JP2020180203A - 粘着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、幅広い温度域での粘着性に優れる粘着剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とメチル(メタ)アクリレート(a3)を構成単量体として含む(共)重合体(A)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)。前記(A)と(C)との合計重量に基づいて、(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%であることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、粘着剤組成物に関する。
従来、粘着テープまたは粘着シート用等の粘着剤としては天然ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤が知られている。アクリル系粘着剤としては、特定のアルキル(メタ)アクリレートを必須構成単位とする(共)重合体が開発されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1の技術であっても、幅広い温度域での粘着性については十分に満足できるものではなかった。本発明は、幅広い温度域での粘着性に優れる粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とメチル(メタ)アクリレート(a3)を構成単量体として含む(共)重合体(A)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)である。
本発明の粘着剤組成物(X)を用いた粘着フィルム(Y)は、以下の効果を奏する。
(1)低温(5℃)貼り合せでの粘着性(粘着力、のり残り)に優れる。
(2)高温(40℃)貼り合せでの粘着性(粘着力、のり残り)に優れる。
(3)上記に加えて、さらに金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できる。
(1)低温(5℃)貼り合せでの粘着性(粘着力、のり残り)に優れる。
(2)高温(40℃)貼り合せでの粘着性(粘着力、のり残り)に優れる。
(3)上記に加えて、さらに金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できる。
<アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)>
本発明におけるアルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)としては、例えば、n−ブチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
上記(a1)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、さらに好ましいのはn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの併用、とくに好ましいのはn−ブチルアクリレートである。
本発明におけるアルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)としては、例えば、n−ブチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
上記(a1)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、さらに好ましいのはn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの併用、とくに好ましいのはn−ブチルアクリレートである。
<水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)>
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)としては、上記(a1)以外の、例えば、1級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a21)、2級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a22)、1級水酸基と2級水酸基とを有する(メタ)アクリレート(a23)が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、メタアクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)としては、上記(a1)以外の、例えば、1級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a21)、2級水酸基を有する(メタ)アクリレート(a22)、1級水酸基と2級水酸基とを有する(メタ)アクリレート(a23)が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、メタアクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
前記(a21)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a22)としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a23)としては、例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a22)としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記(a23)としては、例えば、グリセリンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(a2)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは、2級水酸基を有する(メタ)アクリレートを含むもの、さらに好ましいのは(a22)、(a23)、(a21)と(a22)との併用、とくに好ましいのは(a23)、(a21)と(a22)との併用である。
<メチル(メタ)アクリレート(a3)>
本発明におけるメチル(メタ)アクリレート(a3)としては、メチルアクリレート、メチルメタアクリレートが挙げられる。
上記(a3)のうち、粘着性の観点から好ましいのは、メチルメタアクリレートである。
本発明におけるメチル(メタ)アクリレート(a3)としては、メチルアクリレート、メチルメタアクリレートが挙げられる。
上記(a3)のうち、粘着性の観点から好ましいのは、メチルメタアクリレートである。
<(共)重合体(A)>
本発明における(共)重合体(A)は、前記アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とメチル(メタ)アクリレート(a3)とを構成単量体として含む。
なお、構成単量体は、モノマーと略記することがある。
本発明における(共)重合体(A)は、前記アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とメチル(メタ)アクリレート(a3)とを構成単量体として含む。
なお、構成単量体は、モノマーと略記することがある。
前記(a1)、(a2)、(a3)以外の構成単量体(モノマー)としては、例えば、カルボキシル基を有する単量体(a4)、(a1)〜(a4)以外のその他の単量体(a5)が挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体(a4)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの1塩基酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの多塩基酸もしくはその酸無水物、これらの多塩基酸のモノアルキルエステルが挙げられる。これらのうち好ましいものはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸およびイタコン酸が挙げられる。
上記(a3)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはアクリル酸である。
上記(a3)のうち、粘着性の観点から、好ましいのはアクリル酸である。
その他の単量体(a5)としては、例えば、ビニルエステル[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等]、(メタ)アクリレート[エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ネオペンチルメタアクリレート、n−オクチルメタアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
上記(a5)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは酢酸ビニルである。
上記(a5)のうち、粘着性の観点から、好ましいのは酢酸ビニルである。
本発明における(共)重合体(A)は、前記モノマーを、公知の重合方法(塊重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合など)により、公知の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド系重合開始剤など)を使用して行なうことができる。
上記重合方法のうち、好ましいのは溶剤(S)(例えば酢酸エチル)の存在下で溶液重合する方法である。
上記重合方法のうち、好ましいのは溶剤(S)(例えば酢酸エチル)の存在下で溶液重合する方法である。
上記(共)重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、粘着性および取り扱いの観点から、好ましくは100,000〜600,000、さらに好ましくは150,000〜500,000、とくに好ましくは200,000〜400,000である。
本発明におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は、以下のとおりである。
装置: 「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、
「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
装置: 「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、
「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
(共)重合体(A)の有する水酸基濃度は、粘着性のバランスの観点から、好ましくは0.50〜3.0モル/kg、さらに好ましくは0.75〜2.5モル/kg、とくに好ましくは1.0〜2.0モル/kgである。
該水酸基濃度は、例えば、JIS K0070に準じて、水酸基価(KOHmg/g)を測定することにより算出できる。
該水酸基濃度は、例えば、JIS K0070に準じて、水酸基価(KOHmg/g)を測定することにより算出できる。
なお、(A)の有する1級水酸基と2級水酸基とのモル比[1級水酸基/2級水酸基](β)は、粘着性のバランスの観点から、好ましくは0/100〜90/10、さらに好ましくは10/90〜70/30、とくに好ましくは20/80〜50/50である。
該(β)は、例えば1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。
また、上記(A)の水酸基濃度、上記(β)は、例えば(A)の構成する(a2)の種類、重量により調整できる。
該(β)は、例えば1H−NMR(核磁気共鳴)分光法のスペクトルから求めることができる。
また、上記(A)の水酸基濃度、上記(β)は、例えば(A)の構成する(a2)の種類、重量により調整できる。
また、(共)重合体(A)の有するカルボキシル基濃度は、粘着性および劣化抑制の観点から、好ましくは0〜0.35モル/kg、さらに好ましくは0〜0.17モル/kg、とくに好ましくは0.01〜0.09モル/kgである。
該カルボキシル基濃度は、例えば、JIS K0070に準じて酸価(KOHmg/g)を測定することにより算出できる。
上記カルボキシル基濃度は、例えば(A)の構成単量体のうちの(a4)の重量で調整できる。
該カルボキシル基濃度は、例えば、JIS K0070に準じて酸価(KOHmg/g)を測定することにより算出できる。
上記カルボキシル基濃度は、例えば(A)の構成単量体のうちの(a4)の重量で調整できる。
(A)の構成する全モノマーの重量に基づいて、(a1)と(a2)と(a3)との合計重量は、好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは80〜98重量%、とくに好ましくは85〜95重量%である。
前記(a1)と(a2)と(a3)との合計重量に基づいて、粘着性の観点から、(a3)の重量は、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
また、前記(a1)と(a2)と(a3)との合計重量に基づいて、(a2)と(a3)との合計重量は、粘着性の観点から、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。
また、前記(a1)と(a2)と(a3)との合計重量に基づいて、(a2)と(a3)との合計重量は、粘着性の観点から、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。
また、(a1)は、好ましくはモノアクリレートであり、(a2)は、好ましくはモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、1〜2個の水酸基を有するアルキル(アルキル基の炭素数2〜5、好ましくは炭素数3〜4)モノ(メタ)アクリレートである。
<多官能(メタ)アクリレート(C)>
本発明における多官能(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、以下の(C1)〜(C3)が挙げられる。
本発明における多官能(メタ)アクリレート(C)としては、例えば、以下の(C1)〜(C3)が挙げられる。
水酸基を1個有する2官能(メタ)アクリレート(C1):
例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート;
例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート;
水酸基を1個有する3〜5官能(メタ)アクリレート(C2):
例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;
水酸基を有さない3〜6官能(メタ)アクリレート(C3):
例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;
例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;
上記多官能(メタ)アクリレート(C)のうち、粘着性およびのり残りの観点から、好ましいのは(C2)、(C3)、(C2)と(C3)との併用、さらに好ましいのは(C2)、とくに好ましいのはジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレートである。
<粘着剤組成物(X)>
本発明の粘着剤組成物(X)は、前記(共)重合体(A)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる。
該(X)は、(A)と(C)との合計重量に基づいて、好ましくは(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%であり、さらに好ましくは(A)が80〜95重量%、(C)が好ましくは5〜20重量%であり、とくに好ましくは(A)が85〜93重量%、(C)が7〜15重量%である。
本発明の粘着剤組成物(X)は、前記(共)重合体(A)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる。
該(X)は、(A)と(C)との合計重量に基づいて、好ましくは(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%であり、さらに好ましくは(A)が80〜95重量%、(C)が好ましくは5〜20重量%であり、とくに好ましくは(A)が85〜93重量%、(C)が7〜15重量%である。
本発明の粘着剤組成物(X)は、例えば、(共)重合体(A)又はその溶液と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを混合して製造できる。
該(X)は、溶剤(S)の溶液の形態でもよいが、ハンドリング性の観点から、該溶剤(S)は、(X)の重量に基づいて、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明の粘着剤組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、粘着性付与剤(B)[テルペン樹脂、ロジン樹脂等]、光重合開始剤(D)、可塑剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を更に含有することができる。
該(X)は、溶剤(S)の溶液の形態でもよいが、ハンドリング性の観点から、該溶剤(S)は、(X)の重量に基づいて、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
また、本発明の粘着剤組成物(X)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、粘着性付与剤(B)[テルペン樹脂、ロジン樹脂等]、光重合開始剤(D)、可塑剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を更に含有することができる。
<粘着フィルム(Y)>
本発明の粘着フィルム(Y)は、粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルムである。該硬化層の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の粘着フィルム(Y)は、粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルムである。該硬化層の厚みは、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmである。
本発明の粘着フィルムは、粘着剤組成物(X)を、種々の塗工装置を用いて基材の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布して、例えば、加熱及び/又は活性エネルギー線(UV、電子線等)により硬化することにより製造できる。
好ましい使用形態としては、後述の実施例のように、加熱(ホットメルト)した後、塗布して、活性エネルギー線で硬化させる形態である。すなわち、(X)は、活性エネルギー線硬化型ホットメルト粘着剤組成物とも言える。
好ましい使用形態としては、後述の実施例のように、加熱(ホットメルト)した後、塗布して、活性エネルギー線で硬化させる形態である。すなわち、(X)は、活性エネルギー線硬化型ホットメルト粘着剤組成物とも言える。
基材(フィルム)としては、各種プラスチック[ポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、レーヨン及びポリアミド等]のフィルム、シート、フォーム及びフラットヤーン並びに紙(和紙及びクレープ紙等)、金属板、金属箔、織布、不織布及び木材等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物(X)は、幅広い温度域での粘着性に優れることから、包装用(冷凍食品の包装、野菜等の結束など)、マーキング用(自動車のモール類、エンブレム・マークなど)、マスキング用(ガラスシーリング、建築養生など)、表面保護用(塗装面保護など)、医療用(絆創膏など)および事務用等の各種用途に好適に使用することができる。さらに、金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることから、電子基板の保護用途にも好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1>(共)重合体(A)の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としての酢酸エチル100部を仕込み昇温した。
次に、溶剤還流下、反応容器内に窒素を吹き込みながら、n−ブチルアクリレート(a1−1)87.5部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2−1)7.5部と、メタクリル酸メチル(a3−1)を配合した<モノマー配合液>と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[以下、V−65と略記することがある]0.20部を酢酸エチル20部に溶解した<開始剤溶液1>とを滴下ロートを用いて5時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、同温度で系内を撹拌下に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.11部を酢酸エチル10部に溶解した<開始剤溶液2>を滴下ロートを用いて1時間かけて連続的に追加した。更に、溶剤還流下で重合を1時間継続した後、減圧下、130℃まで加熱し、酢酸エチルを留去させて、(共)重合体(A−1)を取り出した。
なお、(共)重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は35万、水酸基濃度は0.65モル/kg、モル比(β)は100/0、カルボキシル基濃度は0モル/kgであった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としての酢酸エチル100部を仕込み昇温した。
次に、溶剤還流下、反応容器内に窒素を吹き込みながら、n−ブチルアクリレート(a1−1)87.5部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2−1)7.5部と、メタクリル酸メチル(a3−1)を配合した<モノマー配合液>と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[以下、V−65と略記することがある]0.20部を酢酸エチル20部に溶解した<開始剤溶液1>とを滴下ロートを用いて5時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、同温度で系内を撹拌下に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.11部を酢酸エチル10部に溶解した<開始剤溶液2>を滴下ロートを用いて1時間かけて連続的に追加した。更に、溶剤還流下で重合を1時間継続した後、減圧下、130℃まで加熱し、酢酸エチルを留去させて、(共)重合体(A−1)を取り出した。
なお、(共)重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は35万、水酸基濃度は0.65モル/kg、モル比(β)は100/0、カルボキシル基濃度は0モル/kgであった。
<製造例2〜4、比較製造例1>
製造例1において、表1にしたがった以外は、製造例1と同様にして、各(共)重合体(A)を得た。結果を表1に示す。
製造例1において、表1にしたがった以外は、製造例1と同様にして、各(共)重合体(A)を得た。結果を表1に示す。
<実施例1〜4、比較例1>
表2の配合組成(部)にしたがって、各配合成分を、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、150℃、100rpm、滞留時間3分の条件で溶融混練して、各粘着剤組成物(X)を得た。
得られた各粘着剤組成物(X)を150℃で溶融し、23℃の環境温度下で、25μmのポリエステルフィルム[東レ(株)製「ルミラー」タイプT、PET]面上にスロットコーターを用いて塗布量30g/m2にて塗工し、塗膜にUV照射装置[ウシオ電機(株)製、「UVC−02516S1AA01」]を用いて光源:メタルハライドランプ、1000mJ/cm2で硬化させ、厚さ30μmの硬化層を有する各粘着フィルム(Y)を得た。
得られた各粘着フィルムについて後述の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
表2の配合組成(部)にしたがって、各配合成分を、ヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、150℃、100rpm、滞留時間3分の条件で溶融混練して、各粘着剤組成物(X)を得た。
得られた各粘着剤組成物(X)を150℃で溶融し、23℃の環境温度下で、25μmのポリエステルフィルム[東レ(株)製「ルミラー」タイプT、PET]面上にスロットコーターを用いて塗布量30g/m2にて塗工し、塗膜にUV照射装置[ウシオ電機(株)製、「UVC−02516S1AA01」]を用いて光源:メタルハライドランプ、1000mJ/cm2で硬化させ、厚さ30μmの硬化層を有する各粘着フィルム(Y)を得た。
得られた各粘着フィルムについて後述の方法により評価を行った。結果を表2に示す。
<1>低温での粘着力
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルム[厚みが0.18mm、以下同じ]を5℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせて積層フィルムを得た。
貼り合せた後、60℃×相対湿度90%RHの条件下、14日間放置して、25℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:11N/25mmより大きい
◎:9N/25mmより大きく、11N/25mm以下
〇:7N/25mmより大きく、9N/25mm以下
△:5N/25mmより大きく、7N/25mm以下
×:5N/25mm以下
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルム[厚みが0.18mm、以下同じ]を5℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせて積層フィルムを得た。
貼り合せた後、60℃×相対湿度90%RHの条件下、14日間放置して、25℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:11N/25mmより大きい
◎:9N/25mmより大きく、11N/25mm以下
〇:7N/25mmより大きく、9N/25mm以下
△:5N/25mmより大きく、7N/25mm以下
×:5N/25mm以下
<2>低温でのり残り
上記<1>で得られたITO層を有するPETフィルムの表面について、目視してのり残りの有無を以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:のり残りが全くない
○:のり残りがほとんどない
△:のり残りがわずかにある
×:のり残りがある
上記<1>で得られたITO層を有するPETフィルムの表面について、目視してのり残りの有無を以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:のり残りが全くない
○:のり残りがほとんどない
△:のり残りがわずかにある
×:のり残りがある
<3>ITO層劣化試験1
上記<1>で得られた引き剥がし後のITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R5)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R5−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
上記<1>で得られた引き剥がし後のITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R5)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R5−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
<4>高温での粘着力
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルムを40℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせた。
貼り合せた後、60℃×相対湿度90%RHの条件下、14日間放置して、25℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:11N/25mmより大きい
◎:9N/25mmより大きく、11N/25mm以下
〇:7N/25mmより大きく、9N/25mm以下
△:5N/25mmより大きく、7N/25mm以下
×:5N/25mm以下
上記で得られた粘着フィルムから切り出した粘着フィルム試験片[タテ100mm×ヨコ25mm]を用いJIS Z0237−2000「粘着テープ、粘着シート試験方法」に基づき、粘着フィルムとITO層を有するPETフィルムを40℃の雰囲気下、2kgローラーの1往復で貼り合わせた。
貼り合せた後、60℃×相対湿度90%RHの条件下、14日間放置して、25℃における180°引き剥がし強度を測定(25mm幅、引張速度300mm/min)して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
☆:11N/25mmより大きい
◎:9N/25mmより大きく、11N/25mm以下
〇:7N/25mmより大きく、9N/25mm以下
△:5N/25mmより大きく、7N/25mm以下
×:5N/25mm以下
<5>高温でのり残り
上記<4>で得られたITO層を有するPETフィルムの表面について、目視してのり残りの有無を以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:のり残りが全くない
○:のり残りがほとんどない
△:のり残りがわずかにある
×:のり残りがある
上記<4>で得られたITO層を有するPETフィルムの表面について、目視してのり残りの有無を以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:のり残りが全くない
○:のり残りがほとんどない
△:のり残りがわずかにある
×:のり残りがある
<6>ITO層劣化試験2
上記<4>で得られた引き剥がし後のITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R40)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R40−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
上記<4>で得られた引き剥がし後のITO層を有するPETフィルムの抵抗値(R40)を測定して、以下の式で抵抗変化率(%)を算出し、下記評価基準で評価した。なお、R0は、貼り合わせ前の抵抗値(Ω)を示す。
抵抗値変化率(%)=(R40−R0)/R0×100
<評価基準>
◎:変化率5%未満
○:変化率5%以上、10%未満
△:変化率10%以上、20%未満
×:変化率20%以上
なお、表2に使用した各配合成分は以下のとおり。
多官能(メタ)アクリレート(C−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
光重合開始剤(D−1):BASF社製、Irgacure184、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
多官能(メタ)アクリレート(C−1):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
光重合開始剤(D−1):BASF社製、Irgacure184、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
表1〜2の結果から、本発明の粘着剤組成物(X)は、比較のものと比べて、低温(5℃)貼り合せでの粘着性、高温(40℃)貼り合せでの粘着性に優れ、さらに金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることがわかる。
本発明の粘着剤組成物(X)は、幅広い温度域での粘着性に優れることから、包装用(冷凍食品の包装、野菜等の結束など)、マーキング用(自動車のモール類、エンブレム・マークなど)、マスキング用(ガラスシーリング、建築養生など)、表面保護用(塗装面保護など)、医療用(絆創膏など)および事務用等の各種用途に好適に使用することができる。さらに、金属(酸化物)膜、とくにITO(酸化インジウムスズ)膜の劣化を抑制できることから、電子基板の保護用途にも好適に使用できることから、きわめて有用である。
Claims (6)
- アルキル(アルキル基の炭素数4〜8)アクリレート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とメチル(メタ)アクリレート(a3)を構成単量体として含む(共)重合体(A)と、多官能(メタ)アクリレート(C)とを含有してなる粘着剤組成物(X)。
- 前記(共)重合体(A)の水酸基濃度が0.50〜3.0モル/kgである請求項1記載の粘着剤組成物。
- 前記(a1)と(a2)と(a3)との合計重量に基づいて、(a3)の重量が3〜20重量%である請求項1または2記載の粘着剤組成物。
- 前記(共)重合体(A)のカルボキシル基濃度が0〜0.35モル/kgである請求項1〜3のいずれか記載の粘着剤組成物。
- 前記(A)と(C)との合計重量に基づいて、(A)が75〜97重量%、(C)が3〜25重量%である請求項1〜4のいずれか記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の粘着剤組成物(X)の硬化層を有する粘着フィルム(Y)。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019083486A JP2020180203A (ja) | 2019-04-25 | 2019-04-25 | 粘着剤組成物 |
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JP2019083486A JP2020180203A (ja) | 2019-04-25 | 2019-04-25 | 粘着剤組成物 |
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JP2020180203A true JP2020180203A (ja) | 2020-11-05 |
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- 2019-04-25 JP JP2019083486A patent/JP2020180203A/ja active Pending
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