JP2020100813A - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 幅広い温度域での粘着性に優れる粘着剤組成物を提供する。【解決手段】 アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)とを構成単量体として含む共重合体(A)を含有してなる粘着剤用主剤(B);該粘着剤用主剤(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)。上記(a1)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートである。【選択図】 なし
Description
本発明は、粘着剤組成物に関する。
従来、粘着テープまたは粘着シート用等の粘着剤としては天然ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤が知られている。アクリル系粘着剤としては、特定のアルキル(メタ)アクリレートを必須構成単位とする(共)重合体が開発されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1の技術であっても、幅広い温度域での粘着性については十分に満足できるものではなかった。本発明は、幅広い温度域での粘着性に優れる粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)とを構成単量体として含む共重合体(A)を含有してなる粘着剤用主剤(B);該粘着剤用主剤(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)である。
本発明の粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルム(Y)は、以下の効果を奏する。
(1)低温(10℃)での粘着性(粘着力)に優れる。
(2)高温(50℃)での粘着性(粘着力)に優れる。
(3)上記に加えて、さらに金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できる。
(1)低温(10℃)での粘着性(粘着力)に優れる。
(2)高温(50℃)での粘着性(粘着力)に優れる。
(3)上記に加えて、さらに金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できる。
<共重合体(A)>
本発明における共重合体(A)は、アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)とを構成単量体として含む。なお、構成単量体は、モノマーと略記することがある。また、共重合体は、(共)重合体と記載することがある。
本発明における共重合体(A)は、アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)とを構成単量体として含む。なお、構成単量体は、モノマーと略記することがある。また、共重合体は、(共)重合体と記載することがある。
<アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)>
前記(a1)としては、例えば、n−ブチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
上記(a1)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、さらに好ましいのはn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの併用、とくに好ましいのはn−ブチルアクリレートである。
前記(a1)としては、例えば、n−ブチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
上記(a1)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、さらに好ましいのはn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの併用、とくに好ましいのはn−ブチルアクリレートである。
<(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)>
前記(a5)としては、ポリオレフィン(炭化水素重合体)をベースとするモノマーであり、具体的には炭素数2〜10のアルケン[例えばエチレン、プロピレン、ノルマルブテン、イソブテン等]及び炭素数2〜10のアルカジエン[例えばブタジエン、イソプレン等]からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする炭化水素重合体の片末端に水酸基を導入した水酸基含有(共)重合体又は炭化水素重合体の片末端にアミノ基を導入したアミノ基含有(共)重合体と、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応又はアミド化反応または(メタ)アクリル酸メチルとのエステル交換、炭化水素重合体の片末端にカルボキシル基又は酸無水物基を導入した(共)重合体と水酸基を有する(メタ)アクリル酸とのエステル化、炭化水素重合体の片末端にエポキシ基を導入した(共)重合体と(メタ)アクリル酸との付加反応等により得ることができるモノマーである。
炭化水素重合体が、二重結合を有する場合には、水素添加により、二重結合の一部又は全部を水素化したものであってもよい。
上記(a5)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは水添ポリブタジエン(メタ)アクリレート、さらに好ましいのは(メタ)アクリロイル基を1個有する水添ポリブタジエンである。
前記(a5)としては、ポリオレフィン(炭化水素重合体)をベースとするモノマーであり、具体的には炭素数2〜10のアルケン[例えばエチレン、プロピレン、ノルマルブテン、イソブテン等]及び炭素数2〜10のアルカジエン[例えばブタジエン、イソプレン等]からなる群から選ばれる1種以上の単量体を構成単量体とする炭化水素重合体の片末端に水酸基を導入した水酸基含有(共)重合体又は炭化水素重合体の片末端にアミノ基を導入したアミノ基含有(共)重合体と、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応又はアミド化反応または(メタ)アクリル酸メチルとのエステル交換、炭化水素重合体の片末端にカルボキシル基又は酸無水物基を導入した(共)重合体と水酸基を有する(メタ)アクリル酸とのエステル化、炭化水素重合体の片末端にエポキシ基を導入した(共)重合体と(メタ)アクリル酸との付加反応等により得ることができるモノマーである。
炭化水素重合体が、二重結合を有する場合には、水素添加により、二重結合の一部又は全部を水素化したものであってもよい。
上記(a5)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは水添ポリブタジエン(メタ)アクリレート、さらに好ましいのは(メタ)アクリロイル基を1個有する水添ポリブタジエンである。
前記(a5)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜15,000、さらに好ましくは2,000〜10,000である。
また、市販の(a5)としては、例えば、[「L1253」、クラレ(株)製]が挙げられる。
また、市販の(a5)としては、例えば、[「L1253」、クラレ(株)製]が挙げられる。
前記(a1)と(a5)との重量比[(a1)/(a5)]は、粘着性の観点から、好ましくは75/25〜99/1、さらに好ましくは80/20〜97/3である。
前記(a1)、(a5)以外の構成単量体(モノマー)としては、例えば、カルボキシル基を有する単量体(a2)、水酸基を有する単量体(a3)、(a1)〜(a3)以外のその他の単量体(a4)が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの1塩基酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの多塩基酸もしくはその酸無水物、これらの多塩基酸のモノアルキルエステルが挙げられる。これらのうち好ましいものはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸およびイタコン酸が挙げられる。
上記(a2)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはアクリル酸である。
上記(a2)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはアクリル酸である。
<水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3)>
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3)としては、上記(a1)、(a2)以外の、例えば、1級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a31)、2級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a32)、1級水酸基と2級水酸基とを有する(メタ)アクリレート(a33)が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、メタアクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3)としては、上記(a1)、(a2)以外の、例えば、1級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a31)、2級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a32)、1級水酸基と2級水酸基とを有する(メタ)アクリレート(a33)が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、メタアクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
前記(a31)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a32)としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a33)としては、例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a32)としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a33)としては、例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(a3)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは、2級水酸基を有する(メタ)アクリレートを含むもの、さらに好ましいのは(a32)、(a31)と(a32)との併用、とくに好ましいのは(a31)と(a32)との併用である。
その他の単量体(a4)としては、例えば、ビニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等]、(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ネオペンチルメタアクリレート、n−オクチルメタアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
上記(a4)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは酢酸ビニルである。
上記(a4)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは酢酸ビニルである。
また、共重合体(A)は、前記単量体を、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など)により、公知の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド系重合開始剤など)を使用して行なうことができる。
上記重合方法のうち、好ましいのは溶剤(S)(例えば酢酸エチル、シクロヘキサン、トルエン)の存在下で溶液重合する方法である。
上記重合方法のうち、好ましいのは溶剤(S)(例えば酢酸エチル、シクロヘキサン、トルエン)の存在下で溶液重合する方法である。
上記共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、粘着性および取り扱いの観点から、好ましくは100,000〜600,000、さらに好ましくは150,000〜500,000、とくに好ましくは200,000〜400,000である。
本発明におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は、以下のとおりである。
装置: 「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、
「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
装置: 「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、
「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
また、共重合体(A)の有する酸価(単位:mgKOH/g)は、粘着性および劣化抑制の観点から、好ましくは0〜20、さらに好ましくは0〜10、とくに好ましくは0.5〜5である。
上記酸価は、(A)の構成単量体のうちの(a2)の重量で調整できる。
上記酸価は、(A)の構成単量体のうちの(a2)の重量で調整できる。
さらに、共重合体の有する水酸価(単位:mgKOH/g)は、粘着性のバランスの観点から、好ましくは0〜60、さらに好ましくは10〜50、とくに好ましくは20〜45である。
上記水酸基価は、(A)の構成単量体のうちの(a3)の重量で調整できる。
上記水酸基価は、(A)の構成単量体のうちの(a3)の重量で調整できる。
<粘着剤用主剤(B)>
本発明の粘着剤用主剤(B)は、前記共重合体(A)を含有してなる。該主剤(B)には、取り扱いの観点から、溶剤(S)を含有してもよい。
粘着剤用主剤(B)は、後述の粘着剤組成物(X)用の主剤として、好適に使用できる。
本発明の粘着剤用主剤(B)は、前記共重合体(A)を含有してなる。該主剤(B)には、取り扱いの観点から、溶剤(S)を含有してもよい。
粘着剤用主剤(B)は、後述の粘着剤組成物(X)用の主剤として、好適に使用できる。
<多官能(メタ)アクリレート(C)>
本発明における多官能(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、以下の(C1)〜(C3)が挙げられる。
本発明における多官能(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、以下の(C1)〜(C3)が挙げられる。
水酸基を1個有する2官能(メタ)アクリレート(C1):
例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート;
例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート;
水酸基を1個有する3〜5官能(メタ)アクリレート(C2):
例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
水酸基を有さない多官能(メタ)アクリレート(C3):
例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;
例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;
上記多官能(メタ)アクリレート(C)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは(C1)、(C2)、さらに好ましいのは(C2)、とくに好ましいのはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。
<粘着剤組成物(X)>
本発明の粘着剤組成物(X)は、前記粘着剤用主剤(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる。
上記(X)において、(A)と(C)の合計重量に基づいて、好ましくは(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%であり、さらに好ましくは(A)が80〜95重量%、(C)が5〜20重量%である。
本発明の粘着剤組成物(X)は、前記粘着剤用主剤(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる。
上記(X)において、(A)と(C)の合計重量に基づいて、好ましくは(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%であり、さらに好ましくは(A)が80〜95重量%、(C)が5〜20重量%である。
本発明の粘着剤組成物(X)は、例えば、粘着剤用主剤(B)[共重合体(A)又はその溶液]と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを混合して製造できる。
該(X)は、溶剤(S)の溶液の形態でもよいが、ハンドリング性の観点から、該溶剤(S)は、(X)の重量に基づいて、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明の粘着剤組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、光重合開始剤(D)、可塑剤、粘着性付与剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を更に含有することができる。該(D)としては公知のもの、例えば、アルキルフェノン光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等)、アシルホスフィンオキサイド光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等)が挙げられる。該(D)の重量は、(A)と(C)との合計重量に基づいて、好ましくは0.3〜3重量%である。
該(X)は、溶剤(S)の溶液の形態でもよいが、ハンドリング性の観点から、該溶剤(S)は、(X)の重量に基づいて、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明の粘着剤組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、光重合開始剤(D)、可塑剤、粘着性付与剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を更に含有することができる。該(D)としては公知のもの、例えば、アルキルフェノン光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等)、アシルホスフィンオキサイド光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等)が挙げられる。該(D)の重量は、(A)と(C)との合計重量に基づいて、好ましくは0.3〜3重量%である。
<粘着フィルム(Y)>
本発明の粘着フィルム(Y)は、粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルムである。該硬化層の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の粘着フィルム(Y)は、粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルムである。該硬化層の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の粘着フィルムは、粘着剤組成物(X)を、種々の塗工装置を用いて基材の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布して、例えば、加熱及び/又は活性エネルギー線(UV、電子線等)により硬化することにより製造できる。
この粘着剤組成物(X)は、好ましくは室温(25℃)で固体状であって、加熱溶融して、硬化させる形態が好ましい。好適には、活性エネルギー線硬化型ホットメルト粘着剤である。
この粘着剤組成物(X)は、好ましくは室温(25℃)で固体状であって、加熱溶融して、硬化させる形態が好ましい。好適には、活性エネルギー線硬化型ホットメルト粘着剤である。
基材(フィルム)としては、各種プラスチック[ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、レーヨン及びポリアミド等]のフィルム、シート、フォーム及びフラットヤーン並びに紙(和紙及びクレープ紙等)、金属板、金属箔、織布、不織布及び木材等が挙げられる。
本発明の粘着剤用主剤(B)と多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)を用いた粘着フィルム(Y)は、幅広い温度域での粘着性に優れることから、包装用(冷凍食品の包装、野菜等の結束など)、マーキング用(自動車のモール類、エンブレム・マークなど)、マスキング用(ガラスシーリング、建築養生など)、表面保護用(塗装面保護など)、医療用(絆創膏など)および事務用等の各種用途に好適に使用することができる。さらに、金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることから、電子基板の保護用途にも好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<実施例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としてのシクロヘキサン100部を仕込み昇温した。
次に、溶剤還流下、反応容器内に窒素を吹き込みながら、n−ブチルアクリレート(a1−1)95部と、(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン[クラレ(株)製「L1253」、Mn:6,300](a5−1)5部とを配合した<モノマー配合液>と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[以下、V−65と略記することがある]0.08部をシクロヘキサン50部に溶解した<開始剤溶液1>とを滴下ロートを用いて5時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、同温度で系内を撹拌下に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.11部をシクロヘキサン10部に溶解した<開始剤溶液2>を滴下ロートを用いて1時間かけて連続的に追加した。更に、溶剤還流下で重合を1時間継続した後、減圧下、130℃まで加熱し、シクロヘキサンを留去して、共重合体(A−1)を含有してなる粘着剤用主剤(B−1)を得た。
なお、共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は25万、酸価(単位:mgKOH/g)は0、水酸基価(単位:mgKOH/g)は0であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としてのシクロヘキサン100部を仕込み昇温した。
次に、溶剤還流下、反応容器内に窒素を吹き込みながら、n−ブチルアクリレート(a1−1)95部と、(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン[クラレ(株)製「L1253」、Mn:6,300](a5−1)5部とを配合した<モノマー配合液>と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[以下、V−65と略記することがある]0.08部をシクロヘキサン50部に溶解した<開始剤溶液1>とを滴下ロートを用いて5時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、同温度で系内を撹拌下に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.11部をシクロヘキサン10部に溶解した<開始剤溶液2>を滴下ロートを用いて1時間かけて連続的に追加した。更に、溶剤還流下で重合を1時間継続した後、減圧下、130℃まで加熱し、シクロヘキサンを留去して、共重合体(A−1)を含有してなる粘着剤用主剤(B−1)を得た。
なお、共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は25万、酸価(単位:mgKOH/g)は0、水酸基価(単位:mgKOH/g)は0であった。
<実施例2〜9、比較例1>
実施例1において、表1にしたがった以外は、実施例1と同様にして、各粘着剤用主剤(B)を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、表1にしたがった以外は、実施例1と同様にして、各粘着剤用主剤(B)を得た。結果を表1に示す。
なお、表1に使用した使用原料は以下のとおり。
(a5−2):片末端にカルボキシル基を有するポリイソプレンと2−ヒドロキシエチルメタアクリレートとの反応物[Mn:2,200]
(a5−2):片末端にカルボキシル基を有するポリイソプレンと2−ヒドロキシエチルメタアクリレートとの反応物[Mn:2,200]
<実施例11〜17、比較例11>
表2の配合組成(部)にしたがって、各配合成分を、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、150℃、100rpm、滞留時間3分の条件で溶融混練して、各粘着剤組成物(X)を得た。
得られた各粘着剤組成物(X)を150℃で溶融し、23℃の環境温度下で、25μmのポリエステルフィルム[東レ(株)製「ルミラー」タイプT、PET]面上にスロットコーターを用いて塗布量30g/m2にて塗工し、塗膜にUV照射装置[ウシオ電機(株)製、「UVC−02516S1AA01」]を用いて光源:メタルハライドランプ、1000mJ/cm2で硬化させ、厚さ30μmの硬化層を有する各粘着フィルム(Y)を得た。
得られた各粘着フィルムについて後述の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
表2の配合組成(部)にしたがって、各配合成分を、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、150℃、100rpm、滞留時間3分の条件で溶融混練して、各粘着剤組成物(X)を得た。
得られた各粘着剤組成物(X)を150℃で溶融し、23℃の環境温度下で、25μmのポリエステルフィルム[東レ(株)製「ルミラー」タイプT、PET]面上にスロットコーターを用いて塗布量30g/m2にて塗工し、塗膜にUV照射装置[ウシオ電機(株)製、「UVC−02516S1AA01」]を用いて光源:メタルハライドランプ、1000mJ/cm2で硬化させ、厚さ30μmの硬化層を有する各粘着フィルム(Y)を得た。
得られた各粘着フィルムについて後述の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
<1>低温における粘着力
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルム[厚みが0.18mm、以下同じ]を25℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせて積層フィルムを得た。
貼り合せた後、さらに、10℃で2日間、放置して、10℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:8N/25mmより大きい
◎:5N/25mmより大きく、8N/25mm以下
〇:3N/25mmより大きく、5N/25mm以下
×:3N/25mm以下
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルム[厚みが0.18mm、以下同じ]を25℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせて積層フィルムを得た。
貼り合せた後、さらに、10℃で2日間、放置して、10℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:8N/25mmより大きい
◎:5N/25mmより大きく、8N/25mm以下
〇:3N/25mmより大きく、5N/25mm以下
×:3N/25mm以下
<2>高温における粘着力
上記<1>で作成した積層フィルムを、さらに、50℃で2日間、放置して、50℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:8N/25mmより大きい
◎:5N/25mmより大きく、8N/25mm以下
〇:3N/25mmより大きく、5N/25mm以下
×:3N/25mm以下
上記<1>で作成した積層フィルムを、さらに、50℃で2日間、放置して、50℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:8N/25mmより大きい
◎:5N/25mmより大きく、8N/25mm以下
〇:3N/25mmより大きく、5N/25mm以下
×:3N/25mm以下
<3>低温と高温における粘着力の変化(粘着力の温度依存性)
上記<1>と<2>で測定した、低温における粘着力と高温における粘着力の差を算出し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:2Nより小さい
○:4N/25mmより小さく、2N/25mm以上
×:4N/25mm以上
上記<1>と<2>で測定した、低温における粘着力と高温における粘着力の差を算出し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:2Nより小さい
○:4N/25mmより小さく、2N/25mm以上
×:4N/25mm以上
<4>ITO層劣化試験
上記<1>で作成した積層フィルムを、60℃×相対湿度90%RHの条件下で14日間、放置した。さらに、25℃で24時間、放置して、粘着フィルムを引き剥がした。
このITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R40)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R40−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
上記<1>で作成した積層フィルムを、60℃×相対湿度90%RHの条件下で14日間、放置した。さらに、25℃で24時間、放置して、粘着フィルムを引き剥がした。
このITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R40)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R40−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
なお、表2に使用した各配合成分は以下のとおり。
多官能(メタ)アクリレート(C−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
多官能(メタ)アクリレート(C−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート
光重合開始剤(D−1):BASF社製、Irgacure184、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
多官能(メタ)アクリレート(C−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
多官能(メタ)アクリレート(C−2):ペンタエリスリトールトリアクリレート
光重合開始剤(D−1):BASF社製、Irgacure184、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
表1〜2の結果から、本発明粘着剤用主剤(B)を使用した粘着剤組成物(X)は、比較のものと比べて、低温(10℃)での粘着性、高温(50℃)での粘着性に優れる。さらに、粘着力の温度依存性が小さく、金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることがわかる。
本発明の粘着剤用主剤(B)を用いた粘着剤組成物(X)は、幅広い温度域での粘着性に優れることから、包装用(冷凍食品の包装、野菜等の結束など)、マーキング用(自動車のモール類、エンブレム・マークなど)、マスキング用(ガラスシーリング、建築養生など)、表面保護用(塗装面保護など)、医療用(絆創膏など)および事務用等の各種用途に好適に使用することができる。さらに、金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることから、電子基板の保護用途にも好適に使用できることから、きわめて有用である。
Claims (6)
- アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン(a5)とを構成単量体として含む共重合体(A)を含有してなる粘着剤用主剤(B)。
- 前記共重合体(A)が、さらに水酸基を有する単量体(a3)を構成単量体として含む請求項1記載の粘着剤用主剤。
- 前記共重合体(A)の酸価(単位:mgKOH/g)が0〜20である請求項1または2記載の粘着剤用主剤。
- 請求項1〜3のいずれか記載の粘着剤用主剤(B)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)。
- 前記(A)と(C)の合計重量に基づいて、(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%である請求項4記載の粘着剤組成物(X)。
- 請求項5記載の粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルム(Y)。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018237884 | 2018-12-20 | ||
JP2018237884 | 2018-12-20 |
Publications (1)
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JP2020100813A true JP2020100813A (ja) | 2020-07-02 |
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ID=71141084
Family Applications (1)
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JP2019214811A Pending JP2020100813A (ja) | 2018-12-20 | 2019-11-28 | 粘着剤組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020100813A (ja) |
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2019
- 2019-11-28 JP JP2019214811A patent/JP2020100813A/ja active Pending
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