た。さらに、触媒として水酸化ナトリウムをラウリルアミンの5/1000質量分を仕込んだ。そして、オートクレーブ内を減圧脱水し、オートクレーブを窒素置換した後、120〜130℃でエチレンオキシ43モル当量吹き込み、4時間の熟成を行い、ラウリルアミンのエチレンオキシド45モル付加物である中間体化合物を得た。この中間体化合物1モル当量と中間体化合物と重量比で倍量の蒸留水を還流コンデンサー付きの4つ口フラスコに仕込み、85〜95℃でラウリルクロリド1.1モル当量滴下した。滴下終了後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(CE4)を得た。得られた化合物(CE4)化合物のアミン価は0.2であった。1H−NMR及び13C−NMRを用いて上記中間体化合物及び化合物(CE4)を分析し、化合物(CE4)が、一般式(1)中、R1及びR2がラウリル基、R3及びR4が、結合手2つ有する窒素原子1モルに対して合計で45モルのEOが付加した構造である化合物を含むことを確認した。また、得られた化合物(CE4)の不揮発分は、35.6質量%であった。これを水で希釈して、化合物(CE4)の不揮発分を10質量%含む分散液を得た。
化合物(CE5)としてN,N−ジメチルラウリルアミンを酢酸で中和した化合物を用いた。N,N−ジメチルラウリルアミン(東京化成工業製)を酢酸で中和し、その後、水で希釈することにより、化合物(CE5)を10質量%含む分散液を得た。
化合物(CE6)としてトリメチルアミンを用いた。トリメチルアミンの25%メタノール溶液(東京化成工業製)を水で希釈することにより、化合物(CE6)を10質量%含む分散液を得た。
化合物(CE7)としてジエチルアミンを用いた。ジエチルアミン(東京化成工業製)を水で希釈することにより、化合物(CE7)を10質量%含む分散液を得た。
(実施例1)
ミニカラー染色試験機(商品名:MINI COLOR、テクサム技研製)に洗浄した市販の飲料水のペットボトル(樹脂の種類:ポリエチレンイソテレフタレート)のカット片(約1.0×0.5cm)を10g、水酸化ナトリウム8g(4.2倍モル当量)又は20g(10.5倍モル当量)、化合物(E1)を0.4g(化合物(E1)の不揮発分を10質量%含む分散液として4.0g)添加し、更に全体の質量が200gとなるように蒸留水を添加し、混合物を得た。得られた混合物を回転速度40rpm、回転方向を正転逆転の条件で加水分解処理を行い、分解液を得た。この際、処理時間は4時間又は8時間とし、処理温度は95℃、120℃又は150℃に変更した。
上記式(3)で表される化合物として、化合物(E1)に代えて表5、7及び9に記載の化合物を用い、上記式(3)で表される化合物の添加量を表5、7及び9に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂の加水分解物の製造を行った。
化合物(E1)に代えて表5〜16に記載の化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂の加水分解物の製造を行った。
化合物(E1)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂の加水分解物の製造を行った。
ミニカラー染色試験機に洗浄した市販の飲料水のペットボトル(樹脂の種類:ポリエチレンイソテレフタレート)のカット片(約1.0×0.5cm)を10g、トリメチルアミン(25%メタノール溶液、東京化成工業製)55.4gを添加し、混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂の加水分解物の製造を行った。
ミニカラー染色試験機に洗浄した市販の飲料水のペットボトル(樹脂の種類:ポリエチレンイソテレフタレート)のカット片(約1.0×0.5cm)を10g、エチレングリコール180g及び炭酸ナトリウム10gを添加し、混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂の加水分解物の製造を行った。
<ポリエステル樹脂の加水分解物の製造>で得られた分解液を濾別し、加水分解せずに残ったペットボトルのカット片及び濾液を得た。得られた加水分解せずに残ったペットボトルのカット片を温度105℃、3時間の条件で乾燥した。乾燥後のカット片の重量を測定し、下記の計算式にてペットボトルの分解率(%)を算出した。結果を表5、6及び表8に示した。
ペットボトルの分解率(%)={10(g)−乾燥後のカット片の質量(g)}×100/10(g)
<ペットボトルの分解率(%)の算出>で得られた濾液の質量を測定し、そのうちの25gを採取し、濃塩酸を5ml加え濾液を酸性にした。次いで、濾液に水を20ml加え、遠心分離した。遠心分離した濾液から上澄み液Aを取り除き、沈殿物Bを蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して、上澄み液Dを取り除き、沈殿物Cを採取し、これを乾燥し、質量を測定した。沈殿物CはIR測定装置(装置名:NICOLET is10、ThermoScientific社製)を用いてIR分析をした。その結果、沈殿物Cは、テレフタル酸及びイソフタル酸を含むことを確認した。さらに、得られた沈殿物Cに含まれるテレフタル酸及びイソフタル酸をトリメチルアンモニウムヒドロキシドでメチル化した。その後、沈殿物Cを熱分解装置(フロンティア・ラボ製:PY−3030D)付きのガスクロマト質量分析計(商品名:JMS−Q1500GC、日本電子社製)にて分析して、沈殿物Cにおけるテレフタル酸及びイソフタル酸の純度を求めた。求められた純度から、下記の計算式にてテレフタル酸及びイソフタル酸の回収率(%)を算出した。結果を表7、8、13及び14に示した。
テレフタル酸及びイソフタル酸の回収率(%)={沈殿物Cの質量(g)×純度×ろ液の質量(g)/25(g)}/{ペットボトルのカット片10gから100%テレフタル酸及びイソフタル酸を回収した場合のテレフタル酸及びイソフタル酸の質量7.90(g)}
<テレフタル酸及びイソフタル酸の回収率(%)の算出>で得られた上澄み液A及び上澄み液Dを混合し、混合液を得た。得られた混合液をガスクロマトグラフ分析計(アジレント・テクノロジー製:GC−7890A)で分析し、混合液に含まれるエチレングリコールの濃度を測定した。下記の計算式にてエチレングリコールの回収率(%)を算出した。結果を表9、10、15及び16に示した。
エチレングリコールの回収率(%)={混合液の質量(g)×混合液に含まれるエチレングリコールの濃度(%)×ろ液の質量(g)/25(g)}/{ペットボトルのカット片10gから100%エチレングリコールを回収した場合のエチレングリコールの質量2.95(g)}
Claims (2)
- ポリエステル樹脂を、アルカリ剤及び下記一般式(1)で表される化合物が含まれる処理液に接触させて加水分解する工程、を備える、ポリエステル樹脂の加水分解物の製造方法。
[式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうちの1つ又は2つが、それぞれ独立に、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数5〜36のアルケニル基を示し、残りの3つ又は2つが、それぞれ独立に、炭素数7〜10のアラルキル基、グリシジル基、炭素数1〜4の炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基を示し、X−が対イオンを示す。
−(A1O)n−H (2)
{式(2)中、A1は炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数2〜4のアルケニレン基を示し、nは1〜12の整数を示し、化合物の分子内におけるnの総和は12以下であり、nが2以上の場合、複数のA1は同一であっても、異なっていてもよい。}] - 前記加水分解物が、多価カルボン酸及び多価アルコール並びにオキシカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載のポリエステル樹脂の加水分解物の製造方法。
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