JP2019108413A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重縮合反応によって発生した昇華物または飛散物の付着による真空回路の閉塞を防止し、安定的に熱接着性に優れるポリエステルを生産するできる共重合ポリエステルの製造方法を提供する。【解決手段】テレフタル酸とイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、特定のビスフェノール基含有化合物を含むジオール成分を原料とし、回分式のエステル化反応装置でエステル化反応および重縮合反応装置で重縮合反応することにより共重合ポリエステルを製造する方法において、前記重縮合反応装置の真空回路に付着した昇華物および/または飛散物を、加熱したジオールで洗浄し、かつ、排出されたジオール洗浄排液を精製せずに液中の未溶解物を分離処理した後、前記真空回路の洗浄液として再利用する共重合ポリエステルの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、重縮合反応によって発生した昇華物および飛散物の付着による真空回路の閉塞を防止し、安定的に熱接着性に優れる共重合ポリエステルを生産することができる共重合ポリエステルの製造方法に関するものである。
従来、ポリエステルのひとつであるポリエチレンテレフタレート(PET)は、優れた力学特性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性および耐薬品性を有すことから、衣料用や産業用などの繊維分野、シートおよびエンジニアリングプラスチックなどの成型物や包装用フィルム、磁気テープ用フィルムなどのフィルム分野のような各種分野で広く使用されている。
近年、生活資材用途、特にパップ剤やプラスター剤などに使用される貼付基材用不織布においては、その構成繊維としてポリエステル繊維が用いられる割合が大きくなってきたことに伴い、そのポリエステル繊維との熱接着性が良好なポリエステル系ポリマーを熱接着成分とする熱接着繊維が望まれるようになってきている。
このようなポリエステル系ポリマーからなる熱接着繊維を構成するポリエステルとして、例えば、エチレンテレフタレート単位を主体としたポリエステルに、共重合成分としてイソフタル酸およびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンのアルキレンオキサイド付加物を特定の範囲で共重合させた非晶性の共重合ポリエステルが用いられている(特許文献1参照)。
一方で、ポリエステルの製造工程である重縮合反応は、一般的に高温減圧下で行われるためモノマー成分やポリエステルオリゴマーが昇華、飛散するが、ジカルボン酸としてイソフタル酸を多く含むジカルボン酸を用いた場合や、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物といったビスフェノール基含有化合物を用いた共重合ポリエステルの製造においては、重縮合反応器から留出する留出物中のオリゴマー量が多くなるため、連続的にバッチ運転を行なうと凝縮器または配管が閉塞されて真空不良を起こすことで反応が妨げられ、生産性が大きく低下するという問題を引き起こすことがあった。
そこで、このような共重合ポリエステルの製造におけるポリエステルオリゴマー等の昇華物および飛散物を除去する方法として、重縮合反応缶から真空装置までの間に設置された凝縮器をエチレングリコール蒸気で洗い流す技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載の技術においては、ポリエステルオリゴマーを含むエチレングリコールの洗浄排液が発生する。このエチレングリコールの洗浄排液は、重縮合反応で留出したエチレングリコール留出液と共に回収され、精留工程に送られ精製されて再利用されるが、回収すべき量が増えると、精留工程の稼働頻度が高くなり、負荷が増大するといった問題が生じる。また、精留工程では、より純度の高いエチレングリコールに精製した高純度のエチレングリコールとして回収されるが、全量回収できるわけではなく、トータルでみると使用量が大きくなり、コストアップの原因の一つになっていた。
上記のコストアップ要因となる課題を解決するために、様々な検討がなされており、その解決方法の一つとして、エステル化反応装置や重縮合反応装置から発生する留出エチレングリコール等のグリコール留出液を、回収精製工程を経ずに固形分の分離処理のみを行い、直接原料として再度利用する技術が開示されている(特許文献3、4参照)。
特開2005−29644号公報 特開2001−294654号公報 特開平9−241368号公報 特開2013−144754号公報
しかしながら、特許文献3や4に記載の技術では、コスト面の問題を解決することが可能であったとしても、留出液中には、水や副生成物であるジエチレングリコールといった低沸点成分や高沸点成分が含まれており、これらの成分がポリエステルの品質ひいては後加工工程を悪化させる原因となる。さらに、ビスフェノール基含有化合物を用いた系ではそのモノマー成分も液に混入しており、より品質の悪化が懸念される。そして、これらの成分は常に一定の割合で含まれるものではないため、製造されるポリエステルの耐熱性に関わるジエチレングリコール含有率や色調といった品質が安定しないという課題があり、その解決策は未だ確立されていない。
そこで本発明の目的は、重縮合反応によって発生した昇華物および飛散物の付着による真空回路の閉塞を防止し、かつ、その洗浄液を真空回路の閉塞を防止に再利用することで、工業的に有利で、安定的に熱接着性に優れるポリエステルを生産することができる共重合ポリエステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、テレフタル酸とイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるビスフェノール基含有化合物を含むジオール成分とを原料とし、回分式のエステル化反応装置でエステル化反応および重縮合反応装置で重縮合反応することにより共重合ポリエステルを製造する方法において、前記重縮合反応装置の真空回路に付着した昇華物および/または飛散物を加熱したジオールで洗浄し、かつ、排出されたジオール洗浄排液を精製せずに液中の未溶解物を分離処理した後、前記真空回路の洗浄液として再利用することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法である。
[上記式中、RおよびRは炭化水素残基を表す。Xはスルフォニル基またはメチレン基を表す。]
本発明の共重合ポリエステルの製造方法の好ましい様態は、前記ジカルボン酸成分の構成割合が、テレフタル酸80〜95モル%、イソフタル酸5〜20モル%であり、前記ビスフェノール基含有化合物の添加割合が、前記ジカルボン酸を基準として1〜7モル%であることである。
また、本発明の共重合ポリエステルの製造方法の好ましい様態は、ジオール洗浄排液中の未溶解物を分離処理する方法が、遠心力と比重差を利用する遠心分離法であることである。
さらに、本発明の共重合ポリエステルの製造方法の好ましい様態は、重縮合反応装置の真空回路として、該重縮合反応装置を減圧にするための減圧装置および前記重縮合反応装置と減圧装置の間に反応により発生するジオール留出液を凝縮・捕集するための凝縮器、前記凝縮器と減圧装置の間に反応により発生する留出物を捕集するためのエリミネーターを有し、加熱したジオール留出液で洗浄を行なう際に、前記真空回路を予熱することすることである。
本発明によれば、共重合ポリエステルの製造方法において、重縮合反応によって発生した昇華物および飛散物の付着による真空回路の閉塞を防止し、かつ、その洗浄液を再利用することで、工業的に有利で、安定的に熱接着性に優れるポリエステルを安定的に生産することができる。
本発明の共重合ポリエステルの製造装置(設備)の一例を示す概略説明図である。
次に、本発明の共重合ポリエステルの製造方法を実施するための一態様について説明する。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法は、テレフタル酸とイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるビスフェノール基含有化合物を含むジオール成分とを原料とし、回分式のエステル化反応装置でエステル化反応および重縮合反応装置で重縮合反応することにより共重合ポリエステルを製造する方法において、前記重縮合反応で発生するジオール留出液を精製せずに、未溶解物を分離処理した後、加熱した前記ジオール留出液で重縮合反応装置の真空回路に付着した昇華物及び/または飛散物を洗浄し、排出されたジオール洗浄排液を精製せずに液中の未溶解物を分離処理した後、前記真空回路の洗浄液として再利用することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法である。
[上記式中、RおよびRは炭化水素残基を表す。Xはスルフォニル基またはメチレン基を表す。]
本発明でいう共重合ポリエステルは、エチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルであり、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸およびイソフタル酸またはそれらの低級アルキルエステルを用いる。そのジカルボン酸成分の一部をナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸や、ドデカンジオン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸、さらにはシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などで置き換えてもよい。
本発明において、ジカルボン酸成分の割合は、テレフタル酸80〜95モル%とイソフタル酸5〜20モル%が好ましく、より好ましくはテレフタル酸87〜94モル%とイソフタル酸6〜13モル%である。イソフタル酸の割合が多すぎると、共重合ポリエステルの融解温度が低すぎて接着性が低下するため、20モル%以内が好ましい。また、繊維とした際に十分な熱接着性を得るためには、イソフタル酸の共重合割合が、5モル%以上であることが好ましい。
また、本発明において、ジオール成分の主成分としてはエチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールからなる群から選ばれた少なくとも1種のグリコール成分が好ましく用いられる。グリコール成分の一部をポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサジメタノール、ビスフェノールなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物で置き換えたものでもよい。
本発明では、ジオール成分として、下記一般式(1)で示されるビスフェノール基含有化合物を用いることが必要である。
[上記式中、RおよびRは炭化水素残基を表す。Xはスルフォニル基またはメチレン基を表す。]
一般式(1)で示されるビスフェノール基含有化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物およびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
本発明では、特に2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン(BHPP)および2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン(BHPS)が好ましい。
ビスフェノール基含有化合物の共重合割合は、ジカルボン酸成分を基準として、1〜7モル%共重合することが好ましい。共重合割合が1モル%未満の場合では、得られる複合繊維の収縮特性が不十分なものとなり、一方、共重合割合が7モル%を超える場合では、耐熱性が劣るものとなる。ビスフェノール基含有化合物の添加量は、より好ましくは2〜6モル%である。
本発明の共重合ポリエステルは、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、無機粒子や有機粒子、その他の各種の添加剤、例えば、補色剤、酸化防止剤、帯電防止剤顔料、耐熱材、蛍光増白剤など添加することができる。
本発明で共重合ポリエステルの重合に用いられる重縮合触媒としては、マンガン化合物、アンチモン化合物およびゲルマニウム化合物等が挙げられるが、中でも三酸化アンチモンが好ましく用いられる。しかしながら、三酸化アンチモンは、優れた触媒活性を持つ反面、重縮合時に金属アンチモンが析出し、金属アンチモン起因の異物が生じるため、本発明においては、添加量がポリエステル組成物の全質量を基準として、0.04質量%以下であることが好ましい。
次に、本発明の共重合ポリエステルの製造方法を、図面を用いて詳しく説明する。なお、以下ジオール成分としてエチレングリコールを例として説明しているが、本発明においてジオール成分はエチレングリコールにのみ限定されるものではない。
図1は本発明を説明する概略図である。図1には、回分式反応装置として、2槽構成のポリエステル重合方法を示したが、反応容器数(回分式反応装置数)は、これに限るものではない。
本発明の共重合ポリエステルの製造方法では、あらかじめポリエステルオリゴマーが存在する第1の回分式反応装置である回分式エステル化反応装置1に、テレフタル酸およびイソフタル酸を含むジカルボン酸成分とジオール成分を、通常はジカルボン酸成分/ジオール成分1.0〜2.0の範囲で供給する。回分式エステル化反応装置1中で行うエステル化反応は、通常は230〜270℃の温度で、常圧乃至加圧条件下(圧力を好ましくは0.18〜0.20MPa)で反応させる。
回分式エステル化反応装置1でエステル化反応を実質的に完結させて、得られたポリエステルオリゴマーを次工程の第2の回分式反応装置である回分式重縮合反応装置2に移行させる。回分式重縮合反応装置2では、ビスフェノール基含有化合物を添加して、重合触媒の存在下で温度が250〜300℃、特に270〜300℃で、圧力が0.05〜30KPaの範囲で、徐々に温度と真空度を上げていき、目標粘度のポリエステルのポリマーを合成する。この時、重縮合反応によって発生した蒸気は、凝縮器3を通り、エリミネーター4を経由して減圧装置5に導かれ系外に排出される。
重縮合反応終了後、凝縮器3およびエリミネーター4(あわせて、真空回路という)を、洗浄液加熱器10で加熱したエチレングリコールの洗浄液を用いて、噴射ノズル11より圧力0.05MPa〜0.5MPaの範囲で噴射し、洗浄を行なう。洗浄液の加熱温度は、55℃以上であることが好ましい。55℃以下では、付着した留出物のジオールへの溶解度が低かったり、低重合体の分解速度が遅いことで、十分な洗浄効果得られない場合がある。また、ジオールの沸点以上に加熱した蒸気噴霧でも良好な洗浄効果を得ることができる。
また、前記洗浄に先立ち、凝縮器3およびエリミネーター4を予熱、好ましくは55℃以上で予熱すると、より良好な洗浄効果を得ることができる。
真空回路の洗浄頻度は、適宜設定することが可能である。洗浄は、反応終了後、毎回実施してもよいし、数回の重縮合反応に1回の割合で実施することもできる。通常、洗浄頻度が高い方が良好な結果が得ることができ、安定生産が可能となる。
洗浄で使用したエチレングリコールの排液は、留出液受槽6に送られ、分離処理機7を通して、固形物が除去され、洗浄液貯槽8に送られる。
ジオール洗浄排液中の未溶解物を分離処理する方法としては、遠心力と比重差を利用する遠心分離法であることが好ましく、比重の大きい固形物を遠心力により沈降させ、液体であるエチレングリコールを分離する。
また、留出液受槽6において前記重縮合反応で発生した留出液と混合して、併せてその後の処理をし、再利用することが効率的で好ましい。前記エチレングリコール洗浄排液および留出液は、洗浄液送液ポンプ9で洗浄液加熱器10に送られ、真空回路洗浄液として再利用される。
本発明では、従来、真空回路の洗浄液として用いていたエチレングリコールの使用量を削減することでコストダウンが図れ、環境への負荷も低減でき、かつ、安定的に共重合ポリエステルを製造することができる。
本発明により得られた共重合ポリエステルは、溶融紡糸され、特にポリエステル熱接着繊維として用いられる。
このようにして得られたポリエステル系熱接着繊維は、接着性に優れており不織布の製造に好適である。また、この熱接着繊維を短繊維として単独で不織布にしてもよく、他の繊維を主体繊維として混綿して不織布としてもよいが、耐熱性およびリサイクル性の観点からPET繊維を主体とすることが好ましい。
次に、実施例にあげて本発明の共重合ポリエステルの製造方法について、さらに具体的に説明する。特性値の測定方法は、次のとおりである。
(1)色調(b値)
ポリエステルチップを、反射法によりスガ試験機製カラーメーター(ColourCute i)を用いて、Lab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値を測定した。b値は黄−青系の色相(+は黄味、−は青味)を表す。
(2)固有粘度(以下、IVと略称)
ポリエステルを2.0g計量し、オルソクロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解し、25℃の温度まで冷却し、15mlをオストワルド粘度計に入れ、溶融ポリマの落下秒数を測定し、下式により、固有粘度を算出した。
・KI=KB×t
(ここで、KIは相対粘度、KBはオストワルド粘度計計数、およびtは25℃の温度における試料溶液の流下秒数を表す。)
・補正前IV=0.0242×KI+0.2634
・固有粘度(IV)=補正前IV×f
(ここで、fは標準チップ基準値/標準チップ測定値数を表す。)
(3)ジエチレングリコール(DEG)含有率
ポリエステル1.0gにモノエタノールアミン2.5mlを加え、全還流下250℃の温度で40分間加熱後、内部標準液を加えた。さらに、テレフタル酸20.0gを加えて測定用試料を調製する。この測定用試料を島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−9A(使用カラム:島津C−R3A)を用いて、DEG含有率を測定した。
(4)軟化点(SP)
ポリエステルチップを軟化点測定機にセットし、昇温して、インデンターの先端がチップ内に落ち込んだ時点の温度を測定し、SP(℃)で示した。
(実施例1)
図1に示した設備を用いて製造した。
テレフタル酸1950質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を149質量部(7.1モル%)、エチレングリコール941質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP96質量部(2.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを予熱した後、加熱したエチレングリコール360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄し、排液中の未溶解物が0.4質量%以下になるよう分離処理した後、回収した。
凝縮器とエリミネーターの洗浄には、1回目は購入および精製したエチレングリコール(純EG)を使用し、2回目以降は前記エチレングリコールの洗浄排液および重縮合反応で発生した留出液(回収EG)を使用した。 一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が−0.7、固有粘度が0.668、DEG含有率が1.37%、軟化点が231.1℃であった。
(実施例2)
テレフタル酸1950質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を149質量部(7.1モル%)、エチレングリコール941質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPS103質量部(2.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを予熱した後、加熱したエチレングリコール360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄し、排液中の未溶解物が0.4質量%以下になるよう分離処理した後、回収した。
凝縮器とエリミネーターの洗浄には、1回目は購入および精製したエチレングリコール(純EG)を使用し、2回目以降は前記エチレングリコールの洗浄排液および重縮合反応で発生した留出液(回収EG)を使用した。
一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が−0.4、固有粘度が0.669、DEG含有率が1.39%、軟化点が230.6℃であった。
(実施例3)
テレフタル酸1900質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を145質量部(7.1モル%)、エチレングリコール917質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP172量部(4.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを予熱した後、加熱したエチレングリコール360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄し、排液中の未溶解物が0.4質量%以下になるよう分離処理した後、回収した。
凝縮器とエリミネーターの洗浄には、1回目は購入および精製したエチレングリコール(純EG)を使用し、2回目以降は前記エチレングリコールの洗浄排液および重縮合反応で発生した留出液(回収EG)を使用した。
一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が−0.3、固有粘度が0.667、DEG含有率が1.42%、軟化点が224.8℃であった。
(実施例4)
テレフタル酸1850質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を141質量部(7.1モル%)、エチレングリコール892質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP243量部(6.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを予熱した後、加熱したエチレングリコール360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄し、排液中の未溶解物が0.4質量%以下になるよう分離処理した後、回収した。
凝縮器とエリミネーターの洗浄には、1回目は購入および精製したエチレングリコール(純EG)を使用し、2回目以降は前記エチレングリコールの洗浄排液および重縮合反応で発生した留出液(回収EG)を使用した。
一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が0.1、固有粘度が0.665、DEG含有率が1.45%、軟化点が217.8℃であった。
(比較例1)
テレフタル酸1950質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を149質量部(7.1モル%)、エチレングリコール941質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行ない、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP96質量部(2.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを、加熱した購入および精製したエチレングリコール(純EG)360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄した後、排液を精留工程に送った。
一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が−0.5、固有粘度が0.667、DEG含有率が1.38%、軟化点が230.9℃であった。
(比較例2)
テレフタル酸1900質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を145質量部(7.1モル%)、エチレングリコール917質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP172質量部(4.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターを予熱した後、加熱した購入および精製したエチレングリコール(純EG)360質量部(18質量部/分、20分間)で洗浄した後、排液を精留工程に送った。
一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が−0.2、固有粘度が0.667、DEG含有率が1.38%、軟化点が225.4℃であった。
(比較例3)
テレフタル酸1900質量部(92.9モル%)、イソフタル酸を145質量部(7.1モル%)、エチレングリコール917質量部を、第1の回分式反応装置に仕込み、原料仕込みと同時に昇温を開始して、温度245℃で、圧力を0.18〜0.20MPaでエステル化反応を行い、3時間30分後に反応を終了した。
エステル化反応生成物であるポリエステルオリゴマーを第2の回分式反応装置に移液し、BHPP172質量部(4.4モル%)を添加し、290℃の温度の減圧下(0.133KPa以下)で重縮合反応を行い、一定のトルクに上昇するまで攪拌を続けて、反応を完了し、ポリマーを得た。
重縮合反応終了後、凝縮器とエリミネーターの洗浄は実施せず、一連の工程を計10回行い、得られたポリエステルの平均品質結果は、色調b値が1.2、固有粘度が0.664、DEG含有率が1.62%、軟化点が223.9℃であった。
上記の表1から、本発明の実施例1〜3においては、真空回路の洗浄液に、エチレングリコールの洗浄排液および/または重縮合反応で発生した留出液を用いており、比較例1〜2と比較して、重合反応時間およびポリマー品質が同等であり、比較例3と比較して、色調改善およびDEG含有率が良好である。
繊維、織編物および不織布などの衣料用や産業用などの繊維分野などで使用することができる共重合ポリエステルの製造に利用することができる。
1:回分式エステル化反応装置
2:回分式重縮合反応装置
3:凝縮器
4:エリミネーター
5:減圧装置
6:留出液受槽
7:留出液分離処理機
8:洗浄液(留出液)貯槽
9:洗浄液(留出液)送液ポンプ
10:洗浄液(留出液)加熱器
11:噴射ノズル

Claims (4)

  1. テレフタル酸とイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるビスフェノール基含有化合物を含むジオール成分を原料とし、回分式のエステル化反応装置でエステル化反応および重縮合反応装置で重縮合反応することにより共重合ポリエステルを製造する方法において、前記重縮合反応装置の真空回路に付着した昇華物および/または飛散物を、加熱したジオールで洗浄し、かつ、排出されたジオール洗浄排液を精製せずに中の未溶解物を分離処理した後、前記真空回路の洗浄液として再利用することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
    [上記式中、RおよびRは炭化水素残基を表す。Xはスルフォニル基またはメチレン基を表す。]
  2. 前記ジカルボン酸成分の構成割合が、テレフタル酸80〜95モル%、イソフタル酸5〜20モル%であり、前記ビスフェノール基含有化合物の添加割合が、前記ジカルボン酸を基準として1〜7モル%であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  3. 分離処理する方法が、遠心力と比重差を利用する遠心分離法であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  4. 重縮合反応装置の真空回路として、該重縮合反応装置を減圧にするための減圧装置および前記重縮合反応装置と減圧装置の間に反応により発生するジオール留出液を凝縮・捕集するための凝縮器、前記凝縮器と減圧装置の間に反応により発生する昇華物または飛散物を捕集するためのエリミネーターを有し、加熱したジオール留出液で洗浄を行なう際に、前記凝縮器およびエリミネーターを予熱することを特徴とする請求項3に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
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